JPH0881297A - 液体気密シールを用いた蒸気圧制御結晶育成装置 - Google Patents

液体気密シールを用いた蒸気圧制御結晶育成装置

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JPH0881297A
JPH0881297A JP21769894A JP21769894A JPH0881297A JP H0881297 A JPH0881297 A JP H0881297A JP 21769894 A JP21769894 A JP 21769894A JP 21769894 A JP21769894 A JP 21769894A JP H0881297 A JPH0881297 A JP H0881297A
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Junichi Nishizawa
潤一 西澤
Takashi Ehata
貴司 江幡
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Tohoku Tokushuko KK
Tohoku Steel Co Ltd
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Tohoku Tokushuko KK
Tohoku Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 成分元素の蒸気圧下で結晶を育成するための
装置であって、高温の育成室内に収容された種結晶4や
原料1を支持する支持軸2,5を回転上下動作自在に配
置し、この支持軸2,5の軸受12,16の気密を保持
する。このため、上部軸受12と下部軸受16及び育成
室部9の上下に上部加圧室部10と下部加圧室部11と
を育成容器8に配置し、上部軸受12としては、中心に
支持軸のまわる円形孔を有する仕切板13とこの仕切板
13の上部のシール液溜め14と、下部の育成室部9と
上部加圧室部10とを液体シールによって隔離するため
の隔壁15とを備え、下部軸受16としては、底部の中
心に支持軸のまわる円形孔を有するシール液溜め17を
備えている。 【効果】 原料や種結晶等の装入・装着、支持軸の中心
軸合わせ、清浄な真空中でのベーキングおよびその後の
育成室部の密封が容易にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液体気密シールを用
いた蒸気圧制御結晶育成装置に関するものである。さら
に詳しくは、この発明は、育成容器を清浄な真空中でベ
ーキングした後に育成室内を所望の圧力の成分元素の蒸
気雰囲気として、種結晶や原料等を回転上下動作させな
がら結晶を育成するための装置であって、育成容器の製
作費を安価にし、原料や種結晶等の装入・装着から使用
後の育成容器の補修までの作業工程を容易にして、操業
コストを安価なものとすることが可能な液体気密シール
を用いた蒸気圧制御結晶育成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と課題】従来から、GaAs等の化合物半
導体のように、蒸気圧の高い、または大きく異なる成分
からなる物質の結晶を育成する際には、成分元素の蒸発
による欠損が問題になっている。そこで、近年主流にな
っている液体封止チョクラルスキー(LEC)法では、
封止材の酸化ホウ素(B2 3 )によって坩堝内の融液
や育成結晶の一部を被覆し、その上から不活性ガスで加
圧して揮発性の高い成分の蒸発による損失を防いでい
る。
【0003】これに対し、融液や結晶に直接接触する封
止材による汚染を嫌い、揮発性成分の蒸気圧下で結晶育
成を行なうことによって、蒸発による損失を防ぐ種々の
方法が採用されてきている。さらに近年では、印加する
蒸気圧を制御することによって化学量論的組成からのず
