JPH0877871A - 透明タッチパネル - Google Patents

透明タッチパネル

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JPH0877871A
JPH0877871A JP24579594A JP24579594A JPH0877871A JP H0877871 A JPH0877871 A JP H0877871A JP 24579594 A JP24579594 A JP 24579594A JP 24579594 A JP24579594 A JP 24579594A JP H0877871 A JPH0877871 A JP H0877871A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、特にニュートンリングと映り込み
の問題を解消した高品質な透明タッチパネルを提供する
ことを目的とする。 【構成】 本発明は、タッチ側と非タッチ側の各々の透
明絶縁性基体表面に透明電極膜を形成し、絶縁性スペー
サーを介して該電極膜面を対向配置してなる透明ッチパ
ネルにおいて、該タッチ側の透明絶縁性基体の両面、も
しくは該タッチ側の透明絶縁性基体を非タッチ側に対向
配置させる面に、エンボス加工により中心線平均粗さ
(Ra)0.05〜2.0μmかつ最大高さ(Rma
x)0.6〜3.0μmの範囲にある微細凹凸を無数に
賦形されてなる透明タッチパネル、及び前記エンボス加
工が、中心線平均粗さ(Ra)1〜3μmかつ最大高さ
(Rmax)5〜20μmの表面粗度を有する金属ロー
ルによるローリングプレス加工である透明タッチパネル
に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明タッチパネルに関
し、詳しくはエンボス加工によりタッチ側の透明絶縁性
基体に無数の微細凹凸が設けられた透明タッチパネルに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、透明タッチパネルの方式には、
主に電極の形成状態の違いにより、マトリックス方式と
呼ばれるものとアナログ方式と呼ばれるものとがある。
いずれの方式もタッチ側及び非タッチ側に用いられる透
明絶縁性基体にITO(酸化インジウム・スズ)等をス
パッタリング法等により成膜し、必要に応じてエッチン
グ等により所望の電極パターンを形成させた後、絶縁性
スペーサーを介して両電極膜面を対向配置し製作されて
いる。
【0003】かかる透明タッチパネルでは、タッチ側の
パネル面を指やペン等でタッチ(押圧)することによ
り、必要な情報が電気的な信号として入力され、そして
その結果はLCD等の画面に表示されるようになってい
る。この入力のためのタッチにより、タッチ側の電極膜
が非タッチ側の電極膜に接触して正確に電気的な信号が
供給される。また、逆にタッチを解放すれば瞬時に離
れ、元の状態に復帰するものでなくてはならず、かかる
タッチの感触(以下、タッチ性と呼称する)は、可能な
限り軽い方が好ましい。
【0004】前記タッチ性に関しては、両電極膜面の表
面状態によっても大きく影響することが知られている。
例えば、表面状態を粗面化すればタッチした時にくっつ
きにくくなるので、タッチ性は改良されることになる。
このタッチ側及び非タッチ側のくっつきを改良する技術
としては、例えば特開平5−338086号公報に開示
されている。即ち、該公報によれば、タッチパネル用積
層フィルムの一方の面を粗面化することにより、前記く
っつき(該公報ではスティッキング性と呼称している)
の問題を解消するとしている。具体的には、550nm
での光線透過率が80%以上で、曇価が20%以下であ
り、一方の面が中心線平均粗さ(Ra)0.05〜5.
