JP3317793B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系重合体の
製造方法に関し、特に、平均重合度850 以下の低重合度
塩化ビニル系重合体を高品質でかつ重合体スケールの付
着を防止しつつ製造するのに好適である塩化ビニル系重
合体の製造方法に関するものである。
製造方法に関し、特に、平均重合度850 以下の低重合度
塩化ビニル系重合体を高品質でかつ重合体スケールの付
着を防止しつつ製造するのに好適である塩化ビニル系重
合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体は、一般に、塩化ビ
ニル単量体またはこれを主体とするビニル系単量体の混
合物を水性媒体中で油溶性重合開始剤、分散安定剤及び
必要に応じて連鎖移動剤を用いて懸濁重合することによ
り製造される。この時に使用される重合開始剤は、その
種類により重合反応の発熱パターン、重合時間、生産
性、重合時の重合体スケール付着性、更には重合体の初
期着色性、熱安定性等の品質特性に大きな影響を与え
る。
ニル単量体またはこれを主体とするビニル系単量体の混
合物を水性媒体中で油溶性重合開始剤、分散安定剤及び
必要に応じて連鎖移動剤を用いて懸濁重合することによ
り製造される。この時に使用される重合開始剤は、その
種類により重合反応の発熱パターン、重合時間、生産
性、重合時の重合体スケール付着性、更には重合体の初
期着色性、熱安定性等の品質特性に大きな影響を与え
る。
【0003】近年、塩化ビニル系重合体の生産性向上を
目的として重合時間の短縮化が図られている。重合時間
短縮のための一方法として、重合開始剤の添加量を増加
することが考えられる。しかし、重合開始剤の添加量の
増加に伴い、重合体の品質の低下、特に初期着色性の低
下が起こったり、重合器内の重合体スケール付着量が増
加する等の問題があった。特に、重合度850 以下の低重
合度の塩化ビニル系重合体を製造する場合には通常58℃
以上の温度で重合を行う必要があるが、従来一般に使用
されてきた重合開始剤、例えば、ジ−3,5,5 −トリメチ
ルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−アミル
パーオキシピバレート等を使用すると、重合体の品質の
低下、特に初期着色性が低下するという不都合がある上
に、重合器内にスケールが付着し易い。
目的として重合時間の短縮化が図られている。重合時間
短縮のための一方法として、重合開始剤の添加量を増加
することが考えられる。しかし、重合開始剤の添加量の
増加に伴い、重合体の品質の低下、特に初期着色性の低
下が起こったり、重合器内の重合体スケール付着量が増
加する等の問題があった。特に、重合度850 以下の低重
合度の塩化ビニル系重合体を製造する場合には通常58℃
以上の温度で重合を行う必要があるが、従来一般に使用
されてきた重合開始剤、例えば、ジ−3,5,5 −トリメチ
ルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−アミル
パーオキシピバレート等を使用すると、重合体の品質の
低下、特に初期着色性が低下するという不都合がある上
に、重合器内にスケールが付着し易い。
【0004】ところで、重合器内の重合体スケール付着
を防止するために、従来より、染料、顔料、水溶性高分
子化合物、亜硝酸塩、含窒素芳香族化合物、複素環式化
合物、ヨード化合物、ピロガロール誘導体、フェノール
性化合物、芳香族アミン化合物等を重合体スケール付着
防止剤として重合器の内面に塗布することが行われてい
る。しかし、これら従来の重合体スケール付着防止剤で
は、低重合度塩化ビニル系重合体の製造時における重合
器内での重合体スケールの付着、特に気相部及び気相−
液相界面部分における重合体スケール付着を有効に抑制
することができない。
を防止するために、従来より、染料、顔料、水溶性高分
子化合物、亜硝酸塩、含窒素芳香族化合物、複素環式化
合物、ヨード化合物、ピロガロール誘導体、フェノール
性化合物、芳香族アミン化合物等を重合体スケール付着
防止剤として重合器の内面に塗布することが行われてい
る。しかし、これら従来の重合体スケール付着防止剤で
は、低重合度塩化ビニル系重合体の製造時における重合
器内での重合体スケールの付着、特に気相部及び気相−
液相界面部分における重合体スケール付着を有効に抑制
することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術の問題に鑑みなされたもので、その課題は、初期着色
性等の品質が良好である塩化ビニル系重合体を、短い重
合時間でしかも重合器内の重合体スケールの付着を抑制
しつつ製造することができる製造方法を提供することに
ある。
術の問題に鑑みなされたもので、その課題は、初期着色
性等の品質が良好である塩化ビニル系重合体を、短い重
合時間でしかも重合器内の重合体スケールの付着を抑制
しつつ製造することができる製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、このよ
うな課題を解決するものとして、重合器内壁面に重合体
スケール付着防止性の塗膜を有する重合器内で塩化ビニ
ル単量体またはこれを主体とするビニル系単量体の混合
物を水性媒体中で油溶性重合開始剤を用いて懸濁重合す
ることからなる塩化ビニル系重合体の製造方法におい
て、前記の重合体スケール付着防止性の塗膜が、(a) キ
ノン化合物を縮合することにより得られる分子量 400〜
50000 の縮合生成物、並びに(b) 水溶性高分子化合物、
無機コロイド及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から
選ばれる少なくとも1種を含有するアルカリ性液を前記
の内壁面に塗布し、乾燥することにより形成されたもの
であり、かつ前記油溶性重合開始剤が、(A) t−ブチル
パーオキシネオヘプタノエートと、(B) ベンゼン中、濃
度0.1 モル/Lの溶液状態で、10時間半減期温度が44〜
55℃である上記(A) 成分t−ブチルパーオキシネオヘプ
タノエート以外のパーエステル系過酸化物と、からなる
ことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法が提供
される。
うな課題を解決するものとして、重合器内壁面に重合体
スケール付着防止性の塗膜を有する重合器内で塩化ビニ
ル単量体またはこれを主体とするビニル系単量体の混合
物を水性媒体中で油溶性重合開始剤を用いて懸濁重合す
ることからなる塩化ビニル系重合体の製造方法におい
て、前記の重合体スケール付着防止性の塗膜が、(a) キ
ノン化合物を縮合することにより得られる分子量 400〜
50000 の縮合生成物、並びに(b) 水溶性高分子化合物、
無機コロイド及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から
選ばれる少なくとも1種を含有するアルカリ性液を前記
の内壁面に塗布し、乾燥することにより形成されたもの
であり、かつ前記油溶性重合開始剤が、(A) t−ブチル
パーオキシネオヘプタノエートと、(B) ベンゼン中、濃
度0.1 モル/Lの溶液状態で、10時間半減期温度が44〜
55℃である上記(A) 成分t−ブチルパーオキシネオヘプ
タノエート以外のパーエステル系過酸化物と、からなる
ことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法が提供
される。
【0007】即ち、本発明の塩化ビニル系重合体の製造
方法は、特定の重合体スケール付着防止性塗膜を有する
重合器内において、特定の油溶性重合開始剤を用いて懸
濁重合を行う点に新規な特徴がある。以下、詳しく説明
する。
方法は、特定の重合体スケール付着防止性塗膜を有する
重合器内において、特定の油溶性重合開始剤を用いて懸
濁重合を行う点に新規な特徴がある。以下、詳しく説明
する。
【0008】重合体スケール付着防止性塗膜 本発明の方法に用いられるスケール付着防止性塗膜は、
内壁面に分子量400 〜50000 のキノン化合物縮合生成物
(a) 、及び水溶性高分子化合物等 (b)を含むアルカリ性
液を塗布、乾燥させて形成されたものである。
内壁面に分子量400 〜50000 のキノン化合物縮合生成物
(a) 、及び水溶性高分子化合物等 (b)を含むアルカリ性
液を塗布、乾燥させて形成されたものである。
【0009】縮合生成物(a) の調製に使用されるキノン
化合物は、例えば、下記一般式(1)〜(4) で表される化
合物である。
化合物は、例えば、下記一般式(1)〜(4) で表される化
合物である。
【化1】
【化2】 (式中、R1 は−H,−NH2 , −Cl, −Br, −OH, −NO
2 , −COCH3 , −OCH 3, −N(CH3 ) 2 又は炭素原子数
1〜3のアルキル基であり、R2 は−H,−NH2, −OH,
−CH3 ,−COOH又は−SO3 H である) 具体的には、o-, m-及びp-ベンゾキノン、オキシ-p- ベ
ンゾキノン、クロル-p- ベンゾキノン、ブロム-p- ベン
ゾキノン、ジュロキノン、クロルアニル等が例示され
る。
2 , −COCH3 , −OCH 3, −N(CH3 ) 2 又は炭素原子数
1〜3のアルキル基であり、R2 は−H,−NH2, −OH,
−CH3 ,−COOH又は−SO3 H である) 具体的には、o-, m-及びp-ベンゾキノン、オキシ-p- ベ
ンゾキノン、クロル-p- ベンゾキノン、ブロム-p- ベン
ゾキノン、ジュロキノン、クロルアニル等が例示され
る。
【0010】
【化3】
【化4】 (式中、R1 及びR2 は前記のとおりであり、R3 は−
H,−Cl, −Br, −OH,−COCH3 , −OCH 3 , −CH3 ,
−COOH又は−SO3 H である) 具体的には、6-メチル-1,4- ナフトキノン、2-メチル-
1,4- ナフトキノン、ローソン、ユグロン、プルンバギ
ン、α−ナフトキノン、β−ナフトキノン等が例示され
る。
H,−Cl, −Br, −OH,−COCH3 , −OCH 3 , −CH3 ,
−COOH又は−SO3 H である) 具体的には、6-メチル-1,4- ナフトキノン、2-メチル-
1,4- ナフトキノン、ローソン、ユグロン、プルンバギ
ン、α−ナフトキノン、β−ナフトキノン等が例示され
る。
【0011】上記のキノン化合物の中で好ましいもの
は、o-及びp-ベンゾキノン、α−ナフトキノン、β−ナ
フトキノン及びローソンである。上記キノン化合物は、
1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することが
できる。
は、o-及びp-ベンゾキノン、α−ナフトキノン、β−ナ
フトキノン及びローソンである。上記キノン化合物は、
1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することが
できる。
【0012】キノン化合物の縮合生成物(a) は、分子量
が 400〜50000 の範囲内である必要があり、好ましく
は、600 〜20000 の範囲である。前記縮合生成物の分子
量が400 未満であると重合体スケール付着防止効果が低
く、50000 を超えると該縮合生成物の水及び有機溶媒に
対する溶解性が低下するため均一な塗布液を調製するこ
とができず、得られる塗膜も不均一である結果、重合体
スケール付着防止効果が低くなる。
が 400〜50000 の範囲内である必要があり、好ましく
は、600 〜20000 の範囲である。前記縮合生成物の分子
量が400 未満であると重合体スケール付着防止効果が低
く、50000 を超えると該縮合生成物の水及び有機溶媒に
対する溶解性が低下するため均一な塗布液を調製するこ
とができず、得られる塗膜も不均一である結果、重合体
スケール付着防止効果が低くなる。
【0013】縮合生成物(a) は、例えば、上記キノン化
合物を適当な溶媒中、通常、20〜150 ℃で2〜200 時間
縮合反応させることにより製造される。この際に、縮合
反応を促進させるために、反応をアルカリ性化合物の存
在下で行うことが好ましい。該アルカリ性化合物の存在
下で反応を行う場合、上記キノン化合物を、通常20〜15
0 ℃で1〜100 時間反応させることにより所望の分子量
の縮合生成物を製造することができる。また、その場合
の該アルカリ性化合物の使用量は、キノン化合物100 重
量部当たり0.01〜100 重量部の範囲が好ましく、より好
ましくは0.1 〜10重量部の範囲である。該アルカリ性化
合物としては、例えば、LiOH、NaOH、KOH 等のアルカリ
金属の水酸化物等が例示される。
合物を適当な溶媒中、通常、20〜150 ℃で2〜200 時間
縮合反応させることにより製造される。この際に、縮合
反応を促進させるために、反応をアルカリ性化合物の存
在下で行うことが好ましい。該アルカリ性化合物の存在
下で反応を行う場合、上記キノン化合物を、通常20〜15
0 ℃で1〜100 時間反応させることにより所望の分子量
の縮合生成物を製造することができる。また、その場合
の該アルカリ性化合物の使用量は、キノン化合物100 重
量部当たり0.01〜100 重量部の範囲が好ましく、より好
ましくは0.1 〜10重量部の範囲である。該アルカリ性化
合物としては、例えば、LiOH、NaOH、KOH 等のアルカリ
金属の水酸化物等が例示される。
【0014】更に、上記の縮合反応において、必要に応
じて酸化剤を使用することもできる。かかる酸化剤とし
ては、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素等の元素ないし分子
状の単体ハロゲン;例えば、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過
ヨウ素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム等のハロゲンの
酸素酸及び酸素酸塩;例えば、過酸化水素、過酸化ナト
リウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機
過酸化物;例えば、過酢酸、ヘンゾイルパーオキサイ
ド、キュメンハイドロパーオキサイド、過安息香酸、p
−メンタンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;
例えば、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸銅、塩化第一銅
等の鉄及び銅から選択される金属の塩化物及び硫酸塩;
例えば、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,
α′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等の
アゾ化合物;例えば、ニトロベンゼン、o−,m−及び
p−オキシニトロベンゼン、o−,m−及びp−ニトロ
アニソール、o−,m−及びp−クロロニトロベンゼ
ン、o−,m−及びp−ニトロ安息香酸、o−,m−及
びp−ニトロベンゼンスルホン酸等の芳香族ニトロ化合
物等が例示される。
じて酸化剤を使用することもできる。かかる酸化剤とし
ては、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素等の元素ないし分子
状の単体ハロゲン;例えば、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過
ヨウ素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム等のハロゲンの
酸素酸及び酸素酸塩;例えば、過酸化水素、過酸化ナト
リウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機
過酸化物;例えば、過酢酸、ヘンゾイルパーオキサイ
ド、キュメンハイドロパーオキサイド、過安息香酸、p
−メンタンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;
例えば、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸銅、塩化第一銅
等の鉄及び銅から選択される金属の塩化物及び硫酸塩;
例えば、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,
α′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等の
アゾ化合物;例えば、ニトロベンゼン、o−,m−及び
p−オキシニトロベンゼン、o−,m−及びp−ニトロ
アニソール、o−,m−及びp−クロロニトロベンゼ
ン、o−,m−及びp−ニトロ安息香酸、o−,m−及
びp−ニトロベンゼンスルホン酸等の芳香族ニトロ化合
物等が例示される。
【0015】上記の縮合反応に使用する溶媒としては、
例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類等の有機
溶媒を使用し、その中でも、水と混和性を有する有機溶
媒を使用するのが好ましい。水と混和性を有する有機溶
媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類;例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等の
エステル類等が例示され、その中でも特にアルコール類
が好ましい。また、前記の水と混和性を有する有機溶媒
と水との混合溶媒を使用することもできる。
例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類等の有機
溶媒を使用し、その中でも、水と混和性を有する有機溶
