JPH087208B2 - 便潜血検査試薬および方法 - Google Patents

便潜血検査試薬および方法

Info

Publication number
JPH087208B2
JPH087208B2 JP62503532A JP50353287A JPH087208B2 JP H087208 B2 JPH087208 B2 JP H087208B2 JP 62503532 A JP62503532 A JP 62503532A JP 50353287 A JP50353287 A JP 50353287A JP H087208 B2 JPH087208 B2 JP H087208B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
mixture
cosolvent
hydroperoxide
dmso
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62503532A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63503483A (ja
Inventor
ジェイ. ローレンス,ポール
Original Assignee
ジェイ. ローレンス,ポール
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ジェイ. ローレンス,ポール filed Critical ジェイ. ローレンス,ポール
Publication of JPS63503483A publication Critical patent/JPS63503483A/ja
Publication of JPH087208B2 publication Critical patent/JPH087208B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/26Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving oxidoreductase
    • C12Q1/28Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving oxidoreductase involving peroxidase

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は便潜血検査(FOBT)の分野に関する。さらに
詳細には,本発明は,結果の誤差発生率を減少させ,そ
して/または非常に良好な感度および特異性を提供し,
そして/または実施がより簡便である,改良されたFOBT
に関する。
技術の背景 FOBTは,一般に胃腸(GI)の病変部から出血する潜血
を検出するために,臨床上用いられている。例えば,結
腸癌および直腸癌は米国では最も深刻な癌であり,死因
に関しては肺癌に次いで第2位である−毎年新しく約10
0,000人が罹患し,50,000人が死亡している。結腸癌は長
い無症候性の期間を伴いゆっくりと進行するので,早期
発見および効果的な治療について理想的な機会を提供す
る。このように,結腸直腸病変部はしばしば出血するの
で,FOBTは初期診断に合理的な試みであり,非浸襲性の
ルーチン検査が可能である。同様に,病院および医師は
疾病,損傷,外科的処理およびその他の原因によって起
こるGI病変部を検出またはモニターするために,非常に
しばしばFOBTを利用する。
初期のFOBTにおいては,染色容器に入れた24〜48時間
蓄便を,酸性グアヤク溶液および過酸化水素を用いて試
験するために中央研究所に送ることを必要とした。グア
ヤクとは,ロイコ染料およびα−グアヤコン酸を含有す
る植物抽出物の複合体である。ロイコ染料は触媒の存在
下でヒドロペルオキシドにより酸化され,青色を形成す
る: ヘモグロビンは有効な触媒(偽ペルオキシダーゼ)で
あるので,ロイコ染料/ヒドロペルオキシド試薬を用い
て潜血について便を検査し得る。それにもかかわらず,
検査の不愉快な性質のためにこの方法はほんのわずかし
か利用されるにとどまっており,医師はこの非常に有効
な情報をほとんど得られなかった。
米国特許第3,996,006号は,グアヤクを基本とする便
中の潜血検査を一般化するFOBT法を記載している。この
方法はスライドを採用しており,該スライドはフロント
パネルとリアパネルとの間に,グアヤクを浸み込ませた
紙のシートを有する。このフロントパネルおよびリアパ
ネルは開孔部を有し,該開孔部は回動可能なフラップで
蓋がされている。便試料をフロントパネルの開孔部を介
して紙につけ,該パネルを閉じる。次いでリアパネルを
開き,リアパネルの開孔部を介して過酸化水素顕色剤を
紙につける。もしも試料中に血液が存在するのならば,
紙は青色に変化する。この検査の市販されている商品
は,HEMOCCULT 検査と呼ばれ,病院や診療所で広く使用
されている。HEMOCCULT 検査の広範囲にわたる普及に
もかかわらず,最近の研究はこの検査の感度および特異
性における深刻な限界を指摘している。出願者は,感度
の限界の一部は以下の原因によると考えている:(1)
多くの試料においてヘモグロビンがペルオキシダーゼ活
性をわずかしか示さない,または全く示さない誘導体に
まで分解されるという事実;(2)検査に用いられたヒ
ドロペルオキシド試薬によるペルオキシダーゼ活性を有
するヘムタンパクの分解;および(3)検査に用いられ
た試薬中の分解産物(すなわち,ヘムおよびヘミンのよ
うな鉄プロトポルフィリン)が比較的不溶性であるこ
と。もちろん,感度の限界は結果に負の誤差を引き起こ
し得る。特異性の限界は,おそらく検査を実施した試料
または環境における植物由来のペルオキシダーゼ,およ
び/または鉄あるいは銅にこの検査が反応したためであ
る。特異性の限界は,結果に正の誤差を引き起こす。
米国特許第4,333,734号は,種々のグアヤクを基本と
するFOBTを記載しており,該FOBTは試料中の植物由来の
ペルオキシダーゼの存在によって結果に正の誤差を生じ
る率を減少させるように意図されている。このFOBTは,
ペルオキシダーゼ活性に必須であるカルシウムおよびマ
グネシウムイオンを封鎖する金属キレート剤を含有する
尿素またはグアニジン塩酸塩のような,ペルオキシダー
ゼの変性剤を含有している。変性剤およびキレート剤は
グアヤクとともに調合される。
米国特許第4,071,317号は,ジメチルスルホキシド(D
MSO)およびジメチルホルムアミド(DMF)のような極性
溶媒の使用に関するものである。これらの極性溶媒の使
用により,FOBTに使用されている有機のヒドロペルオキ
