JPH0877514A - 磁気抵抗効果型ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド

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JPH0877514A
JPH0877514A JP6210091A JP21009194A JPH0877514A JP H0877514 A JPH0877514 A JP H0877514A JP 6210091 A JP6210091 A JP 6210091A JP 21009194 A JP21009194 A JP 21009194A JP H0877514 A JPH0877514 A JP H0877514A
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Japan
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film
magnetic
magnetoresistive
gas
magnetic separation
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JP6210091A
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English (en)
Inventor
Kazue Kudo
一恵 工藤
Takashi Kawabe
隆 川邊
Hideki Aono
英樹 青野
Kazuhiro Nakamoto
一広 中本
Moriaki Fuyama
盛明 府山
Tetsuya Okai
哲也 岡井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気分離膜に高絶縁耐圧の絶縁薄膜を用いるこ
とにより高出力化、高密度化に容易に対応できる磁気抵
抗効果型ヘッドを提供する。 【構成】基板5上に、軟磁性膜6を、スパッタリング法
で形成し、所定の形状にパターニングし、レジストを除
去する。その後、絶縁薄膜の絶縁材料として、Al2O3
主成分としこれにSiO2を混合してなるAl2O3−SiO2材を
採用し、Al2O3−SiO2膜からなる膜厚 30nmの磁気分離膜
1を、スパッタリング法により形成する。この磁気分離
膜1上に、形成された磁気抵抗効果膜2をパターニング
し、磁区制御膜4と電極3を順次形成し、その後、磁区
制御膜4を着磁し、所定の大きさの磁気抵抗効果型ヘッ
ドを完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記憶装置などに用いら
れる磁気抵抗効果型ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気抵抗効果型ヘッドは、磁気
記録媒体からの漏洩磁束に対する応答を線形にするた
め、記録媒体と対抗する面に垂直な方向にバイアス磁界
を印加して用いられる。該バイアス磁界の印加方法とし
て、磁気分離膜を介して磁気抵抗効果膜の近傍に軟磁性
膜を配置し、磁気抵抗効果膜に流れるセンス電流が作る
磁界によって軟磁性膜を磁化し、磁化された軟磁性膜か
ら発生する磁界によって磁気抵抗効果膜にバイアス磁界
を印加する方法がある。
【0003】そして、上記磁気分離膜として導電性薄膜
を用いれば、センス電流が作る磁界と軟磁性膜から発生
する磁界を効率良く磁気抵抗効果膜に印加することがで
きると、特開昭52−62417号公報に開示されている。
【0004】また、特開平5−234040号公報には、磁気
分離膜に絶縁膜を用いれば、この部分には電流が流れな
いため、効率良く磁気抵抗効果膜に電流を取り込めれる
ことが記載されている。
【0005】一方、現在製品化されている磁気記録装置
における磁気ヘッドの磁気ギャップは 300nm前後であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術に
