JPH0866652A - 液体材料微量供給装置とそれを使用するパターン修正方法 - Google Patents

液体材料微量供給装置とそれを使用するパターン修正方法

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JPH0866652A
JPH0866652A JP7142072A JP14207295A JPH0866652A JP H0866652 A JPH0866652 A JP H0866652A JP 7142072 A JP7142072 A JP 7142072A JP 14207295 A JP14207295 A JP 14207295A JP H0866652 A JPH0866652 A JP H0866652A
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pipette
liquid material
substrate
tip
pattern
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JP7142072A
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Mikio Hongo
幹雄 本郷
Haruhisa Sakamoto
治久 坂本
Shigenobu Maruyama
重信 丸山
Takeoki Miyauchi
建興 宮内
Katsuro Mizukoshi
克郎 水越
Mitsuko Imatake
美津子 今武
Kaoru Katayama
薫 片山
Hideo Matsuzaki
英夫 松崎
Kazufumi Miyata
一史 宮田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レジストワニスのような揮発性の高い成分と
高粘度の或いは固化する成分からなる液体材料を、ピペ
ット先端での詰まりや、ピペット先端部へのぬれ上がり
付着を発生させることなく微量供給可能な液体材料微量
供給装置の提供。 【構成】 先端径が細く絞られた中空のピペット、ピペ
ットを粗微動させるための駆動機構、ピペットにパルス
状のガス圧を印加するための加圧機構、液体材料供給部
を監視するための観察系、ピペット近傍を液体材料に含
まれる揮発性成分の蒸気を含んだ雰囲気に保つ手段とか
らなる構成、および、前記ピペットの少なくとも先端及
びその近傍の外表面に液体材料のぬれ上がり付着を防止
する防止膜を形成してなる構成、並びにピペットに充填
されたレジストワニスのような揮発性の高い成分を含む
液体材料を、基板のパターン欠落欠陥部に任意に所定量
供給して修正する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、揮発性成分を含んだ液
体材料をピペットを使用して基板上に微量供給する装置
とそれを用いたパターン修正方法に係り、特に、供給す
べき液体材料が揮発性の高い成分を含んでいていも、ピ
ペット先端に液体材料がつまることなく、制御性、再現
性よく微量供給するのに好適な液体材料微量供給装置と
それを使用するパターン修正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、液晶素子及び各種の回路基
板においては、その製作過程においてエッチングやめっ
き成膜などによるパターン形成のためのレジストパター
ン、配線パターン、誘電体や絶縁体等からなる各種パタ
ーンが形成される。例えば、レジストパターンの場合に
ついてみると、レジストパターンは予め設定されている
配線パターンに対応させて基板上に形成されるが、後工
程において形成する配線パターンは予め形成されたレジ
ストパターンに従って形成されるため、レジストパター
ンに欠陥があると配線パターンにも欠陥が生ずることに
なる。これら各種の電子素子及び回路基板の製作におい
ては、上記各種パターンを無欠陥に形成することが必要
であり、パターンの修正技術は必須技術の一つになって
いる。
【0003】上記各種パターンの欠陥の形態としては、
本来あるべきところに膜の無い欠落欠陥と、本来除去さ
れているべきところに膜などが残留する余剰欠陥の2種
類に大別される。本発明は、このうち、上記各種パター
ンの欠落欠陥の修正技術を提供するためのものである。
【0004】上記パターンの欠落欠陥のうち、レジスト
欠落欠陥には、レジストワニス中の気泡や基板のレジス
トワニスに対するぬれ不良などに起因するピンホール状
欠陥、ネガレジストの場合の露光マスクや基板上の異物
などによる未露光に起因するパターンの欠落欠陥、基板
ハンドリングの不手際やレジストの接着強度の不足など
によるレジストの基板からの剥離による欠陥などがあ
る。これらの欠陥を抑制するため、前記ピンホール状欠
陥に対してはレジストワニスを2回以上に分けて塗布し
たり、未露光によるパターン欠けに対しては異物対策を
行ったり、レジスト剥離に対してはレジストワニスに添
加物を加えたりポストベーク条件を変えたりして基板と
の密着力を向上させるといったプロセスの改善対策が図
られている。
【0005】また、レジストパターンに欠陥が生じた場
合、一般にはレジストを剥離し再度レジストパターンを
形成することが行われる。しかし、上記の様な対策を施
しても、基板上にサブμmから50μm以下の微細さで
レジストパターンを形成する場合には、欠陥の場所は変
化するかもしれないが何度レジストパターンを再形成し
ても欠陥が無くならず、確率的に1面の基板上に1つ以
上のレジスト欠落欠陥が発生するような状況が十分に起
こり得る。このような状況になると、例えば半導体素子
のように素子寸法が十分に小さく1枚のウェハ上に複数
個の製品が同時に作られるような場合にも、製造歩留の
低下という悪影響が生じ、基板の面積が比較的大きい基
板、例えば液晶表示素子や大型計算機用高密度半導体素
子実装用基板などの場合には、レジストパターン上の欠
陥箇所が無くならないために良質の製品が全く製造でき
なくなるという状況すら起こり得る。したがってレジス
トパターン欠陥に対して、なんらかの手段で欠陥箇所を
選択的に修正し、各レジストパターンを確実に無欠陥化
できるようにすることが、歩留まり及び製造コストの点
から非常に重要なことになる。
【0006】上記レジスト欠落欠陥は、液体材料を微量
供給可能な装置により、レジストワニス、または、それ
に相当する液体材料を修正箇所に局所的に供給すること
ができれば、修正することが可能になる。しかし、電子
回路基板の微細なレジストパターンを修正する場合に
は、非常に微量な液体材料を高精度に供給することが要
求されるため、これを実現することは一般に難しい。例
えば、大型計算機用の半導体素子実装用モジュール基板
の場合には、レジストパターンの寸法がライン:スペー
ス=25μm:25μmのように微細になる。これは例
えば、レジストパターンの幅と同程度の長さ25μmの
レジスト欠落欠陥が生じたと仮定し、形成幅30μm、
長さ35μm、厚さ2μmのレジストワニスを欠陥箇所
に供給したとすると、供給すべきレジストワニスの供給
体積は、僅かに2.1plに過ぎず、その供給量は非常
に微量となる。
【0007】また、有機絶縁膜に関するものとしては、
上記レジスト欠落欠陥と同様に、ワニス中の気泡や基板
のワニスに対するぬれ不良などに起因するピンホール状
欠陥、ネガ型感光材料の場合の露光マスクや基板上の異
物などによる未露光に起因するパターンの欠落欠陥及び
基板ハンドリングの不手際や膜の接着強度の不足などに
よる膜の基板からの剥離による欠陥などがある。
【0008】また、配線パターンに関するものとして
は、レジスト欠落欠陥に起因するエッチングによる断線
や、下地基板の段差に起因する成膜時の段切れなどによ
る断線欠陥がある。
【0009】前記各種電子素子及び回路基板のパターン
欠落欠陥の修正方法として、液晶表示素子などの駆動用
基板の配線の断線欠陥を、該欠陥部にAgペーストなど
の導電性の溶液(液体材料)を局所的に塗布供給してパ
ターン間を接続修正する方法(例えば、特開昭57−1
13255号公報)が提案されている。
【0010】上記提案のように、パターン欠落部に液体
材料を供給し、なんらかの処理により欠落部に膜を形成
して修正する方法の場合、微量な液体材料を局所的に供
給することが大変に難しい。その理由は、このような欠
落部のパターンは一般に微細で、パターン間隔の狭いと
ころは1μm以下から大きくてもせいぜい1mm程度の
範囲にあり、かかる微細なパターンに対応するために
は、供給後の液体塗布直径で1mm以下、塗布体積で1
nl以下の液体材料供給を行なわなければならないが、
供給量がこのように微量になると、これに適用できる確
実な液体材料供給方法が現状ではほとんど提案されてい
ないからである。
【0011】現在、具体的に提案されている液体材料微
量供給装置としては、先端を細く絞ったガラス管に液体
材料を充填し、これにパルス状のガス圧を印加すること
により微量の液体を吐出する装置がある程度である。こ
の装置は、もともと細胞中へのDNAの注入などのバイ
オテクノロジーへの応用を目的として開発された技術で
あるが、マイクロインジェクション装置と呼ばれて一般
に市販されている。
【0012】マイクロインジェクション装置は、図18
に示す様に、内外径とも先端径が細く絞られ、先端より
液体材料5を吐出するガラス製のピペット1、ピペット
1を粗微動させるためのピペット駆動機構2、ピペット
1内にパルス状のガス圧を印加するためのパルスガス圧
印加機構3およびインジェクション部を監視するための
観察光学系4、ピペット1とパルスガス圧印加機構3と
を接続するガス圧伝播チューブ6、モニタ9等から構成
されている。
【0013】上記マイクロインジェクション装置は、細
胞中へのDNAの注入のほかに、液体材料の微量供給に
用いることもできる。その場合、まず、ステージ8によ
り基板7を所定の位置に位置決めし、ついで液体材料5
を充填したピペット1の先端を基板7表面上の所望の供
給位置にピペット駆動機構102により接触させ、該接
触させた状態で、パルスガス圧印加機構3によりパルス
状のガス圧をピペット1に印加する。パルスガス圧印加
により、ピペット1の先端から液体材料5がわずかに吐
出し基板7の表面に接触する。すると液体材料5と基板
7とのぬれ性によりピペット1内から液体材料5が基板
7上に流出し、液体材料5を基板7上に微量に供給する
ことができる。このマイクロインジェクション装置によ
ると、ピペット1に印加するパルスガス圧を3気圧、パ
ルス幅を10ミリ秒ないし50ミリ秒、ピペット先端の
内径を2μmないし3μmとすることにより、液体材料
として水溶性インクなどを用いると、インクを供給分解
能1pl(10立方μm)以下の微小量ずつ供給するこ
とが可能である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例に示したマ
