JPH0873863A - 含窒素等方性ピッチ - Google Patents

含窒素等方性ピッチ

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JPH0873863A
JPH0873863A JP24075794A JP24075794A JPH0873863A JP H0873863 A JPH0873863 A JP H0873863A JP 24075794 A JP24075794 A JP 24075794A JP 24075794 A JP24075794 A JP 24075794A JP H0873863 A JPH0873863 A JP H0873863A
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nitrogen
isotropic pitch
softening point
pitch
oil
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Takashi Maeda
崇志 前田
Tomimori Hosotsubo
富守 細坪
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 キノリン不溶分(QI)値が実質的に零、ト
ルエン不溶分(TI)値が30〜70wt%、メトラー
で測定した軟化点が200〜350℃、熱重量分析(T
G)800℃での残炭値が50wt%以上、元素分析で
0.5wt%以上3.5%wt以下の窒素(N)分を含
有する、含窒素等方性ピッチ。 【効果】 高軟化点を有し、かつ種々の炭素材に適した
含窒素等方性ピッチを提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高品位の等方性炭素材
料、等方性炭素繊維、活性炭素繊維(ACF)、電極材
等の炭素材製造用原料として適する、高軟化点を有する
含窒素等方性ピッチに関するものである。また、本発明
の新規な含窒素等方性ピッチは、予めピッチ製造段階で
ニトロ化処理ならびにその後の処理を行うので、種々の
炭素材の製造に必要な等方性ピッチの軟化点などの物性
を予め設計できる利点がある。
【0002】
【従来の技術】従来、接触分解(FCC)残渣油等の石
油系重質油などから種々の炭素材製造用原料となるピッ
チが熱処理や酸素あるいはオゾン等を用いたブローン法
等により得られている。
【0003】しかし、これらの従来法を用いたのでは、
従来重油のブレンド成分としての用途しかなかったFC
C残渣油の軽質留分等の、より軽質分を多く含んだ石油
系重質油では、高収率でピッチを製造することは難し
く、特に、常温で液体である上記重質油については、ピ
ッチ化して等方性ピッチを得るのが殆ど不可能であるの
が現状であった。
【0004】また、特開平5−302217号公報に
は、通常の等方性ピッチを紡糸して予め繊維状ピッチに
賦形した後に、固−液相でニトロ化する低粘度のマトリ
ックス用ピッチを製造する技術が開示されている。しか
し、この技術では、予め原料ピッチを繊維状にしてから
ニトロ化反応を行うと言う固−液相で行うためにその反
応自体限界があり、得られる等方性ピッチもニトロ化処
理が十分に行われていないため、炭素材含浸用の低軟化
点のマトリックス用ピッチが得られているに過ぎない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、軽質分を含有す
る常温で液体である石油系重質油からでは、熱処理によ
り重合させようとしても、ピッチ収率が極端に低く、炭
素材製造に適する高軟化点の等方性ピッチにすることが
実際上不可能であった。また、上記公開公報に記載され
るように、低軟化点の含窒素等方性ピッチは知られてい
るが、種々の炭素材の製造に適する高軟化点の含窒素等
方性ピッチは知られておらず、それに対する要望には強
いものがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題に