シドおよびロイコ染料の混合物が安定となる。この溶媒
はヒドロペルオキシドおよびロイコ染料を少量含有する
ように調合される。この溶液は固体マトリクスに塗布さ
れ,該マトリクスは検査に先立って乾燥される。
いくつかの参照文献は,鉄プロトポルフィリンの単量
体型は二量体または凝集体型のペルオキシダーゼよりも
大きい活性を示すことを指摘している。Biochem J(197
0)177:741−744;Biochem J(1973)135:353−359;Bioc
hem J(1976)153:279−285;およびBiochemistry(197
4)13:4279−4284。Biochem J(1979)179:281−289は,
DMSOを約35%(v/v)の過剰量で含有するDMSOと水との
混合物中に,ヘミンが単量体の形で生じることを示して
いる。
Biochem J(1968)108:131−136は,窒素リガンド−
アルカリ性ヘマチン複合体の溶解性を議論している。Bi
ochimicaet Biophysica Acta(1977)498:205−214は,
アルカリ性の水溶性媒質における鉄ヘムおよびプロトポ
ルフィリンの凝集物を溶解するための,ポリエチレンオ
キサイド,ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリド
ン,およびポリスチレンスルホネートのような種々の水
溶性ポリマーの使用について記載している。
本発明の目的は,ロイコ染料を基本とするFOBTにおけ
る不正確な結果(正の誤差および負の誤差の両方)の発
生率を減らすことである。この目的は,鉄プロトポルフ
ィリンを溶解させる特殊な溶媒系を使用する溶液中の試
料に,ヒドロペルオキシド,またはヒドロペルオキシド
およびロイコ染料の両方,を用いることにより達成され
る。
発明の開示 本発明の1つの面は,固体の検査マトリクス上の便試
料をロイコ染料およびヒドロペルオキシドに接触させる
ことを包含する便潜血検査法であって,該ヒドロペルオ
キシド,または該ヒドロペルオキシドおよびロイコ染料
は,鉄プロトポルフィリンに対する溶媒を少なくとも50
容量%含有する溶媒溶液中の試料に適用され,該鉄ポル
フィリンに対する溶媒は中性アミンと有機共溶媒との混
合物を包含し,そのことによって試料中の鉄ポルフィリ
ンが溶解される便潜血検査法である。
本発明の他の面では,鉄プロトポルフィリンに対する
溶媒が以下の化合物を包含する: (a)次の式で表されるアミド: ここで,R1,R2およびR3は同一または相異り,水素,低
級アルキル,フェニルまたはベンジルを表す;ただし,R
1およびR2の両方は水素ではなく,R3はR1またはR2と結合
し,5員環または6員環の複素環を形成し得る; (b)式R1−X−R2で表されるスルホンのスルホキシ
ド: ここで,Xは であって,R1またはR2は同一または相異り,低級アルキ
ルフェニル,ベンジルであるか,あるいはXが の場合には,R1およびR2は結合して5員環または6員環
の複素環を形成し得る; (c)ピリジン; (d)エタノールアミンと共溶媒との混合物であって,
該共溶媒が,メチルエチルケトン,テトラメチレンスル
ホン,ブチロラクトン,テトラヒドロフルフリルアルコ
ール,2−メトキシエタノール,およびテトラメチル尿素
でなる群から選択される混合物; (e)2−(ジメチルアミノ)エチルアミンと共溶媒と
の混合物であって,該共溶媒が,メチルエチルケトン,
アセトニトリル,テトラメチレンスルホン,ブチロラク
トン,テトラヒドロフルフリルアルコール,2−メトキシ
エタノール,およびメタノールでなる群から選択される
混合物;または (f)ジエタノールアミンと共溶媒との混合物であっ
て,該共溶媒が,メチルエチルケトン,アセトニトリ
ル,テトラメチレンスルホン,ブチロラクトン,および
テトラヒドロフルフリルアルコールでなる群から選択さ
れる混合物。
本発明のさらに他の面は,ロイコ染料指示薬を用いた
便潜血検査で使用するための便潜血検査顕色剤組成物で
あって,該顕色剤組成物はヒドロペルオキシドの鉄プロ
トポルフィリン溶媒溶液を含有し,該鉄プロトポルフィ
リン溶媒が中性アミンと有機共溶媒との混合物を包含す
る顕色剤組成物である。
本発明のさらに他の面は,上記(a)〜(f)から選
択される鉄ポルフィリン溶媒を包含するFOBT顕色剤であ
る。
本発明のさらに他の面においては,便潜血検査で使用
するための完全な試薬組成物が提供される。該試薬組成
物は鉄プロトポルフィリン溶媒溶液中にロイコ染料とヒ
ドロペルオキシドとを含有し,該鉄プロトポルフィリン
溶媒は中性アミンと有機共溶媒との混合物を含有する
か,あるいは上記で概略を述べた(a)〜(f)で定義
される。
発明を実施するための様式 ここで用いられる“ヘムタンパク”という用語は,ヘ
モグロビンおよびヘムやヘミンのようなヘモグロビンの
誘導体を包含すると意図される。これらは,(特に単量
体の形において)ヒドロペルオキシドからロイコ染料へ
の酸素の転移を触媒する能力を有し,該ロイコ染料を酸
化させ,そのことによって検出可能な反応を提供する。
このような能力は,ときどき本明細書において“過酸化
的活性”として表されている。
ここで用いられている“ロイコ染料”という用語は,
特別な化学種または属に限定されることを意図せず,検
出可能な反応を引き起こす指示薬を包含すると意図され
る。このような反応とは,典型的には上記指示薬がヘム
タンパクの存在下で酸化される場合に,肉眼で目視しう
る色の変化である。ロイコ染料の例は以下のようなもの
である:グアヤク,ベンジン,o−トルイジン,クレゾー
ル,カテコール,3,3′5,5′−テトラメチルベンジジン,
p−トルイジン,β−ナフトール,ビロガロール,o−フ
ェニレンジアミン,ロイコ・マラカイトグリーン,3−ア
ミノエチルカルバゾール,4−アミノアンチピリン,フェ
ノール,および2,2′−アジノ−ジ−(3−エチルベン
ジル)アゾリンスルホン酸(ABTS)。
本発明で改良を述べる便潜血検査法は,係属中のPCT
出願PCT/US85/02446に記載され,特許請求されている
が,その内容を完全にするためにここに要約する。記載
されている種々のFOBTの構成は,固体の検査マトリクス
上に置かれた便試料をロイコ染料およびヒドロペルオキ
シドに接触させることを包含する。ある1つの構成にお
いて,マトリクスは前もって混合物を含浸させてある
(すなわち,マトリクスは混合物を乾燥状態で担持す
る)。他の構成では,マトリクスは混合物の1つの成分
を含浸させてあり,残りはヒドロペルオキシドと共に
か,あるいは別々にのいずれかでマトリクス/試料へ溶
液で添加される。長期の安定性のために,色原体混合物
とヒドロペルオキシドは別々に保存するのが好ましい。
例えば,通常の出口ノズルを有する2円筒シリンジのよ
