JPH0881403A - 光学活性化合物 - Google Patents

光学活性化合物

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JPH0881403A
JPH0881403A JP24734594A JP24734594A JPH0881403A JP H0881403 A JPH0881403 A JP H0881403A JP 24734594 A JP24734594 A JP 24734594A JP 24734594 A JP24734594 A JP 24734594A JP H0881403 A JPH0881403 A JP H0881403A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表示素子用液晶材料の原料として有用な光学
活性物質の提供。 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中、XはC数1〜18のアルキル基又はアルコキシ
基、C数2〜18のアルコキシカルボニル基又はアルカ
ノイルオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カル
ボキシル基、又は水素原子を示し、YはCH又はNを示
す)で表される光学活性化合物。 【効果】 本発明により、リバースドメインの生成を抑
制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な光学活性化合物
に関する。さらに詳しくは表示素子用の液晶材料に有用
である光学活性化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性化合物、特に光学活性の液晶化
合物は液晶材料のカイラルドープ剤として有用であり、
また、光学活性液晶の中間原料として重要視されてい
る。例えば、宮沢ら(特願昭62ー255326)は、
光学活性2−フェニルエタノール誘導体を出発物質とし
て有用な添加剤(カイラルドープ剤)を報告している
が、本発明の化合物の様なフッ素化合物については記載
がなく、その有用性を示唆する記述もない。
【0003】また、次世代の液晶材料といわれる強誘電
性液晶材料においては、光学活性化合物がその組成物の
構成に必須であり、様々な化合物が開発されている。こ
れらの光学活性化合物は望むらくは液晶相を呈すること
が好ましいが、その構造が液晶化合物に類似したもので
あればスメクチックC液晶などに混合して使用できるこ
とが知られている。このように従来から、高速応答に必
要な自発分極を持ち、低粘性で、低温域で液晶相を持つ
強誘電性液晶材料の開発が行われてきた。このような目
的で栗本ら(特開平3−294246)は、不整炭素に
トリフルオロメチル基をもつ化合物を開発し、強誘電性
液晶材料に応用することを報告している。しかしなが
ら、彼等の報告において出発物質となる光学活性化合物
の中で本発明の化合物と類似のものはp−アルコキシフ
ェニル−2,2,2−トリフルオロエタノールのみであ
り、その応用範囲が極めて限定されたものであった。ま
た、特開平3−294246には、単環式のトリフロロ
ベンジルアルコール化合物が開示されているが、六員環
を2個有する化合物は開示されいない。ドイツ特許DE
4002374A1には以下の化合物が開示されてい
る。
【0004】
【化2】
【0005】この化合物は、ラセミ体であり光学活性で
はない。表示素子用の液晶材料として、ツイステッドネ
マチック素子のリバースツイストドメインの発生を防止
したり、あるいは強誘電性液晶の材料としてスメクチッ
クC液晶などの非光学活性液晶組成物に強誘電性を付与
する等の機能を発現させるためには、添加される化合物
は光学活性であることが必要である。ドイツ特許の化合
物は、ラセミ体であるので当然ながらこれらの機能を発
現できない。このラセミ体化合物は本発明が目的とする
光学活性化合物とは全く別の機能を有する化合物、ある
いは全く別の化合物と考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから明らか
なように、本発明の目的は表示素子用の液晶材料の成分
として、また、成分の化合物の原料を供給する上で有機
合成的により応用範囲の広い出発物質となる光学活性化
合物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一
は(1)一般式(I)
【化3】
【0008】(式(I)において、Xは炭素数1−18
のアルキル基またはアルコキシ基、炭素数2−18のア
ルコキシカルボニル基またはアルカノイルオキシ基、ハ
ロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、または
水素原子を示し、YはCHまたはNを示す)で表わされ
る、光学活性化合物に関する。本発明の態様としては、
(2)式(I)において、YがCHである、光学活性化
合物、および(3)式(I)において、YがNである、
光学活性化合物、を挙げることができる。本発明により
提供される好ましい光学活性化合物を例示すると、2−
(4−クロロフェニル)−5−(2,2,2−トリフル
オロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミジン、2−(4−
