JPH0880142A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、魚釣用スピニングリールに関し、
釣糸の巻取り操作及びベールの反転操作の円滑化を図
り、併せて釣糸の糸絡みを防止した魚釣用スピニングリ
ールを提供することを目的とする。 【構成】 請求項１に係る発明は、リール本体に回転可
能に装着されたロータのロータ支持腕の先端に、支持部
と当該支持部の先端に一体成形されたベール取付部とか
らなるベール支持部材を、釣糸巻取状態と釣糸放出状態
とに反転自在に装着し、上記支持部とベール取付部との
間にラインローラを介装した魚釣用スピニングリールに
於て、上記ラインローラを、ベール支持部材への介装状
態に於けるその中心軸の軸方向と直交する方向から、支
持部とベール取付部との間に着脱可能に抜け止め支持し
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、釣糸の巻取り操作及び
ベールの反転操作の円滑化を図り、併せて釣糸の糸絡み
を防止した魚釣用スピニングリールに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、魚釣用スピニングリールには、ロ
ータに設けた一対のロータ支持腕の先端に、半環状のベ
ールがベール支持部材とベールホルダーを介して釣糸巻
取位置側と釣糸放出位置側へ、夫々、反転自在に取り付
けられている。

【０００３】そして、ベールを釣糸巻取位置側へ倒して
リール本体に装着したハンドルの操作でロータを釣糸巻
取り方向へ回転させると、ロータの回転に連動して前後
方向へトラバース運動するスプールに釣糸が巻回され、
又、ベールを釣糸放出位置側へ倒して仕掛けを投擲する
と、スプールに巻回された釣糸がスパイラル状に繰り出
されるようになっている。

【０００４】ところで、従来、ベール支持部材には、例
えば実開昭５８−１９４６８０号公報又は実公昭６１−
１８６７８号公報に開示されるように、釣糸をスプール
に案内するラインローラが取り付けられている。

【０００５】図１７は実開昭５８−１９４６８０号公報
に開示されたラインローラの取付構造を示し、図中、１
はベール支持部材で、当該ベール支持部材１はロータ支
持腕の先端に反転自在に取り付けられた支持部３と、そ
の先端に一体的に成形されたベール取付部５とで構成さ
れており、支持部３にねじ孔７が、そして、ベール取付
部５には嵌合溝９がねじ孔７に対向して設けられてい
る。

【０００６】又、１１はラインローラ、１３，１５は当
該ラインローラ１１を支持するセンターピンで、上記嵌
合溝９に一方のセンターピン１３が嵌着し、他方のセン
ターピン１５がねじ部材１７に嵌着されており、両セン
ターピン１３，１５の先端には円錐状に窪んだ受面１３
ａ，１５ａが形成されている。

【０００７】そして、ラインローラ９の軸方向両端部
に、センターピン１３，１５が遊挿可能な凹部１９，２
１が形成されており、各凹部１９，２１の底面に同心の
球状膨出部２３，２５が設けられている。

【０００８】而して、上記ラインローラ１１の取付け
は、ねじ孔７からラインローラ１１を挿入してこれを支
持部３とベール取付部５との間に介装し、一方の球状膨
出部２３にセンターピン１３の受面１３ａを当接させ乍
らねじ部材１７をねじ孔７に螺着して、ねじ部材１７に
固着したセンターピン１５の受面１５ａを他方の球状膨
出部２５に当接させることによって行われている。

【０００９】又、図１８は実公昭６１−１８６７８号公
報に開示されたラインローラの取付構造を示し、この従
来の取付構造は、ベール支持部材２７を構成する支持部
２９とベール取付部３１に、夫々、ねじ孔３３と軸孔３
５を設け、ねじ部材３７に一体成形した支持軸３９にラ
インローラ４１を挿着し、これをねじ孔３３に挿入して
ねじ部材３７をねじ孔３３に螺着することで、ラインロ
ーラ４１がベール支持部材２７に取り付けられている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来のラ
インローラの取付構造は、いずれもベール支持部材１，
２７の支持部３，２９にねじ孔７，３３を設けて、当該
ねじ孔７，３３からベール取付部５，３１方向へライン
ローラ１１，４１を挿着するものである。