0μmの範囲にあり、その面に透明導電性の薄膜を形成
したタッチパネル用積層フィルムを透明タッチパネルの
少なくとも一方の面に用いれば、スティッキングの発生
を防止できるとされている。
【0005】しかしながら、ニュートンリングや映り込
みに関してはいっさい記載されておらず、更に粗面化面
を形成せしめる方法としては、有機および/または無機
の微粒子を配合したコーティング液を従来のコーティン
グ法により形成させる方法、あらかじめ有機および/ま
たは無機の微粒子を配合してポリエチレンテレフタレー
ト等のフィルムを製膜する方法、あるいはサンドブラス
トやエンボス加工等による形成法が記載されているが、
これらの方法において、具体的には、前記コーティング
法による粗面化面の形成法や、微粒子を配合したフィル
ムを製膜する方法による粗面化面の形成法のみが詳述さ
れ、前記サンドブラストやエンボス加工による粗面化面
の形成法については単なる言葉の列挙に過ぎず、当業者
が容易に実施できる程度には全く記載されていない。従
って、前記サンドブラストやエンボス加工による粗面化
面の形成法については実施可能かどうかは不明である。
【0006】また、タッチ時に形成されるニュートンリ
ングの抑制を目的とした技術としては、例えば特開昭6
2−76118号公報に開示されている。即ち、該公報
によればタッチセンスィティブオーバレイの隣接した透
明な層の間に、細かい粒子物質を配置することにより、
ニュートンリングが形成されるのを妨げることができる
というものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】透明タッチパネルに求
められる最近の傾向としては、透明性、スティッキング
性等の性能的な面よりもむしろ品質的な面である。品質
的な面の中でも特に問題となるのが、タッチ時はもちろ
ん非タッチ時でさえ発生してしまうニュートンリング
と、タッチ側基体表面に映し出される周辺物体による陰
影像である。ニュートンリングは、主にタッチ部分を中
心に現れる光干渉による縞模様であり、一方、タッチ側
基体表面に映し出される周辺物体による陰影像は一般に
映り込みと呼ばれ、これは該基体面からの光の正反射に
よるものである。これらの現象は、透明タッチパネルの
性能面への影響は特にないが、使用者にとっては大変不
快に感じるものであり、かかる問題を解消した透明タッ
チパネルの開発が強く求められていた。
【0008】本発明は、上述のような実状に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、バラツキが小さ
く常に同じ品質の微細凹凸を安定して賦形できる技術と
してエンボス加工を用いることにより、透明性を失うこ
となくニュートンリングの発生及び映り込み現象の問題
を解消した透明タッチパネルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、タッチ
側と非タッチ側の各々の透明絶縁性基体表面に透明電極
膜を形成し、絶縁性スペーサーを介して該電極膜面を対
向配置してなる透明タッチパネルにおいて、該タッチ側
の透明絶縁性基体の両面、もしくは該タッチ側の透明絶
縁性基体を非タッチ側に対向配置させる面に、エンボス
加工により中心線平均粗さ(Ra)0.05〜2.0μ
mかつ最大高さ(Rmax)0.6〜3.0μmの範囲
にある微細凹凸を無数に賦形したことに特徴を有する透
明タッチパネルに関する。更に、前記エンボス加工が、
中心線平均粗さ(Ra)1〜3μmかつ最大高さ(Rm
ax)5〜20μmの表面粗度を有する金属ロールによ
るローリングプレス加工であることに特徴を有する透明
タッチパネルに関する。
【0010】
【作用】前記中心線平均粗さ(Ra)と最大高さ(Rm
ax)は、株式会社東京精密製の表面粗さ形状測定機サ
ーコム570A型で測定して求めたものであり、この両
者は透明性の維持も併せ、特にニュートンリングと映り
込みを同時に最大限に防止するために不可分に結合され