イクロインジェクション装置によれば、インクなどの液
体材料を微量供給することが可能であることから、該イ
ンクと同様にレジストや導電性材料を微量供給すること
ができるならば電子素子や回路基板のパターン欠落欠陥
修正にも適用可能である。しかし、図18に示した構成
のマイクロインジェクション装置では、レジストワニス
や各種導電性材料などのパターン修正に用いる液体材料
を数pl以下という微小な供給分解能で微量供給するこ
とは不可能である。
【0015】以下に、上記マイクロインジェクション装
置をそのまま電子素子や回路基板のパターン欠落欠陥修
正に用いる場合の問題点を、図19を用いて説明する。
図19(a)はパターン欠落欠陥修正用の液体材料を基
板上に吐出した状態を示す拡大図、図19(b)は液体
材料吐出後にピペット先端を基板より離した状態を示す
拡大図である。
【0016】パターン欠落欠陥修正に用いる液体材料、
具体的には各種のレジスト材料、ポリイミドやエポキシ
樹脂などの有機絶縁膜ワニス、導電性ペースト或いは各
種の接着剤などは、いずれも、ベーク、レーザ照射等の
後処理後に膜として残る固化する成分と、固化する成分
を溶かす揮発性の高い成分、すなわち溶媒とからできて
いる。具体的にレジストワニスを例にとると、その溶媒
は主として(1)塗布に適した粘度及び基板とのぬれ性
を有すること、(2)レジストの熱硬化を生じない低温
で溶媒の乾燥(プリベーク)が可能であること、などの
条件を考慮して選定される。この2つの選定条件は、有
機絶縁膜ワニス及び導電性ペースト等に用いる溶媒につ
いても同様で、選定条件のうち後者より、修正に用いる
液体材料に含まれる溶媒は揮発性が高く乾燥し易いもの
が選ばれる。このため、ピペット1内に充填された液体
材料は、常温の大気中で時々刻々乾燥し続け、数秒程度
でピペット1先端部において固化し詰まることになる。
【0017】図19(a)に示すように、ピペット1内
の液体材料5をマイクロインジェクション装置で吐出す
ると、基板7上にはピペット1内の液体材料5と連通状
態の液体材料50が供給される。この状態からピペット
1の先端を基板7より離すと、図19(b)に示すよう
に、基板7上に供給した液体材料50のうちの一部50
aが、ピペット1の先端部にぬれ上がるように付着す
る。ピペット1の先端部に付着した液体材料50aは、
ピペット1内の液体材料5や基板7の表面に塗布された
状態と比べて相対的に広い表面積を有し、溶媒が蒸発し
易い状況になるためすぐに乾燥し凝固する。この傾向
は、液体材料5に含まれる溶媒の沸点が低かったり、常
温での蒸気圧が大きかったりすると更に顕著になる。
【0018】実際にマイクロインジェクション装置によ
り微量供給を行うことにより、上記の現象の発生を簡単
に確認することができた。すなわち、固形成分がレジス
トや有機絶縁膜ワニスなどのポリマの場合には、数秒程
度の短時間のうちにピペット1先端が凝固しはじめ、ま
ず、糸を引くような状態になり、ついで微量供給できな
くなる。また、導電性ペーストや金属化合物などの場合
においても、数分のうちに微量供給ができなくなる状態
が発生する。
【0019】このようにピペット1先端に液体材料50
aが付着凝固した状態になると、パルスガス圧を印加し
ても、ピペット1内の液体材料5は凝固した液体材料5
0aにより遮断されて基板7上に継続して供給すること
ができなくなり、電子素子や回路基板のパターン修正に
適用することができないという避けられない問題点を有
していた。
【0020】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
レジスト、有機絶縁膜ワニス、導電性ペーストなどのよ
うに、揮発性の高い成分と固化する成分からなる液体材
料を小径のピペット先端より微量供給する際、ピペット
先端部における液体材料の付着および凝固を防止して、
材料詰まりの生じない安定した微量供給を可能とする液
体材料微量供給装置を提供することを第1の目的とす
る。
【0021】そして、上記液体材料微量供給装置を使用
して前記液体材料を局所的に微量供給し、半導体素子や
回路基板におけるレジストパターン等の微細なパターン
欠落欠陥を修正することができるパターン修正方法を提
供することを第2の目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体材料微量供給装置は、先端部が細径に
絞られ該先端より液体材料を吐出する中空状のピペット
と、該ピペットを粗・微動させるピペット駆動機構と、
ピペットにパルス状のガス圧を印加する加圧機構と、前
記液体材料の被供給部を監視する観察光学系とからなる
液体材料のインジェクション装置と、前記液体材料が供
給される基板を載置するステージとを備えた液体材料微
量供給装置において、前記ピペット近傍のガス雰囲気
を、前記液体材料に含まれる揮発性成分の飽和蒸気圧、
または該飽和蒸気圧に近似の蒸気圧の蒸気を含む雰囲気
に形成する手段を備える構成にしたものである。
【0023】そして、前記ピペット近傍のガス雰囲気形
成手段を、前記ピペットおよび基板を載置したステージ
を包含する気密性の閉空間を形成し、該形成された閉空
間内を、供給された液体材料に含まれる揮発性成分の飽
和蒸気圧、または該飽和蒸気圧に近似の蒸気圧の蒸気を
含む雰囲気に保つ気密性カバーを備えてなる構成にする
とよい。
【0024】また、前記ピペット近傍のガス雰囲気形成
手段を、前記ピペットおよび該ピペットによる基板上の
液体材料供給部近傍の局所領域を、該局所領域で基板表
面と非接触状態にて包囲する閉空間を形成し、該形成さ
れた局所的閉空間内を、供給された液体材料に含まれる
揮発性成分の飽和蒸気圧、または該飽和蒸気圧に近似の
蒸気圧の蒸気を含む雰囲気に保つ雰囲気制御用スカート
を備えてなる構成にしてもよい。
【0025】そしてまた、前記ピペット近傍のガス雰囲
気形成手段を、前記液体材料を基板に対して供給中はピ
ペットを外部に突出可能にし、非供給中はピペットを内
部に密封して収納し、該ピペットを収納した内部を、供
給された液体材料に含まれる揮発性成分の飽和蒸気圧、
または該飽和蒸気圧に近似の蒸気圧の蒸気を含む雰囲気
に保つ鞘を備えてなる構成にしてもよい。
【0026】さらに、前記雰囲気制御用スカートを、該
スカートの下端と基板または前記ステージ表面との間の
ギャップ制御を、供給される液体材料の揮発性成分の蒸
気を含んだガスの印加圧力調整可能な制御手段を介して
行われる構成にすることが好ましい。
【0027】また、本発明の液体材料微量供給装置は、
先端部が細径に絞られ該先端より液体材料を吐出する中
空状のピペットと、該ピペットを粗・微動させるピペッ
ト駆動機構と、ピペットにパルス状のガス圧を印加する
加圧機構と、前記液体材料の被供給部を監視する観察光
学系とからなる液体材料のインジェクション装置と、前
記液体材料が供給される基板を載置する試料ステージと
を備えた液体材料微量供給装置において、前記液体材料
が基板上に吐出された際、該吐出された液体材料が前記
ピペットにぬれ上がり付着するのを防止可能な前記液体
材料より小さい表面張力を有する材質の防止膜を、前記
ピペットの先端部およびその近傍に形成する構成にした
ものである。
【0028】そして、前記ピペットに形成した防止膜
を、溶解した防止膜用材料を貯留した槽内にピペット先
端部を浸漬した際、該先端部に付着した防止膜用材料の
うち余分な防止膜用材料が遠心力を介して除去され、そ
の後乾燥して形成されてなる構成にするとよい。
【0029】また、前記ピペットに形成した防止膜を、
溶解した防止膜用材料を収納した噴霧器により該防止膜
用材料がピペット先端部の外表面に吹き付け塗布され、
その後乾燥して形成されてなる構成にしてもよい。
【0030】また、前記ピペットに形成した防止膜を、
先端部外表面に導電性膜を形成したピペットを防止膜用
材料の微粒子を分散させた電解液に浸漬し、該電解液内
の他の電極との間に直流電圧を印加してピペット先端部
外表面に防止膜用材料の微粒子を電着させ、該電着部を
その後乾燥して形成されてなる構成にしてもよい。
【0031】そしてまた、前記ピペットに形成した防止
膜を、減圧チャンバー内にてピペットの先端部外表面に
形成された表面張力が大きく、かつ表面活性の大きい金
属材からなる中間層上に、前記減圧チャンバー内に導入
された分子状の防止膜用材料を物理的または化学的に吸
着させて形成されてなる構成にしてもよい。
【0032】さらに、前記ピペットに形成した防止膜
を、スパッタリングまたは蒸着のドライ成膜プロセスを
介して形成されてなる構成にしてもよい。
【0033】また、本発明の液体材料微量供給装置は、
先端部が細径に絞られ該先端より液体材料を吐出する中
空状のピペットと、該ピペットを粗・微動させるピペッ
ト駆動機構と、ピペットにパルス状のガス圧を印加する
加圧機構と、前記液体材料の被供給部を監視する観察光
学系とからなる液体材料のインジェクション装置と、前
記液体材料が供給される基板を載置する試料ステージと
を備えた液体材料微量供給装置において、前記ピペット
を、前記液体材料が基板上に吐出された際、該吐出され
た液体材料が前記ピペットにぬれ上がり付着するのを防
止可能な前記液体材料より小さい表面張力を有する材料
にて形成する構成にしたものである。
【0034】また、本発明の液体材料微量供給装置は、
先端部が細径に絞られ該先端より液体材料を吐出する中
空状のピペットと、該ピペットを粗・微動させるピペッ
ト駆動機構と、ピペットにパルス状のガス圧を印加する
加圧機構と、前記液体材料の被供給部を監視する観察光
学系とからなる液体材料のインジェクション装置と、前
記液体材料が供給される基板を載置する試料ステージと
を備えた液体材料微量供給装置において、前記ピペット
駆動機構と観察光学系との間に、基板上への前記液体材
料の吐出開始を検知して所定時間経過後、該吐出した液
滴高さの頂部位置に常にピペットの先端部を位置させる
制御装置を設ける構成にしてもよい。
【0035】また、本発明の液体材料微量供給装置は、
先端部が細径に絞られ該先端より液体材料を吐出する中
空状のピペットと、該ピペットを粗・微動させるピペッ
ト駆動機構と、ピペットにパルス状のガス圧を印加する
加圧機構と、前記液体材料の被供給部を監視する観察光
学系とからなる液体材料のインジェクション装置と、前
記液体材料が供給される基板を載置する試料ステージと
を備えた液体材料微量供給装置において、前記基板上に
吐出された液体材料を所定の温度に冷却する基板冷却機
構を設ける構成にしてもよい。
【0036】さらに、先端部が細径に絞られ該先端より
液体材料を吐出する中空状のピペットと、該ピペットを
粗・微動させるピペット駆動機構と、ピペットにパルス
状のガス圧を印加する加圧機構と、前記液体材料の被供
給部を監視する観察光学系とからなる液体材料のインジ
ェクション装置と、前記液体材料が供給される基板を載
置する試料ステージとを備えた液体材料微量供給装置に