ついて種々検討した結果、常温で液体の石油系重質油、
特に軽質分を含有する石油系重質油を液相中乳化分散状
態でニトロ化処理などすることにより、軽質成分の脱離
を抑制しつつ上記重質油の均質なニトロ化と重合を有効
に行うことができて、高軟化点の含窒素等方性ピッチが
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は:キノリン不溶分(Q
I)値が実質的に零、トルエン不溶分(TI)値が30
〜70wt%、メトラーで測定した軟化点が200〜3
50℃、熱重量分析(TG)800℃での残炭値が50
wt%以上、元素分析で0.5wt%以上3.5wt%
以下の窒素(N)分を含有する、含窒素等方性ピッチを
提供する。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】(A)含窒素等方性ピッチ 本発明の含窒素等方性ピッチは、キノリン不溶分(Q
I)値が実質的に零、トルエン不溶分(TI)値が30
〜70wt%、メトラーで測定した軟化点が200〜3
50℃、熱重量分析(TG)800℃での残炭値が50
wt%以上、元素分析で0.5wt%以上3.5wt%
以下の窒素(N)分を含有するものである。
【0009】該含窒素等方性ピッチにおいて、QI値が
実質的に零とは、ピッチ中のキノリン不溶分含量が零で
あるか、0.1wt%以下であって痕跡量程度のキノリ
ン不溶分しか含有されていないことを意味する。QI値
が実質的に零であると、等方性ピッチにおいてニトロ化
が均一に十分に行われ、高度に重合できて高軟化点にで
きると共に均質なピッチが得られるが、QI値が実質的
に0.1wt%を越えて有意義数であると、不均一な性
状を有した等方性ピッチを得ることとなり好ましくな
い。
【0010】さらに、本発明の含窒素等方性ピッチは、
トルエン不溶分(TI)値が30〜70wt%、好まし
くは40〜60wt%であり、メトラーで測定した軟化
点が200〜350℃、好ましくは210〜350℃で
ある。なお、TI値と軟化点は相互に関連しており、T
Iが30wt%以下で軟化点が200℃以下では各種炭
素材の製造における流動性に優れるが炭素材としての歩
留りが低く生産効率に劣る。
【0011】一方、TIが70wt%以上で軟化点が3
50℃を越えると炭素材としての歩留りは向上するが、
流動性に劣るため製造時の操作性が悪くなる。さらに、
本発明の含窒素等方性ピッチは、熱重量分析(TG)8
00℃での残炭値が50%以上、好ましくは60%〜8
0%である。熱重量分析(TG)800℃での残炭値が
50%未満であると、含窒素等方性ピッチの製造に当た
り歩留まりが低下し適当でない。
【0012】また、元素分析(燃焼法)での窒素含有量
が所定の範囲でないと、ニトロ化処理された重質油を熱
処理するに際し、重合反応が効果的に進行せず高軟化点
の含窒素等方性ピッチを得ることができない。従って、
0.5wt%以上3.5wt%以下の範囲の窒素含有量
になるようにニトロ化処理されていると、熱反応性が高
くなって高軟化点の含窒素等方性ピッチが得られるので
ある。
【0013】本発明の新規な含窒素等方性ピッチは、高
軟化点を有し、かつ等方性炭素材料、等方性炭素繊維、
活性炭素繊維(ACF)、電極材等の炭素材製造用原料
として有用である。また、本発明の新規な含窒素等方性
ピッチは、予めピッチ製造段階でニトロ化処理ならびに
その後の処理を行うので、種々の炭素材の製造に必要な
等方性ピッチの軟化点等の物性を予め設計できる利点が
ある。
【0014】(B)含窒素等方性ピッチの製造方法:常
温で液体の石油系重質油とニトロ化試薬とを乳化(分
散)混合して液相中に乳化・分散した状態でニトロ化酸
化処理し、反応成分中に残存する水分並びに未反応のニ
トロ化試薬等を分別除去した後、加熱処理して重合し、
更に減圧蒸留して軽質分を除去すると共に含窒素等方性
ピッチの軟化点、残炭値等を調整することにより製造で
きる。
