JPH0878768A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置およびその製造方法

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JPH0878768A
JPH0878768A JP20717794A JP20717794A JPH0878768A JP H0878768 A JPH0878768 A JP H0878768A JP 20717794 A JP20717794 A JP 20717794A JP 20717794 A JP20717794 A JP 20717794A JP H0878768 A JPH0878768 A JP H0878768A
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JP
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film
heterojunction structure
layer
semiconductor laser
double heterojunction
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JP20717794A
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English (en)
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Shozo Yuge
省三 弓削
Minoru Watanabe
実 渡邊
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、レーザ共振器の端面に反射膜を有し
てなる半導体レーザ素子およびその製造方法において、
特性が安定で、信頼性が高く、しかも簡易な製造プロセ
スにより得ることができるようにすることを最も主要な
特徴とする。 【構成】たとえば、特定の面方位をもつp型GaAs基
板11上に、矩形状の開口部13を設けてSiO2 膜1
2を形成する。そして、その開口部13内に露出する上
記p型GaAs基板11の表面に、MOCVD法による
プレーナ方向への選択成長によりダブルヘテロ接合構造
部14を形成する。また、このダブルヘテロ接合構造部
14の形成に連続して、その周面に、MOCVD法によ
るラテラル方向への選択成長により多層反射膜15を形
成する。このように、一回のMOCVD法により連続し
て形成されるダブルヘテロ接合構造部14および多層反
射膜15を有した構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば光ディスク
やレーザビームプリンタの光源として用いられる半導体
レーザ装置およびその製造方法に関するもので、特にレ
ーザ共振器の端面に反射膜を有してなる半導体レーザ素
子に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体レーザ素子は、高密度光デ
ィスクやレーザビームプリンタ用の光源として用いられ
ている。このような用途には、安定した光出力で基本横
モード発振すること、および素子としての信頼性が高い
ことなどが要求される。
【0003】そのためには、レーザ共振器の端面に形成
する反射膜の反射率の精密な制御、および反射膜形成時
の共振器端面へのダメージの低減が重要となっている。
さて、従来の半導体レーザ素子にあっては、たとえば図
14に示すようにして製作されている。
【0004】まず、面方位が(100)のn型GaAs
基板100上に、1.0μm厚のn型In0.5 (Ga
0.3 Al0.70.5 Pクラッド層101、0.06μm
厚のIn0.5 Ga0.5 P活性層102、0.2μm厚の
p型In0.5 (Ga0.3 Al0.70.5 Pクラッド層1
03、0.01μm厚のp型In0.5 Ga0.5 Pエッチ
ングストップ層104、0.8μm厚のp型In0.5
(Ga0.3 Al0.70.5Pクラッド層105、および
0.06μm厚のp型In0.5 Ga0.5 P通電容易層1