媒を使用するのが好ましい。水と混和性を有する有機溶
媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類;例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等の
エステル類等が例示され、その中でも特にアルコール類
が好ましい。また、前記の水と混和性を有する有機溶媒
と水との混合溶媒を使用することもできる。
【0016】(b)水溶性高分子化合物等 塗布液は、縮合生成物(a) の他に、さらに(b) 水溶性高
分子化合物、無機コロイド及びアルカリ金属のケイ酸塩
からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。そ
の結果、得られる塗膜のスケール付着防止作用はさらに
向上する。
分子化合物、無機コロイド及びアルカリ金属のケイ酸塩
からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。そ
の結果、得られる塗膜のスケール付着防止作用はさらに
向上する。
【0017】水溶性高分子化合物:水溶性高分子化合物
としては、例えば、ゼラチン、カゼイン等の両性高分子
化合物;ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、カ
ルボキシメチルセルロース、アルギン酸等のアニオン性
高分子化合物;ポリビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド等のカチオン性含窒素高分子化合物;ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ペクチン等のヒドロキシル基含有高
分子化合物等が挙げられる。水溶性高分子化合物の中で
好ましいものは、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル
酸、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルピロリ
ドン及びペクチンである。
としては、例えば、ゼラチン、カゼイン等の両性高分子
化合物;ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、カ
ルボキシメチルセルロース、アルギン酸等のアニオン性
高分子化合物;ポリビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド等のカチオン性含窒素高分子化合物;ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ペクチン等のヒドロキシル基含有高
分子化合物等が挙げられる。水溶性高分子化合物の中で
好ましいものは、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル
酸、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルピロリ
ドン及びペクチンである。
【0018】無機コロイド:無機コロイドは、例えば、
水を分散媒とする分散法や、凝集法により製造される粒
子コロイドであり、コロイド粒子の大きさは1〜500 m
μである。無機コロイドとしては、具体的には、アルミ
ニウム、トリウム、チタン、ジルコニウム、アンチモ
ン、スズ、鉄等から選択される金属の酸化物及び水酸化
物のコロイド、タングステン酸、五酸化バナジウム、金
及び銀のコロイド、ヨウ化銀ゾル、セレン、イオウ、シ
リカ等のコロイド等が例示される。これらの中で好まし
いものは、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ
及び鉄から選択される金属の酸化物又は水酸化物のコロ
イド、並びにコロイドシリカである。
水を分散媒とする分散法や、凝集法により製造される粒
子コロイドであり、コロイド粒子の大きさは1〜500 m
μである。無機コロイドとしては、具体的には、アルミ
ニウム、トリウム、チタン、ジルコニウム、アンチモ
ン、スズ、鉄等から選択される金属の酸化物及び水酸化
物のコロイド、タングステン酸、五酸化バナジウム、金
及び銀のコロイド、ヨウ化銀ゾル、セレン、イオウ、シ
リカ等のコロイド等が例示される。これらの中で好まし
いものは、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ
及び鉄から選択される金属の酸化物又は水酸化物のコロ
イド、並びにコロイドシリカである。
【0019】アルカリ金属ケイ酸塩:アルカリ金属のケ
イ酸塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属のメタケイ酸塩( M2 SiO 3 )、
オルトケイ酸塩( M4 SiO 4)、二ケイ酸塩( M2 Si2 O
3 )、三ケイ酸塩( M3 Si3 O 7 )、セスキケイ酸(
M4 Si3 O 10)等(ここでMはリチウム、ナトリウム、
カリウム等のアルカリ金属を示す。)、並びに水ガラス
が挙げられる。
イ酸塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属のメタケイ酸塩( M2 SiO 3 )、
オルトケイ酸塩( M4 SiO 4)、二ケイ酸塩( M2 Si2 O
3 )、三ケイ酸塩( M3 Si3 O 7 )、セスキケイ酸(
M4 Si3 O 10)等(ここでMはリチウム、ナトリウム、
カリウム等のアルカリ金属を示す。)、並びに水ガラス
が挙げられる。
【0020】水溶性高分子化合物、無機コロイド及びア
ルカリ金属ケイ酸塩のいずれもが一種単独でも二種以上
の組合せでも使用することができる。
ルカリ金属ケイ酸塩のいずれもが一種単独でも二種以上
の組合せでも使用することができる。
【0021】これらの (b)成分は、上記の縮合生成物
(a) 1重量部当たり、通常0.01〜10重量部であ
り、好ましくは0.05〜5重量部である。好ましく
は、水溶性高分子化合物と、無機コロイド及びアルカリ
金属ケイ酸塩化ビニルの少なくとも一方とを併用する。
即ち、少なくとも、水溶性高分子化合物と無機コロイド
の組合せ、又は水溶性高分子化合物とアルカリ金属のケ
イ酸塩の組合せで使用するのが好ましい。
(a) 1重量部当たり、通常0.01〜10重量部であ
り、好ましくは0.05〜5重量部である。好ましく
は、水溶性高分子化合物と、無機コロイド及びアルカリ
金属ケイ酸塩化ビニルの少なくとも一方とを併用する。
即ち、少なくとも、水溶性高分子化合物と無機コロイド
の組合せ、又は水溶性高分子化合物とアルカリ金属のケ
イ酸塩の組合せで使用するのが好ましい。
【0022】水溶性高分子化合物と無機コロイドの組合
せで使用する場合には、水溶性高分子化合物 100重量部
当たり、無機コロイドを5〜3000重量部使用するのが好
ましく、更に、50〜1000重量部使用するのが好ましい。
水溶性高分子化合物とアルカリ金属のケイ酸塩の組合せ
で使用する場合には、水溶性高分子化合物 100重量部当
たり、アルカリ金属のケイ酸塩を5〜3000重量部使用す
るのが好ましく、更に、50〜1000重量部使用するのが好
ましい。
せで使用する場合には、水溶性高分子化合物 100重量部
当たり、無機コロイドを5〜3000重量部使用するのが好
ましく、更に、50〜1000重量部使用するのが好ましい。
水溶性高分子化合物とアルカリ金属のケイ酸塩の組合せ
で使用する場合には、水溶性高分子化合物 100重量部当
たり、アルカリ金属のケイ酸塩を5〜3000重量部使用す
るのが好ましく、更に、50〜1000重量部使用するのが好
ましい。
【0023】塗布液 重合体スケール付着防止性塗膜の形成に用いられる塗布
液は、例えば、上記の縮合反応の結果得られる縮合生成
物含有溶液に必要に応じて下記の溶媒を添加し、pHが
アルカリ性でない場合にはアルカリ性に調節することに
より調製される。また、塗布液は、例えば、前記縮合生
成物含有液を冷水に投入して縮合生成物を沈殿させた
後、その沈殿物を濾別、乾燥したものに下記の溶媒を添
加して、続いてpHをアルカリ性に調節することにより
調製してもよい。
液は、例えば、上記の縮合反応の結果得られる縮合生成
物含有溶液に必要に応じて下記の溶媒を添加し、pHが
アルカリ性でない場合にはアルカリ性に調節することに
より調製される。また、塗布液は、例えば、前記縮合生
成物含有液を冷水に投入して縮合生成物を沈殿させた
後、その沈殿物を濾別、乾燥したものに下記の溶媒を添
加して、続いてpHをアルカリ性に調節することにより
調製してもよい。
【0024】塗布液がアルカリ性とされることにより、
縮合生成物(a) の溶媒に対する溶解性が向上する。従っ
て、塗布液が均一な溶液となるため、得られる塗膜も均
一化し重合体スケール付着防止効果が向上する。
縮合生成物(a) の溶媒に対する溶解性が向上する。従っ
て、塗布液が均一な溶液となるため、得られる塗膜も均
一化し重合体スケール付着防止効果が向上する。
【0025】塗布液は、pH7.5〜13.5の範囲で
あることが好ましく、特に、pH8.0〜13.5の範
囲であることが好ましい。pH調整に使用するアルカリ
性化合物としては、例えば、LiOH、NaOH、KO
H、Na2 CO3 、Na2 HPO4 、NH4 OH等のア
ルカリ金属化合物及びアンモニア化合物、例えば、エチ
レンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等の有機アミン化合物等が
例示される。
あることが好ましく、特に、pH8.0〜13.5の範
囲であることが好ましい。pH調整に使用するアルカリ
性化合物としては、例えば、LiOH、NaOH、KO
H、Na2 CO3 、Na2 HPO4 、NH4 OH等のア
ルカリ金属化合物及びアンモニア化合物、例えば、エチ
レンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等の有機アミン化合物等が
例示される。
【0026】本発明の重合体スケール付着防止剤の調製
に使用する溶媒としては、例えば、水;メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、2−ブタノー
ル、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−プロ
パノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−
2−ブタノール、2−ペンタノール等のアルコール系溶
媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン系溶剤;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢
酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル等のエステル
系溶剤;4−メチルジオキソラン、エチレングリコール
ジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;フラン類;ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニト
リル等の非プロトン系溶剤等が挙げられる。これらの溶
媒は適宜単独で又は二種以上の混合溶媒として使用され
る。
に使用する溶媒としては、例えば、水;メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、2−ブタノー
ル、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−プロ
パノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−
2−ブタノール、2−ペンタノール等のアルコール系溶
媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン系溶剤;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢
酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル等のエステル
系溶剤;4−メチルジオキソラン、エチレングリコール
ジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;フラン類;ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニト
リル等の非プロトン系溶剤等が挙げられる。これらの溶
媒は適宜単独で又は二種以上の混合溶媒として使用され
る。
【0027】上記溶媒の中で好ましいものは、水、及び
水と混和性を有する有機溶媒と水との混合溶媒である。
上記した有機溶媒の中で水と混和性を有する有機溶媒と
しては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル等のエス
テル系溶剤が挙げられる。水と混和性を有する有機溶媒
と水との混合溶媒を使用する場合の有機溶媒の含有量
は、引火、爆発等の危険がなく、毒性等の取扱上の安全
の問題がない量とするのが好ましく、具体的には、有機
溶媒が50重量%以下であることが好ましく、更に、3
0重量%以下であることが好ましい。
水と混和性を有する有機溶媒と水との混合溶媒である。
上記した有機溶媒の中で水と混和性を有する有機溶媒と
しては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル等のエス
テル系溶剤が挙げられる。水と混和性を有する有機溶媒
と水との混合溶媒を使用する場合の有機溶媒の含有量
は、引火、爆発等の危険がなく、毒性等の取扱上の安全
の問題がない量とするのが好ましく、具体的には、有機
溶媒が50重量%以下であることが好ましく、更に、3
0重量%以下であることが好ましい。
【0028】上記アルカリ性溶液中の縮合生成物の濃度
は、後記の総塗布量が得られる限り、特に制限されなが
いが、通常0.001〜5重量%程度、好ましくは0.
01〜1重量%程度である。
は、後記の総塗布量が得られる限り、特に制限されなが
いが、通常0.001〜5重量%程度、好ましくは0.
01〜1重量%程度である。
【0029】塗膜の形成 上記のようにして得られた塗布液は少なくとも重合器内
壁面に塗布、乾燥され塗膜が形成される。乾燥は、例え
ば室温から100℃までの温度範囲で充分行われ、さら
に必要に応じて水洗する。こうして形成された塗膜によ
り、スケールの付着が効果的に防止される。
壁面に塗布、乾燥され塗膜が形成される。乾燥は、例え
ば室温から100℃までの温度範囲で充分行われ、さら
に必要に応じて水洗する。こうして形成された塗膜によ
り、スケールの付着が効果的に防止される。
【0030】重合体スケール付着防止性塗膜は、重合器
内壁面だけでなく、重合中に単量体が接触する他の部位
にも形成することが好ましい。例えば、撹拌翼、撹拌
軸、バッフル、コンデンサ、ヘッダ、サーチコイル、ボ
ルト、ナット等が挙げられる。
内壁面だけでなく、重合中に単量体が接触する他の部位
にも形成することが好ましい。例えば、撹拌翼、撹拌
軸、バッフル、コンデンサ、ヘッダ、サーチコイル、ボ
ルト、ナット等が挙げられる。
【0031】なお、塗布液を重合器内壁面等に塗布する
方法は、特に限定されず、例えばハケ塗り、スプレー塗
布、重合体スケール付着防止剤で重合器を満たした後に
抜き出す方法等を始めとして、そのほか特開昭57−6
1001号公報、同55−36288号公報、特公表昭
56−501116号公報、同56−501117号公
報、特開昭59−11303号公報等に記載の自動塗布
方法を用いることもできる。
方法は、特に限定されず、例えばハケ塗り、スプレー塗
布、重合体スケール付着防止剤で重合器を満たした後に
抜き出す方法等を始めとして、そのほか特開昭57−6
1001号公報、同55−36288号公報、特公表昭
56−501116号公報、同56−501117号公
報、特開昭59−11303号公報等に記載の自動塗布
方法を用いることもできる。
【0032】塗布液を塗布後の濡れた状態の表面を乾燥
する方法も限定されることはなく、例えば次のような方
法を使用することができる。すなわち、重合体スケール
付着防止剤の塗布後、適当に昇温した温風を塗布面に当
てる方法、あるいは重合体スケール付着防止剤を塗布す
べき重合器内壁面及びその他の表面を予め、例えば30
〜80℃に加熱しておき、その加熱した表面に重合体ス
ケール付着防止剤を直接塗布する方法等を使用すること
ができる。そして塗布面の乾燥後は、その塗布面を必要
に応じて水洗する。
する方法も限定されることはなく、例えば次のような方
法を使用することができる。すなわち、重合体スケール
付着防止剤の塗布後、適当に昇温した温風を塗布面に当
てる方法、あるいは重合体スケール付着防止剤を塗布す
べき重合器内壁面及びその他の表面を予め、例えば30
〜80℃に加熱しておき、その加熱した表面に重合体ス
ケール付着防止剤を直接塗布する方法等を使用すること
ができる。そして塗布面の乾燥後は、その塗布面を必要
に応じて水洗する。
【0033】このようにして得られた塗膜は、乾燥後の
総塗布量が、通常、0.001〜5g/m2 、特に、
0.05〜2g/m2 であることが好ましい。以上の塗
布作業は、1〜10数バッチの重合ごとに行えばよい。形
成された塗膜は高い耐久性を有し、重合体スケールの付
着防止作用が持続するので、必ずしも1バッチの重合ご
とに行う必要はないため、生産性が向上する。
総塗布量が、通常、0.001〜5g/m2 、特に、
0.05〜2g/m2 であることが好ましい。以上の塗
布作業は、1〜10数バッチの重合ごとに行えばよい。形
成された塗膜は高い耐久性を有し、重合体スケールの付
着防止作用が持続するので、必ずしも1バッチの重合ご
とに行う必要はないため、生産性が向上する。
【0034】重合開始剤 本発明の方法に使用される油溶性重合開始剤は、一方の
開始剤(A) として、t−ブチルパーオキシネオヘプタノ
エートが用いられる。油溶性重合開始剤の他方の開始剤
(B) は、濃度0.1 モル/Lのベンゼン溶液の状態で10時
間半減期温度(以下、単に10時間半減期温度という)が
44〜55℃、好ましくは44〜50℃の範囲となる上記t−ブ
チルパーオキシネオヘプタノエート(A) 以外のパーエス
テル系過酸化物である。この開始剤(B) の10時間半減期
温度が44℃未満であると、通常58℃以上の重合温度で行
われる低重合度塩化ビニル系単量体の重合においては、
重合初期の発熱量が大きくなって、重合器からの適切な
除熱が困難になる。また、10時間半減期温度が55℃を超
えるものを使用すると、多量の重合開始剤を添加する必
要が生じ経済的でないばかりか、得られる塩化ビニル系
重合体の初期着色性の低下が生じ易くなるなど、得られ
る重合体の品質が低下することがある。
開始剤(A) として、t−ブチルパーオキシネオヘプタノ
エートが用いられる。油溶性重合開始剤の他方の開始剤
(B) は、濃度0.1 モル/Lのベンゼン溶液の状態で10時
間半減期温度(以下、単に10時間半減期温度という)が
44〜55℃、好ましくは44〜50℃の範囲となる上記t−ブ
チルパーオキシネオヘプタノエート(A) 以外のパーエス
テル系過酸化物である。この開始剤(B) の10時間半減期
温度が44℃未満であると、通常58℃以上の重合温度で行
われる低重合度塩化ビニル系単量体の重合においては、
重合初期の発熱量が大きくなって、重合器からの適切な
除熱が困難になる。また、10時間半減期温度が55℃を超
えるものを使用すると、多量の重合開始剤を添加する必
要が生じ経済的でないばかりか、得られる塩化ビニル系
重合体の初期着色性の低下が生じ易くなるなど、得られ
る重合体の品質が低下することがある。
【0035】このような開始剤(B)の具体例としては、
t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(10時間半減
期半減期温度:44.7℃、以下同様に10時間半減期温度を
括弧内に示す) 、t−ブチルパーオキシネオデカノエー
ト(46.5℃)、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエ
ート(49.7℃)、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエ
ート(52.1℃)等を挙げることができる。これらの中で
も、特にt−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−
ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、t−ヘキシル
パーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネ
オヘキサノエートを用いるのが好ましく、特にはt−ブ
チルパーオキシネオデカノエートを用いるのが好まし
い。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上
を組み合わせて使用してもよい。
t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(10時間半減
期半減期温度:44.7℃、以下同様に10時間半減期温度を
括弧内に示す) 、t−ブチルパーオキシネオデカノエー
ト(46.5℃)、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエ
ート(49.7℃)、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエ
ート(52.1℃)等を挙げることができる。これらの中で
も、特にt−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−
ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、t−ヘキシル
パーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネ
オヘキサノエートを用いるのが好ましく、特にはt−ブ
チルパーオキシネオデカノエートを用いるのが好まし
い。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上
を組み合わせて使用してもよい。
【0036】なお、一般に、有機過酸化物からなる開始
剤の10時間半減期温度は、以下のようにして求められる
ことは公知である。過酸化物の濃度が 0.1モル/Lのベ
ンゼン溶液を密封容器に入れ、ある温度に保持し熱分解
させ、時間に対する過酸化物の濃度変化を測定する。こ
の分解反応は近似的に一次反応とみなすことができるの
で、次の関係が成り立つ。 dx/dt=k(a−x) ln〔a/(a−x)〕=kt (式中、x:過酸化物の濃度、a:過酸化物の初期濃
度、k:分解速度定数、t:時間) 半減期t1/2 は、式でx=a/2の時であるから、次
の関係式: kt1/2 =ln2 が成り立つ。上記で測定した過酸化物の濃度変化と、
式から定数kが求まるので、式から半減期t1/2 が求
められる。
剤の10時間半減期温度は、以下のようにして求められる
ことは公知である。過酸化物の濃度が 0.1モル/Lのベ
ンゼン溶液を密封容器に入れ、ある温度に保持し熱分解
させ、時間に対する過酸化物の濃度変化を測定する。こ
の分解反応は近似的に一次反応とみなすことができるの
で、次の関係が成り立つ。 dx/dt=k(a−x) ln〔a/(a−x)〕=kt (式中、x:過酸化物の濃度、a:過酸化物の初期濃
度、k:分解速度定数、t:時間) 半減期t1/2 は、式でx=a/2の時であるから、次
の関係式: kt1/2 =ln2 が成り立つ。上記で測定した過酸化物の濃度変化と、
式から定数kが求まるので、式から半減期t1/2 が求
められる。
【0037】開始剤(A)と開始剤(B)の配合割合は、重量
比で(A) /(B) =1/9〜9/1が好ましく、特に1/
5〜5/1の範囲とすることが好ましい。(A) /(B) <
1/9では初期着色性が悪化し、スケール付着量も多く
なる。さらに重合転化率3〜30%の重合初期の範囲で
発熱性が多く過大となるため重合装置の除熱能が不足と
なり、重合温度を一定に保つのが困難となる場合もあ
り、また目的の平均重合度のPVCを得るのが難しくな
る。一方、(A) /(B) >9/1では、初期着色性が悪化
し、さらにスケール付着量を増加する。また、過酸化物
(A)と過酸化物(B)の合計添加量は、仕込み単量体全量10
0 重量部に対して、通常0.02〜0.12重量部が好ましく、
さらには0.04〜0.1 重量部、特には0.05〜0.1 重量部の
範囲が好ましい。この量が多すぎると重合初期の発熱ウ
エイトが大きくなり、重合器からの適切な除熱が困難に
なり易いだけでなく、得られる重合体の初期着色性の低
下が生じることがあるなど、得られる重合体の品質上も
好ましくない。この量が少なすぎると重合時間を短縮す
ることが困難である。
比で(A) /(B) =1/9〜9/1が好ましく、特に1/
5〜5/1の範囲とすることが好ましい。(A) /(B) <
1/9では初期着色性が悪化し、スケール付着量も多く
なる。さらに重合転化率3〜30%の重合初期の範囲で
発熱性が多く過大となるため重合装置の除熱能が不足と
なり、重合温度を一定に保つのが困難となる場合もあ
り、また目的の平均重合度のPVCを得るのが難しくな
る。一方、(A) /(B) >9/1では、初期着色性が悪化
し、さらにスケール付着量を増加する。また、過酸化物
(A)と過酸化物(B)の合計添加量は、仕込み単量体全量10
0 重量部に対して、通常0.02〜0.12重量部が好ましく、
さらには0.04〜0.1 重量部、特には0.05〜0.1 重量部の
範囲が好ましい。この量が多すぎると重合初期の発熱ウ
エイトが大きくなり、重合器からの適切な除熱が困難に
なり易いだけでなく、得られる重合体の初期着色性の低
下が生じることがあるなど、得られる重合体の品質上も
好ましくない。この量が少なすぎると重合時間を短縮す
ることが困難である。
【0038】重合開始剤の重合器内への仕込み方法は特
に制限されず、従来公知の方法のいずれも利用すること
ができ、例えば、溶剤で希釈して溶液として仕込んでも
よいし、水に分散させてエマルジョンまたはサスペンジ
ョンとして仕込んでもよい。さらに、重合開始剤を水及
び/又は懸濁剤と共に、あるいは水及び/又は懸濁剤を
仕込み終った後に仕込んでもよく、単量体の仕込み後に
重合器中にポンプで圧入してもよい。
に制限されず、従来公知の方法のいずれも利用すること
ができ、例えば、溶剤で希釈して溶液として仕込んでも
よいし、水に分散させてエマルジョンまたはサスペンジ
ョンとして仕込んでもよい。さらに、重合開始剤を水及
び/又は懸濁剤と共に、あるいは水及び/又は懸濁剤を
仕込み終った後に仕込んでもよく、単量体の仕込み後に
重合器中にポンプで圧入してもよい。
【0039】重合 本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法のその他の条件
等(例えば、重合器への水性媒体、単量体、分散助剤等
の仕込み方法、仕込み割合等)は通常水性媒体中におけ
る塩化ビニル等の懸濁重合と同様でよい。
等(例えば、重合器への水性媒体、単量体、分散助剤等
の仕込み方法、仕込み割合等)は通常水性媒体中におけ
る塩化ビニル等の懸濁重合と同様でよい。
【0040】重合は、通常、40〜70℃で行われ、こ
の温度範囲内であれば特に制限されない。平均重合度 8
50以下の低重合度塩化ビニル系共重合体を製造するとき
は、58℃以上で重合を行うことが好ましく、より好まし
くは59〜68℃である。
の温度範囲内であれば特に制限されない。平均重合度 8
50以下の低重合度塩化ビニル系共重合体を製造するとき
は、58℃以上で重合を行うことが好ましく、より好まし
くは59〜68℃である。
【0041】単量体としては、塩化ビニル単独の他、塩
化ビニルを主体とし、これと共重合し得る他の単量体と
の混合物(通常、塩化ビニルを50重量%以上)を用いる
ことができる(以下、塩化ビニル又は塩化ビニルを含む
単量体混合物を塩化ビニル系単量体という)。この塩化
ビニルと共重合し得る単量体としては、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、
1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−
テトラデセン等のα−オレフィン;アクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸または
そのエステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル等の
メタクリル酸またはそのエステル;マレイン酸またはそ
のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル;ラウリルビニルエーテル、イソブチルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル;無水マレイン酸;アク
リロニトリル;スチレン;塩化ビニリデン;その他塩化
ビニルと共重合可能な単量体が挙げられる。これらは単
独でまたは2種以上の組合せで用いられる。
化ビニルを主体とし、これと共重合し得る他の単量体と
の混合物(通常、塩化ビニルを50重量%以上)を用いる
ことができる(以下、塩化ビニル又は塩化ビニルを含む
単量体混合物を塩化ビニル系単量体という)。この塩化
ビニルと共重合し得る単量体としては、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、
1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−
テトラデセン等のα−オレフィン;アクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸または
そのエステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル等の
メタクリル酸またはそのエステル;マレイン酸またはそ
のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル;ラウリルビニルエーテル、イソブチルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル;無水マレイン酸;アク
リロニトリル;スチレン;塩化ビニリデン;その他塩化
ビニルと共重合可能な単量体が挙げられる。これらは単
独でまたは2種以上の組合せで用いられる。
【0042】分散剤も、塩化ビニル系単量体の水性媒体
中における懸濁重合に通常使用されているものであれば
よい。この分散剤としては、例えば、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の
水溶性セルロースエーテル;水溶性あるいは油溶性の部
分ケン化ポリビニルアルコール;アクリル酸重合体;ゼ
ラチン等の水溶性高分子;ソルビタンモノラウレート、
ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレー
ト、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポ
リマー等の油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレ
ート、ラウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤等が挙げ
られる。これらは1種単独でまたは2種以上の組合せで
使用される。
中における懸濁重合に通常使用されているものであれば
よい。この分散剤としては、例えば、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の
水溶性セルロースエーテル;水溶性あるいは油溶性の部
分ケン化ポリビニルアルコール;アクリル酸重合体;ゼ
ラチン等の水溶性高分子;ソルビタンモノラウレート、
ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレー
ト、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポ
リマー等の油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレ
ート、ラウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤等が挙げ
られる。これらは1種単独でまたは2種以上の組合せで
使用される。
【0043】水性媒体は、通常、脱イオン水が使用され
る。更に、この重合系には、必要に応じて、塩化ビニル
系の重合に適宜使用される重合調整剤、連鎖移動剤、pH
調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、架橋剤、安定剤、
充填剤、酸化防止剤、緩衝剤、スケール防止剤等を添加
することも任意である。
る。更に、この重合系には、必要に応じて、塩化ビニル
系の重合に適宜使用される重合調整剤、連鎖移動剤、pH
調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、架橋剤、安定剤、
充填剤、酸化防止剤、緩衝剤、スケール防止剤等を添加
することも任意である。
【0044】
【実施例】以下、実施例と比較例とを示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0045】実施例1 まず、本発明の重合体スケール付着防止剤(I)を以下
のように製造した。還流冷却器を備えた内容積2Lの反
応器に、メタノール 450g 及び水450g の混合溶媒を添
加して、続いてキノン化合物としてα−ナフトキノン 1
00g と、水酸化ナトリウム10g を添加した。次に、前記
反応器内を65℃に昇温して、該反応器内の混合物を65℃
で10時間反応させた後、室温まで冷却した。このように
して縮合生成物(a) の溶液を得た。
のように製造した。還流冷却器を備えた内容積2Lの反
応器に、メタノール 450g 及び水450g の混合溶媒を添
加して、続いてキノン化合物としてα−ナフトキノン 1
00g と、水酸化ナトリウム10g を添加した。次に、前記
反応器内を65℃に昇温して、該反応器内の混合物を65℃
で10時間反応させた後、室温まで冷却した。このように
して縮合生成物(a) の溶液を得た。
【0046】上記で得られた縮合生成物(a) の分子量を
以下の方法により測定した結果、3000であった。 ・分子量の測定 ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)に
より測定した。分子量は、ポリスチレン換算の数平均分
子量で示す。尚、測定条件は以下に示す。 カラム: ガードカラム 商品名 slim-pack GPC-800DP 、島津製作所社製 分析カラム 商品名 slim-pack GPC-803D,802D 、島津製作所社製 移動相: 10mM LiBr/DMF 流量 : 1.0 mL/min 検出器: RI 温度 60℃ 上記で得られた縮合生成物(a) 、ゼラチン(b) 、5〜7
mμ スノーテックスCXS−9(c) とを水/メタノー
ル=7/3(重量比)を溶媒として、(a) /(b) /(c)
=1/1/1(重量比)、(a) +(b) +(c) の合計濃度
が 0.5%となるように調製し、その溶液をNaOHを用いて
pH=11.0となるように調製し、重合体スケール付着防止
剤(I)を得た。
以下の方法により測定した結果、3000であった。 ・分子量の測定 ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)に
より測定した。分子量は、ポリスチレン換算の数平均分
子量で示す。尚、測定条件は以下に示す。 カラム: ガードカラム 商品名 slim-pack GPC-800DP 、島津製作所社製 分析カラム 商品名 slim-pack GPC-803D,802D 、島津製作所社製 移動相: 10mM LiBr/DMF 流量 : 1.0 mL/min 検出器: RI 温度 60℃ 上記で得られた縮合生成物(a) 、ゼラチン(b) 、5〜7
mμ スノーテックスCXS−9(c) とを水/メタノー
ル=7/3(重量比)を溶媒として、(a) /(b) /(c)
=1/1/1(重量比)、(a) +(b) +(c) の合計濃度
が 0.5%となるように調製し、その溶液をNaOHを用いて
pH=11.0となるように調製し、重合体スケール付着防止
剤(I)を得た。
【0047】内容積が 2.1m3 のステンレス製重合器に
上記のように調製した重合体スケール付着防止剤(I)
を重合器の内壁及び攪拌軸、攪拌翼その他重合中に単量
体が接触する部分に塗布し、40℃で15分間加熱乾燥して
塗膜を形成後、重合器内を水洗した。
上記のように調製した重合体スケール付着防止剤(I)
を重合器の内壁及び攪拌軸、攪拌翼その他重合中に単量
体が接触する部分に塗布し、40℃で15分間加熱乾燥して
塗膜を形成後、重合器内を水洗した。
【0048】次に脱イオン水 880kgと部分ケン化ポリビ
ニルアルコール 210g及びヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース140gの水溶液を重合器内に投入した。器内を50
mmHgになるまで脱気した後、塩化ビニル単量体 700kgを
仕込み、攪拌しながら、更に、表1に示した重合開始剤
をポンプで圧入すると同時に昇温を始めて、重合を開始
した。
ニルアルコール 210g及びヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース140gの水溶液を重合器内に投入した。器内を50
mmHgになるまで脱気した後、塩化ビニル単量体 700kgを
仕込み、攪拌しながら、更に、表1に示した重合開始剤
をポンプで圧入すると同時に昇温を始めて、重合を開始
した。
【0049】重合温度を63℃に保ちながら重合反応を行
い、重合器の内圧が 7.5kg/cm2 Gに低下した時点で重
合を停止し、未反応単量体を回収し、得られた重合体を
スラリー状で器外に抜き出し、脱水、乾燥を行って重合
体を得た。
い、重合器の内圧が 7.5kg/cm2 Gに低下した時点で重
合を停止し、未反応単量体を回収し、得られた重合体を
スラリー状で器外に抜き出し、脱水、乾燥を行って重合
体を得た。
【0050】比較例1 比較例の重合体スケール付着防止剤(II) として、C.I.
ダイレクトブルー1 (10g)、C.I.ベイシックブルー12
(2g)をイオン交換水2000mL に溶解し、さらにフィチ
ン酸17g を加えた水溶液を調製し、重合体スケール付着
防止剤(II) を得た。この重合体スケール付着防止剤
(II) を実施例1と同様に重合器内に塗布し、50℃で10
分間加熱、乾燥して塗膜を形成後、重合器内を水洗いし
た。次に、重合開始剤を表1に示すようにした以外は、
実施例1と同様に塩化ビニル単量体の重合を行い、重合
体を得た。
ダイレクトブルー1 (10g)、C.I.ベイシックブルー12
(2g)をイオン交換水2000mL に溶解し、さらにフィチ
ン酸17g を加えた水溶液を調製し、重合体スケール付着
防止剤(II) を得た。この重合体スケール付着防止剤
(II) を実施例1と同様に重合器内に塗布し、50℃で10
分間加熱、乾燥して塗膜を形成後、重合器内を水洗いし
た。次に、重合開始剤を表1に示すようにした以外は、
実施例1と同様に塩化ビニル単量体の重合を行い、重合
体を得た。
【0051】比較例2 比較例1において、重合開始剤を表1に示すようにした
以外は比較例1と同様にして重合を行い、重合体を得
た。
以外は比較例1と同様にして重合を行い、重合体を得
た。
【0052】比較例3 比較例1において、スケール防止剤を表2に示すように
した以外は比較例1と同様にして重合を行い、重合体を
得た。
した以外は比較例1と同様にして重合を行い、重合体を
得た。
【0053】比較例4 実施例1において重合開始剤を表2に示すようにした以
外は実施例1と同様にして重合を行い重合体を得た。
外は実施例1と同様にして重合を行い重合体を得た。
【0054】比較例5 実施例1において重合開始剤を表2に示すようにした以
外は実施例1と同様にして重合を行い重合体を得た。な
お、重合中発生する重合反応熱の発生量に重合装置の除
熱能力が不足して重合温度を63℃に保つことができず
一時的に内温が約3℃上昇した。
外は実施例1と同様にして重合を行い重合体を得た。な
お、重合中発生する重合反応熱の発生量に重合装置の除
熱能力が不足して重合温度を63℃に保つことができず
一時的に内温が約3℃上昇した。
【0055】実施例2 実施例1と同様にして重合器内に重合体スケール付着防
止剤(I)の塗膜を形成して重合器内を水洗いした後、
脱イオン水 870kgと部分ケン化ポリビニルアルコール 3
03g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース240gの水
溶液を重合器内に投入した。器内を50mmHgになるまで脱
気した後、塩化ビニル単量体 730kgを仕込み、攪拌しな
がら表3に示した重合開始剤をポンプで圧入すると同時
に昇温を始めて重合を開始した。昇温開始1時間後に重
合度調整剤としての2−メルカプトエタノール 204g を
圧入した。重合温度を62℃に保ちながら重合反応を行
い、重合器の内圧が 7.2kg/cm2 Gに達した時点で重合
を停止し、未反応単量体を回収し、得られた重合体をス
ラリー状で器外に抜き出し、脱水、乾燥を行って重合体
を得た。
止剤(I)の塗膜を形成して重合器内を水洗いした後、
脱イオン水 870kgと部分ケン化ポリビニルアルコール 3
03g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース240gの水
溶液を重合器内に投入した。器内を50mmHgになるまで脱
気した後、塩化ビニル単量体 730kgを仕込み、攪拌しな
がら表3に示した重合開始剤をポンプで圧入すると同時
に昇温を始めて重合を開始した。昇温開始1時間後に重
合度調整剤としての2−メルカプトエタノール 204g を
圧入した。重合温度を62℃に保ちながら重合反応を行
い、重合器の内圧が 7.2kg/cm2 Gに達した時点で重合
を停止し、未反応単量体を回収し、得られた重合体をス
ラリー状で器外に抜き出し、脱水、乾燥を行って重合体
を得た。
【0056】実施例3 実施例2において、重合開始剤を表3に示すようにした
以外は実施例2と同様にして重合を行い、重合体を得
た。
以外は実施例2と同様にして重合を行い、重合体を得
た。
【0057】比較例6 実施例2において、重合体スケール付着防止剤(I)に
代えて重合体スケール付着防止剤(II)を使用し、比較
例1と同様にして重合器内に塗膜を形成した後に器内を
水洗いし、重合開始剤を表3に示すようにした以外は、
実施例2と同様にして重合を行い、重合体を得た。
代えて重合体スケール付着防止剤(II)を使用し、比較
例1と同様にして重合器内に塗膜を形成した後に器内を
水洗いし、重合開始剤を表3に示すようにした以外は、
実施例2と同様にして重合を行い、重合体を得た。
【0058】比較例7 実施例2において、比較例1と同様にして重合器内に塗
膜を形成した後に器内を水洗いし、重合開始剤を表4に
示すようにした以外は、実施例2と同様にして重合を行
い、重合体を得た。
膜を形成した後に器内を水洗いし、重合開始剤を表4に
示すようにした以外は、実施例2と同様にして重合を行
い、重合体を得た。
【0059】比較例8 実施例2において、重合体スケール付着防止剤(I)に
代えて重合体スケール付着防止剤(II)を使用し、比較
例1と同様にして重合器内に塗膜を形成した後に器内を
水洗いし、重合開始剤を表4に示すようにした以外は、
実施例2と同様にして重合を行い、重合体を得た。
代えて重合体スケール付着防止剤(II)を使用し、比較
例1と同様にして重合器内に塗膜を形成した後に器内を
水洗いし、重合開始剤を表4に示すようにした以外は、
実施例2と同様にして重合を行い、重合体を得た。
【0060】このようにして得られた各重合体について
下記方法により品質評価を行った。その結果を表1〜表
4に示す。 ・平均重合度:JIS K-6721 に従って測定した。 ・かさ比重:JIS K-6721 に従って測定した。 ・粒度分布:JIS Z-8801に準拠して #60、#100、#200の
各篩を用いて篩分けし、残留量と通過量(重量%)を計
量した。 ・初期着色性:得られた重合体 100重量部に、ラウリル
酸すず1重量部、カドミウム系安定剤0.5重量部および
ジオクチルフタレート50重量部を配合し、2本ロールミ
ルを用いて 160℃で5分間混練した後、厚さ 0.8mmのシ
ートに成形した。つぎに、このシートを裁断して重ね、
4cm×4cm× 1.5cmの型枠に入れ、 160℃、65〜70kgf/
cm2 で加熱加圧して試料を作製した。この試料シートを
目視で観察して下記の基準で初期着色性を評価した。 A……黄味が薄く、良好。 B……黄味が強く、不良。 ・重合体スケール付着:各製造方法により10バッチの
重合を繰り返した後に、各重合器内を観察して、重合体
スケールの付着の程度を評価した。なお、以下に表中の
重合開始剤の略号を示す。 BPNp:t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(10時
間半減期温度:50℃) BPD:t−ブチルパーオキシネオデカノエート(同:46.
5℃) HPV :t−ヘキシルパーオキシピバレート(同:53.2
℃) THP :ジ−3,5,5 −トリメチルヘキサノイルパーオキサ
イド(同:59.5℃)
下記方法により品質評価を行った。その結果を表1〜表
4に示す。 ・平均重合度:JIS K-6721 に従って測定した。 ・かさ比重:JIS K-6721 に従って測定した。 ・粒度分布:JIS Z-8801に準拠して #60、#100、#200の
各篩を用いて篩分けし、残留量と通過量(重量%)を計
量した。 ・初期着色性:得られた重合体 100重量部に、ラウリル
酸すず1重量部、カドミウム系安定剤0.5重量部および
ジオクチルフタレート50重量部を配合し、2本ロールミ
ルを用いて 160℃で5分間混練した後、厚さ 0.8mmのシ
ートに成形した。つぎに、このシートを裁断して重ね、
4cm×4cm× 1.5cmの型枠に入れ、 160℃、65〜70kgf/
cm2 で加熱加圧して試料を作製した。この試料シートを
目視で観察して下記の基準で初期着色性を評価した。 A……黄味が薄く、良好。 B……黄味が強く、不良。 ・重合体スケール付着:各製造方法により10バッチの
重合を繰り返した後に、各重合器内を観察して、重合体
スケールの付着の程度を評価した。なお、以下に表中の
重合開始剤の略号を示す。 BPNp:t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(10時
間半減期温度:50℃) BPD:t−ブチルパーオキシネオデカノエート(同:46.
5℃) HPV :t−ヘキシルパーオキシピバレート(同:53.2
℃) THP :ジ−3,5,5 −トリメチルヘキサノイルパーオキサ
イド(同:59.5℃)
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】表1〜表4より、本発明の方法により得ら
れた比較的低重合度の塩化ビニル重合体は、重合時間が
短縮されてもかさ密度、粒度分布及び初期着色性の品質
が良好であった。また、この製造方法により重合器内の
気相部及び液相部における重合体スケールの付着が抑制
されることが認められた。
れた比較的低重合度の塩化ビニル重合体は、重合時間が
短縮されてもかさ密度、粒度分布及び初期着色性の品質
が良好であった。また、この製造方法により重合器内の
気相部及び液相部における重合体スケールの付着が抑制
されることが認められた。
【0066】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、初期着色性
等の品質が良好である、低重合度の塩化ビニル系重合体
を、短い重合時間でしかも重合器内の重合体スケールの
付着を抑制しつつ製造することができる。したがって、
生産性が著しく向上する。特に、従来困難であった重合
器内の気相部や界面近傍における重合体スケールの付着
がより確実に抑制され、重合器内の重合体スケール除去
作業の必要頻度も激減し、重合器の長期にわたる連続使
用が可能となる。
等の品質が良好である、低重合度の塩化ビニル系重合体
を、短い重合時間でしかも重合器内の重合体スケールの
付着を抑制しつつ製造することができる。したがって、
生産性が著しく向上する。特に、従来困難であった重合
器内の気相部や界面近傍における重合体スケールの付着
がより確実に抑制され、重合器内の重合体スケール除去
作業の必要頻度も激減し、重合器の長期にわたる連続使
用が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−316214(JP,A) 特開 平7−62004(JP,A) 特開 平7−304806(JP,A) 特公 昭47−18852(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60 C08F 4/34
Claims (3)
- 【請求項1】 重合器内壁面に重合体スケール付着防止
性の塗膜を有する重合器内で塩化ビニル単量体またはこ
れを主体とするビニル系単量体の混合物を水性媒体中で
油溶性重合開始剤を用いて懸濁重合することからなる塩
化ビニル系重合体の製造方法において、 前記の重合体スケール付着防止性の塗膜が、(a) キノン
化合物を縮合することにより得られる分子量 400〜5000
0 の縮合生成物、並びに(b) 水溶性高分子化合物、無機
コロイド及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選ば
れる少なくとも1種を含有するアルカリ性液を前記の内
壁面に塗布し、乾燥することにより形成されたものであ
り、かつ前記油溶性重合開始剤が、 (A) t−ブチルパーオキシネオヘプタノエートと、 (B) ベンゼン中、濃度0.1 モル/Lの溶液状態で、10時
間半減期温度が44〜55℃である上記(A) 成分t−ブチル
パーオキシネオヘプタノエート以外のパーエステル系過
酸化物と、からなることを特徴とする塩化ビニル系重合
体の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法であって、前
記の懸濁重合が温度58℃以上において行われる製造方
法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の製造方法であって、請
求項1に記載された(B) 成分が、 t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチル
パーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシ
ネオヘキサノエート又はt−ブチルパーオキシネオヘキ
サノエートである方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23586694A JP3317793B2 (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
US08/505,626 US5597878A (en) | 1994-07-22 | 1995-07-21 | Process of producing vinyl chloride polymer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23586694A JP3317793B2 (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0873510A JPH0873510A (ja) | 1996-03-19 |
JP3317793B2 true JP3317793B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=16992416
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23586694A Expired - Fee Related JP3317793B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-09-05 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3317793B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-05 JP JP23586694A patent/JP3317793B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0873510A (ja) | 1996-03-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |