JPH0874575A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

内燃機関の冷却装置

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JPH0874575A
JPH0874575A JP20684494A JP20684494A JPH0874575A JP H0874575 A JPH0874575 A JP H0874575A JP 20684494 A JP20684494 A JP 20684494A JP 20684494 A JP20684494 A JP 20684494A JP H0874575 A JPH0874575 A JP H0874575A
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芳雄 ▲高▼橋
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    • F02F1/24Cylinder heads
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    • F02F1/4221Shape or arrangement of intake or exhaust channels in cylinder heads specially adapted for four or more valves per cylinder particularly for three or more inlet valves
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 始動直後の排気ガスの過度の冷却を防止し、
触媒の早期活性化を図るとともに、排気側の熱歪を抑制
し、かつ点火栓を確実に冷却する。 【構成】 シリンダヘッド2内部のウォータジャケット
を排気側通路16と吸気側通路15とに区画するように
隔壁17が形成されている。隔壁17は、燃焼室中央の
点火栓取付部11より排気側に片寄っている。この隔壁
17がロアデッキの変形を抑制するリブとして機能する
ように、隔壁17上端はシリンダヘッドボルトボス部1
4に接続されている。排気側通路16の冷却水出口26
と吸気側通路15の冷却水出口27を開閉するように流
路制御弁5が配設されており、温度センサ28の検出温
度が所定温度に達するまでは、排気側通路16の冷却水
出口26が閉塞される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車用内燃機関の
ような内燃機関の水冷式冷却装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用内燃機関等においては、機関内
部のウォータジャケットとラジエータとの間でウォータ
ポンプにより冷却水を強制的に循環させる水冷式冷却装
置が多く採用されている。この種の冷却装置では、一般
に冷却水はウォータポンプにより先ずシリンダブロック
側のウォータジャケットに送り込まれ、かつシリンダヘ
ッドとの間の連通孔を介してシリンダヘッド側ウォータ
ジャケットに流入し、シリンダヘッド側に設けた冷却水
出口から流れ出て、ラジエータへと循環する構成となっ
ている。
【0003】また実開昭63−108512号公報に
は、吸気ポートと排気ポートとをクロスフロー形式に配
置したものにおいて、シリンダヘッド側ウォータジャケ
ットを、吸気側と排気側とに2分するように、シリンダ
ヘッド中央に沿ってウォータジャケット内部に隔壁を設
けた構成が開示されている。このものでは、燃焼室の略
中央に位置する点火栓取付部に沿って隔壁が設けられて
いるとともに、該隔壁に多数の小孔が開口形成されてお
り、低水温時に排気側通路の出口を閉じることにより、
排気ポート周辺で加熱された冷却水が小孔を介して吸気
側の通路へ流れ込み、吸気ポートを早期に暖めることが
できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、排気系における触媒の早期の温度上昇つ