おいて、磁気分離膜に、20nm前後の導電性薄膜を用いた
場合、導電性であるために、磁気ヘッドに流れるセンス
電流が磁気抵抗効果膜と導電性薄膜と軟磁性膜とに分流
し、全電流に対する磁気抵抗効果膜に流れる電流の比、
すなわち磁気抵抗効果膜の分流比が低くなる。この分流
比の低下が、磁気抵抗効果型ヘッドの高出力化の隘路と
なっている。
【0007】これに対し、磁気分離膜に絶縁膜を用いれ
ば、軟磁性膜に電流が流れ難くなり、磁気抵抗効果膜の
分流比は上がる。しかしながら、現時点で実用化される
Al2O3膜からなる絶縁膜の膜厚は 150nm前後であり、こ
の膜厚を導電性薄膜と同等の薄さにすると絶縁耐圧の低
下に繋がり、更なる薄膜化が困難である。この薄膜化の
困難性が上記と同様に高出力化を妨げている。
【0008】一方、150nm前後のAl2O3膜を用いた場合、
磁気ギャップは300nm前後となるため、磁気記録の高密
度化(高記録密度化)、すなわち狭トラック、狭ギャッ
プ化に対応できないという問題がある。その上、Al2O3
膜は、軟磁性膜や電極等の段差部における「つきまわ
り」が悪いので、部分的に薄くなった所で絶縁破壊する
という問題もある。
【0009】従って、本発明の第1の目的は、薄膜であ
っても高い絶縁耐圧を有し、また「つきまわり」も良好
である磁気分離膜としての絶縁膜を提供することにあ
る。
【0010】そして、第2の目的は、高出力化や高記録
密度化に対応可能な磁気抵抗効果型ヘッド、およびそれ
を用いた磁気記録装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
スパッタリング法で磁気分離膜としての絶縁膜を形成す
る絶縁膜の形成方法において、Al23の絶縁材料、あ
るいは、Al23に SiO2、 ZrO2、 TiO2、T
25、HfO2、またはNb25のうち少なくとも1
種以上を混合した絶縁材料を、Arガスより質量の小さ
いガス雰囲気中で、あるいは、O2混合ガス雰囲気中で
スパッタリングし、絶縁膜を形成することにより達成さ
れる。
【0012】そして、第2の目的を達成する磁気抵抗効
果型ヘッドは、磁気分離膜を間に挾んで磁気抵抗効果膜
と軟磁性膜とを積層したものにおいて、該磁気分離膜
が、Al23を主成分としこれにSiO2、ZrO2、T
iO2、Ta25、HfO2、またはNb25のうち少な
くとも1種以上を混合した絶縁材料からなるものであ
る。
【0013】または、磁気分離膜が、請求項6または請
求項7記載の絶縁膜の形成方法により形成された絶縁膜
である。
【0014】
【作用】上記構成とすることにより、すなわち、Al2O3
に、SiO2,ZrO2,TiO2,Ta2O5,HfO2などを混合することに
より、薄膜でも高い絶縁耐圧を示す磁気分離膜としての
絶縁膜が得られた。これは、もともと高い絶縁耐圧を有
する SiO2などの酸化物が、Al2O3に作用したと考えられ
る。しかしながら、絶縁耐圧が向上するメカニズムにつ
いての詳細は不明である。
【0015】一方、Al2O3からなる絶縁膜をスパッタリ
ング形成する時に、ガス雰囲気条件を特定することによ
り、すなわち、HeやN2ガス、あるいは、ArとO2
2とO2、またはHeとO2の混合ガスの雰囲気とする
ことにより、Al2O3の絶縁材料が単独でも、ピンホール
などの欠陥が少い緻密なAl2O3膜が形成され、また、膜
の「つきまわり」が良好で、薄膜でも高い絶縁耐圧を示
す絶縁膜が得られた。
【0016】1つの理由は、Heガス(Heイオン)や
2ガス(Nイオン)の質量が、従来のArガス(Ar
イオン)より小さいので、膜から酸素(Oイオン)を叩
き出さずに、高耐圧な膜が得られること、もう1つの理
由は、O2を混合したガス雰囲気であれば、酸素(Oイ
オン)の供給が多くなり、結果として高耐圧な膜が得ら
れることと思われるが、これについても、詳細は不明で
ある。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図と表によ