れが制御され、結晶の諸特性が大きく改善されるという
知見が注目されるようになり、成分元素の蒸気圧下での
結晶育成技術の開発が盛んになっている。
【0004】このように、成分元素の蒸気圧を印加しな
がら結晶を育成する方法としては、GaAs等の育成の
ための水平ブリッジマン(HB)法やその類似の方法が
広く採用されているが、この方法では、原料やボートを
育成室たる石英アンプル中に封入するため、ボートをア
ンプルに対して移動することはしないとしても、CZ法
やFZ法等では育成室内で種結晶や原料あるいは坩堝を
回転上下動作させる仕組みがなければ極めて不便であ
る。このため、それらの支持軸を育成容器の外部から駆
動するための仕組みを必要としている。
【0005】しかしながら、工業的に重要な結晶の育成
においては、成分元素の所望の蒸気圧を印加するため
に、育成室は気密を保ちつつ全体を所定の高温下におい
て成分元素の凝集による圧力低下を防がなければならな
い場合が多い。その対策として従来から育成容器内に封
じた支持軸と容器外の駆動機構とを磁気的に結合して支
持軸を回転上下動作させる Gremmelmair法や、育成容器
内に支持軸を差し込む開口部と支持軸とを精密に摺り合
わせて気密を保ちつつ回転上下動作させる方法が知られ
ているが、これらの方法は、作業が複雑になることや育
成容器の精密加工・補修が面倒なこと等のために、工業
的利用には適さない。また、支持軸と一体の育成容器を
上下に分割して、下側の育成容器の外周部に設けた円筒
状のシールGa液溜めに上側の育成容器の下側を差し込
むことにより気密をとりつつ上下の支持軸をお互いに回
転上下動作させるGaシール法として知られる方法で
は、特にGa系の化合物半導体の結晶育成に用いると、
非常に清浄な雰囲気が得られる等の利点はあるものの、
工業的利用にはいまだ多くの課題が残されている。
【0006】そこで、原料や種結晶の装入・装着等の作
業が比較的簡易になる方法として、支持軸を育成室内に
差し込む部分にB2 3 やGa等のシール液で気密した
軸受を用いる方法が近年しばしば利用されるようになっ
てきた。図3は、この種の液体シール軸受を用いた従来
法の典型的な例としてのGaAsのCz成長装置の縦断
図を模式的に例示したものである。軸受(40)は、加
圧容器(48)にシール(34)を介して挿入された支
持軸(41)の回転上下動のガイドとなる円形孔を有
し、上部には液体シール液溜め(42)、下部には育成
容器(43)の開口部を閉じて気密する摺り合わせ部
(44)を有している。この装置において、坩堝(4
5)に原料(46)(Ga,As)を装入後、バルブ
(47)を介して加圧容器(48)内を真空排気しつつ
電気炉(23)及び高周波コイル(26)によって育成
容器(43)と、この容器中の収容物を加熱ベーキング
をした後、支持棒(49)を押し下げて、育成容器(4
3)を軸受(40)と摺り合わせ部(44)とを密着さ
せて気密とし、育成容器(43)内の最低温度部を所定
の温度とし、育成容器(43)内の砒素蒸気圧を所望の
値とする。この時、バルブ(47)を介して加圧容器
(48)内に砒素蒸気圧と均衡する圧力の不活性ガスを
導入して育成室外に漏れる砒素蒸気量をきわめて少なく
する。次に、支持軸(41)を降下してこの支持軸(4
1)の先端に保持チャック(6)により保持した種結晶
(4)の先端を、高周波コイル(26)によって溶融し
た坩堝(45)内の原料(46)溶融に浸漬して種付け
後、支持軸(41)を回転しながら引き上げて行く。こ
のようにしてGaAs単結晶(7)を育成する。育成容
器(43)を加圧容器(48)に対して固定し、育成容
器(43)の下部にも上部と同様の軸受を摺り合わせ
て、この軸受から差し込んだ支持軸に坩堝(45)を固
定すれば、坩堝(45)も同様に回転上下動作させるこ
とができる。
【0007】図4は、育成容器と一体のシール軸受を用
いたGaAsのCz成長装置の縦断面を模式的に例示し
たものである。この例では、育成容器は、上部育成容器
(50)と下部育成容器(51)の上下2つに分割され
ている。上部育成容器(50)は、シール液溜め(5
2)をもった軸受(53)と、砒素蒸気圧制御部(5
4)を有し、下部育成容器はシール液溜め(55)をも
った軸受(56)と、上部育成容器と摺り合わせて育成
容器を気密とするシール液溜め(57)を有している。
この装置では、原料(46)、種結晶(4)等を装入後
加圧容器(48)を閉め、バルブ(47)を介して真空
排気しながら電気炉(23)によって昇温ベーキング
後、上部育成容器(50)の支持棒(58)または下部
育成容器(51)の支持棒(59)によって、上下の育
成容器をシール液溜め(57)部で摺り合わせ、砒素蒸
気圧制御部(54)を昇温しながら、育成容器内の砒素
蒸気圧力と均衡する圧力の不活性ガスをバルブ(47)
を介して加圧容器(48)内に導入する。所望の砒素蒸
気圧になった後、単結晶育成を行なう。
【0008】しかしながら、たとえば以上の通り例示す
ることのできる液体シール軸受を用いた従来の結晶育成
装置では、図3および図4の構成からも明らかなよう
に、育成容器が摺り合わせ部の位置合わせや中心軸合わ
せの高精度加工を要するために、製作費が高くなり、補
修も面倒になるという問題がある。また、育成容器気密
時の中心軸合わせも注意を要する。そして、真空ベーキ
ングの際は、同じ雰囲気中にある電気炉等の炉材等によ
る汚染の恐れがある。さらには加圧容器を必要とするの
で装置が大型になりやすい等の問題点がある。
【0009】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであって、従来技術の欠点を解消し、育成容
器の高精度加工を必要とすることなく、その製作および
補修、支持軸や育成容器の位置合わせを容易とし、ま
た、清浄な真空中での育成容器のベーキングとその後の
育成室の密封までの操作、並びに原料装入等の作業をも
容易にすることによって、操業コストを安価なものとす
ることのできる、改善された液体気密シールを用いた蒸
気圧制御結晶育成装置を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、成分元素の蒸気圧下で結晶を育
成する結晶育成装置であって、高温の育成室内に収容さ
れた種結晶や原料を支持する支持軸を回転上下動作自在
に配置し、この支持軸の軸受部の気密を保持するための
上部軸受と下部軸受並びに育成室部の上下に加圧室部を
配置した育成容器を有し、上部軸受としては、中心に支
持軸のまわる円形孔を有する仕切盤とこの仕切盤の上部
のシール液溜めと、下部の育成室部と上部加圧室部とを
液体シールによって隔離するための隔壁とを備え、ま
た、下部軸受としては、底部の中心に支持軸のまわる円
形孔を有するシール液溜めを備え、かつ上下の軸受に取
り付けた駆動軸によって各々の軸受は上下方向に移動可
能とされ、育成容器は、育成室部と上部加圧室部との境
界部にも、中心に支持軸が通る孔を有し、かつこの孔の
周囲に上部軸受の隔壁が差し込まれるシール液溜めをも
つ隔壁を備え、また育成室部と下部圧室部との境界部
も、中心に支持軸が通る孔を有し、かつ下部軸受のシー
ル液溜めに差し込まれる隔壁を備えていることを特徴と
する蒸気圧制御結晶育成装置を提供する。
【0011】またさらに、この発明は、前記の上部軸受
および下部軸受のいずれかあるいは両方と該軸受に伴う
育成室部と加圧室部との境界部の隔壁を有する育成容器
とからなり、支持軸に種結晶、浮遊帯溶融(FZ)法用
原料棒、チョクラルスキー(CZ)法用坩堝、あるいは
垂直ブリッジマン法用坩堝を配設した蒸気圧制御育成装
置をも提供する。
【0012】
【作用】この発明においては、上記の通りの軸受部の気
密構造を結晶育成装置の構成に採用することにより、従
来技術のような欠点とは無縁なものとして、原料や種結
晶等の装入・装着、支持軸の中心軸合わせ、さらには清
浄な真空中でのベーキング処理およびその後の育成室の
密封を容易とする。
【0013】これにより育成容器の製作・補修のコスト
も低減可能とする。以下、実施例を示し、詳しくこの発
明について説明する。
【0014】
【実施例】以下、図面に従って、この発明について説明
する。図1は、この発明の実施例としての蒸気圧制御浮
遊帯溶融GaAs単結晶育成装置を模式的に例示したも
のである。原料棒(1)、この原料棒(1)を支持する
上部支持軸(2)、原料棒(1)の保持チャック(3)
が示されており、この保持チャック(3)により、原料
棒(1)が保持され、種結晶(4)はこれを支持する下
部支持軸(5)によって、保持チャック(6)を介して
支持されている。育成結晶(7)は、石英製育成容器
(8)内の育成室部(9)で育成される。この育成室部
(9)は、上部加圧室部(10)および下部加圧室(1
1)と一体になっている。上部軸受(12)としては、
中心に上部支持軸(2)のまわる円形孔を有する仕切板
(13)と、この仕切板(13)の上部はシール液溜め
(14)、並びに下部の育成室部(9)と上部加圧室部
(10)とを隔離するための隔壁(15)とを備えてい
る。下部軸受(16)としては、底部の中心に下部支持
軸(5)のまわる円形孔を有するシール液溜め(17)
を備えている。また、上部軸受(12)および下部軸受
(16)を支持して上下に移動するための駆動軸(1
8)(19)が配置されてもいる。育成容器(8)は、
育成室部(9)と上部加圧室部(10)との境界部に、
中心に原料棒(1)や上部支持軸(2)を育成室部内に
差し込むための孔を有し、かつこの孔の周囲に上部軸受
の隔壁(15)が差し込まれるシール液溜め(20)を
持つ隔壁(21)を有している。また、育成容器(8)
は、育成室部(9)と下部加圧室部(11)との境界部
に、中心に種結晶(4)や下部支持軸(5)を育成室部
内に差し込むための孔を有し、かつ下部軸受のシール液
溜め(17)に差し込んで育成室部と下部加圧室とを隔
離するための隔壁(22)を有している。シール材とし
ては、ここではB2 3 を用いているが、Gaやその他
適当な物質の液体を用いてもよい。さらに、この例で
は、電気炉(23)とともに、As蒸気圧制御用電気炉
(24)、育成容器のAs蒸気圧制御部(25)、高周
波コイル(26)、溶融ゾーン(27)、育成容器
(8)の上部加圧室(10)側および下部加圧室(1
1)側の開口端を密閉する金属製容器(28)(2
9)、この上下の金属製容器(28)(29)を密閉す
るフランジ(30)(31)、育成容器(8)と上下の
金属製容器(28)(29)との連結シール(32)
(33)を有している。そして、上部支持軸(2)及び
下部支持軸(5)のシール(34)(35)を通して上
下の支持軸(2)(5)は回転上下動作駆動機構に連結
される。また、上部軸受駆動軸(18)および下部軸受
駆動軸(19)のシール(36)(37)を通して駆動
軸(18)(19)は上下動作駆動機構に連結される。
真空ポンプおよび不活性ガスボンベにつながる配管の開
閉バルブ(38)(39)を備えてもいる。 このよう
な構造の液体気密シールを用いた蒸気圧制御浮遊帯溶融
GaAs単結晶成長装置において、先ずフランジ(3
0)(31)を上下方向に移動して金属容器(28)
(29)を解放すれば、As蒸気圧制御部用金属Asや
2 3 、原料棒(1)、種結晶(4)等を所定の位置
に容易に装入・装着できる。そして、再びフランジ(3
0)(31)を閉じた後に、バルブ(38)、(39)
を介して真空排気しながら、電気炉(23)及びAs蒸
気圧制御用電気炉(24)を適当な温度まで昇温してベ
ーキングを行う。この間にB2 3 は溶融する。この
時、育成容器(8)内にはベーキングしたい物のみ収容
されているので清浄な真空中でのベーキングを行うこと
ができる。
【0015】次に駆動軸(18)(19)を動かして、
上部軸受(12)をシール液(20)中に差込み、シー
ル液(17)に育成室部と下部加圧室部との隔壁(2
2)を差し込むことにより、育成室部(9)と上下加圧
室部(10)(11)とは気密分離される。この時上下
軸受(12)(16)と育成容器(8)との間には摺り
合わせる部分がないので育成室部(9)と上下加圧室部
(10)(11)との隔壁(21)(22)は精密加工
しておく必要がない。また、上部支持軸(2)と下部支
持軸(5)との回転中心軸合わせに際しては、上下軸受
(12)(16)と育成容器(8)との摺り合わせ部が
ないために、上下軸受(12)(16)をx−y−z方
向にある程度ずらしても差し支えないので、各々の支持
軸(2)(5)の直線度の精度がよければ、たとえば育
成容器(8)と金属製シール容器との連結部分をフレキ
シブルにしておけば高精度に加工する必要はない。さら
に、育成容器(8)全体の直線度や同心度も、ガラス旋
盤のチャックに噛ませて出せる程度の精度の仕上げで
も、使用上なんら差し支えない。この育成容器(8)で
比較的高精度の加工が要求される部分は、連結シール部
(32)(33)に使用するOリング等に接触する部分
の径合わせのみであるが、この部分が損傷することは希
なことである。したがって、この育成容器(8)は製作
及び補修において高精度加工を行うことがほとんどない
ので、製作・補修コストを非常に安くすることができ
る。
【0016】育成室部(9)と上下加圧室部(10)
(11)とが気密分離されたら、As蒸気圧制御用電気
炉(24)をさらに昇温して行くと育成室部(9)内の
As蒸気圧が上昇してゆくが、同時にバルブ(38)
(39)を通して窒素等の不活性ガスを上下加圧室部
(10)(11)に導入することによってシール液溜め
(14)(17)(20)を通してAs蒸気が加圧室部
(10)(11)側に漏れないようにしながら、As蒸
気圧が所望の圧力に到達したら不活性ガスの圧力も固定
し、高周波コイル(26)により原料棒(1)の先端を
溶融して種結晶(4)と溶かし合わせて種付けを行い、
外部の駆動機構によって、上下支持軸(2)(5)を回
転上下動作させながら単結晶育成をおこなう。
【0017】単結晶育成終了後、適当な温度まで電気炉
の温度を下げて、上下軸受(12)(16)を移動して
育成室部(9)を上下加圧室部(10)(11)に対し
て解放し、さらに常温まで降温する。シール液としてB
2 3 を使用した場合は、メチルアルコール等で煮沸し
てやると育成容器(8)や上下軸受(12)(16)、
支持軸(2)(5)等に付着したB2 3 を除去するこ
とができ、Gaをシール液として使用した場合も酸類で
洗浄すれば除去でき、これらは繰り返し使用することが
できる。石英製育成容器(8)が破損した場合は、前記
のように容易に補修できる。なお、育成容器(8)の材
質として、石英以外のたとえばセラミック等を使用して
もよく、その場合も製作時に高精度加工を要しないの
で、安価に製作することができる。
【0018】また、育成容器(8)のシール液溜め(2
0)部が破損して、砒素蒸気が育成容器(8)外に漏れ
出す危険性を小さくするために、図2のごとく加圧室部
分の石英壁にシール液が直接接触しないようにすること
もできる。さらにまた、万が一、育成容器のいずれかの
部分の破損により、砒素蒸気が漏れた場合の危険を回避
するために、上下の金属製容器(28)(29)間を排
気装置付きの容器で囲んでもよいが、この場合は高価に
なる圧力容器は不用で簡単な箱程度でよい。印加蒸気圧
がかなり高くなる物質の結晶育成の場合には、これを高
圧容器にすればよい。また、支持軸に坩堝を取り付けれ
ば、CZ法や垂直ブリッジマン法等に応用することもで
きる。さらに、GaAs等の化合物半導体のみならず、
他の化合物結晶の育成にも応用できる。
【0019】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、原料や種結晶等の装入・装着、支持軸の中心軸合