まり活性化を実現することはできない。つまり、触媒の
温度上昇を早めるためには、始動後の暖機運転中になる
べく排気ガスを冷却せずに排気管へ排出する必要がある
が、上記従来の構成では、隔壁によりシリンダヘッド内
部が区画されているものの、排気側で加熱された冷却水
が吸気側に流出し、結局のところ、シリンダヘッドの冷
却水全体に熱が奪われるので、暖機運転中の排気温度が
低下し、触媒の温度上昇が遅くなる。なお、隔壁の小孔
を少なくし、吸気側へ逃げる熱を少なくした場合には、
排気ガス温度を上昇させることができるが、この場合
に、シリンダヘッドの排気側部分と吸気側部分との温度
差が大きくなり、これに伴って、シリンダブロックとの
間のシール性が排気側部分において悪化しやすくなって
しまう。
【0005】また、点火栓は高温となり易いが、上記従
来の構成では、この点火栓部分を通って隔壁が形成され
ているので、点火栓に対する冷却が不十分となり、ノッ
キング等の原因となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、ウ
ォータポンプにより圧送された冷却水が、シリンダブロ
ック側のウォータジャケットを経由してシリンダヘッド
側ウォータジャケットへ供給されるように構成されてい
るとともに、シリンダヘッドの各燃焼室の略中央に点火
栓取付部が配置され、かつこの点火栓取付部を挟んでク
ロスフロー形式に吸気ポートと排気ポートとが形成され
てなる内燃機関の冷却装置において、上記シリンダヘッ
ド側ウォータジャケットを、排気側通路と吸気側通路と
に区画するように、シリンダヘッド内部に、上記点火栓
取付部よりも排気側に片寄った位置に沿って隔壁を形成
し、かつ上記排気側通路と吸気側通路のそれぞれに冷却
水出口を設けるとともに、上記排気側通路の冷却水出口
には、低温時に冷却水の通流を遮断する弁手段を設け、
さらに上記隔壁の上端を、シリンダヘッド側部のシリン
ダヘッドボルトボス部に接続したことを特徴としてい
る。
【0007】さらに請求項2の発明では、シリンダブロ
ック側ウォータジャケットとシリンダヘッド側ウォータ
ジャケットの排気側通路とを連通する連通孔の総開口面
積が、シリンダブロック側ウォータジャケットとシリン
ダヘッド側ウォータジャケットの吸気側通路とを連通す
る連通孔の総開口面積よりも大きく設定されている。
【0008】また請求項3の発明は、駆動部により直進
駆動されるシャフトと、このシャフトに固定され、かつ
上記排気側通路とラジエータとの間の第1弁口を開閉す
る上記弁手段を構成する第1弁体と、上記シャフトに固
定され、上記第1弁体が第1弁口を閉じているときに、
上記吸気側通路とラジエータとの間の第2弁口を閉じ、
かつ上記第1弁体が第1弁口を開いているときに、上記
第2弁口を開くとともに、上記吸気側通路とバイパス通
路との間の第3弁口を閉じる第2弁体と、を備えてなる
単一の流路制御弁をシリンダヘッド側ウォータジャケッ
トの出口側に配置したことを特徴としている。
【0009】また請求項4の発明では、上記排気側通路
の冷却水温度を検出する温度センサを有し、その検出温
度が所定温度に達するまで上記第1弁体が上記第1弁口
を閉じているように上記流路制御弁を制御する制御手段
を備えている。
【0010】さらに請求項5の発明では、上記流路制御
弁の駆動部がソレノイドからなり、かつ電源オフの状態
で上記第1弁体および第2弁体がそれぞれ第1弁口およ
び第2弁口を開放した位置となるように構成されている
ことを特徴としている。
【0011】
【作用】低温時には弁手段によりシリンダヘッド側の排
気側通路からの冷却水の流出が阻止されるので、該排気
側通路内の冷却水は速やかに温度上昇する。特に、排気
側通路内の容量が吸気側通路に比べて小さくなり、排気
ガスから冷却水が奪う熱量は少ない。そのため、未暖機
状態における排気温度が高くなり、触媒の早期活性化が
図れる。また、排気側に片寄って位置する隔壁は、シリ
ンダヘッド側部のシリンダヘッドボルトボス部に連結さ
れており、該ボス部がシリンダヘッドボルトの軸力を受
ける。そのため、上記のようにシリンダヘッドの排気側
