JPH087828Y2 - リニア直流ブラシレスモータ - Google Patents

リニア直流ブラシレスモータ

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JPH087828Y2
JPH087828Y2 JP1990020121U JP2012190U JPH087828Y2 JP H087828 Y2 JPH087828 Y2 JP H087828Y2 JP 1990020121 U JP1990020121 U JP 1990020121U JP 2012190 U JP2012190 U JP 2012190U JP H087828 Y2 JPH087828 Y2 JP H087828Y2
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政行 逢坂
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株式会社シコー技研
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Description

【考案の詳細な説明】 [考案の産業上の利用分野] 本考案は,滑らかな推力リップル特性の得られる多極
多相形のリニア直流ブラシレスモータに関し,その特徴
とするところは,磁極判別素子を滑らかな推力リップル
が得られる位置に配設しても磁極判別素子と電機子コイ
ルが重ならないようにでき,且つ大きな推力が得られる
ようにすると共に磁極判別素子及び電機子コイルの配設
を容易にして組立工程を容易にした点にあり,各種のリ
ニアテーブル,精密測定装置など多くの分野に適するも
のである。
[従来技術とその問題点] 多極多相形のリニア直流ブラシレスモータでは,磁極
判別素子によって界磁マグネットの磁極の判別を行っ
て,電機子コイルへ適宜方向の通電切換を行う必要があ
る。このようなリニア直流ブラシレスモータでは,回転
形ブラシレスモータと異なり移動子又は固定子が有限長
であるほか,端効果が発生するため,回転形ブラシレス
モータと同じような考え方で磁極判別素子を配設したの
では,滑らかな推力リップル特性のリニア直流ブラシレ
スモータを得ることができない。このことは,白木・宮
尾著『図解・リニアサーボモータとシステム設計』(昭
和61年3月20日発行・電子総合出版刊)P157〜168で既
に知られている。
即ち,リニア直流ブラシレスモータの場合,電機子コ
イルの発生推力に寄与する導体部と同相位置の他の電機
子コイルと重ならない位置に磁極判別素子を配設する
と,推力リップル特性が悪くなり,移動子を滑らかに走
行させることができなくなる欠点を持つ。
このように多極多相形のリニア直流ブラシレスモータ
では,磁極判別素子の配設位置は,その特性に大きな影
響を与える。
このため,リニア直流ブラシレスモータの場合,界磁
マグネットと対向する電機子コイルの推力に寄与する導
体部(尚,磁極判別素子の配設位置における導体部を考
慮するときは,この導体部のほぼ真ん中の中心線を基準
に考える。以下同様)と対向する位置に磁極判別素子を
配設して滑らかな推力リップル特性を得て,移動子を滑
らかに走行できるようにしている。
即ち従来では,第3図に示すように空心型矩形枠状の
電機子コイル1の図示しない移動子の移動方向と直交す
るL幅の推力の発生に寄与する導体部1aまたは1bと該導
体部1aまたは1bと移動子の移動方向と平行な推力の発生
に寄与しない導体部1cまたは1dとが交叉する当該電機子
コイル1の図示しない界磁マグネットとの対向する導体
部2上に当該電機子コイル1のための磁極判別素子3を
配設していた。
しかし,この方法によると,電機子コイル1の界磁マ
グネットと対向する推力の発生に寄与する導体部1aまた
は1b面上に磁極判別素子3を配設することになるので,
該磁極判別素子3の厚み分だけ界磁マグネットと面対向
する上記電機子コイル1を配設したステータヨーク間の
磁気空隙長が増加し,結果としてその分だけ電機子コイ
ル1に到来する磁束密度も弱まり,大きな推力が得られ
ない欠点があった。
そこで,これを改良する為に,従来では,第4図及び
第5図[第5図においてはプリント配線基板8を省略し
ている]に示す方法を採用していた。
この多極多相形の可動マグネット形リニア直流ブラシ
レスモータLDMは,上記電機子コイル1群からなるコア
レスステータ電機子4と微小空隙を介して移動子5の移
動方向の幅がそれぞれT幅のN極,S極の磁極を隣接配設
して形成した多極形の界磁マグネット6を移動子として
用いたものとなっている。コアレスステータ電機子4を
構成する矩形枠状の電機子コイル1の上記推力の発生に
寄与しない導体部1c,1dは,推力の発生に寄与しない導
体部部分が多いことから,この導体部1c,1dの長さ幅α
だけ移動子5の移動方向の幅が狭いL′(L=L′+
α)幅の界磁マグネット6を用いている。
このように形成した可動マグネット型リニアDブラシ
レスモータLDMによれば,界磁マグネット6の幅が狭く
なっているため,推力の発生に寄与する導体部1a,1bと
推力の発生に寄与しない導体部1c,1dとが交叉する導体
部2上にホール素子やホールIC等の磁極判別素子3を配
設しても,この磁極判別素子3は界磁マグネット6と対
向しないために,従来のように磁極判別素子3の厚み分
だけ界磁マグネット6と面対向する上記電機子コイル1
を配設したステータヨーク7間の磁気空隙長が増加しな
いで済み,その結果,電機子コイル1に到来する磁束密
度も高まり,大きな推力が得られる利点がある。
尚,符号7はステータヨーク兼リニアガイドを示し,
符号8はコアレスステータ電機子4の界磁マグネット6
と対向する面に配設した非磁性体からなるプリント配線
基板で,磁極判別素子3の端子及び電機子コイル1群の
電気的結線を行う図示しないプリント配線パターンが形
成してある。符号9は移動子5を形成する走行ヨーク
で,その両側は下面方向に延長して延長折曲部9aを形成
しており,該延長折曲部9aに回動自在に取り付けたガイ
ドローラ10を上記ステータヨーク兼リニアガイド7の両
側面にガイドさせて走らせることで,界磁マグネット6
を取り付けた走行ヨーク9からなる移動子5をコアレス
ステータ電機子4などからなる固定子11と相対的直線移
動をなすように構成している。符号12は固定子11の固定
基台を示す。
かかるリニア直流ブラシレスモータLDMは実用化さ
れ,十分な成果を上げている有用なものである。
しかしながら,かかるリニア直流ブラシレスモータLD
Mは,推力の小さな小型の場合には,有利であるが,更
に大きな推力を得るために大型の構造のものに形成する
と当然のことながら当該リニア直流ブラシレスモータLD
Mも大型のものになり,これに用いる電機子コイル1の
形状も大きくなり,推力の発生に寄与する導体部1a,1b
及び推力の発生に寄与しない導体部1c,1d共々大きな幅
のものに形成される。
このため,推力の発生に寄与する導体部1a,1bと推力
の発生に寄与しない導体部1c,1dとが交叉する導体部2
の部分は上記推力の発生に寄与する導体部1a,1b部分も
大きな幅が占領するため,推力の発生において無視し得
るものでなくなる。
従って,上記導体部2を無視した上記構造のリニア直
流ブラシレスモータLDM構造とすると,上記導体部2を
構成する推力の発生に寄与する導体部1a,1b部分によっ
て得られる推力が無駄になり,その分大きな推力が得ら
れなくなる。
すなわち,上記導体部2を構成する推力の発生に寄与
する導体部1a,1b部分によって得られる推力を有効に生
かして,より大きな推力を得ることができるリニア直流
ブラシレスモータを得ようとすると,上記界磁マグネッ
ト6の移動子の移動方向と直角方向の幅も上記導体部2
と対向することができる大きさの幅Lを持ったものに形
成することが望ましい。
即ち,第6図に示すようなリニア直流ブラシレスモー