【００１１】そのため、ねじ孔７，３３を設ける構造
上、支持部３，２９の形状が大きくなって嵩張り、巻取
り操作時に高速回転するロータの回転バランスやベール
の反転操作に影響を与えてしまう虞があった。

【００１２】又、ラインローラ１１，４１を抜け止め支
持するねじ部材１７，３７の頭部が支持部３，２９から
突出しているため、これらの頭部に釣糸が絡まり易い等
の課題も残されていた。

【００１３】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、釣糸の巻取り操作及びベールの反転操作の円滑化を
図り、併せて釣糸の糸絡みを防止した魚釣用スピニング
リールを提供することを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項１に係る発明は、リール本体に回転可能に装
着されたロータのロータ支持腕の先端に、支持部と当該
支持部の先端に一体成形されたベール取付部とからなる
ベール支持部材を、釣糸巻取状態と釣糸放出状態とに反
転自在に装着し、上記支持部とベール取付部との間にラ
インローラを介装した魚釣用スピニングリールに於て、
上記ラインローラを、ベール支持部材への介装状態に於
けるその中心軸の軸方向と直交する方向から、支持部と
ベール取付部との間に着脱可能に抜け止め支持したもの
である。

【００１５】そして、請求項２に係る発明は、請求項１
記載の魚釣用スピニングリールに於て、ラインローラを
スプール側から支持部とベール取付部との間に着脱可能
に抜け止め支持したことを特徴とする。

【００１６】

【作用】各請求項に記載の魚釣用スピニングリールによ
れば、ラインローラを、例えばスプール側からというよ
うに、ベール支持部材への介装状態に於けるその中心軸
の軸方向と直交する方向から支持部とベール取付部との
間に取り付けて、ベールを釣糸放出位置側へ倒して仕掛
けを投擲すれば、スプールに巻回された釣糸がスパイラ
ル状に繰り出され、又、ベールを釣糸巻取位置側へ反転
させると、釣糸はラインローラを介してスプールに案内
される。

【００１７】そして、斯かる状態で手動ハンドルを操作
して釣糸を巻き上げれば、これに連動してトラバース運
動するスプールに釣糸が巻回されるが、支持部が従来に
比しコンパクト化されているため、釣糸の巻取り操作時
に高速回転するロータの回転バランスやベールの反転操
作にベール支持部材が影響を与えることがない。

【００１８】又、支持部の外形を滑らかな形状に成形す
ることができるため、釣糸の糸絡みとの発生もなく、デ
ザイン上すっきりした印象を釣人や購買者に与えること
となる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図１乃至図８は請求項１及び請求項２に係る
魚釣用スピニングリールの第一実施例を示し、図１に於
て、４３はリール本体４５に回転可能に装着されたロー
タで、当該ロータ４３には一対のロータ支持腕４７が竿
先方向へ一体的に突設されている。そして、当該ロータ
支持腕４７の先端に、半環状のベール４９が、ラインロ
ーラ５１を回転可能に支持するベール支持部材５３とベ
ールホルダー（図示せず）を介して釣糸巻取状態と釣糸
放出状態へ反転自在に取り付けられている。

【００２０】又、５５はロータ４３と同軸上に装着され
たスプールで、当該スプール５５はリール本体４５にト
ラバース運動可能に取り付くスプール軸５７に支持され
ており、従来と同様、ベール４９を釣糸巻取位置側へ倒
して手動ハンドル５９の操作でロータ４３を釣糸巻取り
方向へ回転させると、これに連動して前後方向へトラバ
ース運動するスプール５５に釣糸が巻回されるようにな
っている。

【００２１】このように、本実施例に係るスピニングリ
ール６１は、従来のスピニングリールと同一の構成要素
によって構成されているが、以下、詳述するように上記
スピニングリール６１は、細部に於てその構造に改良が
施されている。

【００２２】即ち、図２及び図３に示すように上記ベー
ル支持部材５３は、ロータ支持腕４７の先端に回動自在
に取り付く支持部６３と、その先端に連結部６４を介し
て一体的に成形されたベール取付部６５とで構成されて
おり、当該ベール取付部６５は支持部６３に対向配置さ
れている。

