JPH0880686A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

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JPH0880686A
JPH0880686A JP21728994A JP21728994A JPH0880686A JP H0880686 A JPH0880686 A JP H0880686A JP 21728994 A JP21728994 A JP 21728994A JP 21728994 A JP21728994 A JP 21728994A JP H0880686 A JPH0880686 A JP H0880686A
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JP
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treatment
resin
aluminum plate
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photosensitive
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JP21728994A
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Hiroshi Tomiyasu
寛 富安
Takeshi Miyazaki
毅 宮崎
Shigeru Kajiwara
茂 梶原
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルミニウム板に砂目立てし、両面に陽極酸
化処理をした後、アンモニウム塩化合物処理及び親水性
樹脂による処理を行い、しかる後にキノンジアジド化合
物と水酸基含有樹脂との縮合体を含有する感光層を設け
たことを特徴とする感光性平版印刷版。 【効果】 本発明の感光性平版印刷版は、現像性に優
れ、かつ非画像部の保水性が良好となると共に現像液に
よる裏面の浸食を抑制し、印刷時の汚れ防止に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルカリ現像液による裏
面の浸食を抑制し、感光層と支持体との接着性に優れか
つ印刷時に汚れない感光性平版印刷版に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポジ型感光性平版印刷版(以
下ポジ型PS版と記す)に用いられる支持体としては、
印刷適性の面から親水性、保水性、感光層との接着性等
に優れたものが要求され、この様な観点から通常アルミ
ニウム板等が用いられている。そして、このポジ型PS
版の現像処理には、ケイ酸塩を含有するアルカリ水溶液
が使用されており、バインダー樹脂の性質から現像液の
pHは通常12.5以上となっている。
【0003】しかしながら、現像液のpHが高いため支
持体のアルミニウムが浸食されるという欠点があり、そ
のため、長時間にわたり多数枚処理した時に現像液に沈
澱が発生し易いという欠点があった。上記の問題点を解
決するために、特開平6−27646号公報ではpH
8.0〜11.0に調節された亜硝酸水溶液で支持体を処
理する方法、特開平5−131773号公報では感光層
を塗布しない側(裏面)の陽極酸化皮膜の封孔率を80
%以上にする方法、特開平5−278362号公報では
支持体をアルカリ金属珪酸塩水溶液で処理し更にpH1
〜6の酸性水溶液で処理する方法等が提案されている。
【0004】しかし亜硝酸水溶液で処理する方法では汚
れが発生する場合があり、封孔率を80%以上にする方
法はコスト的な面から不利であり、アルカリ金属珪酸塩
水溶液で処理し更にpH1〜6の酸性水溶液で処理する
方法では感光層との密着力が悪化するという欠点があ
る。また、印刷時の印刷物や印刷版の汚れを改善するた
めの手段として、特公平1−18413号公報には、化
工澱粉およびアラビアガム等と金属塩からなる親水性下
塗り層を設ける方法、特開昭60−149491号公報
には、NH2基、COOH基、SO3H基及びその塩の基
からなる少なくとも1個の基を有する化合物からなる親
水層を設ける方法、特開昭64−14090号公報に
は、陽極酸化皮膜上にフタル酸水素カリウムや酢酸ナト
リウム等のカルボン酸からなる親水層を設ける方法、特
開平2−158738号公報には、硝酸及び硝酸塩のう
ちのいずれか一方または双方を含む水溶液で処理する方
法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
では、印刷時の汚れ性はある程度改善されるが十分では
なく、また、アルカリ現像液に対する裏面の浸食を抑制
することは困難であった。従って、本発明はアルカリ現
像液に対する裏面の浸食を抑制し、かつ感光層と支持体
との接着性に優れ、更に印刷時に汚れない感光性平版印
刷版を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、砂目立て
されたアルミニウム板の両面に陽極酸化処理し、ついで
アンモニウム塩化合物による処理をし、さらに親水性樹
脂による処理を行い、しかる後にキノンジアジド化合物
と水酸基含有樹脂との縮合体を含有する感光層を設けた
ことを特徴とする感光性平版印刷版によって容易に達成
される。
【0007】以下に本発明を更に詳細に説明する。本発
明において用いられるアルミニウム板としては、純アル
ミニウム及びアルミニウム合金板が使用できる。アルミ
ニウム合金板としてはその組成が特に限定されるもので
はなく、従来公知公用の素材を適宜利用することが出来
る。合金としては、例えば珪素、銅、マンガン、マグネ
シウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの
金属とアルミニウムの合金等が挙げられる。好ましく
は、JIS A−1050材(Fe:0.5重量%以下、
Si:0.5重量%以下、その他:0.5重量%以下、ア
ルミニウム99.5重量%以上)が用いられる。
【0008】本発明に用いられるアルミニウム板は、陽
極酸化処理に先立ち、前処理を施されることが一般的で
ある。この前処理としては、この技術分野において通常
採用されている脱脂処理などがあげられる。脱脂処理
は、主に表面の圧延油の除去と表面の洗浄等のために行
われる。その方法は例えばトリクレン等の溶剤や界面活
性剤、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ
・エッチング剤を用いた脱脂方法等があげられる。
【0009】また、アルカリ・エッチング剤で脱脂処理
した場合にはスマットが発生するので、これを硝酸、硫
酸等に浸漬処理することが好ましい。必要に応じて適宜
前処理を施されたアルミニウム板には、次いで砂目立て
処理が施される。砂目立て処理は、表面を均一緻密に粗
面化するもので、粗面化方法としてはロール状金属ワイ
ヤーやナイロンブラシを回転させて行うワイヤーグレイ
ンやブラシグレイン、研磨材を表面に衝突させて行うブ
ラストグレイン等の機械的粗面化方法、電解グレインと
称される電気化学的粗面化方法、さらにはこれらの粗面
化方法を組み合わせた方法及び中間に比較的強い化学的
粗面化を組合せ方法などが挙げられる。好ましくは、電
気化学的粗面化方法であり、更に好ましくは硝酸含有電
解液による方法である。粗面化の程度としては、Raが
0.3〜0.8μmの範囲が好ましく、更に好ましくは
0.4〜0.7μmの範囲である。
【0010】砂目立て処理して得られた支持体の表面に
はスマットが生成しているので、このスマットを除去す
るために適宜水洗あるいはアルカリまたは酸等の処理を
行うことが好ましい。このような処理としては、例えば
特公昭48−28123号公報に記載されているアルカ
リエッチング法や特開昭53−12739号公報に記載
されている硫酸デスマット法等の処理方法が挙げられ
る。
【0011】上記のような脱脂処理、砂目立て処理の後
に本発明の場合には陽極極酸化処理が両面に施される。
本発明の場合には、更に表裏の陽極酸化層の厚さをコン
トロールすることが好ましい。感光層を塗布する面の陽
極酸化層の厚みは 耐摩耗性、保水性の点で15mg/
dm2以上が好ましく、更に好ましくは20mg/dm 2
以上であり、かつ画像再現性や経済性の点で30mg/d
m2以下が好ましい。また、裏面の陽極酸化皮膜の厚さ
は、現像液による浸食を防止するために1mg/dm2
以上が好ましく、更に好ましくは3mg/dm2以上で
あり、かつ経済性の点から10mg/dm2以下が好ま
しい。
【0012】陽極酸化処理を行った支持体は、次にアン
モニウム塩化合物で処理される。本発明で用いられる好
ましいアンモニウム塩化合物は、以下の構造式を有する
化合物である。
【0013】
【化1】R1COOX1 …[I] (式中、R1は炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素
基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基または水素原
子を表わし、R2は炭素原子数1〜10の2価の脂肪族炭
化水素基、脂環式炭化水素基または芳香族基を表わし、
1はアンモニウムイオンを表わし、X2はアンモニウム
イオン又はアルカリ金属イオンを表わす。) これらの化合物のうち特に好ましい化合物は、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、フタル酸などのアンモニウム塩または
ジアンモニウム塩である。もっとも好ましい化合物は酢
酸アンモニウム塩である。
【0014】上記アンモニウム塩は、適当な溶剤、例え
ば水、メタノールなどのアルコールに溶解して水性液と
し、0.001〜10重量%の、より好ましくは0.1〜
1重量%の濃度で処理に用いられる。このとき、処理液
のpHは6〜11が好ましく、7〜10がより好まし
い。また、処理液の温度は70℃以上が好ましく、80
〜90℃がより好ましい。処理時間は、2〜60秒が好
ましく、5〜30秒がより好ましい。
【0015】処理方法としては、浸漬処理、回転塗布、
シャワー処理等のいずれの方法を用いてもよいが、浸漬
処理又は回転塗布が特に好ましい。アンモニウム塩化合
物で処理された支持体は、次に親水性樹脂による処理が
施される。親水性樹脂としては、酸化デンプン、デキス
トリンおよびカルボキシメチルセルロース(以下、CM
Cと略す。)よりなる群から選ばれた少なくとも一つが
好ましい。好ましい酸化デンプンとしては次亜塩素酸酸
化デンプン、ジアルデヒドデンプン等が挙げられる。好
ましい酸化デンプンは例えば日澱化学製ぺトロコート、
松谷化学製スタビローズS−10である。また好ましい
デキストリンとしては焙焼デキストリン、酵素変性デキ
ストリン等が挙げられる。特に好ましいものは例えば松
谷化学製白色デキストリン#1、同社製フードテック
ス、日澱化学製アミコール7Hである。また好ましいC
MCはダイセル化学製CMCダイセル<1150>、C
MCダイセル<1170>、CMCダイセル<1220
>等である。上記の親水性樹脂は、単独又は2つ以上を
組み合わせて使用される。
【0016】本発明における親水性樹脂による処理は、
水または水に適宜アルコールやケトンのような有機溶媒
及びサポニンのような湿潤剤を添加した水性液が処理溶
媒として用いられるが、とりわけ、上記親水性樹脂を1
重量%以下、好ましくは0.001〜0.1重量%含む水
溶液を用いることが好ましい。このような水性液を好ま
しくはpH9以下、より好ましくはpH6〜9、温度は
30℃以上、より好ましくは30〜90℃の条件で前記
アンモニウム塩処理と同様に使用する。処理時間は、2
〜60秒が好ましく、5〜30秒がより好ましい。乾燥
塗布重量は、0.01〜1mg/dm2が好ましい。
【0017】前述のようにアンモニウム塩処理された陽
極酸化皮膜の封孔率は好ましくは5〜20%程度であ
る。本発明の感光性平版印刷版は、前述のようにして得
られた支持体に感光層を設けたものである。本発明の感
光層は、キノンジアジド化合物と水酸基含有樹脂との縮
合体を含有する。
【0018】前記水酸基含有樹脂の具体的な例として
は、レゾルシン・ベンズアルデヒド樹脂、ピロガロール
・アセトン樹脂等が挙げられる。特に好ましくはピロガ
ロール・アセトン樹脂等が挙げられる。樹脂の重量平均
分子量(以下、「Mw」と略す)は好ましくは5.0×
102〜5.0×103の範囲であり、さらに好ましくは
8.0×102〜3.0×103の範囲である。
【0019】本発明に用いられる樹脂は、上記化合物を
各々単独で用いてもよいし、2種以上組合せて用いても
よい。キノンジアジド化合物のフェノール類のOH基に
対するキノンジアジドスルホン酸の縮合率(OH基1個
に対する反応率)は、15〜80%が好ましく、より好
ましくは20〜45%である。
【0020】本発明に用いられるキノンジアジド化合物
と水酸基含有樹脂との縮合体の感光性組成物中に占める
割合は、5〜60重量%が好ましく、特に好ましくは、
10〜50重量%である。本発明における感光性組成物
においては、塗布性、耐刷性の面からアルカリ可溶性樹
脂を併用することが好ましい。
【0021】アルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック
樹脂、フェノール性水酸基を有するビニル系重合体、特
開昭55−57841号公報に記載されている多価フェ
ノールとアルデヒド又はケトンとの縮合樹脂等が挙げら
れる。本発明に使用される好適なノボラック樹脂として
は、例えばフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾ
ール・ホルムアルデヒド樹脂、特開昭55−57841
号公報に記載されているようなフェノール・クレゾール
・ホルムアルデヒド共重縮合体樹脂、特開昭55−12
7553号公報に記載されているようなp−置換フェノ
ールとフェノールもしくは、クレゾールとホルムアルデ
ヒドとの共重縮合体樹脂等が挙げられる。
【0022】前記ノボラック樹脂の分子量(ポリスチレ
ン標準)は、好ましくは数平均分子量(以下、「Mn」
と略す)が3.0×102〜7.5×102、Mwが1.0
×103〜3.0×103であり、より好ましくはMnが
5.0×102〜4.0×103、Mwが3.0×103
2.0×104である。上記ノボラック樹脂は単独で用い
てもよいし、2種以上組合せて用いてもよい。
【0023】またノボラック樹脂の本発明の感光性組成
物中に占める割合は5〜95重量%である。更に本発明
の感光性組成物には、露光により可視画像を形成させる
変色剤を添加することができる。変色剤は、露光により
酸もしくは遊離基を生成する化合物と、これと相互作用
を有することによってその色調を変える有機染料よりな
るものである。露光により酸もしくは遊離基を生成する
化合物としては、例えば特開昭50−36209号公報
に記載のo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハ
ロゲニド、特開昭53−36223号公報に記載のトリ
ハロメチル−2−ピロンやトリハロメチル−トリアジ
ン、特開昭55−6244号公報に記載されているo−
ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライドと電
子吸引性置換基を有するフェノール類、又はアニリン酸
とのエステル化合物又はアミド化合物、特開昭55−7
7742号、特開昭59−148784号に記載のハロ
メチルビニルオキサジアゾール化合物及びジアゾニウム
塩等が挙げられる。
【0024】また有機染料としては、ビクトリアピュア
ブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製)、オイルブルー
#603(オリエント化学工業(株)製)、スーダンブ
ルーII(BASF製)、クリスタルバイオレット、マラ
カイトグリーン、フクシン、メチルバイオレット、メチ
ルオレンジ、ブリリアントグリーン、コンゴーレッド、
エオシン、ローダミン6G等を挙げることができる。ま
た感光性組成物には上記の素材の他、必要に応じて可塑
剤、界面活性剤、有機酸、酸無水物などを添加すること
ができる。
【0025】更に本発明の感光性平版印刷版には、感光
性組成物の感脂性を向上させるために、例えばp−te
rt−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂やp−n
−オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂や、これら
がo−キノンジアジド化合物で部分的にエステル化され
た樹脂などを添加することもできる。これらの各成分を
下記の溶媒に溶解させ、上記の処理を施された支持体表
面に塗布乾燥させることにより、感光性層を設け、本発
明の感光性平版印刷版を製造することができる。
【0026】上記各成分を溶解する際に使用しうる溶媒
としては、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテ
ート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテー
ト、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエ
チルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチルグリコールモノイソプロピルエーテル、プ
ロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールメチルエチルエーテル、、ギ酸エチ
ル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオ
ン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エ
チル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコ
ール、アセチルアセトン、γ−ブチロラクトンなどが挙
げられる。これら溶媒は、単独あるいは2種以上混合し
て使用することができる。
【0027】本発明に用いられる感光性組成物を支持体
表面に塗布する際に用いる塗布方法としては、従来公知
の方法、例えば回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ
塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、
及びカーテン塗布等の使用が可能である。この際塗布量
は用途により異なるが、例えば乾燥膜厚として0.05
〜5.0g/m2が好ましい。
【0028】こうして得られた感光性平版印刷版の使用
に際しては、従来から常用されている方法が適用され
る。例えば線画像、網点画像などを有する透明原画を感
光面に密着して露光し、ついでこれを適当な現像液を用
いて非画像部の感光性層を除去することによりレリーフ
像が得られる。露光に適当な光源としては、水銀灯、メ
タルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルラン
プ、カーボンアーク灯などが使用される。
【0029】現像に使用される現像液としては、アルカ
リ水溶液が好ましく、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第三リン酸ナ
トリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウムなどの水溶液が、より好ましく用いられる。
この時のアルカリ水溶液の濃度は、感光性組成物及びア
ルカリの種類によって異なるが、概して0.1〜10重
量%の範囲が適当であり、また該アルカリ水溶液には必
要に応じて界面活性剤やアルコールのような有機溶媒を
加えることもできる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、かか
る実施例に限定されるものではない。尚、%は断りのな
い限り、重量%を示す。 支持体Aの作製 厚さ0.3mmのアルミニウム板(JIS−A1050
材、調質H16)を3%水酸化ナトリウム水溶液中で6
5℃で7秒間脱脂処理を行った後、水洗し、31%硫酸
水溶液中に25℃、15秒間浸漬し中和した後水洗し
た。このアルミニウム板を2%硝酸水溶液中、25℃で
電流密度80A/dm2で11秒間電解粗面化を行った
後、1%水酸化ナトリウム水溶液中で50℃、3秒間デ
スマット処理を行った。以下電解粗面化を行った面を表
側、その反対面を裏側とする。その後、31%硫酸溶液
中で温度30℃、電流密度10A/dm2で、表側の処
理時間15秒、裏側の処理時間3秒の条件で陽極酸化処
理を行った。得られた陽極酸化皮膜は、電解粗面化処理
面が25mg/dm2、裏面側が5mg/dm2であっ
た。
【0031】上記処理を行った板を0.1%の酢酸アン
モニウム水溶液中において90℃で1分間浸漬し、次い
でpH8.5の90℃、0.005%のCMCダイセル<
1220>(ダイセル化学製)水溶液中に1分間浸漬し
た後、80℃で5分間乾燥して、支持体Aを得た。封孔
率は10%であった。 支持体B、Cの作製 支持体Aの作製において、CMCダイセル<1220>
水溶液の替わりに、それぞれスタビローズS−10(松
谷化学(株)製)および白色デキストリン#1(松谷化
学(株)製)を用いた以外は支持体Aの作製と同様にし
て、支持体BおよびCを作製した。
【0032】支持体Dの作製(比較) 支持体Aの作製において、裏面の陽極酸化処理を行わな
かった以外は支持体Aの作製と同様にして支持体Dを作
製した。 支持体Eの作製(比較) 支持体Aの作製において、0.1%酢酸アンモニウム水
溶液の替わりに0.1%酢酸ソーダ水溶液を用いた以外
は支持体Aの作製と同様にして支持体Eを作製した。
【0033】支持体Fの作製(比較) 支持体Aの作製において、0.1%酢酸アンモニウム水
溶液の替わりに熱水を用いた以外は支持体Aの作製と同
様にして支持体Eを作製した。 支持体Gの作製(比較) 支持体Aの作製において、0.1%酢酸アンモニウム水
溶液の替わりに1%亜硝酸ナトリウム水溶液を用いた以
外は支持体Aの作製と同様にして支持体Gを作製した。
【0034】前記のように作製した支持体A〜Gの表側
にそれぞれ下記組成の感光性組成物をワイヤーバーを用
いて塗布し、80℃で2分間乾燥し感光性平版印刷版A
〜Gを作製した。塗布膜厚は2.2g/m2であった。
【0035】
【表1】 [感光性組成物塗布液の組成] ノボラック型フェノールホルムアルデヒド樹脂 6.7g (Mw:4000) o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロ 1.5g リドとピロガロールアセトン樹脂(分子量3000) とのエステル(縮合率30%) ポリエチレングリコール#2000(分子量2000) 0.1g (三洋化成工業製) ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学製) 0.08g 2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(p-メトキシス 0.10g チリル)-s-トリアジン フッ素系界面活性剤FC−430(住友3M社製) 0.03g メチルセロソルブ 100ml 得られた感光性平版印刷版試料A〜Gのそれぞれを4k
Wメタルハライドランプで8mW/cm2で60秒間露
光し、SD−32現像液(6倍希釈、コニカ(株)製)
で25℃、30秒間現像した。裏面の浸食、汚れ、耐刷
力を評価した結果を表−1に示す。
【0036】
【表2】 表−1中、裏面の浸食、汚れおよび耐刷性はそれぞれ下
記のように評価した。
【0037】[裏面の浸食]裏面の水酸化アルミニウム
の粉拭き状態を目視にて評価した。 評価:○・・・全く見られない。 △・・・少し白く浮きでている。 ×・・・強く白く浮きでている。 [汚れ]1,000枚印刷した後、印刷機(三菱重工社
製”DAIYA 1E−2”)を30分間止め、再始動
の際に生じた印刷物上の汚れの状態を目視にて評価し
た。 評価:○・・全く見られない。 △・・スポット状の汚れが数個見られる。 ×・・スポット状の汚れが多数見られる。 [耐刷性]印刷機(ローランド社製”パルバRP−
1”)を用いて、印刷枚数を計測した。
【0038】
【発明の効果】本発明の感光性平版印刷版は、現像性に
優れ、かつ非画像部の保水性が良好となると共に現像液
による裏面の浸食を抑制し、印刷時の汚れ防止に優れ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板に砂目立てし、両面に陽
    極酸化処理をした後、アンモニウム塩化合物処理及び親
    水性樹脂による処理を行い、しかる後にキノンジアジド
    化合物と水酸基含有樹脂との縮合体を含有する感光層を
    設けたことを特徴とする感光性平版印刷版。
  2. 【請求項2】 親水性樹脂が酸化デンプン、デキストリ
    ンおよびカルボシキルメチルセルロースからなる群から
    選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    1記載の感光性平版印刷版。
  3. 【請求項3】 陽極酸化皮膜の量が感光層側が15〜3
    0mg/dm2、裏面が1〜10mg/dm2であること
    を特徴とする請求項1または2記載の感光性平版印刷
    版。
JP21728994A 1994-09-12 1994-09-12 感光性平版印刷版 Pending JPH0880686A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1566283A1 (en) * 2004-02-18 2005-08-24 Fuji Photo Film Co., Ltd. Light-sensitive lithographic printing plate precursor

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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