06を、順次、有機金属気相成長(MOCVD)法によ
り積層する(同図(a))。
【0005】そして、上記p型−通電容易層106上
に、SiO2 膜107を約200nmの厚さで形成する
(同図(b))。この後、フォトリソグラフィー法によ
り、上記SiO2 膜107の一部を除去してストライプ
パターンを形成するとともに、そのSiO2 膜107を
マスクとしてストライプ以外の上記p型−クラッド層1
05およびp型−通電容易層106をエッチングにより
除去することで、上記p型−エッチングストップ層10
4上に約5μm幅のリッジを形成する(同図(c))。
【0006】また、上記ストライプ以外の上記p型−エ
ッチングストップ層104上に、たとえばMOCVD法
により、1.0μmの厚さでn型GaAs電流ブロック
層108を形成する(同図(d))。
【0007】そして、上記SiO2 膜107を除去した
後、さらに、たとえばMOCVD法により、p型GaA
sオーミックコンタクト層109を5μmの厚さで形成
する(同図(e))。
【0008】しかる後、上記n型−基板100側にn型
AuGe/Au電極110を、また上記p型−オーミッ
クコンタクト層109側にp型AuZn/Au電極11
1を、それぞれ蒸着により形成する(同図(f))。
【0009】そして、最後に、上記ストライプと直交す
るレーザ共振器の端面に、たとえば端面での反射率が5
0%となるように、Al23 からなる誘電体膜112
とアモルファス−Siからなる誘電体膜113とを交互
に重ねた多層反射膜114をスパッタ法により形成する
ことで、上記した横モード制御の半導体レーザ素子が得
られる(同図(g))。
【0010】上記共振器端面での反射率は、上記多層反
射膜114を形成する誘電体膜112,113の膜数と
それらの膜厚とにより決まるが、この場合、反射率が5
0%となるように、誘電体膜112を2層、誘電体膜1
13を1層とし、それぞれを104.7nm,49.3
nmの膜厚により形成している。
【0011】ここで、上記した多層反射膜114の形成
について、図15を参照して説明する。通常、上記した
ような半導体レーザ素子は量産できる、つまり1度の製
作によって、ウェーハ上に複数のレーザ構造体(図14
(f)に示した多層反射膜114が形成される前の構
造)を作り込むことが可能である。
【0012】そこで、同図(a)に示すように、複数の
レーザ構造体が作り込まれたウェーハをへき開線aに沿
ってそれぞれへき開することにより、たとえば前記スト
ライプの方向に400μmの共振器長を持つバー(レー
ザ構造体列)bを形成する。
【0013】その後、同図(b)に示すように、上記n
型−電極110および上記p型−電極111上に金属マ
スク120,120をそれぞれ形成し、両電極110,
111面に上記多層反射膜114が形成されないように
する。
【0014】そして、同図(c)に示すように、この状
態で、上記レーザ構造体列bにおける各レーザ共振器の
端面(レーザ構造体列bの端面を含む周面)に、上記誘
電体膜112を104.7nmの膜厚で、また上記誘電
体膜113を49.3nmの膜厚で、さらに誘電体膜1
12を104.7nmの膜厚で順にスパッタ法により成
膜することで、反射率が50%の多層反射膜114を形
成する。
【0015】しかる後、上記金属マスク120,120
を除去するとともに、各素子ごとに切り出すことで、前
述の図14(g)に示した横モード制御の半導体レーザ
素子が得られる。
【0016】しかしながら、共振器端面にスパッタ法に
より誘電体膜112,113からなる多層反射膜114
を形成するようにしてなる半導体レーザ素子の場合、以
下のような問題があった。
【0017】すなわち、スパッタ法による誘電体膜11
2,113の成膜は膜厚の制御が難しいため、所望の反
射率が得にくく、素子の特性が安定しない。また、スパ
ッタ法は、一般的に共振器端面に与えるダメージが大き
く、信頼性の高い素子を安定に得ることが困難であっ
た。
【0018】さらに、GaAs基板上にダブルヘテロ接
合構造を成長させた後、へき開により共振器端面を形成
し、その共振器端面に誘電体膜を成膜しなければなら
ず、多くの工程を必要とする複雑なプロセスとなってい