【0015】具体的には、常温で液体の石油系重質油、
特に軽質成分を含有する石油系重質油に15〜60wt
%のニトロ化試薬を含む水溶液を混合し、乳化剤、界面
剤などの存在或いは不存在下で反応効率を高めるために
ホモミキサー等の均質化混合機を用い攪拌して液相中の
エマルジョン又は分散液とし、これによりニトロ化処理
を施し、その後、反応成分中に残存する水分並びに未反
応のニトロ化試薬等を分別し、さらに得られたニトロ化
された重質油を加熱処理して重合し、引き続いて減圧蒸
留して軽質分を除去すると共に含窒素等方性ピッチの軟
化点、残炭値等を調整することによる。
【0016】乳化及び/又は分散状態で液相中でニトロ
化処理の後に、更に分別除去、熱処理、減圧蒸留の順で
処理を実施することが、高軟化点を有する含窒素等方性
ピッチを得るのに必要である。
【0017】(i) 石油系重質油 本発明の含窒素等方性ピッチの製造に用いる石油系重質
油としては、原油の蒸留残油、水添分解残油、接触分解
残油及びこれら残油の減圧蒸留物あるいは熱処理物とし
て得られるものならいずれでも使用可能であり、それら
の性状に特に制限されない。特に、従来法ではピッチに
成り難い軽質分を含有する石油系重質油、例えばFCC
残渣油の軽質留分を用いることができる。
【0018】該石油系重質油としては、芳香族炭化水素
分率fa値が好ましくは0.8以下、より好ましくは
0.7〜0.4で、かつ常温で液体であり、JIS K
−2283(オストワルドキャノンフェンスケ)毛細管
法で測定された50℃での粘度500cst以下である
ことが好ましい。この場合に、石油系重質油が常温で液
体であると、乳化剤の存在或いは不存在で容易に乳化・
分散できることにより、石油系重質油が液相中乳化・分
散状態でニトロ化でき、その後の所定の処理と相俟って
均質で高品位で高軟化点を有する含窒素等方性ピッチが
得られるのである。なお、重質油を規定する芳香族炭化
水素分率fa値は、次の(1) 式で表されるものである。
【0019】
【数1】 (なお、fa値はC13−NMRによって求めることがで
きる。)
【0020】該石油系重質油として、粘度が500cs
tを超えるとニトロ化試薬と混合して乳化(エマルジョ
ン化)又は均一分散することが難しく、効果的にニトロ
化処理を行うことができない。
【0021】(ii)ニトロ化処理 石油系重質油とニトロ化試薬との乳化(分散)混合に際
して、両者の混合液のより乳化・分散を図るために、均
質化混合機などの混合機による攪拌と併せて、必要に応
じて石油系重質油10重量部に対して1〜4重量部、好
ましくは2〜3重量部の界面活性剤又は乳化剤や低沸点
のシリコーン油等を加えても良い。前記界面活性剤又は
乳化剤としては、ポリエチレングリコール等の非イオン
系のものが好ましい。
【0022】ニトロ化試薬の濃度は水溶液として15w
t%〜60wt%、好ましくは20wt%〜50wt%
の範囲である。ニトロ化試薬の濃度が15wt%未満で
は効率的で十分なニトロ化反応が期待できない。また、
60wt%を越えるとニトロ化による重合反応が顕著に
進行し、ニトロ化の段階で石油系重質油が固化するた
め、意図する含窒素等方性ピッチの製造ができない。上
記濃度のニトロ化試薬と石油系重質油の混合割合は、石
油系重質油に対して5〜30wt%である。
【0023】このニトロ化処理の反応温度は室温(R
T)〜80℃、好ましくは室温〜50℃程度の低い反応
温度かつ0.5〜5時間、好ましくは0.5〜1時間程
度の短い反応時間が望ましい。このようなニトロ化処理
によると、液相の石油系重質油がニトロ化試薬と乳化混
合されて十分に乳化・分散した乳化又は均一分散状態の
液−液相でニトロ化反応が行われるので、ニトロ化が容
易に行われ、高軟化点の含窒素等方性ピッチが得られ
る。
【0024】該ニトロ化試薬としては、硝酸、硝酸ナト
リウム、硝酸カリウムなどの硝酸塩、有機硝酸エステ
ル、亜硝酸の少なくとも1種から選択されるものである
が、代表的には硝酸が好ましい。また、ニトロ化処理に
際し、余分な添加物を避けるためニトロ化試薬のみと
し、無触媒で行うことが好ましいが、必要に応じて硫酸
等の酸触媒を使用することもできる。
【0025】(iii)水分や未反応成分等の分別 次ぎに、ニトロ化処理された重質油中に含まれる未反応
ニトロ化試薬や水分を分別除去する必要がある。その分
別除去処理手段としてはそれらを分別除去できるなら、
特に制限されないが、減圧あるいは常圧蒸留が好まし
い。この減圧あるいは常圧蒸留によると未反応ニトロ化
試薬や水分を効率よく分別除去することができる。蒸留
の条件については、未反応ニトロ試薬や水分を分別除去
できる条件であれば特に制限されないが、80℃〜15
0℃、好ましくは100〜120℃の温度範囲で常圧で
処理すると簡便で効率よく除去することができる。
【0026】(iv)加熱処理と減圧蒸留処理 その後、ニトロ化処理された重質油を加熱処理すること
により重合させピッチ化し、引き続き減圧蒸留すること
により、高軟化点を有し、かつ種々の炭素材製造用等方
性ピッチに適する物性となるように調整した含窒素等方
性ピッチを製造する。この時の加熱処理温度は、重合反
応が効果的に進行する条件であれば特に制限はないが、
250℃以下では長時間を要し、また400℃以上では
コーキングが発生するため、250℃〜400℃で行な
うのが好ましい。
【0027】また、減圧蒸留の温度条件は効率よく軽質
成分を除去できる条件であれば特に制限されないが、こ
の減圧蒸留処理での重合を極力避けるために、加熱処理
温度以下であることが好ましい。具体的には、減圧蒸留
に際し、蒸留温度は200℃〜350℃であって加熱処
理温度以下の温度であることが望ましく、かつ10to
rr以下、好ましくは5torr以下の減圧で処理する
と効率が良い。
【0028】
【実施例】本発明を以下の実施例及び比較例により具体
的に説明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。
なお、実施例と比較例のデータを表1にまとめた。 (実施例1)faが0.6、50℃での粘度が32cs
tの接触分解残油に、30wt%の硝酸水溶液を原料油
に対して20wt%の割合で15分から60分の時間を
かけて徐々に添加し、攪拌器を用いて乳化混合させてエ
マルジョン状態で、室温で1時間ニトロ化反応させた。
その後、ニトロ化処理された重質油を120℃で3時間
常圧蒸留して未反応の硝酸及び水分を分別除去した。次
ぎに、その処理物を350℃で5時間加熱処理して重合
して軟化点80℃の等方性ピッチを得た。引き続いて、
300℃で5torrで減圧蒸留し、収率28wt%で
下記性状の含窒素等方性ピッチを得た。
【0029】 軟化点(ASTM D−3104) 200℃ キノリン不溶分:QI(ASTM D−2318) 0wt% トルエン不溶分(住金化工法に準拠) 30wt% 熱重量分析値:800℃での残炭値 50wt% N含有量:元素分析(燃焼法) 1.0wt%
【0030】(実施例2)faが0.6、50℃での粘
度が32cstの接触分解残油に、40wt%の硝酸水
溶液を原料油に対して20wt%の割合で15分から6
0分の時間をかけて徐々に添加し、均質化混合機(特殊
機化工業(株)製ホモミキサー機)を用いて60分間強
制攪拌して乳化混合させてエマルジョン状態とし、室温
で1時間ニトロ化させた。その後、得られたニトロ化処
理された重質油を120℃で3時間常圧蒸留して未反応
の硝酸及び水分を分別・除去した。
【0031】次に、その処理を350℃で3時間加熱処
理により重合して軟化点90℃の等方性ピッチを得た。
引き続いて、300℃で5torr下で減圧蒸留し、収
率40wt%で下記性状の含窒素等方性ピッチを得た。 軟化点(ASTM D−3104) 260℃ キノリン不溶分:QI(ASTM D−2318) 0wt% トルエン不溶分(住金化工法に準拠) 50wt% 熱重量分析値:800℃での残炭値 62wt% N含有量:元素分析(燃焼法) 2.0wt%
【0032】(実施例3)faが0.6、50℃での粘
度が32cstの接触分解残油に、57wt%の硝酸水
溶液を原料油に対して20wt%の割合で15分から6
0分の時間をかけて徐々に添加し、均質化混合機(特殊
機化工業(株)製ホモミキサー機)を用いて60分間強
制攪拌して乳化混合させてエマルジョン状態とし、室温
で1時間ニトロ化させた。その後、得られたニトロ化処
理された重質油を120℃で3時間常圧蒸留して未反応
の硝酸及び水分を分別・除去した。
【0033】次に、その処理物を350℃で3時間加熱
処理により重合して軟化点100℃の等方性ピッチを得
た。引き続いて、300℃で5torr下で減圧蒸留
し、収率56wt%で下記性状の含窒素等方性ピッチを
得た。 軟化点(ASTM D−3104) 292℃ キノリン不溶分:QI(ASTM D−2318) 0wt% トルエン不溶分(住金化工法に準拠) 61wt% 熱重量分析値:800℃での残炭値 67wt% N含有量:元素分析(燃焼法) 2.6wt%
【0034】(比較例1)faが0.6、50℃での粘
度が32cstの接触分析残油に、10wt%の硝酸水
溶液を原料油に対して20wt%の割合で15分から6
0分の時間をかけて徐々に添加し、均質化混合機(特殊
機化工業(株)製ホモミキサー機)を用いて60分間強
制攪拌して乳化混合させてエマルジョン状態とし、室温
で1時間ニトロ化させた。その後、得られたニトロ化処
理された重質油を120℃で3時間常圧蒸留して未反応
の硝酸及び水分を分別・除去した。
【0035】次に、その処理物を350℃で6時間加熱
処理したが、ニトロ化反応が進行していないためピッチ
化することは出来なかった。熱処理後の液状物のN含有
量は0.4wt%であった。
【0036】(比較例2)faが0.6、50℃での粘
度が32cstの接触分解残油に、65wt%の硝酸水
溶液を原料油に対して20wt%の割合で15分から6
0分の時間をかけて徐々に添加し、均質化混合機(特殊
機化工業(株)製ホモミキサー機)を用いて60分間強
制攪拌して乳化混合させてエマルジョン状態とし、室温
で1時間ニトロ化させた。その後、得られたニトロ化処
理された重質油を120℃で3時間常圧蒸留して未反応
の硝酸及び水分を分別・除去した。次ぎに、その処理物
を350℃で3時間加熱処理したが、ニトロ化反応が進
み過ぎ軟化点350℃とでトルエン不溶分74wt%の
固形物となり、成形に必要な流動性を示さなかった。こ
の固形物のN含有量は3.6wt%であった。
【0037】(比較例3)実施例1で使用した接触分解
残油を、硝酸処理することなく300℃で加熱処理し
た。その結果、重質油成分はほとんどが加熱処理装置外
へ出てしまい、ピッチを得ることが出来なかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、高軟化点を有し、かつ
種々の炭素材に適した含窒素等方性ピッチを提供でき
る。また、本発明の含窒素等方性ピッチは、軽質分を含
有する石油系重質油からのものであるにも拘らず、従来
品と遜色がなくまたはそれ以上であり、予めピッチ製造
段階でニトロ化処理などを行うので、種々の炭素材の製
造に必要な含窒素等方性ピッチの軟化点等の物性を予め
設計できる利点がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キノリン不溶分(QI)値が実質的に
    零、トルエン不溶分(TI)値が30〜70wt%、メ
    トラーで測定した軟化点が200〜350℃、熱重量分
    析(TG)800℃での残炭値が50wt%以上、元素
    分析で0.5wt%以上3.5%wt以下の窒素(N)
    分を含有することを特徴とする、含窒素等方性ピッチ。
JP24075794A 1994-09-09 1994-09-09 含窒素等方性ピッチ Pending JPH0873863A (ja)

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