JPH087841B2 - 絵動作付小型レコード再生装置 - Google Patents

絵動作付小型レコード再生装置

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JPH087841B2
JPH087841B2 JP18280493A JP18280493A JPH087841B2 JP H087841 B2 JPH087841 B2 JP H087841B2 JP 18280493 A JP18280493 A JP 18280493A JP 18280493 A JP18280493 A JP 18280493A JP H087841 B2 JPH087841 B2 JP H087841B2
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義久 菅野
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株式会社オーゼン
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば子供向けの玩
具,キーホルダーあるいは小型ゲーム等として用いて好
適な絵動作付小型レコード再生装置に係り、さらに詳し
くは、手動の駆動機構によってレコードを回転させて音
声を増幅するとともに絵盤が揺動するようにした絵動作
付小型レコード再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のレコード再生装置には、
例えば特開平1─290162号公報に開示されたもの
がある。すなわち、この装置は、ターンテーブルと一体
になったレコードと、レコードの駆動装置である摩擦駆
動輪とをケーシング内に平行に配設し、このレコードの
上側では音溝を走査するピックアップをケーシング側に
固定された臼状のスピーカコーンに当接させている。そ
して、このターンテーブルの周面側には下方に連れて小
径となるテーパを形成しており、前記摩擦駆動輪をター
ンテーブル側に進退可能な構造とすることにより、摩擦
駆動輪の周縁が前記テーパに当接してターンテーブル及
びレコードを昇降させ、以てピックアップの針圧の付加
及び解除を行う針圧機構を構成している。
【0003】したがって、この装置は、摩擦駆動輪を回
転させることにより、この摩擦駆動輪がターンテーブル
をピックアップ側に動かし、ピックアップに針圧が付加
された状態でレコードを回転させることによって、ピッ
クアップが音溝を走査してレコードを再生する構造とな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
レコード再生装置は、単に音声のみを表現するものであ
ったため、例えば子供向けの玩具として商品化するに
は、音声による表現とともに視覚的にも表現し得る手段
を付随させ、商品としての特徴を持たせる必要があっ
た。
【0005】本発明は、上記の問題に着目してなされた
ものであって、その目的は、簡素な構造で音声の再生と
絵盤の揺動を同時に行い得る絵動作付小型レコード再生
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の絵動作付小型レ
コード再生装置は、内面側に音響盤を備えたケーシング
の内部に、音溝を形成したレコードと、このレコードを
回転させる駆動機構と、前記レコードの回転に伴い前記
音溝を走査しかつこの走査時の振動を前記音響盤に伝達
するピックアップと、このピックアップに針圧を付加す
る針圧機構と、前記駆動機構の駆動に連動して前記ピッ
クアップへの針圧を解除する針圧解除機構と、この針圧
解除機構の針圧解除時に前記ピックアップを前記レコー
ドの周縁方向に付勢するリターンスプリングと、を設け
た小型レコード再生装置において、前記駆動機構に、こ
の駆動機構の駆動とともに動作するカムを、前記ケーシ
ングの外面より外側へ突出させて配設するとともに、前
記ケーシング外側に揺動可能に支持した絵盤に前記カム
を係合したことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の絵動作付小型レコード再生装置によれ
ば、駆動機構を駆動してレコードを回転させるととも
に、針圧機構によってピックアップに針圧を付加させる
と、ケーシングの内部ではレコードに形成した音溝をピ
ックアップが走査するとともに、この走査時の振動をケ
ーシング内面側の音響盤に伝達し、この音響盤によって
音声が増幅される一方、ケーシングの外面側では駆動機
