JPH0871416A - 吸油材 - Google Patents

吸油材

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JPH0871416A
JPH0871416A JP21450794A JP21450794A JPH0871416A JP H0871416 A JPH0871416 A JP H0871416A JP 21450794 A JP21450794 A JP 21450794A JP 21450794 A JP21450794 A JP 21450794A JP H0871416 A JPH0871416 A JP H0871416A
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JP
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oil
absorbing
monomer
polymer
meth
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JP21450794A
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English (en)
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Tomonori Gomi
知紀 五味
Susumu Inaoka
享 稲岡
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】油水混合系からでも広範な種類の油に対して多
量の油を吸収して膨潤し、使用前や回収時の樹脂の偏り
を防止し、且つ吸収した油の液ダレを著しく低減した貯
蔵や取扱いが容易な吸油材を提供する。 【構成】0.1〜5000cm3の最大空間容積を有する複
数室に分画された油透過性の容器中に、粉末状および/
または顆粒状の吸油剤を充填してなる吸油材において、
吸油剤の充填量が各分画室の取り得る最大空間容積と該
吸油剤の灯油に対する飽和膨潤重量倍率とによって決定
されてなる吸油材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸油材に関する。さらに
詳しくは、油水混合系からでも広範な種類の油に対して
多量の油を吸収して膨潤し、しかも使用前や回収時の樹
脂の偏りや吸収した油の液ダレを著しく低減した吸油材
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、海上への流出油や廃水中の油分の
回収が環境保全上大きな問題となっている。また、家庭
や工場で廃棄される小規模の廃油や工場における機械油
などの漏油の簡便な処理方法が強く望まれている。
【0003】これらの流出油や廃水中の油分の回収ある
いは廃油や漏油の処理の有力な手段の一つとして、吸油
材で油を吸着したのち焼却その他の後処理を行なう手法
が従来より用いられている。このような吸油材として、
例えばポリプロピレン繊維、ポリスチレン繊維、ポリエ
チレン繊維などの疎水性繊維やその不織布からなる合成
繊維系吸油材が使用されていた。しかし、従来の合成繊
維系吸油材は、吸油作用が毛細管現象で吸油材中に存在
する空隙に油を吸着保持することによるため、吸油後の
保油性能に劣っており、低粘性油に対しては実質的に保
油能がなく、また粘性油に対してもわずかな外圧により
容易に吸収していた油を再放出するため液ダレを生じ易
く、後処理がきわめて煩雑になる欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の吸油
材が有する前記問題点を解決するものである。すなわ
ち、本発明の目的は、油水混合系からでも広範な種類の
油に対して多量の油を吸収して膨潤し、使用前や回収時
の樹脂の偏りを防止し、且つ吸収した油の液ダレを著し
く低減した貯蔵や取扱いが容易な吸油材を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、複数室に
分画された油透過性の容器中に特定量の吸油性重合体を
充填して得られる吸油材により前記目的が達成されるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、複数室に分画された油
透過性の材料からなる容器中に、各室の取り得る最大空
間容積Vcm3に対して、吸油性重合体(II)を含有して
なる粉末状および/または顆粒状の灯油に対する飽和膨
潤重量倍率がm倍である吸油剤(I)が、各室の充填量
Sgが式1
【0007】
【数2】
【0008】(ただし、式中Vは0.1〜5000、n
は0.5〜1.5の範囲である。)を満たす範囲で充填さ
れてなる吸油材に関するものである。
【0009】
【作用】吸油性重合体(II)は、該吸油性重合体(II)
を含有してなる吸油剤1g当たりで灯油0.5g以上の
吸収性能を有するものであれば特に制限はなく、例えば
溶解度パラメーター(SP値)が9以下で分子中に1個
の重合性基を有する単量体を50重量部以上含有する単
量体成分を重合して得られる。吸油性重合体(II)を構
成する単量体の主成分として溶解度パラメーター(SP
値)が9を越える単量体の主成分として用いると、吸油
性能の不十分な重合体しか得られないため好ましくない
場合がある。
【0010】溶解度パラメーター(SP値)は、化合物
の極性を表す尺度として一般的に用いられており、本発
明ではSmallの計算式にHoyの凝集エネルギー定
数を代入して導いた値を適用するものとし、単位(ca
l/cm31/2で表せる。
【0011】溶解度パラメーター(SP値)が9以下で
分子中に1個の重合性基を有する単量体の重合性基とし
ては、ラジカル重合、放射線重合、付加重合、重宿合な
どの重合により吸油性重合体を重合できる重合性基であ
れば特に制限はない。中でもラジカル重合により簡便に
吸油性重合体(II)を製造できる重合性不飽和基を有す
る単量体が特に好ましい。さらに、ノルボルネン系単量
体を開環重合もしくはラジカル重合することによっても
好適な吸油性重合体を製造することができる。
【0012】溶解度パラメーター(SP値)が9以下で