うな同時に調剤するのに適した分離された容器にこれら
を詰め得る。他の構成は,完全な試薬の1部分として色
原体を溶液で用いるためのものである(長期の安定性が
包含されない場合)。完全な試薬は,混合物および溶媒
に加えて,ヒドロペルオキシドおよび必要に応じて他の
添加物を含有する。添加物とは,ヘムタンパク可溶化
剤,安定化剤,植物由来のペルオキシダーゼインヒビタ
ー,鉄キレート剤,促進剤,および緩衝液である。もち
ろん,このような添加物は,他の検査構成において固体
の検査マトリクスに含浸され得る。完全な試薬の使用
は,前もって含浸させる必要をなくし,新しい検査の
形,低い製造コストおよび未処理のマトリクスの使用を
可能にし,そして検査の性能を改善するという利点を有
する。
グアヤクとABTSとの色原体混合物は,個々の成分から
予想される反応の合計よりも濃く発色する。色の濃さの
増大に加えて,現行のFOBT(例えば,HEMOCCULT 検査)
で観察されるよりも色が均一に展開し,この発色はより
安定であり(すなわち,長時間持続する),そしてより
再現性がよい。混合物中のグアヤクとABTSとの重量比
は,1:5から5:1の範囲であり,好ましくは約1:1である。
色原体混合物を,過酸化物を含有する完全な試薬とし
て,および/またはDMSOのような鉄プロトポルフィリン
に対する溶媒に含有させて調合する場合,この調合物中
に安定化する量の硫酸ナトリウムまたは他の抗酸化剤を
含有させることが好ましい。硫酸ナトリウムは,溶液を
飽和する量よりも過剰量で存在することが好ましい。溶
液中の色原体混合物の濃度は,通常0.5〜10重量%の範
囲である。
同様に,鉄プロトポルフィリンに対する溶媒を基本と
する溶媒系を有する顕色剤/完全試薬の便試料への適用
は,種々のFOBTの形において使用され得る。顕色剤とし
て用いる場合は,ヒドロペルオキシドを含有する溶液を
ロイコ染料を含浸させたマトリクス上の試料に添加す
る。完全試薬の形で用いる場合には,溶液は好ましくは
本発明の多色原体であるロイコ染料を,ヒドロペルオキ
シド,および必要に応じて上述のような他の添加物と共
に含有する。
本発明のFOBT法で用いられる検査マトリクスは,セル
ロース誘導体(木材,紙),セラミック,ガラス繊維,
天然あるいは合成の衣料用繊維,フェルト,およびスポ
ンジのような種々の多孔質材料から作製され得る。
本発明は,特に,鉄プロトポルフィリンに対する溶媒
として有用である液体に関する。これらの液体は,鉄プ
ロトポルフィリンを約pH6.5〜7.5のpH範囲で溶解する中
程度から高い能力を有することが好ましい。本発明の例
では,ヘミンの結晶25mgを室温で1mlの溶媒と混合し,
溶解せずに残ったヘミンの量を測定することにより,こ
の能力が測定される。この方法で評価されたヘミンを溶
解する高い能力を示す液体は非プロトン性アミド,スル
ホキシド,スルホン,ピリジン,およびあるアミンと他
の有機溶媒との混合物,を包含した。
鉄プロトポルフィリン溶媒として受け入れられ得るこ
とが見い出されたアミドは,次式で表される: ここで,R1,R2およびR3は同一または相異り,水素,低
級アルキル,フェニルまたはベンジルを表す;ただし,R
1およびR2の両方は水素ではなく,R3はR1またはR2と結合
し,5員環または6員環の複素環を形成し得る。“低級”
という用語は,“アルキル”を修飾するために用いられ
ており,これは炭素原子が1個から6個の基を示す。こ
のような基の例は,メチル,エチル,イソプロピル,ブ
チルおよびヘキシルである。ジメチルホルムアミドおよ
び1−メチル−2−ピロリジノンは,この種類の好適な
溶媒である。
受け入れられ得る鉄プロトポルフィリン溶媒であるこ
とが見い出されたスルホキシドおよびスルホンは,式R1
−X−R2で表される: ここで,Xは であって,R1またはR2は同一または相異り,低級アルキ
ルフェニル,ベンジルであるか,あるいはXが の場合には,R1およびR2は結合して5員環または6員環
の複素環を形成し得る(例えば,テトラメチレンスルホ
キシド,ペンタメチレンスルホキシド)。
受け入れられ得る鉄プロトポルフィリン溶媒であるこ
とが見い出された中性アミンと有機溶媒との混合物は,
以下のものを包含する:グリセロール,テトラヒドロフ
ルフリルアルコール,2−メトキシエタノール,メチルエ
チルケトン,テトラメチル尿素,スルホラン(テトラメ
チレンスルホン),またはブチロラクトンを含有するエ
タノールアミン;メチルエチルケトン,アセトニトリ
ル,スルホラン,ブチロラクトン,テトラフルフリルア
ルコール,2−メトキシエタノール,またはメタノールを
含有する2−(ジエチルアミノ)エチルアミン;および
メチルエチルケトン,アセトニトリル,スルホラン,ブ
チロラクトン,またはテトラヒドロフルフリルアルコー
ルを含有するジエタノールアミン。鉄プロトポルフィリ
ンに対する適切な溶媒である,中性アミンと有機溶媒と
の他の混合物は,ここで記述したように実験的に決めら
れた。この混合物を,好ましくは1Mの中性アミン水溶液
を基本として1:1の容積比で混合する。
鉄プロトポルフィリン溶媒は,検査マトリクスを湿潤
するのに好ましい溶媒でもあり,該溶媒は試料から鉄プ
ロトポルフィリンを溶解して浸出させることができ,色
に変化があった場合,その色は試料によって不鮮明なる
ことなく,より容易に観察される。
鉄プロトポルフィリン溶媒は,水,アルカノール(例
えば,メタノール,エタノール,および他の低級アルカ
ノール),ペンタン,酢酸エチル,シクロヘキサン,お
よびアセトンのような共溶媒(co−solvent)を,有し
得る。しかし,溶媒組成における主たる溶媒の割合は約
50%(v/v)を上回るように,好ましくは約75%(v/v)
を上回るように維持すべきである。
ジメチルスルホキシド(DMSO)は,特に好適な鉄プロ
トポルフィリン溶媒であり,このことについては係属中
のPCT出願PCT/US85/02446で報告した。顕色剤/完全試
薬における溶媒としてDMSOを使用すると,いくつかの利
点が得られる。第一に,DMSOは鉄プロトポルフィリンを
含有するヘムタンパクに対する強力な溶媒である。第二
に,DMSOはヘムおよびヘミンの二量体や凝集体を単量体
に変換する。そして第三に,DMSOは便試料中に存在しう
るペルオキシダーゼを不活性化させ,該ペルオキシダー
ゼが指示薬の酸化を触媒して結果に正の誤差を生じさせ
るのを防止する。
溶液または検査マトリクスに任意に含有され得るヘム
タンパク可溶化剤は,界面活性剤および水溶性ポリマー
を含有する。ヘムタンパクを可溶化するのに適当な親水
性−疎水性バランスを有する界面活性剤が適切である。
このような界面活性剤は,以下のものを包含する:トリ
トン (TRITON )界面活性剤(ポリオキシエチレンア
ルキルフェノール);セチルアルキルトリメチルアンモ
ニウムブロミド(CTAB)またはアルキルトリメチルアン
モニウムブロミドのp−トルエンスルホン酸塩であるよ
うなアルキルトリメチルアンモニウムブロミド系列の界
面活性剤;およびC10からC14の脂肪酸のアルカリ金属塩
またはアルキル硫酸アルカリ金属塩。適切な界面活性剤
の例は,ドデシル硫酸ナトリウム(SDS),ドデシルス
ルホン酸ナトリウム,デシル硫酸ナトリウム,テトラデ
シル硫酸ナトリウム,トリドデシルスルホン酸ナトリウ
ム,ミリスチン酸ナトリウム,カプリン酸ナトリウム,
ドデシル−N−サルコシンナトリウム,およびテトラデ
シル−N−サルコシンナトリウムである。ヘムタンパク
を可溶化させるために用いられ得る水溶性ポリマーは,
ポリ(エチレンオキサイド),ポリ(ビニルアルコー
ル),ポリ(ビニルピロリドン),ポリ(ビニルピリジ
ン),およびポリ(スチレンスルホン酸エステル)を包
含する。これらの可溶化剤は,ヘムタンパクを可溶化す
るだけではなく,過酸化的に不活性なヘムタンパク二量
体または凝集体を,過酸化的に活性な単量体の形に変換
すると考えられている。
鉄プロトポルフィリンを安定化させ,それらの過酸化
的活性を増大させる窒素リガンドもまた,完全試薬また
は検査マトリクスに加えられ得る。このようなリガンド
の例としては,ピリジン,ヒスチジン,カフェイン,イ
ミダゾール,およびイミダゾール誘導体がある。
キノリンおよびキノリン誘導体は,発色を促進するた
めに顕色剤/完全試薬に含有され得る。好適なキノリン
誘導体は,7−クロロ−4−(4−ジエチルアミノ−1−
メチル(ブチルアミノ)キノリンである。
植物由来のペルオキシダーゼインヒビターおよび鉄キ
レート剤のような他の添加物は,検査結果が誤っている
可能性をより少なくするために検査マトリクスに加えら
れ得る。上記鉄キレート剤としては,例えば,エチレン
ジアミン四酢酸,N,N,N′,N′−ジアミノシクロヘキサン
四酢酸,クエン酸,酒石酸,ニトリロ三酢酸,ジエチレ
ントリアミン−五酢酸,N,N′−ビスヒドロキシエチルグ
リシン,エチレングリコールビス(2−アミノエチルエ
ーテル)四酢酸,N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン
四酢酸がある。緩衝液は,ロイコ染料を酸化するのに適
したpH範囲を維持するために添加される。ロイコ染料に
基づいて,特定の緩衝液(pH範囲)が使用される。通
常,pHは約3から約9の間である。実施例の方法による
と,グアヤクの酸化はpH6〜7.5に緩衝化(リン酸緩衝
液)して行われ,3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン
の酸化は約pH4に緩衝化(酢酸緩衝液)して行われ,そ
してABTSは約pH9〜9.5に緩衝化(グリシン緩衝液)して
行われる。本発明の色原体混合物については,pH5〜10の
範囲内にあるべきである。
過酸化水素,またはクメンヒドロペルオキシド,t−ブ
チルヒドロペルオキシド,ジイソプロピルベンゼンヒド
ロペルオキシド,および2,5−ジメチルヘキサンヒドロ
ペルオキシドのような有機のヒドロペルオキシドは,顕
色剤または完全試薬に用いられ得る。有機のヒドロペル
オキシドが好適に用いられる。なぜならば,有機のヒド
ロペルオキシドは以下のことがありそうにないからであ
る:(a)植物由来のペルオキシダーゼが存在する便試
料を用いたFOBTにおいて結果に正の誤差を生じさせる;
および(b)ヘムタンパクのペルオキシダーゼ活性を消
失させる。顕色剤/完全試薬におけるヒドロペルオキシ
ドの濃度は,通常,0.05〜10容積%であり,より一般的
には0.5〜5容積%である。
本発明のFOBT材料および方法,そしてこれらが従来の
FOBT材料および方法よりも有用である点を,以下の実施
例により説明する。これらの実施例は,いかなる方法に
おいても本発明を制限するように意図されるものではな
い。
実施例1 (クメンヒドロペルオキシド(CHP)を5%(v/v)含
有するDMSO溶液)からなる顕色剤組成物を含有するFOBT
と,従来のFOBT顕色剤(過酸化水素を3〜6%(v/v)
含有するエタノール/水溶液)を含有するFOBTとで得ら
れる特異性および感度を比較するための試験を実施し
た。
ヘミン(Hm,1mM水酸化アンモニウム中に0.1mg/1m
l),ヘモグロビン水溶液(Hb,1.0mg/ml),およびワサ
ビダイコンのペルオキシダーゼ水溶液(HRPO,20U/ml)
を希釈し,希釈系列を調製した。これらの希釈液の2μ
をHEMOCCULT のスライドに付与し,そのスポットを
乾燥させた。5μの顕色剤組成物をそれぞれのスポッ
トに添加した。1分後,スライド上に青色が存在する
か,存在しないかを記録した(+++は非常に濃い色;
++は濃い色;+は明らかに目視しうる色;±はわずか
に感知しうる色;−は色が検出されないことを示す)。
これらの検査結果を以下の表1に示す。
表1の結果に示されるように,DMSOを基本とした顕色
剤は,ヘモグロビンおよびヘミンについては従来の顕色
剤よりも感度が良く,ワサビダイコンのペルオキシダー
ゼについては従来の顕色剤よりも感度が悪い。本発明の
顕色剤は,このように検査の感度および特異性を改善す
る。感度は,必要に応じて顕色剤を改変することにより
改良し得る。
実施例2 従来のFOBT顕色剤と,以下に示すようなDMSOを基本と
した本発明のFOBT顕色剤組成物とで,ヘミン分解試験を
実施した。
ヘミンをDMSOと水の1:1(v/v)混合液に溶解した。こ
の溶液の2μを濾紙にスポットし,該濾紙を空気中で
乾燥させた。次いで,スポットした部分を5μの顕色
剤で処理した。該顕色剤は以下のような顕色剤のうちの
1つである:(a)CHPを5%含有するDMSO溶液;
(b)t−ブチルヒドロペルオキシドを5%含有するDM
SO溶液;(c)H2O2の5%水溶液;(d)HEMOCCULT
の顕色剤(H2O2を5%含有するエタノール/水溶液);
(e)DMSOのみ;(f)水のみ;および(g)75%エタ
ノール,25%水。次いで,顕色剤で処理した部分を空気
中で乾燥し,それぞれのスポットにグアヤク溶液(30g/
1200mlイソプロパノール)を10μ添加し,その後空気
中で乾燥させた。次いで,それぞれのスポットを15μ
のHEMOCCULT 顕色剤で処理し,色の変化を観察した。
(c)および(d)で処理したスポット以外の,それぞ
れのスポットに目視しうる青色が認められた。これらの
結果は,FOBTにおいてDMSO中の有機のヒドロペルオキシ
ドはヘミンの触媒作用に不利な影響を与えないが,従来