わせが容易となり、清浄な真空中でのベーキングおよび
その後の育成室部の密封が容易であって、さらに育成容
器、特に石英製の育成容器の製作・補修コストを安くす
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例としての蒸気圧制御浮遊帯溶
融GaAs単結晶育成装置の模式断面図である。
【図2】育成容器のシール液溜め部分を変更した一例の
縦断面図である。
【図3】従来法として液体シール軸受を用いた結晶育成
装置の典型的な構造を示す一例としてのGaAsCz単
結晶育成装置の模式図である。
【図4】従来法として育成容器の一部に液体シール軸受
けを設けた結晶育成装置の一例としてのGaAsCz単
結晶育成装置の模式図である。
【符号の説明】
1 原料棒 2 上部支持軸 3 原料棒保持チャック 4 種結晶 5 下部支持軸 6 種結晶保持チャック 7 育成単結晶 8 石英製育成容器 9 育成室部 10 上部加圧室部 11 下部加圧室部 12 上部軸受 13 仕切板 14 シール液溜め 15 隔壁 16 下部軸受 17 シール液溜め 18 上部軸受駆動軸 19 下部軸受駆動軸 20 シール液溜め 21 隔壁 22 隔壁 23 電気炉 24 As蒸気圧制御用電気炉 25 As蒸気圧制御部 26 高周波コイル 27 溶融ゾーン 28 金属製容器 29 金属製容器 30 フランジ 31 フランジ 32 連結シール 33 連結シール 34 シール 35 シール 36 シール 37 シール 38 バルブ 39 バルブ 40 軸受 41 支持軸 42 シール液溜め 43 育成容器 44 摺り合わせ部 45 坩堝 46 原料(Ga,As) 47 バルブ 48 加圧容器 49 支持棒 50 上部育成容器 51 下部育成容器 52 シール液溜め 53 軸受部 54 As蒸気圧制御部 55 シール液溜め 56 軸受部 57 シール液溜め 58 支持棒 59 支持棒 60 シール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分元素の蒸気圧下で結晶を育成する結
    晶育成装置であって、高温の育成室内に収容された種結
    晶や原料を支持する支持軸を回転上下動作自在に配置
    し、この支持軸の軸受部の気密を保持するための上部軸
    受と下部軸受並びに育成室部の上下に加圧室部を配置し
    た育成容器を有し、上部軸受としては、中心に支持軸の
    まわる円形孔を有する仕切盤とこの仕切盤の上部のシー
    ル液溜めと、下部の育成室部と上部加圧室部とを液体シ
    ールによって隔離するための隔壁とを備え、また、下部
    軸受としては、底部の中心に支持軸のまわる円形孔を有
    するシール液溜めを備え、かつ上下の軸受に取り付けた
    駆動軸によって各々の軸受は上下方向に移動可能とさ
    れ、育成容器は、育成室部と上部加圧室部との境界部
    に、中心に支持軸が通る孔を有し、かつこの孔の周囲に
    上部軸受の隔壁が差し込まれるシール液溜めをもつ隔壁
    を備え、また育成室部と下部加圧室部との境界部にも、
    中心に支持軸が通る孔を有し、かつ下部軸受のシール液
    溜めに差し込まれる隔壁を備えていることを特徴とする
    蒸気圧制御結晶育成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の上部軸受および下部軸
    受のいずれかあるいは両方と、この軸受に伴う育成室部
    と加圧室部との境界部の隔壁を有する育成容器とからな
    り、支持軸に種結晶、浮遊帯溶融(FZ)法用原料棒、
    チョクラルスキー(CZ)法用坩堝、あるいは垂直ブリ
    ッジマン法用坩堝を配設した蒸気圧制御結晶育成装置。
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