ブロモフェニル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−
1−ヒドロキシエチル)ピリミジン、2−(4−ヒドロ
キシフェニル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1
−ヒドロキシエチル)ピリミジン、2−(4−メトキシ
フェニル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒ
ドロキシエチル)ピリミジン、2−(4−エトキシフェ
ニル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロ
キシエチル)ピリミジン、2−(4−プロポキシフェニ
ル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキ
シエチル)ピリミジン、2−(4−ブトキシフェニル)
−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエ
チル)ピリミジン、2−(4−ペンチルオキシフェニ
ル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキ
シエチル)ピリミジン、2−(4−ヘキシルオキシフェ
ニル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロ
キシエチル)ピリミジン、2−(4−ヘプチルオキシフ
ェニル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒド
ロキシエチル)ピリミジン、
【0009】2−(4−メチルフェニル)−5−(2,
2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミ
ジン、2−(4−エチルフェニル)−5−(2,2,2
−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミジン、
2−(4−プロピルフェニル)−5−(2,2,2−ト
リフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミジン、2−
(4−ブチルフェニル)−5−(2,2,2−トリフル
オロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミジン、2−(4−
ペンチルフェニル)−5−(2,2,2−トリフルオロ
−1−ヒドロキシエチル)ピリミジン、2−(4−ヘキ
シルフェニル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1
−ヒドロキシエチル)ピリミジン、2−(4−ヘプチル
フェニル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒ
ドロキシエチル)ピリミジン、2−(4−メトキシカル
ボニルフェニル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−
1−ヒドロキシエチル)ピリミジン、2−(4−エトキ
シカルボニルフェニル)−5−(2,2,2−トリフル
オロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミジン、2−(4−
プロポキシカルボニルフェニル)−5−(2,2,2−
トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミジン、2
−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−5−(2,
2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミ
ジン、2−(4−ペンチルオキシカルボニルフェニル)
−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエ
チル)ピリミジン、2−(4−ヘキシルオキシカルボニ
ルフェニル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−
ヒドロキシエチル)ピリミジン、2−(4−ヘプチルオ
キシカルボニルフェニル)−5−(2,2,2−トリフ
ルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミジン、等の光学
活性のピリミジン化合物、および
【0010】1−(4’−ヒドロキシ−4−ビフェニリ
ル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、4−(4
−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチ
ル)フェニル)安息香酸メチル、4−(4−(2,2,
2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)フェニル)
安息香酸エチル、4−(4−(2,2,2−トリフルオ
ロ−1−ヒドロキシエチル)フェニル)安息香酸プロピ
ル、4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒド
ロキシエチル)フェニル)安息香酸ペンチル、4−(4
−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチ
ル)フェニル)安息香酸ヘキシル、4−(4−(2,
2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)フェニ
ル)安息香酸ヘプチル、4−(4−(2,2,2−トリ
フルオロ−1−ヒドロキシエチル)フェニル)安息香酸
オクチル、4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1
−ヒドロキシエチル)フェニル)安息香酸、1−(4’
−メトキシ−4−ビフェニリル)−2,2,2−トリフ
ルオロエタノール、1−(4’−エトキシ−4−ビフェ
ニリル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1−
(4’−プロポキシ−4−ビフェニリル)−2,2,2
−トリフルオロエタノール、1−(4’−ペンチルオキ
シ−4−ビフェニリル)−2,2,2−トリフルオロエ
タノール、1−(4’−ヘキシルオキシ−4−ビフェニ
リル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1−
(4’−ヘプチルオキシ−4−ビフェニリル)−2,
2,2−トリフルオロエタノール、等の光学活性ビフェ
ニル誘導体をあげることができる。
【0011】本発明において、式(I)でXが炭素数1
−10のアルキル基またはアルコキシ基、炭素数2−1
0のアルコキシカルボニル基、塩素原子または臭素原子
である光学活性化合物が好ましい。本発明の光学活性化
合物は、式(I)におけるYによって、以下のように分
類できる。
【0012】
【化4】 式(I-a)はビフェニル骨格であり、(I-b)は、フェニ
ルピリミジン骨格であり、両者とも、液晶化合物の骨格
構造としてはよく知られている物である。
【0013】フェニルピリミジン骨格を有する液晶性化
合物は、強誘電性液晶組成物の母体液晶として非常に頻
繁に使用されている。この母体液晶とのマッチングの観
点から、強誘電性を誘起するための光学活性化合物も同
一の骨格を有する化合物であることが望まれる。すなわ
ち、本発明の化合物を強誘電性誘起剤として用いる場合
にも、また本発明の化合物を原料として強誘電性液晶を
調製する場合にも、フェニルピリミジン骨格を有する光
学活性化合物は望ましい。この観点から、本発明の化合
物の中では式(I)においてY=Nである化合物が好ま
しい。また一般に、ピリミジン化合物はビフェニル化合
物に比較して、融点の低いものが多く、その出現する液
晶相が比較的低次である場合が多い。換言すると、ビフ
ェニル化合物は比較的高次の液晶相、例えばスメクチッ
クB、G、H等の相を呈しやすい。高次の液晶相を有す
る化合物は、強誘電性液晶相として最も頻繁に使用され
るスメクチックC相との混和性が良好ではなく、スメク
チックC相温度範囲を狭める場合がある。この観点から
も本発明の化合物として、式(I)でYがNである化合
物が好ましい。本発明の一般式(I)で示される光学活
性化合物は、後記する方法で得られる一般式(II)で示
されるトリフルオロアセチル化合物を出発物質に用い、
還元酵素を触媒として立体選択的に還元することにより
得ることができる。
【0014】
【化5】 はじめに、式(II)で表わされる前駆体であるトリフル
オロアセチル化合物の製造方法について述べる。この前
駆体(II)は、式中のYによって2つに分類できる。
【化6】 以下、それぞれの場合について説明する。 (a)Y=CHの場合 (a1)Xが水素原子、アルキル基またはアルコキシ基
の場合
【0015】
【化7】
【0016】すなわち、(i)第一段階として、4’−
置換−4−ブロモビフェニル(1)を金属試薬化する。
例えば、マグネシュウム金属にてグリニャール試薬を、
あるいは、アルキルリチウム試薬を作用させて有機リチ
ウム試薬を調製する。次いで(ii)これに、適宜トリフ
ルオロ酢酸あるいはそのエステル、例えばトリフルオロ
酢酸エチルを作用させて、トリフルオロアセチルビフェ
ニル化合物(2)を製造することができる。 (a2)Xがヒドロキシル基の場合
【0017】
【化8】
【0018】Xがヒドロキシ基である化合物(3)は、
(a1)においてXがアルコキシ基である化合物(2)
を脱アルキル化剤を用いて脱アルキル化することにより
好適に製造することができる。この際の脱アルキル化剤
としては、塩化アルミニウム、臭化ホウ素等のルイス酸
が好適に使用できる。 (a3)Xがハロゲン原子の場合
【0019】
【化9】
【0020】Xがハロゲン原子、例えば臭素である場合
は、(a1)と同様な経路で好適に製造できる。すなわ
ち(i)第一段階として、4−4’−ジブロモビフェニ
ル(4)を金属試薬化する。例えば、マグネシュウム金
属にてグリニャール試薬を、あるいは、アルキルリチウ
ム試薬を作用させて有機リチウム試薬を調製する。つい
で(ii)これに、適宜トリフルオロ酢酸あるいはそのエ
ステル、例えばトリフルオロ酢酸エチルを作用させて、
トリフルオロアセチルビフェニル化合物(5)を製造す
ることができる。このときに、ジトリフルオロアセチル
化合物が副生する可能性があるが、それらは適当な分離
手段、例えば再結晶、あるいはクロマトグラフ等を用い
て分離することができる。 (a4)Xがカルボキシル基またはアルコキシカルボニ
ル基の場合
【0021】
【化10】
【0022】はじめに、(a3)にて得られた(5)を
金属試薬化する。例えば、(i)マグネシウム金属にて