【００２３】そして、支持部６３とベール取付部６５の
対向面には、図２乃至図４に示すようにラインローラ着
脱用の開口部６７，６９が、同一形状を以ってスプール
５５側に開口して設けられており、両開口部６７，６９
の周縁部６７ａ，６９ａは、夫々、ラインローラ５１の
両端のフランジ外周部５１ａが嵌入できるように略Ｕ字
状に成形されている。又、開口部６７，６９の底部６７
ｂ，６９ｂには、夫々、カバー部材７１のアーム部７１
ａが嵌合する凹部７３，７５が、各開口部６７，６９の
中心からスプール５５方向に形成されている。

【００２４】而して、上記カバー部材７１は、図２に示
すように支持部６３とベール取付部６５の外形形状に沿
って成形されたカバー本体７１ｂに２本のアーム部７１
ａが一方向に突設されており、図５及び図６に示すよう
に上記開口部６７，６９にラインローラ５１をスプール
５５側から、即ち、図１の如きベール支持部材５３への
ラインローラ５１の介装状態に於けるその中心軸の軸方
向と直交する方向から当該ラインローラ５１を開口部６
７，６９に挿入し、そして、上記凹部７３，７５にアー
ム部７１ａを嵌合し乍らカバー部材７１を開口部６７，
６９に押し込めば、ラインローラ５１が支持部６３とベ
ール取付部６５との間に介装されるようになっている。

【００２５】又、上記アーム部７１ａには、支持部６３
及びベール取付部６５に設けた抜止めねじ７７の挿入孔
７９，挿入溝８１に対応して抜止めねじ７７用の挿入孔
８３が形成されており、上述の如くラインローラ５１を
開口部６７，６９に挿入した後、ラインローラ５１の挿
入孔８４及び上記挿入孔７９，８３と挿入溝８１を介し
て抜止めねじ７７を締め付けることによって、ラインロ
ーラ５１とカバー部材７１がベール支持部材５３に取り
付くようになっている。

【００２６】尚、図５に示すように抜止めねじ７７の頭
部７７ａの外周と挿入孔７９の内周は螺刻されており、
抜止めねじ７７を挿入孔７９に螺着すると、頭部７７ａ
が挿入孔７９に収納されて当該頭部７７ａが支持部６３
から突出しないようになっている。

【００２７】更に、図１に示すようにベール支持部材５
３が取り付くロータ支持腕４７には、支持部６３の基部
６３ａを覆うカバー部材８５がビス８７で固着されてお
り、当該カバー部材８５が、ロータ支持腕４７と基部６
３ａの間への釣糸の浸入を防止するようになっている。

【００２８】尚、図１に示すようにカバー部材８５は、
その先端が支持部６３の基部６３ａに沿った半円形状に
形成されているが、釣糸巻取状態と釣糸放出状態へのベ
ール支持部材５３の反転操作に支障を来さぬように、上
記カバー部材８５にはスリット８９が形成されている。

【００２９】更に又、図７及び図８はスプール５５の詳
細を示し、図示するように本実施例に於けるスプール５
５は、その前面部５５ａ及び釣糸巻回胴部５５ｂ、そし
て、当該釣糸巻回胴部５５ｂの後方に位置する所謂スカ
ート部５５ｃに、夫々、多数の肉抜孔９１が形成されて
いる。そして、前面部５５ａには円盤状の透明プレート
９３が貼着又は弾性的に係止され、釣糸巻回胴部５５ｂ
及びスカート部５５ｃには、スピニングリール６１の型
式や商品名，商号等が印刷されたネームプレート９５，
９７が貼着されており、斯様に多くの肉抜孔９１を設け
ることによってスピニングリール６１の軽量化を図り、
又、同時に透明プレート９３及び肉抜孔９１からスプー
ル５５の内部を視認できるようにしてスプール軸５７へ
の糸絡みや砂，異物の浸入，付着具合等が確認できるよ
うになっている。

【００３０】尚、上記ネームプレート９５，９７は透
明，半透明いずれでもよく、又、釣糸巻回胴部５５ｂに
貼着するネームプレート９５に代え、表面を凹凸処理し
た弾性材からなる滑り止めプレートを釣糸巻回胴部５５
ｂに貼着してもよいし、更に又、肉抜孔９１は前面部５
５ａ又は釣糸巻回胴部５５ｂのいずれか一方のみに設け
てもよい。

