JPH086976Y2 - 立体地下駐車場における車止め機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は昇降台の上下のパレットに夫々自動車を乗せ
て上下のパレットを同時に昇降させて一方の自動車を移
動させることなく他方の自動車を移動させることができ
るようにした立体地下駐車場に関し、詳しくは下パレッ
トに設ける車止めの構造に関するものである。

［従来の技術］ 近年、立体地下駐車場としては第５図に示すようなも
のが提供されている。これは地下に上面が地上に開口せ
る昇降スペース１を設けると共に上下に夫々自動車２を
乗せることができる上パレット３と下パレット４とを有
する昇降台５を昇降スペース１に昇降自在に配設し、昇
降台５が下降した状態で上パレット１が地上面６と下パ
レット４が地下面７と揃うと共に昇降台５が上昇した状
態で下パレット４が地上面６と揃うようになっている。
従って昇降台５を下降させた状態で第５図（ａ）に示す
ように上下のパレット3,4に自動車２を格納しておくこ
とができ、またこの状態で上パレット３の自動車２は地
上面６に対して出し入れできる。また昇降台５を上昇さ
せると、第５図（ｂ）に示すように下パレット４の自動
車２は地上面６に対して出し入れできる。

ところで自動車２を上パレット３や下パレット４に乗
せた状態で昇降するとき車輪８が転動しないように車止
めで止める必要がある。従来、この車止めとしては、上
パレット３には跳ね上げ式車止め機構を用い、下パレッ
ト４には後輪の後方に位置する大型の車止めを用いてい
た。跳ね上げ式の車止め機構は第６図（ａ）（ｂ）に示
すように上方に突出して車輪８に係止する車止めａを上
パレット３に軸ｂにて上下に回転自在に装着してあり、
軸ｂに巻回したばねｃにて車止めａが突出するように付
勢してあり、軸ｂの外側の端部にレバーｄを一体に設け
てある。そして上パレット３が地上面６より上方に位置
しているときにはばねｃの力で車止めａが突出している
が、上パレット３が地上面６に下降した時昇降スペース
１の上端開口の外枠９の係止ピンｅにレバーｄが係止し
てレバーｄが回転して車止めａがばねｃの力に抗して下
方に回転して車止めａが上パレット３の上面より没入
し、自動車２の出入りが自在にできる。

［考案が解決しようとする課題］ ところで立体地下駐車場では自動車の収納台数を増や
すために第５図に示すように家屋の下にも昇降スペース
１に連続するように地下収納スペース11が設けられるこ
とがある。この場合、上下のパレット3,4以外に地下収
納スペース11にも自動車２を収納することができる。と
ころが、従来、下パレット４には大型の固定式の車止め
が設けられているので下パレット４を下降させたとき自
動車２を移動させることができず、地下収納スペース11
に自動車２を収納できない。また上パレット３に設けた
跳ね上げ式車止め機構を下パレット４に流出して下パレ
ット４が地下面７に降下したとき車止めａを下パレット
４の上面から没入させることも考えられるが、この構造
のものを用いると、下パレット４が上昇したとき車止め
ａが突出したままで自動車２の出し入れができない。

本考案は叙述の点に鑑みてなされたものであって、本
考案の目的とするところは下パレットの昇降中は車止め
が突出しているのは勿論、下パレットが地上面まで上昇
したときも地下面まで下降したときも車止めが下パレッ
ト上面から没入して下パレットとが地上面にあるときも
地下面にあるときも自動車を移動できる立体地下駐車場
における車止め機構を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため本考案立体地下駐車場におけ
る車止め機構は、地下に上面が地上に開口せる昇降スペ
ース１を設けると共に上下に夫々自動車２を乗せること
ができる上パレット３と下パレット４とを有する昇降台
５を昇降スペース１に昇降自在に配設し、昇降台５が下
降した状態で上パレット３が地上面６と下パレット４が
地下面７と揃うと共に昇降台５が上昇した状態で下パレ
ット４が地上面６と揃う立体地下駐車場において、上方
に突出することにより自動車２の車輪８に係止する車止
め12を下パレット４に軸13にて上下に回動自在に装着
し、軸13に車止め12が上方に突出するように付勢するば
ね14を巻回し、昇降台５が上昇したとき昇降スペース１
の上端開口の外枠９に当たって車止め12が下方に倒れる
ように上記軸13を回転させる第１レバー15と昇降台５が
下降したとき地下面７に当たって車止め12が下方に倒れ
るように上記軸13を回転させる第２レバー16とを上記軸
13に相反する方向に突出するように設けた。

また車止め12、軸13、ばね14、第１レバー15、第２レ
バー16より構成される車止め機構を車輪８の前後に夫々
位置するように下パレット４に設けて車止め12で車輪８
の前後を止められるようにすることも好ましい。

［作用］ 下パレット４を地上面６まで上昇させたとき第１レバ
ー15が外枠９の下面に当たって車止め12がばね14に抗し
て回転して車止め12が下パレット４に没入し、また下パ
レット４を地下面７まで下降させたとき第２レバー16が
地下面７に当たって回動して車止め12が下パレット４に
没入する。従って下パレット４の昇降中は車止め12にて
自動車２の車輪８が止められ、下パレット４が上昇しと
き及び下パレット４が下降したとき車止め12が下パレッ
ト４に没入して自動車２を移動できる。

［実施例］ 第１図（ａ）（ｂ）に示すように下パレット４に自動
車２が乗ったとき車輪８が位置する部分の近傍には上方
に突出することにより車輪８に係止する車止め12を配置
してあり、車止め12を回転自在な軸13に固定してあり、
軸13と一緒に車止め12が上下に回転するようになってい
る。軸13の外側端には第１レバー15と第２レバー16とを
軸13に直交して第１レバー15と第２レバー16とが相反す
る方向に突出するように設けてある。軸13にはつるまき
ばねのようなばね14を巻回してあり、ばね14にて車止め
12が下パレット４の上面より突出するように付勢してあ
る。下パレット４が昇降台２の昇降にて昇降中はばね８
の力で車止め12が上方に突出しており、この状態で車止
め12が自動車２の車輪８に係止している。昇降台２の上
昇にて下パレット４が上昇して地上面６にくると、第１
レバー15が昇降スペース１の上端開口の外枠９にあたっ
て第１レバー15が下方に押され、ばね８に抗して第２図
に示すように車止め12が下方に回動して車止め12が下パ
レット４に没入して地上面６で自動車２の移動ができ
る。また下パレット４を地下面７に下降させたとき第２
レバー16が地下面７に当たって第２レバー16が上方に押
され、ばね８に抗して第３図に示すように車止め12が下
方に回動して車止め12が下パレット４に没入して地下面
７での自動車２の移動が自在にでき、地下収納スペース
11にも自動車２を収納することができる。なお、上パレ
ット３には従来と同じ跳ね上げ式車止め機構を用いてい
る。

第４図は叙述の他の実施例を示す。自動車２の車輪８
の乗る位置の前後には上記のように車止め12、軸13、ば
ね14、第１レバー15及び第２レバー16よりなる車止め機
構を夫々設けてあり、車止め12が突出したとき車輪８の
前後に車止め12が係止して車輪８が転動しないように確
実に止めることができるようになっている。

［考案の効果］ 本考案は叙述の如く上方に突出することにより自動車
の車輪に係止する車止めを下パレットに軸にて上下に回
動自在に装着し、軸に車止めが上方に突出するように付
勢するばねを巻回し、昇降台が上昇したとき昇降スペー
スの上端開口の外枠に当たって車止めが下方に倒れるよ
うに上記軸を回転させる第１レバーと昇降台が下降した
とき地下面に当たって車止めが下方に倒れるように上記
軸を回転させる第２レバーとを上記軸に相反する方向に
突出するように設けているので、下パレットの昇降中は
ばねの力で車止めが突出して自動車の車輪が動かないよ
うになっているのは勿論、下パレットが地上面に上昇し
たとき第１レバーが外枠で押されて車止めが下方に回転
して下パレットに車止めが没入して地上面での自動車の
移動が自在にできるものであり、しかも下パレットが地
下面に下降したとき第２レバーが地下面で押されて上に
回転して車止めが下方に回動して車止めが下パレットに
没入して地下面での自動車の移動が自在にできて別の地
下収納スペースにも移動できるものである。

また本考案の請求項２記載の考案にあっては、車止
め、軸、ばね、第１レバー、第２レバーより構成される
車止め機構を車輪の前後に夫々設けて車止めで車輪の前
後を止められるようにしているので、下パレットの昇降
中に車輪の前後を車止めで係止して自動車の移動を確実
に阻止できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）は本考案の一実施例の一部切欠正面図、第
１図（ｂ）は第１図（ａ）の一部切欠平面図、第２図は
同上の下パレットの上昇した状態の一部切欠正面図、第
３図は同上の下パレットの下降した状態の一部切欠正面
図、第４図は同上の他の実施例の一部切欠正面図、第５
図（ａ）は立体地下駐車場を示す概略断面図、第５図
（ｂ）は昇降台の上昇した状態の概略断面図、第６図
（ａ）は従来例の跳ね上げ式車止め機構の一部切欠平面
図、第６図（ｂ）は第６図（ａ）の一部切欠正面図であ
って、１は昇降スペース、２は自動車、３は上パレッ
ト、４は下パレット、５は昇降台、６は地上面、７は地
下面、８は車輪、９は外枠、12は車止め、13は軸、14は
ばね、15は第１レバー、16は第２レバーである。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】地下に上面が地上に開口せる昇降スペース
   を設けると共に上下に夫々自動車を乗せることができる
   上パレットと下パレットとを有する昇降台を昇降スペー
   スに昇降自在に配設し、昇降台が下降した状態で上パレ
   ットが地上面と下パレットが地下面と揃うと共に昇降台
   が上昇した状態で下パレットが地上面と揃う立体地下駐
   車場において、上方に突出することにより自動車の車輪
   に係止する車止めを下パレットに軸にて上下に回動自在
   に装着し、軸に車止めが上方に突出するように付勢する
   ばねを巻回し、昇降台が上昇したとき昇降スペースの上
   端開口の外枠に当たって車止めが下方に倒れるように上
   記軸を回転させる第１レバーと昇降台が下降したとき地
   下面に当たって車止めが下方に倒れるように上記軸を回
   転させる第２レバーとを上記軸に相反する方向に突出す
   るように設けて成る立体地下駐車場における車止め機
   構。
2. 【請求項２】車止め、軸、ばね、第１レバー、第２レバ
   ーより構成される車止め機構を車輪の前後に夫々位置す
   るように下パレットに設けて車止めで車輪の前後を止め
   られるようにして成る請求項１記載の立体地下駐車場に
   おける車止め機構。