JPH0881719A - 高純度の銅の製造方法 - Google Patents

高純度の銅の製造方法

Info

Publication number
JPH0881719A
JPH0881719A JP22174294A JP22174294A JPH0881719A JP H0881719 A JPH0881719 A JP H0881719A JP 22174294 A JP22174294 A JP 22174294A JP 22174294 A JP22174294 A JP 22174294A JP H0881719 A JPH0881719 A JP H0881719A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
exchange resin
impurities
anion exchange
contg
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22174294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3589708B2 (ja
Inventor
Tetsuya Tatebe
哲也 立部
Miyuki Takenaka
みゆき 竹中
Shoji Kozuka
祥二 小塚
Masaru Hayashi
勝 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP22174294A priority Critical patent/JP3589708B2/ja
Publication of JPH0881719A publication Critical patent/JPH0881719A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3589708B2 publication Critical patent/JP3589708B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、例えば、ULSI用の配線として
使用できるような不純物の含有量がpptオーダーであ
る極めて高純度な銅の製造方法を提供することを目的と
する。 【構成】 本発明は、高純度の銅を製造する方法であっ
て、不純物を含む銅を過酸化水素を含む塩酸水溶液で処
理し溶解させ、銅のイオンを含む処理液を得る反応工程
と、該処理液を陰イオン交換樹脂と接触させ、銅のイオ
ンを陰イオン交換樹脂に吸着させた後、酸濃度を変化さ
せた溶出液を陰イオン交換樹脂に流して吸着された金属
のイオンを溶出し、銅のイオンを含有する流出液分画を
得る陰イオン交換樹脂吸着工程と、該不純物を含まない
流出液から銅を析出させる析出工程とを含む高純度の銅
の製造方法からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高純度の銅の製造方法に
関し、さらに詳しくは、ナトリウム、カリウムのような
アルカリ金属;鉄、ニッケル、クロムのような重金属に
代表される不純物の含有量をpptのオーダーにまで低
減させた極めて高純度の銅を簡単に製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、銅中に含まれる鉄、ニッケル、ク
ロムなどの不純物を除き純度の高い銅を得るために、乾
式製錬法で得た粗銅をアノードとし、強酸性硫酸銅溶液
を電解液に用い、薄い純銅板をカソードとし、直流で電
解を行い高純度の銅(電気銅)をカソードから得てい
る。しかし、半導体技術の進展にともないより高純度の
銅が要求され、特に、ULSI用の配線として使用され
る銅では微量不純物のないきわめて高純度なものが必要
とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような電
解精製によって得られた銅の純度は6Nレベル(99.
9999%)のものであり、次のような問題があった。
例えば、不純物としてナトリウム、カリウムのようなア
ルカリ金属が存在するとフラットバンド電圧やしきい値
電圧を変化させMOS特性の不安定性さの原因となり、
酸化膜耐圧劣化の原因となる。また、鉄、ニッケルのよ
うな重金属は微小欠陥を生じ、ステンレスなどが触れた
箇所には酸化によりウェーハ欠陥を生ずるという問題が