【００３１】そして、一般にラインローラの材質として
は種々のセラミックスや銅合金に硬質メッキ処理を施し
た硬質材が多く使用され、上記ラインローラ５１もこの
ような硬質材で成形されているが、その形状は、上記ラ
インローラ５１の如き釣糸案内部がストレート形状のも
のに限らず、釣糸案内部が鼓状又はＶ字状のラインロー
ラを使用してもよいことは勿論である。

【００３２】その他、図２中、９９はラインローラ５１
に組み込まれたボールベアリングを示す。本実施例に係
るスピニングリール６１はこのように構成されており、
上記開口部６７，６９間にラインローラ５１をスプール
５５側から挿入して、その凹部７３，７５にアーム部７
１ａを嵌合し乍らカバー部材７１を押し込んだ後、挿入
孔７９，８３，８４及び挿入溝８１を介して抜止めねじ
７７を締め付けることにより、ラインローラ５１がベー
ル支持部材５３に取り付く。

【００３３】そして、従来と同様、ベール４９を釣糸放
出位置側へ倒して仕掛けを投擲すると、スプール５５に
巻回された釣糸がスパイラル状に繰り出され、又、ベー
ル４９を釣糸巻取位置側へ反転させると、釣糸はライン
ローラ５１を介してスプール５５に案内される。そし
て、斯かる状態で手動ハンドル５９を操作して釣糸を巻
き上げれば、これに連動してトラバース運動するスプー
ル５５に釣糸が巻回され、この釣糸の巻取り操作時に、
上述したカバー部材８５が、ロータ支持腕４７と基部６
３ａの間への釣糸の浸入を防止する。

【００３４】このように、本実施例は、図１７及び図１
８に示す従来構造と異なり、支持部６３とベール取付部
６５の対向面にラインローラ着脱用の開口部６７，６９
をスプール５５側に開口して設け、ラインローラ５１を
当該開口部６７，６９にスプール５５側から着脱可能と
したので、本実施例によれば、支持部６３に従来の如き
ねじ孔７，３３を設ける必要がない。

【００３５】そのため、支持部６３が従来に比しコンパ
クト化できるので、巻取り操作時に高速回転するロータ
４３の回転バランスやベール４９の反転操作にベール支
持部材５３が影響を与えてしまうことがなくなった。

【００３６】又、本実施例によれば、ラインローラ５１
を抜け止め支持する抜止めねじ７７の頭部７７ａが支持
部６３から突出せず、然も、支持部６３の外形を滑らか
な形状に成形することができるため、釣糸の糸絡み防止
の点でも有効であるし、デザイン上すっきりした外形形
状にすることができるため、好ましい印象を釣人や購買
者に与えることとなる。

【００３７】更に又、本実施例によれば、ベール支持部
材５３が取り付くロータ支持腕４７に、支持部６３の基
部６３ａを覆うカバー部材８５を設けたため、ロータ支
持腕４７と基部６３ａとの間へ釣糸が浸入することもな
い。

【００３８】加えて、本実施例では、スプール５５に多
くの肉抜孔９１を設けたので、スピニングリール６１の
軽量化が図れると共に、透明プレート９３及び肉抜孔９
１を介してスプール５５の内部を視認でき、その結果、
スプール軸５７への糸絡みや砂，異物の浸入，付着具合
等が確認でき、メンテナンス性が向上する利点を有す
る。

【００３９】尚、上記カバー部材７１は必須の構成要素
ではなく、当該カバー部材７１を省略して、ラインロー
ラ５１を抜止めねじ７７のみでベール支持部材５３に取
り付けてもよい。

【００４０】図９乃至図１２は請求項１及び請求項２に
係る魚釣用スピニングリールの第二実施例を示し、上記
第一実施例では、カバー部材７１と抜止めねじ７７によ
ってラインローラ５１をベール支持部材５３に取り付け
たが、本実施例は、上述の如き抜止めねじ７７を用い
ず、カバー部材のみでラインローラの抜け止めを図った
ものである。

【００４１】以下、本実施例を図面に基づいて説明する
が、発明部分を除く構成については上記第一実施例と同
様の構成とされているため、ここでは専ら発明部分につ
いて説明し、同一のものは同一符号を付してそれらの説
明は省略する。

【００４２】図９に於て、１０１はベール支持部材で、
図１０に示すように当該ベール支持部材１０１も、上記
ベール支持部材５３と同様、ロータ支持腕４７の先端に
回動自在に取り付く支持部１０３と、その先端に連結部
１０４を介して一体成形されたベール取付部１０５とで
構成されており、ベール取付部１０５は支持部１０３に
対向配置されている。

【００４３】そして、支持部１０３とベール取付部１０
５の対向面には、図９乃至図１２に示すようにラインロ
ーラ着脱用の開口部１０７，１０９が、同一形状を以っ
てスプール５５側に開口して設けられており、両開口部
１０７，１０９の周縁部１０７ａ，１０９ａは、夫々、
ラインローラ１１１の両端のフランジ外周部１１１ａが
嵌入できるように略Ｕ字状に成形されている。又、開口
部１０７，１０９の底部１０７ｂ，１０９ｂには、夫
々、カバー部材１１３のアーム部１１３ａが嵌合する凹
部１１５，１１７が、各開口部１０７，１０９の中心か
らスプール５５方向に設けられている。

【００４４】而して、上記カバー部材１１３は、図９及
び図１１に示すように支持部１０３及びベール取付部１
０５の外形形状に沿って成形されたカバー本体１１３ｂ
に２本のアーム部１１３ａが一方向に突設されている。
又、カバー本体１１３ｂの上部には、連結部１０４に設
けた切欠き１１９に係合する係合突起１２１ａが先端に
突設された係合片１２１が取り付き、又、カバー本体１
１３ｂの下部には、図９及び図１０に示すように支持部
１０３側の開口部１０７の下縁部に設けた接合面１２３
にボルト締めされる接合片１２５が形成されている。

【００４５】更に、図９に示すように上記凹部１１５，
１１７の内方先端及びカバー部材１１３のアーム部１１
３ａの先端には、夫々、半円状の支持部１２７，１２９
が形成されており、図１１に示すように上記開口部１０
７，１０９間にラインローラ１１１をスプール５５側か
ら挿入し、そして、凹部１１５，１１７にアーム部１１
３ａを嵌合して、連結部１０４の切欠き１１９に係合突
起１２１ａを係合した後、接合片１２５を接合面１２３
にボルト締めすると、上記両支持部１２７，１２９がラ
インローラ１１１の中心に挿着した支持軸１３１をベー
ル支持部材１０１に保持するようになっている。

【００４６】その他、図９中、１３３はラインローラ１
１１に内蔵されたボールベアリング、１３５は接合片１
２５を接合面１２３にボルト締めするボルトである。本
実施例はこのように構成されており、上記開口部１０
７，１０９にラインローラ１１１をスプール５５側から
挿入した後、その凹部１１５，１１７にアーム部１１３
ａを嵌合し乍らカバー部材１１３を押し込み、連結部１
０４に設けた切欠き１１９に係合片１２１の係合突起１
２１ａを係合させて接合片１２５を支持部１０３の接合
片１２５にボルト締めすると、上述した両支持部１２
７，１２９が支持軸１３１を保持して、ラインローラ１
１１がベール支持部材１０１に取り付く。

【００４７】そして、ベール４９を釣糸放出位置側へ倒
して仕掛けを投擲すると、スプール５５に巻回された釣
糸がスパイラル状に繰り出され、又、ベール４９を釣糸
巻取位置側へ反転させると、釣糸はラインローラ１１１
を介してスプール５５に案内される。そして、斯かる状
態で手動ハンドル５９を操作して釣糸を巻き上げれば、
これに連動してトラバース運動するスプール５５に釣糸
が巻回されることとなる。

【００４８】このように、本実施例も、図１７及び図１
８に示す従来構造に代え、支持部１０３とベール取付部
１０５の対向面にラインローラ着脱用の開口部１０７，
１０９をスプール５５側に開口して設け、ラインローラ
１１１を当該開口部１０７，１０９にスプール５５側か
ら着脱可能としたので、本実施例によっても、図１７及
び図１８に示すねじ孔７，３３を支持部１０３に設ける
必要がなくなった。

【００４９】そのため、従来に比し支持部１０３をコン
パクトにできるので、巻取り操作時に高速回転するロー
タ４３の回転バランスやベール４９の反転操作にベール
支持部材１０１が影響を与えてしまうことがなくなり、
又、支持部１０３の外形を滑らかな形状に成形すること
ができるため、釣糸の糸絡み防止の点でも有効である
し、デザイン上ベール支持部材１０１をすっきりした外
形形状にすることができる利点を有する。

【００５０】図１３乃至図１６は請求項１及び請求項２
に係る魚釣用スピニングリールの第三実施例を示し、本
実施例は、上述した第二実施例の係合片１２１に代え、
カバー部材を２本のボルトでベール支持部材にボルト締
めして、ラインローラを支持するものである。

【００５１】以下、本実施例を図面に基づいて説明する
が、本実施例に於ても、上記各施例と同一のものは同一
符号を付してそれらの説明は省略する。図１３に於て、
１３７はベール支持部材で、当該ベール支持部材１３７
も、図１４に示すようにロータ支持腕４７の先端に回動
自在に取り付く支持部１３９と、その先端に連結部１４
０を介して一体成形されたベール取付部１４１とで構成
されており、ベール取付部１４１は支持部１３９に対向
配置されている。

【００５２】そして、支持部１３９とベール取付部１４
１の対向面には、図１３乃至図１６に示すようにライン
ローラ着脱用の開口部１４３，１４５が、同一形状を以
ってスプール５５側に開口して設けられており、両開口
部１４３，１４５の周縁部１４３ａ，１４５ａは、夫
々、ラインローラ１１１の両端に設けたフランジ外周部
１１１ａが嵌入できるように略Ｕ字状に成形されてい
る。又、各開口部１４３，１４５の底部１４３ｂ，１４
５ｂには、夫々、カバー部材１４７のアーム部１４７ａ
が嵌合する凹部１４９，１５１が、各開口部１４３，１
４５の略中心からスプール５５方向に設けられている。

【００５３】而して、上記カバー部材１４７も、図１３
及び図１５に示すように支持部１３９とベール取付部１
４１の外形形状に沿って成形されたカバー本体１４７ｂ
に２本のアーム部１４７ａが一方向に突設されている。
そして、カバー部材１４７は、２本のボルト１５３を夫
々、支持部１９３及びベール取付部１４１のスプール５
５側にボルト締めしてベール支持部材１３７の先端に取
り付くようになっている。

【００５４】又、図１３及び図１６に示すように上記凹
部１４９，１５１の内方先端及びアーム部１４７ａの先
端には、夫々、半円状の支持部１５５，１５７が形成さ
れており、図１５に示すように上記開口部１４３，１４
５にラインローラ１１１をスプール５５側から挿入し、
そして、上記凹部１４９，１５１にアーム部１４７ａを
嵌合してカバー部材１４７をベール支持部材１３７にボ
ルト締めすると、上記両支持部１５５，１５７がライン
ローラ１１１の支持軸１３１を保持して、ラインローラ
１１１がベール支持部材１３７に取り付くようになって
いる。

【００５５】本実施例はこのように構成されており、上
記開口部１４３，１４５間にラインローラ１１１をスプ
ール５５側から挿入した後、その凹部１４３，１４５に
アーム部１４７ａを嵌合し乍らカバー部材１４７を押し
込んでこれをベール支持部材１３７にボルト締めする
と、上述した両支持部１５５，１５７が支持軸１３１を
保持してラインローラ１１１がベール支持部材１３７に
取り付く。

【００５６】そして、ベール４９を釣糸放出位置側へ倒
して仕掛けを投擲すると、スプール５５に巻回された釣
糸がスパイラル状に繰り出され、又、ベール４９を釣糸
巻取位置側へ反転させると、釣糸はラインローラ１１１
を介してスプール５５に案内される。そして、斯かる状
態で手動ハンドル５９を操作して釣糸を巻き上げれば、
これに連動してトラバース運動するスプール５５に釣糸
が巻回されることとなる。

【００５７】このように、本実施例も、図１７及び図１
８に示す従来構造に代え、支持部１３９とベール取付部
１４１の対向面にラインローラ着脱用の開口部１４３，
１４５をスプール５５側に開口して設け、ラインローラ
１１１を当該開口部１４３，１４５にスプール５５側か
ら着脱可能としたので、本実施例によっても、上記各実
施例と同様、支持部１３９に従来の如きねじ孔７，３３
を設ける必要がなくなった。

【００５８】従って、支持部１３９が従来に比しコンパ
クトにできるため、巻取り操作時に高速回転するロータ
４３の回転バランスやベール４９の反転操作にベール支
持部材１３７が影響を与えてしまうことがなくなり、
又、支持部１３９の外形を滑らかな形状に成形すること
ができるため、釣糸の糸絡み防止の点でも有効である
し、デザイン上もすっきりとした形状とすることができ
る利点を有する。

【００５９】尚、上記各実施例は、支持部とベール取付
部の対向面にラインローラ着脱用の開口部をスプール側
に開口して設けて、ラインローラを当該開口部にスプー
ル側から着脱可能としたが、例えばラインローラをベー
ル支持部材の先端側から取り付け可能とする等、ライン
ローラを、ベール支持部材への介装状態に於けるその中
心軸の軸方向と直交する方向から支持部とベール取付部
との間に着脱可能に抜け止め支持できるものであればよ
く、上記実施例の構造に何ら限定されるものではない。

【００６０】

【発明の効果】以上述べたように、各請求項に係る魚釣
用スピニングリールによれば、ベール支持部材を構成す
る支持部に、ラインローラを挿着する従来の如きねじ孔
を設ける必要がないため、支持部が従来に比しコンパク
ト化することが可能となった。

【００６１】従って、釣糸の巻取り操作時に高速回転す
るロータの回転バランスやベールの反転操作にベール支
持部材が影響を与えてしまうことがなくなり、又、支持
部の外形を滑らかな形状に成形することができるため、
釣糸の糸絡み防止の点でも有効であるし、デザイン上も
すっきりとした外形形状とすることができる利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１及び請求項２に係る魚釣用スピニング
リールの第一実施例の正面図である。

【図２】ラインローラの取付構造の分解側面図である。

【図３】図２のＡ方向矢視図である。

【図４】図３のIV−IV線端面図である。

【図５】ベール支持部材の背面図である。

【図６】図５のVI−VI線断面図である。

【図７】図１に示す魚釣用スピニングリールの要部断面
図である。

【図８】スプールの分解斜視図である。

【図９】請求項１及び請求項２に係る魚釣用スピニング
リールの第二実施例に於けるラインローラの取付構造の
分解側面図である。

【図１０】ベール支持部材の背面図である。

【図１１】図１０のXI−XI線断面図である。

【図１２】図１１のXII − XII線断面図である。

【図１３】請求項１及び請求項２に係る魚釣用スピニン
グリールの第三実施例に於けるラインローラの取付構造
の分解側面図である。

【図１４】ベール支持部材の背面図である。

【図１５】図１４のXV−XV線断面図である。

【図１６】図１５のXVI − XVI線断面図である。

【図１７】従来のラインローラの取付構造の断面図であ
る。

【図１８】従来の他のラインローラの取付構造の断面図
である。

【符号の説明】

４３ ロータ ４５ リール本体 ４７ ロータ支持腕 ５１，１１１ ラインローラ ５３，１０１，１３７ ベール支持部材 ５５ スプール ６１ スピニングリール ６３，１０３，１３９ 支持部 ６５，１０５，１４１ ベール取付部 ６７，６９，１０７，１０９，１４３，１４５ 開口部 ７１，８５，１１３，１４７ カバー部材 ７１ａ，１１３ａ，１４７ａ アーム部 ７１ｂ，１１３ｂ，１４７ｂ カバー本体 ７３，７５，１１５，１１７，１４９，１５１ 凹部 ９１ 肉抜孔 ９３ 透明プレート ９５，９７ ネームプレート １１９ 切欠き １３１ 支持軸 １３５，１５３ ボルト

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リール本体に回転可能に装着されたロー
   タのロータ支持腕の先端に、支持部と当該支持部の先端
   に一体成形されたベール取付部とからなるベール支持部
   材を、釣糸巻取状態と釣糸放出状態とに反転自在に装着
   し、上記支持部とベール取付部との間にラインローラを
   介装した魚釣用スピニングリールに於て、上記ラインロ
   ーラを、ベール支持部材への介装状態に於けるその中心
   軸の軸方向と直交する方向から、支持部とベール取付部
   との間に着脱可能に抜け止め支持したことを特徴とする
   魚釣用スピニングリール。
2. 【請求項２】 ラインローラを、スプール側から支持部
   とベール取付部との間に着脱可能に抜け止め支持したこ
   とを特徴とする請求項１記載の魚釣用スピニングリー
   ル。