分子中に1個の重合性不飽和基を有する単量体として
は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリ
レート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アク
リレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、オクチルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフ
ェニル(メタ)アクリレート、ジノニルフェニル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、メンチル(メタ)アクリレート、ポリアルキレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、アルキルポリアル
キレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
(ジ)アルキルシロキサンモノ(メタ)アクリレート、
イソボルニル(メタ)アクリレート、ジブチルマレエー
ト、ジドデシルマレエート、ドデシルクロトネート、ジ
ドデシルイタコネートなどの不飽和カルボン酸エステ
ル;(ジ)ブチル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ドデ
シル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ステアリル(メ
タ)アクリルアミド、(ジ)ブチルフェニル(メタ)ア
クリルアミド、(ジ)オクチルフェニル(メタ)アクリ
ルアミドなどの炭化水素基を有する(メタ)アクリルア
ミド;1−ヘキセン、1−オクテン、イソオクテン、1
−ノネン、1−デセン、1−ドデセンなどのα−オレフ
ィン;ビニルシクロヘキサンなどの脂環式ビニル化合
物;ドデシルアリルエーテルなどの炭化水素基を有する
アリルエーテル;カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニ
ル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどの炭
化水素基を有するビニルエステル;ブチルビニルエーテ
ル、ドデシルビニルエーテルなどの炭化水素基を有する
ビニルエーテル;スチレン、t-ブチルスチレン、オクチ
ルスチレンなどの芳香族ビニル化合物などをあげること
ができ、これらの単量体を1種または2種以上用いるこ
とができる。
【0013】これらの中でも、より優れた吸油性能およ
び保油性能を与える単量体として、少なくとも1個の炭
素数3〜30の脂肪族炭化水素基を有し、かつアルキル
(メタ)アクリレート、アルキルアリール(メタ)アク
リレート、アルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル
アリール(メタ)アクリルアミド、脂肪酸ビニルエステ
ル、アルキルスチレンおよびα−オレフィンからなる群
より選ばれる少なくとも1種の不飽和化合物(a)を主
成分としてなる単量体(A)が特に好ましい。
【0014】このような溶解度パラメーター(SP値)
が9以下の単量体の単量体(A)中における使用量は、
単量体(A)の全体量に対して50重量%以上、より好
ましくは70重量%以上となる割合である。溶解度パラ
メーター(SP値)が9以下の単量体の単量体(A)中
の使用量が50重量%未満では、吸油性能や保油性能に
劣った架橋重合体しか得られない場合があり好ましくな
い。。
【0015】したがって、本発明の吸油性重合体(II)
に用いられる単量体(A)中に溶解度パラメーター(S
P値)が9以下の単量体が50重量%以上含有されるこ
とが好ましいが、単量体(A)中に50重量%以下の割
合で溶解度パラメーター(SP値)が9を越える分子中
に1個の重合性不飽和基を有する単量体が含有されても
よい。このような単量体としては、例えば(メタ)アク
リル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、フマル
酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレートなどをあげるこ
とができる。
【0016】本発明で用いられる吸油性重合体(II)
は、架橋の有無に関わらず、該吸油性重合体(II)を含
有してなる吸油剤1g当たりで灯油0.5g以上を吸収
できればよいが、吸油倍率のコントロールのためや、吸
油後のゲルの保形性を確保する目的で溶解度パラメータ
ー(SP値)が9以下の単量体を主成分としてなる分子
中に1個の重合性不飽和基を有する単量体(A)96〜
99.999重量%に対して分子中に少なくとも2個の
不飽和性基を有する架橋性単量体(B)が0.001〜
4重量%(ただし単量体(A)と架橋性単量体(B)の
合計は100重量%である)となる範囲で架橋性単量体
(B)を含有させることがより好ましい。
【0017】単量体(A)が96重量%未満であったり
架橋性単量体(B)が4重量%を越えると、得られる架
橋重合体の架橋密度が高くなりすぎて多量の油を吸収で
きなくなるため好ましくない。また、単量体(A)が9
9.999重量%を越えたり架橋性単量体(B)が0.
001重量%未満では、得られる架橋重合体の油に対す
る可溶性が増大して、吸油後に架橋重合体が流動化し吸
油材としての性能が低下するため好ましくない。
【0018】架橋性単量体(B)の例としては、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、N,N´−メチレ
ンビスアクリルアミド、N,N´−プロピレンビスアク
リルアミド、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、多価
アルコール(例えばグリセリン、トリメチロールプロパ
ンあるいはテトラメチロールメタン)のアルキレンオキ
シド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステル化によっ
て得られる多官能(メタ)アクリレートやジビニルベン
ゼンなどをあげることができ、これらの架橋性単量体を