あり、使用することができなかった。
【0004】従って、本発明は上記した問題を解消し、
不純物の含有量がpptオーダーである極めて高純度な
銅の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高純度の銅を
製造する方法であって、不純物を含む銅を過酸化水素を
含む塩酸水溶液で処理し溶解させ、銅のイオンを含む処
理液を得る反応工程と、該処理液を陰イオン交換樹脂と
接触させ、銅のイオンを陰イオン交換樹脂に吸着させた
後、酸濃度を変化させた溶出液を陰イオン交換樹脂に流
して吸着された金属のイオンを溶出し、銅のイオンを含
有する流出液分画を得る陰イオン交換樹脂吸着工程と、
該不純物を含まない流出液から銅を析出させる析出工程
とを含む高純度の銅の製造方法からなる。
【0006】さらに本発明は、過酸化水素を含む塩酸水
溶液における塩酸に対する過酸化水素の量は1〜10重
量%とし、また、前記陰イオン交換樹脂吸着工程の前
に、磁気により固形分を吸着除去して固液分離を行う磁
気吸着工程をさらに含むことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の構成によると、反応工程によって、銅
の原料粉末は過酸化水素を含む塩酸水溶液と反応し、銅
は錯イオンの形となって溶解し、原料粉末中の不純物で
ある金属類も錯イオンあるいは陽イオンの形となって銅
とともに溶解する。一方、反応せず溶けずに残った不純
物を含む固形物は磁力による吸着や濾過などの固液分離
により溶液中から除去される。次いで、陰イオン交換樹
脂吸着工程によって、不純物のイオン類を含む銅の錯イ
オンからなる反応処理液を、陰イオン交換樹脂と接触さ
せて不純物の重金属類のイオンおよび銅の錯イオンを吸
着させることにより、陰イオン交換樹脂に吸着されなか
った例えばアルカリ金属のような不純物と分離する。次
いで、吸着した各々の重金属類の陰イオン交換樹脂に対
する吸着量が、溶液の酸濃度により変化し、各金属のイ
オンを選択的に解離させることができることを利用し
て、酸濃度を変化させた溶出液を用い順次陰イオン交換
樹脂に流すことにより金属のイオンを溶出させ、銅の錯
イオンを含有する流出液分画を分取することにより、銅
と重金属不純物とを分離し、銅の錯イオン溶液である流
出液を得る。その後、析出工程により、例えば、得られ
た銅の錯イオンを含む流出液を電解液に用い電解を行
い、カソードに純銅を析出させることにより高純度の金
属銅を得ることができる。すなわち本発明は、過酸化水
素を含む塩酸で銅を溶かし、得られた液を陰イオン交換
樹脂により精製し、精製された液から電解により金属銅
を得る一連の工程により高純度の銅を製造することを特
徴としている。以下、各工程について詳細に説明する。
【0008】本発明における第一の反応工程は、従来公
知の方法で製造された不純物の多い銅粉末を過酸化水素
を含む塩酸水溶液を用いて反応し溶解させ、銅の錯イオ
ンを形成させる工程である。
【0009】銅粉末としては市販されているものを用い
ることができる。銅粉末の粒径は反応に要する時間に影
響を与え、粒径が大きいと反応に要する時間が長くな
り、生産性の点から好ましくない。逆に、粒径が細かい
場合には反応に要する時間は短くなり生産性の面からは
好ましいが、反応が激しく起こり制御するのが煩雑にな
る。従って、好ましい銅粉末の粒径の範囲としては、通
常、0.1〜100μm、特に、1〜30μmの範囲の
ものを用いると反応の制御が容易となり生産性の面から
も好ましい結果を得ることができる。
【0010】塩酸は、銅のような金属を溶かし水溶液と
して精製処理を行うために用いるものであり、また、同
時に使用する過酸化水素は酸化剤として働き、塩酸によ
る金属類の反応を促進し、また、高原子価の状態の金属
錯体を生成させ、次工程における陰イオン交換樹脂への
吸着および脱着を容易にするために塩酸に添加して用い
る。
【0011】本工程では、過酸化水素を含む塩酸水溶液
で粉末銅を処理し、銅を原料の銅に含まれる不純物であ
る金属類とともに溶解し、該溶液に溶けなかった不純物
は固形物として濾過や次にのべる磁気吸着などにより分
離除去して、銅のイオンを含む処理液を得る。
【0012】銅および不純物の金属類についての反応の
詳細は必ずしも明確ではないが、銅は過酸化水素により
酸化され、塩酸のクロルイオンと反応し2価の銅のクロ
