JPH0867979A - 交換可能なターゲット構造を備えた回転マグネトロン - Google Patents

交換可能なターゲット構造を備えた回転マグネトロン

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JPH0867979A
JPH0867979A JP7215730A JP21573095A JPH0867979A JP H0867979 A JPH0867979 A JP H0867979A JP 7215730 A JP7215730 A JP 7215730A JP 21573095 A JP21573095 A JP 21573095A JP H0867979 A JPH0867979 A JP H0867979A
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spindles
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、取外し及び交換が容易なタ
ーゲット構造を備えた改善された回転マグネトロンを提
供することにある。 【解決手段】 ターゲット構造の効率的取外し及び交換
が可能な改善された回転マグネトロン。本発明の回転マ
グネトロンは、ターゲット構造と係合すべく伸長するか
又はターゲット構造から離脱すべく後退できる少なくと
も1つのスピンドルを備えた軸線方向に移動可能な構造
を有し、好ましくは更に、スピンドルと改善された回転
マグネトロンのシールハウジングとの間に配置される、
カートリッジとして一体化された水シール及び真空シー
ルを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広くは、基板製品
をスパッタリングによりコーティングするマグネトロン
装置に関し、より詳しくは、交換可能なターゲット構造
を備えた回転マグネトロン装置に関する。更に本発明
は、回転マグネトロン装置のターゲット構造を交換する
改善された方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築用ガラス、自動車用ウインドシール
ド等の大面積基板のコーティングは、平面マグネトロン
を使用するスパッタリング方法により行なわれている。
このようなコーティングとして、商業ビルディングの窓
に広く使用されている多層太陽光制御コーティングがあ
る。コーティングすべきガラス面積が大きいため、コー
ティング機械は非常に大形である。最近では、このよう
なコーティングを行なうための回転マグネトロン装置が
開発されており、平面マグネトロンに内在する既知の幾
つかの問題を解決している。回転マグネトロンは、Al
ex Boozenny及びJosef T.Hoog
の1992年3月17日付米国特許第5,096,56
2号に開示されており、該米国特許の全記載は本願に援
用する。一般に、回転可能なマグネトロンすなわち回転
マグネトロンの作動は、適当な流体冷却を行いながら、
高真空の実質的に円筒状のスパッタリングターゲットを
静止磁気アレーの回りで回転させることを含んでいる。
かくして、回転マグネトロンは、一般に、回転駆動機構
と、磁気アレーの回りでターゲットを回転可能にするベ
アリングと、導電体及び冷却導管とを必要とする。
【0003】このような回転駆動機構及び導管は周囲の
環境から真空チャンバ内に延入しているので、回転マグ
ネトロンは更に、回転駆動機構及び導電体及び冷却導管
の回りに真空シールを使用する必要がある。この目的の
ために真空シール及び回転水シールが使用されており、
このようなシールは、高温及び高機械的負荷の条件下で
漏洩が生じ易い傾向を有する。従来の回転マグネトロン
では、ターゲット構造の取外し及び交換に、厳格な真空
シールの取外し、取扱い及び交換作業を必要とする。こ
のような取扱いはシールを水分及び汚染物質に曝すと同
時に、シールの交換は不適切な再組立ての機会をもたら
す。かくして、これらの回転マグネトロンの再組立て
は、シールの一体性及び有効スパッタリングを行なう上
での厳格な特徴に問題を引き起こす。また、これらのタ
ーゲット構造の取外し及び交換は複雑であり且つ数時間
を要する。このような非効率的な取外し及び交換作業
は、最適生産量に対する労働コスト及び生産コストを無
視できないものとする。また、このような長時間に及ぶ
取外し及び交換の間、コーティングチャンバは周囲の環
境、従って水分及び汚染物質に曝され、このような露出
は、製品の品質及び生産量に悪影響を与える。従って、
これらの回転マグネトロンの再組立てに際しては、不必
要な生産コストが課せられ、多大な製造時間が失われ、
且つ製品の品質が損なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、取外し及び交換が容易なターゲット構造を備えた改
善された回転マグネトロンを提供することにある。本発
明の他の目的は、回転マグネトロンのターゲット構造の
取外し及び交換を効率的に行なう方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、長手方向軸線
に沿って移動可能な円筒状のスパッタリングターゲット
を回転させるスピンドルを設けることにより、回転マグ
ネトロンを改善する。より詳しくは、スピンドルは、タ
ーゲットの一端に隣接して配置された支持体に対して軸
線方向に移動できる。基板のコーティングを行なう場合
には、スピンドルを支持体から伸長させ、コーティング
中に回転するスパッタリングターゲットと係合させる。
ターゲットのスパッタリング表面が消耗した場合には、
スピンドルを支持体内に後退させ、マグネトロンから取
り外すべくスパッタリングターゲットからスピンドルを
離脱させる。スピンドルを後退させたならば、マグネト
ロンに新しいスパッタリングターゲットを配置し、スピ
ンドルを伸長させて新しいターゲットと係合させ、基板
のコーティング作業の再開時に回転できるようにする。
また本発明は、回転可能な円筒状ターゲット内に静止磁
気アレーを支持する構造の構成に関する改善を提供す
る。この磁石支持構造は、概略的にいえば、ターゲット
の長さに沿って延びる円筒状チューブである(しかしな
がら、該チューブの両端部は、ターゲット端部に隣接す
るスピンドル支持体より短い)。チューブはスピンドル
支持体内に伸長しないので、スピンドルをターゲット端
部から後退させると、チューブはターゲットと一緒にマ
グネトロンから容易に取り外される。
【0006】また、磁石支持チューブがスピンドル支持
体内で不動に保持されないときには、ターゲットに対し
て常時自由に回転できるように維持される。しかしなが
ら、基板の実際のコーティング中には、磁気アレーは回
転ターゲットに対して静止すべきである。従って、本発
明は更に、スピンドル支持体内で軸線方向に移動可能な
構造であって、磁石支持チューブ内に伸長して該チュー
ブと係合し、これによりコーティング中にチューブ及び
磁気アレーを静止させる構造を提供する。このようなコ
ーティングによりターゲットのスパッタリング表面が消
耗すると、この固定構造はスピンドル支持体内に後退さ
れて磁石チューブから離脱し、これにより、消耗したタ
ーゲットと一緒に磁石チューブを取り外すことができ
る。スピンドル支持体に対しスピンドル及び固定構造が
軸線方向に移動できるため、これらの両者をそれぞれ消
耗したターゲット及び該ターゲット内の磁石支持チュー
ブから簡単に後退させることができ、これにより消耗し
たターゲット及び該ターゲット内の磁気アレーを回転マ
グネトロンから効率的に取り外すことができる。これは
また、スピンドル及び固定構造を新しいスパッタリング
ターゲットに向けて簡単に伸長させて、それぞれ新しい
ターゲット及び該ターゲット内の磁石支持チューブと係
合させ、これにより、消耗したターゲットと新しいスパ
ッタリングターゲットとの効率的交換を可能にする。
【0007】本発明の他の改善は、別の軸線方向に移動
可能なスピンドルをターゲットの反対側の端部に設け、
ターゲットの両端部に配置された支持体内に単にスピン
ドルを後退させることにより、一般的に長く且つ重いス
パッタリングターゲットを充分に支持し且つ容易に取外
し及び交換できるようにすることにある。本発明は、回
転マグネトロンの消耗したターゲットの取外し及び交換
を行なうのに要する時間を、既存の回転マグネトロンの
場合の数時間から本発明の改善された回転マグネトロン
装置の場合の約20分以下に短縮させることにより、消
耗したターゲットの迅速な取外し及び交換ができるよう
にする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の他の目的、長所及び特徴
は、添付図面に関連して述べる好ましい実施例について
の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本発明
の回転マグネトロン装置は、ひとたびそのスパッタリン
グ表面が基板コーティング作業の間に消耗したときに、
円筒状ターゲットの取外し及び交換を効率的に行なうこ
とができる。より詳しくは、本発明の回転マグネトロン
は、最短休止時間で迅速な復帰を図るべく、装置の分解
及び再組立てを簡単化している。このような分解を示す
ため、図1及び図2には、本発明の回転マグネトロンの
分解された状態が示されている。より詳しくは、図示の
装置は、分解される端部10と、分解される反対側の端
部12と、これらの両端部10、12の間に配置された
円筒状ターゲット14とを有している。マグネトロンの
端部10は、図5の部分分解図にも更に示されている。
再組立てを示すため、図3及び図4には、同じ回転マグ
ネトロン装置が完全に組み立てられた状態が示されてお
り、この状態では、ターゲット14が組み立てられた端
部10′と組み立てられた反対側の端部12′との間に
配置される。
【0009】図1〜図4において、ターゲット構造14
はその一部のみが示されている。なぜならば、一般にタ
ーゲット構造14は、大面積基板のコーティングを行な
う回転マグネトロンの端部10又は10′及び反対側の
端部12又は12′に対して非常に長いからである。し
かしながら、分解された(及び組み立てられた)回転マ
グネトロン装置の構成は、図1及び図2の波状補完線
a、bと図3及び図4の波状補完線a′、b′とをそれ
ぞれ整合させ且つ結合させることにより明らかになるで
あろう。この構成では、円筒状ターゲット14は、第1
ターゲット端部14a及び第2ターゲット端部14b
(これらの間のターゲット長さLを定める)を有する。
ターゲットシリンダ14の外表面には、スパッタリング
ターゲット表面34が形成されている。ターゲットシリ
ンダ14は、ターゲット表面34が磁気スパッタリング
ゾーンを通って回転できるように、長手方向中心軸線3
8の回りで回転する。本発明のスパッタリング装置の上
記説明に続き、類似の特徴及び要素は、ダッシュ(′)
を付す番号で特別に表さない限り、基本的参照番号で表
すものとする。
【0010】ここで、図1〜図4に関連して、回転マグ
ネトロンの支持装置を説明する。回転マグネトロン装置
は、支持壁16を備えた真空チャンバ内に配置される。
真空チャンバ壁16はその一部のみが示されているけれ
ども、実際には回転マグネトロンの端部10から反対側
の端部12まで延びている。端部10及び端部12にお
いて、真空チャンバ壁16にはそれぞれ端ブロック2
2、24が固定されている。端ブロック22、24(以
下、それぞれ、第1及び第2支持構造22、24と呼
ぶ)は、回転マグネトロンの分解及び組立てを行なうた
めの、軸線方向に移動可能な構成要素(後述)を支持す
る。これらの内部構成要素には、円筒状ターゲット14
の端部14a、14bと係合又は離脱すべく軸線方向に
移動されるカバー26、28を介してアクセスできる。
この構成により、第1及び第2支持構造22、24は、
一般に重い円筒状ターゲット14の支持体を構成でき
る。ここで、図1、図2及び図5と、図3及び図4とに
それぞれ示す回転マグネトロンの分解と組立てとに関連
して、回転マグネトロンの軸線方向可動構成要素を説明
する。より詳しくは、マグネトロンが組み立てられる
と、第1及び第2支持構造22、24は第1スピンドル
30及び第2スピンドル32を支持する。第1及び第2
スピンドル30、32はそれぞれフランジ30a、32
aを有し、これらのフランジは、組立て時にそれぞれ第
1ターゲット端部14a及び第2ターゲット端部14b
と係合できる形状を有している。
【0011】第1及び第2スピンドル30、32のうち
の少なくとも一方が、それぞれ支持構造22又は24に
対し、中心軸線38に沿って軸線方向に移動できる。こ
のように、軸線方向に移動可能なスピンドル30又は3
2は、組立て時(図3及び図4)にはターゲット端部と
係合すべく容易に伸長し、或いは分解時(すなわち図
5)にはターゲット端部から離脱すべく容易に後退でき
る。より詳しくは、軸線方向に移動可能なスピンドルが
その支持構造に対して充分外方に伸長されると、そのフ
ランジ30a又は30bが隣接するそれぞれのターゲッ
ト端部14a又は14bと係合する。同様に、軸線方向
に移動可能なスピンドルがその支持構造に対して充分内
方に後退されると、そのフランジ30a又は30bがそ
れぞれのターゲット端部から離脱する。このように、一
方のターゲット端部14a、14bが、軸線方向に移動
可能なスピンドルと係合及び離脱することができる。或
いは、両スピンドル30、32共軸線方向に移動できる
ようにして、両ターゲット端部14a、14bがこのよ
うに係合及び離脱するように構成できる。簡単化(但し
制限的ではない)のため、以下、特に断らない限り両ス
ピンドルが軸線方向に移動であるとして説明する。
【0012】本発明では、ターゲットシリンダ14のこ
のような係合及び離脱は、軸線方向に移動可能なスピン
ドルをマグネトロン装置内で直接取り扱うことなく行な
うことができる。より詳しくは、図3、図4及び図5に
示すように、スピンドル30、32内にはそれぞれ第1
及び第2スピンドル位置決め構造58、60が配置され
ており、これらのスピンドル位置決め構造58、60に
は、それぞれカバー26、28を介してマグネトロン装
置の外部からアクセスできる。これらの軸線方向に移動
可能な位置決め構造58、60は、それぞれスピンドル
30、32と自動的に係合して、該スピンドルをこれら
のターゲット係合位置(図3及び図4)及びターゲット
離脱位置(図5)に移動させる。例えばターゲット係合
は、第1及び第2位置決め構造58、60を伸長させ、
且つこれらの構造をターゲットシリンダ14の端部に配
置された保持構造62、64内にそれぞれ不動に固定す
ることにより行なわれる。図3及び図4に示すように、
第1及び第2位置決め構造58、60は、保持構造6
2、64に対し、軸線方向に移動せず且つ回転しないよ
うに固定される。従って、第1及び第2スピンドル3
0、32は、ターゲット係合位置に軸線方向に不動に固
定され、フランジ30a、32aがそれぞれ第1及び第
2ターゲット端部14a、14bと不動に係合する。こ
のターゲット係合位置において、スピンドル30、32
は、これと係合する第1及び第2ターゲット端部14
a、14bに対して回転しないように固定され、これに
よりスピンドル及びターゲットシリンダは一体に回転す
る。
【0013】一例として、第1及び第2スピンドル位置
決め構造58、60は、図1〜図5にねじボルトとして
示されている。また、ターゲットシリンダ14内に配置
される保持構造62、64(該保持構造62、64は、
1つ以上の保持リング18、19によりターゲットシリ
ンダ14内に保持できる)は、ねじ孔62b、64bを
備えたプレート62a、64aを備えたものが示されて
おり、ねじ孔62b、64bは、これと補完的に螺合す
る第1及び第2位置決め構造58、60をそれぞれ受け
入れる。図示のように、保持構造62、64と磁気構造
40との間には支持ベアリング20、21を配置でき
る。ターゲット離脱は、位置決め構造58、60の外表
面に沿って現れる係合構造66、68がそれぞれ、第1
及び第2スピンドル30、32のそれぞれの構造70、
72と係合するまで、第1及び第2位置決め構造58、
60を後退させることにより行なわれる。例えば、図5
により詳しく示すように、第1位置決め構造58を充分
に後退させると、係合構造66は第1スピンドル30の
構造70と係合し、これにより、第1スピンドル30は
係合構造66と一緒に自動的に後退してターゲット端部
14aから離脱する。一例として、図1〜図5には、係
合構造66、68がそれぞれ補完フランジ70、72と
係合するフランジとして示されている。
【0014】ここで、回転マグネトロンの軸線方向に移
動可能な別の構成要素について、回転マグネトロン内の
磁気アレー56の構成に関連して説明する。図1〜図5
に示すように、ターゲット構造14内には磁石支持構造
40が配置されており、該磁石支持構造40はターゲッ
ト長さLのほぼ全長に沿って延びている。磁石支持構造
40は、回転マグネトロンのスパッタリングゾーンを形
成する磁気アレー56を支持し且つ回転しないように固
定している。通常、磁石支持構造40は、中心軸線38
の回りで自由に回転できるように支持されている。しか
しながら、コーティング時には、磁気スパッタリングゾ
ーンは第1支持構造22に対して静止していなければな
らない。従って、コーティング時に磁石構造40の回転
位置を固定するための軸線方向に移動可能な固定構造4
2が設けられている。図1、図3及び図5に示すよう
に、固定構造42は、これを支持する第1支持構造22
に対して軸線方向に移動でき、第1支持構造22から磁
石構造40内に伸長する。コーティングの準備に際し回
転マグネトロン装置を組み立てる場合、固定構造42が
磁石構造40内に伸長され、支持構造22、24のうち
の一方の支持構造に対する固定構造42の回転位置を固
定する。このようして、磁気アレー56及びスパッタリ
ングゾーンも当該支持構造に対して固定される。コーテ
ィング時に、ターゲットシリンダ14は第1及び第2ス
ピンドル30、32を介して中心軸線38及び固定され
た磁気アレー56の回りで回転され、これにより、ター
ゲット表面34が静止スパッタリングゾーンを連続的に
通過する。円筒状ターゲット14が消耗して取り外す必
要が生じると、磁石構造から固定構造42を簡単に後退
させ、周囲のターゲットシリンダ14の取外しを容易に
する。
【0015】本発明では、消耗した円筒状ターゲット1
4を、次のコーティング作業を行なうための新鮮なスパ
ッタリング表面34をもつ新しい円筒状ターゲット14
と交換するけれども、磁気アレー56は再使用できる。
従って、消耗した円筒状ターゲット14がひとたびマグ
ネトロン及び保持リング18、19から取り外され且つ
保持構造62、64及び支持ベアリング20、21がタ
ーゲット14の内部から取り外されると、ターゲット1
4内の磁石構造40が新しい円筒状ターゲット14に移
され且つ支持ベアリング18、19、保持構造62、6
4及び保持リング18、19により該ターゲット14内
に固定される。移された磁石構造40を所定位置に配置
したならば、第1及び第2スピンドル30、32伸長さ
せて新しいターゲット14の第1及び第2ターゲット端
部14a、14bと係合させ且つ固定構造42を伸長さ
せて磁石構造40と係合させる。図5に示すように、固
定構造42は、第1支持構造22内の凹部74内に嵌合
できるピン44aを備えたプラグ44を有する。ピン4
4aが凹部74内に嵌合されると、固定構造42は第1
支持構造22に対して回転できないように固定される。
図5に更に示すように、固定構造42は、プラグ44の
一端に設けられたロッド46及びブレード48を有す
る。ブレード48は、これが上記のようにして固定され
るとき、磁石構造40内に配置された固定部材50と係
合する形状を有している。一例として、固定部材50
は、ブレード48を受け入れるスロット54を備えたバ
ー52(図5に断面で示す)からなる。
【0016】簡単化(但し制限的ではない)のため、固
定構造42は第1支持構造22に関連して説明した。し
かしながら、固定構造42は、第2支持構造24により
同様に支持して、磁石構造40内に伸長するように第2
支持構造に対して軸線方向に移動可能に構成できること
は理解されよう。同様に、固定構造42が第2支持構造
24により支持される場合には、第2支持構造24に対
して固定構造42が回転しないように固定する凹部(図
示せず)を第2支持構造24に設けることも理解されよ
う。第1及び第2支持構造22、24のうちの一方が、
そのそれぞれのスピンドル位置決め構造58又は60及
び固定構造42の両方を支持することは当然である。従
って、図1、図3及び図5に示すように、スピンドル位
置決め構造58は中空であり、この中に固定手段42が
支持され且つ軸線方向に移動できるようになっている。
図1、図3及び図5では、一方の支持構造が第1支持構
造22であるとして示されているけれども、この支持構
造を、固定手段42を内部に支持できる中空スピンドル
位置決め構造60を備えた第2支持構造24で構成でき
ることも理解されよう。
【0017】軸線方向に移動可能な上記内部構成要素の
支持体を構成することに加え、第1支持構造22は、全
体として、回転マグネトロンの端部10において、ター
ゲット端部14に冷却流体を供給し及びターゲット端部
14から冷却流体を排出するための導管(図示せず)を
も構成する。かくして、端部10において、スピンドル
位置決め構造58は、図1、図3及び図5に示すように
その全長に亘って中空であり、冷却流体が通り得るよう
になっている。反対側の端部12において、第2支持構
造24は、全体として、駆動源(図示せず)、プーリ8
4及びプーリベアリング(図示せず)を含む、ターゲッ
ト構造14を回転させる動力装置を構成している。一例
として、プーリ84は、一体導電リング(図示せず)を
備えた駆動プーリで構成できる。更に第2支持構造24
は、全体として、図2に示すように、導電体86及び電
気的接触装置88を含む、ターゲット構造14のスパッ
タリング表面34を電気的に付勢する電気装置を構成す
る。一例として、導電体86はカーボンブラシで構成で
き、一方電気的接触装置88はばね付勢形導電バンドで
構成できる。通常、回転マグネトロンのこの反対側の端
部12には冷却流体が供給されないので、スピンドル位
置決め構造60を、その実質的に全長に亘って中空にす
る必要はない。それどころか、図2及び図4に示すよう
に、その端部60aを中実に形成して、図4に示すよう
にスラストベアリング61に隣接して配置することがで
きる。かくして、スピンドル位置決め構造60の中空部
分を通って流れる冷却流体は、図4の矢印Aで示すよう
に、孔60b、60cから流出して、スピンドル位置決
め構造60の外面と第2スピンドル32の内面との間の
チャンネル内に流入する。
【0018】冷却導管、回転駆動装置及び付勢装置を設
けることは、本願に援用する米国特許第5,096,5
62号に開示されている。この米国特許では、第1及び
第2支持構造22、24のそれぞれに関して冷却導管、
回転駆動装置及び電気的付勢装置が説明されているけれ
ども、これらの導管及び装置は支持構造22、24のい
ずれか一方に設ければよいことは理解されよう。本発明
では、回転マグネトロンの軸線方向に移動可能な上記構
成要素は、第1及び第2支持構造22、24により構成
される冷却導管、回転駆動装置又は付勢装置の如何に係
わらず移動できる。例えば、第2スピンドル32は、プ
ーリ84、プーリベアリング(図示せず)及び電気的接
触装置88に対して軸線方向に移動できる。より詳しく
は、電気的接触装置88が、クランプ形接触装置ではな
くばね付勢形導電バンドのような摺動接触装置であれ
ば、第2スピンドル32は電気的接触装置88に対して
軸線方向に容易に移動できる。一般に、上記導管及び装
置は、真空チャンバの条件とは異なる条件をもつ周囲の
環境と連通している。従って、本発明の回転マグネトロ
ン装置には第1及び第2シールカートリッジ80、82
を設けるのが好ましい。これらのシールカートリッジ8
0、82は、それぞれ第1及び第2支持構造内に配置さ
れ、周囲の環境から真空チャンバをシールする。
【0019】より詳しくは図1〜図5に示すように、第
1及び第2支持構造22、24は、それぞれ第1及び第
2支持面76、78を有する。マグネトロン装置が組み
立てられるとき、第1及び第2シールカートリッジ8
0、82は、支持面76、78と第1及び第2スピンド
ル30、32との間で、それぞれ支持構造22、34内
に配置される。これらのシールカートリッジ80、82
は、それぞれ、支持面76、78と第1及び第2スピン
ドル30、32の外表面との間に真空シールを形成する
ように設計されている。シールカートリッジ80、82
は、これらのそれぞれの支持構造22、24に対して回
転しないように静止しているけれども、図1及び図2に
示すように、支持構造22、24に対して軸線方向に移
動して、分解のため該支持構造22、24から容易に取
り外すことができる。この好ましい実施例のシールカー
トリッジ80、82は、本願と同時に出願されたJoh
nH.Bower、Henry A.Byorum及び
Ronald E.Rambeau等の発明に係る「回
転マグネトロン用カートリッジシール(Cartrid
ge Seal For a Rotatable M
agnetron)」という名称の米国特許出願第08
/296,360号に記載されており、該米国特許出願
の全記載は本願に援用する。
【0020】該米国特許出願の記載から明らかなよう
に、本発明は、既存の端ブロック構成に新しい一体構成
要素を付加することにより、端ブロック、内部組立て構
成要素、冷却手段、回転駆動手段、電気的付勢手段及び
シールの分解又は取扱いをすることなくターゲットシリ
ンダの効率的取外し及び交換が行なえるように従来の回
転マグネトロンを改善する。より詳しくは、軸線方向に
移動可能な構成要素には端ブロックの外部からアクセス
し且つ簡単に後退及び伸長させて、円筒状ターゲットの
取外し及び交換を行なうことができる。また、分解及び
組立てのためのこれらの軸線方向に移動可能な構成要素
のアクセス、弛緩及び固定は、普通に入手できるソケッ
トレンチのような簡単な工具により行なうことができ
る。上記方法により、本発明の改善された回転マグネト
ロン装置は、ターゲットシリンダの取外し及び交換に要
する時間を数時間から約20分以下に短縮する。以上、
本発明を特定の好ましい実施例に関連して説明したが、
上記説明は本発明の例示であって、特許請求の範囲の記
載により定められる本発明の範囲を制限するものではな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転マグネトロンの端部を分解し
たところを概略的に示す縦断面図である。
【図2】本発明による回転マグネトロンの図1とは反対
側の端部を分解したところを概略的に示す縦断面図であ
る。
【図3】本発明による回転マグネトロンの図1に示す端
部が完全に組み立てられたところを概略的に示す縦断面
図である。
【図4】本発明による回転マグネトロンの図2に示す端
部が完全に組み立てられたところを概略的に示す縦断面
図である。
【図5】本発明による回転マグネトロンの図1に示す端
部の一部を分解したところを概略的に示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10 分解される端部 12 分解される反対側の端部 14 円筒状ターゲット 16 支持壁 18 保持リング 19 保持リング 22 端ブロック(第1支持構造) 24 端ブロック(第2支持構造) 26 カバー 28 カバー 30 第1スピンドル 32 第2スピンドル 34 スパッタリングターゲット表面 38 長手方向軸線 40 磁石構造(磁石支持構造) 42 固定構造(固定手段) 44 プラグ 46 ロッド 48 ブレード 50 固定部材 52 バー 58 第1スピンドル位置決め構造 60 第2スピンドル位置決め構造 62 保持構造 64 保持構造 70 補完フランジ 72 補完フランジ 76 第1支持面 78 第2支持面 80 シールカートリッジ 82 シールカートリッジ 84 プーリ 86 導電体 88 電気的接触装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔1〕ターゲットシリンダ(14)の外
    部に形成されたターゲット表面(34)を備えたターゲ
    ット構造を有し、ターゲットシリンダはその中心軸線
    (38)の回りで回転でき且つ第1ターゲット端部(1
    4a)及び第2ターゲット端部(14b)を備え、該両
    端部はこれらの間にターゲット長さ(L)を形成し、
    〔2〕第1及び第2ターゲット端部の支持体を構成でき
    るそれぞれ第1支持構造(22)及び第2支持構造(2
    4)と、〔3〕第1及び第2支持構造により支持される
    それぞれ第1スピンドル(30)及び第2スピンドル
    (32)とを有し、該第1及び第2スピンドルはそれぞ
    れ第1及び第2ターゲット端部と係合でき、〔4〕ター
    ゲット構造内に配置され且つ実質的にターゲット長さに
    沿って延びる磁石構造(40)を更に有し、ターゲット
    構造が磁石構造に対して回転できる、真空チャンバ内の
    回転マグネトロン装置(図1〜図5)において、 前記第1スピンドルは、第1支持構造に対して充分外方
    に伸長したときに第1ターゲット端部と係合し且つ第1
    支持構造に対して充分内方に後退したときに第1ターゲ
    ット端部から離脱するように、第1支持構造に対して軸
    線方向に移動でき、 前記磁石構造は、該磁石構造が中心軸線の回りで自由に
    回転できるようにターゲット構造内に支持され、 第1及び第2支持構造のうちの一方の支持構造により支
    持され且つ該一方の支持構造に対して軸線方向に移動可
    能な手段(42)を更に有し、該手段は、前記一方の支
    持構造から前記磁石構造内に伸長して、前記一方の支持
    構造に対する前記磁石構造の回転位置を選択的に固定す
    ることを特徴とする回転マグネトロン装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2スピンドルを位置決め
    する手段(58、60)を更に有し、該第1スピンドル
    位置決め手段(58)及び第2スピンドル位置決め手段
    (60)はそれぞれ第1及び第2支持構造により支持さ
    れ且つ該支持構造からターゲット構造内に伸長すべく該
    支持構造に対して軸線方向に移動でき、 前記第1及び第2スピンドル位置決め手段を前記保持手
    段内で不動に保持するための、ターゲット構造内に配置
    された手段(62、64)を有し、該手段は前記第1及
    び第2スピンドル位置決め手段を軸線方向及び回転方向
    に固定し、これにより前記第1及び第2スピンドルの軸
    線方向位置を選択的に不動に固定し、前記第1及び第2
    スピンドルをそれぞれ第1及び第2ターゲット端部と不
    動に係合させることを特徴とする請求項1に記載の回転
    マグネトロン装置。
  3. 【請求項3】 前記第2スピンドルは、第2支持構造に
    対して充分外方に伸長したときに第2ターゲット端部と
    係合し且つ第2支持構造に対して充分内方に後退したと
    きに第2ターゲット端部から離脱するように、第2支持
    構造に対して軸線方向に移動できることを特徴とする請
    求項1に記載の回転マグネトロン装置。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2スピンドルを位置決め
    する手段(58、60)を更に有し、該第1スピンドル
    位置決め手段(58)及び第2スピンドル位置決め手段
    (60)はそれぞれ第1及び第2支持構造により支持さ
    れ且つ該支持構造からターゲット構造内に伸長すべく該
    支持構造に対して軸線方向に移動でき、 前記第1及び第2スピンドル位置決め手段を前記保持手
    段内で不動に保持するための、ターゲット構造内に配置
    された手段(62、64)を有し、該手段は前記第1及
    び第2スピンドル位置決め手段を軸線方向及び回転方向
    に固定し、これにより前記第1及び第2スピンドルの軸
    線方向位置を選択的に不動に固定し、前記第1及び第2
    スピンドルをそれぞれ第1及び第2ターゲット端部と不
    動に係合させることを特徴とする請求項3に記載の回転
    マグネトロン装置。
  5. 【請求項5】 前記第1スピンドル位置決め手段は、前
    記第1スピンドルと係合すべく、第1スピンドル位置決
    め手段の外面に隣接し且つ該手段の長さに沿って延びる
    構造(66)を有し、前記第1スピンドル位置決め手段
    が第1ターゲット端部から及び第1支持構造に対して内
    方に充分に後退されると、係合構造が前記第1スピンド
    ルと係合し、これにより前記第1スピンドルを一緒に後
    退させることを特徴とする請求項2又は4に記載の回転
    マグネトロン装置。
  6. 【請求項6】 前記第2スピンドル位置決め手段は、前
    記第2スピンドルと係合すべく、第1スピンドル位置決
    め手段の外面に隣接し且つ該手段の長さに沿って延びる
    構造(68)を有し、前記第2スピンドル位置決め手段
    が第2ターゲット端部から及び第2支持構造に対して内
    方に充分に後退されると、係合構造が前記第2スピンド
    ルと係合し、これにより前記第2スピンドルを一緒に後
    退させることを特徴とする請求項4に記載の回転マグネ
    トロン装置。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2位置決め手段のうちの
    一方が中空であり、該一方の位置決め手段が前記一方の
    支持構造により支持された位置決め手段であり、前記固
    定手段は、前記一方の位置決め手段内に支持され且つ該
    位置決め手段に対して軸線方向に移動できることを特徴
    とする請求項2又は4に記載の回転マグネトロン装置。
  8. 【請求項8】 前記固定手段の一端にはプラグ(44)
    が設けられ、該プラグは前記磁石構造内に配置された固
    定部材(74)と係合できることを特徴とする請求項1
    に記載の回転マグネトロン装置。
  9. 【請求項9】 〔1〕ターゲットシリンダ(14)の外
    部に形成されたターゲット表面(34)を備えたターゲ
    ット構造を有し、ターゲットシリンダはその中心軸線
    (38)の回りで回転でき且つ第1ターゲット端部(1
    4a)及び第2ターゲット端部(14b)を備え、該両
    端部はこれらの間にターゲット長さ(L)を形成し、
    〔2〕第1及び第2ターゲット端部の支持体を構成でき
    るそれぞれ第1支持構造(22)及び第2支持構造(2
    4)と、〔3〕第1及び第2支持構造により支持される
    それぞれ第1スピンドル(30)及び第2スピンドル
    (32)とを有し、該第1及び第2スピンドルはそれぞ
    れ第1及び第2ターゲット端部と係合でき、〔4〕ター
    ゲット構造内に配置され且つ実質的にターゲット長さに
    沿って延びる磁石構造(40)を更に有する形式のマグ
    ネトロン装置における前記ターゲット構造を、内部に交
    換磁石構造を備えた交換ターゲット構造に交換する方法
    において、 (a)前記第1及び第2ターゲット端部からそれぞれ前
    記第1及び第2スピンドルを離脱させ、 (b)該離脱されたスピンドルの少なくとも一方を、該
    スピンドルに最も近い第1及び第2支持構造のうちの一
    方に対し、前記スピンドルに最も近い第1及び第2ター
    ゲット端部から後退させ、 (c)マグネトロンからターゲット構造を取り外し、 (d)前記交換ターゲット構造の第1及び第2ターゲッ
    ト端部と前記第1及び第2スピンドルとをそれぞれ係合
    させるステップからなることを特徴とする方法。
JP7215730A 1994-08-25 1995-08-24 交換可能なターゲット構造を備えた回転マグネトロン Pending JPH0867979A (ja)

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