のFOBT顕色剤はヘミンの作用に不利な影響を与えること
を示す。同様の結果が,ヘミンの代わりに未処理および
変性させたヘモグロビンを用いて観察された。
実施例3 種々の共溶媒を含有するDMSO中にCHPが5%含有され
る顕色剤組成物を用いて,試験を実施した。実施例1の
方法を用いたが,発色の濃さではなく,明らかに検出可
能な結果をもたらす,触媒の最も高い希釈率を記録し
た。従来の顕色剤およびCHPの他の溶媒溶液を,比較の
ために試験した。結果は以下の表2示す。
表2の結果は,50%を上回る濃度のDMSO溶液を含有す
るCHP顕色剤はHRPOに対する感度の低下を示すが,ヘミ
ンに対する感度は維持することを示す。最も良好な結果
は,DMSOを75%かそれ以上で用いる場合に得られる。
実施例4 濾紙にスポットされたヘミンの易動度への,顕色剤組
成物の影響を評価するために試験を行なった。これは,
顕色剤中でのヘミンの溶解度の間接的な測定である。
ワットマン(Whatman)の濾紙を,1mM水酸化アンモニ
ウム水溶液中にヘミン1mg/mlを含有する溶液10μで浸
漬した。これを乾燥後,ヘミンで処理した濾紙の1部分
をHEMOCCULT のスライド上に置いた。DMSOを100%,95
%,90%,80%,75%,50%および25%(v/v)で含有する
顕色剤組成物10μを,ヘミンのスポットに添加したと
ころ,青色に発色することが観察された。約75%を上回
るDMSO濃度では,顕色剤で湿潤されたスライドの全領域
に青色が認められた。DMSOが低濃度では,ヘミンで処理
した濾紙に直接あたるところにのみ色が認められた。HE
MOCCULT の顕色剤で同様の試験をすると,色は生成さ
れなかった。
ヘミンの代わりにヘモグロビンを用いて同様の試験を
行なうと,同様の結果が得られた。
実施例5 この実施例は,ヘミンの溶解性のFOBT検査結果の読み
とりやすさへの影響を説明する。
正常な便試料〔HEMOCCULT FOBTと,FOBT試薬とで検査
し,便潜血が陰性であることを確認;FOBT試薬は,2%グ
アヤク,1%ABTS,5%クメンヒドロペルオキシド,および
25mg/ml 7−クロロ−4−(4−ジエチルアミノ−1−
メチルブチルアミノ)キノリン,を75%DMSO/25%水に
含有するものからなる〕に,ヘミンの終濃度を240μg/g
便とするのに十分な量のヘミンを含有するDMSO溶液を添
加した。このヘミンのレベルは,鉄プロトポルフィリン
においては,6mgヘモグロビン/g便に相当する。このヘミ
ン含有DMSO溶液を添加された試料を,標準的な未処理の
濾紙にうすく塗布し,空気中で乾燥させた。
第2のFOBT調合物をテトラメチル尿素溶液として調製
した(2%グアヤク,1%ABTSおよび5%クメンヒドロペ
ルオキシド)。この新しいFOBT調合物テトラメチル尿素
溶液の50μを,上記のヘミン添加便試料を濾紙に塗布
したものに添加した。試料から周囲の濾紙へ青色は溶出
しなかった。試料は外観がわずかに黒みがかかったが,
便がもともと暗色なので青色が存在するかどうかを判断
するのは極めて困難であった。
第2のFOBT調合物で処理されたヘミン添加便試料にDM
SO溶液を1滴添加すると,速やかに暗青色が便試料から
周囲の濾紙に溶出された。同様に,第2のFOBT調合物で
処理されたヘミン添加便試料に1Mエタノールアミン水溶
液(pH7)を1滴添加すると,直ち暗青色が便試料から
周囲の濾紙に溶出された。DMSOは良好なヘムの溶媒であ
る。そして,テトラメチル尿素および1Mエタノールアミ
ン水溶液(pH7)の1:1混合物は,テトラメチル尿素およ
び1Mエタノールアミン水溶液のどちらも単独では良いヘ
ミンの溶媒ではないにもかかわらず,ヘミンの良好な溶
媒である。
これらの観察結果は,FOBT陽性試料において鉄プロト
ポルフィリンを含有する便試料から生成する色を溶出す
るのに,鉄プロトポルフィリンの良好な溶媒が極めて重
要であるということを示している。さらに,便試料が長
時間乾燥させられる場合,この点において鉄プロトポル
フィリン溶媒の役割はより決定的である。結腸直腸癌に
ついてのスクリーニングプログラムにおいて,便潜血検
査を実施するまでに塗布した便を14日間以上保存するこ
とは普通である。
実施例6 本発明のDMSOを基本とする顕色剤組成物およびHEMOCC
ULT の顕色剤を用いて,以下のようにFOBTの感度への
ヘモグロビン変性の効果を調べた。
以下に示すように,ヘモグロビンを(a)塩酸,
(b)酵素または(c)熱で処理をして変性させた: (a)酸処理 ヘモグロビンの水溶液(5mg/ml)に,この溶液のpHが
1.0となるまで希塩酸(0.1M)を添加した。この溶液を3
7℃で1時間インキュベートし,0.1N水酸化ナトリウムで
pHを7.4に調整した。得られた物質を微粒子分散懸濁液
となるようにホモジナイズし,37℃で48時間インキュベ
ートした。
(b)酵素処理 固形のトリプシン(1mg)およびキモトリプシン(1m
g)をヘモグロビン水溶液(5mg/ml)に添加し,37℃で48
時間インキュベートした。得られた混合液をホモジナイ
ズし,むらのない懸濁液とした。
(c)熱処理 ヘモグロビン水溶液(5mg/ml)を75℃で10分間加熱
し,37℃で48時間インキュベートした。得られた混合液
をホモジナイズし,むらのない懸濁液とした。
標準的なHEMOCCULT のスライドに,水で1:2に順次希
釈した変性ヘモグロビンまたは未処理のヘモグロビンの
水溶液(5mg/ml)を2μスポットし,乾燥させた。次
いで,このスライドをCHPを5%含有するDMSO/水溶液か
らなる顕色剤組成物で処理した。比較のためのスライド
はHEMOCCULT の顕色剤で処理した(以下の表3におい
て,HOで表示)。色の濃さを上述のように観察した。表
3はこれらの試験の結果を示す(+5は極めて濃色;+
1は淡色;−は無色;±/−はわずかに検出されうる
色)。
表3に示したデータは,DMSOを基本とする顕色剤を用
いた場合のFOBTの感度は,従来の顕色剤を用いたFOBTよ
りもヘモグロビン変性による影響を受けないことを示し
ている。このことは特に重要である。なぜならば,胃腸
の消化管においてこのようなヘモグロビンの変性が生じ
ることが予想されるからである。
実施例7 この実施例は,多色原体FOBT試薬が色の濃さと拡散性
とに関して読み取りやすさが増大していることを説明す
る。
以下の試薬を調製した: A.HEMOCCULT 顕色剤(アルコール中に6%過酸化水素
を含有); B.75%DMSO,25%水,の中に5%クメンヒドロペルオキ
シドおよび2%グアヤクを含有;および C.75%DMSO,25%水(100mg固形亜硫酸ナトリウムを含有
する)中に,5%クメンヒドロペルオキシド,2%グアヤ
ク,および25mg/mlABTSを含有。