ル錯体アニオンを生じるものと思われる。一方、他の重
金属類は同様な錯イオンを形成として存在するものや、
錯イオンを形成せず陽イオンの形で存在するものなど種
々の形で存在し、また、アルカリ金属などは陽イオンの
形で存在しているものと思われる。
【0013】銅粉末を溶解するのに必要な塩酸濃度は、
4〜12Mの範囲が適当であり、塩酸濃度が高いほど銅
粉末の溶解時間が短くなる傾向がみられる。また、塩酸
とともに用いる過酸化水素は、酸化剤として用いるもの
であり、塩酸に対して1〜10重量%の範囲が好まし
く、塩酸に対する過酸化水素の量が10重量%を超える
場合には銅粉末の溶解時間が長くなり、1重量%未満の
場合には水の蒸発の際に要する熱エネルギーが増大する
傾向がある。特に好ましい過酸化水素の濃度としては3
〜7重量%である。
【0014】また、過酸化水素を含む塩酸水溶液を調製
するには、一般に、塩酸は市販されている濃塩酸を用
い、また、過酸化水素は過酸化水素水を用いて行うが、
この過酸化水素濃度は5〜35重量%、好ましくは20
〜35重量%のものを用いて調合を行う。過酸化水素水
の濃度が35重量%を超えると取扱が極めて困難とな
り、また、濃度が5重量%よりも低い場合は、取扱上の
問題は解消されるものの、大量の処理液を扱わねばなら
ず、処理後の銅の錯イオンの濃度をあげるために濃縮な
ど余分な工程が必要となり生産コストアップの原因とな
る。
【0015】図1に示すような反応容器1に、銅粉末お
よび薬剤の注入槽4から銅粉末1重量部に対し1〜3重
量部の過酸化水素を含んだ塩酸水溶液とを投入し、80
〜120℃で、2〜4時間、攪拌装置3により攪拌する
ことによって反応を完結させ、銅のイオンを含む処理液
を得る。反応の進行とともに、液の色は黄色となる。
【0016】反応後、溶けずに残った固形物は濾過など
の固液分離手段を用いて除去するが、特に、鉄やニッケ
ルなどの重金属類を除去するため、磁気によりこれらの
不溶物を捕集し分離する磁気吸着を行い、これらの不純
物を予め取り除くようにすると、次工程である陰イオン
交換樹脂吸着工程での負担が軽減され、好ましい結果が
得られる。この磁気吸着は図1に示すように例えばテト
ラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂のような耐酸、
耐過酸化水素性の容器1の外側に磁石2を配置して、銅
粉末を酸に溶かしながら同時に行うことができ、また、
溶解後、陰イオン交換樹脂吸着工程の前に、処理液を磁
石の間を通すようにして別途行うこともできる。このよ
うにして得られた銅のイオンを含む処理液を、次ぎに示
す第二の工程によりさらに精製する。
【0017】本発明における第二の工程は、上述の第一
の工程で得られた処理液を陰イオン交換樹脂に接触させ
た後、酸濃度を変えた流出液を用いて陰イオン交換樹脂
に流し吸着された金属を溶出させ、銅を含む流出液を得
る工程である。
【0018】用いる陰イオン交換樹脂としては、例え
ば、ポリスチレンとジビニルベンゼンの共重合体を基体
とし、強塩基性の第4級アンモニウム基を交換体とした
ジビニルベンゼン8モル%程度を含む陰イオン交換樹脂
があり、陰イオンはCl型であることが好ましい。ま
た、陰イオン交換樹脂の粒径は、処理すべき水溶液の
量、精製効率、液流速などの因子によって適時選定する
ことになるが、通常、75〜150メッシュの粒径のも
のが用いられる。
【0019】不純物のイオンと銅のイオンとを分離する
ためには、陰イオン交換樹脂に第一の反応工程で得られ
た処理液を流し、銅などのイオンを吸着させる。この処
理により、鉄やニッケルなど不純物の金属イオンも銅と
ともに陰イオン交換樹脂に吸着されるが、アルカリ金属
などの不純物は吸着されず通過してしまい分離される。
【0020】銅など金属類の陰イオン交換樹脂への吸着
は、主に、陰イオン交換樹脂中のクロルイオンと溶液中
の銅のクロル錯体アニオンとがイオン交換を起こし、銅
のクロル錯体は樹脂に固定され、クロルイオンが溶液中
に流れ出ることによって起こると思われる。従って、陰
イオン交換樹脂への金属類の吸着量は、例えば錯体の生
成速度や安定性などの金属の錯体自体の性質および溶媒
中の酸濃度、特にクロルイオンの濃度によって左右され
るものと考えられる。
【0021】次に、陰イオン交換樹脂に吸着された銅お
よび鉄、ニッケル、クロムのような不純物である重金属
類から銅のみを取り出すため、酸濃度を変えた溶出液を
陰イオン交換樹脂に流して、金属のイオンを溶出させ
る。
【0022】これは、前述のように陰イオン交換樹脂に
対する金属イオンの吸着量が個々の金属の錯体の性質お
よび溶液のクロルイオン濃度によって変化することを利
用する。すなわち、例えば、ニッケル、クロムなどの不
純物である重金属類は溶液の酸濃度、すなわちクロルイ
オン濃度が高くなると、平衡は溶液中のクロル錯体が増
加する方向に移動し、樹脂に固定されているクロル錯体
の量は減少し、溶液中にクロル錯体が解離してくる。一
方、銅は酸化され状態で2価の銅クロル錯体として存在
しており、この錯体は溶液中のクロルイオンによりむし
ろ樹脂中で安定にクロル錯体を形成し固定されるように
なる傾向があり、溶出液の酸濃度が高くなっても解離せ
ず、解離させるためには溶液の酸濃度、すなわちクロル
イオン濃度を低下する必要がある。具体的には、この金
属の溶出に必要な溶出液の酸濃度は塩酸の場合、ニッケ
ル、クロムの場合8〜12M、銅では、4〜6Mの塩酸
である。
【0023】また、鉄を解離するためにはさらに低いク
ロルイオン濃度の溶液にする必要があり、具体的には、
2M以下の硝酸で処理することにより溶出させることが
できる。
【0024】このように酸濃度を高濃度から低能度の塩
酸へと変化させた溶出液を用い陰イオン交換樹脂に流
し、流出液を分取することにより、不純物を含まない銅
のイオンを含有する分画を得ることができる。なお、溶
出後の陰イオン交換樹脂は水および塩酸を用いて再生
し、再使用することができる。
【0025】以上のように、過酸化水素を含む塩酸で反
応し、反応液を陰イオン交換樹脂により吸着処理するこ
とによって、従来の技術である電解精製で完全に除去で
きなかった鉄その他の不純物を完全に除去することがで
きる。また、本工程の前に磁気吸着や濾過などの操作に
より、陰イオン交換樹脂吸着時に吸着除去されるべき不
純物の量を減少させ吸着処理を容易とし、また、陰イオ
ン交換樹脂の汚れや劣化を防止し長期間の使用を可能と
する。
【0026】なお、上述の陰イオン交換樹脂の代わりに
陽イオン交換樹脂を用いて行うこともできるが、この場
合には溶出液の酸にフッ化水素酸を用いて溶出を行う
が、ニッケル、クロムと銅の分離効率が陰イオン交換樹
脂に比べてやや低くなる傾向がみられる。
【0027】本発明の第三の工程は、上記第二工程で得
られた流出液から銅を析出する工程で、例えば、電解精
製によりカソードに純銅(電気銅)として析出させるこ
とができる。
【0028】電解精製は、上記第二工程で得られた流出
液に、または必要により濃縮した後の流出液に、電解液
中の銅:硫酸が1:3〜6の割合になるように硫酸を添
加して強酸化性硫酸銅溶液とした液を電解液として用
い、高純度のカーボンあるいは白金をアノードとし、純
銅板(種板)をカソードとして、電流密度150〜30
0A/m2 、浴電圧0.2〜0.4Vで電解して、カソ
ードに金属銅を析出させることによって行う。
【0029】以上の工程を経て得られた銅はきわめて純
度が高いものであり、このような超高純度銅の特性とし
ては導電率が高いことがあげられ、ULSI用配線とし
て用いることができる。
【0030】次に実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。
【0031】
【実施例】内壁が四フッ化エチレン重合体でつくられた
図1に示す容器に、原料として粗銅粉末1kgを採り、
9Mの塩酸50リットルおよび30重量%の過酸化水素
水15リットルからなる混合液を加え、4時間攪拌して
粉末銅を溶かした後、1時間静置させ磁気吸着を行い処
理液を得た。
【0032】次に、陰イオン交換樹脂として強塩基性ジ
ビニルベンゼンGEL CA080(商品名、平均粒
径:75〜150メッシュ、三菱化成社製)1000g
を、長さ400mm、直径35mmのポリプロピレン製
カラムに充填し、純水および塩酸で洗浄し十分に膨潤さ
せた。ついで、第一の反応工程で得られた処理液をカラ
ムに流し陰イオン交換樹脂に金属類を吸着させた。その
後、9Mの塩酸5リットルを5回に分けてカラムに流
し、ニッケル、クロムなどの不純物を溶出させた。次い
で、4.8Mの塩酸8リットルを8回に分けてカラムに
流して、銅を含む流出液をテフロン製の密閉容器中に採
取する。
【0033】第三の工程として、得られた流出液に硫酸
を加えて電解液を調製し、アノードに白金極を用い、カ
ソードに純銅を用い、表1に示す条件(実験例1〜4)
で電解しカソードに金属銅を析出させた。得られた純銅
を原子吸光法を用いて分析した結果を表2に示す。な
お、比較として従来法による精製である電解精製を用
い、粗銅粉末を硫酸に溶解し電解液とし、カソードに析
出させて製造した銅を分析した結果もあわせて表2に示
した。
【0034】
【表1】
【表2】 表2の結果より、本発明による精製法によって、従来の
電解精製に比べて不純物の量は1/10〜50となり、
きわめて高純度の銅を得ることができることがわかる。
【0035】また、本発明の精製工程における陰イオン
交換樹脂による吸着および脱着では、酸化剤を加えた酸
で金属を溶解した液を陰イオン交換樹脂に吸着させ、溶
出液の酸濃度を変化させた溶出液を流すというきわめて
簡単な操作で、個々の金属類を溶出することができる。
本実施例では、溶出液の酸濃度が高いものから低いもの
へと流す場合について説明したが、逆に、低い酸濃度の
ものから高いものへと変化させて溶出させることもでき
る。また、陰イオン交換樹脂による金属の精製の対象
は、銅に限らず、陰イオン交換樹脂に金属イオンを吸着
させ、その後、溶出液の組成や濃度を変化させることに
より、種々の金属を選択的に溶出させ、各金属を高純度
に精製することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によると、煩雑な操作を必要とし
ない簡便な金属類の精製方法が提供され、極めて高い純
度の銅を効率的に得ることができる。従って、半導体や
各種金属工業で要求されつつある高純度の金属を提供す
ることが可能となり、例えば、半導体製造プロセスなど
における製品の品質向上に大きく寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅粉を過酸化水素を含む塩酸水溶液によって反
応し、溶解させるための装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 反応容器 2 磁石 3 攪拌装置 4 薬剤の注入槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 勝 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度の銅を製造する方法であって、不
    純物を含む銅を過酸化水素を含む塩酸水溶液で処理し溶
    解させ、銅のイオンを含む処理液を得る反応工程と、該
    処理液を陰イオン交換樹脂と接触させ、銅のイオンを陰
    イオン交換樹脂に吸着させた後、酸濃度を変化させた溶
    出液を陰イオン交換樹脂に流して吸着された金属のイオ
    ンを溶出し、銅のイオンを含有する流出液分画を得る陰
    イオン交換樹脂吸着工程と、該不純物を含まない流出液
    から銅を析出させる析出工程と、を含む高純度の銅の製
    造方法。
JP22174294A 1994-09-16 1994-09-16 高純度の銅の製造方法 Expired - Fee Related JP3589708B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22174294A JP3589708B2 (ja) 1994-09-16 1994-09-16 高純度の銅の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22174294A JP3589708B2 (ja) 1994-09-16 1994-09-16 高純度の銅の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0881719A true JPH0881719A (ja) 1996-03-26
JP3589708B2 JP3589708B2 (ja) 2004-11-17

Family

ID=16771522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22174294A Expired - Fee Related JP3589708B2 (ja) 1994-09-16 1994-09-16 高純度の銅の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3589708B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004356302A (ja) * 2003-05-28 2004-12-16 Mitsubishi Materials Corp パワーモジュール用基板並びに放熱体及び放熱体の製造方法
CN113544098A (zh) * 2019-03-22 2021-10-22 埃克-泰克股份有限公司 用于处理来自电精炼工艺的电解液的方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004356302A (ja) * 2003-05-28 2004-12-16 Mitsubishi Materials Corp パワーモジュール用基板並びに放熱体及び放熱体の製造方法
CN113544098A (zh) * 2019-03-22 2021-10-22 埃克-泰克股份有限公司 用于处理来自电精炼工艺的电解液的方法
CN113544098B (zh) * 2019-03-22 2024-05-07 埃克-泰克股份有限公司 用于处理来自电精炼工艺的电解液的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3589708B2 (ja) 2004-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1218071C (zh) 用于加工金属的方法和设备以及由此生产出的金属
KR100207041B1 (ko) 구리전해액에서 안티몬 및 비스무트를 회수하는 방법
KR102048134B1 (ko) 무수 염화 니켈 및 그 제조 방법
JPS5940490B2 (ja) ウラニウムアイソト−プ濃縮法
JP3589708B2 (ja) 高純度の銅の製造方法
JP2561862B2 (ja) 超高純度銅を得るための浄液および電解法
JP2000219988A (ja) 高純度ニッケル材の製造法及び薄膜形成用高純度ニッケル材
JPS6179736A (ja) 白金族金属を回収する方法
JPH11229172A (ja) 高純度銅の製造方法及び製造装置
JP2007290937A (ja) 塩化ニッケル水溶液の精製方法
US2807518A (en) Process for recovery of uranium and vanadium from carbonate solutions by reduction-prcipitation
JP3653944B2 (ja) 銅電解液からのSbおよびBiの選択的回収方法
JPH06240475A (ja) ニッケルを含む塩化鉄系のエッチング液の処理方法
JP7194934B2 (ja) 銅電解液中の銀の回収方法
JPS58176128A (ja) ニオブおよびタンタルを含む鉱石よりニオブおよびタンタルを回収する方法
JPS619588A (ja) 鉛電解における高純度鉛の製造法
US3901775A (en) Method of ocean floor nodule treatment and electrolytic recovery of metals
JPH0967627A (ja) 銅電解精製における電解液中のアンチモン、ビスマスの選択的回収方法
JPH09227967A (ja) 高純度コバルトの製造方法及び高純度コバルトスパッタリングターゲット
JPH08127890A (ja) 高純度コバルトの製造方法
JPS58136786A (ja) 隔膜式電解還元方法
TW202341180A (zh) 自Yb靶材製備177Lu
CN116422148A (zh) 一种硫酸锌溶液中分离氟或氯离子的连续净化装置及其方法
JPH0141394B2 (ja)
JPS62161982A (ja) 電解鉄の製法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040727

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040818

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070827

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees