JPH0881509A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH0881509A
JPH0881509A JP6243375A JP24337594A JPH0881509A JP H0881509 A JPH0881509 A JP H0881509A JP 6243375 A JP6243375 A JP 6243375A JP 24337594 A JP24337594 A JP 24337594A JP H0881509 A JPH0881509 A JP H0881509A
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acid
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soluble
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 初期着色性及び熱安定性等の品質が良好な重
合体を得られるのみならず、重合器内にスケールが付着
することもなく重合時間を短縮することができる塩化ビ
ニル系重合体の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 重合器内の少なくとも内壁にスケール防止剤
が塗布された重合器内で塩化ビニル系単量体を水性媒体
中で懸濁重合するに際し、重合転化率が10〜18%の
間に塩化ビニル系単量体の仕込み量に対して2〜15重
量%の未反応単量体を回収して塩化ビニル系重合体を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、懸濁重合による塩化ビ
ニル系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】塩化ビ
ニル系重合体は、通常、塩化ビニル系単量体及び油溶性
重合開始剤を分散安定剤の存在下に水性媒体中に懸濁分
散させて懸濁重合を行うことにより製造される。
【0003】近年、塩化ビニル系重合体の生産性向上を
目的として、重合時間の短縮が図られてきている。重合
時間を短縮する方法としては、重合開始剤を増加する方
法が一般的であるが、この場合、得られた重合体の初期
着色性、熱安定性等の品質が悪化するという問題が生じ
る。
【0004】また、重合時間を短縮する他の方法とし
て、重合中に未反応単量体の一部を回収する方法が考え
られ、例えば特公平6−6605号公報、同6−660
6号公報には、重合中に未反応単量体の一部を回収し、
気孔率(ポロシティー)の高い重合体を得る方法が開示
されている。しかし、これらの方法を実施する場合、重
合中に未反応単量体を回収する時に、重合器内の内容物
が発泡して重合器内にスケールが付着する等の問題が生
じる。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
初期着色性及び熱安定性等の品質が良好な重合体を得ら
れるのみならず、重合器内にスケールが付着することも
なく重合時間を短縮することができる塩化ビニル系重合
体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、重合器
の少なくとも内壁にスケール防止剤を塗布すると共に、
塩化ビニル系単量体の懸濁重合の開始後、重合転化率が
10〜18%の間に塩化ビニル系単量体の仕込み量に対
して2〜15重量%の未反応単量体を回収することによ
り、重合開始剤の添加量を増加しなくても重合体の初期
着色性及び熱安定性等の品質を損わず、重合器内にスケ
ールが付着することもなく重合時間を短縮できることを
見い出し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】即ち、本発明は、重合器の少なくとも内壁
にスケール防止剤が塗布された重合器内で塩化ビニル系
単量体を水性媒体中で懸濁重合するに際し、重合転化率
が10〜18%の間に塩化ビニル系単量体の仕込み量に
対して2〜15重量%の未反応単量体を回収することを
特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法を提供するも
のである。
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法は、重合器
の少なくとも内壁、好ましくは更に重合中に単量体が接
触する重合器の他の部位にスケール防止剤が塗布された
重合器内で、塩化ビニル系単量体を水性媒体中で懸濁重
合することにより、塩化ビニル系重合体を得るものであ
る。この懸濁重合に使用される重合器は、予め重合器内
の少なくとも内壁面、好ましくは更に重合中に単量体が
接触する他の部位、例えば、撹拌翼、撹拌軸、バッフ
ル、コンデンサ、ヘッダ、サーチルコイル、ボルト、ナ
ット等にもスケール防止剤が塗布されたものである。
【0009】また、スケール防止剤は重合中に単量体が
接触する部位以外であっても、スケールが付着する恐れ
がある部位、例えば未反応単量体の回収系統の機器及び
配管の内面等に塗布されていても良い。具体的には、モ
ノマー蒸留塔、コンデンサ、モノマー貯蔵タンク、バル
ブ等の内面が挙げられる。
【0010】本発明の製造方法に用いられるスケール防
止剤は、特に限定されず、例えば、染料、顔料、水溶性
高分子化合物、亜硝酸塩、含窒素芳香族化合物、複素化
合物、ヨード化合物、ピロガロール誘導体、フェノール
性化合物、芳香族アミン化合物等であり、これらの具体
的な化合物としては、例えば、特公昭46−16084
号、同45−30343号、同46−4753号、同4
5−37988号、同46−20821号、同45−3
0835号、同48−29795号、同51−2167
2号、同51−37306号、同51−37308号、
同51−24953号、同53−6023号、同53−
6024号、同53−6025号、同53−6026
号、同53−21908号、同53−28347号、同
53−28348号、同53−46235号、同59−
1413号、同58−13564号、同56−5442
号、同56−5443号、同56−5444号、同59
−34721号、同58−11884号、同60−63
61号、同59−31522号、同60−48522
号、同60−48523号、同51−1471号、同5
1−1472号、同57−59243号、同55−55
23号、同56−22445号、同56−22447
号、同57−31730号、同57−47922号、同
60−59246号、同61−25730号、同52−
24070号、同55−4327号、同58−1289
3号、同58−14444号、同58−14445号、
同58−14446号、同58−14447号、同60
−42245号、同61−21247号、同61−84
2号、同61−843号、同49−2992号、同53
−36509号、同57−34286号、同60−40
444号、同60−59247号、特開昭57−195
702号、同57−198710号、同58−1150
4号、同58−180509号、同58−180510
号、同59−78210号、同60−20909号、同
54−50089号、同54−101889号、同55
−21436号、同55−73709号、同55−98
207号、同55−112209号、同58−8709
号、同58−61104号、同58−168607号、
同58−180511号、同58−204006号、同
60−71614号、同55−54305号、同55−
54317号、同57−192413号、同57−19
2414号、同59−129207号、同61−730
9号、同53−108187号、同59−184202
号、同59−202201号、同59−210902
号、同60−47002号、同60−71601号、同
60−72902号、同60−96603号、同60−
233103号、同61−31406号、同61−34
006号、同61−51001号、同61−51002
号、同55−155001号、同55−155002
号、同56−112903号、同58−69203号、
同58−101103号、同58−103503号、同
58−210902号、同59−11303号、同59
−170102号公報等に記載されている化合物が挙げ
られる。
【0011】本発明においては、スケール防止剤とし
て、水溶性のアニオン染料、水溶性のカチオン染料、及
びフィチン酸を組み合わせたものが好ましく用いられ、
これらにさらに炭素原子数4〜6の一価アルコールを組
み合わせたものが特に好ましく用いられる。
【0012】水溶性アニオン染料には、水溶性アゾ染
料、水溶性アントラキノン染料、水溶性トリアリルメタ
ン染料、水溶性キサンテン染料、水溶性アジン染料、水
溶性キノリン染料、水溶性ニトロ染料、水溶性フタロシ
アニン染料等が包含される。
【0013】上記水溶性アゾ染料としては、C.L.ア
シッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.
I.アシッドレッド264、C.I.アシッドブルー1
13、C.I.アシッドブラック1、C.I.アシッド
イエロー42、C.I.アシッドブルー158、C.
I.アシッドグリーン12、C.I.アシッドオレンジ
97、C.I.アシッドブラック124、C.I.ダイ
レクトイエロー50、C.I.ダイレクトレッド37、
C.I.ダイレクトレッド2、C.I.ダイレクトバイ
オレット12、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.
ダイレクトブラウン1、C.I.ダイレクトブラック7
7、C.I.ダイレクトグリーン1、C.I.ダイレク
トオレンジ26、C.I.ダイレクトレッド79、C.
I.ダイレクトレッド31、C.I.ダイレクトブラッ
ク32、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダ
イレクトオレンジ41、C.I.ダイレクトレッド11
3、C.I.ダイレクトイエロー28、C.I.ダイレ
クトグリーン26、C.I.ダイレクトレッド81、
C.I.ダイレクトバイオレット51、C.I.ダイレ
クトブルー71、C.I.ダイレクトブラウン37、
C.I.ダイレクトブラック19等が例示される。
【0014】更に、水溶性アントラキノン染料として
は、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドレ
ッド80、C.I.アシッドグリーン41等が、水溶性
トリアリルメタン染料としては、C.I.アシッドブル
ー1、C.I.アシッドバイオレット17、C.I.ア
シッドグリーン16等が、水溶性キサンテン染料として
は、C.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレ
ッド52等が、水溶性アジン染料としてはC.I.アシ
ッドブルー59、C.I.アシッドブラック2等が、水
溶性キノリン染料としては、C.I.アシッドイエロー
3、C.I.アシッドイエロー7等が、水溶性ニトロ染
料としては、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ア
シッドイエロー1等が、水溶性フタロシアニン染料とし
ては、C.I.ダイレクトブルー86等がそれぞれ例示
される。
【0015】水溶性カチオン染料には、C.I.ベイシ
ックレッド2、C.I.ベイシックブルー16、C.
I.ベイシックブラック2等の水溶性アジン染料、C.
I.ベイシックオレンジ14、C.I.ベイシックオレ
ンジ15等の水溶性アクリジン染料、C.I.ベイシッ
クブルー1、C.I.ベイシックバイオレット3、C.
I.ベイシックブルー26、C.I.ベイシックバイオ
レット14、C.I.ベイシックブルー5、C.I.ベ
イシックブルー7等の水溶性トリフェニルメタン染料、
C.I.ベイシックブルー9、C.I.ベイシックイエ
ロー1、C.I.ベイシックブルー24、C.I.ベイ
シックブルー25、C.I.ベイシックグリーン5等の
水溶性チアジン染料、C.I.ベイシックレッド12、
C.I.ベイシックイエロー11等の水溶性メチン染
料、C.I.ベイシックイエロー2等の水溶性ジフェニ
ルメタン染料、C.I.ベイシックバイオレット10、
C.I.ベイシックレッド1等の水溶性キサンテン染
料、C.I.ベイシックオレンジ2、C.I.ベイシッ
クブラウン1等の水溶性アゾ染料、C.I.ベイシック
ブルー12、C.I.ベイシックブルー6等の水溶性オ
キサジン染料などが例示される。
【0016】フィチン酸化合物には、フィチン酸(イノ
シットヘキサリン酸)及びその誘導体、例えば、特公昭
52−39957号公報に記載されているようなフィチ
ン酸の各種金属塩、各種アミン塩、及びアンモニウム塩
等が包含されるが、それらの塩類については、特に水溶
性のものが好適とされ、水に難溶性のものを使用しても
優れたスケール防止効果を得ることはできない。
【0017】炭素原子数4〜6個の一価アルコールに
は、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコー
ル、n−アミルアルコール、t−アミルアルコール、i
so−アミルアルコール、sec−アミルアルコール、
sec−ヘキシルアルコール等が例示され、これらは、
その1種又は2種以上を最終的に調製される水溶液中に
おける濃度として、おおむね1〜20重量%となるよう
に添加する。
【0018】一方、このようにして調製される水溶液
は、これがpH7以下、特に4以下の酸性水溶液である
と、特に優れたスケール防止効果が得られるが、この酸
性にするための手段としては、上記フィチン酸又はその
塩類の中でも、特に低次の塩類、例えば、フィチン酸の
6個のリン酸残基における12個のヒドロキシ基のうち
1〜4個程度のみが塩となったものを十分な量で使用す
るか、あるいは適当な酸を添加する等の方法によれば良
く、この酸としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、炭
酸、過塩素酸、モリブデン酸、タングステン酸、ぎ酸、
酢酸、シュウ酸、乳酸、マレイン酸、グリコール酸、チ
オグリコール酸等が例示される。
【0019】他に好ましいものとしては、特公昭45−
30343号公報に記載されているアゾ基、ニトロ基、
シトロソ基、アゾメチン基、又はアジン環を有する化合
物群及びアミン化合物から選択される窒素原子含有有機
化合物、例えば、アゾメタン、アゾベンゼン、ニトロベ
ンゼン、ニトロソベンゼン、モノアミノモノニトロアゾ
ベンゼン、ピラジン、ピリジン、チアジン、オキサジ
ン、アニリン、ベンザルアニリン、EDTA、α−ナフ
チルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、
メチレンブルー、ニグロシンブラック、オイルブラッ
ク、スピリットブラック、ニカワ;チオカルボニル基、
チオエーテル基、チオアルコール基を有する化合物群か
ら選択されるイオウ原子含有有機化合物、例えば、チオ
グリコール酸、チオ尿酸、チオカルバニル酸、チオカル
バミン酸、チオ安息香酸、式:R−S−R´(R、R´
は同種又は異種のアルキル基)で示される各種チオエー
テル及び各種メルカプタン;キノン化合物、ケトン化合
物、アルデヒド化合物、例えば、パラベンゾキノン各種
アンザリン系染料、セチルアルコール、ステアリン酸、
オクチルアルコールアセトン、ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、ベンゾアルデヒド等が挙げられる。
【0020】なお、スケール防止剤を重合器内に塗布す
る方法は、特に限定されず、例えばハケ塗り、スプレー
塗布、スケール防止剤で重合器を満たした後に抜き出す
方法等をはじめとして、その他上記公報に記載されてい
る塗布方法を用いれば良く、特開昭57−61001、
同55−36288、特公昭56−501116、同5
6−501117、特開昭59−11303号公報等に
記載された自動塗布方法を用いることもできる。
【0021】本発明の製造方法では、上記スケール防止
剤を重合器内に塗布し、乾燥して塗膜を形成することに
より重合器内壁面などへのスケールの付着を防止するこ
とができる。
【0022】次に、本発明の製造方法は、上記スケール
防止剤が内壁等に塗布された重合器内で塩化ビニル系単
量体の懸濁重合を行うものである。この塩化ビニル系単
量体としては、塩化ビニル単量体の他、塩化ビニルを主
体とし、これと共重合し得る他のビニル系単量体との混
合物(塩化ビニルが50重量%以上)を用いることがで
き、この塩化ビニルと共重合されるビニル系単量体(コ
モノマー)としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
等のビニルエステル;アクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル等のアクリル酸又はそのエステル;メ
タクリル酸、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸又は
そのエステル;エチレン、プロピレン等のオレフィン;
無水マレイン酸;アクリロニトリル;スチレン;塩化ビ
ニリデン;その他塩化ビニルと共重合可能な単量体が挙
げられ、これらは単独または2種以上の組み合わせで用
いられる。
【0023】上記単量体を懸濁重合する方法は、特に制
限されず、塩化ビニル系重合体の懸濁重合に通常用いら
れる懸濁剤や重合開始剤等を常用量添加して行うことが
できる。
【0024】ここで、懸濁剤としては、例えばメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス等の水溶性セルロースエーテル;水溶性部分けん化ポ
リビニルアルコール;油溶性部分けん化ポリビニルアル
コール;アクリル酸重合体;ゼラチン等の水溶性高分
子;ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレー
ト、グリセリントリステアレート、エチレンオキシドプ
ロピレンオキシドブロックコポリマー等の油溶性乳化
剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシエチレングリセリンオレート、ラウリン酸ナト
リウム等の水溶性乳化剤などの1種を単独で又は2種以
上を併用して使用することができる。 また、重合開始
剤としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等
のパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシピバ
レート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチ
ルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシ
ネオデカノエート等のパーエステル化合物;アセチルシ
クロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4−ト
リメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテー
ト、3,5,5−トリメチルへキサノイルパーオキシド
等の過酸化物などが挙げられ、これらの1種を単独で又
は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0025】この重合開始剤の使用量は、塩化ビニル系
単量体に対して0.04〜0.15重量%添加されるの
が好ましい。
【0026】また、本発明では、必要に応じて、塩化ビ
ニル系単量体の重合に適宜使用される重合度調整剤、連
鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化調製剤、帯電防止剤、酸
化防止剤等を添加することも任意である。
【0027】この重合に際しての他の条件、重合器への
水性媒体、塩化ビニル単量体、場合によっては他のコモ
ノマー、懸濁剤、重合開始剤等の仕込み方法は、従来と
同様にして行えば良く、これらの仕込み割合等の条件も
また同様で良く、重合温度は通常の塩化ビニルの重合温
度の範囲20〜80℃、好ましくは40〜60℃であ
る。
【0028】而して、本発明の製造方法は、以上のよう
にして塩化ビニル系単量体の懸濁重合を開始した後、重
合転化率が10〜18%、より好適には12〜16%の
間で未反応単量体を回収する。重合転化率が10%に達
しない時点で未反応単量体の回収をすると、重合体粒子
の形成に悪影響を与え、得られた重合体の粒度分布が広
くなる。一方、18%を超えた時点で回収すると、重合
器内の内容物の発泡が著しくなり、重合器内にスケール
が付着する。
【0029】ここで、回収終了時の未反応単量体の回収
量は、塩化ビニル系単量体の仕込み量の2〜15重量
%、より好適には5〜10重量%である。回収量が2重
量%未満であると重合時間の短縮の効果が十分でなく、
また、15重量%を超えると重合器内の内容物の発泡が
著しくなり、重合器内にスケールが付着する。
【0030】即ち、本発明の製造方法のような条件下で
未反応単量体を回収することにより、重合開始剤を増量
して重合時間を短縮することに伴う重合体の初期着色性
及び熱安定性の悪化を防ぎ、且つ重合中の未反応単量体
の回収時に重合器内の内容物が発泡することによる器内
へのスケール付着を防ぐことができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の塩化ビニ
ル系重合体の製造方法によれば、得られる重合体の初期
着色性及び熱安定性等の品質の劣化及び重合器内へのス
ケール付着を防止して、重合時間を短縮することがで
き、塩化ビニル系重合体の生産性を向上させることが可
能となる。
【0032】
【実施例】以下、実施例と比較例とを示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0033】[実施例1、2]単量体の懸濁重合を行う
重合器として、内容積2.1m3のステンレススチール
製重合器を用いた。
【0034】まず、重合器の内壁、撹拌羽根及びバッフ
ルに、スケール防止剤であるモノアミノモノニトロアゾ
ベンゼンのトルエン溶液を均一に塗布し、乾燥した。
【0035】次に、この重合器に脱イオン水890kg
と懸濁剤として部分ケン化ポリビニルアルコール350
gとを水溶液にして投入した。重合器内を50mmHg
になるまで脱気した後、塩化ビニル単量体700kgを
重合器内に仕込み、撹拌しながら、更にt−ブチルパー
オキシネオデカノエート420gをポンプで圧入すると
同時に昇温を始めて重合を開始した。
【0036】重合温度を57℃に保ちながら重合反応を
行い、未反応単量体の回収を表1に示した開始時期、終
了時期及び回収量で行った。重合器の内圧が6.0kg
/cm2Gに低下した時点で重合を停止し、重合器より
残余の未反応単量体を回収し、得られた重合体をスラリ
ー状で器外に取り出した後、器内のスケール付着状況を
観察すると共に、重合体を脱水乾燥して下記の方法によ
る試験に供し、その結果を表1に併記した。
【0037】[比較例1]実施例1において、重合器の
内壁、撹拌羽根及びバッフルにモノアミノモノニトロア
ゾベンゼンのトルエン溶液を塗布せず、未反応単量体の
回収を表1に示した開始時期、終了時期及び回収量で行
った以外は実施例1と同様とした。器内のスケール付着
状況及び各試験の結果を表1に併記した。
【0038】[比較例2〜5]実施例1において、未反
応単量体の回収を表1に示した開始時期、終了時期及び
回収量で行った以外は実施例1と同様とした。器内のス
ケール付着状況及び各試験の結果を表1に併記した。
【0039】[比較例6]実施例1において、重合中に
未反応単量体を回収しなかった以外は実施例1と同様と
した。器内のスケール付着状況及び各試験の結果を表1
に併記した。
【0040】[比較例7]比較例6において、t−ブチ
ルパーオキシネオデカノエートの添加量を497gに増
量した以外は、比較例6と同様とした。器内のスケール
付着状況及び各試験の結果を表1に併記した。
【0041】なお、表1において、回収開始時間及び終
了時間は、重合開始時間から回収開始又は終了するまで
の重合経過時間を測定したものであり。単量体の回収量
は、塩化ビニル単量体の仕込み量に対する重量%であ
る。
【0042】<粒度分布>JIS Z8801に準じた
#60、#200の各篩を用いて、得られた重合体を篩
分けし、通過量又は残留量(重量%)を計量した。
【0043】<初期着色性及び熱安定性>得られた塩化
ビニル重合体を100重量部に、ラウリル酸すず1重量
部、カドミウム系安定剤0.5重量部及びジオクチルフ
タレート50重量部を配合し、2本ロールミルを用いて
160℃で5分間混練した後、厚さ0.8mmのシート
に成形した。
【0044】[初期着色性]シートを裁断して重ね、4
cm×4cm×1.5cm(厚さ)の型枠に入れ、16
0℃、65〜70kgf/cm2で加熱加圧して試料を
作製した。これを目視で観察して下記の基準で評価し
た。 1・・・比較例6と同程度 2・・・比較例7と同程度 3・・・比較例6と比較例7の中間程度
【0045】[熱安定性]上記シートを成形して試験片
を作り、これを180℃のオーブン中に保持し、黒化す
るまでの時間を測定した。
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果より、本発明の製造方法によれ
ば、重合時間が短縮されても初期着色性及び熱安定性に
優れた高品質の塩化ビニル重合体を得ることができ、更
に噐内へのスケールの付着も抑制されることが認められ
る。
【0048】これに対し、重合器内にスケール防止剤を
塗布しなかった場合(比較例1)、未反応単量体の回収
時期が本発明より遅い場合(比較例3)、未反応単量体
の回収量が本発明より多い場合(比較例4)は、いずれ
も重合時間は短縮されるが、噐内にスケールが付着する
ことが認められる。また、未反応単量体の回収時期が本
発明より早い場合(比較例2)は、重合時間は短縮され
るが、得られた重合体の粒度分布が広くなることが認め
られる。
【0049】そして、未反応単量体の回収量が本発明よ
り多い場合(比較例4)は、重合時間は短縮されるが、
スケールの付着及び得られた重合体の初期着色性の劣化
が認められ、回収量が本発明より少ない場合(比較例
5)及び重合中に未反応単量体を回収しない場合(比較
例6)は、重合時間を短縮することができない。また、
重合中に未反応単量体を回収するのではなく、重合開始
剤を増加して重合時間を短縮させた場合(比較例7)
は、初期着色性及び熱安定性の劣化が認められた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合器の少なくとも内壁にスケール防止
    剤が塗布された重合器内で塩化ビニル系単量体を水性媒
    体中で懸濁重合するに際し、重合転化率が10〜18%
    の間に塩化ビニル系単量体の仕込み量に対して2〜15
    重量%の未反応単量体を回収することを特徴とする塩化
    ビニル系重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS55157607A (en) * 1979-05-25 1980-12-08 Ryonichi Kk Suspension polymerization of vinyl chloride
JPS62185704A (ja) * 1986-02-12 1987-08-14 Mitsui Toatsu Chem Inc 塩化ビニルの重合方法

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