タLDM−1構造とすることである。
尚,第6図では第4図及び第5図と共通する箇所は,
同一符号を用いてその説明を省略する。符号6′は,推
力の発生に寄与しない導体部1c,1dの幅αだけ界磁マグ
ネット6よりも両側に長く形成した界磁マグネット[第
7図参照]を示す。
しかしながら,このように構成すると,上記したと同
様に電機子コイル1の界磁マグネット6′と対向する推
力の発生に寄与する導体部1aまたは1bの導体部2[第3
図参照]面上に磁極判別素子3を配設することになるの
で,該磁極判別素子3の厚み分だけ界磁マグネット6′
と面対向する上記電機子コイル1を配設したステータヨ
ーク7間の磁気空隙13の長さが増加し,結果としてその
分だけ電機子コイル1に到来する磁束密度も弱まり,大
きな推力が得られない欠点を有する。
このため,電機子コイル1の上記導体部2の部分をも
有効に活用して,該導体部2によっても推力を発生する
ようにするため,従来では,第8図の可動マグネット型
リニア直流ブラシレスモータLDM−2に示すように電機
子コイル1の推力の発生に寄与する導体部1aまたは1b
[図では導体部1bを選択している]の延長上のプリント
配線基板8′位置に磁極判別素子3を配設していた。
しかも界磁マグネットの漏洩磁束を検出する方法で
は,確実な位置検知を行って正確に電機子コイル1の電
流切換を行うには信頼性に乏しくなるため,このリニア
直流ブラシレスモータLDM−2では,界磁マグネット6
−1は磁極判別素子3にまで対向するようにβ幅の長さ
を増やした幅,即ちL″(=L+β)幅のものを用い,
強い検出磁束を得て確実な位置検出を行えるようにして
いる。尚,符号9′は,界磁マグネット6−1の上面に
固定した走行ヨークを示す。
しかしながら,かかるリニア直流ブラシレスモータLD
M−2によると,上記増加した幅βの分だけ界磁マグネ
ット6−1が重量を増加しているので,該界磁マグネッ
ト6−1に付設する走行ヨーク9′等の重量も増加し,
負荷が大きくなり,外部利用のための出力効率が悪くな
り,而も大型化して高価になる欠点がある。
[考案の課題] 本願考案は,上記事情を考慮してなされたもので,
磁極判別素子は電機子コイルの推力の発生に寄与する導
体部と対向する位置に配設することが滑らかな推力リッ
プルが得られることから,かかる位置に磁極判別素子を
配設したと同じような位置に配設しても電機子コイルと
重ならないように配設できるようにすることで,極めて
容易に磁極判別素子を配設できるようにして,組立調整
を容易にし且つ安価にリニア直流ブラシレスモータを製
造できるようにすること,界磁マグネットの移動子と
直交する方向の幅を電機子コイルの移動子と直交する方
向の幅と同じ幅に形成しても,界磁マグネットとステー
タ電機子側のステータヨーク間の磁気空隙の長さを長く
しないで済むようにして,尚且つ界磁マグネットの移動
子の移動方向と直交する方向の幅を無駄に長くしない
で,安価にして尚且つ推力の向上を図ること, といった課題を解決したリニア直流ブラシレスモータ
を得ることを課題になされたものである。その他の課題
は,以下の説明にて明らかにする。
[考案の課題達成手段] かかる本考案の課題は,隣り配置の磁極が異極となる
ようにN極,S極の磁極をP(Pは2以上の整数)個備え
て界磁マグネットを形成し,該界磁マグネットと対向す
る位置に移動子の移動方向に沿ってn(nは2以上の整
数)個の空心型の電機子コイル群を配設してコアレス電
機子を形成し,該コアレス電機子側に磁極判別素子を設
け,上記界磁マグネット若しくは磁極判別素子を有する
コアレス電機子の何れか一方を相対的移動する移動子と
し,他方を固定子としてなるリニア直流ブラシレスモー
タにおいて,下記構成要素〜からなることを特徴と
するリニア直流ブラシレスモータを提供することによっ
て達成できる。
構成要素;上記電機子コイルは,上記移動子の移動
方向と直角な方向の長さ幅が上記界磁マグネットの移動
子の移動方向と直角な方向の幅の長さとほぼ等しく形成