た。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
においては、へき開によって形成した共振器端面にスパ
ッタ法により誘電体膜からなる多層反射膜を形成するよ
うにしているため、共振器端面での反射率を精密に制御
することが難しく、素子の特性が安定しない、共振器端
面に与えるダメージが大きく、信頼性の高い素子を安定
に得ることができない、製造のプロセスが複雑であるな
どの問題があった。
【0020】そこで、この発明は、素子にダメージを与
えることなく、精密な膜厚制御により所望の反射率を有
する反射膜を容易に形成でき、特性が安定で、信頼性が
高く、しかも簡易な製造プロセスにより得ることが可能
な半導体レーザ装置およびその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の半導体レーザ装置にあっては、特定の
面方位をもつ半導体基板と、この半導体基板上に設けら
れた矩形状開口部を有する誘電体膜と、この誘電体膜の
前記開口部より露出する前記半導体基板の表面に形成さ
れてなるダブルヘテロ接合構造部と、このダブルヘテロ
接合構造部の側面に形成された少なくとも一つ以上の高
抵抗層からなる反射膜とから構成されている。
【0022】また、この発明の半導体レーザ装置の製造
方法にあっては、特定の面方位をもつ半導体基板上に矩
形状開口部を有する誘電体膜を形成する工程と、この誘
電体膜の前記開口部より露出する前記半導体基板の表面
に、その垂直方向に第1のクラッド層、活性層、第2の
クラッド層、およびオーミックコンタクト層からなるリ
ッジ状のダブルヘテロ接合構造部を形成する工程と、こ
のダブルヘテロ接合構造部の側面に、その水平方向に少
なくとも一つ以上の高抵抗層からなる反射膜を形成する
工程とからなっている。
【0023】
【作用】この発明は、上記した手段により、ダブルヘテ
ロ接合構造部と反射膜とを連続して形成できるようにな
るため、反射膜の反射率を精密に制御することおよび反
射膜形成時の端面へのダメージを低減することが可能と
なるものである。
【0024】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
して説明する。図1は、本発明の第1の実施例にかかる
半導体レーザ素子の概略を示すものである。なお、同図
(a)には素子の外観を、また同図(b)にはA−A´
線に沿う断面構造を、同じく同図(c)にはB−B´線
に沿う断面構造をそれぞれ示している。
【0025】この半導体レーザ素子は、たとえばp型
(p導電型)のGaAs基板11、このp型−基板11
上に形成されたSiO2 膜12、このSiO2 膜12の
開口部13に露出する上記p型−基板11の表面に形成
されたリッジ状ダブルヘテロ接合構造部14、このダブ
ルヘテロ接合構造部14の周面に形成された多層反射膜
15、および上記p型−基板11の下面に形成されたp
型のAuZn/Au電極16と上記ダブルヘテロ接合構
造部14の上面に形成されたn型(n導電型)のAuG
e/Au電極17からなっている。
【0026】上記p型−基板11は、たとえば(11
1)面から[−1,−1,1]方向に45°傾いた基板
が用いられている。上記SiO2 膜12は、たとえば2
00nmの厚さを有して形成されるようになっている。
【0027】このSiO2 膜12に形成された上記開口
部13は矩形状とされ、その開口部13の一辺が[1,
1,0]方向に平行とされている。この開口部13の大
きさは、たとえば上記[1,1,0]方向に平行な一辺
が400μmであり、上記[1,1,0]方向と直交す
る他の一辺が5μmとなっている。
【0028】上記ダブルヘテロ接合構造部14は、たと
えば上記p型−基板11側より、厚さが0.05μmの
p型In0.5 Ga0.5 P通電容易層14a、厚さが1.
0μmのp型In0.5 (Ga0.3 Al0.70.5 Pクラ
ッド層14b、厚さが0.05μmのIn0.5 Ga0.5
P活性層14c、厚さが1μmのn型In1-0.5 (Ga
0.3 Al0.70.5 Pクラッド層14d、および厚さが
3.0μmのn型GaAsオーミックコンタクト層14
eが、順に積層された構成となっている。
【0029】このダブルヘテロ接合構造部14は、後述