り説明する。
【0018】一般に、物理定数表やデータブックなどに
示されている絶縁耐圧は、Al2O3で200kV/cm、SiO2で200
〜350kV/cm である。そして、どの材料においても薄膜
化すると、ピンホールなどの欠陥が膜に多く発生し、絶
縁耐圧が低下する。例えば、 100nm以下の膜厚では、耐
圧が数V以下になる。
【0019】しかし、磁気ヘッドに用いられている他材
料の熱膨張係数を考慮に入れると、絶縁膜にはAl2O3
が最適であり、別の絶縁膜を検討するのは得策でなく、
Al2O3を主成分とし改善できないかと考えた。そして、
従来から知られている絶縁耐圧の高い材料である、Si
O2,ZrO2,TiO2,Ta2O5,HfO2などの酸化物を、Al2O3に混合
した絶縁膜を実験検討し、目的が達成できる知見を得
た。
【0020】また、絶縁膜形成時のガス雰囲気条件につ
いても実験検討し、この条件を特定した製造方法から、
目的が達成できる知見を得た。
【0021】実施例1 図1は本発明による一実施例の磁気抵抗効果型ヘッドの
断面を示す図である。磁気ヘッドの感磁部の困難軸方向
の拡大断面図である。この図を参照しながら実施例1に
ついて説明する。まず、感磁部の構成は次の通りであ
る。
【0022】1は絶縁材からなる磁気分離膜、2は強磁
性材からなる磁気抵抗効果膜、3はセンス電流を出入す
る電極、4は磁区を制御する磁区制御膜、5は非磁性材
からなる基板、6は軟磁性材からなる軟磁性膜である。
【0023】上記構成の磁気ヘッドの感磁部を作製した
実施例1は、次の通りである。
【0024】基板5上に、Ni−Fe−Nb膜からなる軟磁性
膜6を、スパッタリング法で形成した。軟磁性膜6をホ
トリソグラフィ技術により、所定の形状にパターニング
し、レジスト除去後、磁気分離膜1としての絶縁膜をス
パッタリング法により、膜厚30nmで形成した。この時、
絶縁材料としてAl2O3を主成分とし、これにSiO2を混合
してなるAl2O3−SiO2材を採用した。
【0025】上記の Al2O3−SiO2膜からなる磁気分離膜
1を形成するスパッタリング条件はArガスの雰囲気中
で、到達真空度1.5×10~6Torr,ガス圧 2×10~2Torr,RF
出力2kWの条件である。このArガスの雰囲気、圧力等の
条件は、従来の単一 Al2O3膜を形成するスパッタリング
条件と同じである。
【0026】この磁気分離膜1上に、NiFe膜からなる磁
気抵抗効果膜2を膜厚 20nmで形成し、軟磁性膜6と同
様にパターニングした。パターニングに使用したレジス
トを除去せずに、CoCrPt膜からなる磁区制御膜4と、Nb
/Au/Nb膜からなる電極3とを順次形成した後、レジス
トを除去した。
【0027】除去後に、磁区制御膜4を着磁するため、
トラック幅方向に、3kOeの直流磁界を印加しながら 275
℃で、30分間熱処理を行った。そして、所定の大きさに
加工し、磁気抵抗効果型ヘッドを完成した。
【0028】上記の磁区制御膜4は、磁気抵抗効果膜2
と軟磁性膜6の両方を磁区制御するものである。そし
て、磁気分離膜1として用いた絶縁膜が厚いと、磁区制
御膜4と軟磁性膜6の間隔が離れるため、軟磁性膜6の
磁区制御が十分に行われず、磁気特性が低下する。すな
わち、これが、薄膜化の困難性が高出力化の隘路となっ
ていた理由である。そして、本実施例1では、従来の15
0nm前後の膜厚が、前述のように 30nmの膜厚となるた
め、磁区制御膜4と軟磁性膜6の間隔が1/5に縮ま
り、磁区制御が十分に行われ、磁気特性が向上する。即
ち、高出力化に結び付くものである。
【0029】図2は本発明によるAl2O3−SiO2膜の膜厚
と絶縁耐圧の関係を示す図である。この図から明らかな
ように、Al2O3−SiO2膜は、膜厚 30nmで、耐圧 0.2Vを
示している。換算すると、約6600kV/cmの絶縁耐圧とな
る。従来のAl2O3膜と比較し、絶縁耐圧が優れているこ
とが判明した。さらに、Al2O3−SiO2膜は、膜厚 10nmで