標準的なHEMOCCULT スライドに,未処理の便試料を
塗布するか,またはヘミンまたはヘモグロビンを添加し
た便試料(135または270μgヘミン/g便,または5.7mg
ヘモグロビン/g便)を塗布する。塗布試料を乾燥させた
後,適当な試薬を添加し,1分後の試験結果を記録した。
結果を表4に示す。
実施例8 この実施例は,本発明の多色原体,およびABTSまたは
グアヤクのみを含有する試薬を用いた,FOBTの相対的な
感度および読み取りやすさを示す。
以下の色原体組成物を用いた: A.75%DMSO,25%水の中に2%グアヤクおよび5%クメ
ンヒドロペルオキシドを含有。
B.75%DMSO,25%水の中にABTS(10mg/ml)および5%ク
メンヒドロペルオキシドを含有。
C.75%DMSO,25%水の中に1%グアヤク,5%クメンヒド
ロペルオキシド,およびABTS(5mg/ml)を含有。
ヘミンのDMSO溶液(10mg/ml)をDMSOで順次1:2に希釈
する方法で希釈し,この希釈液を標準的なワットマンの
#1濾紙にスポット(2μ)した。これに試薬5μ
を添加し,60秒後の発色を記録した。これらの試験の結
果を表5に示す。
色の特徴: 試薬A=溶媒の先端に青色のリング,しかし中空で,中
央部は無色。
試薬B=標準的な濾紙で発色せず。
試薬C=非常に濃い青色形成;色は溶媒の範囲全体に均
一に分布。
実施例9 この実施例は,単一の色原体試薬と比較して,多色原
体試薬がクロマトグラフ的に有利であることを示す。
以下の試薬を使用した: A.試薬A−DMSO中に2%グアヤクおよび5%クメンヒド
ロペルオキシドを含有。
B.試薬B−多色原体試薬(固形亜硫酸ナトリウム100mg
以上を含有するDMSO中に,2%グアヤク,5%クメンヒドロ
ペルオキシド,および25mg/mlABTSを含有)。
ヘミン懸濁水溶液(1mg/ml)の2μを,標準的なワ
ットマンの#4濾紙にスポットした。水を蒸散させた
後,種々の容積の試薬Aまたは試薬Bを添加し,青色の
外観を記録した。これらの試験結果を表6に示す。
色の特徴: 円全体=溶媒でおおわれた全領域に濃い青色の円が均一
に分布。
非常にわずかに分散した円=青色の円だが,円中心部に
小さく,ぼんやりとした無色の領域がある。
わずかに分散=青色の円,円中心部の約20%が無色。
分散した円=青色のリング,円中心部の約50%が無色。
非常に分散した円=青色のリング,円中心部の80%を上
回る部分が無色;色は主に溶媒の周囲に局在。
実施例10 この実施例は,多色原体試薬を用いて得られる色の濃
さおよび均一性の増大を例示する。
以下の試薬を用いた: A.DMSO中に2%グアヤクおよび5%クメンヒドロペルオ
キシドを含有。
B.固形亜硫酸ナトリウム100mgを含有するDMSO中に2%
グアヤクおよび5%クメンヒドロペルオキシドおよびAB
TS(25mg/ml)を含有。
ヘミンのDMSO溶液(0.05mg/ml)2μを,未処理の
ワットマン#1濾紙にスポットした。これに試薬Aまた
はBを10μ添加し,1〜3分以内に外観を記録した。各
試験を同時に3回行なった。試験結果を表7に示す。
色の特徴; 中空の青色リング=溶媒の先端に青色のリング,しかし
中央は無色。
青色の一様な円=溶媒でおおわれた部分がすべて均一な
青色。
実施例11 この実施例は,HEMOCCULT 試薬および本発明の多色原
体を用い,触媒としてヘミンを用いた試験における色の
濃さ,安定性およびクロマトグラフィーの比較を示す。
以下の試薬を用いた: A.HEMOCCULT 顕色剤(アルコール中に6%過酸化水素
を含有)。
B.多色原体試薬(DMSO中に1%グアヤク,5%クメンヒド
ロペルオキシド,およびABTS(25mg/ml)を含有)。
ヘミンの懸濁水溶液2μを標準的なHEMOCCULT
スライドに添加し,このスポットを乾燥させた。それぞ
れの試薬の5μをスポットに添加し,30秒,60秒,3分,
および5分後の発色を記録した。これらの試験結果を表
8に示す。
色の特徴: 試薬A=弱く,むらのある拡散した色。
試薬B=極めて濃い青色。色は溶媒でおおわれた部分に
均一に分布。
実施例12 この実施例は,植物由来のペルオキシダーゼに対す
る,他の試薬と比較した,完全な多色原体FOBTの感度を
示す。
以下の試薬を用いた: A.ワサビダイコンのペルオキシダーゼ,1,000単位/ml。
B.HEMOCCULT 顕色剤(アルコール中に6%過酸化水素
を含有)。
C.DMSO中に5%クメンヒドロペルオキシドを含有。
D.2%グアヤクを含有するDMSO中に5%クメンヒドロペ
ルオキシドを含有。
E.2%グアヤクおよびABTS(25mg/ml)を含有するDMSO中
に5%クメンヒドロペルオキシドを含有し,固形の亜硫
酸ナトリウム存在下で保存した。
ワサビダイコンのペルオキシダーゼを水で順次1:2に
希釈する方法で希釈した。この希釈溶液2μを4度繰
り返して標準的なHEMOCCULT スライドにスポットし
た。このスポットを乾燥させ,適当な試薬を5μ添加
した。60秒後の色を測定した。これらの試験結果を表9
に示す。
実施例13 この実施例は,多色原体試薬の安定性への亜硫酸塩の
影響を示す。
DMSO中に5%クメンヒドロペルオキシドおよび10.1mg
/mlABTSを含有する多成分の試薬を,グアヤクまたは固
形の亜硫酸ナトリウムを以下の表10に示したように添加
することにより調製した。亜硫酸ナトリウムは,過剰量
の固体として,または結晶を全て濾過によって除去して
DMSOの飽和溶液として存在させた。
方法: 標準的なワットマン#1濾紙上の,ヘミンのDMSO溶液
(1mg/ml)の2μを検出する能力について,それぞれ
の試薬を試験した。試薬は10μ使用した。この結果を
表10に示す。
実施例14 この実施例は,他の鉄プロトポルフィリン溶媒を説明
する。この溶媒は,エタノールアミン,2−(ジエチルア
ミノ)エチルアミン,またはジエタノールアミンと,そ
れ自体は良好な鉄プロトポルフィリン溶媒ではない種々
の有機溶媒との混合物を含有する。
結晶ヘミン25mgを試験管に添加した。この試験管にア
ミンを含有する溶媒1mlを添加し,該試験管を振盪して
混合した。用いたアミンはpH7の1M水溶液であった。ア
ミンは共溶媒と容積比1:1で混合した。溶媒中のヘミン
の溶解度は以下の基準を用いて評価した。0=混和せ
ず,1=わずかに溶解性,2〜4=中程度の溶解性,および
5=完全に溶解性。4〜5の読み取り結果を示す溶媒系
は,容認し得るFOBT溶媒であると考えられた。これらの
試験結果を以下の表11に示す。
薬学,生化学および特にFOBTに関連する分野の当業者
に明らかであるような,本発明を実施するための上記の
様式の修正は,本発明の特許請求の範囲内にある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体の検査マトリクス上の便試料をロイコ
    染料およびヒドロペルオキシドに接触させることを包含
    する便潜血検査法であって、 該ヒドロペルオキシド、または該ヒドロペルオキシドお
    よびロイコ染料は、鉄プロトポルフィリンに対する溶媒
    を少なくとも50容量%含有する溶媒溶液中の試料に適用
    され、 該鉄プロトポルフィリンに対する溶媒が次の化合物であ
    る便潜血検査法: (a)次の式で表されるアミド: ここで、R1、R2およびR3は同一または相異り、水素、低
    級アルキル、フェニルまたはベンジルを表す;ただし、
    R1およびR2の両方は水素ではなく、R3はR1またはR2と結
    合し、5員環または6員環の複素環を形成し得る; (b)式R1−X−R2で表されるスルホンのスルホキシ
    ド; ここで、Xは であって、R1およびR2は同一または相異り、低級アルキ
    ル、フェニルまたはベンジルであるか、あるいはXが の場合にはR1およびR2は結合して5員環または6員環の
    複素環を形成し得る; (c)ピリジン; (d)エタノールアミンと共溶媒との混合物であって、
    該共溶媒が、メチルエチルケトン、テトラメチレンスル
    ホン、ブチロラクトン、テトラヒドロフルフリルアルコ
    ール、2−メトキシエタノール、およびテトラメチル尿
    素でなる群から選択される混合物; (e)2−(ジメチルアミノ)エチルアミンと共溶媒と
    の混合物であって、該共溶媒が、メチルエチルケトン、
    アセトニトリル、テトラメチレンスルホン、ブチロラク
    トン、テトラヒドロフルフリルアルコール、2−メトキ
    シエタノール、およびメタノールでなる群から選択され
    る混合物;または (f)ジエタノールアミンと共溶媒との混合物であっ
    て、該共溶媒が、メチルエチルケトン、アセトニトリ
    ル、テトラメチレンスルホン、ブチロラクトン、および
    テトラヒドロフルフリルアルコールでなる群から選択さ
    れる混合物。
  2. 【請求項2】ロイコ染料指示薬を用いた便潜血検査で使
    用するための便潜血検査顕色剤組成物であって、 該顕色剤組成物はヒドロペルオキシドの鉄プロトポルフ
    ィリン溶媒溶液を含有し、 該鉄プロトポルフィリン溶媒が以下のものでなる群から
    選択される顕色剤組成物: (a)ピリジン; (b)エタノールアミンと共溶媒との混合物であって、
    該共溶媒が、メチルエチルケトン、テトラメチレンスル
    ホン、ブチロラクトン、テトラヒドロフルフリルアルコ
    ール、2−メトキシエタノール、およびテトラメチル尿
    素でなる群から選択される混合物; (c)2−(ジメチルアミノ)エチルアミンと共溶媒と
    の混合物であって、該共溶媒が、メチルエチルケトン、
    アセトニトリル、テトラメチレンスルホン、グリセロー
    ル、テトラメチル尿素、ブチロラクトン、テトラヒドロ
    フルフリルアルコール、2−メトキシエタノール、およ
    びメタノールでなる群から選択される混合物; (d)ジエタノールアミンと共溶媒との混合物であっ
    て、該共溶媒がメチルエチルケトン、アセトニトリル、
    テトラメチレンスルホン、ブチロラクトン、およびテト
    ラヒドロフルフリルアルコールでなる群から選択される
    混合物;および (e)1−メチル−2−ピロリジノン。
JP62503532A 1986-06-02 1987-06-01 便潜血検査試薬および方法 Expired - Fee Related JPH087208B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US86957386A 1986-06-02 1986-06-02
US869,573 1986-06-02
PCT/US1987/001271 WO1987007718A1 (en) 1986-06-02 1987-06-01 Fecal occult blood test reagents and methods

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63503483A JPS63503483A (ja) 1988-12-15
JPH087208B2 true JPH087208B2 (ja) 1996-01-29

Family

ID=25353836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62503532A Expired - Fee Related JPH087208B2 (ja) 1986-06-02 1987-06-01 便潜血検査試薬および方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0267952A4 (ja)
JP (1) JPH087208B2 (ja)
WO (1) WO1987007718A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4939097A (en) * 1986-06-02 1990-07-03 Litmus Concepts, Inc. Fecal occult blood test methods
US4971914A (en) * 1984-12-11 1990-11-20 Litmus Concepts, Inc. Developer for fecal occult blood tests
WO1990002339A1 (en) * 1988-08-16 1990-03-08 Cetus Corporation Stable indicator solutions for detection of peroxidatic activity
WO1990002202A1 (en) * 1988-08-16 1990-03-08 Cetus Corporation Reduction of peroxidatic and catalatic interference with assays of peroxidatic activity
JP2660558B2 (ja) * 1988-08-17 1997-10-08 大日本印刷株式会社 精製グアヤク脂およびその製造法
US5025504A (en) * 1988-12-16 1991-06-25 Weyerhaeuser Company Liner for a helmet, hat, cap or other head covering
US5176999A (en) * 1989-12-07 1993-01-05 Eastman Kodak Company Buffered wash composition, insolubilizing composition, test kits and method of use
WO1999011815A1 (en) * 1997-08-28 1999-03-11 Societe Des Produits Nestle S.A. Test method for peroxidase
CN114965618B (zh) * 2022-06-13 2023-10-17 潍坊学院 双模式生物传感器及其在dna甲基转移酶活性检测中的应用

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3278394A (en) * 1963-07-22 1966-10-11 Miles Lab Method and composition for diagnosing glucose
AT308049B (de) * 1970-08-28 1973-06-25 Boehringer Mannheim Gmbh Reagens zur Glucosebestimmung
CS175782B1 (ja) * 1974-10-16 1977-05-31
US4071321A (en) * 1977-03-14 1978-01-31 Miles Laboratories, Inc. Test composition and device for determining peroxidatively active substances
DE2926271A1 (de) * 1979-06-29 1981-01-08 Behringwerke Ag Mittel zum nachweis peroxidatisch wirksamer substanzen
US4288541A (en) * 1979-10-15 1981-09-08 Miles Laboratories, Inc. Ascorbate resistant composition, test device and method for detecting a component in a liquid test sample
US4365970A (en) * 1981-05-01 1982-12-28 Smithkline Instruments, Inc. Specimen test slide and method for testing occult blood
US4578358A (en) * 1983-05-03 1986-03-25 Warner-Lambert Company Collection of specimens and detection of occult blood therein
US4556640A (en) * 1983-06-29 1985-12-03 Miles Laboratories, Inc. Stabilized test composition, device and method for the determination of peroxidatively active substances

Also Published As

Publication number Publication date
EP0267952A1 (en) 1988-05-25
WO1987007718A1 (en) 1987-12-17
JPS63503483A (ja) 1988-12-15
EP0267952A4 (en) 1989-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4615982A (en) Fecal occult blood test
JP3457950B2 (ja) (ペル)オキシダーゼ系定量のための色原体の組合せ
US4937197A (en) Fecal occult blood test method
JPS6250782B2 (ja)
JPH022103B2 (ja)
JPS60262598A (ja) 水性試験試料中のエタノールの存在を測定するための試験具及びその製造方法
US4071318A (en) Test composition and device for determining peroxidatively active substances
JP2003521246A (ja) 検体測定用の試薬試験ストリップ
JPS596900A (ja) 高グルコース測定用分析素子及びその製造方法並びにそれを用いた測定方法
JPS5948099A (ja) アスコルビン酸塩耐性広濃度域用グルコ−ス試験組成物、試験具および試験方法
US4971914A (en) Developer for fecal occult blood tests
US4939097A (en) Fecal occult blood test methods
US4942132A (en) Reagent composition for fecal occult blood tests
US4818702A (en) Fecal occult blood test reagent
US5053342A (en) Fecal occult blood test reagents
JPH087208B2 (ja) 便潜血検査試薬および方法
US4820646A (en) Fecal occult blood test method
US5068197A (en) Fecal occult blood test methods
EP0253548A2 (en) Method for the determination of occult blood and chemical compositions therefor
JPH0595797A (ja) 基本媒体用ペルオキシダーゼ指示薬を用いる分析方法及び分析具
JPH0687792B2 (ja) 体液の試料中の総−ビリルビンの測定のための方法および試薬
JPH05260994A (ja) ペルオキシド−ペルオキシダーゼ試験系を使用する唾液中の被検体の検出法
JPH04262796A (ja) 基質液の安定化法及び基質液
EP0530852A1 (en) Fecal occult blood test reagents and methods
EP0477999A1 (en) Fecal occult blood test reagent and methods

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees