JPH0867931A

JPH0867931A - 高い金含有量の歯科合金

Info

Publication number: JPH0867931A
Application number: JP7168941A
Authority: JP
Inventors: Jens Fischer; フィッシャーイエンズ
Original assignee: Cendres and Metaux SA
Current assignee: Cendres and Metaux SA
Priority date: 1994-07-05
Filing date: 1995-07-04
Publication date: 1996-03-12
Also published as: CA2152155A1; EP0691123B1; DK0691123T4; KR960003703A; DE59404640D1; EP0691123A1; CA2152155C; ES2110725T5; DK0691123T3; ES2110725T3; EP0691123B2; KR100335517B1

Abstract

(57)【要約】【目的】抜群の生物学的な適合性を示すだけではなく
すべての用途に適合可能な態様で使用可能である新規で
有用な歯科合金を提供する。【構成】セラミックによる表面仕上げに特に好適であ
る高い金含有量の新規な歯科合金は、金の９１％から９
９．４％までと、チタンおよび／またはタンタルの０．
５％から３％までと、銀の０％から５％までと、イリジ
ウム、ロジウム、ルテニウム、白金、パラジウム、オス
ニウム、タングステン、鉄、モリブデン、ニオブおよび
レニウムの少くとも１つの０％から１％までとから成
り、表示される％は、重量によってである。該歯科合金
は、極めて生物学的に適合性を有し、通常の技法と共に
焼付け技法に使用可能であり、従って、基準のＩＳＯ１
５６２、ＩＳＯ９６９３およびＤＩＮ１３９２７を夫々
満足させるすべての用途に適合可能な金合金として使用
可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、歯科技術の分野に属
し、高い金含有量および黄金色を有し商業的に入手可能
な歯科セラミック複合物で表面仕上げするのが適し且つ
予定され、更に合成材料またはその他の材料で表面仕上
げされるべきかまたは表面仕上げされないままである歯
科補綴部品の製造に適し且つ予定された新規で有用な歯
科合金に関する。

【０００２】

【従来の技術】高い金含有量を有する貴金属歯科合金
は、それ等の良好な生物学的適合性と、口腔環境におけ
る高い腐蝕抵抗とのために歯冠、ブリッジ等のような金
属の確実に固定される義歯床に使用するために広く利用
されている。更に、これ等は、加工するのに技術的に容
易である。

【０００３】銀および銅を含む金の鋳造合金は、回復さ
せる歯科医療（ｒｅｓｔｏｒａｔｉｖｅｄｅｎｔｉｓ
ｔｒｙ）において以前から効果的に使用される。通常の
合金では、合成材料で表面仕上げされない部品または表
面仕上げされるべき部品が作られるときにこれ等の材料
に必要とされる高い機械的な抵抗は、銀対銅の比によっ
て調節される。

【０００４】特に目で見たときに、確実に固定される歯
科再建物の最適な美しさを作りあげることに鑑みて、セ
ラミック複合物による金属ベースの少くとも部分的な表
面仕上げは特に適していることが判明した。というの
は、この材料複合物において、セラミックの利点即ち硬
さと美しさと抜群の生物学的適合性とが、金属材料の利
点即ち引張り強さと一層良好な装着精度と最適に組合わ
せ可能なためである。

【０００５】セラミック表面仕上げの使用は、合金の特
別な特性を必要とする。従って、合金の溶解範囲は、約
９８０℃であるセラミックの焼成温度よりも著しく高く
あるべきであり、該合金は、焼付けあるいは焼成の作業
の際に表面仕上げされるべき金属ベースが寸法的に安定
したままであるように、十分な燃焼安定性（ｂｕｒｎｉ
ｎｇｓｔａｂｉｌｉｔｙ）を更に示さねばならない。

【０００６】合金とセラミックとの間に永続性のある付
着を保証するため、引張り応力は、製造工程の際に形成
されるべきでない。これは、合金の熱膨張係数をセラミ
ックのものよりも僅かに高く選択することによって既に
周知の態様で達成される。冷却工程の際、圧縮歪は、合
金の幾分高い収縮によってセラミック被覆に生じる。

【０００７】上記で言及した要件は、通常の金鋳造合金
のほかにそれ自体の等級を形成し、ＩＳＯ９６９３およ
びＤＩＮ１３９２７によって基準化される焼付け合金
（ｂｕｒｎ−ｏｎａｌｌｏｙｓ）と呼ばれる特別な合
金の発達を生じた。

【０００８】焼付け合金の上述の必要とされる特性を得
るため、元素の白金および／またはパラジウムを、金の
ベースに設けられる金属−セラミック用合金に合金化す
ることによって白金および／またはパラジウムは添加さ
れた。更に、貴金属以外の他の金属は、銅、インジウ
ム、ガリウム、錫および／または亜鉛のように合金の強
さを改善するためにこれらを合金化することによって添
加される。該合金の強さは、基本的に銀および銅の一層
高い割合を添加することによって改善可能であるが、こ
の可能性は、該合金のセラミックとの望ましくない反応
と、該合金の過度に高い酸化とのために使用不能であ
る。

【０００９】特に、パラジウムの添加は、また白金の添
加も、美しさに関し快く且つ望ましいとして患者によっ
て感じられる合金の望ましい黄色の色彩を低減する。

【００１０】最近、貴金属合金に使用される幾つかの非
貴金属は、或る患者に障害と、病的な反応とを生じさせ
るように推測された。論及は、殆総ての焼付け合金に含
まれるインジウムに特になされ、Ｊ．ウィルツの論文
「歯科材料による歯周（ｐａｒａｄｏｎｔｉｕｍ）の損
傷」歯科世界（ＺａｈｎａｒｚｔｌｉｃｈｅＷｅｌ
ｔ）１０２，１４６（１９９３年）を参照。また、パラ
ジウムは、貴金属合金に高い割合で含まれると中毒また
はアレルギーの反応を引き起こすと考えられ、従って腐
蝕によってパラジウムを放免可能である。更に、普遍的
に適用可能な歯科合金、即ち、合成材料で表面仕上げさ
れないままか、または表面仕上げされる夫々の通常の歯
科補綴と、金属−セラミックの技法との双方に好適な合
金に対する必要性が、益々多くなる。該合金は、口腔内
の異なる合金の使用により腐蝕工程によって伴われる電
気化学的元素を形成する危険を排除する利点を有してい
る。最近、このような普遍的な合金は、一層多く使用さ
れているが、該合金は非貴金属のインジウムおよび亜鉛
が添加されたＡｕ−Ａｇ−Ｐｔ−Ｃｕを基本としてい
る。これ等の合金は、歯冠端縁の領域においてセラミッ
クによって必ずしも被われず従って唾液およびその腐蝕
作用を受け易く特に焼付の際に形成される表面酸化物に
より、比較的腐蝕を受け易い欠点を示す。更に、特別な
低い溶融点のセラミックがこの合金に対して必要であ
り、これは、製造方法に依存し、周知の一層高い溶融点
の表面仕上げ用セラミックよりも一層高い腐蝕率を示
す。

【００１１】更に、高い金含有量の合金は、一般に、悪
い高温クリープ抵抗を示し、従って、金属の長いスパン
のブリッジ構造は、一般に、焼付工程の際に変形され
て、それ等の装着精度を失う。従って、セラミックによ
って表面仕上げされるべき長いブリッジは、一層高いパ
ラジウム含有量を有する合金から作られねばならない
が、これ等は、患者によって評価される望ましい古い黄
金色をもはや持たず、前記生物学的欠点を示す。

【００１２】他方、非貴金属のチタンおよびタンタル
は、著しく生物学的に適合性のある歯科材料であること
が判明した。例えば、チタンの植え込み義歯は、非常に
耐蝕性で不活性である酸化チタンの表面的な形成により
如何なる防護反応もなしに骨内に癒着し、この材料での
アレルギー反応は、全くではないにしても極めて希にし
か生じない。従って、これ等の金属は、また極めて腐蝕
安定性であるように周知の金に対する理想的な合金の仲
間として臨床および生物学的な見地から考察されるべき
である。

【００１３】セラミックによる表面仕上げに好適である
高い金含有量のチタン含有歯科合金は、特許文献から既
に周知になった。ドイツ国特許公開公報第２，３０２，
８３７号は、高い金含有量のチタン合金を開示し、該合
金は、白金または上記で既に述べたようにアレルギー反
応を引き起こし得るパラジウムと共に白金群の金属の比
較的高い割合を更に含む。更に、ドイツ国特許公開公報
第２，３５７，５５２号で公開される出願は、高い金含
有量のチタン合金を記載し、該合金も白金群の元素を含
むが、定量的な表示は、見出し得ない。

【００１４】更に、宝石類に使用する高い金含有量のチ
タン合金は、例えば欧州特許公開公報第０，１９０，６
４８号から周知になった。これ等の装飾用合金は、歯科
合金のものよりも他の規準に応答せねばならず、開示さ
れる装飾用合金の成分は、上述の歯科合金に自動的には
転用不能である。

【００１５】

【発明の要約】この従来技術に基づいて、本発明の第１
の主な目的は、抜群の生物学的な適合性を示すだけでは
なくすべての用途に適用可能な態様で使用可能である新
規で有用な歯科合金を提供することである。

【００１６】本発明の他の目的は、規準のＤＩＮ１３９
２７と共にＩＳＯ１５６２およびＩＳＯ９６９３を満足
させる歯科合金を提供することである。

【００１７】本発明の別の目的は、合金化される他の金
属にも拘わらず心地よく最も望ましい純金の黄金色を与
え高い金含有量を有する歯科合金を提供することであ
る。

【００１８】これ等の総ての目的は、重量の規準で金の
９１％から９９．４％と、チタンおよびタンタルから選
択される少くとも１つの金属の０．５％から３％と、銀
の０％から５％と、イリジウム、ロジウム、ルテニウ
ム、白金、パラジウム、オスニウム、タングステン、
鉄、モリブデン、ニオブおよびレニウムを含む群から選
択される少くとも１つの元素の０％から１％とを含む本
発明の高い金含有量の歯科合金によって達成される。

【００１９】本発明の意図される目的に特に好適な合金
は、金の９７．５％から９８．５％と、チタンの１．４
％から２．４％と、イリジウムの０．０５％から０．１
５％とを含む。

【００２０】

【実施例】試験は、金の９１％から９９．４％と、チタ
ンおよび／またはタンタルの０．５％から３％と、銀の
０％から５％と、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、
白金、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉄、モ
リブデン、ニオブおよび／またはレニウムの０％から１
％とから成る合金が驚ろくべきことにすべての用途に使
用可能な特性を示し、従って通常の技法において使用さ
れてもよいことを示し、該合金は、規準ＩＳＯ１６５２
とＩＳＯ９６９３と、その上ＤＩＮ１３９２７との要件
を満足させる。チタンと同様に金が極めて生物学的に適
合性であるため、これ等の２つの成分の合金は、また極
めて生物学的に適合可能であり、その上、チタンまたは
タンタルの夫々が感じられるように金色に影響を与えな
いため、美的観点から非常に魅力的である。更に、この
合金は、非貴金属の非常に小さい割合のみを含み、従っ
て、その腐蝕安定性を失わない。

【００２１】更に、驚ろくべきことに、上述の成分を有
する合金は、非常に良好な高温クリープ安定性を表示す
ることが判明した。例えば、次の成分、即ち、金の９
７．５％から９８．５％と、チタンの１．４％から２．
４％と、イリジウムの０．０５％から０．１５％とを有
する合金は、歯科の分野で従来使用される貴金属の鋳造
合金の総てよりも良好な高温クリープ安定性を有してい
る。第１に、この合金は、高い金含有量の黄金色合金か
ら鋳造によって作られる金属の長いブリッジ構造にセラ
ミックで表面仕上げするのを問題なしに許容する。この
合金への白金の１％以上の添加の際、例えばドイツ国特
許第２，３０２，８３７号に記載されるように、高温ク
リープ抵抗は、著しく低減される。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】金の９１％から９９．４％までと；チタ
ンおよびタンタルから選択される少くとも１つの金属の
０．５％から３％までと；銀の０％から５％までと；イ
リジウム、ロジウム、ルテニウム、白金、パラジウム、
オスミウム、タングステン、鉄、モリブデン、ニオブお
よびレニウムから選択される少くとも１つの金属の０％
から１％までとから成ることを特徴とし、与えられる％
が重量％である高い金含有量の歯科合金。
【請求項２】請求項１に記載の歯科合金において，金
の９７．５％から９８．５％までと、チタンの１．４％
から２．４％までと、イリジウムの０．０５％から０．
１５％までとから成ることを特徴とする歯科合金。