が吸気側に比較して高温となっても、シリンダヘッドの
排気側におけるロアデッキの変形が効果的に抑制され
る。そして、点火栓取付部は、吸気側通路によって効果
的に冷却される。
【0012】また請求項2の構成においては、例えば暖
機完了後に、シリンダヘッドにおける吸気側通路と排気
側通路の双方に冷却水が通流するようになると、排気側
通路を流れる流量の方が吸気側通路の流量よりも多くな
る。同時に、排気側通路の流速が吸気側通路に比して高
くなる。これにより排気ポートが積極的に冷却される。
【0013】また請求項3の構成では、単一の流路制御
弁でもって、排気側通路と吸気側通路の双方の冷却水出
口が適宜に開閉される。つまり、排気側通路の冷却水出
口が閉じているときには、吸気側通路の冷却水出口はバ
イパス通路に連通している。そして、排気側通路の冷却
水出口がラジエータに連通するように切り換えられる
と、吸気側通路も同時にラジエータに連通し、かつバイ
パス通路は閉塞される。
【0014】請求項4では、流路制御弁が温度センサの
検出温度に基づいて制御され、排気側通路の冷却水温度
が所定温度に達するまで、排気側通路の冷却水出口が閉
じ、かつ吸気側通路の冷却水出口がバイパス通路に連通
する。
【0015】さらに請求項5では、内燃機関が停止して
いる電源オフ時に排気側通路と吸気側通路の双方がラジ
エータに連通する。これにより注水時にラジエータを介
したエア抜きが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。
【0017】図2は、この発明に係る冷却装置の全体的
構成を模式的に示したものであり、シリンダブロック1
とシリンダヘッド2とを主体として内燃機関が構成され
ているとともに、シリンダブロック1端部に、機関出力
にて駆動されるウォータポンプ3が装着されている。シ
リンダブロック1側のウォータジャケットとシリンダヘ
ッド2側のウォータジャケットとは、多数の連通孔4を
介して連通している。また、シリンダヘッド2側に設け
られた冷却水出口は、後述する流路制御弁5を介してラ
ジエータ6の入口に接続されている。ラジエータ6の出
口側は、ウォータポンプ3の吸入側に接続されている。
また流路制御弁5から分岐したバイパス通路7が、同じ
くウォータポンプ3の吸入側に接続されている。ヒータ
用通路8は、流路制御弁5の上流側から分岐しており、
その先端が同じくウォータポンプ3の吸入側に接続され
ているとともに、通路中に、車室暖房用のヒータコア9
が介装されている。
【0018】図1は、上記シリンダヘッド2内部のウォ
ータジャケットの構造を示している。この例は、直列4
気筒内燃機関であって、各燃焼室の略中央に点火栓取付
部11が配置されているとともに、この点火栓取付部1
1を挟んでクロスフロー形式に吸気ポート12と排気ポ
ート13とが形成されている。なお、吸気弁および排気
弁は各気筒に一対づつ設けられている。また、アルミニ
ウム合金等により一体に鋳造されているこのシリンダヘ
ッド2の側部には、図示せぬシリンダヘッドボルトが貫
通するシリンダヘッドボルトボス部14が設けられてい
る。詳しくは、このボス部14は、シリンダヘッド2の
前後両端および気筒間位置にそれぞれ形成されている。
【0019】そして、このシリンダヘッド2内部のウォ
ータジャケットを吸気側通路15と排気側通路16とに
区画するように、シリンダヘッド2内部に隔壁17が形
成されている。この隔壁17は、シリンダヘッド2の鋳
造時に、一体に鋳造されている。ここで、この隔壁17
は、燃焼室中央の点火栓取付部11よりも排気側に片寄
った位置に沿って形成されている。また、図3および図
4に示すように、隔壁17の下端はシリンダヘッド2の
ロアデッキ18に略直角に接続されており、ここから上
方へ立ち上がった隔壁17が排気側の側壁に向かって屈
曲し、かつ上端が、排気側のシリンダヘッドボルトボス
部14に斜めに接続されている。なお、排気ポート13
の部分では、図4にクロスハッチングを施して示すよう
に、排気ポート13の上部の壁部の一部と上記隔壁17
とが一体に連続している。
【0020】またシリンダヘッド2の前端部もしくは後
端部の一方、特に車両搭載時に高位となる方の端部にお
いて、図5に示すように、隔壁17がアッパデッキ19
に達するように延長形成されており、ここに、吸気側通
路15と排気側通路16とを連通する連通孔20が設け
られている。この連通孔20は、注水時にウォータジャ
ケット内のエアを排出するためのエア抜き孔となるもの
であり、この実施例では、ウォータジャケット用の中子
を支持する巾木によって生じる孔を利用している。つま
り、鋳造時にアッパデッキ19を含めて孔が空いてお
り、図6のようにアッパデッキ19側にネジ孔21を加
工する際の下孔加工と同時に連通孔20をドリル加工
し、その後、プラグ22を座金23とともに螺着して、
アッパデッキ19側を閉塞した構成となっている。な
お、中子の支持をシリンダヘッド2の中央部で行えるよ
うに、連通孔20付近では隔壁17をシリンダヘッド2
中央寄りに延長してある。
【0021】上記シリンダヘッド2の底壁となるロアデ
ッキ18には、図1,図3等に示すように、該シリンダ
ヘッド2内部の上述したウォータジャケットをシリンダ
ブロック1側のウォータジャケットに連通させる連通孔
4が多数開口形成されている。つまり、上述した吸気側
通路15および排気側通路16はそれぞれ複数の連通孔
4を介してシリンダブロック1側ウォータジャケットに
連通しているが、排気側通路16に連通する連通孔4の
総開口面積が、吸気側通路15に連通する連通孔4の総
開口面積よりも大きくなるように、個々の開口面積もし
くは個数が設定されている。なお、この総開口面積の調
整は、ロアデッキ18の連通孔4自体ではなく、シリン
ダヘッド2とシリンダブロック1との間に介装されるシ
リンダヘッドガスケットの開口部によって行うことも可
能である。
【0022】上記吸気側通路15および排気側通路16
は、シリンダヘッド2の一端部においてそれぞれ独立し
た冷却水出口26,27を有している(図1参照)。そ
して、これらの冷却水出口26,27には、図7,図8
に示すような単一の流路制御弁5が配設されており、前
述したラジエータ6やバイパス通路7との連通を適宜に
制御している。また排気側通路16の冷却水出口27
に、その冷却水温度を検出する温度センサ28が配設さ
れており、コントロールユニット29が、該センサ28
の検出温度に基づいて流路制御弁5を制御している。
【0023】流路制御弁5のバルブボディ31には、排
気側通路16の冷却水出口26に接続される排気側出口
室32と、吸気側通路15の冷却水出口27に接続され
る吸気側出口室33とが、左右に離れて形成されている
とともに、両者間に、ラジエータ6の入口に接続される
ラジエータ入口室34が形成されている。上記排気側出
口室32とラジエータ入口室34との間には、第1弁口
35が開口形成され、吸気側出口室33とラジエータ入
口室34との間には、第2弁口36が開口形成されてい
る。さらに、吸気側出口室33とバイパス通路7との間
に、第3弁口37が形成されている。これらの弁口3
5,36,37は、互いに同軸上に位置している。ま
た、第1,第2弁口35,36を貫通してシャフト38
が配置されており、ここに、ゴム等からなる第1弁体3
9および第2弁体40が固着されている。シャフト38
は、ソレノイドからなる駆動部41によって直線駆動さ
れる構成となっており、その移動に伴って、第1弁体3
9が第1弁口35をラジエータ入口室34側から開閉し
ている。また、第2弁体40は、第2弁口36を吸気側
出口室33側から開閉すると同時に、第3弁口37を開
閉している。つまり、図8のように第1,第2弁体3
9,40が第1,第2弁口35,36を開いた状態にお
いて、同時に第2弁体40が第3弁口37を閉じるよう
に構成されている。上記駆動部41としては、ソレノイ
ドのほかに、ステップモータを用いてシャフト38を直
線駆動するように構成することもできる。なお、前述し
た連通孔4の総開口面積に対応して、第1弁口35の開
口面積は、第2弁口36の開口面積よりも大きく設定さ
れている。また、8はヒータ用通路である。
【0024】次に上記実施例の作用について説明する。
【0025】内燃機関の停止状態つまり電源オフの状態
では、流路制御弁5は、図8のように、第1弁口35お
よび第2弁口36を開放した位置に保持されている。従
って、冷却水の交換に伴う注水時に、シリンダヘッド2
内部のウォータジャケットからラジエータ6へ空気が流
れ出ることができ、容易にエア抜きが行える。しかも、
吸気側通路15と排気側通路16とが、高位置にある連
通孔20でもって連通しているため、エア抜きが一層確
実となる。
【0026】内燃機関を始動したときに温度センサ28
の検出温度が低い場合、つまり冷間始動時には、キーオ
ンと同時に流路制御弁5が図7の位置に制御される。こ
れにより、シリンダヘッド2の排気側通路16の出口2
6は閉塞され、かつ吸気側通路15の出口27はバイパ
ス通路7に連通する。この状態で、内燃機関の暖機が進
行する。シリンダヘッド2内部の排気側通路16では、
冷却水が滞留状態のまま排気熱を受け、しかもその容量
が小さいので、排気側通路16内の冷却水は速やかに高
温となる。従って、始動直後に排気ガスを過度に冷却す
ることがなく、排気管に介装された触媒装置の温度が速
やかに上昇し、短時間で活性化温度に達する。これに対
し、吸気側通路15内の冷却水は、バイパス通路7へと
常時循環する。
【0027】上記のように排気側通路16内の温度が短
時間で上昇する結果、シリンダヘッド2においては、そ
の排気側と吸気側とでかなり大きな温度差が発生する。
特に、排気側で大きな熱歪が生じ、ロアデッキ18がシ
リンダブロック1頂面から浮き上がり気味となるが、上
記実施例の構成では、隔壁17がロアデッキ18とシリ
ンダヘッドボルトボス部14とを接続しており、該隔壁
17が一種のリブとなってボルト軸力をロアデッキ18
に伝達するので、ロアデッキ18の変形が効果的に抑制
される。また、隔壁17は排気側に片寄って位置し、中
央の点火栓取付部11が吸気側通路15に囲まれている
ので、上記のように排気側通路16が高温となっても、
点火栓は確実に冷却され、ノッキング等の異常燃焼を引
き起こすことがない。
【0028】暖機が進行し、温度センサ28の検出温度
が所定温度(例えば80℃〜100℃程度に設定され
る)に達したら、コントロールユニット29によって、
流路制御弁5が図8の位置に切り換えられる。これによ
り、排気側通路16および吸気側通路15の双方がラジ
エータ6に連通するようになり、該ラジエータ6を介し
て常時冷却水が循環する。この状態では、連通孔4の総
開口面積の関係によって、シリンダブロック1側から排
気側通路16へ流入する流量の方が、吸気側通路15へ
流入する流量よりも多くなる。そのため、熱負荷の高い
排気ポート13周辺を良好に冷却できる。しかも、排気
側通路16は、その通路断面積が小さいので、内部の流
速がそれだけ高くなり、冷却効率が一層向上する。ま
た、上述したように、この場合にも、点火栓周辺は比較
的低温な吸気側通路15内の冷却水でもって冷却される
ので、点火栓を確実に冷却できる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
に係る内燃機関の冷却装置によれば、シリンダヘッドに
おける排気側通路内の冷却水が速やかに温度上昇し、始
動直後の排気ガス温度を高温に保てる。そのため、触媒
の早期活性化が図れる。そして、このように排気側が吸
気側に比較して高温となっても、隔壁がリブとなってロ
アデッキの変形を抑制し、シール性悪化を来すことがな
い。また、点火栓が吸気側通路によって確実に冷却さ
れ、異常燃焼を防止できる。
【0030】また請求項2の構成によれば、暖機完了後
には排気側通路を多量の冷却水が通流するようになり、
熱負荷の高い排気側部分を積極的に冷却できる。
【0031】また請求項3の構成では、従来のサーモス
タットの機能も含め、単一の流路制御弁でもって排気側
出口と吸気側出口の双方を開閉制御するので、装置全体
の構成の小型化、軽量化が図れる。
【0032】また請求項4の構成では、排気側通路の冷
却水温度が所定温度に達するまで排気側通路の冷却水が
滞留状態に保たれ、速やかに温度上昇する。
【0033】さらに請求項5の構成では、内燃機関の停
止状態において排気側通路および吸気側通路の双方がラ
ジエータに連通するので、注水時のエア抜きが確実かつ
容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例におけるシリンダヘッド内
部の構成を示す断面図。
【図2】この実施例に係る冷却装置全体の構成を示す説
明図。
【図3】図1のA−A線に沿った断面図。
【図4】図1のB−B線に沿った断面図。
【図5】図1のC−C線に沿った断面図。
【図6】図5のD−D線に沿った断面図。
【図7】流路制御弁の一実施例を示す断面図。
【図8】この流路制御弁の切換状態を示す断面図。
【符号の説明】
2…シリンダヘッド 4…連通孔 5…流路制御弁 11…点火栓取付部 12…吸気ポート 13…排気ポート 14…シリンダヘッドボルトボス部 17…隔壁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウォータポンプにより圧送された冷却水
    が、シリンダブロック側のウォータジャケットを経由し
    てシリンダヘッド側ウォータジャケットへ供給されるよ
    うに構成されているとともに、シリンダヘッドの各燃焼
    室の略中央に点火栓取付部が配置され、かつこの点火栓
    取付部を挟んでクロスフロー形式に吸気ポートと排気ポ
    ートとが形成されてなる内燃機関の冷却装置において、
    上記シリンダヘッド側ウォータジャケットを、排気側通
    路と吸気側通路とに区画するように、シリンダヘッド内
    部に、上記点火栓取付部よりも排気側に片寄った位置に
    沿って隔壁を形成し、かつ上記排気側通路と吸気側通路
    のそれぞれに冷却水出口を設けるとともに、上記排気側
    通路の冷却水出口には、低温時に冷却水の通流を遮断す
    る弁手段を設け、さらに上記隔壁の上端を、シリンダヘ
    ッド側部のシリンダヘッドボルトボス部に接続したこと
    を特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 【請求項2】 シリンダブロック側ウォータジャケット
    とシリンダヘッド側ウォータジャケットの排気側通路と
    を連通する連通孔の総開口面積が、シリンダブロック側
    ウォータジャケットとシリンダヘッド側ウォータジャケ
    ットの吸気側通路とを連通する連通孔の総開口面積より
    も大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載
    の内燃機関の冷却装置。
  3. 【請求項3】 駆動部により直進駆動されるシャフト
    と、このシャフトに固定され、かつ上記排気側通路とラ
    ジエータとの間の第1弁口を開閉する上記弁手段を構成
    する第1弁体と、上記シャフトに固定され、上記第1弁
    体が第1弁口を閉じているときに、上記吸気側通路とラ
    ジエータとの間の第2弁口を閉じ、かつ上記第1弁体が
    第1弁口を開いているときに、上記第2弁口を開くとと
    もに、上記吸気側通路とバイパス通路との間の第3弁口
    を閉じる第2弁体と、を備えてなる単一の流路制御弁を
    シリンダヘッド側ウォータジャケットの出口側に配置し
    たことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関
    の冷却装置。
  4. 【請求項4】 上記排気側通路の冷却水温度を検出する
    温度センサを有し、その検出温度が所定温度に達するま
    で上記第1弁体が上記第1弁口を閉じているように上記
    流路制御弁を制御する制御手段を備えていることを特徴
    とする請求項3記載の内燃機関の冷却装置。
  5. 【請求項5】 上記流路制御弁の駆動部がソレノイドか
    らなり、かつ電源オフの状態で上記第1弁体および第2
    弁体がそれぞれ第1弁口および第2弁口を開放した位置
    となるように構成されていることを特徴とする請求項3
    または4に記載の内燃機関の冷却装置。
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