され,電機子コイルと界磁マグネットとが等しく上記直
角方向の幅において対向していること。
構成要素;上記電機子コイルは上記移動子の移動方
向と直角な方向の導体部のほぼ真ん中の中心線の延長位
置と上記移動子の移動方向と平行な方向の導体部のほぼ
真ん中の中心線の延長位置において互いに交叉する電機
子コイルの一つの角部外周位置に磁極判別素子を電機子
コイルと重ならないように配設することができるように
当該電機子コイルの一つの角部導体部を内側に巻回形成
して磁極判別素子配設用スペースを有することができる
ような空心型形状に形成されていること。
構成要素;電子コイルの上記移動子の移動方向と直
角な方向の推力の発生に寄与する導体部のほぼ真ん中の
中心線のと上記移動子の移動方向と平行な方向の導体部
のほぼ真ん中の中心線のとが交叉する電機子コイルと重
ならない当該電機子コイル外周の上記磁極判別素子配設
用スペース位置に磁極判別素子を電機子コイルと重なら
ないように配設していること。
[考案の実施例] 第1図は本考案の一実施例を示す多極多相形の可動マ
グネット型リニア直流ブラシレスモータLDM−3の主要
部を示す分解斜視図,第2図は界磁マグネット6′とコ
アレスステータ電機子4′との展開図を示す。
第1図及び第2図を参照して,可動マグネット型リニ
ア直流ブラシレスモータLDM−3は,長板状のステータ
ベース14にスタッド15を用いてその上部に磁性体からな
る長板状のステータヨーク16を配設固定し,該ステータ
ヨーク16の下面とステータベース14間に制御回路内蔵用
空隙部を形成している。符号29は,上記制御回路内蔵用
空隙部内に内蔵した図示しない制御回路に接続されたリ
ード線を示す。
ステータヨーク16の上面には,プリント配線基板17を
配設し,電機子コイル1′群及び後記する位置に磁極変
換素子3を配設している。
上記ステータヨーク16の側面部には,その外側方向に
突出する横断面三角形状のリニアガイド用突起18が一体
形成されていて図示しない移動子本体に取り付けた同じ
く図示しないガイドローラとによってリニアガイドを構
成している。プリント配線基板17の上面には,移動子19
の移動方向に沿って6個の空心型の電機子コイル1′−
1,1′−2,1′−3,1′−4,1′−5,1′−6を重畳しない
ように密接して隣接配設してコアレス構造のコアレスス
テータ電機子4′を形成している。
電機子コイル1′について説明すると,この電機子コ
イル1′は,移動子19の移動方向と直角な方向の幅が略
L幅の長さに形成され,電機子コイル1′と界磁マグネ
ット6′とが等しく上記直角方向の幅において対向し,
第7図に示したと同様の界磁マグネット6′の移動子19
の移動方向と直角な方向の幅の長さLとほぼ等しい幅に
形成された空心型のものになっている。しかも電機子コ
イル1′は,移動子19の移動方向と直角な方向に延びた
導体部1′a又は1′bのほぼ真ん中の中心線と,移動
子19の移動方向と平行な方向の導体部1′cのほぼ真ん
中の中心線とが交叉する一つの角部位置の導体部を内側
に巻回して迂回導体部1′Aを形成した導線を多数ター
ン巻回して形成した空心型のものとしている。このこと
により磁極判別素子3を電機子コイル1′と重ならない
ように配設することができる磁極判別素子配設用スペー
ス20を当該電機子コイル1′の角部の迂回導体部1′A
の外部に形成し,該磁極判別素子配設用スペース20位置
のプリント配線基板17に磁極判別素子3を配設してい
る。
上記電機子コイル1′は,効率及び性能の良好なリニ
ア往復通電方式を採用することができるように,推力の
発生に寄与する有効導体部1′aのほぼ真ん中の中心線
と1′bのほぼ真ん中の中心線との開角が,界磁マグネ
ット6′の走行方向における一磁極幅を略Tとする時,
略一磁極幅Tの開角となるように巻線形成されている。
尚,電機子コイル1′において,移動子19の移動方向
と平行な導体部1′c,1′dは,あまり推力の発生に寄
与しない導体部となっている。
従って,電機子コイル1′の上記導体部1′aのほぼ
真ん中の中心線または1′bのほぼ真ん中の中心線と
1′cのほぼ真ん中の中心線とが交叉する導体部の一つ
を上記のような迂回導体部1Aとしても,このことによる
推力の低下は少なくし得る。
電機子コイル1′−1,1′−2,1′−3の移動子19の移
動方向と直角な方向の推力の発生に寄与する導体部1′
aのほぼ真ん中の中心線と移動子19の移動方向と平行な
方向の導体部1′cのほぼ真ん中の中心線とがその延長
位置において交叉する位置に電機子コイル1′と重なら
ない当該電機子コイル1′の角部外周の上記磁極判別素
子配設用スペース20位置のプリント配線基板17面に磁極
判別素子3−1,3−2,3−3を電機子コイル1′と重なら
ないように配設している。また電機子コイル1′−4,
1′−5,1′−6の移動子19の移動方向と直角な方向の推
力の発生に寄与する導体部1′bのほぼ真ん中の中心線
と移動子19の移動方向と平行な方向の導体部1′cのほ
ぼ真ん中の中心線とがその延長位置において交叉する位
置の電機子コイル1′と重ならない当該電機子コイル
1′の角部外周の上記磁極判別素子配設用スペース20位
置のプリント配線基板17面に磁極判別素子3−4,3−5,3
−6を電機子コイル1′と重ならないように配設してい
る。
上記の位置に磁極判別素子3−1,…,3−6を配設する
ことで,移動子19の移動方向と直角な方向の幅が略L幅
の長さの電機子コイル1′とほぼ等しく,移動子19の移
動方向と直角な方向の幅の略長さLを持った界磁マグネ
ット6′を電機子コイル1′群からならるコアレスステ
ータ電機子4′と相対的移動するように配設したとして
も,界磁マグネット6′と空隙を介して対向する位置に
磁極判別素子3−1,…,3−6を配設してあるため,当該
界磁マグネット6′のN極,S極の磁極の磁束を検出でき
るので,正確な位置検出が行える。
また磁極判別素子3−1〜3−6は,2分割中心線21を
境として電機子コイル1′−1〜1′−6の迂回導体部
1Aを有する内側の有効導体部のほぼ真ん中の中心線の延
長した上記位置に配設している。
このように磁極判別素子3−1〜3−6を配設した理
由について以下に説明する。
もしも磁極判別素子3−1〜3−6全てを電機子コイ
ル1′−1〜1′−6の一方の推力の発生に寄与する導
体部1′aのほぼ真ん中の中心線または1′bのほぼ真
ん中の中心線を延長した上記位置に配設しておくと,上
記した位置に磁極判別素子3−1〜3−6を配設した場
合に比較して大きな推力が得られない場合があるためで
ある。
第2図を参照して界磁マグネット6′が,符号6″に
示す位置にあるとき,界磁マグネット6″は電機子コイ
ル1′−6,1′−5,1′−4と対向している。
この状態では,電機子コイル1′−5,1′−4は推力
の発生に寄与する状態にあるが,電機子コイル1′−6
においては,フレミングの左手の法則に従って推力を発
生できない状態にある。この時の推力は,主に電機子コ
イル1′−5,1′−4による合計4個の推力の発生に寄
与する有効導体部1′aと1′bにより発生する。
次に,界磁マグネット6′が矢印A方向に移動して符
号6で示す位置に移動すると,電機子コイル1′−6,
1′−5,1′−4,1′−3が界磁マグネット6と対向し
ていて,電機子コイル1′−5と1′−4の2つの推力
の発生に寄与する有効導体部1′aと1′bにより推力
が発生するほか,電機子コイル1′−3のための磁極判
別素子3−3も界磁マグネット6のS極の磁極を検出
するので,電機子コイル1′−3の推力の発生に寄与す
る有効導体部1′bによっても推力が発生する。
しかし,電機子コイル1′−6のための磁極判別素子
3−6を符号3′−6で示す位置に配設してあると,該
磁極判別素子3′−6は界磁マグネット6のN極の磁
極を検出していない状態にあるので,電機子コイル1′
−6が界磁マグネット6と対向していても推力を発生
することができない。
即ち,合計5個の推力の発生に寄与する有効導体部
1′aと1′bによる大きさの推力しか得ることができ
ない。
しかしながら,本考案のような位置に電機子コイル
1′−6のための磁極判別素子3−6を配設してある
と,該磁極判別素子3−6は界磁マグネット6のN極
の磁極を検出している状態にあるので,電機子コイル
1′−6の界磁マグネット6と対向している推力の発
生に寄与する有効導体部1′aによっても推力を発生さ
せることができる。
即ち,合計6個の推力の発生に寄与する有効導体部
1′aと1′bによる大きな推力を得ることができる。
更に,界磁マグネット6′が矢印A方向に移動して符
号6′で示す位置に移動すると,磁極判別素子を符号
3′−5または3−5,3′−4または3′−4で示す位
置に配設してあっても,推力は同一で,電機子コイル
1′−4と1′−3の合計4個の推力の発生に寄与する
有効導体部1′aと1′bによる大きさ推力しか得るこ
とができない。
ここで更に界磁マグネット6′が矢印A方向に移動し
て符号6′で示す位置に移動すると,電機子コイル
1′−5,1′−4,1′−3,1′−2が界磁マグネット6
′と対向していて,電機子コイル1′−4と1′−3
の2つの推力の発生に寄与する有効導体部1′aと1′
bにより推力が発生するほか,電機子コイル1′−2の
ための磁極判別素子3−2も界磁マグネット6′のS
極の磁極を検出するので,電機子コイル1′−2の推力
の発生に寄与する有効導体部1′aによっても推力が発
生する。
しかし,電機子コイル1′−5のための磁極判別素子
3−5を符号3′−5で示す位置に配設してあると,該
磁極判別素子3′−5は界磁マグネット6′のN極の
磁極を検出していない状態にあるので,電機子コイル
1′−5の界磁マグネット6′と対向していても推力
を発生することができない。
即ち,合計5個の推力の発生に寄与する有効導体部
1′aと1′bによる大きさの推力しか得ることができ
ない。
しかしながら,本考案のような位置に電機子コイル
1′−5のための磁極判別素子3−5を配設してある
と,該磁極判別素子3−5は界磁マグネット6′のN
極の磁極を検出している状態にあるので,電機子コイル
1′−5の界磁マグネット6′と対向している推力の
発生に寄与する有効導体部1′aによっても推力を発生
させることができる。
即ち,合計6個の推力の発生に寄与する有効導体部
1′aと1′bによる大きな推力を得ることができる。
上記のことは界磁マグネット6′が電機子コイル1′
−1と対向している状態から反矢印A方向に動いていく
場合でも,同様に考えることができる。
以上から明らかなように磁極判別素子3−1〜3−6
の配設次第によって,大きな推力を発生させることがで
きるので,6個の電機子コイル1′−1〜1′−6をそれ
ぞれ3個ずつ,即ち,3個の電機子コイル1′−1〜1′
−3と3個の電機子コイル1′−4〜1′−6とに2分
割中心線21を境として分け,3個の電機子コイル1′−1
〜1′−3のための磁極判別素子3−1〜3−3を2分
割中心線21に近い推力の発生に寄与する導体部1′bを
延長した上記位置に配設しており,また3個の電機子コ
イル1′−4〜1′−6のための磁極判別素子3−4〜
3−6を2分割中心線21に近い推力の発生に寄与する導
体部1′aを延長した上記位置に配設している。
上記ステータヨーク18の両端部には,上部方向に突出
する移動子19の脱出防止用突起22を設け,その内側にゴ
ム部材などの緩衝部材23を配設して移動子19の万が一の
脱線により暴走した場合の衝撃をやわらげるようにして
いる。
上記移動子19の図示しない移動子本体には適宜な手段
によってリニア磁気スライダ24を固定し,移動子19と一
体して直線走行するようにしている。リニア磁気スライ
ダ24のスライダベース25の磁気センサ26と対向する側面
には,微細なピッチ[例えば,50μm位]でN極,S極の
磁極を多極着磁して形成したリニア磁気エンコーダ磁極
27を設けて,該リニア磁気エンコーダ磁極27と磁気セン
サ26とによりリニア磁気エンコーダ28を形成し,磁気セ
ンサ26の磁気抵抗素子でリニア磁気エンコーダ磁極27を
演出するようにして,移動子19の移動速度及び移動位置
を検出している。
[考案の作用] 従って,上記リニア直流ブラシレスモータLDM−3に
おいて,図示しないマイクロコンピュータからの信号に
より,移動子19を所定の速度で所定量の位置に所定量移
動させるべきコントロール信号が図示しない通電制御回
路に加えられ,コアレスステータ電機子4′側に配設さ
れた磁極判別素子3が界磁マグネット6′のN極又はS
極の磁極を検出すると,その検出出力信号がドライバー
を介して電機子コイル1′群に所定方向の電流を流すの
で,当該電機子コイル1′群及びこれと対向する界磁マ
グネット6′とによりフレミングの左手の法則に合致し
た所定方向の推力が発生し,移動子19の速度及び位置
は,磁気センサ26がリニア磁気エンコーダ磁極27を検出
した信号によって判明し,この検出信号が上記通電制御
回路にフィードバックされ,移動子19がフィードバック
ループの制御をかけられてサーボ走行等し,移動子19
は,図示しないガイドローラがリニアガイド用突起18と
摺動接触しながら直線的走行をなす。
[考案の効果] 本考案は上記から明きらかなように,電機子コイルの
推力に寄与する導体部と余り推力に寄与しない導体部と
が交叉する4つの導体部のうちの一つの部分を迂回して
形成するだけで,他の3つの部分は迂回形成していない
ため,推力の低下は極めて少なくて済み,しかも従来の
ように磁極判別素子を電機子コイルの推力の発生する導
体部と対向する位置に配設したとしても,余り推力に寄
与しない電機子コイルの導体部分には電機子コイルの導
体部が存在しないので,従来と同じような位置に磁極判
別素子を配設でき,滑らかな推力リップルが得られる。
しかも,かかる位置に磁極判別素子を配設したと同じ
ような位置に配設しても電機子コイルと重ならないよう
に配設できるため,極めて磁極判別素子を容易に配設で
きるため,組立調整が容易で,安価にリニア直流ブラシ
レスモータを製造できる。また界磁マグネットの移動子
と直交する方向の幅を電機子コイルの移動子と直交する
方向の幅と同じ幅に形成しても,界磁マグネットとステ
ータ電機子側のステータヨーク間の磁気空隙の長さを長
くしないで済み,尚且つ界磁マグネットの移動子の移動
方向と直交する方向の幅を無駄に長くしないで,安価に
して尚且つ推力の向上を図ることができる。
なお,実施例では,界磁マグネット側を移動子とした
場合の可動マグネット形リニア直流ブブラシレスモータ
を説明したが,電機子コイルと磁極判別素子を移動子側
に配設し,対向する固定側に界磁マグネットを固定配設
した可動コアレス電機子形リニア直流ブラシレスモータ
としても良いことはいうまでもない。また,リニアエン
コーダとしては,適宜なものを用いれば良く,ロータリ
エンコーダを用いても良く,更にまたリニア磁気エンコ
ーダ磁極側を移動子と共に動かす例を示したが,リニア
磁気エンコーダ磁極側を固定側に配設し,磁気センサを
移動子と共に動かすようにしても良い。また界磁マグネ
ットの磁極数や電機子コイルの数は上記実施例に限定さ
れるものではなく,また界磁マグネットの磁極は密接し
たものでなくても良く,電機子コイル群も離して配設し
ても良いことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す多極多相形の可動マグ
ネット形リニア直流ブラシレスモータの主要部を表す分
解斜視図,第2図は同可動マグネット型リニア直流ブラ
シレスモータの界磁マグネットと電機子コイル及び磁極
判別素子との関係を示す展開図,第3図は従来用いてい
た電機子コイルと磁極判別素子の配設位置の説明図,第
4図は同電機子コイルを用いた従来の可動マグネット形
リニア直流ブラシレスモータを移動子の走行方向から見
た場合の縦断面図,第5図は同可動マグネット形リニア
直流ブラシレスモータの主要部の分解斜視図,第6図は
他の従来例を示す可動マグネット形リニア直流ブラシレ
スモータを移動子の走行方向から見た場合の縦断面図,
第7図は界磁マグネットの斜視図,第8図は更に別の従
来例を示す可動マグネット形リニア直流ブラシレスモー
タスモータの主要部を表す上面斜視図である。 [符号の説明] LDM,LDM−1,LDM−2,LDM−3……多極多相形の可動マグ
ネット形リニア直流ブラシレスモータ,1,1′……電機子
コイル,1a,1b,1′a,1′b……推力の発生に寄与する導
体部,1c,1d,1′c,1′d……推力の発生に寄与する導体
部と直交する導体部,1A……迂回導体部,2……推力の発
生に寄与する導体部と該導体部と直交する導体部とが交
叉する導体部部分,3,3−1,…,3−6……磁極判別素子,
3′−4,3′−5,3′−6……従来の方法による磁極判別
素子の位置,4,4′……コアレスステータ電機子,5……移
動子,6,6−1,6′,6″,6,6′……界磁マグネット,7,
7′……ステータヨーク兼リニアガイド,8,8′……プリ
ント配線基板,9,9′……走行ヨーク,9a……延長折曲部,
10……ガイドローラ,11……固定子,12……基台,13……
磁気空隙,14……ステータベース,15……スタッド,16…
…ステータヨーク,17……プリント配線基板,18……リニ
アガイド用突起,19……移動子,20……磁極判別素子配設
用スペース,21……2分割中心線,22……脱出防止用突
起,23……緩衝部材,24……リニア磁気スライダ,25……
スライダベース,26……磁気センサ,27……リニア磁気エ
ンコーダ磁極,28……リニア磁気エンコーダ,29……リー
ド線。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】隣り配置の磁極が異極となるようにN極,S
    極の磁極をP(Pは2以上の整数)個備えて界磁マグネ
    ットを形成し,該界磁マグネットと対向する位置に移動
    子の移動方向に沿ってn(nは2以上の整数)個の空心
    型の電機子コイル群を配設してコアレス電機子を形成
    し,該コアレス電機子側に磁極判別素子を設け,上記界
    磁マグネット若しくは磁極判別素子を有するコアレス電
    機子の何れか一方を相対的移動する移動子とし,他方を
    固定子としてなるリニア直流ブラシレスモータにおい
    て,下記構成要素〜からなることを特徴とするリニ
    ア直流ブラシレスモータ。 上記電機子コイルは,上記移動子の移動方向と直角
    な方向の長さ幅が上記界磁マグネットの移動子の移動方
    向と直角な方向の幅の長さとほぼ等しく形成され,電機
    子コイルと界磁マグネットとが等しく上記直角方向の幅
    において対向していること。 上記電機子コイルは上記移動子の移動方向と直角な
    方向の導体部のほぼ真ん中の中心線の延長位置と上記移
    動子の移動方向と平行な方向の導体部のほぼ真ん中の中
    心線の延長位置において互いに交叉する電機子コイルの
    一つの角部外周位置に磁極判別素子を電機子コイルと重
    ならないように配設することができるように当該電機子
    コイルの一つの角部導体部を内側に巻回形成して磁極判
    別素子配設用スペースを有することができるような空心
    型形状に形成されていること。 電機子コイルの上記移動子の移動方向と直角な方向
    の推力の発生に寄与する導体部のほぼ真ん中の中心線と
    上記移動子の移動方向と平行な方向の導体部のほぼ真ん
    中の中心線とが交叉する電機子コイルと重ならない当該
    電機子コイル外周の上記磁極判別素子配設用スペース位
    置に磁極判別素子を電機子コイルと重ならないように配
    設していること。
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