構の駆動と同時にカムが動作し始め、このカムとケーシ
ングの外面に支持された絵盤が前記カムの動作に伴って
揺動する。この後、ピックアップがレコードの音溝を走
査し終えたとき、さらに駆動機構を駆動し、針圧解除機
構によってピックアップの針圧を解除させると、ケーシ
ングの内部ではピックアップがリターンスプリングによ
ってレコードの周縁方向に付勢される一方、ケーシング
の外面側では、絵盤がカムの動作に伴って揺動する。
【0008】このように、ケーシングの内部では音声の
再生を行うとともに、外面側では絵盤が動作する装置を
実現でき、この装置を例えば子供向けの玩具,キーホル
ダーあるいは小型ゲーム等の様々な目的に沿って構成す
ることが可能である。また、ケーシングの外面における
前記絵盤の支持位置を適宜変えることで、絵盤の動作を
多様化させることも可能である。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図1ないし図7は、本発明の実施例を示す
図であって、図1は絵動作付小型レコード再生装置の側
断面図である。この図の如く、絵動作付小型レコード再
生装置のケーシング1は、下部の本体2と上部の蓋体3
とからなり、平面及び底面が広く、厚さの薄い平箱状を
なすとともに、蓋体3は音響盤から形成され、外面側に
は、透明なプラスチック材からなる壁部3a及び板部3
bが取り付けられている。そして、ケーシング1内部に
は、レコード4,駆動機構たるクラッチ板5及びローラ
6を互いに平行となるように本体2と蓋体3との間に枢
支している。また、レコード4とケーシング1の本体2
との間には、レコード4を上側へ付勢する針圧スプリン
グ7を配置し、さらにレコード4及びクラッチ板5のそ
れぞれの中央部には、この例ではこれらレコード4及び
クラッチ板5とに一体的に形成した針圧解除機構8を設
けており、これら針圧スプリング7と針圧解除機構8と
によって針圧機構9が構成される。
【0010】針圧解除機構8の構成は、以下の通りであ
る。すなわち、図7にその分解斜視図を示すように、ク
ラッチ板5の中央部に形成されたクラッチ板側部材11
と、レコード4の中央部に形成されたレコード側部材1
2とからなり、両部材11,12は、中央に中心孔11
a,12aが開設された形状を有する。そして、これら
両部材11,12の中心孔11a,12aには、レコー
ド側部材12の下面に針圧スプリング7を配置した上
で、ケーシング1の本体2に立設された枢軸2aを嵌入
して両部材11,12を同心に枢支し、したがってレコ
ード4とクラッチ板5とを同心に枢支している。なお、
図1に示すように、これらを組み立てた状態において
は、針圧スプリング7がレコード4及びクラッチ板5を
ケーシング1の蓋体3側に付勢して、レコード4を後述
するピックアップに当接する高さ(以下、再生高さhと
いう)に押し上げる。また、枢軸2a周辺の所定の位置
には突起が形成され、これが針圧スプリング7が逆方向
に回転した場合のストッパ2bとなる。
【0011】さらに、これら両部材11,12が互いに
対向するそれぞれの面には、前記中心孔11a,12a
の周縁に沿って二つの作動爪13を形成している。この
作動爪13は、枢軸2aに対して平行に立ち上がる噛合
辺13aと、なだらかな斜度を有する傾斜辺13bとを
有して山形の形状をなし、両部材11,12の作動爪1
3が噛合し、噛合辺13a同士が当接する。なお、以下
において噛合辺13a同士に力がかかる方向の回転を順
方向の回転と呼び、傾斜辺13b同士に力がかかる方向
の回転を逆方向の回転と呼ぶ。
【0012】一方、前記クラッチ板5に形成したクラッ
チ板側部材11には、レコード4及びクラッチ板5の回
転の伴って偏心回転する突起状のカム21が取り付けら
れており、このカム21は、ケーシング1の蓋体3に形
成した貫通孔3cを通ってこの蓋体3から外側に向けて
突出している。前記貫通孔3cは、枢軸2aの延長線上
の位置であって、クラッチ板5の回転に伴うカム21の
軌跡より若干大きく形成している。また、蓋体3の外面
側には、貫通孔3cから所定距離離して支軸22を取り
付けており、この支軸22と前記カム21とによって、
絵盤23が蓋体3と板部3bとの間で支持されている。
絵盤23は、この例では動物が描かれたものであって、
裏面には互いに平行する二つのカム板23a,23bが
固着されており、このカム板23a,23bの間にカム
21が位置し、かつ支軸22に絵盤23の一部を固定す
ることにより、前記絵盤23がカム21の回転に伴って
上下方向に揺動するようになっている。
【0013】また、図2には、図1のA─A線による同
レコード再生装置の正断面図を示すが、ローラ6の回転
軸6aが枢支されるケーシング1側の支持孔6bは長孔
であって、このローラ6が枢軸2a方向に進退可能な構
造となっており、ローラ6を枢軸2a方向に進出させた
上で回転させると、その周側面がクラッチ板5の周側面
と当接し、この各々の周側面での摩擦力によって回転が
伝達される構造となっている。また、レコード4の上側
にはトーンアーム25を配設しており、その基端25a
がケーシング1の本体2側に枢支されるとともに、その
先端25bに固定されたピックアップ26がこの基端2
5aを中心として回動する。また、このトーンアーム2
5には、これをレコード4周縁方向に付勢するリターン
スプリング27の一端が固定されており、このリターン
スプリング27は、本体2に立設した固定軸2cに取り
付けられるとともに、他端が固定軸2c近傍に立設した
対軸2dに挟まれている。なお、ケーシング1の本体2
には、トーンアーム25のストッパ2eが形成されてお
り、トーンアーム25がリターンスプリング27により
復帰した際に、ピックアップ26が音溝4aの始端に嵌
合する再生待機位置に停止するように位置決めを行う。
【0014】次に、上記のように構成された絵動作付小
型レコード再生装置の使用例について説明する。先ず、
トーンアーム25が再生待機位置にある状態で、ケーシ
ング1を人手等によって把持し、ローラ6を壁や地面等
に押し当てて絵動作付小型レコード再生装置をローラ6
側へ動かすと、ローラ6の周側面がクラッチ板5の周側
面に当接し、この回転が摩擦力によって伝達されてクラ
ッチ板5が前記順方向に回転を始める。このとき、クラ
ッチ板側部材11とレコード側部材12の作動爪13
は、クラッチ板側部材11の噛合辺13aがレコード側
部材12の噛合辺13aを押圧して、レコード側部材1
2にクラッチ板側部材11の回転を伝達し、レコード4
が回転する。さらに、レコード4は、針圧スプリング7
の付勢力により前記再生高さhにあるために、レコード
4の回転に伴ってピックアップ26が音溝4aの走査を
開始し、この走査時の振動が音響盤によって増幅されて
レコード4が再生される。
【0015】このようなレコード4の再生と同時に、ケ
ーシング1の蓋体3と板部3bとの間では、絵盤23が
次のように動作する。すなわち、先ず図3に示すよう
に、トーンアーム25が再生待機位置にあるときに、カ
ム21はαの位置(両カム板23a,23bの長手方向
中心)にあるとする。この状態で、ローラ6が前記順方
向に回転すると、クラッチ板5は前記逆方向に回転する
から、カム21は両カム板23a,23bと当接しつつ
このクラッチ板5と同じ逆方向に回転し、前記αの位置
から90°回転したβの位置に到って両カム板23a,
23bの右端側に位置する。さらにこのβに位置から9
0°回転してγの位置に到ると、カム21は再び両カム
板23a,23bの長手方向中心に位置し、さらにγの
位置から90°回転してδに位置に到ったとき、カム2
1は両カム板23a,23bの左端側に位置し、この後
前記αの位置へと戻る。つまり、カム21がクラッチ板
5の回転に伴いα→β→γ→δの位置へと移動するに伴
い、このカム21は、両カム板23a,23bに相対し
て往復直線運動を行うことになり、したがって絵盤23
は、カム21が逆方向に連続的に回転するに伴い上下方
向に揺動することになる。
【0016】一方、ピックアップ26が音溝4aの終端
に到り、レコード4の再生を終了すると、今度は絵動作
付小型レコード再生装置をピックアップ26側へ動か
し、クラッチ板5を前記とは逆方向に回転させる。この
とき、両部材の作動爪13は、一方の傾斜辺13bが他
方の傾斜辺13bに乗り上げるために、両部材11,1
2間の間隔が開き、レコード側部材12は針圧スプリン
グ7の付勢力に抗して下降し、レコード4を再生高さh
より低く押し下げる。この状態では、ピックアップ26
の針圧が解除されてレコード4との噛合が解け、トーン
アーム25がリターンスプリング27の付勢力によって
再生待機位置に復帰することになる。なお、このとき針
圧スプリング7の端部がストッパ2bに係止されるため
に、レコード側部材12が連れ回りすることはなく、し
たがってレコード4が逆再生されることはない。
【0017】このようにローラ6を逆回転させた場合
は、上記したカム21は順方向に回転し、図3において
δ→γ→β→αと移動するが、このカム21と両カム板
23a,23bとの相対的な往復直線運動には変わりが
ないから、絵盤23は、カム21が順方向に連続的に回
転するに伴い上下方向に揺動することになる。したがっ
て、さらに上記と同様の作動を繰り返せば、連続してレ
コード4を再生することができる。
【0018】また、図5には、上述した絵動作付小型レ
コード再生装置とは別の例を示す。この図に示す例は、
上記の絵動作付小型レコード再生装置においてクラッチ
板5のクラッチ板側部材11に取り付けていたカム21
を、ローラ6の回転軸6aに取り付けたものである。す
なわち、回転軸6aを蓋体3の外面上まで延在させ、こ
の回転軸6aに、円盤31に突起状のカム32を固着し
たカム装置33を取り付けており、この場合前記絵盤2
3のカム板23a,23bは、ローラ6の回転軸6a上
の位置に合わせて取り付けている。このように構成した
絵動作付小型レコード再生装置では、カム32はローラ
6の回転方向と同じ方向で回転することになるが、カム
32とカム板23a,23bとの相対的な往復直線運動
には変わりがなく、したがって絵盤23は、カム21が
順方向に連続的に回転するに伴い上下方向に揺動するこ
とになる。
【0019】さらに、図6に示すように、蓋体3に予め
複数の貫通孔を形成しておき、これとは別に支軸35に
鍔36を設けた支軸ピン37を形成して前記複数の貫通
孔に適宜差し換えたり、複数の支軸ピン37で絵盤23
を支持させるようにすると、一つの装置において絵盤2
3を多様に動作させることができるとともに、複数の絵
盤を動作させることもできる。また、図示しないがカム
と支軸とをケーシングの内部において歯車に固定し、こ
れらを固定した歯車の間に別の歯車を介在させると、カ
ムの回転に対して支軸を減速あるいは増速させることも
でき、この場合はさらに多様な絵盤の動作を実現でき
る。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の絵動作付小型レコード再生装置によれば、ケーシング
の内部では音声の再生を行うとともに、外面側では絵盤
が動作する装置を実現することができ、これによってこ
の装置を例えば子供向けの玩具,キーホルダーあるいは
小型ゲーム等の様々な目的に沿って構成することができ
るといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における絵動作付小型レコード再生装
置の側断面図である。
【図2】図1のA─A線断面図である。
【図3】本実施例における絵動作付小型レコード再生装
置の正面図である。
【図4】本実施例におけるケーシングと絵盤との取り付
け状態を示す説明図である。
【図5】絵動作付小型レコード再生装置の他の例を示す
側断面図である。
【図6】本実施例における蓋体と支持ピンとを示す斜視
図である。
【図7】本実施例における針圧機構の詳細を示す分解斜
視図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 4 レコード 4a 音溝 5 クラッチ板(駆動機構) 6 ローラ(駆動機構) 8 針圧解除機構 9 針圧機構 21 カム 23 絵盤 26 ピックアップ 27 リターンスプリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面側に音響盤を備えたケーシングの内
    部に、音溝を形成したレコードと、このレコードを回転
    させる駆動機構と、前記レコードの回転に伴い前記音溝
    を走査しかつこの走査時の振動を前記音響盤に伝達する
    ピックアップと、このピックアップに針圧を付加する針
    圧機構と、前記駆動機構の駆動に連動して前記ピックア
    ップへの針圧を解除する針圧解除機構と、この針圧解除
    機構の針圧解除時に前記ピックアップを前記レコードの
    周縁方向に付勢するリターンスプリングと、を設けた小
    型レコード再生装置において、前記駆動機構に、この駆
    動機構の駆動とともに動作するカムを、前記ケーシング
    の外面より外側へ突出させて配設するとともに、前記ケ
    ーシング外側に揺動可能に支持した絵盤に前記カムを係
    合したことを特徴とする絵動作付小型レコード再生装
    置。
JP18280493A 1993-07-23 1993-07-23 絵動作付小型レコード再生装置 Expired - Fee Related JPH087841B2 (ja)

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