JPH0881576A - 無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子及びそれを型内で成形してなる発泡成形体並びにその積層体 - Google Patents

無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子及びそれを型内で成形してなる発泡成形体並びにその積層体

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JPH0881576A
JPH0881576A JP7194275A JP19427595A JPH0881576A JP H0881576 A JPH0881576 A JP H0881576A JP 7194275 A JP7194275 A JP 7194275A JP 19427595 A JP19427595 A JP 19427595A JP H0881576 A JPH0881576 A JP H0881576A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型内成形時の発泡粒子間の融着性が良い上
に、それから得られる発泡成形体は熱硬化性樹脂や金属
等との接着性が高く、さらに前記素材との積層時や積層
後の収縮率も僅少な無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒
子及びそれを原料とする発泡成形体、並びにその積層体
を提供すること。 【解決手段】 ポリオレフィンと側鎖にビニル結合を持
つポリエン重合体との混合樹脂を基材樹脂とする無架橋
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子。前記無架橋ポリオレフ
ィン系樹脂発泡粒子を型内で成形してなる発泡成形体。
前記発泡成形体と他の素材とを積層一体化してなること
を特徴とする積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無架橋ポリオレフ
ィン系樹脂発泡粒子及び該発泡粒子を原料とする発泡成
形体、並びに該成形体と他の素材との積層体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂の発泡成形体を芯材とし、その
表面に不飽和ポリエステル樹脂を被覆した積層体は良く
知られている。このような積層体は、強度、軽量性、断
熱性、遮音性等に優れており、板状や容器状等の形で浴
槽、魚槽、建材等に広く利用されている。従来、発泡成
形体と不飽和ポリエステル樹脂との積層体を製造する方
法として、芯材に使われる発泡成形体の表面を不飽和ポ
リエステル樹脂層で被覆し、硬化させる方法が知られて
いる。この場合、芯材用の発泡成形体には接着性が良い
硬質ポリウレタンフォームがよく使われる。しかし、こ
のものは原料樹脂が高価な上に発泡成形作業が複雑かつ
高コストであるし、ユニットバス等に該積層体を使うと
芯材が加水分解し易い等の欠点もある。
【0003】ところで、前記の芯材用発泡成形体にポリ
スチレン樹脂発泡粒子の型内発泡成形体の使用も考えら
れるが、これは極めて困難である。その理由は、硬化前
の不飽和ポリエステル樹脂に含まれている架橋用ビニル
モノマー(スチレン、ビニルトルエン、メチルメタクリ
レート等)に、ポリスチレン樹脂発泡粒子の型内発泡成
形体が溶けるためである。前記ポリスチレン樹脂発泡粒
子の型内発泡成形体を芯材とする際の欠点を直すため
に、ポリエチレン粒子50〜400重量部にスチレンモ
ノマー100重量部を含浸重合させた改質ポリスチレン
樹脂からなる発泡粒子の型内発泡成形体を芯材にするこ
とが、特公昭59−40622号公報に開示されてい
る。しかし、該改質ポリスチレン樹脂発泡粒子の型内発
泡成形体を芯材にすると、不飽和ポリエステル樹脂を積
層する際の80〜120℃の熱で界面に空隙が発生す
る。このほか、表面層を形成する不飽和ポリエステル
層にピンホールを生じる、芯材の発泡成形体と不飽和
ポリエステル樹脂との接着力が弱い、発泡成形体の一
部が溶ける、製品の強制養生が困難等の欠点も認めら
れる。
【0004】前記の諸問題を解決するために、抽出残渣
率70%以上の変性ポリオレフィン樹脂を原料にする芯
材が提案されている(特開昭62−190236号公
報)。この芯材は、10〜30重量%のスチレンやメタ