グリニャール試薬を、あるいは、アルキルリチウム試薬
を作用させて有機リチウム試薬を調製する。(ii)これ
に、二酸化炭素を作用させてビフェニルカルボン酸
(6)が製造できる。次にこれをアルキル化することに
よって、エステル(7)が製造できる。 (b) Y=Nの場合 (b1) Xが水素、アルキル基、アルコキシ基または
ハロゲン原子の場合
【0023】
【化11】 すなわち(i)第一段階として、2−フェニル−5−ブ
ロモピリミジン(8)を金属試薬化する。例えば、マグ
ネシュウム金属にてグリニャール試薬を、あるいはアル
キルリチウム試薬を作用させて有機リチウム試薬を調製
する。次に(ii)これに適宜トリフルオロ酢酸あるいは
そのエステル、例えばトリフルオロ酢酸エチルを作用さ
せて、2−フェニル−5−トリフルオロアセチルピリミ
ジン化合物(9)を製造することができる。 (b2) Xがヒドロキシル基である場合
【0024】
【化12】 Xがヒドロキシル基である化合物(3)は、(b1)に
おいてXがアルコキシ基である化合物(2)を脱アルキ
ル化剤を用いて脱アルキル化することにより、好適に製
造することができる。この際の、脱アルキル化剤として
は、塩化アルミニウム、臭化ホウ素等のルイス酸が好適
に使用できる。 (b3) Xがカルボキシル基またはアルコキシカルボ
ニル基の場合
【0025】
【化13】
【0026】(i)はじめに、(b1)にて得られた2
−フェニル−5−トリフルオロアセチルピリミジン化合
物(9)のうち、X=Brのもの(11)を金属試薬化す
る。例えば、マグネシウム金属にてグリニャール試薬
を、あるいはアルキルリチウム試薬を作用させて有機リ
チウム試薬を調製する。(ii)これに、二酸化炭素を作
用させてビフェニルカルボン酸(12)を製造できる。次
いでこれをアルキル化することによって、エステル(1
3)が製造できる。以上の様な工程に従って、前駆体で
あるトリフルオロアセチル化合物を製造することができ
る。本発明において、前駆体であるトリフルオロアセチ
ル化合物から光学活性なトリフルオロメチルベンジルア
ルコールへの還元は、主として還元酵素を用いることに
より立体選択的に行うことができる。本発明の一般式
(I)で示される光学活性化合物は、上述した方法で得
られる一般式(II)で示されるトリフルオロアセチル化
合物を還元酵素を触媒として立体選択的に還元すること
により得ることが出来る。
【0027】この反応において用いる還元酵素は一般式
(II)で示されるトリフルオロアセチル化合物のカルボ
ニル基を還元することのできる酵素であれば特に制限は
ない。この還元酵素としては通常、アルコールデヒドロ
ゲナーゼを好適に使用することが出来る。アルコールデ
ヒドロゲナーゼとしては、たとえば、哺乳類の肝臓から
得たアルコールデヒドロゲナーゼ、酵母から得られたア
ルコールデヒドロゲナーゼ、さらにエンタモエバヒスト
リチカ(Entamoeba histolytica)、ロドミクロビウム
バンニーリー(Rhodomicrobium vannielii)、サッカロ
マイコプシスリポリチカ(Saccharomycopsis lipolytic
a)などの菌体から得たアルコールデヒドロゲナーゼな
どを挙げることが出来る。この中で好ましいものは、パ
ン酵母から得られたアルコールデヒドロゲナーゼであ
る。これらのアルコールデヒドロゲナーゼは、通常、N
ADHまたはNADPHとともに使用することにより、
前記のトリフルオロアセチル化合物のカルボニル基を好
適に還元する。なお、還元酵素としては、菌体の産生す
る還元酵素を使用するのが好ましく、たとえば、前記の
カルボニル基の還元行程において、その反応系に直接に
酵母などの菌体を作用せしめて還元反応を行うことも出
来る。この方法による場合、菌体として好ましいものは
パン酵母である。
【0028】また、本発明の光学活性化合物を調製する
酵素還元反応において、前記の菌体とともに使用可能な
培地としては、使用する菌体の種類によって一概には言
えないが、通常は、サッカロース、グルコース、ペプト
ン、麦芽エキスなどを組成とする培地を挙げることが出
来る。なお、本発明において、前記の還元反応の反応系
に消泡剤などの添加剤を含有させてもよい。前記の還元
酵素の使用量としてはパン酵母を用いる場合にあっては
通常、パン酵母に対し基質は1〜30重量%である。前
記の培地の濃度としてはパン酵母を用いる場合、酵母に
対し3〜50重量%である。反応温度は、通常20℃〜
40℃であり、好ましくは30℃である。 還元反応は
常圧下で進行する。反応液はラジオライトやセライトな
どの適当な濾過剤を用いて濾過することにより、還元酵
素を取り除くことが出来る。さらに溶媒を留去した後、
残渣をカラムクロマトグラフィーに付すことにより、目
的とする光学活性化合物を得ることが出来る。本発明の
光学活性化合物はまた、光学活性な単環式の化合物(1
4)と非光学活性なハロゲン化合物(15)との触媒を用
いるカップリング反応によっても製造することができ
る。
【0029】
【化14】
【0030】このカップリング反応における触媒として
は、パラジウム系またはニッケル系等の触媒が好適に使
用できる。本発明の好ましい態様を以下の(ア)〜
(カ)項に示す。 (ア)前記の一般式(I−b)において、Xが炭素数1
〜8のアルキル基またはアルコキシ基、炭素数2〜8の
アルコキシカルボニル基またはアルカノイルオキシ基、
ヒドロキシル基、塩素もしくは臭素のハロゲン原子、ま