ている。従って、該中心線平均粗さ(Ra)と最大高さ
(Rmax)の値がいずれか一方でも前記範囲をはずれ
たら、本発明の目的は達成されない。
【0011】例えば、中心線平均粗さ(Ra)は前記範
囲内であって、最大高さ(Rmax)が0.6μmより
小さいとわずかにニュートンリングの発生が見られる。
また、最大高さ(Rmax)が3.0μmより大きいと
目視できる凹凸が観察され、これはタッチパネルとした
場合に品質面で問題となる。逆に、最大高さ(Rma
x)は前記範囲内にあるが、中心線平均粗さ(Ra)が
0.05μmより小さいとニュートンリングが視認され
る。そして、中心線平均粗さ(Ra)が2.0μmより
大きいと映り込みが見られる。
【0012】このように本発明は、特にタッチ側の透明
絶縁性基体の両面、もしくは該タッチ側の透明絶縁性基
体を非タッチ側に対向配置させる面に、エンボス加工に
より微細凹凸を無数に賦形し、しかもその凹凸を前記特
定範囲の表面粗さを持ったものに限ることに特徴を持
つ。従って、本発明でない他の表面凹凸形成技術では、
本発明の目的は達成されるものではない。
【0013】本発明のエンボス加工法は、基本的には一
般に知られている方法によるが、賦形される凹凸が、極
めて微細である点と、ローリングプレスによって前記基
体自身の厚さ、物性、光学的特性等に変化をもたらして
はならないという点があるので、事前に詳細な加工条件
の検討をすることが必要である。エンボスのための加工
条件には、エンボス金属ロールの大きさ(直径)と材
質、受けローラの大きさ(直径)と材質、温度と加熱手
段、圧力、速度、エンボス回数等を挙げることができ
る。
【0014】本発明においては、エンボス金属ロールの
大きさについては特に限定はないが、受けローラの大き
さより小さい方が好ましい。例えば、エンボス金属ロー
ルの大きさ(直径)は、受けローラの直径に対して1/
2〜2/3程度であるのが好ましい。通常、受けローラ
の直径は300〜500mm程度である。エンボス金属
ロールの材質は、鉄、銅、ステンレス、クロム等の金属
が一般的であるが、硬度がより高い材質であることが好
ましく、例えばクロムは高硬度の材質の一つとして挙げ
られる。受けローラの大きさは前記のとおりであるが、
材質についてはエンボス金属ロールと同様金属であって
もよいが、この場合には該金属ロールよりも低硬度であ
ることが好ましい。しかしあまり軟質であっても好まし
くなく、例えば、硬度70°(ショアA)以上の高硬質
ゴムか、更に高硬度で70°(ショアD)以上のプラス
チックが好ましい例として挙げられる。
【0015】温度は、常温よりも加熱した方が好まし
い。しかし、加熱温度は該基体の持つ軟化点以下である
ことが望ましく、また下限も該軟化点よりも約−30℃
までとすることが好ましい。加熱方法には、特に制限は
なく、例えば該基体自身を搬入過程で外部から遠赤外線
等で加熱する方法、該二つのロールの両方又は一方に該
ロールの中に熱媒を通す方法、又は電磁誘導加熱機構を
取り入れる方法等が挙げられる。本発明においては、こ
れらの中で、特にエンボス金属ロールの中に電磁誘導加
熱機構を取り入れて、該基体のエンボス面を加熱する方
法が好適に適用される。
【0016】圧力(線圧)については、約100〜25
0kg/cm程度が望ましく、250kg/cmより大
きくなると、該基体自身の厚み、光学的特性等に変化を
もたらす傾向があり、また100kg/cmより小さく
なると、所望の微細凹凸が得られなくなるので好ましく
ない。
【0017】速度は、あまりに速いと微細凹凸の賦形が
不完全になるため好ましくなく、約2〜10m/分、好
ましくは4〜7m/分が例示できる。賦形回数、つまり
ローリングプレス回数は一般には1〜4回である。複数
回行う場合には、同一の場所に更に賦形してもよいが、
位置を変えて賦形してもよい。位置を変えて賦形した場
合、微細凹凸の数が多くなり、1回賦形を行うよりも複
数回行った方が好ましい場合もある。
【0018】前記基体面に賦形される微細凹凸の形状
は、例えば、半円形、円柱形、角柱形、円錐形等が例示
できるが、特にかかる形状には限定されない。また、配
列状態としては、例えば千鳥状、格子状等があるが、か
かる配列状態にも特に限定されるものではない。このよ
うに形状や配列状態には特に制限されることなく容易に
賦形できるが、これは、本発明がエンボス加工法によっ
て賦形されるからに他ならない。
【0019】エンボス金属ロール面への微細凹凸の作製
法は、写真製版エッチング、手彫り、機械彫り、電鋳等
によって金属ロールに直接付与する方法と、これらの方
法によって一度母型をつくり、これをより軟質のロール
面に圧接して凹凸面に成形する間接的方法とがある。本
発明においては、写真製版エッチングによる直接法が好
適に適用できる。
【0020】写真製版エッチングは、賦形したい微細凹
凸がレイアウトされている製版フィルムを作製し、これ
を使って金属ロール面に写真製版エッチング、更にはメ
ッキして作製する。例えば、銅メッキされた鉄ロール
に、感光液を塗布、乾燥した後、この感光面に該製版フ
ィルムを真空密着して紫外光を露光し、その後未露光部
分を除去し現像する。続いて未露光部分を塩化鉄(II
I)液で所定時間エッチングする。エッチング処理する
時間の長短により、凹凸の深さをコントロールすること
ができる。最後に、残存している露光部分の感光樹脂を
除去し、クロムメッキして、高硬度で不蝕性の微細凹凸
を作製し、エンボス用ロールとする。
【0021】タッチ側透明絶縁性基体面へ微細凹凸を無
数に賦形するには、前記のとおり片面で十分目的は達成
されるが、特に映り込みに対して更に完全に解消させる
ためには、前記片面の場合と同様にエンボス加工法によ
って、中心線平均粗さ(Ra)0.05〜2.0μm、
好ましくは0.07〜1.5μm、最大高さ(Rma
x)0.6〜3.0μm、好ましくは1〜2μmの範囲
で両面に微細凹凸を賦形することはより好ましい。
【0022】タッチ側透明絶縁性基体の両面に微細凹凸
を無数に賦形する場合、微細凹凸の形状や配列状態は、
同一であっても異なっていても一向に差し支えない。ま
た、微細凹凸を片面だけでなく両面に賦形すれば、透明
性に与える影響が大きくなるため透明性は通常悪化する
が、本発明にあっては、前記特定範囲内での微細凹凸に
よるため、透明性に与える実質的な影響は極めて小さ
く、このことも本発明の特徴の一つである。なお、微細
凹凸を両面に賦形する際、前記したエンボス加工条件と
全く同様な条件で行われてもよいが、2本のエンボスロ
ールによって両面同時に行うことが望ましい。
【0023】エンボス金属ロールとしては、前記基体の
少なくとも片面に上述のように微細凹凸が賦形されるよ
うに選択すればよいが、一般には、エンボス金属ロール
に設けられている表面粗さがそのまま該基体表面には賦
形され難いので、両者の再現関係を十分予備検討した
後、エンボス金属ロールを作製することが必要である。
本発明に好適に適用される態様の一つとして、中心線平
均粗さ(Ra)1〜3μmかつ最大高さ(Rmax)5
〜20μmの表面粗度を持つエンボス金属ロールを用い
てローリングプレス加工をすると、該基体面には所望の
前記特定範囲内、即ち中心線平均粗さ(Ra)0.05
〜2.0μmかつ最大高さ(Rmax)0.6〜3.0
μmの範囲内に好ましく賦形される。かかる条件は、温
度、圧力、速度等を適宜選択することにより容易に変更
することができる。
【0024】なお、本発明に適用される透明タッチパネ
ルは、タッチ性の良好なものが好ましいので、タッチ側
の透明絶縁性基体は非タッチ側のそれに比較して、より
柔軟であることが好ましい。多くの場合、タッチ側の透
明絶縁性基体としては、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(PETフィルム)が適用される。PETフィル
ムは、透明性、寸法安定性、耐熱性等に優れ、タッチ側
の基体として望ましい材料の一つである。本発明におい
ては、このPETフィルム以外に、これと同等以上の性
能を有する透明フィルムの使用も可能であり、例えば、
ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアリレートフィル
ム、ポリパラバン酸フィルム等を挙げることができる。
【0025】一方、非タッチ側の透明絶縁性基体は、タ
ッチ側のそれよりも硬直であることが好ましく、併せて
透明性、寸法安定性、耐熱性等の各種物性の良好なもの
が好ましい。多くの場合、ポリカーボネート板、アクリ
ル板等のプラスチック板やガラス板が使用されるが、P
ETフィルム等を非タッチ側の透明絶縁性基体として用
い、これを前記プラスチック板等と貼り合わせて補強し
たものでも構わない。
【0026】前記各々の基板の表面に形成される透明電
極膜は、一般にその形成状態によってマトリックス方式
とアナログ方式とがあるが、本発明においては、かかる
方式はもちろん、かかる方式以外による電極膜であって
も同様に本発明の目的は達成されるので、電極膜の形成
状態に限定されるようなことはない。
【0027】透明電極膜の作製法は、金属薄膜形成法や
印刷法等があるが、好ましくはスパッタリング法、又は
真空蒸着法等の金属薄膜形成法が挙げられる。成膜され
る金属としては、単体、又はその酸化物が用いられる。
例えばITO(酸化インジウム・スズ)のターゲットを
用いて、これをスパッタリング法により成膜すれば、該
ITO薄膜の厚さは約200Å程度であり、十分な透明
性を有する導電膜を形成することができる。
【0028】また、タッチ側及び非タッチ側の各々の電
極膜面を対向配置するに際し、非タッチ時に互いに接触
して電気的な信号が誤入力されないように絶縁状態を保
ち、かつタッチ時には互いに接触して確実に電気的な信
号が入力されるようにタッチ側及び非タッチ側に微少な
間隔を持たせるために絶縁スペーサーが用いられてい
る。かかる絶縁スペーサーは、タッチ側又は非タッチ側
の基板に電極膜が形成された後、オフセット印刷、ある
いはスクリーン印刷等の印刷法により透明な光硬化型樹
脂を印刷して設けられる。この際には、タッチ性、透明
性等を考慮して設けることが必要であり、かかる絶縁ス
ペーサーは可能な限り小さい方が好ましく、しかも規則
的に配列した少数のドットであることが好ましい。
【0029】ニュートンリングと映り込みの防止効果
は、いずれも入射光による光の散乱の大小によって左右
されるが、本発明における微細凹凸面は、他の方法によ
り設けられた微細凹凸面と比較して、より光の散乱が大
きく、その結果光の干渉が消されるため前記防止効果を
奏するものと考えられる。しかしながら、光の散乱が大
きいと一般にタッチパネルの透明性を低下させる原因と
なるが、本発明においては、透明性の低下をも極力小さ
く抑える結果となっている。即ち、これは本発明のエン
ボス加工法では、賦形される微細凹凸の凹部が、平凹で
かつ規則正しく一定のピッチと深さで賦形されているた
めと考えられる。賦形された凹部が平凹であれば、凹と
凹との間は平面状態が形成されているので、この平面が
透明性の低下を小さくする方向に作用するからである。
【0030】以下、実施例、及び比較例を挙げて本発明
を更に詳述する。エンボス加工を実施するための加工装
置として次の装置を用いた。即ち、直径400mm、長
さ600mmの大きさで、材質が硬度90°の耐熱性プ
ラスチックであるローラを受けローラとした。かかる受
けローラは速度可変の自動回動ローラであり、該受けロ
ーラは定位置に設置されている。また、これに対向して
配置するエンボス金属ロールは、直径250mm、長さ
250mm、の大きさであり、ロール内部に温度調整可
能にした電磁誘導式の加熱装置を内蔵して加熱できるよ
うにしてある。また、ローリング圧力も該金属ロールの
上下動によって調整できるように自動圧力調整機構を設
けている。更に、該金属ロールは、脱装着も容易にで
き、前記受けローラに同調しながら自動回動する機構に
もなっている。該金属ロールの前後には、該基体の円滑
な搬出入のための補助ロールとして、直径100mm、
長さ600mmの硬質ゴムロールを3対併設している。
【0031】ニュートンリングと映り込みの評価につい
ては、次のテスト用具を作製し、これを用いて行った。
即ち、非タッチ側基体として厚さ2.5mmの硬質ガラ
ス板の片面の全面にスパッタリング法によりITOを厚
さ200Åで成膜した後、このITO面に感光性アクリ
ル樹脂を用いて直径40μm、高さ5μmのドットを2
mmピッチで格子状にスクリーン印刷し、紫外光により
硬化させた。一方、タッチ側基体としては、以下の実施
例あるいは比較例において、エンボスあるいはコーティ
ングの結果得られた各フィルムを用いて、該フィルムの
片面の全面に前記同様スパッタリング法によりITOを
厚さ200Åで成膜した。前記非タッチ側基体及びタッ
チ側基体のITO面を相対して、周囲を厚さ0.5m
m、幅5mmの両面テープで接着固定し、テスト用具と
した。
【0032】ニュートンリングの評価については、前記
テスト用具のタッチ側基体を指で強くタッチし、そのタ
ッチ部分をガラス板の裏側から斜め方向(約45°)に
透視して、発生する縞模様の有無を肉眼で判断した。ま
た、映り込みの評価については、前記テスト用具の周囲
に種々の物を置き、その物がタッチ面に映るかどうか全
方向から観察して肉眼によりその有無を判断した。
【0033】更に、透過率(%)は、日立分光光度計3
30型により波長550nmでの光線透過率を測定した
ものであり、被検体は各実施例あるいは比較例におい
て、エンボスあるいはコーティングの結果得られた各フ
ィルムとし、ITO成膜前のものである。更に、各実施
例あるいは比較例で使用するエンボス金属ロール及び各
フィルムの中心線平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rma
x)は、(株)東京精密製の表面粗さ形状測定機サーコ
ム570A型で測定したものである。
【0034】
【実施例1】まず、鉄ロールに銅メッキした後、これを
写真製版エッチングし、最後にクロムメッキして中心線
平均粗さ(Ra)1.9μm、最大高さ(Rmax)1
8.4μmの微細凹凸を有するロールを得、これをエン
ボスロールとして前記エンボス加工装置における受けロ
ーラと対向配置した。また、エンボス用基体として、厚
さ188μm、幅250mmの延伸透明PETフィルム
(透過率89.0%)を準備した。
【0035】次に、前記装置において、該エンボス金属
ロールを加熱して表面温度が170℃(±3℃)になる
ように温調し、ローリング速度5m/分、ローリング圧
力190kg/cmに調整して自動回転を開始した。5
分後に前記エンボス用基体を約15m通過させた。更
に、同様の操作を行って計2回のエンボス加工を同一面
に行った。ただし、この場合のエンボス位置は、1回目
と2回目とでは異なる位置に行った。
【0036】
【実施例2】実施例1において、エンボス用基体として
厚さ100μm、幅250mmのポリアリレートフィル
ムを用い、更にエンボス金属ロールの表面温度を163
℃(±2℃)とする以外は実施例1と同一の条件でエン
ボス加工を行った。
【0037】
【実施例3】実施例1において、実施例1と同一のPE
Tフィルムを用い、同一条件で両面にエンボスを加工行
った。ただし、賦形回数は各面1回とした。その結果、
一方の面の中心線平均粗さ(Ra)は0.09μmで、
最大高さ(Rmax)は0.9μmであった。更に、他
方の面の中心線平均粗さ(Ra)は0.1μmで、最大
高さ(Rmax)は1.0μmであった。かかるエンボ
ス加工を施したPETフィルムには映り込みは全くな
く、またニュートンリングも認められなかった。更に、
透過率も85.1%であり、透過率の実質的な低下のな
いことも確認した。
【0038】
【比較例1】実施例1の写真製版エッチングによって、
中心線平均粗さ(Ra)5μm、最大高さ(Rmax)
17.5μmの微細凹凸を持つエンボス用金属ロールを
作製した。エンボス加工条件は実施例1と同様として、
該PETフィルムの片面にエンボス加工を行った。
【0039】
【比較例2】実施例1の写真製版エッチングによって、
中心線平均粗さ(Ra)1.5μm、最大高さ(Rma
x)25.3μmの微細凹凸を持つエンボス用金属ロー
ルを作製した。これを用いて実施例1と同一条件で該P
ETフィルムの片面にエンボス加工を行った。
【0040】
【比較例3】実施例1の写真製版エッチングによって、
中心線平均粗さ(Ra)0.75μm、最大高さ(Rm
ax)12.5μmの微細凹凸を持つエンボス用金属ロ
ールを作製し、更にローリング速度を3.5m/分に設
定すること以外は実施例1と同様として、該PETフィ
ルムの片面にエンボスを行った。
【0041】
【比較例4】実施例1の写真製版エッチングによって、
中心線平均粗さ(Ra)1.7μm、最大高さ(Rma
x)3.8μmの微細凹凸を持つエンボス用金属ロール
を作製し、更にローリング速度を3.5m/分に設定す
ること以外は実施例1と同様として、該PETフィルム
の片面にエンボス加工を行った。
【0042】以上の実施例、及び比較例のエンボス加工
結果について実施例3を除き表1にまとめた。なお、実
施例1において、5m毎にサンプリングして結果をチェ
ックしたが、いずれの場所も同様の結果を得たので品質
にムラのないことも確認できた。
【0043】
【表1】
【0044】
【比較例5】まず、コーティング溶液として、次の混合
溶液を調整した。即ち、アクリルメラミン樹脂100重
量部、硬化剤2重量部、平均粒径3.5μmの酸化ケイ
素粉体2.0重量部、及び平均粒径2.0μmの透明フ
ッ素樹脂粉体1.2重量部とをブタノール50重量部/
トルエン50重量部/MEK50重量部の混合溶媒に均
等に分散し、これをコーティング用溶液とした。また、
実施例1で使用したPETフィルムを準備し、この片面
に前記コーティング用溶液をロールコーターによって1
5g/mの割合で全面にコーティングした後、引き続
き140℃の乾燥機に通して5分間加熱した。かかるP
ETフィルムの加工面の中心線平均粗さ(Ra)は3.
8μmで、最大高さ(Rmax)は12.8μmであっ
た。また、透過率は83.5%であり、ニュートンリン
グと映り込みは共に視認された。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、透明絶縁性基体面に所望の微細凹凸を迅速
かつ安定して賦形することができ、その結果非タッチ時
はもちろん、タッチ時にでさえニュートンリングの発生
が解消され、またタッチ基体表面に現れる周辺部の映り
込みも解消される。更に、透明性への影響度合いも小さ
いため、品質面で向上した透明タッチパネルを得ること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タッチ側と非タッチ側の各々の透明絶縁
    性基体表面に透明電極膜を形成し、絶縁性スペーサーを
    介して該電極膜面を対向配置してなる透明タッチパネル
    において、該タッチ側の透明絶縁性基体の両面、もしく
    は該タッチ側の透明絶縁性基体を非タッチ側に対向配置
    させる面に、エンボス加工により中心線平均粗さ(R
    a)0.05〜2.0μmかつ最大高さ(Rmax)
    0.6〜3.0μmの範囲にある微細凹凸を無数に賦形
    したことを特徴とする透明タッチパネル。
  2. 【請求項2】 前記エンボス加工が、中心線平均粗さ
    (Ra)1〜3μmかつ最大高さ(Rmax)5〜20
    μmの表面粗度を有する金属ロールによるローリングプ
    レス加工であることを特徴とする請求項1に記載の透明
    タッチパネル。
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