クリル酸メチルでグラフト変性された架橋ポリオレフィ
ン樹脂を原料にしており、100℃でも熱収縮率が5%
以下にすぎないために前記諸問題が解決されている。し
かし、該芯材は架橋樹脂を原料にするためにコスト高で
あり、低価格とするために無架橋樹脂を使うと不飽和ポ
リエステル樹脂との積層界面の芯材側が収縮する等の問
題が起る。本発明者らは、前記の諸問題を解決するため
に、グラフト変性されたポリオレフィン系樹脂発泡粒子
の型内発泡成形体を芯材とする方法を開発し、特許を出
願した(特願平6−72913号)。この芯材は、無水
マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸系グラフト化剤で変
性されたポリオレフィン系樹脂の発泡粒子を型内成形し
た芯材であり、該グラフト化剤は少量しか使わなくても
大きな効果を示すために、芯材と不飽和ポリエステル樹
脂との接着性が高い上に芯材の機械的強度も大きく、不
飽和ポリエステル樹脂と芯材との積層界面の芯材側が収
縮する等の問題もない芯材である。しかし、この芯材は
発泡粒子間の融着性に多少の問題を残しており、改良の
余地を残すものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
見られる前記の諸問題を解決し、特定の無架橋ポリオレ
フィン系樹脂からなる発泡粒子を使用することにより、
型内成形時の発泡粒子間の融着性が良い上に、それから
得られる発泡成形体は熱硬化性樹脂や金属等の他の素材
との接着性が高く、さらに他の素材との積層時や積層後
の収縮率も僅少な無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子
及びそれを原料とする発泡成形体、並びにその積層体を
提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、ポリオレフィン
と側鎖にビニル結合を持つポリエン重合体との混合樹脂
を基材樹脂とする無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子
が提供される。また、本発明によれば、前記の無架橋ポ
リオレフィン系樹脂発泡粒子を型内で成形してなる発泡
成形体が提供される。さらに、本発明によれば、前記の
発泡成形体と他の素材とを積層一体化してなることを特
徴とする積層体が提供される。
【0007】本明細書において、「無架橋ポリオレフィ
ン系樹脂発泡粒子」という用語の定義は以下の通りであ
る。ポリオレフィンとポリエン重合体との混合樹脂を基
材としている発泡粒子を試料とし、これを沸騰キシレン
中に8時間浸漬後、標準網フルイを規定しているJIS
Z 8801(1966年)に定められている74μ
の金網で速やかに濾過し、該金網上に残った沸騰キシレ
ン不溶分の重量を測定する。この不溶分の割合が試料の
1重量%以下の場合を無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡
粒子と言う。不溶分の含有率p(%)を式で表すと下式
の通りである。 P(%)=(M/L)×100 M:不溶分の重量(g) L:試料の重量(g) 尚、上記不溶分は、発泡粒子の基材樹脂である発泡前の
混合樹脂粒子を使用して同様に測定しても、或いは発泡
粒子から得られる発泡成形体(ただし、他の素材との積
層前)を同様に測定しても実質的に同一の値が得られ
る。また、他の素材との積層後の発泡成形体であって
も、測定サンプル中に他の素材が混入することがなけれ
ば発泡粒子の測定値と実質的に同一の値が得られるし、
また他の素材から充分離れた箇所を測定しても同じ結果
が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記特願平6−7
2913号に示されているグラフト変性樹脂より優れた
樹脂を得るために、無架橋ポリオレフィンに別の素材を
添加・混練した混合樹脂を基材とする発泡粒子を作製
し、その組成と発泡粒子性能との関係について試行錯誤
的に研究を進めた。その結果、1,2−ポリブタジエン
等の無架橋ポリエン重合体を含む混合樹脂を基材とする
発泡粒子の型内発泡成形体は、発泡粒子間の融着性を低
下させずに熱硬化性樹脂等との接着性(以下、単に接着
性とも言う)が高くなることが分った。一方、この性質
は無架橋ポリオレフィンと無架橋1,4−ポリブタジエ
ンとの混合樹脂を基材とする発泡粒子では見られなかっ
たから、この性質は1,2−ポリブタジエンの側鎖、す
なわちビニル結合を持つ側鎖によるものと推定された。
本発明は、この知見に基づいてなされたものである。な
お、発泡粒子を構成する樹脂中にビニル結合性側鎖を持
つポリエン重合体が含まれているか否かは、後記する示
差走査熱量測定で容易に確認される。
【0009】本発明の発泡粒子製造に使われる基材樹脂
としては、1種又は2種以上の無架橋ポリオレフィンと
1種又は2種以上の無架橋ポリエン重合体との混合樹脂
が使用される。混合樹脂中の無架橋ポリエン重合体の混
合比は2〜50重量%、好ましくは5〜45重量%であ
り、混合比過少では発泡成形体と不飽和ポリエステル樹
脂等の熱硬化性樹脂との接着性向上効果が認められず、
混合比過大の場合は発泡粒子を型内成形する際の成形温
度範囲が狭くなる等の問題がある。前記の熱硬化性樹脂
との接着性向上効果は側鎖の鎖長が短いほど大きいか
ら、ここで使われる無架橋ポリエン重合体の側鎖として
はビニル基が好適である。そして、ビニル基を側鎖にす
ると該ポリエン重合体中で前記の接着性向上に効果を示
す側鎖二重結合の密度が高くなるから、この点からもビ
ニル基を側鎖に持つポリエン重合体を使うのが望まし
い。
【0010】前記の無架橋ポリエン重合体は、分子内に
2個以上の二重結合を持つ不飽和炭化水素を原料とし、
側鎖にビニル結合が形成されるように重合させた重合体
である。モノマーには炭素数4〜12、好ましくは4〜
6の低級炭化水素が使われ、ブタジエン、ペンタジエ
ン、ヘキサジエン、ヘキサトリエン、シクロペンタジエ
ン、シクロヘキサジエン等の使用が一般的であるが、特
にブタジエンが好ましい。これらのモノマーを単独又は
2種以上混合して、或いはエチレンやプロピレン等の低
級オレフィンと混合して公知の方法で重合させれば良
く、通常は単一重合体が使われる。従って、本発明の樹
脂発泡粒子の基材に添加される無架橋ポリエン重合体と
しては無架橋1,2−ポリブタジエンが最適である。前
記の無架橋ポリエン重合体が融点を示す場合は、その融
点が混合樹脂中の無架橋ポリオレフィン重合体の融点以
下であるのが望ましい。また、無架橋ポリエン重合体の
メルトフローインデックス(以下、MFIと略記する)
は0.1〜13g/10分が好ましく、0.5〜5g/
10分であればより好ましい。
【0011】前記樹脂発泡粒子の基材となる混合樹脂に
含まれる無架橋ポリオレフィンの融点は、100〜18
0℃、好ましくは110〜160℃で、MFIは0.1
〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分で
ある。融点が低すぎると、不飽和ポリエステル樹脂等を
積層させる際の熱に耐えられず、得られた積層体の耐熱
性も低下する。また、融点が高すぎると発泡体製造コス
トの上昇や発泡倍率低下等の問題を生じる。そして、M
FIが低すぎると良好な発泡倍率で発泡粒子を得るのが
困難になり、高すぎると発泡自体が困難になる。前記の
無架橋ポリオレフィンを具体的に示すと、高密度ポリ
エチレン直鎖状低密度ポリエチレンポリプロピレン
プロピレン−オレフィンランダム共重合体プロピレ
ン−オレフィンブロック共重合体等が挙げられる。な
お、前記のはα−オレフィン含有率0.5〜10重量
%程度のエチレン−α−オレフィンランダム共重合体、
はα−オレフィン含有率0.5〜10重量%程度のラ
ンダム共重合体、はα−オレフィン含有率0.5〜3
0重量%程度のブロック共重合体であり、これら共重合
体中のα−オレフィンの炭素数は10以下である。
【0012】前記の発泡粒子基材に使われる無架橋ポリ
オレフィンのうち、特に好ましい重合体はプロピレン系
ランダム共重合体である。この理由は、該共重合体と無
架橋ポリエン重合体とを混合して得られる混合樹脂を基
材にすると、生成した発泡粒子が高発泡状態でも不飽和
ポリエステル樹脂と良く接着するからである。以上のほ
か、発泡粒子の基材となる混合樹脂中には第3の重合体
が添加されていても良い。この場合、第3の重合体の添
加量は混合樹脂の30重量%以下、好ましくは10重量
%程度とするのが良い。ただし、第3の重合体が添加さ
れていても、混合樹脂中の無架橋ポリオレフィン含有率
を50重量%以上にすることが必要である。なお、第3
の重合体としては、合成ゴム、ポリエステル、1又は2
個のハロゲン原子を繰り返し構造単位に含むハロゲン化