も十分な絶縁耐圧を有していることも判った。
【0030】また、磁気分離膜1の絶縁材料としては、
Al2O3を主成分とし、これに TiO2、ZrO2、 HfO2または T
a2O5のうち、少なくとも1種以上を混合した絶縁材料で
も、同様の効果が得られることが判明した。尚、V、Nb
は Taと同族元素でありV2O5やNb2O5を混合した絶縁材料
も同様の効果が得られると考えられる。
【0031】表1は、本発明によるAl2O3を主成分とし
た各種磁気分離膜の絶縁耐圧を示す表である。
【0032】
【表1】
【0033】この表は、膜厚 30nmでの実験結果であ
る。換算した絶縁耐圧は、最大のAl2O3−TiO2膜の7000k
V/cmから、最小のAl2O3−Ta2O5膜の 5000kV/cmまでで
あった。尚、軟磁性膜はNi−Fe−Nb−Co系の薄膜、磁区
制御膜はFeMn膜でも可である。
【0034】図3は、本発明による磁気抵抗効果型ヘッ
ドの磁場印加時の電圧変化を示す図である。上記のよう
にして作製した磁気ヘッドに、困難磁区方向の磁界を掛
け、その時の電圧変化を測定した結果である。従来と比
較し本発明を示している。縦軸は、磁気分離膜に導電性
薄膜を用いた、従来ヘッドの印加磁界がゼロの時の電圧
を1とした場合の、電圧変化を指数で示したものであ
る。横軸は、プラス側とマイナス側の印加磁界の大きさ
を示している。
【0035】この実験結果から、磁気分離膜に絶縁材で
あるAl2O3−SiO2膜を用いることにより、磁気抵抗効果
膜の分流比が大きくなり、また、磁気ヘッドの全抵抗が
低くなり、同じ電流密度下での出力が向上することが判
明した。従って、本発明の磁気ヘッドは、高出力化に有
効であると言える。
【0036】実施例2 感磁部作製の実施例2は、軟磁性膜6を形成するまで実
施例1と同様である。その後、Al2O3膜からなる磁気分
離膜1を 30nm スパッタリング形成した。
【0037】磁気分離膜1を形成するスパッタリング条
件は、Heガスの雰囲気中で、到達真空度2×10~7Torr,ガ
ス圧2×10~4Torr,μ波出力500W,RF出力2kW であった。
【0038】Arガスを用いた従来法で形成するAl2O3
は、軟磁性膜6の段差部の「つきまわり」が悪いもので
あった。例えば、膜厚が100nmのとき、段差部でのカバ
レジは、60%となり、絶縁耐圧が低下するものであっ
た。従って、上記のように膜厚を 30nmにすることは、
段差部の膜厚が非常に薄くなり、実用上困難であった。
【0039】本実施例の作製から、Heガスの雰囲気中
で、Al2O3膜をスパッタリング形成すれば、段差部での
つきまわりがよくなり、緻密なAl2O3膜が形成できるこ
とが判明した。そして、測定耐圧は、膜厚 30nmでも、
耐圧 0.18Vであった。換算の絶縁耐圧は、6000kV/cm
であり、十分実用に耐えられるものであった。
【0040】尚、「つきまわり」とは、磁気分離膜1と
しての絶縁膜が軟磁性膜6などを被覆するときの付着性
であり、均一な膜厚で被覆する材料は「つきまわり」が
良い材料と言える。
【0041】次に、この磁気分離膜1としてのAl2O3
上に、磁気抵抗効果膜2を 20nm形成し、軟磁性膜6と
同様にパターニングした。パターニングに使用したレジ
ストを除去せずに、CoPt膜からなる磁区制御膜4とNb/
Ta/Nb膜からなる電極3を形成した後、レジストを除去
した。
【0042】レジスト除去後に、電極3などを被覆する
絶縁膜としてのAl2O3膜を、Heガスの雰囲気中でスパッ
タリングし、膜厚 50nmで形成した。そして、レジスト
からなる保護膜を形成した後、パーマロイからなるシー
ルド膜を成膜し、パターン化した。磁区制御膜4の着磁
は、トラック幅方向に3kOeの直流磁界を印加しながら27
5℃で30分間熱処理し行った。その後、所定の大きさの
磁気抵抗効果型ヘッドを完成した。
【0043】このようにして作製した磁気ヘッドに困難
磁区方向の磁界を掛け、その時の電圧変化を測定し、感
度を求めた結果が次表である。すなわち、表2は、本発
明による磁気効果型ヘッドの感度を示す表である。
【0044】
【表2】
【0045】本実施例2による磁気ヘッドと、磁気分離
膜に導電性薄膜を用いた従来の磁気ヘッドとを比較し示
している。感度特性は、印加磁界のゼロを中心に磁界±
30Oeを印加し、その時の電圧変化の傾きで表した。これ
より、従来の約1.6倍の感度を有することが判った。従
って、本実施例2による方法で作製した磁気ヘッドによ
っても、高出力化が達成される。
【0046】尚、本実施例2では、Heガス雰囲気での例
を記述したが、H2、N2ガス雰囲気でも同様の効果が得ら
れた。この理由は、従来のAl2O3膜とArガスの組み合
わせの場合、スパッタイオンによる逆スパッタにより、
Arイオンが、Al2O3膜の酸素イオンを叩き出し、耐圧
低下を招いたと思われる。これに対しHイオン、Heイ
オンやNイオンなどのようなArガスより質量の小さい
ガス雰囲気群は、Arイオンに比べそのイオンの質量が
小さいので、Oイオンを叩き出す力も小さく結果として
高耐圧な絶縁膜が得られたと思われる。
【0047】また、O2とHeの混合ガス、O2とN2の混合ガ
ス、O2とArの混合ガス、すなわち、O2ガスと他のガスか
らなるO2混合ガス雰囲気でも同様の効果が得られるこ
とが確認された。この理由は、O2を含んだO2混合ガス
雰囲気群であるので、前述の叩き出しとは逆に、酸素イ
オンが多く供給され、結果として高耐圧な絶縁膜が得ら
れたと思われる。
【0048】従って、Al2O3の絶縁材料以外に、Al2O3
SiO2、ZrO2、TiO2、HfO2、Ta2O5、またはNb2O5などのよ
うな酸素イオンを含んだ化合物のうち、少なくとも1種
以上を混合した絶縁材料を用いても、同様の効果が得ら
れることは類推できる。
【0049】実施例3 図4は、本発明による他の実施例の磁気抵抗効果型ヘッ
ドの斜視断面を示す図である。磁気ギャップを有する磁
気抵抗効果型ヘッドの作製実施例である。
【0050】基板5上に、スパッタリングによりパーマ
ロイからなる下部シールド膜7を形成した。そして、ホ
トリソグラフィ技術により所定の形状にパターン化し
た。本発明によるAl2O3−SiO2膜は、100nm以下でも十分
な絶縁耐圧を有するので、下部シールド膜7上に、下部
磁気ギャップ膜8として、Al2O3−SiO2膜を 50nm スパ
ッタリング形成した。
【0051】この膜上に図1と同様に、軟磁性膜6、Al
2O3−SiO2膜からなる磁気分離膜1、磁気抵抗効果膜2
を順次形成し、所定の形状にパターニングした。そし
て、磁区制御膜4、電極3を形成した後、上部磁気ギャ
ップ膜9としての Al2O3−SiO2膜を 50nm スパッタリン
グ形成した。
【0052】その後、レジストからなる保護膜10で平坦
化した後、パーマロイからなる上部シールド膜12を成膜
し、パターン化した。磁区制御膜4の着磁は、トラック
幅方向に3kOeの直流磁界を印加しながら275℃で30分間
熱処理し行った。そして、所定の大きさに加工し磁気抵
抗効果型ヘッドを完成した。
【0053】下部磁気ギャップ膜8と上部磁気ギャップ
膜9の膜厚の和が、いわゆる、磁気ヘッドにおける磁気
ギャップと呼称されているものである。
【0054】本実施例3による磁気ヘッドの、下部磁気
ギャップ膜8と上部磁気ギャップ膜9の膜厚は、それぞ
れ 50nmであるので、磁気ギャップは、100nmである。従
来の膜厚 150nmのAl2O3膜では、磁気ギャップは、300nm
であったので、200nm 減厚できる。これにより、磁気ヘ
ッドの全体厚さが薄くなる。すなわち、狭トラック、狭
ギャップ化に対応でき、磁気記録の高密度化に結び付く
ものである。
【0055】本実施例3は、Al2O3−SiO2膜からなる磁
気分離膜1による磁気抵抗効果型ヘッドの例で説明した
が、Al2O3膜とHeガス雰囲気を用いた本実施例2による
磁気抵抗効果型ヘッドでも、薄膜化して磁気ギャップを
狭くすることができるので、高密度化に有効であること
は自明である。
【0056】また、実施例2と実施例3との組み合わせ
も可である。特に電極周囲の段差が大きいので、この段
差部での絶縁破壊を考えると、上部磁気ギャップ膜9の
形成に「つきまわり」が良い実施例2の方法を採用する
ことが、望ましいと考えられる。
【0057】さらに、Al2O3−SiO2膜等とHeガス雰囲気
の組み合わせも可である。尚、分解能の高い磁気ヘッド
を得るために磁気シールド膜を設けることがあるが、設
けなくても可である。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、膜厚30nmで絶縁耐圧50
00kV/cm以上の絶縁薄膜を作製することができ、この絶
縁薄膜を磁気分離膜に用いた磁気ヘッドを作製すること
によって、磁気ヘッドの高出力化や高記録密度化が比較
的容易に達成できる。従って、磁気記録装置の高出力化
や高記録密度化にも対応でき、業務効率向上も図られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の磁気抵抗効果型ヘッド
の断面図である。
【図2】本発明によるAl2O3−SiO2膜の膜厚と絶縁耐圧
の関係を示す図である。
【図3】本発明による磁気抵抗効果型ヘッドの磁場印加
時の電圧変化を示す図である。
【図4】本発明による他の実施例の磁気抵抗効果型ヘッ
ドの斜視断面図である。
【符号の説明】
1…磁気分離膜、2…磁気抵抗効果膜、3…電極、4…
磁区制御膜、5…基板、6…軟磁性膜、7…下部シール
ド膜、8…下部磁気ギャップ膜、9…上部磁気ギャップ
膜、10…保護膜、12…上部シールド膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中本 一広 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 府山 盛明 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 岡井 哲也 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気分離膜を間に挾んで磁気抵抗効果膜と
    軟磁性膜とを積層した磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、 前記磁気分離膜が、Al23を主成分としこれにSiO
    2、ZrO2、TiO2、Ta25、HfO2、またはNb
    25のうち少なくとも1種以上を混合した絶縁材料から
    なることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】磁気抵抗効果膜と軟磁性膜との間に磁気分
    離膜を介して積層した積層膜と、前記積層膜を上下から
    挾む磁気ギャップ膜とを備えた磁気抵抗効果型ヘッドに
    おいて、 前記磁気分離膜または前記磁気ギャップ膜のうち少なく
    とも1つの膜は、Al23を主成分としこれにSi
    2、ZrO2、TiO2、Ta25、HfO2、またはN
    25のうち少なくとも1種以上を混合した絶縁材料か
    らなることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】磁気抵抗効果膜と軟磁性膜との間に磁気分
    離膜をスパッタリング法で積層し製造する磁気抵抗効果
    型ヘッドの製造方法において、 Al23 の絶縁材料、あるいは、Al23に Si
    2、 ZrO2、 TiO2、Ta25、HfO2、または
    Nb25のうち少なくとも1種以上を混合した絶縁材料
    を、 Heガス、またはN2ガスなどのような、Arガスより
    質量の小さいガス雰囲気中でスパッタリングし、前記磁
    気分離膜を形成することを特徴とする磁気抵抗効果型ヘ
    ッドの製造方法。
  4. 【請求項4】磁気抵抗効果膜と軟磁性膜との間に磁気分
    離膜をスパッタリング法で積層し製造する磁気抵抗効果
    型ヘッドの製造方法において、 Al23の絶縁材料、あるいは、Al23に SiO2
    ZrO2、 TiO2、Ta25、HfO2、またはNb2
    5のうち少なくとも1種以上を混合した絶縁材料を、 O2とArの混合ガス、またはO2とN2の混合ガス、ま
    たはO2とHeの混合ガスなどのような、O2混合ガス雰
    囲気中でスパッタリングし、前記磁気分離膜を形成する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】磁気抵抗効果膜と軟磁性膜との間に磁気分
    離膜を介して積層した積層膜と、該積層膜を上下から挾
    む磁気ギャップ膜とをスパッタリング法で積層製造する
    磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法において、 Al23の絶縁材料、あるいは、Al23に SiO2
    ZrO2、 TiO2、Ta25、HfO2、またはNb2
    5のうち少なくとも1種以上を混合した絶縁材料を、 Arガスより質量の小さいガス雰囲気群、または、O2
    混合ガス雰囲気群のうち、少なくとも1つのガス雰囲気
    中でスパッタリングし、 前記磁気分離膜または前記磁気ギャップ膜のうち、少な
    くとも1つの膜を形成することを特徴とする磁気抵抗効
    果型ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】スパッタリング法で磁気分離膜としての絶
    縁膜を形成する絶縁膜の形成方法において、 Al23の絶縁材料、あるいは、Al23に SiO2
    ZrO2、 TiO2、Ta25、HfO2、またはNb2
    5のうち少なくとも1種以上を混合した絶縁材料を、 Heガス、またはN2ガスなどのような、Arガスより
    質量の小さいガス雰囲気中でスパッタリングし、前記絶
    縁膜を形成することを特徴とする絶縁膜の形成方法。
  7. 【請求項7】スパッタリング法で磁気分離膜としての絶
    縁膜を形成する絶縁膜の形成方法において、 Al23の絶縁材料、あるいは、Al23に SiO2
    ZrO2、 TiO2、Ta25、HfO2、またはNb2
    5のうち少なくとも1種以上を混合した絶縁材料を、 O2とArの混合ガス、またはO2とN2の混合ガス、ま
    たはO2とHeの混合ガスなどのような、O2混合ガス雰
    囲気中でスパッタリングし、前記絶縁膜を形成すること
    をことを特徴とする絶縁膜の形成方法。
  8. 【請求項8】磁気分離膜を間に挾んで磁気抵抗効果膜と
    軟磁性膜とを積層した磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、 前記磁気分離膜が、請求項6または請求項7記載の絶縁
    膜の形成方法により形成された絶縁膜であることを特徴
    とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  9. 【請求項9】磁気抵抗効果膜と軟磁性膜との間に磁気分
    離膜を介して積層した積層膜と、前記積層膜を上下から
    挾む磁気ギャップ膜とを備えた磁気抵抗効果型ヘッドに
    おいて、 前記磁気分離膜または前記磁気ギャップ膜のうち少なく
    とも1つの膜は、請求項6または請求項7記載の絶縁膜
    の形成方法により形成された絶縁膜であることを特徴と
    する磁気抵抗効果型ヘッド。
  10. 【請求項10】情報の書き込みまたは読み出しに用いら
    れる、請求項1または請求項2または請求項8または請
    求項9記載の磁気抵抗効果型ヘッドを備えたことを特徴
    とする磁気記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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