たはカルボキシル基である光学活性化合物。 (イ)前記の一般式(I−b)において、Xがヒドロキ
シル基、塩素原子またはカルボキシル基である光学活性
化合物。 (ウ)前記の一般式(I−b)において、Xが炭素数2
〜8のアルコキシカルボニル基である光学活性化合物。 (エ)前記の一般式(I−a)において、Xが炭素数2
〜8のアルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、塩素
もしくは臭素のハロゲン原子、またはカルボキシル基で
ある光学活性化合物。 (オ)前記の一般式(I−a)において、Xがヒドロキ
シル基、塩素原子またはカルボキシル基である光学活性
化合物。 (カ)前記の一般式(I−a)において、Xが炭素数2
〜8のアルコキシカルボニル基である光学活性化合物。
【0031】
【発明の効果】本発明の化合物をネマチック液晶に極く
微量添加することにより、液晶セルにおけるリバースツ
イストドメインの生成を押さえることができる。更に、
本発明の化合物を原料として誘導される光学活性化合物
も、液晶表示素子材料に添加して同様の添加効果を発揮
できる外、強誘電性液晶の強誘電性誘起材料としても有
用に用いることができる。特に本発明の化合物は、光学
活性液晶化合物の中間体として有用である。また本発明
の光学活性化合物は、強誘電性液晶の外に、医薬、農
薬、機能性材料等の中間原料としても使用することがで
きる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 光学活性1−(4−ビフェニリル)−2,2,2−トリ
フルオロエタノール(式(I)において、X=H、Y=
CHである化合物) ドライ酵母3.05g、サッカロース3.66g、蒸留
水30.5mlの混合物を1時間発酵させた溶液に対し
て、4−トリフルオロアセチルビフェニル0.15gお
よびエタノール3mlを添加した。2日後この反応混合
物に、ドライ酵母1.5g、サッカロース1.8g、蒸
留水15mlの混合物を1時間発酵させた溶液を追加し
た。更に2日後、この反応混合物にセライトを加えて反
応を停止した。次に酢酸エチルを用いて抽出した有機層
を水洗し、乾燥し、濃縮した。溶媒を溜去した残分を精
製し、目的物である光学活性1−(4−ビフェニリル)
−2,2,2−トリフルオロエタノール0.11gを得
た。1 H−NMR(CDCl3) δ 2.66(s,1H) 5.08(q,J=6.6Hz,1H) 7.34〜7.65(m,9H)19 F−NMR −80.0(d,J=6.6Hz) IR(CHCl3) 3600,3300,1610,1500,1360, 1300,1140,600 (cm-1) [α]D −23.7(c 0.99,CHCl3
【0033】実施例2 光学活性1−(4’−メトキシ−4−ビフェニリル)−
2,2,2−トリフルオロエタノール(式(I)におい
て、X=OCH3、Y=CHの化合物) 第一段階 4−ブロモ−4’−メトキシビフェニルの製造 アルゴン雰囲気下、フラスコに60%水素化ナトリウム
0.48gを秤量し、それをヘキサンを用いて3回洗浄
を行い、デカンテーションの後減圧下で乾燥した。ここ
にテトラヒドロフラン(以下THFと略称する)23m
lを加え、0℃に冷却した。ここに、4−ブロモ−4’
−ヒドロキシビフェニル1.99gのTHF4ml溶液
を加えた。ついで、ヨウ化メチル0.75mlのTHF
3ml溶液を加えて、16時間攪はんした。飽和食塩水
を加え反応を停止し、酢酸エチルを用いて抽出し、有機
層を水洗、乾燥した後、濃縮した。残分をエタノールを
用いて再結晶して、目的の4−ブロモ−4’−メトキシ
ビフェニル1.77gを得た。1 H−NMR(CDCl3) δ 3.85(s,3H) 6.96(d,J=8.9Hz,2H) 7.40〜7.55(m,6H) IR(CHCl3) 1610,1480,1305,1290,1000, 510 (cm-1
【0034】第2工程 4−メトキシ−4’−トリフルオロアセチルビフェニル
の製造 アルゴン雰囲気下に、4−ブロモ−4’−メトキシビフ
ェニル、1.0g、THF11.5ml、エーテル2m
lの混合物を、−78℃に冷却し、この温度で、n−ブ
チルリチウム(1.64N)2.56mlを滴下して、
15分間攪はんした。ついで、トリフルオロ酢酸エチル
0.5mlを滴下し、室温で放冷し、5時間攪はんした
後、2N塩酸を加えて反応を停止した。エーテルを用い
て抽出した有機層を中和、水洗し、乾燥した後、濃縮し
た。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い
て精製して、目的物である4−メトキシ−4’−トリフ
ルオロアセチルビフェニル923mgを得た。1 H−NMR(CDCl3) δ 3.88(s,3H) 7.01(d,J=8.9Hz,2H) 7.73(d,J=8.9Hz,2H) 8.13(d,J=8.9Hz,2H)19 F−NMR −72.5(s) IR(CHCl3) 1715,1600,1300, 1150,940 (cm-1
【0035】第3工程 光学活性1−(4’−メトキシ−4−ビフェニリル)−
2,2,2−トリフルオロエタノール(式(I)におい
て、X=OCH3、Y=CHである化合物) ドライ酵母1.8g、サッカロース2.2g、蒸留水1
8mlの混合物を一時間発酵させた溶液に対して、第2
工程に従って得られる4−メトキシ−4’−トリフルオ
ロアセチルビフェニル101mgおよびエタノール1.