ビニル重合体、セルロース誘導体系重合体、アクリル酸
誘導体系重合体等が例示される。
【0013】発泡粒子の基材用混合樹脂は、その混合比
で得られる発泡粒子の機械的強度や接着性及び融着性を
制御することができる。また、接着性と機械的強度とは
二律背反の関係にあり、一方を充分大きくすると他方が
低下するから発泡粒子の使用目的によって樹脂の混合比
を変えるのが良い。しかし、本発明の発泡粒子を発泡成
形体とした場合は、従来のポリオレフィン系樹脂発泡粒
子より接着性を高めた場合の機械的強度(発泡粒子間の
融着性に起因する強度を含む)低下率が低いから、この
発泡粒子は積層体形成用発泡粒子として従来品より好ま
しいと言える。前記の混合樹脂は押し出し機内に入れて
溶融・混練し、該溶融・混練物をストランド状に押し出
してから冷却後に切断してペレット状とし、これに発泡
粒子製造用密閉容器内で発泡剤を含浸後に低圧部に放出
し、得られた発泡粒子を金型内で加熱成形すれば成形体
が得られる。なお、自明のことであるが、押し出し成形
物(ストランド)の切断は混合樹脂が冷える前でも後で
も良いし、ペレットの大きさは通常の樹脂発泡体製造時
に行なわれている範囲であれば限定されない。
【0014】混合樹脂の発泡は、水等の分散媒に分散さ
せた前記ペレットと発泡剤を密閉容器内に入れ、該ペレ
ットの軟化温度以上に加熱して混合樹脂内に発泡剤を含
浸させてから、密閉容器の一端を開けてペレットと水を
低圧部に放出させる常法で行えば良い。なお、前記の樹
脂軟化温度はASTM−D−648に規定されている軟
化温度であり、荷重4.6Kg/cm2の条件で測定さ
れる軟化温度である。発泡剤には、プロパン、ブタン、
ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン、
トリクロルフロルメタン、ジクロルジフロルメタン、ク
ロルフロルメタン、トリフロルメタン、1,1−ジフロ
ルエタン、1−クロル−1,1−ジフロルエタン、1,
2,2,2−テトラフロルエタン、1−クロル−1,
2,2,2−テトラフロルエタン等の揮発性発泡剤、又
は窒素、空気、二酸化炭素、アルゴン等の無機ガス系発
泡剤が使われるが、環境面で問題がなく安価な空気等の
無機ガス系発泡剤が好ましい。また、発泡剤使用量は一
般に樹脂使用量の2〜50重量%であり、発泡倍率や発
泡温度を考慮して前記範囲内で適宜定めれば良い。
【0015】混合樹脂ペレットの分散媒は、該混合樹脂
を溶解しない水、エチレングリコール、グリセリン、メ
タノール、エタノール等の液体であり、その使用量は一
般に混合樹脂ペレット重量の1.5〜10倍、好ましく
は2〜5倍である。また、通常は分散媒として水が使わ
れる。混合樹脂ペレットを分散媒に分散させ、加熱下に
発泡剤を該樹脂ペレットに含浸させる際には、混合樹脂
ペレットの相互融着を防ぐために融着防止剤が使われ
る。融着防止剤は分散媒に不溶な無機系又は有機系の高
融点物であり、平均粒径0.001〜70μm、好まし
くは0.001〜30μmの微粉体である。そして、通
常の発泡体製造時には、カオリン、タルク、マイカ、ア
ルミナ、チタニア、水酸化アルミニウム等の無機系融着
防止剤が使われる。また、融着防止剤の添加量は混合樹
脂ペレット使用量の0.01〜10重量%程度が望まし
い。前記の融着防止剤添加の際は、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムやオレイン酸ナトリウム等のアニオ
ン系界面活性剤を分散助剤とするのが好ましく、その添
加量は混合樹脂ペレット使用量の0.001〜5重量%
程度が望ましい。
【0016】本発明では、無架橋ポリオレフィンと特定
の無架橋ポリエン重合体との混合樹脂を基材として発泡
粒子を得ており、無架橋樹脂を原料にして樹脂発泡体を
製造する場合には、該樹脂に二次結晶があると型内成形
性に優れた発泡粒子が得られることが知られている。そ
して、樹脂中に二次結晶が存在するか否かは、該樹脂か
ら得られる発泡粒子のDSC曲線に現れる高温ピークの
有無で判定され、該ピークがあれば二次結晶が存在し、
無ければ二次結晶が存在しない。ここで高温ピークと
は、樹脂の融解に伴う吸熱ピーク(固有ピーク)より高
温側に出現する吸熱ピークである。また、前記のよう
に、ビニル結合性側鎖を持つ無架橋ポリエン重合体の存
在は、DSC曲線の高温ピークより高温側に発熱ピーク
が存在するか否かで判定される。これらの判定に使われ
るDSC曲線は、以下のようにして求めることができ
る。
【0017】1〜5mgの発泡粒子を、10℃/分の速
度で室温から220℃まで昇温させてDSC曲線を得、
同速度で40℃付近まで降温後に前記と同じ条件で2回
目のDSC曲線を求めれば、固有ピークは1回目と2回
目で5℃未満、通常は2℃未満の頂点温度差で出現し、
二次結晶がある場合には1回目のDSC曲線に高温ピー
クが現れ、2回目のDSC曲線にはこれが現れない。一
方、二次結晶がない場合には1回目のDSC曲線に高温
ピークが現れないから、高温ピークの有無が分かる。な
お、2回目のDSC曲線に現れる固有ピークの頂点温度
と1回目の高温ピークのそれとの温度差は5℃以上、好
ましくは10℃以上が良い。ビニル結合性側鎖を持つ無
架橋ポリエン重合体が存在すると、1回目のDSC曲線
(但し、前記のようにして500℃まで昇温させて得ら
れるDSC曲線)には高温ピークより高温側に発熱ピー
クが現れ、2回目のDSC曲線には該ピークが出現しな
いか、或いは発熱量が大きく減少したピークが現れる。
従って、この1回目のDSC曲線(500℃昇温)に現
れる発熱ピークは無架橋ポリエン重合体中の側鎖ビニル
結合が反応する際の反応熱によって出現するものと推定
される。本発明においては、上記発熱ピークの発熱量
は、混合樹脂中のポリエン重合体の種類と量を総括的に
示す指標となる。その発熱量は、発泡粒子(他の素材を
積層する前の発泡成形体でも構わない)1g当り15〜
420J(ジュール)が望ましい。その発熱量が15J
未満の場合には、発泡成形体と不飽和ポリエステル樹脂
等の熱硬化性樹脂との接着性向上効果に劣り、また42
0Jを越える場合には、発泡粒子を型内成形する際の成
形温度幅が狭くなる(この幅が狭くなると、発泡粒子間
の融着性が不十分となったり、あるいは得られる発泡成
形体が収縮しやすくなる。)等の問題が発生しやすくな
る。従って、前記
〔0009〕で説明した混合樹脂中の
ポリエン重合体の混合比は、ポリエン重合体の種類に応
じて、上記発熱量を考慮に入れて選択することが望まし
いといえる。尚、上記発熱量は、発泡粒子の基材樹脂で
ある発泡前の混合樹脂粒子を使用して同様に測定して
も、或いは発泡粒子から得られる発泡成形体(ただし、
他の素材との積層前)を同様に使用しても実質的に同一
の値が得られる。また、他の素材との積層後の発泡成形
体であっても、測定サンプル中に他の素材が混入するこ
とがなければ発泡粒子の測定値と実質的に同一の値が得
られるし、また他の素材から充分離れた箇所を測定して
も同じ結果が得られる。
【0018】発泡粒子の基材となる混合樹脂は、使用す
る発泡剤とその量によっても異なるが、その融点(上記
2回目のDSC曲線に現れる固有ピークの頂点温度)よ
り約20℃低い温度とその融解終了温度との間の温度に
5〜90分間、好ましくは15〜60分間保つと混合樹
脂内に二次結晶を形成させることができる。例えば、無
機ガス系発泡剤を使う場合には、分散媒中に混合樹脂ペ
レットが分散されている密閉容器に無機ガス系発泡剤を
加え、これを混合樹脂の融点とその補外融解終了温度
(JIS K7121に規定されている温度)との間の
温度に保てば、混合樹脂ペレットに二次結晶を形成させ
ることができる。そして、該密閉容器内容物を低圧部に
放出すれば二次結晶を持つ発泡粒子が得られる。また、
放出前の混合樹脂ペレット中に充分大量の二次結晶があ
れば、放出時の温度(発泡温度)が混合樹脂ペレットの
補外融解終了温度以上であっても、前記高温ピークの頂
点温度以下の場合には二次結晶の存在する型内成形性の
良い発泡粒子が得られる。
【0019】最適発泡温度は、基材樹脂の種類並びに発
泡剤の種類及び使用量で異なる。例えば、原料の無架橋
ポリオレフィンに無架橋ポリプロピレン系樹脂を使っ
て、無機ガス系発泡剤で発泡させる場合は、発泡温度を
混合樹脂ペレットの融点より約5℃低温から約15℃高
温の範囲、好ましくは約3℃低温から約10℃高温の範
囲にするのが望ましい。そして、分散媒中の混合樹脂ペ
レットを発泡温度まで昇温させる際の昇温速度は1〜1
0℃/分、好ましくは2〜5/℃分とするのが望まし
い。なお、発泡させるために容器内容物を放出する際の
低圧部は大気圧以下でも良いが、通常はコスト的に有利
な大気圧下に放出される。前記の方法で製造された発泡
粒子は、平均気泡径が10〜500μm程度である。ま
た、発泡粒子の嵩比重は発泡剤使用量等で異なるが0.
009〜0.3g/cm3程度である。
【0020】発泡粒子は、発泡体成形用金型内で基材樹
脂の種類によって定まる適温に加熱して成形体にする
が、本発明の発泡粒子のように無架橋樹脂を基材樹脂と
する場合は、一般に発泡前の混合樹脂ペレット融点より
15℃低温の温度と該融点より15℃高温の温度との間
の任意の温度に加熱して成形体にする。そして、本発明
の発泡粒子は粒子間の相互融着性が高いから、前記温度
で丈夫な発泡成形体が得られる。また、該方法で成形さ
れた発泡成形体表面は薄い表皮に覆われて気泡が閉じて
いるが、発泡成形体の不飽和ポリエステル樹脂との積層
面の気泡が開放されていると、該部分に不飽和ポリエス
テル樹脂が浸入して発泡成形体と一体化するために、接
着強度が大幅に上がる。従って、発泡成形体の樹脂積層
面にある表皮をスライス等の方法で除けば、接着強度を
大幅に上げることができる。この方法によれば、同一接
着強度を得るのに必要なビニル結合性側鎖の量を減らす
ことができるから、基材樹脂中の無架橋ポリエン重合体
の含有率低下が可能になり、コスト的に有利である。
【0021】ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の型内発泡
成形体を芯材とし、その表面に不飽和ポリエステル樹脂
層を設けた樹脂発泡体/不飽和ポリエステル樹脂積層体
は、従来公知の方法で製造することができる。例えば、
レジンインジェクションモールディング法(レジントラ
ンスファーモールディング法)に従って所望形状の金型
内に形状対応の発泡成形体を挿入後、金型の液注入口か
ら液状の不飽和ポリエステル樹脂を注入し、発泡成形体
の表面と金型内表面間の空隙部に不飽和ポリエステル樹
脂液を充満させ、これを硬化させる方法で製造すること
ができる。前記の積層体製造時に、発泡成形体の表面と
金型内表面間の空隙部にガラス繊維や炭素繊維等の補強
材を入れて樹脂層を補強することもできる。また、積層
用の不飽和ポリエステル樹脂液にはこの種の積層に使わ
れる公知樹脂液を使えば良く、通常は硬化用触媒と不飽
和ポリエステル樹脂を架橋用ビニルモノマーに溶解した
液が使われる。なお、不飽和ポリエステルの硬化反応は
発熱反応なので加熱は不要であるが、硬化反応終了後に
金型を60〜100℃に5〜60分間保持して硬化物を
強制養生させても良く、強制養生で積層体の強度を更に
高めることができる。そして、硬化終了後は積層体を金
型から取出して製品とすれば良い。以上のほか、本発明
の積層体はハンドレイアップ法やスプレイアップ法で製
造しても良い。これらの場合は、板状に成形された発泡
成形体の片面又は両面に補強材を含む不飽和ポリエステ
ル樹脂層を設け、これを硬化させれば良い。
【0022】本発明の発泡成形体は、熱融着法によって
金属と積層させることもできる。ここで使われる金属
は、鉄、アルミニウム、クロム、ニッケル、金、銀、
銅、マグネシウム、亜鉛、錫、鉛、ステンレス、ブリキ
等であるが、特に鉄、ステンレス、アルミニウム及び銅
が好ましい。金属との積層体を製造する場合は、前記の
ようにして得られた発泡成形体の両面又は片面に、厚さ
0.01〜50mm、好ましくは0.01〜10mmの
金属箔又は金属板を重ね合せ、100〜200℃、好ま
しくは120〜170℃の温度及び3kg/cm2
下、好ましくは0.5kg/cm2以下の圧力下に、
0.5〜5分間、好ましくは1〜3分間保持して熱融着
させれば良い。なお、厚さ20mm以下の金属板と積層
させる場合には、金属板を発泡成形体を構成する混合樹
脂の軟化点以上の温度に加熱し、これを直ちに発泡成形
体の積層面に重ね合せて30秒以上静置すれば、金属と
発泡成形体との良好な積層体が得られる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって更
に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限
定されるものではない。なお、以下に示す部及び%はい
ずれも重量基準のものである。
【0024】実施例1〜6、比較例1〜3 (発泡粒子の原料に使う樹脂)実施例及び比較例で発泡
粒子の原料に使われる無架橋ポリオレフィン及び無架橋
ポリエン重合体と、その記号を表1に示す。また、該樹
脂の物性及び該樹脂をグラフト変性した樹脂(比較例で
使用する)の物性、並びに変性剤の種類と変性度を表2
に示すが、変性度は原料樹脂に対する変性剤使用比率と
して重量%で示してある。なお、表2に記載されている
MFIを測定する際の荷重は2.16kgf/cm
2で、温度は樹脂の種類がPの場合は230℃、樹脂の
種類がRの場合は190℃、樹脂の種類がSの場合は1
50℃である。
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】(発泡粒子の原料となる樹脂ペレットの製
造)表2に示した樹脂を単独又は混合して表3に示す組
成の樹脂とし、これを押し出し機に入れて溶融・混練し
てからストランド状に押し出し、急冷後に切断して円柱
状の樹脂ペレットを作製した。樹脂ペレットの大きさ
は、該ペレットが樹脂Pを主成分としている場合は平均
重量が2mg/個、該ペレットが樹脂Rを主成分として
いる場合は平均重量が4mg/個となるようにした。実
施例及び比較例で使用した樹脂ペレットの樹脂組成を表
3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】(発泡粒子の製造)樹脂ペレット100
部、水300部、カオリン0.3部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ0.004部、及び表4に示す量の二
酸化炭素を密閉容器に仕込み、撹拌下に表4に示す温度
で表4に示す時間だけ保持した。保持時間終了後、保持
温度のまま容器の一端を解放して容器内容物を大気圧下
に放出し、発泡粒子を得た。この放出時には、容器内圧
力を維持するために高圧の二酸化炭素ガスを容器内に供
給した。得られた発泡粒子の平均嵩倍率は表4に示した
通りである。なお、表4の実施例1、2、7及び比較例
1、2、3では保持時間と温度が二段で示されている
が、これは上段の温度・時間に保持してから下段の温度
・時間に保持したことを意味している。また、表4に示
した発泡粒子のDSC曲線から求められた固有ピーク、
高温ピーク及び発熱ピークの頂点温度を表5に示す。
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】(型内成形)前記の発泡粒子を常温・常圧
下に24時間放置後、金型内に入れて表4に示す高圧水
蒸気で加熱し、300mm×300mm×40mmの発
泡成形体を作製した。該発泡成形体は、それを構成して
いる樹脂の主成分がPの場合には60℃、Rの場合には
80℃のオーブン内で24時間乾燥後に積層工程に送っ
た。なお、型内成形後の成形体の発泡倍率及び該成形体
内での発泡粒子の融着性は表4に併記した通りであり、
融着性の評価は下記の方法で行った。幅方向の垂直断面
が、厚さ10mm×幅50mm×長さ100mmとなる
ように発泡成形体を切断し、ここに得られたスライス板
を破断するまで長手方向に引張り、破断面を目視で観察
して破断面における発泡粒子の融着部での破断個数の割
合が40%以下の場合を○、当該割合が40%を超え6
0%以下の場合を△、当該割合が60%を超える場合を
×で表した。
【0032】不飽和ポリエステル樹脂との積層) 前記の発泡成形体を50mm×50mm×10mmの大
きさにカットし、片側の表面に表皮が形成され他の表面
には開放気泡が露出しているサンプルを作製した。この
サンプルの一方の表面(表6に示されている面)にガラ
ス繊維製のチョップドストランドマットをのせ、その上
から硬化触媒としてメチルエチルケトンパーオキサイド
を含む不飽和ポリエステルをハンドレイアップ法によっ
て積層・硬化させて積層体を作製した。なお、チョップ
ドストランドマットは坪量450g/m2で厚み2〜
2.5mmのものであり、不飽和ポリエステル樹脂は日
本ユピカ(株)製のユピカ4007Aである。
【0033】発泡成形体の評価) 1.接着性 繊維強化不飽和ポリエステル樹脂硬化体(FRP)が発
泡成形体に積層されている前記サンプルを、FRP側と
発泡成形体側が破断するように引っ張り速度10mm/
分で破断させ、破断後のFRP側接着面に発泡成形体が
どの程度付着しているかを観察した。すなわち、発泡成
形体とFRPの界面が破断するか発泡成形体の内部で破
断が起るかを調べたのであり、該試験は引っ張り試験機
で行った。そして、FRP側に発泡成形体が大量に付着
しているほどFRPと発泡成形体の接着性が良いことに
なるから、FRPの接着面側表面の全面積の80%以上
に発泡成形体が付着している場合を◎、70%以上で8
0%未満に付着している場合を○、10%以上で70%
未満に付着している場合を△、付着の割合が10%未満
の場合を×として評価結果を表6に示した。 2.発泡成形体にFRPを積層させる際の収縮状況 前記のFRPが積層されている積層体について、積層界
面を真横から観察して積層時に発泡成形体が収縮する程
度を調べた。そして、収縮が認められないものを○、わ
ずかに収縮が認められるものを△、大きな収縮が認めら
れるものを×として評価結果を表6に示した。
【0034】
【表6】
【0035】表6から、実施例及び比較例の全部の積層
体が発泡成形体とFRPとの接着性は合格範囲にあると
云える。これは、発泡成形体を構成している基材樹脂
に、実施例では無架橋ポリオレフィンと無架橋ポリエン
重合体との混合樹脂を使い、比較例ではグラフト変性さ
れた無架橋ポリオレフィン系樹脂を使っているためであ
る。また、実施例6の積層体は表皮側への積層の場合に
は他の積層体より発泡成形体とFRPとの接着性が多少
悪いが、これは無架橋ポリエン重合体の含有率が少ない
ためである。しかし、開放気泡側への積層の場合にはそ
の接着性は合格といえる。実施例1と4及び2と5で
は、同じ発泡成形体に同じFRPを積層させているが、
発泡成形体とFRPとの接着性は実施例4及び5の方が
実施例1,2より明らかに高い。この理由は、実施例
1,2の積層体では発泡成形体の表皮部分とFRPとが
接着しているのに、実施例4,5の積層体では発泡成形
体の開泡気泡部分とFRPとが接着しているためであ
り、開泡気泡部分にFRPを積層させると接着性が向上
することがはっきり認められる。
【0036】発泡成形体の収縮状況は、実施例の場合に
はいずれも積層による収縮が全く認められないのに、比
較例1、2の発泡成形体では大きな収縮が認められる。
しかし、無水マレイン酸をグラフト化剤としている比較
例3の発泡成形体ではFRP積層時の収縮もなく、極め
て好ましいように見える。しかしながら、表4からも分
るように該発泡成形体では発泡粒子間の融着性が悪く、
そのために発泡成形体が脆くなる等の問題がある。以上
に詳記したように、実施例の積層体では発泡成形体とF
RPとの接着性が良い上に、積層時に収縮したり成形体
内での発泡粒子間の融着性が悪い等の問題もなく、従来
品より利点の多い積層体である。一方、比較例の積層体
では、比較例3の積層体のように実施例の積層体とほと
んど差がないように見える場合もあるが、この場合でも
発泡粒子間の融着性に問題があり、総合的に見るとどこ
かに欠点を持っていることが分る。
【0037】
【発明の効果】請求項1の無架橋ポリオレフィン系樹脂
発泡粒子は、基材樹脂中にビニル結合性側鎖を持つ無架
橋ポリエン重合体を含有しているために、発泡粒子間の
融着性が高く、熱硬化性樹脂や金属等との接着性も高い
上に積層時の収縮率も少ない樹脂発泡粒子である。請求
項2の無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、基材樹
脂中に二次結晶を含むために、請求項1の発泡粒子より
も型内成形性の良い発泡粒子である。請求項3の無架橋
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、無架橋ポリオレフィ
ンと無架橋1,2−ポリブタジエンとの混合樹脂を基材
樹脂としており、そのために請求項1及び2の樹脂発泡
粒子と同等又はそれ以上の性能を持つ上に、前記発泡粒
子より低価格な発泡粒子である。
【0038】請求項4の発泡成形体は、請求項1〜3に
示されている樹脂発泡粒子によって形成されているため
に発泡粒子間の融着性が高く、そのために耐衝撃性や引
張り強度等の機械的特性の高い発泡成形体である。ま
た、該発泡成形体は前記の樹脂発泡粒子を原料としてい
るために積層時の収縮が少なく、熱硬化性樹脂や金属と
の接着性が大きい発泡成形体である。請求項5の積層体
は、請求項4の発泡成形体を芯材としているために、表
面材料のFRPや金属等と芯材との接着性が良く、表面
材料が芯材から剥離したりすることの少ない積層体であ
る。
【0039】請求項6の積層体は、請求項4の発泡成形
体を芯材とし、これに不飽和ポリエステル樹脂を接着・
積層して形成させた積層体であり、従来の同種の積層体
より低価格で機械的強度が大きい積層体である。従っ
て、広範囲の用途に使うことができる積層体である。請
求項7の積層体は、不飽和ポリエステル樹脂と接着する
芯材の表面部分に開放気泡が露出しているために、芯材
と不飽和ポリエステル樹脂との間の接着性が高められた
積層体である。従って、芯材の機械的強度を低下させず
に請求項6の積層体より芯材が強く接着されている積層
体である。また、1,2−ポリブタジエン等の無架橋ポ
リエン重合体の使用量を少なくしても請求項6の積層体
と同等の性能を持たせることができるから、請求項6の
積層体よりコスト的に有利な積層体である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/00 LCL 47/00 LKJ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンと、側鎖にビニル結合を
    持つポリエン重合体との混合樹脂を基材樹脂とする無架
    橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子。
  2. 【請求項2】 基材樹脂中に二次結晶が存在しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載した無架橋ポリオレフィ
    ン系樹脂発泡粒子。
  3. 【請求項3】 無架橋ポリオレフィン55〜95重量%
    と、無架橋1,2−ポリブタジエン45〜5重量%より
    成る混合樹脂を基材とすることを特徴とする請求項1又
    は2に記載した無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載されている無架橋ポ
    リオレフィン系樹脂発泡粒子を型内で成形してなる発泡
    成形体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載されている発泡成形体と
    他の素材とを積層一体化してなることを特徴とする積層
    体。
  6. 【請求項6】 他の素材が不飽和ポリエステル樹脂であ
    ることを特徴とする請求項5に記載した積層体。
  7. 【請求項7】 発泡成形体の不飽和ポリエステル樹脂と
    の積層面が開放気泡となっており、不飽和ポリエステル
    樹脂が該開放気泡に浸入した状態で積層されていること
    を特徴とする請求項6に記載した積層体。
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