JP2016108634A - ロータリーカソード、および、スパッタ装置 - Google Patents

ロータリーカソード、および、スパッタ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016108634A
JP2016108634A JP2014249370A JP2014249370A JP2016108634A JP 2016108634 A JP2016108634 A JP 2016108634A JP 2014249370 A JP2014249370 A JP 2014249370A JP 2014249370 A JP2014249370 A JP 2014249370A JP 2016108634 A JP2016108634 A JP 2016108634A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power supply
main body
supply brush
brush
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014249370A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6415957B2 (ja
Inventor
聖 林
Sei Hayashi
聖 林
良太郎 鈴木
Ryotaro Suzuki
良太郎 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Priority to JP2014249370A priority Critical patent/JP6415957B2/ja
Publication of JP2016108634A publication Critical patent/JP2016108634A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6415957B2 publication Critical patent/JP6415957B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】給電ブラシの交換を円滑に行うことのできるロータリーカソード、および、ロータリーカソードを備えるスパッタ装置を提供する。【解決手段】一側面に開口部を有する本体部22と前記本体部22の外部に位置し、前記開口部と対向する位置に出力軸を有した駆動装置と、前記本体部22の内部に回転可能に支持され、前記出力軸に沿う形状を有した回転軸と、前記回転軸に連結され、前記回転軸と共に回転するターゲットと、前記開口部を通じて前記出力軸と前記回転軸とを連結し、前記出力軸の回転を受けて前記回転軸を回転させるベルト35と、前記回転軸の外周面に接触する給電ブラシ38を備えて前記本体部22の内部から前記本体部の外部に延びる給電部であって、前記開口部を通じて、前記本体部22の内部に対して進入、および、退出可能に構成された前記給電部とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、回転可能なターゲットを備えたロータリーカソード、および、ロータリーカソードを備えたスパッタ装置に関する。
上述のスパッタ装置として、例えば、特許文献1に記載の装置が知られている。特許文献1に記載の装置は、円筒状のターゲットが基板に対向する位置に回転可能に配置されたロータリーカソードを備えている。ロータリーカソードは、ターゲットに電力を供給する給電ブラシを有し、ターゲットとともに回転するスリップリングの外周面に対してこの給電ブラシが接触している。
特開2006−322055号公報
ところで、特許文献1に記載のスパッタ装置では、給電ブラシがスリップリングに摺動するため、ターゲットの回転に伴って給電ブラシが摩耗する。一方で、摩耗した給電ブラシが交換可能な構成であれば、給電ブラシの摩耗に関わらずターゲットを継続して使用することが可能である。それゆえに、上述したロータリーカソードにおいては、給電ブラシの交換動作を円滑に行うことのできる構成が望まれている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、給電ブラシの交換を円滑に行うことのできるロータリーカソード、および、ロータリーカソードを備えるスパッタ装置を提供することにある。
上記課題を解決するためのロータリーカソードは、一側面に開口部を有する本体部と、前記本体部の外部に配置され、前記開口部と対向する位置に出力軸を有した駆動装置と、前記本体部の内部に回転可能に支持され、前記出力軸に沿う形状を有した回転軸と、前記回転軸に連結され、前記回転軸と共に回転するターゲットと、前記開口部を通じて前記出力軸と前記回転軸とを連結し、前記出力軸の回転を受けて前記回転軸を回転させるベルトと、前記回転軸の外周面に接触する給電ブラシを備えて前記本体部の内部から前記本体部の外部に延びる給電部であって、前記開口部を通じて、前記本体部の内部に対して進入、および、退出可能に構成された前記給電部とを備える。
上記課題を解決するためのスパッタ装置は、スパッタリングにおけるカソードとして、上記構成のロータリーカソードを備える。
上記各構成によれば、出力軸の回転を受けてターゲットを回転させるベルトが、本体部の開口部を通じて出力軸と回転軸とを連結している。また、回転軸の外周面に接触する給電ブラシは、こうした本体部の開口部を通じて本体部内に進入、および、退出可能に構成されている。それゆえに、給電ブラシが摩耗したときには、摩耗した給電ブラシを本体部内から退出させること、および、新たな給電ブラシを本体部内に進入させることが、開口部を通じて実現可能である。結果として、給電ブラシの交換に際しては、本体部を解体したり、ベルトを外したりすることが避けられ、給電ブラシの交換を円滑に行うことができる。
上記ロータリーカソードは、前記給電ブラシの温度を測定する温度測定部を更に備えてもよい。
例えば、給電ブラシにおける摩耗が規定の範囲を超えたときには、給電ブラシと回転軸との間の摩擦力も規定の範囲を超える。また、回転軸に対する給電ブラシの押圧力が規定の範囲に到達したときには、給電ブラシと回転軸との間の摩擦力も規定の範囲に到達する。そして、回転軸に対する給電ブラシの押圧力が規定の範囲を超えているときには、給電ブラシと回転軸との間の摩擦力も規定の範囲を超える。給電ブラシと回転軸との間の上述した摩擦力は、給電ブラシの温度と相関を有し、通常、給電ブラシと回転軸との間の摩擦力が大きいほど給電ブラシの温度は高く、給電ブラシと回転軸との摩擦力が小さいほど給電ブラシの温度は低い。
上記構成によれば、給電ブラシの温度を温度測定部が測定するため、給電ブラシと回転軸との間の摩擦力は、温度測定部の測定の結果からおよそ把握される。それゆえに、ロータリーカソードが正常に駆動しているか否かが、温度測定部の測定の結果からおよそ把握される。
上記ロータリーカソードは、前記温度測定部によって測定される前記給電ブラシの温度が所定の閾値以上であるときに報知を行う報知部を更に備えてもよい。
上記構成によれば、ロータリーカソードが正常に駆動しているか否かが、報知部の報知によって的確に把握される。
上記ロータリーカソードにおいて、前記回転軸の内部には、前記ターゲットを冷却する冷却水が流通する流路が形成されていてもよい。
上述したように、給電ブラシの交換に際しては、本体部を解体したりベルトを外したりすることが避けられる。そして、上記構成のように、冷却水の流通する流路が回転軸に形成されるような複雑な構成においては、本体部を解体したりベルトを外したりする作業が非常に煩わしいため、給電ブラシの交換を円滑に行うことができる効果が著しいものとなる。
本開示におけるスパッタ装置の一実施の形態の構成を示す装置構成図。 図1の2−2線矢視断面図。 同実施の形態のスパッタ装置における駆動部の横断面構造を示す断面図。 図3の4−4線矢視断面図。 参考例のスパッタ装置における給電ブラシと回転軸との連結構造を示す模式図。 本実施の形態のスパッタ装置における給電ブラシを交換する際の作用を示す模式図であって、(a)は、給電ブラシを交換する前の状態を示す模式図、(b)は、給電ブラシを取り外した状態を示す模式図、(c)は、新たな給電ブラシを取り付けた状態を示す模式図。
以下、本開示におけるロータリーカソード、および、スパッタ装置の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、ロータリーカソードを備えたスパッタ装置を、基板の搬送方向に対して直交する面で切断した場合の断面図を示す。図2は、ロータリーカソードを備えたスパッタ装置を、基板の搬送方向に対して平行する鉛直な面で切断した場合の断面図を示す。
図1に示すように、スパッタ装置が備えるチャンバ11には、真空雰囲気に設定される空間である処理空間が形成され、チャンバ11に形成された処理空間には、ロータリーカソード12と支持台13とが収容されている。チャンバ11の処理空間には、例えば、アルゴンガスなどのスパッタガスや、酸素ガスなどの反応ガスが、処理空間において実施される処理に応じて適宜供給される。
ロータリーカソード12は、駆動部15、支持部16、2つの軸部材17、および、ターゲット18を備えている。
駆動部15は、チャンバ11の上壁に取り付けられ、上面に凹部21が形成された本体部22を有している。本体部22の凹部21は、チャンバ11の上壁に向けて開口する開口部を備え、チャンバ11の上壁に形成された貫通孔23を通じてチャンバ11の外部に連通している。すなわち、このスパッタ装置の運転時に、チャンバ11内部は減圧となるが、凹部21内の空間は大気圧となる。
本体部22の有する壁のうちで支持部16と対向する壁には、本体部22を水平方向に沿って貫通する支持孔24が形成されている。本体部22の有する壁のうちで支持孔24と対向する壁には、支持孔24と対向する支持溝25が形成されている。これら支持孔24、および、支持溝25には、2つの軸部材17のうちで一方の軸部材17が挿通されている。一方の軸部材17は、回転軸を構成し、支持孔24に設けられたベアリング28、および、支持溝25に設けられたベアリング29によって、駆動部15に回転可能に支持されている。
一方の軸部材17における軸線方向の途中位置であって、かつ、凹部21に位置する部位には、軸部材17の外側から従動プーリ31が嵌着されている。また、一方の軸部材17における軸線方向において従動プーリ31よりも先端側となる位置であって、かつ、凹部21に位置する部位には、軸部材17の外側からスリップリング36が嵌着されている。これら従動プーリ31、および、スリップリング36もまた、一方の軸部材と共に回転軸を構成している。なお、一方の軸部材17の内側には、図1に矢印で示すように、ターゲット18を冷却するための冷却水が流通する流路R1が形成されている。
支持部16は、チャンバ11の上壁に取り付けられ、支持部16において駆動部15と対向する壁である対向壁には、水平方向に沿って延びる支持溝26が形成されている。2つの軸部材17のなかで他方の軸部材17は、支持溝26に設けられたベアリング30によって、支持部16に回転可能に支持されている。
円筒形状を有するターゲット18は、駆動部15に支持される一方の軸部材17と、支持部16に支持される他方の軸部材17とに連結され、一方の軸部材17が回転することによって回転する。
本体部22の上壁には、駆動装置を構成するモーター33が搭載されている。モーター33に連結された出力軸32は、これもまた駆動装置を構成し、軸部材17の軸線方向と平行に延びる形状を有し、かつ、本体部22に形成された凹部21と対向する位置に配置されている。モーター33の出力軸32には、駆動プーリ34が連結されている。
一方の軸部材17に連結された従動プーリ31と、出力軸32に連結された駆動プーリ34とは、無端状のベルト35によって連結されている。ベルト35は、本体部22に形成された凹部21の開口部と、チャンバ11の上壁に形成された貫通孔23とを通じて、一方の軸部材17と出力軸32とに掛装され、出力軸32の回転を受けて、一方の軸部材17を回転させる。
一方の軸部材17に連結されたスリップリング36の上方には、スリップリング36の外周面に接触する給電ブラシ38と、給電ブラシ38の上方において給電ブラシ38を支持するブラシホルダ37とが配置されている。給電ブラシ38、および、ブラシホルダ37は、給電部の一例であって、本体部22の内部から本体部22の外部まで延びている。ブラシホルダ37の上端部は、本体部22に対して相対的に固定され、給電ブラシ38をスリップリング36に向けて押し付けている。給電ブラシ38からスリップリング36に伝達される電力は、スリップリング36から軸部材17を介してターゲット18に供給される。
給電ブラシ38がスリップリング36の外周面に押し付けられる状態において、ブラシホルダ37の上端部は、凹部21の開口部よりも上方に突き出ている。ブラシホルダ37、および、給電ブラシ38は、凹部21の開口部を通じて、本体部22の内部に進入できる大きさ、および、形状を有している。また、ブラシホルダ37、および、給電ブラシ38は、凹部21の開口部を通じて、本体部22の内部から退出できる大きさ、および、形状を有している。そして、ブラシホルダ37は、本体部22に対する相対的な位置の固定を解除可能に、本体部22やチャンバ11に直接的、あるいは、間接的に締結されている。
すなわち、ブラシホルダ37、および、給電ブラシ38は、凹部21の開口部、および、チャンバ11に形成された貫通孔23を通じ、本体部22の内部に対して進入、および、退出可能に構成されている。なお、ブラシホルダ37、および、給電ブラシ38の本体部22の内部に対する進入、および、退出は、ベルト35から独立している。言い換えれば、一方の軸部材17と出力軸32とにベルト35が掛装された状態において、ブラシホルダ37、および、給電ブラシ38は、凹部21の開口部を通じ、本体部22の内部から退出する。また、一方の軸部材17と出力軸32とにベルト35が掛装された状態において、ブラシホルダ37、および、給電ブラシ38は、凹部21の開口部を通じ、本体部22の内部へ進入する。
そして、駆動部15から伝達される駆動力に基づきターゲット18を回転させつつ駆動部15からターゲット18に電力が供給される。こうした電力の供給によって、チャンバ11の内部に含まれるガスからターゲット18の周囲にプラズマが生成されるとともに、生成されたプラズマ中の正イオンがターゲット18に衝突する。その結果、ターゲット18から粒子が放出される。
このとき、図2に示すように、ターゲット18から放出される粒子は、搬入口S1を通じてチャンバ11の内部に搬入された基板14がターゲット18の下方を通過する過程で基板14の上面に堆積する。そして、基板14の上面には、ターゲット18を構成する材料を含む薄膜が形成される。こうして薄膜が形成された基板14は搬出口S2を通じてチャンバ11の外部に搬出される。なお、本実施の形態では、搬入口S1から搬出口S2に至る基板14の搬送経路上の3つの位置にロータリーカソード12が配置されており、これら3つのロータリーカソード12のターゲット18から放出される粒子が1つの基板14の上面に順次堆積する。
次に、ブラシホルダ37の周辺構成について図面を参照しつつ説明する。
図3に示すように、駆動部15は、チャンバ11の上壁に搭載される締結板40を備え、締結板40と本体部22との間にチャンバ11の上壁が位置するように、締結板40はチャンバ11に締結されている。締結板40には、締結板40を厚み方向に貫通する貫通孔41が形成され、締結板40に形成された貫通孔41は、チャンバ11に形成された貫通孔23の上方に位置している。
締結板40の上面には、貫通孔41と対向する位置まで延びる支持片42が固定されている。支持片42のなかで貫通孔41と対向する位置には、ブラシホルダ37の上端部が固定ピン43によって固定されている。ブラシホルダ37の下端には、給電ブラシ38が固定され、これらブラシホルダ37と給電ブラシ38とは、貫通孔23や貫通孔41を上下方向に沿って通過可能な大きさを有している。また、ブラシホルダ37と給電ブラシ38とから構成される給電部は、軸部材17の軸線方向において、ベルト35から離れている。すなわち、給電部を含む鉛直面は、ベルト35を含む鉛直面とほぼ平行に配置され、給電部を構成するブラシホルダ37と給電ブラシ38とは、ベルト35から独立して、本体部22に対し進入、および、退出可能に構成されている。
図4が示すように、ブラシホルダ37の上方には、ブラシホルダ37の温度を測定する温度測定部の一例である放射温度計44が設けられている。放射温度計44は、ブラシホルダ37に保持された給電ブラシ38の温度をブラシホルダ37の温度として間接的に測定する。放射温度計44の測定結果は、駆動部15に設けられた報知部45に出力される。
次に、本実施の形態のスパッタ装置の作用について、特にロータリーカソード12の給電ブラシ38を交換する際の作用に着目して以下説明する。
例えば、給電ブラシ38における摩耗が規定の範囲を超えたときには、給電ブラシ38とスリップリング36との間の摩擦力も規定の範囲を超える。また、スリップリング36に対する給電ブラシ38の押圧力が規定の範囲に到達したときには、給電ブラシ38とスリップリング36との間の摩擦力も規定の範囲に到達する。そして、スリップリング36に対する給電ブラシ38の押圧力が規定の範囲を超えているときには、給電ブラシ38とスリップリング36との間の摩擦力も規定の範囲を超える。給電ブラシ38とスリップリング36との間の上述した摩擦力は、給電ブラシ38の温度と相関を有し、通常、給電ブラシ38とスリップリング36との間の摩擦力が大きいほど給電ブラシ38の温度は高く、給電ブラシ38とスリップリング36との摩擦力が小さいほど給電ブラシ38の温度は低い。
本実施の形態では、放射温度計44が給電ブラシ38の温度を間接的に測定し、その測定した温度が所定の閾値以上であるときに、報知部45を通じた報知が行われる。それゆえに、例えば、給電ブラシ38における摩耗が規定の範囲を超えたときの温度が、上述した所定の閾値として設定されるとき、給電ブラシ38における摩耗が規定の範囲を超えたことが報知部45の報知によって把握される。また、例えば、スリップリング36に対する給電ブラシ38の押圧力が規定の範囲に到達したときの温度が、上述した所定の閾値として設定されるとき、スリップリング36に対する給電ブラシ38の押圧力が規定の範囲に到達したことが報知部45の報知によって把握される。
ここで、ロータリーカソード12が長期間に亘って使用されると、給電ブラシ38はスリップリング36の外周面に摺動し続けて摩耗する。予め設定された電力が給電ブラシ38からターゲット18まで供給されるうえで、摩耗した給電ブラシ38は新たな給電ブラシ38に交換されることが望ましい。
図5に示すように、参考例のスパッタ装置では、回転軸117と直交する上下左右の四方向から給電ブラシ138が押し付けられている。こうした参考例のスパッタ装置では、本体部122が解体されて本体部122の内部が開放されたり、本体部122から回転軸117が抜き取られたりしない限り、本体部122の外部から給電ブラシ138にアクセスすることができない。すなわち、給電ブラシ138を交換する際には、まず、本体部122の内部や回転軸117の内部から冷却水が排出され、その後に、本体部122が解体されたり、回転軸117が本体部122から取り外されたりする必要がある。そのため、給電ブラシ138の交換に際しては、冷却水の排出や、本体部122の解体、あるいは、回転軸117の取り外しという煩雑な作業が必要となる。
これに対し、図6(a)に示すように、本実施の形態のスパッタ装置においては、本体部22に形成された凹部21の開口部を通じて、軸部材17の上方のみからスリップリング36に対し給電ブラシ38が押し付けられている。そのため、図6(b)に示すように、給電ブラシ38を交換する際には、まず、凹部21の開口部を通じて、摩耗した給電ブラシ38が本体部22から取り外される。次いで、図6(c)に示すように、凹部21の開口部を通じて、新たな給電ブラシ38が本体部22内に挿入される。そして、新たな給電ブラシ38が軸部材17の上方からスリップリング36に対して押し付けられる。結果として、本体部22を解体したり、軸部材17を本体部22から取り外したりすることなく、給電ブラシ38の交換が行われる。さらには、チャンバ11内部を減圧状態に維持したまま給電ブラシ38の交換も可能である。
なお、1つのスリップリング36に1つの給電ブラシ38が接触する構成では、1つの回転軸に4つの給電ブラシが接触する構成と比べて、スリップリング36の外周面において、給電ブラシの接触する面積が小さい。それゆえに、スリップリング36の上方に位置する給電ブラシ38は、スリップリング36の外周面における上半分の全体を覆うことが好ましい。なお、軸部材17の軸方向に沿った給電ブラシ38の厚みを大きくすることによって、スリップリング36の外周面において、給電ブラシ38の接触する面積を広げることは可能である。
以上、上記実施の形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)駆動装置の出力軸と軸部材17とをベルト35が連結するために、駆動装置の出力軸に向けて開口する凹部21、すなわち、上方に向けて開口する凹部21が本体部22には形成されている。そして、凹部21の開口部を通じて進入、および、退出可能に、本体部22の内部に給電ブラシ38が挿入されている。それゆえに、給電ブラシ38の交換に際しては、交換前の給電ブラシ38が凹部21の開口部を通じて取り出され、新たな給電ブラシ38が凹部21の開口部を通じて本体部22内に挿入される。結果として、給電ブラシ38の交換を円滑に行うことができる。
(2)給電ブラシ38の温度を放射温度計44が測定するため、給電ブラシ38とスリップリング36との間の摩擦力は、放射温度計44の測定の結果からおよそ把握される。それゆえに、ロータリーカソードが正常に駆動しているか否かが、放射温度計44の測定の結果からおよそ把握される。
(3)給電ブラシ38の温度が所定の閾値以上であるときには、給電ブラシ38の摩擦度合いが通常よりも高い状態にあることからその旨が報知部45を通じて報知される。そのため、給電ブラシ38の摩擦度合いに基づく給電ブラシ38のメンテナンスの時期を的確に把握することができる。
(4)給電ブラシ38の交換に際しては、本体部22を解体したりベルト35を外したりすることが避けられる。そして、冷却水の流通する流路R1が軸部材17に形成されるような複雑な構成においては、本体部22を解体したりベルト35を外したりする作業が非常に煩わしいため、給電ブラシ38の交換を円滑に行うことができる上記(1)に準じた効果が著しいものとなる。
なお、上記実施の形態は、以下のような形態にて実施することもできる。
・冷却水の流路R1は、本体部22から省略され、凹部21を通じて、ロータリーカソードの外部と軸部材17とを繋ぐ構成であってもよい。さらに、冷却水の流路R1自体が、ロータリーカソードから省略されてもよい。
・報知部45は、給電ブラシ38の温度が所定の範囲外であるときに、給電ブラシ38の温度が所定の範囲外であることを報知してもよい。こうした構成であれば、スリップリング36に対する給電ブラシ38の過度な接触、および、スリップリング36に対する給電ブラシ38の接触不足の双方を報知によって把握させることが可能である。
・報知部45が割愛され、給電ブラシ38の温度が所定の閾値以上であるときには、給電ブラシ38による電力の供給と、駆動装置による軸部材17の駆動とが強制的に停止される構成であってもよい。
・上記実施の形態において、温度測定部は、ブラシホルダ37や給電ブラシ38からは電気的に絶縁された状態で、これらブラシホルダ37と給電ブラシ38のいずれか一方に接触する接触型温度計であってもよい。なお、給電ブラシ38の温度を測定する温度測定部は省略されてもよい。
・給電部は、軸部材17に電力を供給する給電ブラシ38を備え、開口部を通じて、本体部22の内部から本体部22の外部に延びる構造体であればよく、例えば、ブラシホルダ37と給電ブラシ38とに加えて、さらに他の部材を備えてもよい。
・回転軸は、軸部材17とスリップリング36とが一体に形成された1つの部材であってもよく、要は、回転軸は、本体部22の内部に回転可能に支持され、かつ、出力軸32に沿う形状を有し、ターゲットを回転させる軸であればよい。
・凹部21が有する開口部の大きさや形状は、例えば、矩形の開口であってもよいし、円形の開口であってもよい。要は、ブラシホルダ37、および、給電ブラシ38から構成される給電部が、上下方向に沿って、本体部22の内部に対して、進入、および、退出可能な構成であればよい。なお、凹部21が有する開口部の大きさは、給電部の進入、および、退出に際して、給電部とベルト35とが相互に干渉しない程度であることが好ましい。
・本体部22は、チャンバ11の上壁に限らず、チャンバ11の側壁に配設されてもよい。こうした構成においては、凹部21の有する開口部が、チャンバ11の内部から水平方向に向けて開口していることが好ましい。この際に、ブラシホルダ37、および、給電ブラシ38から構成される給電部や、無端状のベルト35は、本体部22の内部から、水平方向に沿って延びる形状を有していることが好ましい。
・本体部22は、チャンバ11の上壁に限らず、チャンバ11の底壁に配設されてもよい。こうした構成においては、凹部21の有する開口部が、チャンバ11の内部から鉛直方向の下方に向けて開口していることが好ましい。この際に、ブラシホルダ37、および、給電ブラシ38から構成される給電部や、無端状のベルト35は、本体部22の内部から、鉛直方向の下方に沿って延びる形状を有していることが好ましい。
要は、凹部21が有する開口部は、出力軸32と向かい合うように開口していればよい。
12…ロータリーカソード、17…軸部材、18…ターゲット、21…凹部、22…本体部、32…出力軸、33…モーター、35…ベルト、38…給電ブラシ、44…放射温度計、45…報知部、R1…流路。

Claims (5)

  1. 一側面に開口部を有する本体部と、
    前記本体部の外部に配置され、前記開口部と対向する位置に出力軸を有した駆動装置と、
    前記本体部の内部に回転可能に支持され、前記出力軸に沿う形状を有した回転軸と、
    前記回転軸に連結され、前記回転軸と共に回転するターゲットと、
    前記開口部を通じて前記出力軸と前記回転軸とを連結し、前記出力軸の回転を受けて前記回転軸を回転させるベルトと、
    前記回転軸の外周面に接触する給電ブラシを備えて前記本体部の内部から前記本体部の外部に延びる給電部であって、前記開口部を通じて、前記本体部の内部に対して進入、および、退出可能に構成された前記給電部と、
    を備えるロータリーカソード。
  2. 前記給電ブラシの温度を測定する温度測定部を更に備える請求項1に記載のロータリーカソード。
  3. 前記温度測定部によって測定される前記給電ブラシの温度が所定の閾値以上であるときに報知を行う報知部を更に備える請求項2に記載のロータリーカソード。
  4. 前記回転軸の内部には、前記ターゲットを冷却する冷却水が流通する流路が形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のロータリーカソード。
  5. スパッタリングにおけるカソードとして、請求項1〜4の何れか一項に記載のロータリーカソードを備えるスパッタ装置。
JP2014249370A 2014-12-09 2014-12-09 ロータリーカソード、および、スパッタ装置 Active JP6415957B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014249370A JP6415957B2 (ja) 2014-12-09 2014-12-09 ロータリーカソード、および、スパッタ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014249370A JP6415957B2 (ja) 2014-12-09 2014-12-09 ロータリーカソード、および、スパッタ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016108634A true JP2016108634A (ja) 2016-06-20
JP6415957B2 JP6415957B2 (ja) 2018-10-31

Family

ID=56121960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014249370A Active JP6415957B2 (ja) 2014-12-09 2014-12-09 ロータリーカソード、および、スパッタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6415957B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5010408A (ja) * 1973-06-06 1975-02-03
JPH0629378U (ja) * 1992-09-16 1994-04-15 東芝エンジニアリング株式会社 ブラシ取り付け構造
JPH0636370U (ja) * 1992-10-12 1994-05-13 株式会社高岳製作所 回転電機のブラシ装置
JPH0867979A (ja) * 1994-08-25 1996-03-12 Boc Group Inc:The 交換可能なターゲット構造を備えた回転マグネトロン
JPH09182384A (ja) * 1995-12-27 1997-07-11 Makita Corp モータのブラシ摩耗報知装置
JP2005298965A (ja) * 2004-04-08 2005-10-27 Applied Films Corp 高電力スパッタリングのための電力結合器
JP2006322055A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Kobe Steel Ltd 連続成膜装置
JP2008301567A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Shin Meiwa Ind Co Ltd ブラシ摩耗検知装置を備える流体圧装置
JP2009513818A (ja) * 2003-07-04 2009-04-02 ベーカート・アドヴァンスト・コーティングス 回転管状スパッタターゲット組立体
JP2012132039A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Canon Anelva Corp スパッタリング装置およびスパッタリング方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5010408A (ja) * 1973-06-06 1975-02-03
JPH0629378U (ja) * 1992-09-16 1994-04-15 東芝エンジニアリング株式会社 ブラシ取り付け構造
JPH0636370U (ja) * 1992-10-12 1994-05-13 株式会社高岳製作所 回転電機のブラシ装置
JPH0867979A (ja) * 1994-08-25 1996-03-12 Boc Group Inc:The 交換可能なターゲット構造を備えた回転マグネトロン
JPH09182384A (ja) * 1995-12-27 1997-07-11 Makita Corp モータのブラシ摩耗報知装置
JP2009513818A (ja) * 2003-07-04 2009-04-02 ベーカート・アドヴァンスト・コーティングス 回転管状スパッタターゲット組立体
JP2005298965A (ja) * 2004-04-08 2005-10-27 Applied Films Corp 高電力スパッタリングのための電力結合器
JP2006322055A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Kobe Steel Ltd 連続成膜装置
JP2008301567A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Shin Meiwa Ind Co Ltd ブラシ摩耗検知装置を備える流体圧装置
JP2012132039A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Canon Anelva Corp スパッタリング装置およびスパッタリング方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6415957B2 (ja) 2018-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101810331B1 (ko) 연마 장치
RU2011122610A (ru) Намоточное вакуумированное устройство
JP2019194365A (ja) スマートチャンバおよびスマートチャンバ構成要素
CN105785253A (zh) 工件的特性测定装置以及工件的特性测定方法
JP6415957B2 (ja) ロータリーカソード、および、スパッタ装置
EP3520959B1 (en) Polishing head and polishing apparatus
MX2016017406A (es) Dispositivo de procesamiento de disparo y proyector.
US20190070701A1 (en) Cutting blade supplying apparatus and cutting blade case
TWI493590B (zh) 用於延長一離子源之使用壽命之裝置及方法
JP6469432B2 (ja) ロータリーカソード、および、スパッタ装置
US10213076B2 (en) Particle collecting apparatus and particle collecting method
US6231726B1 (en) Plasma processing apparatus
KR20150140384A (ko) 성막 장치 및 성막 방법
JP2015127070A (ja) 電動作業機
JP4022627B2 (ja) 給電機構を搭載する真空装置および給電方法
KR101795853B1 (ko) 실링장치 및 이를 구비한 공작기계
KR20070003344A (ko) 스퍼터링 소스 및 이를 구비한 스퍼터
KR20170076314A (ko) 증착 장치용 캐소드 전극
US9644683B2 (en) Thermal management of bearings in hot magnetic separator
JP2010214548A (ja) 遠心投射装置のインペラ
JP2004156139A (ja) 成膜装置及び成膜方法
KR101464315B1 (ko) 스퍼터링 장치 및 스퍼터링 장치의 모니터링 방법
KR20130076466A (ko) 자성유체 실링장치 및 이를 이용한 진공 처리 장치
KR101778602B1 (ko) 플라즈마 증착 장치용 전극 본체 구동수단
JP2003089872A (ja) スパッタリング装置のマグネトロンユニット及びスパッタリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6415957

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250