8mlを添加した。2日後、反応混合物にセライトを加
えて反応を停止した。酢酸エチルを用いて抽出し、有機
層を水洗し、乾燥し、濃縮した。残分を精製し、目的物
である光学活性1−(4−メトキシ−4’−ビフェニ
ル)−2,2,2−トリフルオロエタノール27mgを
得た。1 H−NMR(CDCl3) δ 2.75(s,1H) 3.85(s,3H) 5.01(q,J=6.6Hz,1H) 6.97(d,J=8.9Hz,2H) 7.50〜7.60 (m,6H)19 F−NMR −80.0(d,J=6.8Hz) IR(CHCl3) 3580,3340,1610,1500,1460, 1360,1300,1130,1000, 590,550,530 (cm−1) [α]D −25.4(c 0.72,CHCl3)
【0036】実施例3 光学活性1−(4’−ヒドロキシ−4−ビフェニリル)
−2,2,2−トリフルオロエタノール(式(I)にお
いて、X=OH、Y=CHである化合物) 第1段階 4−ヒドロキシ−4’−トリフルオロアセチルビフェニ
ルの製造 実施例2の第2工程で得られた、4−メトキシ−4’−
トリフルオロアセチルビフェニル308.3mlの塩化
メチレン溶液を−78℃に冷却した。反応液に三臭化ホ
ウ素1.9mlを加えて、室温中で24時間攪はんし
た。飽和食塩水で反応を停止し、炭酸水素ナトリウムを
用いて中和した。酢酸エチルで抽出した有機層を乾燥、
濃縮した。残分をシリカゲル薄層クロマトグラフィーを
用いて精製して、4−ヒドロキシ−4’−トリフルオロ
アセチルビフェニル213mgを得た。1 H−NMR(CDCl3) δ 5.35(s,1H) 6.96(d,J=8.6Hz,2H) 7.55(d,J=8.9Hz,2H) 7.71(d,J=8.9Hz,2H) 8.12(d,J=7.9Hz,2H)19 F−NMR −72.8(s) IR(CHCl3) 3580,3300,1720,1600,1340, 1140,940,590,525 (cm-1
【0037】第2段階 1−(4’−ヒドロキシ−4−ビフェニリル)−2,
2,2−トリフルオロエタノールの製造 ドライ酵母1.5g、サッカロース1.8g、蒸留水1
5mlの混合物を1時間発酵させた溶液に対して、4−
ヒドロキシ−4’−トリフルオロアセチルビフェニル8
0.5mgおよびエタノール1.5mlを添加した。2
日後反応混合物に、ドライ酵母0.8g、サッカロース
0.9g、蒸留水8mlの混合物を1時間発酵させた溶
液を追加した。4日後、反応混合物にセライトを加えて
反応を停止させた。酢酸エチルを用いて抽出し、有機層
を水洗し、乾燥した後この溶液を濃縮した。残分を精製
し、目的物である光学活性1−(4−ヒドロキシ−4’
−ビフェニリル)−2,2,2−トリフルオロエタノー
ル22mgを得た。1 H−NMR(CDCl3) δ 2.64(s,1H) 4.95(q,J=6.6Hz,1H) 6.90(d,J=8.9Hz,2H) 7.46〜7.60(m,6H)19 F−NMR −79.0(d,J=6.6Hz) IR(CHCl3) 3650,3550,3400,1650,1620 1140,650,550,530,480 (cm-1) [α]D −14.4(c 0.24,CHCl3
【0038】実施例4 光学活性4−(4−(2,2,2−トリフロロ,1−ヒ
ドロキシエチル)フェニル)安息香酸メチル((I)式
において、X=COOCH3、Y=CHの化合物) アルゴン雰囲気下に、4,4’−ジブロモビフェニル、
748.8mg、THF7.5ml、エーテル1.3m
lの混合物を、−78℃に冷却した。同温度で、n−ブ
チルリチウム(1.52N)1.74mlをゆっくり滴
下して、15分間攪拌した。ついで、トリフロロ酢酸エ
チル 314.1μlを滴下し、30分間攪拌した。さ
らにn−ブチルリチウム(1.52N)1.74mlを
ゆっくり滴下して、15分間攪拌したのち、ドライアイ
ス316.8mgを加え自然昇温し、さらに5時間攪拌
した。2N塩酸を加えて反応を停止し、エーテルを用い
て抽出した。有機層を中和、水洗し、乾燥、濃縮した。
残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精
製して、目的物の4−(4−トリフロロアセチルフェニ
ル)安息香酸460mgを得た。1 H−NMR(CDCl3,CD3OD) δ 2.33(s,3H) 7.66〜7.84(m,4H) 8.12〜8.20(m,4H)19 F−NMR −73.0(s) IR(CHCl3) 3075,1680,1600,1420,1300, 1180,940,760,670,600, 560,520 (cm-1
【0039】第2工程 光学活性4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−
ヒドロキシエチル)フェニル)安息香酸の製造 ドライ酵母1.5g、サッカロース1.8g、蒸留水1
5mlの混合物を1時間発酵させた溶液に対して、4−
(4−トリフルオロアセチルフェニル)安息香酸88.
3mgおよびエタノール1.5mlを添加した。その後
反応混合物に、ドライ酵母0.8g、サッカロース0.
9g、蒸留水8mlの混合物を1時間発酵させた溶液を
2回追加した。5日後、反応混合物にセライトを加えて
反応を停止した。酢酸エチルを用いて抽出し、有機層を
水洗し、乾燥し、濃縮した。残分を精製し、目的物であ
る光学活性4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1
−ヒドロキシエチル)フェニル)安息香酸を得た。
【0040】第3工程 光学活性4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−
ヒドロキシエチル)フェニル)安息香酸メチルの製造 第2工程で得られた安息香酸誘導体を、ジアゾメタンを
用いてメチルエステル化して目的物である、光学活性4
−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ
エチル)フェニル)安息香酸メチル11.6mgを得
た。1 H−NMR(CDCl3) δ 2.69(s,1H) 3.95(s,3H) 5.09(q,J=6.6Hz,1H) 7.76〜7.69(m,6H) 8.12(d,J=8.3Hz,2H)19 F−NMR −80.0(d,J=6.8Hz) IR(CHCl3) 3580,3350,1710,1600 1280,1120 (cm-1) [α]D −16.3(c 0.18,CHCl3
【0041】実施例5 光学活性2−(4−メトキシフェニル)−5−(2,
2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミ
ジン(式(I)において、X=OCH3、Y=Nである化
合物) 第1段階 2−(4−メトキシフェニル)−5−(トリフルオロア
セチル)ピリミジンの製造 アルゴン雰囲気下に、2−(4−メトキシフェニル)−
5−ブロモピリミジン385mg、THF13.8m
l、エーテル2.4mlの混合物を、−78℃に冷却し
た。同温度で、n−ブチルリチウム(1.61N)1.
35mlをゆっくり滴下して、15分間攪拌した。つい
で、トリフルオロ酢酸エチル0.26mlを滴下し、室
温下で6時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止
し、エーテルを用いて抽出した。有機層を中和、水洗
し、乾燥後、濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーを用いて精製して、目的物の2−(4−メ
トキシフェニル)−5−(トリフルオロアセチル)ピリ
ミジン362mgを得た。1 H−NMR(CDCl3) δ 3.89(s,3H) 7.02(d,J=9.2Hz,2H) 8.53(d,J=9.0Hz,2H) 9.30(s,2H)19 F−NMR −73.0(s) IR(CHCl3) 1725,1615,1580,1450,1400, 1345,1310,1160,1100, 940,610 (cm-1
【0042】第2段階 光学活性2−(4−メトキシフェニル)−5−(2,
2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミ
ジンの製造 ドライ酵母1g、サッカロース1.2g、蒸留水10m
lの混合物を1時間発酵させた溶液に対して、2−(4
−メトキシフェニル)−5−(トリフルオロアセチル)
ピリミジン56.4mgおよびエタノール1.0mlを
添加した。反応混合物に、ドライ酵母0.5g、サッカ
ロース0.6g、蒸留水5mlの混合物を1時間発酵さ
せた溶液を3回追加した。10日後、反応混合物にセラ
イトを加えて反応を停止した。酢酸エチルを用いて抽出
し、有機層を水洗し、乾燥した後、濃縮した。残分を精
製し、目的物である光学活性2−(4−メトキシフェニ
ル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキ
シエチル)ピリミジン35mgを得た。1 H−NMR(CDCl3) δ 3.85(s,3H) 4.36(s,1H) 5.03(m,1H) 8.34(d,J=8.9Hz,2H) 8.79(s,2H)19 F−NMR −80.0(d,J=6.8Hz) IR(CHCl3) 3590,3300,1600,1550,1460, 1330,1300,1280, 1135,870,600,555 (cm-1) [α]D −28.0(c 0.7,CHCl3
【0043】実施例6 光学活性2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(2,
2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミ
ジン(式(I)において、X=OH、Y=Nである化合
物) 第1段階 2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(トリフルオロ
アセチル)ピリミジンの製造 実施例5の第1段階で得られた2−(4−メトキシフェ
ニル)−5−(トリフルオロアセチル)ピリミジン35
0mgの塩化メチレン20溶液を−78℃に冷却した。
この溶液に三臭化ホウ素2.11mlを加えて、室温中
で24時間攪拌した。飽和食塩水で反応を停止し、炭酸
水素ナトリウムを用いて中和した。酢酸エチルで抽出
し、有機層を乾燥、濃縮した。残分をシリカゲル薄層ク
ロマトグラフィーを用いて精製し、2−(4−ヒドロキ
シフェニル)−5−(トリフルオロアセチル)ピリミジ
ン213mgを得た。1 H−NMR(CDCl3) δ 5.60(s,1H) 6.97(d,J=8.6Hz,2H) 8.50(d,J=8.3Hz,2H) 9.32(s,2H)19 F−NMR −74.0(s) IR(CHCl3) 3100,1720,1580,1535,1440, 1400,13350,1290,1220,1160, 940,800,760 (cm-1
【0044】第2段階 光学活性2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(2,
2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミ
ジンの製造 ドライ酵母1.g、サッカロース1.2g、蒸留水10
mlの混合物を1時間発酵させた溶液に対して、2−
(4−ヒドロキシフェニル)−5−(トリフルオロアセ
チル)ピリミジン53.4mgおよびエタノール1ml
を添加した。2日後、反応混合物にセライトを加えて反
応を停止した。酢酸エチルを用いて抽出し、有機層を水
洗し、乾燥し、濃縮した。残分を精製し、目的物である
光学活性2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(2,
2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミ
ジン35mgを得た。1 H−NMR(CDCl3) δ 5.03(q,J=6.6Hz,1H) 6.93(d,J=8.6Hz,2H) 8.26(d,J=8.6Hz,2H) 8.81(s,2H)19 F−NMR −79.5(d,J=6.9Hz) [α]D −34.1 (c 0.33,MeOH)
【0045】実施例7 光学活性2−(4−クロルフェニル)−5−(2,2,
2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミジン
(式(I)において、X=Cl、Y=Nである化合物) 第1段階 2−(4−クロルフェニル)−5−(トリフルオロアセ
チル)ピリミジンの製造 アルゴン雰囲気下に、2−(4−クロルフェニル)−5
−ブロモピリミジン45mg、THF2ml、エーテル
0.35mlの混合物を、−78℃に冷却した。同温度
で、n−ブチルリチウム(1.61N)0.1mlをゆ
っくり滴下して、15分間攪拌した。次いで、トリフル
オロ酢酸エチル19.9μlを滴下し、20時間攪はん
した。2N塩酸を加えて反応を停止し、エーテルを用い
て抽出した。有機層を中和、水洗し、乾燥、濃縮した。
残分をシリカゲル薄層クロマトグラフィーを用いて精製
して、目的物の2−(4−クロルフェニル)−5−(ト
リフルオロアセチル)ピリミジン35.9mgを得た。1 H−NMR(CDCl3) δ 7.50(d,J=8.6Hz,2H) 8.52(d,J=8.9Hz,2H) 9.36(s,2H)19 F−NMR −73.0(s)
【0046】第2段階 光学活性2−(4−クロルフェニル)−5−(2,2,
2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリミジン
の製造 ドライ酵母0.2g、サッカロース0.25g、蒸留水
2mlの混合物を1時間発酵させた溶液に対して、2−
(4−クロルフェニル)−5−(トリフルオロアセチ
ル)ピリミジン12.0mgおよびエタノール0.2m
lを添加した。反応混合物に、ドライ酵母0.1g、サ
ッカロース0.13g、蒸留水1mlの混合物を1時間
発酵させた溶液を3回追加した。11日後、反応混合物
にセライトを加えて反応を停止した。酢酸エチルを用い
て抽出し、有機層を水洗し、乾燥し、濃縮した。残分を
精製し、目的物である光学活性2−(4−クロルフェニ
ル)−5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキ
シエチル)ピリミジン4.3mgを得た。1 H−NMR(CDCl3) δ 2.94(s,1H) 5.31(m,1H) 7.48(d,J=8.5Hz,2H) 8.43(d,J=8.5Hz,2H) 8.90(s,2H) IR(CHCl3) 3600,3300,1600,1550,1440, 1280,1140,1020,880 (cm-1) [α]D −14.0(c 0.086,CHCl3
【0047】実施例8(使用例) E.メルク社製のネマチック液晶(製品番号ZLI−1
132)をTN型のセルに注入して、これを偏光顕微鏡
で観察したところ、リバースツイストドメインが観察さ
れた。このネマチック液晶ZLI−1132に実施例1
で示される化合物である、光学活性の1−(4−ビフェ
ニリル)−2,2,2−トリフルオロエタノールを0.
1重量%添加した液晶組成物を用いて、同様のTN型液
晶セルを作成した。この液晶セルを偏光顕微鏡で観察し
たところ、リバースツイストドメインの発生はなく、均
一な液晶相が観察された。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下
の例における旋光度の測定はいずれも23℃において行
った。 実施例1 光学活性1−(4−ビフェニリル)−2,2,2−トリ
フルオロエタノール(式(I)において、X=H、Y=
CHである化合物) ドライ酵母3.05g、サッカロース3.66g、蒸留
水30.5mlの混合物を1時間発酵させた溶液に対し
て、4−トリフルオロアセチルビフェニル0.15gお
よびエタノール3mlを添加した。2日後この反応混合
物に、ドライ酵母1.5g、サッカロース1.8g、蒸
留水15mlの混合物を1時間発酵させた溶液を追加し
た。更に2日後、この反応混合物にセライトを加えて反
応を停止した。次に酢酸エチルを用いて抽出した有機層
を水洗し、乾燥し、濃縮した。溶媒を溜去した残分を精
製し、目的物である光学活性1−(4−ビフェニリル)
−2,2,2−トリフルオロエタノール0.11gを得
た。 H−NMR(CDCl) δ 2.66(s,1H) 5.08(q,J=6.6Hz,1H) 7.34〜7.65(m,9H)19 F−NMR −80.0(d,J=6.6Hz) IR (CHCl) 3600,3300,1610,1500,1360, 1300,1140,600 (cm−1) [α] −23.7(c 0.99,CHCl
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/76 Z 9546−4H C07D 239/26 // C09K 19/12 9279−4H 19/34 9279−4H C07M 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式(I)において、Xは炭素数1−18のアルキル基
    またはアルコキシ基、炭素数2−18のアルコキシカル
    ボニル基またはアルカノイルオキシ基、ハロゲン原子、
    ヒドロキシル基、カルボキシル基、または水素原子を示
    し、YはCHまたはNを示す)で表わされる光学活性化
    合物。
  2. 【請求項2】 式(I)において、YがCHである、請
    求項1に記載の光学活性化合物。
  3. 【請求項3】 式(I)において、YがNである、請求
    項1に記載の光学活性化合物。
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