1種または2種以上用いることができる。
【0019】本発明における吸油性重合体(II)は、例
えば前記単量体成分を水性媒体中にポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチンなどの保護
コロイド剤やアルキルスルホン酸ナトリウム、アルキル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、脂肪酸石鹸などの界面活性剤の存在下
に分散させ油溶性ラジカル重合開始剤により懸濁重合す
ることにより製造できる。また必要により単量体成分を
水不溶性の有機溶剤に溶解させてから懸濁重合すること
もできる。油溶性ラジカル重合開始剤としては、例えば
ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ク
メンハイドロパーオキシドなどの有機過酸化物;2,2
´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス
ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などを挙げる
ことができ、一般に単量体成分に対して0.1〜5重量
%の範囲で用いることができる。重合温度は、単量体成
分の種類や重合開始剤の種類により0〜150℃の範囲
で適宜選択することができる。
【0020】また、本発明において吸油性重合体(II)
を製造する方法として、塊状重合で吸油性重合体(II)
を重合した後、粉砕などの操作を加えて粒度調整を行な
う方法をあげることができる。塊状重合は例えば、単量
体成分を上記重合開始剤の存在下、型に流し込み、50
〜150℃の条件下に重合を行なえばよい。
【0021】本発明において吸油性重合体(II)は、懸
濁重合時にホモミキサーなどによるプレ懸濁工程の導入
や重合時の攪拌動力を調節することにより、平均粒径
0.5〜500μmの範囲の粒状物とすることが好まし
い。吸油性重合体(II)の粒状物の平均粒径が0.5μ
m未満では、粒状物同士の凝集に基づくママコ現象のた
めに表面積が低下し、吸油速度の向上した吸油剤を得る
ことが困難となる。また、吸油性重合体(II)の粒状物
の平均粒径が500μmを越えると、吸油性重合体(I
I)の表面積の低下に伴って吸油速度も低下するため好
ましくない。
【0022】また、良好な吸油性能を示す吸油性重合体
(II)としてポリノルボルネンゴムを挙げることができ
るが、ポリノルボルネンゴムは、エチレンとシクロペン
タジエンのデイールズ―アルダー反応により得られた単
量体を開環重合して得ることができる。
【0023】本発明の吸油材中に充填される吸油剤
(I)は粉末状および/または顆粒状であることが必須
であり、吸油性重合体(II)そのものが粉末状および/
または顆粒状であるものでもよく、また吸油性重合体
(II)の吸油性能を低下させない範囲で水不溶性の化合
物と混合して得られる粉末状および/または顆粒状の吸
油剤でもよい。特に、吸油性重合体(II)と水不溶性の
化合物とを混合して得られる粉末状および/または顆粒
状の吸油剤は吸油速度を著しく向上させる効果があるた
め好ましい。水不溶性化合物としては、20℃の水10
0gに対する溶解度が1g以下の水不溶性または水難溶
性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、シリカ
やタルクや珪藻土などの鉱物類、鉄やアルミナなどの金
属類、炭酸カルシウムなどの無機塩類や金属石鹸などの
有機酸塩類、ポリスチレンやポリエチレンやポリ酢酸ビ
ニルなどの樹脂類、ワックスなどの有機化合物類、綿や
パルプなどの繊維類などをあげることができ、これらの
1種または2種以上用いることができる。中でも僅かな
使用量で吸油性重合体(II)のママコ化を有効に防止で
きる粉体形状のものが好ましく、特に20℃の水100
gに対する溶解度が1g以下の有機酸金属塩やメタノー
ル値が25%以下の疎水性無機化合物の粉体が好まし
い。
【0024】有機酸金属塩は、例えば酪酸、カプロン
酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ア
ラキン酸などの直鎖飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸などの直鎖不飽和脂肪酸;イソステアリ
ン酸などの分枝脂肪酸;リシノール酸、12−ヒドロキ
システアリン酸などのヒドロキシル基を含有する脂肪
酸;安息香酸;ナフテン酸;アビエチン酸;デキストロ
ピマル酸などのロジン酸などの有機カルボン酸類のリチ
ウム塩、銅塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシ
ウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、カド
ミウム塩、アルミニウム塩、セリウム塩、チタン塩、ジ
ルコニウム塩、鉛塩、クロム塩、マンガン塩、コバルト
塩、ニッケル塩などを挙げることができる。
【0025】メタノール値(以下M値ということがあ
る)は、水不溶性化合物の疎水化度を表わす尺度として
一般的に用いられており、メタノール水溶液に水不溶性
化合物が湿潤しはじめる時のメタノールの容積%で表わ
される。本発明においては、所定濃度に調製されたメタ
ノール水溶液中に水不溶性化合物の粉体を入れ、手振り
により2度振とうした後の該粉体の湿潤の有無により測
定した値を採用するものとする。たとえば、M値30%
の化合物とは、メタノールの容積%が30%以上のメタ
ノール水溶液に湿潤し且つメタノールの容積%が30%
未満のメタノール水溶液に湿潤しない化合物である。
【0026】疎水性無機化合物のうち、メタノール値が
25%以上の疎水化度を有するものとして、例えば酸化
亜鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、ケイ酸アルミニ
ウム、シリカ(酸化ケイ素)、酸化カルシウム、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化鉄、硫
酸バリウム、炭酸バリウム、酸化バリウム、二酸化マン
ガン、炭酸マンガン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシ
ウムなどの疎水化変性物をあげることができる。これら
の疎水性無機化合物の中でも種々の粒径の粉体として入
手が容易な疎水性シリカや疎水性アルミナが好ましい。
【0027】また、前記無機化合物を疎水化変性し疎水
性無機化合物を得る方法としては特に制限はなく、例え
ば無機化合物の粉体の表面を化学的あるいは物理的に不
活性化すればよく、例えばアルキルアルコキシシラン、
アルキルハロゲン化シランなどのシランカップリング剤
を用いる方法、ジメチルシロキサンなどのポリシロキサ
ンを用いる方法、合成ワックスや天然ワックスを用いる
方法、カルシウムなどにより金属表面処理する方法など
をあげることができる。
【0028】水不溶性化合物は、平均粒径が0.01〜
300μmの範囲の粉体であることが好ましい。この平
均粒径が0.01μm未満では、粉体同士の凝集が起こ
り、吸油速度を低下させるため好ましくない。また、こ
の平均粒径が300μmを越えると、吸油性重合体(I
I)との相乗効果が発現され難く、吸油速度を向上させ
ることができないため好ましくない。
【0029】吸油性重合体(II)および水不溶性化合物
を含有してなる吸油剤を製造するには、これらの成分を
混合して造粒させればよく、その製造方法には特に制限
はない。混合方法には湿式混合や乾式混合のいずれも採
用することができる。湿式混合は、例えば吸油性重合体
(II)および水不溶性化合物を必要に応じて界面活性剤
の存在下に水性媒体中に混合分散した後、濾別乾燥する
方法等により行なうことができる。乾式混合は、例えば
コロイドミルやニーダーやミキサーにて吸油性重合体
(II)と水不溶性化合物を混合することにより行なうこ
とができる。特に、湿式混合は、前記懸濁重合で得られ
た吸油性重合体(II)の水分散体をそのまま水不溶性化
合物と混合できるため好ましい。また、塊状重合で得ら
れた吸油性重合体(II)と水不溶性化合物とを粉砕操作
などで粒度調整を行いながら混合する方法も採用するこ
とができる。
【0030】なかでも、吸油性重合体(II)の粒状物と
水不溶性化合物とを水性媒体中に混合分散した後、両者
を凝集造粒させてから造粒物を水性媒体から分離して得
られる粒状物が特に好ましい。また、この吸油剤(I)
の平均粒径としては、0.1〜5mmの範囲が好まし
い。
【0031】このようにして製造される吸油剤中の吸油
性重合体(II)および水不溶性化合物の配合割合は、吸
油性重合体(II)が30〜99重量部および水不溶性化
合物が1〜70重量部となる割合である。水不溶性化合
物の量が1重量部未満では、吸油性重合体(II)の粒子
同士が凝集し、吸油剤の吸油速度が低下するため吸油速
度向上効果は期待できない。また、水不溶性化合物を7
0重量部を越えて多量に使用すると、吸油材の吸油量や
保油性能が低下するため好ましくない。
【0032】本発明の吸油材は、複数室に分画された油
透過性の材料からなる容器中に、各室の取り得る最大空
間容積Vcm3に対して、吸油性重合体(II)を含有して
なる粉末状および/または顆粒状の灯油に対する飽和膨
潤重量倍率がm倍である吸油剤(I)が、各室の充填量
SgがS×(m+1)=V×n、V=0.1〜500
0、n=0.5〜1.5を満たす範囲で充填されることが
必須である。本発明の吸油材は複数室に分画されること
により、吸油前及び吸油後の吸油性重合体(II)を含有
してなる粉末状および/または顆粒状の吸油剤(I)の
偏りを防止することができる。また、取り得る最大空間
容積は0.1〜5000cm3の範囲である。最大空間容積
が0.1cm3未満であると、吸油材1個当たりの油の処理
量が小さい吸油材しか得られないため好ましくない。ま
た最大空間容積が5000cm3を越えると吸油剤(I)
の偏りが生じ、吸油速度が低下したり、吸油性能の不均
一化が認められるばかりでなく、吸油後に吸油剤(I)
が袋材中を移動し、回収作業に支障をきたしたり、油の
液ダレが増加するため好ましくない。複数室に分画され
た各室の形状は特に制限はなく、例えば、予め形状が決
定されている立方体、直方体、円柱状、円錐状、球状、
繭状などや、吸油性重合体の膨潤に伴い形状の変化が可
能な袋状正方形、袋状長方形、袋状円盤等が挙げられこ
れらの1種以上を組み合わせて用いることができる。な
かでも吸油性重合体が膨潤前にコンパクトに収納がで
き、且つ加工が簡便な平面構造の袋状正方形や袋状長方
形が特に好ましい。
【0033】最大空間容積Vcm3は、予め形状が決定さ
れている容器の場合、例えば1辺acmの立方体ならばV
=a3cm3、半径rcmの球状ならばV=(4/3)πr3c
m3などにより算出できる。一方、形状の変化が可能な容
器の場合、その容器が取り得る最大容積を示すものであ
り、例えば内寸acm及びbcm(但し、b≧a)の袋状長
方形または正方形の場合、経験的にV=a2×(0.32
×b−0.17×a)にて算出することもできる。
【0034】本発明における灯油に対する飽和膨潤重量
倍率mは、吸油性重合体(II)を含有してなる吸油剤
(I)の1gが灯油を吸収保持しうる最大重量(単位:
g)の値と一致するものである。
【0035】飽和膨潤重量倍率mは、吸油性重合体(I
I)を含有する吸油剤(I)1gを大過剰の灯油中に2
4時間浸漬した後、200メッシュの金網上でろ別し、
吸油剤(I)に保持されない灯油を十分に流下せしめた
後の吸油剤(I)の重量を測定した値から吸油前の吸油
剤(I)の重量を差し引くことによって求められる。
【0036】分画された各室に充填される吸油性重合体
(II)を含有してなる吸油剤(I)の充填量S(単位:
g)は前記最大空間容積Vcm3と灯油の飽和膨潤重量倍
率mによって決定されS×(m+1)=V×nの関係式
においてn=0.5〜1.5を満たす必要がある。nが
0.5未満であると吸油剤(I)の分子内に吸収されな
い油が容器材や吸油剤(I)の間隙に多量に存在するよ
うになり液ダレ量が著しく増加するため好ましくない。
また、nが1.5を越えると吸油性重合体(II)の膨潤
が阻害され本来の吸油性能が発現しなくなり、従って吸
油材としての吸油倍率が低下するため好ましくない。
本発明に用いられる油透過性材料としては、それ自体が
水に溶解したり膨潤したりせず、しかも該材料からなる
容器の内部に充填する吸油剤(I)を外部に漏洩せず且
つ油を容易に通過させるように該吸油剤(I)の大きさ
より小さな孔径の孔を多数有するものであれば特に制限
はない。このような油透過性材料として例えば合成繊維
やパルプなどの天然繊維からなる布や紙、ステンレスメ
ッシュなどの網などを用いることができる。中でも、特
に優れた吸油性能を有する吸油材を提供するものとし
て、それ自体が疎水性を有し好ましくは油を吸着する高
い親油性を有するポリプロピレンやポリエチレン等のポ
リオレフィン、ポリエステル、ナイロンあるいはポリウ
レタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の合成樹
脂製の不織布または織布であることが好ましい。
【0037】本発明の吸油材は、吸油性重合体(II)を
含有してなる粉末状および/または顆粒状の吸油剤
(I)の所定量を複数室に分画された油透過性の材料か
らなる容器中に充填することによって得られる。充填方
法は特に制限はなく、懸濁重合の後乾燥を施したり塊状
重合によって得られた吸油性重合体(II)そのものや混
合後ろ別乾燥や粉砕が施された吸油剤(I)を通常用い
られる粉体充填装置などにより容器中に充填する方法を
挙げることができる。また、懸濁重合で得られた吸油性
重合体(II)の水分散体や湿式混合により得られた吸油
剤(I)の水分散体を容器中に充填し、その後余剰の水
を容器から排出させて乾燥する方法を採用することもで
きる。
【0038】また、本発明の吸油材を製造する方法とし
て、平面状に置かれた袋材の上に予め各室に充填される
量の吸油剤(I)をのせた後に別の袋材を重ね合わせ、
熱融着やミシンがけなどにより各室を形成させる方法を
採用することができる。
【0039】また、本発明の吸油材は、円筒状、直方体
状、球状、ソーセージ状など用途にあわせてあらゆる形
態に成形して用いることができる。
【0040】さらに、本発明の吸油材は、吸油性重合体
(II)を含有してなる粉末状および/または顆粒状の吸
油剤(I)に併せて、例えば、もみがら、ワラ、パル
プ、綿、多孔質石灰、多孔質シリカ、多孔質パーライ
ト、ポリプロピレン繊維、発泡ポリウレタンフォームな
どの従来公知の吸油材を容器内に充填して用いたもので
もよい。
【0041】
【実施例】次に、本発明について実施例をあげて詳細に
説明するが、本発明はこれだけに限定されるものではな
い。なお、例中特にことわりのない限り、部は重量部を
表わすものとする。
【0042】<実施例1>温度計、攪拌機、ガス導入管
および還流冷却器を備えた500mlフラスコに、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル(株式会社日本触媒
製、商品名:ソフタノール150、以下の実施例におい
てもこの商品を使用した)3部を水300部に溶解して
仕込み、攪拌下フラスコ内を窒素置換し、窒素気流下に
40℃に加熱した。その後、単量体(A)としてイソブ
チルメタクリレート(SP値:7.5)59.762部
およびステアリルアクリレート(SP値:7.9)3
9.842部、架橋性単量体(B)として1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート0.396部および重合開
始剤としてベンゾイルパーオキシド0.5部からなる溶
液をフラスコ内に一度に加え、750rpmの条件下で
激しく攪拌した。
【0043】ついで、フラスコ内の温度を80℃に昇温
し、同温度で2時間維持して重合反応を行い、その後さ
らにフラスコ内を90℃に昇温し、2時間維持して重合
を完了させることにより、平均粒径30μmの吸油性重
合体(1)を含む水分散体(樹脂純分25重量%)を得
た。この水分散体をろ別し50℃で乾燥後に解砕するこ
とにより吸油性重合体(1)からなる吸油剤(1)を得
た。この吸油剤(1)の灯油に対する飽和膨潤重量倍率
mは8であった30.5×45.5cmのポリプロピレン不
織布(目付け50g/m2 )の上に4×6の合計24区
画(区画内寸7×7cm、間5mm)を有する木枠を置き吸
油剤(1)を各区画に5.7gずつ充填し上部から軽く
押し当てた。さらにもう一枚のポリプロピレン不織布を
重ね合わせポリプロピレン不織布の4方および各区画間
をヒートシーラーによりシール幅5mmに熱融着すること
により51.5cm3の空間容積を有する24室に分画され
た分画室に吸油剤(1)の5.7g(充填率n:1.0)
が充填されてなる本発明の吸油材(1)を得た。
【0044】<実施例2>実施例1において単量体
(A)としてヘキサデシルメタクリレート(SP値:
7.8)49.930部およびN−オクチルメタクリル
アミド(SP値:8.6)49.930部、架橋性単量
体(B)としてジビニルベンゼンO.140部を代わり
に用い、また回転数を300rpmに変更した以外は実
施例1と同様の方法により、平均粒径100μmの吸油
性重合体(2)を含む水分散体(樹脂純分25重量%)
を得た。
【0045】また、前記ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル1.5部を水150部に溶解した水溶液中に疎水
性シリカ(日本シリカ製、ニップシールSS−70、M
値:65)の微粉体(平均粒径:4μm)5部を加え、
300rpmの条件下で攪拌し疎水性シリカの水分散体
を得た。ついで、吸油性重合体(2)を含む水分散体1
80部を徐々に加え10分間攪拌を続け、吸油性重合体
(2)と疎水性シリカとからなる凝集物を得た。この凝
集物をろ別し80℃で乾燥後に解砕することにより、吸
油性重合体(2)45部および疎水性シリカ5部からな
る平均粒径3mmの大きさに造粒された吸油剤(2)を
得た。この吸油剤(2)の灯油に対する飽和膨潤重量倍
率mは8であった。
【0046】ついで、実施例1において各区画への充填
量を3.4gに変更した以外は実施例1と同様の方法に
より51.5cm3の空間容積を有する24室に分画された
分画室に吸油剤(2)の3.4g(充填率n:0.6)が
充填されてなる本発明の吸油材(2)を得た。
【0047】<実施例3>前記ポリオキシエチレンアル
キルエーテル3部を水300部に溶解した水溶液中に単
量体(A)としてドデシルアクリレート(SP値:7.
9)57.772部およびN,N−ジオクチルアクリル
アミド(SP値:8.2)38.515部、架橋性単量
体(B)としてポリプロピレングリコールジメタクリレ
ート(分子量4000)3.713部および重合開始剤
として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.5部
からなる溶液を加え、ホモミキサーにて10000回転
で10分間混合し単量体の水分散液を得た。
【0048】ついで、温度計、攪拌機、ガス導入管およ
び還流冷却器を備えた500mlのフラスコに上記単量
体の水分散液を仕込み、400rpmの条件下で激しく
攪拌しながらフラスコ内を窒素置換した。引き続き窒素
気流下にフラスコ内の温度を70℃に昇温し、同温度で
2時間維持して重合反応を行い、その後さらに90℃に
昇温して重合を完了させ、平均粒径5μmの吸油性重合
体(3)を含む水分散体(樹脂純分25重量%)を得
た。
【0049】また、前記ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル1.5部を水150部に溶解した水溶液中に実施
例2で用いたのと同じ疎水性シリカ5部を加え、300
rpmの条件下で攪拌し疎水性シリカの水分散体を得
た。ついで、吸油性重合体(3)を含む水分散体30部
を徐々に加え10分間攪拌を続け、吸油性重合体(3)
と疎水性シリカとからなる凝集物を得た。さらに、この
凝集物をろ別し80℃で乾燥後に解砕することにより、
吸油性重合体(3)7.5部および疎水性シリカ5部か
らなる平均粒径0.2mmの大きさに造粒された吸油剤
(3)を得た。この吸油剤(3)の灯油に対する飽和膨
潤重量倍率mは6であった。
【0050】ついで、実施例1において各区画への充填
量を10.3gに変更した以外は実施例1と同様の方法
により51.5cm3の空間容積を有する24室に分画され
た分画室に吸油剤(3)の10.3g(充填率n:1.
4)が充填されてなる本発明の吸油材(3)を得た。
【0051】<実施例4>実施例1において単量体
(A)としてドデシルアクリレート(SP値:7.9)
99.823部、架橋性単量体(B)としてエチレング
リコールジアクリレートO.177部を代わりに用いた
以外は実施例1と同様の方法により、平均粒径30μm
の吸油性重合体(4)を含む水分散体(樹脂純分25重
量%)を得た。
【0052】また、前記ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル1.5部を水150部に溶解した水溶液中にステ
アリン酸アルミニウムの微粉体(平均粒径5μm)3部
および実施例1で用いたのと同じ疎水性シリカ2部を加
え、300rpmの条件下で攪拌し疎水性シリカの水分
散体を得た。ついで、吸油性重合体(4)を含む水分散
体80部を徐々に加え10分間攪拌を続け、吸油性重合
体(4)とステアリン酸アルミニウムおよび疎水性シリ
カとからなる凝集物を得た。さらに、この凝集物をろ別
し80℃で乾燥後に解砕することにより、吸油性重合体
(4)20部とステアリン酸アルミニウム3部および疎
水性シリカ2部からなる平均粒径2mmの大きさに造粒
された吸油剤(4)を得た。この吸油剤(4)の灯油に
対する飽和膨潤重量倍率mは9であった。
【0053】ついで、実施例1において各区画への充填
量を5.2gに変更した以外は実施例1と同様の方法に
より51.5cm3の空間容積を有する24室に分画された
分画室に吸油剤(4)の5.2g(充填率n:1.0)が
充填されてなる本発明の吸油材(4)を得た。
【0054】<実施例5>実施例1において単量体
(A)としてt−ブチルスチレン(SP値:7.9)5
4.881部および1−デセン(SP値:7.0)4
4.903部、架橋性単量体(B)としてジビニルベン
ゼン0.216部を代わりに用いた以外は実施例1と同
様の方法により、吸油性重合体(5)を含む水分散体
(樹脂純分25重量%)を得た。ついで、この水分散体
から樹脂分をろ別乾燥したのちコロイドミルで粉砕する
ことにより、平均粒径5μmの吸油性重合体(5)の粒
状物を得た。
【0055】さらに、この吸油性重合体(5)の粒状物
(平均粒径5μm)15部および疎水性シリカ(日本シ
リカ製、ニップシールSS−75、M値:30)の微粉
体(平均粒径:4μm)5部をコロイドミルを用いて混
合することにより平均粒径1mmの大きさに造粒された
吸油剤(5)を得た。この吸油剤(5)の灯油に対する
飽和膨潤重量倍率mは8であった。
【0056】30.5×45.5cmのポリプロピレン不織
布(目付け50g/m2 )2枚を重ね合わせた後、4
5.5cmの1辺を残し3方および30.5cmの2辺の中央
の位置にこれらの2辺と平行になるようにシール幅5mm
に熱融着し2室に分画された袋を作成した。ついで、各
分画室に吸油剤(5)を306gずつ充填した後残りの
1辺をシール幅5mmに熱融着することにより2760cm
3の空間容積を有する2室に分画された分画室に吸油剤
(5)の306g(充填率n:1.0)が充填されてな
る本発明の吸油材(5)を得た。
【0057】<実施例6>実施例1において単量体
(A)としてノニルフェニルアクリレート(SP値:
8.3)74.793部およびヒドロキシエチルアクリ
レート(SP値:10.3)24.931部を代わりに
用い、架橋性単量体(B)としての1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレートの量を0.276部に変更した以
外は実施例1と同様の方法により、平均粒径30μmの
吸油性重合体(6)を含む水分散体(樹脂純分25重量
%)を得た。
【0058】また、前記ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル1.5部を水150部に溶解した水溶液中に疎水
性アルミナ(日本アエロジル製、RFY−C、M値:5
0)の微粉体(平均粒径:3μm)5部を加え、300
rpmの条件下で攪拌し疎水性アルミナの水分散体を得
た。ついで、吸油性重合体(6)を含む水分散体60部
を徐々に加え10分間攪拌を続け、吸油性重合体(6)
と疎水性アルミナとからなる凝集物を得た。さらに、こ
の凝集物をろ別し80℃で乾燥後解砕することにより、
吸油性重合体(6)15部と疎水性アルミナ5部とから
なる凝集した粒状物を含む水分散体216.5部を得
た。この水分散体の一部をろ別乾燥後、粉砕して得られ
た吸油剤(6)の灯油に対する飽和膨潤重量倍率mは7
であった。
【0059】得られた水分散体535.8g(粒状物と
して49.5g)を31×45cm(シール幅5mm)のポ
リエステル不織布(目付け50g/m2 )製の袋に充填
して水分を濾過したのち、充填口を熱融着して閉じた。
次いでローラーにて余剰な水を絞り出し60℃で乾燥さ
せた後袋材の上から充填物が粉末状になるまでもみほぐ
した。ついで、ミシンにより2×2cmの碁盤の目状に1
5×22の合計330区画に分画することにより、1.
2cm3の空間容積を有する330室に分画された分画室
に吸油剤(6)の0.15g(充填率n:1.0)が充填
されてなる本発明の吸油材(6)を得た。
【0060】<実施例7>実施例1において単量体
(A)としてラウリン酸ビニル(SP値:7.9)9
9.811部、架橋性単量体(B)としてトリメチロー
ルプロパントリアクリレートO.187部を代わりに用
いた以外は実施例1と同様の方法により、平均粒径30
μmの吸油性重合体(7)を含む水分散体(樹脂純分2
5重量%)を得た。
【0061】また、前記ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル1.5部を水150部に溶解した水溶液中にステ
アリン酸アルミニウムの微粉体(平均粒径:5μm)4
部および実施例2で用いたのと同じ疎水性シリカの微粉
体1部を加え、300rpmの条件下で攪拌しステアリ
ン酸アルミニウムと疎水性シリカの水分散体を得た。つ
いで、吸油性重合体(7)を含む水分散体60部を徐々
に加え10分間攪拌を続け、吸油性重合体(7)とステ
アリン酸アルミニウムおよび疎水性シリカとからなる凝
集物を得た。さらに、この凝集物をろ別し80℃で乾燥
後解砕することにより吸油性重合体(7)15部、ステ
アリン酸アルミニウム4部および疎水性シリカ1部から
なる平均粒径2mmの大きさに造粒された吸油剤(7)
を得た。この吸油剤(7)の灯油に対する飽和膨潤重量
倍率mは8であった。
【0062】得られた吸油剤(7)21gを直径5cm、
高さ70cmの筒状のナイロン袋に充填し低面から10cm
の高さの部分を紐で縛った。さらに、吸油剤(7)21
gを充填し最初の紐の結び目から10cmの高さの部分を
紐で縛り、同様の操作をさらに4回繰り返すことにより
空間容積約190cmの円筒状の容器に吸油剤(7)が2
1g(充填率n:1.0)ずつ充填された6連のソーセ
ージ状の本発明の吸油材(7)を得た。
【0063】<比較例1>実施例4において、各区画へ
の吸油剤(4)の充填量を5.2gから1.5gに変更し
た以外は実施例4と同様の方法により51.5cm3の空間
容積を有する24室に分画された分画室に吸油剤(4)
の1.5g(充填率n:0.3)が充填されてなる比較吸
油材(1)を得た。
【0064】<比較例2>実施例4において、各区画へ
の吸油剤(4)の充填量を5.2gから10.3gに変更
した以外は実施例4と同様の方法により51.5cm3の空
間容積を有する24室に分画された分画室に吸油剤
(4)の1035g(充填率n:2.0)が充填されて
なる比較吸油材(2)を得た。
【0065】<比較例3>30.5×45.5cmのポリプ
ロピレン不織布(目付け50g/m2 )2枚を重ね合わ
せた後、45.5cmの1辺を残した3方をシール幅5mm
に熱融着し袋を作成した。ついで、吸油剤(4)803
gを充填した後残りの1辺をシール幅5mmに熱融着する
ことにより8030cm3の空間容積を有し分画室を持た
ないに吸油剤(5)の803g(充填率n:1.0)が
充填されてなる比較吸油材(3)を得た。
【0066】<比較例4>30.6×45cmのポリプロ
ピレン不織布(目付け50g/m2 )2枚を重ね合わせ
た後、45cmの1辺を残した3方をシール幅5mmに熱融
着し袋を作成した。ついで、吸油剤(4)15.6gを
充填した後残りの1辺をシール幅5mmに熱融着した。さ
らに、ミシンにより0.8×0.8cmの碁盤の目状に37
×55の合計2035区画に分画することにより、0.
077cm3の空間容積を有する2035室に分画された
分画室に吸油剤(4)の0.0077g(充填率n:1.
0)が充填されてなる比較吸油材(4)を得た。
【0067】<実施例8>実施例1〜7で得られた吸油
材(1)〜(7)、比較例1〜4で得られた比較吸油材
(1)〜(4)のそれぞれを20℃の条件下にA重油お
よびガソリン中に1分間浸漬した後引き上げ、200メ
ッシュの金網上に1分間放置して油切りした。その後秤
量により吸油材に吸収された吸油量を測定した。
【0068】ついで、吸油量の測定が終了したサンプル
をクリップにて垂直方向に5分間釣り下げた後の重量を
測定し下記計算式に従い保油率を算出した。
【0069】保油率(%)={(吸油量−流出油量)/
吸油量}×100 それらの評価結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】本発明の吸油材は、特定の空間容積を有
する複数室に分画された油透過性の容器中に特定量の粉
末状および/または顆粒状の吸油剤を充填したものであ
る。そのため、吸油前の吸油剤の偏りが少なく、粉体の
吸油速度が阻害されることがないばかりでなく、吸油剤
の吸油性能が高い効率で発揮される構造となっている。
また、吸油後の吸油剤の偏りが少なく、且つ油の液ダレ
が著しく低減されているため、回収時や回収後の処理が
煩雑になることがない。
【0072】したがって、本発明の吸油剤は、海上流出
油回収、浮上油回収、廃水中の油分回収、エマルション
ブレーカー、廃油処理剤、食用廃油処理剤、機械油廃油
処理剤、家庭用または工業用ふきとり剤、化学ぞうき
ん、漏油センサー、オイルシール剤、各種保油剤などの
非常に広範な用途に適応できるほか、各種芳香剤、殺虫
剤、集魚剤などの徐放性基材としても使用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸油材の代表的な実施例を示す斜視図
である。
【図2】本発明の吸油材の代表的な実施例を示す平面図
である。
【図3】図2のII−II線断面図である。
【符号の説明】
1…ポリプロピレン不織布などの油透過性材料 2…シール部分 3…分画室 4…吸油剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数室に分画された油透過性の材料から
    なる容器中に、各室の取り得る最大空間容積Vcm3に対
    して、灯油に対する飽和膨潤重量倍率がm倍である粉末
    状および/または顆粒状の吸油剤(I)が、各室の充填
    量Sgが式1 【数1】 (ただし、式中Vは0.1〜5000、nは0.5〜1.
    5の範囲である。)を満たす範囲で充填されてなる吸油
    材。
  2. 【請求項2】 吸油剤(I)が吸油性重合体(II)を含
    有するものであり、且つ吸油性重合体(II)が、溶解度
    パラメーター(SP値)が9以下の単量体を主成分とし
    てなる分子中に1個の重合性不飽和基を有する単量体
    (A)96〜99.999重量%および分子中に少なく
    とも2個の重合性不飽和基を有する架橋性単量体(B)
    0.001〜4重量%(ただし単量体(A)および
    (B)の合計は100重量%である)からなる単量体成
    分を重合して得られる吸油性架橋重合体(III)を主成
    分としてなるものである請求項1記載の吸油材。
  3. 【請求項3】 単量体(A)が、少なくとも1個の炭素
    数3〜30の脂肪族炭化水素基を有し且つアルキル(メ
    タ)アクリレート、アルキルアリール(メタ)アクリレ
    ート、アルキル(メタ)アクリルアミド、アルキルアリ
    ール(メタ)アクリルアミド、脂肪酸ビニルエステル、
    アルキルスチレンおよびα−オレフィンからなる群より
    選ばれる少なくとも1種の不飽和化合物(a)を主成分
    としてなるものである請求項2記載の吸油材。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112551640A (zh) * 2019-09-26 2021-03-26 祯佶祥实业股份有限公司 用于清理污油的拦油绳及清理污油的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112551640A (zh) * 2019-09-26 2021-03-26 祯佶祥实业股份有限公司 用于清理污油的拦油绳及清理污油的方法

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