する有機金属気相成長(MOCVD)法により、上記S
iO2 膜12の開口部13に対応する上記p型−基板1
1の表面に、上記各層が選択的にプレーナ成長されるこ
とにより形成されるようになっている。
【0030】上記多層反射膜15は、たとえば50nm
厚のIn0.5 Al0.5 P層15aと48.4nm厚のI
0.5 (Ga0.3 Al0.70.5 P層15bとを、それ
ぞれ交互に60層ずつ成膜してなり、その反射率が80
%となるように設定されている。
【0031】この多層反射膜15は、後述するMOCV
D法により、上記ダブルヘテロ接合構造部14の周面
に、上記各層が選択的にラテラル成長されることにより
形成されるようになっている。
【0032】ここで、GaAs基板の特定の結晶面上に
MOCVD法によりIII −V族化合物半導体結晶を選択
成長させる場合、成長温度、反応炉内の圧力、V族/II
I 族モル比(供給するV族元素の総モル数と供給するII
I 族元素の総モル数の比)などの成長条件を選ぶことに
より、垂直方向へのプレーナ成長と水平方向へのラテラ
ル成長とが可能なことが知られている。
【0033】たとえば、ストライプ状のSiO2 膜で覆
ったGaAsの(111)面上に、AlGaAsのプレ
ーナ成長およびGaAs/AlGaAsのラテラル成長
を行う場合、プレーナ成長は高温(800℃)で、かつ
低As圧(6Pa)により、またラテラル成長は低温
(600℃)で、かつ高As圧(20Pa)により、そ
れぞれ良好に行われる。
【0034】同様に、GaAs基板上にMOCVD法に
よりInGaAlP系結晶を成長させる場合にも、成長
条件を選択することにより、プレーナ成長とラテラル成
長とを選択的に行わしめることができる。
【0035】たとえば、矩形状の開口部を有するSiO
2 薄膜で覆われたGaAsの(111)面上において、
成長条件を、成長温度が840℃、V族/III 族モル比
が50、反応炉内圧力が1420Paとして成長させる
ことにより、上記SiO2 薄膜の開口部にのみ、その垂
直方向にIn0.5 (Ga0.3 Al0.70.5 P系結晶が
リッジ状にプレーナ成長する。
【0036】また、このプレーナ成長に連続して、上記
の成長条件を、成長温度が700℃、V族/III 族モル
比が600、反応炉内圧力が1420Paとして成長さ
せると、リッジ状に成長した上記In0.5 (Ga0.3
0.70.5 P系結晶の側面にのみ、その水平方向にI
0.5 (Ga0.3 Al0.70.5 P系結晶がラテラル成
長する。
【0037】このように、成長温度やV族/III 族モル
比などの成長条件を制御することにより、特定の面方位
をもつ基板に対して、その垂直方向または水平方向への
結晶の成長を選択できるものである。
【0038】このことを利用して、上記ダブルヘテロ接
合構造部14および上記多層反射膜15を形成してな
る、本実施例の半導体レーザ素子の製造方法について、
以下に説明する。
【0039】図2ないし図4は、作成工程の概略を示す
ものである。まず、図2に示すように、たとえば(11
1)面から[−1,−1,1]方向に45°傾いたp型
−基板11上に、矩形状の開口部13を有する、厚さ2
00nm程度のSiO2 膜12を形成する。
【0040】このSiO2 膜12は絶縁膜であるため、
電流の流れを狭窄する電流狭窄層としての効果もある。
続いて、図3に示すように、上記SiO2 膜12の開口
部13に露出する、上記p型−基板11の表面に対する
結晶成長(上記ダブルヘテロ接合構造部14の形成)
が、MOCVD法を用いて行われる。
【0041】この場合、V族元素およびIII 族元素を結
晶材料とし、V族元素としてはPH3 ,AsH3 など
が、III 族元素としてはTMG(Trimethyl−
Gallium),TMA(Trimethyl−Al
luminum),TMI(Trimethyl−In
dium)などが、ドーパントとしてはDMZ(Dim
ethyl−Zinc)やSiH4 などが用いられる。
【0042】すなわち、成長条件としての、成長温度を
840℃、反応炉内圧力を1420Paとするととも
に、V族/III 族モル比が50となるようなガス比で有
機金属およびV族元素を含む水素化合物を供給すること
により、上記p型−通電容易層14a、上記p型−クラ
ッド層14b、上記活性層14c、上記n型−クラッド
層14d、および上記n型−オーミックコンタクト層1
4eを、上記SiO2 膜12の開口部13に露出する、
上記p型−基板11の表面に選択的にプレーナ成長させ
て上記ダブルヘテロ接合構造部14を形成する。
【0043】このとき、上記p型−通電容易層14a
は、濃度が1×1018cm-3となるようにZnをドープ
することにより、約0.05μmの厚さで形成される。
上記p型−クラッド層14bは、濃度が3〜5×1017
cm-3となるようにZnをドープすることにより、約
1.0μmの厚さで形成される。
【0044】上記活性層14cは、何もドープせずに
(アンドープ)、約0.05μmの厚さで形成される。
上記n型−クラッド層14dは、濃度が3〜5×1017
cm-3となるようにZnをドープすることにより、約1
μmの厚さで形成される。
【0045】上記n型−オーミックコンタクト層14e
は、濃度が2×1018cm-3となるようにSiをドープ
することにより、約3.0μmの厚さで形成される。こ
うして、ダブルヘテロ接合構造部14が形成されると、
これに連続して、たとえば図4に示すように、上記ダブ
ルヘテロ接合構造部14の周面に対する結晶成長(上記
多層反射膜15の形成)が、MOCVD法により行われ
る。
【0046】すなわち、成長条件を、成長温度が700
℃、反応炉内圧力が1420Pa、V族/III 族モル比
が600となるように変更し、III 族元素を含む有機金
属およびV族元素を含む水素化合物を供給することによ
り、酸素をドープしてなる高抵抗な上記In0.5 Al
0.5 P層15aおよび上記In0.5 (Ga0.3
0.70.5 P層15bをそれぞれ交互に60層ずつラ
テラル成長させ、上記ダブルヘテロ接合構造部14の周
面に、その反射率が80%とされた上記多層反射膜15
を形成する。
【0047】このとき、上記In0.5 Al0.5 P層15
aは、たとえば50nmの厚さで形成される。上記In
0.5 (Ga0.3 Al0.70.5 P層15bは、たとえば
48.4nmの厚さで形成される。
【0048】なお、上記In0.5 Al0.5 P層15aお
よびIn0.5 (Ga0.3 Al0.70.5 P層15bは、
互いに屈折率が異なるとともに、いずれも上記活性層1
4cよりも屈折率が小さい。
【0049】このため、上記ダブルヘテロ接合構造部1
4の周面に形成された上記多層反射膜15のうち、一方
の側面、つまり上記ダブルヘテロ接合構造部14の長手
方向の端面に形成された上記多層反射膜15は、上記活
性層14cとの間で生じる屈折率の差により、横方向に
対する光の閉じ込め層としての役割を果たす。
【0050】また、上記ダブルヘテロ接合構造部14の
周面に形成された上記多層反射膜15のうち、他方の側
面、つまり上記ダブルヘテロ接合構造部14の短手方向
で、レーザ共振器の端面に形成された上記多層反射膜1
5は、端面での反射率が制御された光学的半導体反射膜
としての役割を果たすことになる。
【0051】この後、上記多層反射膜15をレジストマ
スク(図示していない)によって覆い、上記p型−基板
11の下面にp型−電極16を蒸着により形成するとと
もに、上記ダブルヘテロ接合構造部14の、上記n型−
オーミックコンタクト層14eの上にn型−電極17を
蒸着により形成する。
【0052】そして、上記多層反射膜15上に設けられ
たレジストマスクを除去した後、各素子ごとに切り出す
ことにより、図1に示した反射率制御の屈折率ガイド型
に分類される横モード制御の半導体レーザ素子が得られ
る。
【0053】このような構造の本実施例素子によれば、
成長条件に応じて、プレーナ成長またはラテラル成長の
選択成長が可能なMOCVDにより、精密な膜厚制御が
可能で、共振器端面に与えるダメージを軽減しつつ、多
層反射膜15を容易に形成できるようになるため、特性
が安定で、寿命が長くて端面破壊レベル(COD)の改
善された、信頼性の高い素子を安定して得ることが可能
となる。
【0054】しかも、ダブルヘテロ接合構造部14の形
成から多層反射膜15の形成までを一回のMOCVDで
形成できるようになるため、これらを連続して形成する
ことが可能となり、大幅な工程の簡素化により、歩留ま
りやスループットの向上が図れ、量産性に富んだものと
することができる。
【0055】なお、上記した第1の実施例においては、
電流狭窄をSiO2 膜12により行わせるようにした
が、たとえば半導体層により電流狭窄層を作り込むこと
も可能である。
【0056】この電流狭窄層を有してなる半導体レーザ
素子の例を第2の実施例として、図5ないし図9を参照
して説明する。図5は、本発明の第2の実施例にかかる
半導体レーザ素子の概略を示すものである。なお、同図
(a)には素子の外観を、また同図(b)にはA−A´
線に沿う断面構造を、同じく同図(c)にはB−B´線
に沿う断面構造をそれぞれ示している。
【0057】すなわち、この半導体レーザ素子は、第1
の実施例に示した半導体レーザ素子の、p導電型のGa
As基板11と矩形状の開口部13を有するSiO2
12との間に、たとえばn導電型のGaAsからなる電
流狭窄層21を設けた構成とされている。
【0058】この場合、上記n型−電流狭窄層21は、
たとえば図6に示すように、(111)面から[−1,
−1,1]方向に45°傾いた上記p型−基板11上
に、フォトリソグラフィー法によって[1,1,0]方
向に設けられた複数のストライプのうち、約5μmの開
口幅を有する1対のストライプにより形成されるように
なっている。
【0059】また、このn型−電流狭窄層21上には、
たとえば図7に示すように、[1,1,0]方向に平行
な一辺が400μmで、上記[1,1,0]方向と直交
する他の一辺が300μmとされている上記開口部13
を有するSiO2 膜12が、200nmの厚さで形成さ
れている。
【0060】そして、たとえば図8に示すように、この
SiO2 膜12の開口部13内の、上記p型−基板11
の表面にリッジ状ダブルヘテロ接合構造部14が、また
図9に示すように、このダブルヘテロ接合構造部14の
周面に多層反射膜15が、第1の実施例と同様に、MO
CVD法によりそれぞれ形成される。
【0061】さらに、上記した第1の実施例と同様に、
上記p型−基板11の下面のp型−電極16、および上
記ダブルヘテロ接合構造部14の上面のn型−電極17
がそれぞれ蒸着により形成された後、各素子ごとに切り
出されることで、図5に示した、電流狭窄層21を有し
てなる半導体レーザ素子が得られる。
【0062】この第2の実施例素子の場合、n型−基板
11上に形成されたダブルヘテロ接合構造部14が、共
振器方向の側面は400μmと長く、共振器と直交する
側面は300μmと比較的長いため、マウント時にある
程度の強度を確保できる。
【0063】しかし、第1の実施例素子においては、n
型−基板11上に形成されたダブルヘテロ接合構造部1
4が、共振器方向の側面は400μmと長いが、共振器
端面と直交する側面は5μmと極めて短いため、強度的
に非常に弱い構造となっている。
【0064】このマウント時の強度を改良すべく、ダブ
ルヘテロ接合構造部14の両側に支持層を設けてなる半
導体レーザ素子の例を第3の実施例として、図10ない
し図13を参照して説明する。
【0065】図10は、本発明の第3の実施例にかかる
半導体レーザ素子の概略を示すものである。なお、同図
(a)には素子の外観を、また同図(b)にはA−A´
線に沿う断面構造を、同じく同図(c)にはB−B´線
に沿う断面構造をそれぞれ示している。
【0066】すなわち、この半導体レーザ素子は、たと
えば第1の実施例に示した半導体レーザ素子の、ダブル
ヘテロ接合構造部14の両側に、上記ダブルヘテロ接合
構造部14と同じ構造の支持層31を設けた構成とされ
ている。
【0067】この場合、たとえば図11に示すように、
(111)面から[−1,−1,1]方向に45°傾い
た上記p型−基板11上に、[1,1,0]方向に平行
な一辺が400μmで、上記[1,1,0]方向と直交
する他の一辺が5μmとされている上記開口部13と、
この開口部13の両側に10μmずつ隔てて設けられた
幅200μmのストライプ状の開口部32とを有するS
iO2 膜12が、200nmの厚さで形成されている。
【0068】そして、この形成されたSiO2 膜12
の、上記矩形状の開口部13のみをマスク(図示してい
ない)し、上記ストライプ状の開口部32に対して選択
的にCrをイオン注入することにより、そのストライプ
状の開口部32内に露出する上記p型−基板11の表面
に高抵抗なCrイオン注入領域33が形成されるように
なっている。
【0069】また、上記マスクを除去した後、たとえば
図12に示すように、このSiO2膜12の矩形状の開
口部13およびストライプ状の開口部32内の、上記p
型−基板11の表面にリッジ状ダブルヘテロ接合構造部
14が、また図13に示すように、このダブルヘテロ接
合構造部14の周面に多層反射膜15が、第1の実施例
と同様に、MOCVD法によりそれぞれ形成される。
【0070】さらに、上記した第1の実施例と同様に、
上記p型−基板11の下面のp型−電極16、および上
記ダブルヘテロ接合構造部14の上面のn型−電極17
がそれぞれ蒸着により形成された後、各素子ごとに切り
出される。
【0071】この場合、上記ダブルヘテロ接合構造部1
4のうち、上記SiO2 膜12のストライプ状の開口部
32に形成されたダブルヘテロ接合構造部14は、その
直下の上記p型−基板11の表面がCrイオン注入領域
33により高抵抗とされているために電流は流れず、し
たがってレーザ発振も起こらないため、支持層31とし
てのみ機能する。
【0072】こうして、マウント面積を稼ぐことで、マ
ウント時の強度を補強することが可能な、支持層31を
有する半導体レーザ素子が得られる。上記したように、
ダブルヘテロ接合構造部と多層反射膜とを連続して形成
できるようにしている。
【0073】すなわち、成長条件に応じて、特定の面方
位をもつGaAs基板の垂直方向および水平方向に対す
る選択成長によってプレーナ成長またはラテラル成長が
可能なMOCVDにより、ダブルヘテロ接合構造部の形
成と多層反射膜の形成とを行うようにしている。これに
より、精密な膜厚制御が可能で、共振器端面に与えるダ
メージを軽減しつつ、多層反射膜を容易に形成できるよ
うになるため、多層反射膜の反射率を精密に制御するこ
とおよび反射膜形成時の端面へのダメージを低減するこ
とが可能となる。したがって、特性が安定で、信頼性の
高い素子を安定に得ることができるようになるものであ
る。
【0074】しかも、ダブルヘテロ接合構造部の形成か
ら反射膜の形成までを一回のMOCVDにより連続して
形成できるようになるため、大幅な工程の簡素化によ
り、量産性に富んだものとすることができる。
【0075】なお、上記実施例においては、多層反射膜
の反射率を80%とした場合について説明したが、これ
に限らず、たとえば反射膜の反射率の制御は積層した膜
の数などにより調整できるものであり、設計する素子の
目的などに応じて積層する膜の数や結晶材料(屈折率)
を任意に選択することが可能である。
【0076】また、基板としてGaAsを、結晶成長に
InGaAlP系材料を用いるものに限らず、たとえば
InPからなる基板と、InGaAs・InGaAsP
からなる結晶成長材料との組み合わせや、GaAs基板
とAlGaAs・ZnSeからなる結晶成長材料との組
み合わせなど、MOCVD法によりプレーナ方向とラテ
ラル方向への選択成長が可能であれば、上記実施例以外
の組み合わせによっても同様の効果が期待できる。その
他、この発明の要旨を変えない範囲において、種々変形
実施可能なことは勿論である。
【0077】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、素子にダメージを与えることなく、精密な膜厚制御
により所望の反射率を有する反射膜を容易に形成でき、
特性が安定で、信頼性が高く、しかも簡易な製造プロセ
スにより得ることが可能な半導体レーザ装置およびその
製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例にかかる半導体レーザ
素子の概略を示す構成図。
【図2】同じく、半導体レーザ素子の製造にかかるSi
2 膜の作成工程を概略的に示す図。
【図3】同じく、半導体レーザ素子の製造にかかるダブ
ルヘテロ接合構造部の作成工程を概略的に示す図。
【図4】同じく、半導体レーザ素子の製造にかかる多層
反射膜の作成工程を概略的に示す図。
【図5】この発明の第2の実施例にかかる半導体レーザ
素子の概略を示す構成図。
【図6】同じく、半導体レーザ素子の製造にかかる電流
狭窄層の作成工程を概略的に示す図。
【図7】同じく、半導体レーザ素子の製造にかかるSi
2 膜の作成工程を概略的に示す図。
【図8】同じく、半導体レーザ素子の製造にかかるダブ
ルヘテロ接合構造部の作成工程を概略的に示す図。
【図9】同じく、半導体レーザ素子の製造にかかる多層
反射膜の作成工程を概略的に示す図。
【図10】この発明の第3の実施例にかかる半導体レー
ザ素子の概略を示す構成図。
【図11】同じく、半導体レーザ素子の製造にかかるS
iO2 膜およびイオン注入領域の作成工程を概略的に示
す図。
【図12】同じく、半導体レーザ素子の製造にかかるダ
ブルヘテロ接合構造部の作成工程を概略的に示す図。
【図13】同じく、半導体レーザ素子の製造にかかる多
層反射膜の作成工程を概略的に示す図。
【図14】従来技術とその問題点を説明するために示す
半導体レーザ素子の作成工程別の断面図。
【図15】同じく、半導体レーザ素子の製造にかかる多
層反射膜の作成工程を概略的に示す図。
【符号の説明】
11…p導電型GaAs基板、12…SiO2 膜、13
…矩形状開口部、14…ダブルヘテロ接合構造部、14
a…p導電型In0.5 Ga0.5 P通電容易層、14b…
p導電型In0.5 (Ga0.3 Al0.70.5 Pクラッド
層、14c…In0.5 Ga0.5 P活性層、14d…n導
電型In1-0.5 (Ga0.3 Al0.70.5 Pクラッド
層、14e…n導電型GaAsオーミックコンタクト
層、15…多層反射膜、15a…In0.5 Al0.5
層、15b…In0.5 (Ga0.3 Al0.70.5 P層、
16…p導電型AuZn/Au電極、17…n導電型A
uGe/Au電極、21…n導電型GaAs電流狭窄
層、31…支持層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の面方位をもつ半導体基板と、 この半導体基板上に設けられた矩形状開口部を有する誘
    電体膜と、 この誘電体膜の前記開口部より露出する前記半導体基板
    の表面に形成されてなるダブルヘテロ接合構造部と、 このダブルヘテロ接合構造部の側面に形成された少なく
    とも一つ以上の高抵抗層からなる反射膜とを具備したこ
    とを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記ダブルヘテロ接合構造部は、前記半
    導体基板の垂直方向に第1のクラッド層、活性層、第2
    のクラッド層、およびオーミックコンタクト層を順に積
    層してなり、かつ前記半導体基板に対してリッジ状に形
    成してなることを特徴とする請求項1に記載の半導体レ
    ーザ装置。
  3. 【請求項3】 特定の面方位をもつ半導体基板上に矩形
    状開口部を有する誘電体膜を形成する工程と、 この誘電体膜の前記開口部より露出する前記半導体基板
    の表面に、その垂直方向に第1のクラッド層、活性層、
    第2のクラッド層、およびオーミックコンタクト層から
    なるリッジ状のダブルヘテロ接合構造部を形成する工程
    と、 このダブルヘテロ接合構造部の側面に、その水平方向に
    少なくとも一つ以上の高抵抗層からなる反射膜を形成す
    る工程とからなることを特徴とする半導体レーザ装置の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記工程における前記ダブルヘテロ接合
    構造部および前記反射膜の形成は、有機金属気相成長法
    により連続的に行うことを特徴とする請求項3に記載の
    半導体レーザ装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005166945A (ja) * 2003-12-02 2005-06-23 Nichia Chem Ind Ltd 半導体レーザ素子の製造方法及び半導体レーザ素子

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