おいて、前記試料ステージ上の基板近傍に、ピペット先
端部に付着した前記液体材料を洗浄除去するピペット洗
浄機構を設ける構成にしてもよい。
【0037】一方、本発明のパターン修正方法は、電子
回路基板のレジストパターン、絶縁膜パターン、配線パ
ターン等のパターン欠落欠陥の修正を行うパターン修正
方法において、(i)パターン修正用の液体材料を充填
したピペットを試料ステージに載置された基板上に位置
させ、(ii)前記ピペット近傍のガス雰囲気を、ガス雰
囲気形成手段を介して前記液体材料に含まれる揮発性成
分の飽和蒸気圧、または該飽和蒸気圧に近似の蒸気圧の
蒸気を含む雰囲気に形成し、(iii)試料ステージを介
して基板位置を調整した後、ピペット先端部を液体材料
を供給する基板位置に接触させ、(iv)パルスガス圧印
加機構を介して予め設定されたインジェクション条件に
よりピペットにパルス状のガス圧を印加し、(v)前記
ピペットに充填された液体材料を、基板のパターン欠落
欠陥部に微量供給して修正する構成にしたものである。
【0038】また、本発明のパターン修正方法は、電子
回路基板のレジストパターン、絶縁膜パターン、配線パ
ターン等のパターン欠落欠陥の修正を行うパターン修正
方法において、(i)パターン修正用の液体材料がピペ
ット先端より基板上に吐出された際、該吐出された液体
材料の前記ピペットへのぬれ上がり付着防止可能な前記
液体材料より小さい表面張力を有する材質の防止膜を、
先端部およびその近傍に形成したピペットを使用し、
(ii)前記ピペットにパターン修正用の液体材料を充填
して試料ステージに載置された基板上に位置させ、(ii
i)試料ステージを介して基板位置を調整した後、ピペ
ット先端部を液体材料を供給する基板位置に接触させ、
(iv)パルスガス圧印加機構を介して予め設定されたイ
ンジェクション条件によりピペットにパルス状のガス圧
を印加し、(v)前記ピペットに充填された液体材料
を、基板のパターン欠落欠陥部に微量供給して修正する
構成にしてもよい。
【0039】さらに、本発明のパターン修正方法は、電
子回路基板のレジストパターン、絶縁膜パターン、配線
パターン等のパターン欠落欠陥の修正を行うパターン修
正方法において、(i)パターン修正用の液体材料がピ
ペット先端より基板上に吐出された際、該吐出された液
体材料の前記ピペットへのぬれ上がり付着防止可能な前
記液体材料より小さい表面張力を有する材質の防止膜
を、先端部およびその近傍に形成したピペットを使用
し、(ii)前記ピペットにパターン修正用の液体材料を
充填して試料ステージに載置された基板上に位置させ、
(iii)前記ピペット近傍のガス雰囲気を、ガス雰囲気
形成手段を介して前記液体材料に含まれる揮発性成分の
飽和蒸気圧、または該飽和蒸気圧に近似の蒸気圧の蒸気
を含む雰囲気に形成し、(iv)試料ステージを介して基
板位置を調整した後、ピペット先端部を液体材料を供給
する基板位置に接触させ、(v)パルスガス圧印加機構
を介して予め設定されたインジェクション条件によりピ
ペットにパルス状のガス圧を印加し、(vi)前記ピペッ
トに充填された液体材料を、基板のパターン欠落欠陥部
に微量供給して修正する構成にすることが好ましい。
【0040】そして、前記基板に対する液体材料の供給
が、該基板への供給に先立ち、該基板と並列に試料ステ
ージ上に配置され、かつ該基板のレジストパターンと表
面状態が同じモニタ基板上に供給され、該供給された液
体材料の供給形状・寸法が所定値になったことを確認し
た後行われる構成にすることが望ましい。
【0041】
【作用】上記構成としたことにより本発明の液体材料微
量供給装置においては、液体材料を供給するピペット近
傍を、供給すべき液体材料の揮発性成分の蒸気を含んだ
雰囲気に保つことができる。このため、供給すべき液体
材料が揮発性の高い成分、例えば各種の有機溶媒などを
含んでいたとしても、ピペット先端からそれら揮発性の
高い成分が蒸発することが無くなり、ピペット先端にお
ける液体材料中の溶媒成分の減少が防止され、微量の供
給であっても液体材料の固化によるピペット内の詰まり
がなくなる。それゆえ、レジストワニスのように揮発性
の高い成分と固化する成分とからなる液体材料を供給す
る際においても、ピペット先端での材料詰まりを生ずる
ことが無く、制御性良く液体材料を微量に供給すること
が可能になる。
【0042】また、ピペット先端部とその近傍の特にそ
の外表面に、液体材料が前記ピペットにぬれ上がり付着
するのを防止可能な前記液体材料より小さい表面張力を
有する材質の防止膜を形成したり、或いはピペット自体
を該防止膜と同材料にて形成することにより、溶媒など
の揮発性の高い成分と固化する成分からなる液体材料を
基板上に微量供給する場合に、基板上に吐出された液体
材料がピペットの先端部にぬれ上がり付着して凝固する
ことがなくなる。このため、供給特性を変化することな
く、常に安定した微量供給を継続して行うことができ
る。
【0043】また、吐出した液滴高さの頂部位置に常に
ピペットの先端部を位置させる制御装置を設けた構成に
することにより、吐出された液体材料の液滴とピペット
先端部との接触面積を、ピペット最先端の限られた極微
小面積とすることができ、液体材料がピペットに沿って
ぬれ上がり付着することを防止することができる。
【0044】また、基板上に吐出された液体材料を所定
の温度に冷却する基板冷却機構を設けた構成にすること
により、冷却された液体材料の表面張力をピペットに対
して相対的に大きくすることができ、前記ぬれ上がり付
着を防止することが可能になる。
【0045】さらに、試料ステージ上の基板近傍に、ピ
ペット先端部に付着した液体材料を洗浄除去するピペッ
ト洗浄機構を設けた構成にすることにより、たとえピペ
ット先端部に液体材料の一部が付着したとしても、洗浄
除去により常に正常な状態にて微量供給を継続して行う
ことが可能になる。
【0046】そして、液体材料を供給するピペット近傍
を、供給すべき液体材料の揮発性成分の蒸気を含んだ雰
囲気に保つ構成と、ピペット先端部とその近傍の特にそ
の外表面に、液体材料が前記ピペットにぬれ上がり付着
するのを防止可能な前記液体材料より小さい表面張力を
有する材質の防止膜を形成して使用する構成とを組み合
わせることにより、前記各作用における微量供給機能は
さらに向上し、パターン欠落欠陥部に対して一層安定し
た微量供給を継続して修正を行うことが可能になる。
【0047】
【実施例】本発明の第1の実施例について図1を用いて
説明する。図中、前記図18と同符号のものは同じも
の、または同機能のものを示す。図1に示すように、本
発明の液体材料微量供給装置は、前記従来の図18に示
した液体材料微量供給装置と同様に、ピペット1、ピペ
ット駆動機構2、パルスガス圧印加機構3、観察光学系
4、ガス圧伝播チューブ6、基板7、ステージ8を備え
て、さらに内部を液体材料5の揮発性成分5aの蒸気を
含んだ雰囲気に保つことのできる気密性カバー10を備
えている。
【0048】気密性カバー10は、観察光学系4により
液体材料供給部を観察するための透光性のウインドウ1
1、ガスの導入、排気などを行うためのポート12a、
12b、12c、12dを有し、ピペット1及びピペッ
ト駆動機構2、試料ステージ8を覆うように気密性を保
って設置することができる。ポート12aには液体材料
5の揮発性成分5aの入った容器13がバルブ14aを
介して接続しており、バルブ14aを開けることにより
気密性カバー10内に液体材料5の揮発性成分5aの蒸
気を含んだガスを導入することができる。容器13には
温調器15が接続されており、加熱又は冷却により容器
13内のガスに含まれる揮発性成分5aの分圧を任意に
制御することが可能になっている。ポート12bからは
調圧弁16を介して、窒素、アルゴン、ヘリウム、キセ
ノンなどの不活性ガス17を導入できるようになってい
る。ポート12cには、バルブ14cを介して吸引ポン
プ18が接続しており、バルブ14cを開けることによ
り気密性カバー10内のガスを排気することができる。
ポート12dには気密性カバー10内のガスの状態、各
ガス成分の分圧及びガスの温度を測定するガスモニタ1
9(分圧モニタ19ともいう)が接続され、気密性カバ
ー10内のガスの状態が表示される。
【0049】上記液体材料微量供給装置による液体材料
5の微量供給手順を、以下に説明する。まず、基板7を
試料ステージ8上に設置し、予め定められた成分比の液
体材料5を充填したピペット1を、ピペット駆動機構2
に取付ける。次に、気密性カバー10をピペット1、試
料ステージ8及びピペット駆動機構2を覆うように取り
付ける。そして、ガス圧伝播チューブ6をピペット1と
気密性カバー10の端子20とに、また、ガス圧伝播チ
ューブ6aを気密性カバー10の端子20とパルスガス
圧印加機構3とにそれぞれ接続する。
【0050】次に、バルブ14aを開け、揮発性成分5
aの蒸気を含んだガスを気密性カバー10内に導入し、
気密性カバー10内の揮発性成分5aの分圧を高めてい
く。ここで、気密性カバー10内の揮発性成分5aの分
圧を飽和蒸気圧に等しくすれば、ピペット1先端からの
揮発性成分5aの蒸発は完全に抑止され、ピペット1先
端における液体材料5の固化による詰まりを防止でき
る。また実際的には、飽和蒸気圧よりやや低い分圧でも
ピペット1先端からの揮発性成分5aの蒸発速度が十分
に小さくなるため、ピペット1は十分に長い時間詰まり
のない状態に維持できるようになり、ピペット1の詰ま
りを防止するという目的は実効的に達成することができ
る。したがって、気密性カバー10内の揮発性成分5a
の分圧を概ね飽和蒸気圧に等しく保つことにより、ピペ
ット1の詰まりを実用上十分な状態に防止することがで
きる。
【0051】上記気密性カバー10内が揮発性成分5a
の飽和蒸気圧雰囲気に達するまでには若干の時間を要す
る。このため、ピペット1の先端部から揮発性成分5a
が若干量蒸発すると考えられ、供給特性が変化する可能
性がある。そこで、基板7への液体材料5の微量供給に
先立って、ピペット1の先端部の液体材料をモニタ用基
板21上に吐出し、微量供給ができる状態に回復したこ
とを確認しておく必要がある。これは次の手順により実
現可能である。まず、ピペット1をモニタ用基板21に
接触させ、パルス幅が長く、かつ高いガス圧のパルスガ
ス圧を連続的にピペット1に印加し、ピペット1先端部
の液体材料5をモニタ用基板21上に吐出させる。次に
インジェクション条件を本来基板7上に微量供給するた
めの条件に設定し直し、モニタ用基板21上に液体材料
5をドット状に供給していく。ここで、前記モニタ用基
板21上に供給された液体材料5の供給形状を、観察光
学系4を介して制御系22内の画像処理装置に送り、供
給寸法を求めて該供給寸法のばらつきを算出する。そし
て、それが所定値よりも小さくなったことを確認するこ
とにより、ピペット1内に残っている液体材料5の成分
比がほぼ一定値に収束したとみなすことができる。この
後は、気密性カバー10内の揮発性成分5aの分圧が、
常にほぼ飽和蒸気圧に保たれるように制御されるため、
ピペット1先端からの揮発性成分5aの蒸発が生じず、
微量供給であっても経時的に供給特性が変化することは
ない。
【0052】なお、モニタ用基板21と基板7の表面状
態を等しくしておくことにより、実際の基板7上での供
給寸法を予めモニタ用基板21上で知ることができ、イ
ンジェクション条件を最適化することが可能となる。
【0053】上記の手順を経た後、液体材料5の被供給
部が観察光学系4により観察できるように、試料ステー
ジ8を介して基板7の位置を調整する。次に、ピペット
1を基板7の液体材料5を供給すべき位置に接触させ、
パルス状ガス圧をガス圧印加機構3により予め求めてお
いたインジェクション条件でピペット1に印加する。該
ガス圧印加により液体材料5が基板7上に供給された
後、ピペット1は基板7から離され、液体材料5の供給
を完了する。
【0054】ポート12aから揮発性成分5aの蒸気を
含んだガスを気密性カバー10内に導入する際、容器1
3の温度などの条件によってはポート12aから気密性
カバー10内に導入するガス中の揮発性成分5aの分圧
が、気密性カバー10内で達成しようとする分圧と異な
る場合がある。このような場合には、温調器15により
容器13を加熱もしくは冷却し、ポート12aから導入
されるガス中の揮発性成分5aの分圧を調整することに
より、飽和蒸気圧以下の範囲で任意に気密性カバー10
内の揮発性成分5aの分圧を制御することができる。こ
の場合、気密性カバー10内の揮発性成分5aの分圧情
報をガスモニタ19を介して制御装置22に送り、達成
すべき分圧との差から定まる容器13の温調条件を温調
器15にフィードバックすることにより、高精度に気密
性カバー10内の揮発性成分5aの分圧を制御すること
が可能となる。
【0055】一方、基板7の温度が気密性カバー10内
のガス温度に比べて低いときは、基板7上に揮発性成分
5aが結露する場合があり、また、揮発性成分5aが溶
媒の場合には、レジストパターンの場合、基板7上のレ
ジストパターンを溶解して該レジストパターンを壊す可
能性が生ずるが、このような場合は、試料ステージ8内
に温調器を設け、基板7を加熱したり、或いは基板7の
温度を十分に高くした状態で処理を行うなどすることに
より対応することが可能である。
【0056】前記気密性カバー10内のガス雰囲気を揮
発性成分5aの飽和蒸気圧雰囲気に保つことは、容器1
3を加熱するなどして気密性カバー10内での飽和蒸気
圧以上の分圧の揮発性成分5aの蒸気を含んだガスを、
ポート12aから気密性カバー10内に導入することに
より実現できる。ただしこの場合、余分に供給された揮
発性成分5aの蒸気は、気密性カバー10や各装置の表
面で結露することになるため、これら各部に結露した揮
発性成分5aを流路を作るなどして集め、集めた結露を
再び容器13に循環させるようにすれば、揮発性成分5
aを有効に利用することが可能になる。
【0057】ところで、液体材料5の揮発性成分5a
は、例えば、アセトンやエタノールといった有機溶媒で
ある場合が多い。このような有機溶媒は、消防法などで
定める危険物である場合が多く、したがって、気密性カ
バー10内をかかる揮発性成分5aの蒸気を含んだ雰囲
気にする際には、安全上の配慮を要求される場合もあ
る。この場合の安全対策としては、具体的には次のよう
な方法がある。
【0058】まず、揮発性成分5aに引火性、発火性及
び爆発性などの危険性がある場合には、気密性カバー1
0内の酸素濃度を十分に低くしておく必要がある。本発
明の液体材料微量供給装置においては、揮発性成分5a
の蒸気を気密性カバー10内に導入する前に、調圧弁1
6を開いて不活性ガス17を気密性カバー10内に導入
するとともに、バルブ14cを開いて気密性カバー10
内のガスを排気ポンプ18を介して排気する。これによ
り気密性カバー10内のガスを十分に酸素分圧の小さい
ガスに置換することができる。この置換状態は気密性カ
バー10内の酸素分圧が十分に低くなったことを分圧モ
ニタ19により測定して確認する。該確認の後、調圧弁
16と排気用のバルブ14cとを閉じ、次に蒸気導入用
のバルブ14aを開き揮発性成分5aの蒸気を気密性カ
バー10内に導入する。この後も常時、気密性カバー1
0内の酸素分圧をモニタし、酸素分圧が高まった場合に
は、上記排気と不活性ガス17の導入を行い、酸素分圧
を所定値内に保つようにする。この場合、分圧モニタ1
9には少なくとも2つのセンサが組み込まれ、揮発性成
分5aの分圧と酸素の分圧の双方をモニタできるように
考慮されている。
【0059】つぎに、揮発性成分5aに麻酔性や刺激性
などがあり人体への有害性がある場合には、気密性カバ
ー10や揮発性成分5aの容器13などからの大気中へ
の揮発性成分5aの漏洩防止と、気密性カバー10内か
らの排気ガスの除害を行う必要がある。これは、排気ポ
ンプ18の排気側に更に除害装置23を設置し、さらに
液体材料微量供給装置の周辺にガス漏洩センサを設置
し、揮発性成分5aの漏洩が発生してガス漏洩センサに
検知された場合には、該装置周辺のガスを排気装置によ
り排気し、その排気ガスを除害装置23に導入して除害
することにより対応することができる。また、併せて気
密性カバー10内の圧力を装置の周囲に対して負圧状態
とし、気密性カバー10の内部のガスが外部に漏れない
ようにすることも有効である。
【0060】上記実施例において、バルブ14a,14
c、調圧弁16、排気ポンプ18、温調器15及び分圧
モニタ19を、制御装置22に接続して一括して制御す
ることにより、気密性カバー10内のガス雰囲気の制御
を自動で行うことが可能である。
【0061】図1において揮発性成分5aの容器13
は、バルブ14aを介してポート12aに配管にて接続
されているが、この構成に変えて、自動的に開閉するふ
たおよび温調器が設けられた容器を気密性カバー10内
に設置し、該容器内に揮発性成分5aを入れておき、該
容器のふたの開閉および温調器の作動を、図1に示すバ
ルブ14aおよび温調器15の動作と同様に作動させる
ことによっても、同等の機能を実現することが可能であ
る。そしてこの場合には、液体材料5を供給しない間
は、気密性カバー10内に設置した容器内の揮発性成分
5a又は液体材料5にピペット1の先端を浸漬させてお
き、ピペット1先端から揮発性性成分5aが抜けていく
のを防止することが可能である。ここで、前記容器内が
揮発性成分5aの場合には、ピペット1には連続的にガ
ス圧を印加して、揮発性成分5aがピペット1内に侵入
することを防いだり、あるいは、基板7上への液体材料
5の供給に先立ってモニタ用基板21上に試し供給を行
い、ピペット1内の液体材料5の状態が調整される。
【0062】なお、図1に示す液体材料微量供給装置
は、液体材料5を供給すべき基板7の全体を気密性カバ
ー10により覆う構成である。このため、基板7の寸法
が小さい場合には、それに対応して気密性カバー10の
寸法も小さくてすみ、装置全体も小型化するが、例えば
大面積の液晶基板やプリント基板などのように、液体材
料5を供給すべき基板7の寸法が大きい場合には、気密
性カバー10の寸法も対応して大きくなり、装置もそれ
だけ大きくなり好ましくない。それゆえ、液体材料5を
供給すべき基板7の寸法が大きい場合には、局所的に雰
囲気を制御できる機構を持つ構成にし、装置を大型化し
ないことが望ましい。ただしこのような場合には、基板
表面に雰囲気制御機構のどこかが接触して、基板表面に
異物を付着させたり傷を付けたりする好ましくない問題
点を有していた。したがって、局所的に雰囲気を制御す
る場合には、雰囲気制御機構が基板に非接触であること
が要求される。以下にその実施例(第2,第3,第4の
各実施例)を説明する。
【0063】本発明の第2の実施例について図2を参照
して説明する。図中、前記図1および図18と同符号の
ものは同じもの、または同機能のものを示す。本実施例
は、前記局所的な雰囲気制御機構を有する液体材料微量
供給装置に関するもので、ピペット1、パルスガス圧印
加機構3、観察光学系4、試料ステージ8a、制御装置
22、雰囲気制御用スカート24、スカート駆動機構2
5等から構成される。
【0064】雰囲気制御用スカート24(以下、単にス
カート24という)は、液体材料供給部を観察するため
の透光性のウインドウ11、揮発性成分5aの蒸気を導
入するためのポート12e及びピペット1を微動させる
微動機構26を有している。スカート24のポート12
eとバルブ14eとの間は可とう性の配管、例えばテフ
ロンチューブなどで接続されており、スカート24の移
動時に該スカート24に大きな力が作用しないようにな
っている。そして、バルブ14eを介して、窒素、アル
ゴン、ヘリウム、キセノンなどの不活性ガス17をバッ
ファガスとして、液体材料5の揮発性成分5aの蒸気が
導入できるようになっている。また、バッファガスの圧
力を調圧弁16により調整でき、更にバッファガスの流
量を流量計27により測定できるようになっている。な
お、液体材料5の揮発性成分5aの容器13aには温調
器15がついており、加熱又は冷却により容器13a内
のガスに含まれる揮発性成分5aの分圧を任意に制御す
ることが可能になっている。
【0065】上記液体材料微量供給装置による液体材料
5の微量供給手順を、以下に説明する。まず、基板7を
試料ステージ8a上に設置する。次に、液体材料5を充
填したピペット1を、スカート24内の微動機構26に
取り付け、ピペット1の先端がスカート24の下端より
上方に位置するように調整する。ついで、スカート24
をスカート駆動機構25に取り付け、試料ステージ8a
上のスカートランディング領域28にスカート24を位
置決めする。ここで、調圧弁16を周囲の大気圧P0よ
り高い圧力P1に設定して開き、更にバルブ14eを開
けることにより、不活性ガス17をバッファガスにして
揮発性成分5aの蒸気がスカート24内に導入される。
この際、揮発性成分5aの容器13aの温度を制御する
ことにより、ガス中の揮発性成分5aの分圧を概ね飽和
蒸気圧に調整しスカート24内に導入する。温調器15
により容器13aを加熱もしくは冷却し、ポート12e
から導入されるガス中の揮発性成分5aの分圧を調整で
きることは、前記第1の実施例の場合と同様である。
【0066】次に、スカート駆動機構25により、スカ
ート24を試料ステージ8a上のスカートランディング
領域28から少し浮上させる。この時、スカート24内
の圧力P1の方が周囲の大気圧P0よりも高く設定して
あるため、周囲の空気がスカート24内に侵入すること
がなく揮発性成分5aの分圧は一定に保たれる。また、
バッファガス圧P1が大気圧P0よりも高いため、スカ
ート24内に導入したガスの一部は、スカート24の下
端と試料ステージ8aの表面のすき間から流出するが、
このガスの流出量とスカート24内に流入するバッファ
ガスの流入量が等しいことから、スカート24からの単
位時間当たりの流出量を流量計27により検知できる。
【0067】前記スカート24の下端と試料ステージ8
aの表面との間のギャップGの大きさと、バッファガス
流量Qと間には、図3に示すように直線的な比例関係が
成り立つ。したがって、スカート24の下端と試料ステ
ージ8aの表面との間のギャップGの大きさは、流量計
27によって測定されるバッファガスの流量Qから算出
可能である。そこで、流量計27によって測られるバッ
ファガスの流量Qを制御系22によりスカート駆動機構
25の浮上量制御信号にフィードバックすることによ
り、ギャップGを一定になるように制御することが可能
となる。ここで、試料ステージ8aはランディング領域
28の表面と基板7の表面とが同一レベルになるように
形成されており、それ故、ランディング領域28におい
てギャップGの大きさを設定すれば、基板7上において
も概ね同程度のギャップGの大きさを維持することがで
きる。更に基板7上においても流量計27によるバッフ
ァガスの流量測定によりギャップGの大きさを調整する
ことが可能である。ギャップGの大きさは、例えば、基
板7上のレジストの厚さが10μmの場合に、該レジス
トの厚さに比べ十分に大きくレジストパタ−ンがあるこ
とによる誤差の影響を無視できる30μmから50μm
程度に設定したりすることができる。
【0068】上記のように、基板7表面よりスカート2
4を浮上させた状態で、ピペット1近傍を局所的に揮発
性成分5aの飽和蒸気圧雰囲気に保てるようにした後、
基板7を試料ステージ8aにより移動し、液体材料5を
供給すべき場所を観察光学系4の視野内に位置決めす
る。次にピペット1を微動機構26により微動させて基
板7の液体材料5を供給すべきところに接触させ、所定
のパルスガス圧を印加して液体材料5を微量供給する。
この場合においても、モニタ用基板21を試料ステージ
8a上に準備し、基板7への液体材料5の供給に先だっ
て、ピペット1内の液体材料5の状態を調整すること
は、前記第1の実施例の場合と同様に可能である。
【0069】つぎに、本発明の第3の実施例を図4を参
照して説明する。本実施例は、前記局所的な雰囲気制御
機構を有する第2の実施例の他の実施例に関するもので
ある。図中、前記図1、図2および図18と同符号のも
のは同じもの、または同機能のものを示す。図4に示す
如く、スカート24のスカート駆動機構25への取り付
けはアーム29を介して行われるが、スカート24とア
ーム29とは固定されておらず、空気軸受などのような
軸受構造を介して取り付けられるようになっている。そ
のため、スカート24はアーム29に対して上下方向に
摺動可能であり、更に前記バッファガスの圧力と流量
を、調圧弁16及び流量制御装置30により制御するこ
とができる。ここで、スカート24の重力の方向に垂直
な面の断面積をA、質量をmとし、大気圧をP0、重力
加速度をgとすると、A(P1−P0)>mgを満たす
バッファガス圧P1に設定することにより、スカート2
4をバッファガス圧により浮上させることができる。
【0070】そして、バッファガスの流量Qを変化させ
ることによりスカート24の浮上量を制御することがで
きる。該制御により、長いアームを介してのスカート2
4と試料ステージ8aとの間の微小なギャップGの高精
度な制御を行う必要がなくなり、装置の構成が容易にな
る。また、スカート24の浮上が圧力の作用によりなさ
れるため、スカート24下端部に均等に力が作用し、仮
りに試料ステージ8aが傾斜していてもそれに倣ってス
カート24が傾斜するため、スカート24の一部が基板
7に接触することが防止できるという利点がある。
【0071】次に、本発明の第4の実施例を図5を参照
して説明する。本実施例は、前記局所的な雰囲気制御機
構を有する第2の実施例のさらに他の実施例に関するも
のである。図中、前記図1ないし図4および図18と同
符号のものは同じもの、または同機能のものを示す。本
実施例においては、ピペット1は、鞘31内に収納され
ており、必要に応じて先端部が鞘31から突き出るよう
になっている。鞘31には、温調器15の付いた容器1
3がポート12aを介して接続されおり、容器13の中
に入った液体材料5の揮発性成分5aの蒸気が、鞘31
内に任意の分圧で導入できるようになっている。また、
鞘31の内部は、スライドするピペット支持体32及び
シャッタ33により密閉構造にすることができる。した
がって、温調器15により揮発性成分5aの蒸気を十分
に高い蒸気圧で発生し、かつ、鞘31の内部を密閉構造
にすることにより、短時間で、鞘31の内部の揮発性成
分5aを飽和蒸気圧雰囲気に保つことができる。また、
鞘31はアームと一体になっており、ピペット駆動機構
2により粗動及び微動が可能である。
【0072】液体材料5の供給に際し、鞘31内のピペ
ット支持体32及びシャッタ33は、次のように連動し
て作動するようになっている。液体材料5を供給しない
間は、ピペット1は鞘31の内部に完全に収納されてお
り、シャッタ33も閉じられている。一方、液体材料5
の基板7上への供給時には、まず、ピペット駆動機構2
により鞘31が液体材料5の供給部付近に位置決めされ
る。次に、モータ34bの作用によりシャッタ33が開
き、続いて、モータ34aの回転により接続されたシャ
フト36が回転し、それに伴い、ピペット支持体32が
鞘31内を先端方向に移動する。ピペット支持体32の
駆動機構は、例えばボールねじやねじ送り機構のような
ものでよい。このとき、ピペット1の先端が液体材料5
を供給すべき基板7に接触すると、ピペット1に反力が
生じ、ピペット支持体32のピペット1の取付部にある
圧力センサ37aにより、ピペット1と基板7との接触
が検知される。このピペット1と基板との接触を検知し
た瞬間にモータ34aは回転を停止し、液体材料5の供
給の準備が完了する。その後、液体材料5の供給が終了
した後は、速やかにモータ34aの回転によりピペット
1が鞘31内部に収納され、ストッパを兼ねた圧力セン
サ37bによりピペット1の収納が検知される。このピ
ペット1の収納を検知した後、モータ34bの回転によ
りシャッタ33が閉じられる。この1連の動作は十分に
素早く行うことができるので、ピペット1が鞘31から
出て大気中にさらされている時間は十分に短く、このた
め、ピペット1先端からの液体材料5の揮発性成分5a
の蒸発量は少なく、微量供給にほとんど影響を与えな
い。また、鞘31内部は、常に揮発性成分5aの飽和蒸
気圧雰囲気に保たれているので、当然鞘31内における
ピペット1先端からの揮発性成分5aの蒸発も無く、繰
り返し液体材料5を微量供給可能な状態に保つことがで
きる。
【0073】なお、上記した各実施例において、容器1
3、13a内に液体材料5そのものを入れておいても、
揮発性成分5aの蒸気が発生するので、同様の効果を得
ることができる。また、安全上の問題がない場合には、
不活性ガス17の代わりに、空気やその他のガスを用い
ても良い。
【0074】上記した第1ないし第4の各実施例におけ
る液体材料微量供給装置を用いれば、各種のレジスト材
料、有機絶縁膜ワニス、導電性ペーストなどの揮発性の
高い溶媒と固化する成分とからなる液体材料であって
も、揮発性が低い液体材料や固化しないような材料と全
く同様に微量供給が可能となり、供給分解能として1p
l以下の高分解能を実現することが可能になる。
【0075】つぎに、前記液体材料の微量供給に好適な
ピペット自体の構成およびその形成例について、図8な
いし図12を参照して説明する。図中、前記図18およ
び図19と同符号のものは同じものを示す。前記した第
1ないし第4の各実施例は、気密性カバー、スカートお
よび鞘等を使用して、いずれもピペット1を液体材料5
の揮発性成分5aの蒸気を含んだガス内に封入状態にす
る構成であるが、ピペット1自体を以下に説明する構成
にすることにより、ガス内に封入状態にすることなく前
記液体材料の微量供給を安定して行うことが可能にな
る。
【0076】図8において、1aは、液体材料のぬれ性
によるピペット1へのぬれ上がり付着を防止するため
に、ピペット1の先端およびその近傍に形成された防止
膜である。防止膜1aは、図示のようにピペット1の先
端およびその近傍の外表面のみに形成する構成のほか、
ピペット1の外表面全面に施す構成にしてもよく、ま
た、外表面だけでなく内面にも形成してもよい。
【0077】防止膜1aを形成する材料としては、供給
すべき液体材料5がぬれにくい性質を有していることが
必要で、ポリエチレンなどの炭化水素系重合体、ポリ塩
化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどの塩素化物、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリトリフルオロ
エチレン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ化物
等、各種有機ポリマが挙げられる。
【0078】上記した防止膜1aを形成する材料は、通
常、該材料の表面張力が供給される液体材料5の表面張
力よりも小さく、そのため、防止膜1aに対する液体材
料5の付着及び吸着作用が非常に弱く、液体材料5がピ
ペット1に沿ってぬれ拡がることができなくなる、いわ
ゆるぬれにくい性質を有している。
【0079】上記防止膜1aを形成する材料の表面張力
は、いずれも50dyn/cm以下で、これらの中から
供給する各種液体材料5の表面張力より小さいものを選
択すればよい。特に、ポリテトラフルオロエチレンの表
面張力は18dyn/cmで、一般に用いられる溶媒の
表面張力(20dyn/cm以上)よりも小さく、ほと
んどの液体材料5に対して防止膜1aとして用いること
ができる。防止膜1aは単原子層程度の厚さでも機能す
るから、形成される防止膜1aの膜厚はサブnm〜数ミ
クロンで十分である。
【0080】つぎに、図9を参照してピペット1に対す
る防止膜1aの第1の形成方法について説明する。防止
膜1aの形成方法の一つに塗布乾燥法がある。これは、
形成しようとする防止膜1aの材料を溶媒に溶かしてワ
ニスとし、該ワニスをピペット表面に塗布した後、溶媒
を乾燥して膜を形成する方法である。
【0081】まず、図9(a)に示すように、ピペット
1を防止膜1aの材料を溶媒に溶かしたワニス51に浸
し、ピペット1の表面にワニス51を塗布する。一般
に、この状態ではワニス51の付着量が多すぎるので、
余分なワニス51を除去するため、図9(b)に示すよ
うにモータ52に接続された治具53上にワニス51の
付着したピペット1を固定し、所定の回転速度でピペッ
ト1を回転させる。ここで、形成する防止膜1aは前述
のように表面張力が小さい材料なので、溶媒を適当に選
択することによりワニス51の表面張力および粘度を小
さくすることが可能で、前記ピペット1の回転により、
余分なワニス51が遠心力で除去され、極薄い膜がピペ
ット1の先端部およびその近傍に残る。この状態でもし
ピペット1の先端がワニス51により詰まっている場合
には、ピペット1にパルスガス圧を印加するなどして開
口させる。この後、ワニス51が薄く付着したピペット
1を、図9(c)に示すようにヒータ54などで加熱
し、ワニス51中に含まれる溶媒成分を蒸発させ、同時
に防止膜1aの付着強度を増加させて液体材料5のぬれ
にくい防止膜1aが形成される。
【0082】上記防止膜1aが形成されたピペット1を
使用して基板7上に液体材料5を吐出すると、図8
(a)に示すように吐出された液体材料50のピペット
1に対するぬれ上がり状態は、前記図19(a)と比べ
てかなり小さくなっており、続いて図8(b)に示すよ
うに液体材料50よりピペット1を引き離した状態で
は、前記図19(b)に示すようなピペット1の先端部
に付着した液体材料50aは全く見られず、液体材料5
を吐出する前と同じ状態になる。この状態においては、
ピペット1内の液体材料5は、ピペット1先端の内径、
例えば10μmかそれ以下の極小さな穴でしか大気と接
していないため、該液体材料5に含まれる溶媒の蒸発は
きわめて少なく、ピペット1内およびピペット1の先端
部で凝固することがほとんどなくなる。
【0083】このため、ピペット1の先端部を、常に、
液体材料5を吐出する当初の状態と同じ一定の状態に保
つことが可能になり、レジスト材料、有機絶縁膜ワニス
及び導電性ペーストなどのように、揮発性の高い成分
(溶媒)と固化する成分からなる液体材料5を、継続し
て安定して微量供給することが可能となる。
【0084】つぎに、図10を参照してピペット1に対
する防止膜1aの第2の形成方法について説明する。本
形成方法も前記塗布乾燥法の例で、図10(a)に示す
ように、防止膜1aの材料を溶媒に溶かしたワニス51
を、噴霧器55により噴霧56にし、ピペット1表面に
吹き付けて塗布する。しかる後、図10(b)に示すよ
うに、ヒータ54などにより加熱し、ワニス51に含ま
れる溶媒成分を蒸発させ、同時に防止膜1aの付着強度
を増加させる。以上により、ピペット1表面に防止膜1
aが形成される。この方法の場合、ピペット1先端部に
形成される防止膜1aの膜厚が不均一であったり、疎ら
になることがあるが、ぬれという現象は非常に表面に対
して敏感であるため、多少の防止膜1aの欠落部があっ
ても、実質上ぬれ上がりの効果は減少されず、噴霧56
の吹き付けによる塗布でも十分に実効的な防止膜1aを
形成することが可能である。
【0085】つぎに、図11を参照してピペット1に対
する防止膜1aの第3の形成方法について説明する。本
形成方法は電気泳動めっき法を利用するもので、図11
(a)に示すように、まず、ピペット1表面に金属など
の導電性物質からなる電極膜57を形成する。具体例と
しては、ピペット1を防止膜1a用材料の微粒子58を
分散させた電解液59内に浸す。ついで、ピペット1表
面の電極膜57と電解液59内の他の電極60との間に
直流電圧を印加する。この際ピペット1表面の電極膜5
7の電位が、微粒子58の帯電電位と逆になるように調
整することにより、電極膜57に微粒子58を電着させ
ることができる。ピペット1を電解液59から引き上げ
た後、図11(b)に示すように、ヒータ54により加
熱して電極膜57に含まれる電解液59の溶媒成分を蒸
発させ、防止膜1aが形成される。この方法は、各種有
機ポリマなどの絶縁材料でも成膜が可能であり、防止膜
1aの形成に適用できる。
【0086】つぎに、図12を参照してピペット1に対
する防止膜1aの第4の形成方法について説明する。防
止膜1aの他の形成方法として、表面活性剤のように表
面張力の小さな物質をピペット1表面に吸着させる方法
がある。一般に金属表面は、表面張力がとても大きくて
前記液体材料に対するぬれ性が良いと云われているが、
大気中に曝した金属表面は液体材料に対するぬれ性の悪
い表面になっていることが多い。これは、金属表面を大
気中に曝すことにより、金属表面に表面張力の小さな膜
が物理吸着や化学吸着により形成されるためであるが、
このことは、ピペット1上に表面張力が大きく表面が活
性な材料からなる中間層を形成し、該中間層の表面上に
表面張力の小さな吸着膜を形成することにより防止膜1
aが形成可能なことを示している。実際に前記中間層を
形成した後すぐに、表面張力の小さな、例えば有機フッ
化物やエステル基を有した有機材料の溶液または蒸気雰
囲気にピペット1を接触させることにより、中間層表面
に表面張力の小さなぬれ上がり防止層を吸着させること
ができる。
【0087】まず、図12(a)に示すように、ピペッ
ト1表面に、金属材などのような表面張力が大きく、か
つ表面の活性が大きい材質からなる中間層62を、減圧
チャンバー63内でプラズマスパッタ法などにより形成
する。ここで、61はターゲット、64はプラズマ、6
5はバルブ68aを介して減圧チャンバー63に連通し
ているぬれ上がり防止材料容器、66はバルブ68bを
介して減圧チャンバー63に連通している排気ポンプ、
67はバルブ68cを介して減圧チャンバー63に連通
しているバッファガス容器である。中間層62を形成し
た後、該中間層62の表面が汚染されない様に、減圧チ
ャンバー63内の減圧雰囲気を維持した状態で、ぬれ上
がり防止材料容器65内のぬれ上がり防止材料69をヒ
ータ70で加熱するなどして、分子状にして減圧チャン
バー63内に導入する。すると、図12(b)に示すよ
うに、導入されたぬれ上がり防止材料分子71は活性な
中間層62の表面上に物理吸着あるいは化学吸着して、
防止膜1aが形成される。
【0088】本形成方法の場合、上記のように中間層6
2を形成した後、汚染されないうちに防止膜1aを吸着
させても良いし、他の方法で形成した中間層62もしく
はピペット1そのものの表面を減圧するなどして汚染を
防止した雰囲気中でクリーニングするなどして表面の活
性度を高め、防止膜1aを吸着させても同様の効果が期
待できる。なお、中間層62の具体的材質としては、C
r,Cu,Al、Ti,Mo,Au,Ag,Pt,Pd
などの各種金属材料が挙げられる。
【0089】防止膜1aの形成方法としては、上記第1
ないし第4の形成方法のほかに、図示しないが次のよう
な方法がある。ピペット1に、スパッタまたは蒸着など
により防止膜1aを形成する方法がある。このうちスパ
ッタ成膜法は、電極上に成膜しようとする材質の薄膜を
成膜したものをターゲット61に用い、減圧雰囲気中で
RF電圧等を印加して発生させたプラズマにより、ター
ゲット61をスパッタすることにより成膜することがで
きる。つぎに、蒸着成膜法では、蒸着源として成膜しよ
うとする物質を用い、加熱して蒸発させピペット1表面
に成膜する。また、有機材料ガス、たとえばフロンなど
を用いてプラズマ重合させることによってもピペット1
表面に有機薄膜を形成することが可能である。さらに、
すでに形成した有機材料膜の表面に紫外線などの光を照
射し、光化学反応によりフッ素や水素で表面をターミネ
ートすることにより、表面張力を小さくすることによっ
ても、上記第1ないし第4の形成方法の場合と同様の効
果の防止膜1aを形成することが可能である。
【0090】他方、ピペット1先端部の液体材料5に対
する付着を防止する他の方法として、ピペット1の材質
をガラスではなく、表面張力の小さな有機ポリマ材料を
使用して形成する方法がある。具体的な材質としては、
ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレータ、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレ
ンなどの熱可塑性で、かつ表面張力の小さい各種有機ポ
リマが有り、これらをガラス管と同様にヒーターなどに
よる加熱と張力の印加により細く整形し、微量供給用ピ
ペットを形成することができる。このように表面張力の
小さな有機ポリマ材料でピペット1を形成することによ
り、液体材料5の微量供給の際のぬれ上がりを防止し、
安定した微量供給を可能にすることができる。
【0091】前記図8ないし図12を参照して行った説
明は、ピペット1先端部への液体材料のぬれ上がり付着
を、防止膜1aを形成して防止することにより、安定的
に液体材料の微量供給を可能にする方法であるが、以下
に、液体材料のピペット1先端部へのぬれ上がり付着
を、防止膜1aを形成しない他の方法で防止する複数の
例について、図13ないし図17を参照して順に説明す
る。図中、前記図18と同符号のものは同じもの、また
は同機能のものを示す。
【0092】図13は、液体材料のピペット1先端部へ
のぬれ上がり付着を、液体材料微量供給時のピペット1
の挙動制御を介して防止する実施例で、前記図18に示
す市販のマイクロインジェクション装置を使用して行う
例である。上記ピペット1の挙動制御は、前記図19
(b)に示す液体材料50aのぬれ上がり付着が、吐出
された液体材料50内にピペット1が浸っていることが
一因となって発生していることを考慮した制御方法であ
る。すなわち、液体材料5を微量供給する際に、ピペッ
ト1の先端部が常に吐出した液滴の表面すれすれに位置
するように、吐出に同期してピペット1を自動的に上昇
させると、ピペット1の先端部は該先端部の極微小な面
積だけが吐出した液滴表面と接触することになり、液体
材料5がピペット1に沿ってぬれ上がり付着することを
抑制できるのである。なおこの場合、ピペット1の基板
7に対する接触角度が垂直に近いほど、ピペット1と液
滴表面との接触面積を小さくすることができるので、一
層効果的になる。
【0093】図13において、72はピペット駆動機構
2、観察光学系4およびモニタ9の間を接続する制御装
置で、基板7上への液体材料5の吐出開始を検知し、該
吐出に同期してピペット1の先端部が常に吐出した液滴
の表面すれすれに位置するように、ピペット1を自動的
に上方に逃がすことができるようになっている。
【0094】上記制御装置72における制御は、図14
に示すパルスガス圧印加時における液体材料吐出状況に
基づいて行われる。図中、横軸は時間の経過を示し、縦
軸はパルスガス圧、吐出体積および液滴表面までの高さ
(以下、液滴高さという)を示す。図14において、ピ
ペット1にパルスガス圧が印加されると、若干の時間遅
れの後、液体材料5の吐出が始まり、この後、パルスガ
ス圧の印加時間に比例して吐出体積が増加する。しかし
液滴高さは、吐出体積の1/3乗に比例するので、液体
材料5の吐出開始後、パルスガス圧が印加される時間の
1/3乗に比例して液滴高さが増加することになる。こ
の際の比例係数は、ピペット1の穴径、パルスガス圧の
大きさおよび液体材料5の物性により定まる。従って、
例えば、予め予備実験をするなどしてパルスガス圧印加
時間と液滴高さとの関係を求めておけば、図13に示す
装置の場合、常にピペット1先端が液滴の頂上に位置す
るように制御することができる。そのため、ピペット1
への液体材料5のぬれ上がり付着を防止することがで
き、継続して液体材料5の安定供給が可能になる。
【0095】図15は、液体材料のピペット1先端部へ
のぬれ上がり付着を、基板上に吐出した液体材料を冷却
して防止する実施例で、前記図18に示す市販のマイク
ロインジェクション装置を使用して行う例である。図
中、73は試料ステージ8上に組み込まれた基板冷却機
構で、基板7上に吐出された液体材料5を冷却すること
によりその表面張力を大きくする機能を有している。本
実施例は、一般に液体材料の表面張力が低温になるほど
大きくなる傾向があることを利用するもので、基板7上
に吐出された液体材料5を基板冷却機構73を介して冷
却し、該液体材料5の表面張力がピペット1に対して相
対的に大きくなるようにして、ピペット1への液体材料
5のぬれ上がり付着を防止する構成である。
【0096】つぎに、図16は、ピペット1先端部にぬ
れ上がり付着した液体材料を、ピペット洗浄機構を介し
て除去することにより、該ぬれ上がり付着を防止する実
施例で、前記図18に示す市販のマイクロインジェクシ
ョン装置を使用して行う例である。図中、74は試料ス
テージ8上の基板7近傍に組み込まれたピペット洗浄機
構である。図17はピペット洗浄機構の1例で、溶媒容
器75内に有機溶媒76を入れ、溶媒容器75の底部に
超音波発振源77を組み込み、超音波発振源77を作動
させることにより有機溶媒76に浸漬したピペット1の
先端部を超音波洗浄する構成である。
【0097】液体材料5を基板7上に微量供給した後、
図17に示すようにピペット1先端部に液体材料50a
が付着した場合には、その付着の程度がパルスガス圧の
変化等により直ちに検知されるとともに、ピペット1が
ピペット駆動機構2および試料ステージ8の駆動により
ピペット洗浄機構74側に移動され、ピペット洗浄機構
74を介してピペット1先端部に付着した液体材料50
aが超音波洗浄されて除去される。このため、ピペット
1先端部を常に付着物のない液体材料微量供給可能な状
態に維持することが可能になる。この場合、ピペット駆
動機構2および試料ステージ8を、前記液体材料5の吐
出ごとに同期させて駆動してピペット1を洗浄するよう
にしてもよい。
【0098】なお、上記洗浄は、液体材料50aの付着
の状態や程度に応じて、有機溶媒76の種類や超音波発
振源77の有無などを適当に選択することができる。ま
た、洗浄の際、ピペット1に若干のパルスガス圧を印加
しておくことにより、有機溶媒76がピペット1内の液
体材料5に混ざることを防止できる。
【0099】このように前記図13ないし図17に示す
各実施例においても、前記図1ないし図5に示す各実施
例と同様に、各種のレジスト材料、有機絶縁膜ワニス、
導電性ペーストなどの揮発性の高い溶媒と固化する成分
とからなる液体材料であっても、微量供給が可能とな
り、供給分解能として1pl以下の高分解能を実現する
ことが可能である。
【0100】次に、前記の各液体材料微量供給装置を用
いた電子素子及び回路基板のパターン欠落欠陥の修正方
法に関する実施例を、図6、図7を参照して説明する。
まず、各種パターン欠落欠陥のうち、レジスト欠落欠陥
の修正方法について説明する。図6は、大型計算機用の
モジュール基板のレジスト欠落欠陥の1例を示す図であ
る。図6において、38はレジスト、39は下地の金属
薄膜、40はレジスト欠落欠陥部を示す。ここで具体的
なレジストパターンの寸法例として、ライン:スペース
=25μm:25μm、レジスト欠落欠陥40の欠落長
さをパターン幅と同程度の25μmとする。この場合、
レジスト欠落欠陥の修正仕様としては、形成される金属
パターンに隣接配線とのショートや配線の細りによる高
抵抗化等の機能上の問題が生じないような幅、レジスト
欠落欠陥部を補える十分な長さ、エッチャントやめっき
液に対し十分な耐性が保てる厚さ及び材質であることが
要求される。上記具体例のレジスト欠落欠陥40を修正
する場合には、形成される金属パターンは、寸法的には
レジストの形成幅30μm、位置精度±2.5μm、長
さ35μm、厚さ2μmといった値が必要とされる。こ
の場合、修正用レジストの形成体積はわずか2.1pl
に過ぎず、このため従来の方法では修正用の液体材料を
制御性良く供給することはできなかった。
【0101】しかし、前記図1ないし図5を参照して説
明した液体材料微量供給装置の各実施例、すなわち、材
料供給部の雰囲気を液体材料の揮発性成分の飽和蒸気圧
雰囲気に制御できる液体材料微量供給手段の内いずれか
の実施例を用いることにより、図6に示すレジスト欠落
欠陥部40に対して前記修正仕様に適合する修正用レジ
スト41が制御性良く微量供給され、図7に示すように
修正用レジストの形成体積が僅かであっても所望の修正
が可能になる。
【0102】前記修正用レジスト41としては、溶媒中
にポリマーが溶解した材料のうちで形成されるポリマー
膜が、エッチャントやめっき液に対して耐性を持つよう
なワニス材であれば良く、もちろんレジストワニスであ
っても良い。このような材料としては、例えば、エポキ
シ樹脂やフェノール樹脂、ポリイミド樹脂などの熱や光
でポリマー化する有機樹脂が、ポリマー化する前の材料
の状態で溶媒に溶解した材料や、既にポリマー化した有
機樹脂、例えばポリイソプレンやポリブタジェンなどの
ゴム系の樹脂が溶媒に溶解したような材料を用いること
ができる。
【0103】また、レジスト欠落欠陥の修正は、修正装
置内に赤外線照射装置や紫外線照射装置などの液体材料
5を硬化する機能を有する装置が含まれていると、修正
の工程を一貫して行うことができて望ましい。メインの
製造ラインに対してオフラインの位置に修正装置が配置
されている場合には、その修正装置内か、オフラインの
位置かに液体材料5を硬化する手段を有する構成にする
と、修正工程をメインの製造工程から完全に独立にする
ことができて、製造ラインの流れを妨げることが無くな
り、全体のスループットを維持する上で有意義である。
この構成とは逆に、ほとんど必ずという程欠陥修正が必
要であるような場合には、製造ライン中に修正装置を配
置し、修正での液体材料5の硬化と製造工程中でのそれ
を共通の装置で行うようにすると、設備コストを抑制す
る効果がある。
【0104】レジスト欠落欠陥の修正工程を、整理して
説明する。まず、検査装置から送られる基板7の欠陥位
置情報を取り込む。次に、必要に応じて、モニタ用基板
21により供給条件を設定し、修正すべき基板7を、先
に取り込んだ欠陥位置情報に従い試料ステージ8を介し
て位置決めする。次に修正のための液体材料5を微量供
給し、修正装置上もしくは別の装置に設けられている液
体材料硬化手段により液体材料5を硬化させる。この時
点で修正が成功裏に終了した場合、基板7はアンロード
されて、製造工程の所定の工程に流される。しかし、修
正がうまくいかず、余剰に修正膜が形成されたような場
合には、その余剰部をスポット露光によりトリミングし
たり、レーザ除去加工により除去したり、或いは機械的
に削り取るような手段により除去し、しかる後、製造工
程に流される。
【0105】また、レジストワニスのように感光性の材
料を修正に用いる場合、液体材料微量供給装置の観察光
学系4は、観察や供給形状の取り込みに用いる照明光の
波長を適当に調整する機能を持っていることが必要にな
るが、これは、光路の途中に液体材料5の感光する波長
より短い波長をカットする光学フィルタなどを設けるこ
とにより実現できる。この場合、修正処理を行う部屋の
光源に対しても同様の観点から、液体材料5の感光する
波長より短い波長の光をカットしたランプを用いること
になる。また、基板7の持ち運びのための容器も、液体
材料5の感光する波長より短い波長を透過しない材質で
できていることが望ましい。
【0106】つぎに、有機ポリマや酸化珪素などからな
る絶縁膜パターンの欠落欠陥も、前記図1ないし図5を
参照して説明した液体材料微量供給装置の各実施例の内
いずれかの実施例を用いることにより、前記レジスト欠
落欠陥の修正工程と同様の工程にて修正することができ
る。この場合の供給する材料としては、有機ポリマまた
はその重合前の材質を溶媒に溶かして液体状にした材
料、エポキシ樹脂などのような熱・光硬化性材料とその
硬化剤からなる液体状材料、あるいはシリカなどの無機
材料をコロイド状に溶解した液体材料などを用いること
ができる。そして、この修正の場合には、修正用液体材
料を供給する際に、バイアホールやスルーホールまたは
接続パッドなどの導体露出部に流れ込まないように、供
給量および供給位置を制御しながら供給することが望ま
しい。
【0107】さらに、配線パターンの欠落欠陥も、前記
図1ないし図5を参照して説明した液体材料微量供給装
置の各実施例の内いずれかの実施例を用いることによ
り、前記レジスト欠落欠陥および絶縁膜パターンの欠落
欠陥の修正工程と同様の工程にて修正することが可能で
ある。この場合の液体材料5としては、例えば金属超微
粒子などの導電性粒子を溶媒中に分散させたものを使用
し、該液体材料5を断線部の両側の配線端部に架かるよ
うに供給し、この後、炉中にてベークしたり赤外線ラン
プにより加熱したりすることにより溶媒を蒸発除去し、
液体材料5中に含まれた導電材料を配線断線部に堆積さ
せることにより修正する。あるいは、液体材料5として
金属錯体化合物を含んだ液体材料を用い、配線断線部に
局所的に供給した後、やはり炉中にてベークしたり赤外
線ランプまたはレーザ照射により加熱したりすることに
より、金属錯体化合物を熱分解させて金属膜を析出し、
これにより、配線断線部のみに選択的に導電膜を析出さ
せて断線欠陥を修正する。
【0108】前記レジストパターン、絶縁膜パターンお
よび配線パターンの各パターン修正は、前記図1ないし
図5を参照して説明した各実施例の液体材料微量供給装
置を使用することにより、修正すべきパターン欠落欠陥
部に微量のパターン修正用の液体材料を制御性、再現性
よく供給して行うことができるという作用・効果を奏す
るのは勿論であるが、これらの各液体材料微量供給装置
に使用するピペット1に変えて、前記図9ないし図12
を参照して説明した液体材料のぬれ上がり付着防止の防
止膜1aを形成したピペット1を使用することにより、
前記作用・効果を一層向上させることが可能になる。
【0109】また、前記図1ないし図5に示す各液体材
料微量供給装置は、いずれもピペット1近傍を液体材料
の揮発性ガス雰囲気に包む手段を有しているが、該手段
を有しない市販のマイクロインジェクション装置を利用
した前記図13ないし図17に示す液体材料微量供給装
置を使用することによっても、前記レジストパターン、
絶縁膜パターンおよび配線パターンの各パターン修正
を、前記と同様に制御性、再現性よく行うことが可能で
ある。そして、前記と同様にこれらの各液体材料微量供
給装置に使用するピペット1に変えて、前記図9ないし
図12にて説明した防止膜1aを形成したピペット1を
使用することにより、前記作用・効果を一層向上させる
ことが可能になる。
【0110】前記レジストパターン、絶縁膜パターンお
よび配線パターンの各パターン修正方法においては、供
給する液体材料5を、これらの各パターン形成に用いた
材料そのものとするか、または、同様の機能を有する他
の異なる材料としてもよい。また、前記微量供給特性に
鑑みて、固化する成分は同じでも、溶媒だけ変えたもの
を用いることも可能である。この固化する成分が同一
で、溶媒だけを変える場合には、例えば、表面張力が大
きい溶媒を選択したり、沸点が高く常温での蒸気圧が低
い溶媒に変えることにより、ピペット1先端における液
体材料のぬれ上がり付着およびその硬化を抑制すること
が容易になる。
【0111】このように、本発明の液体材料微量供給装
置を用いると、所望のパターン欠落欠陥部のみに局所的
に液体材料が供給でき、洗浄工程やホトリソグラフィ工
程などの基板全面に対する大がかりな工程を使用するこ
となくパターン欠落欠陥の修正を行うことができるの
で、基板の製造歩留まりの向上を図ることができるとと
もに、前記レジストパターンをはじめとする各種パター
ンの再形成の頻度が減少し、生産に要する時間を短縮す
ることができるので、製品コスト低減に貢献することが
できる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体材料
微量供給装置は、半導体素子や回路基板のパターン欠落
欠陥に対して、レジストワニスのような揮発性の高い成
分と固化する成分とからなるパターン修正用の液体材料
を、ピペット先端での材料詰まりや材料の凝固、および
ピペット先端部へのぬれ上がり付着を発生させることな
く、制御性、再現性よく継続的に微量供給することがで
きる効果を奏する。
【0113】そして、本発明の液体材料微量供給装置を
使用することにより、半導体素子や回路基板等のパター
ン欠落欠陥部を、レジストワニスのような揮発性の高い
成分を含むパターン修正用の液体材料を安定的に微量供
給して修正することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の液体材料微量供給装置
の構成説明図である。
【図2】本発明の第2の実施例の液体材料微量供給装置
の構成説明図である。
【図3】図2のスカート下部のギャップとバッファガス
流量との関係を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例の液体材料微量供給装置
の構成説明図である。
【図5】本発明の第4の実施例の液体材料微量供給装置
の構成説明図である。
【図6】レジスト欠落欠陥の一例を示す図である。
【図7】本発明による図6に示すレジスト欠落欠陥の修
正例の説明図である。
【図8】本発明のピペット先端部に液体材料のぬれ上が
り付着防止用の防止膜を形成した状態を示す図である。
【図9】本発明のピペットに対する防止膜の第1の形成
方法の説明図である。
【図10】本発明のピペットに対する防止膜の第2の形
成方法の説明図である。
【図11】本発明のピペットに対する防止膜の第3の形
成方法の説明図である。
【図12】本発明のピペットに対する防止膜の第4の形
成方法の説明図である。
【図13】本発明の液体材料のピペット先端部へのぬれ
上がり付着をピペットの挙動制御を介して防止する実施
例の説明図である。
【図14】本発明のパルスガス圧印加時における液体吐
出状況を示す図である。
【図15】本発明の液体材料のピペット先端部へのぬれ
上がり付着を基板上に吐出した液体材料を冷却して防止
する実施例の説明図である。
【図16】本発明のピペット先端部にぬれ上がり付着し
た液体材料をピペット洗浄機構を介して除去する実施例
の説明図である。
【図17】図16のピペット洗浄機構の1例を示す図で
ある。
【図18】従来の液体材料微量供給装置の一例であるマ
イクロインジェクション装置の構成を示す図である。
【図19】従来のピペット先端部に液体材料がぬれ上が
り付着する状態を示す図である。
【符号の説明】
1…ピペット、1a…防止膜、2…ピペット駆動機構、
3…パルスガス圧印加機構、4…観察光学系、5…液体
材料、5a…液体材料5の揮発性成分、6、6a…ガス
圧伝播チューブ、7…基板、8、8a…試料ステージ、
9…モニタ、10…気密性カバー、11…ウインドウ、
12a、12b、12c、12d、12e…ポート、1
3、13a…容器、14…バルブ、15…温調器、16
…調圧弁、17…不活性ガス、18…排気ポンプ、19
…分圧モニタ、20…端子、21…モニタ用基板、22
…制御装置、23…除害装置、24…雰囲気制御用スカ
ート、25…スカート駆動機構、26…微動機構、27
…流量計、28…試料ステージ8a上のスカートランデ
ィング領域、29…アーム、30…流量制御装置、31
…鞘、32…ピペット支持体、33…シャッタ、34
a、34b…モータ、35…カップリング、36…シャ
フト、37a、37b…圧力センサ、38…レジスト、
39…金属薄膜、40…レジスト欠落欠陥部、41…修
正用レジスト、50…吐出された液体材料、50a…ピ
ペット先端部に付着した液体材料、51…ワニス、52
…モータ、53…治具、54…ヒータ、55…噴霧器、
56…噴霧、57…電極膜、58…微粒子、59…電解
液、60…他の電極、61…ターゲット、62…中間
層、63…減圧チャンバー、64…プラズマ、65…ぬ
れ上がり防止材料容器、66…排気ポンプ、67…バッ
ファガス容器、68a、68b、68c…バルブ、69
…ぬれ上がり防止材料、70…ヒータ、71…ぬれ上が
り防止材料分子、72…制御装置、73…基板冷却機
構、74…ピペット洗浄機構、75…溶媒容器、76…
有機溶媒、77…超音波発振源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027 H05K 3/22 A 7511−4E (72)発明者 宮内 建興 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 水越 克郎 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 今武 美津子 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 片山 薫 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内 (72)発明者 松崎 英夫 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 宮田 一史 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部が細径に絞られ該先端より液体材
    料を吐出する中空状のピペットと、該ピペットを粗・微
    動させるピペット駆動機構と、ピペットにパルス状のガ
    ス圧を印加する加圧機構と、前記液体材料の被供給部を
    監視する観察光学系とからなる液体材料のインジェクシ
    ョン装置と、前記液体材料が供給される基板を載置する
    試料ステージとを備えた液体材料微量供給装置におい
    て、前記ピペット近傍のガス雰囲気を、前記液体材料に
    含まれる揮発性成分の飽和蒸気圧、または該飽和蒸気圧
    に近似の蒸気圧の蒸気を含む雰囲気に形成する手段を備
    えたことを特徴とする液体材料微量供給装置。
  2. 【請求項2】 前記ピペット近傍のガス雰囲気形成手段
    が、前記ピペットおよび基板を載置した試料ステージを
    包含する気密性の閉空間を形成し、該形成された閉空間
    内を、供給された液体材料に含まれる揮発性成分の飽和
    蒸気圧、または該飽和蒸気圧に近似の蒸気圧の蒸気を含
    む雰囲気に保つ気密性カバーを備えてなる請求項1記載
    の液体材料微量供給装置。
  3. 【請求項3】 前記ピペット近傍のガス雰囲気形成手段
    が、前記ピペットおよび該ピペットによる基板上の液体
    材料供給部近傍の局所領域を、該局所領域で基板表面と
    非接触状態にて包囲する閉空間を形成し、該形成された
    局所的閉空間内を、供給された液体材料に含まれる揮発
    性成分の飽和蒸気圧、または該飽和蒸気圧に近似の蒸気
    圧の蒸気を含む雰囲気に保つ雰囲気制御用スカートを備
    えてなる請求項1記載の液体材料微量供給装置。
  4. 【請求項4】 前記ピペット近傍のガス雰囲気形成手段
    が、前記液体材料を基板に対して供給中はピペットを外
    部に突出可能にし、非供給中はピペットを内部に密封し
    て収納し、該ピペットを収納した内部を、供給された液
    体材料に含まれる揮発性成分の飽和蒸気圧、または該飽
    和蒸気圧に近似の蒸気圧の蒸気を含む雰囲気に保つ鞘を
    備えてなる請求項1記載の液体材料微量供給装置。
  5. 【請求項5】 前記雰囲気制御用スカートが、該スカー
    トの下端と基板または前記試料ステージ表面との間のギ
    ャップ制御を、供給される液体材料の揮発性成分の蒸気
    を含んだガスの印加圧力調整可能な制御手段を介して行
    われる請求項3記載の液体材料微量供給装置。
  6. 【請求項6】 先端部が細径に絞られ該先端より液体材
    料を吐出する中空状のピペットと、該ピペットを粗・微
    動させるピペット駆動機構と、ピペットにパルス状のガ
    ス圧を印加する加圧機構と、前記液体材料の被供給部を
    監視する観察光学系とからなる液体材料のインジェクシ
    ョン装置と、前記液体材料が供給される基板を載置する
    試料ステージとを備えた液体材料微量供給装置におい
    て、前記液体材料が基板上に吐出された際、該吐出され
    た液体材料が前記ピペットにぬれ上がり付着するのを防
    止可能な前記液体材料より小さい表面張力を有する材質
    の防止膜を、前記ピペットの先端部およびその近傍に形
    成したことを特徴とする液体材料微量供給装置。
  7. 【請求項7】 前記ピペットに形成した防止膜が、溶解
    した防止膜用材料を貯留した槽内にピペット先端部を浸
    漬した際、該先端部に付着した防止膜用材料のうち余分
    な防止膜用材料が遠心力を介して除去され、その後乾燥
    して形成されてなる請求項6記載の液体材料微量供給装
    置。
  8. 【請求項8】 前記ピペットに形成した防止膜が、溶解
    した防止膜用材料を収納した噴霧器により該防止膜用材
    料がピペット先端部の外表面に吹き付け塗布され、その
    後乾燥して形成されてなる請求項6記載の液体材料微量
    供給装置。
  9. 【請求項9】 前記ピペットに形成した防止膜が、先端
    部外表面に導電性膜を形成したピペットを防止膜用材料
    の微粒子を分散させた電解液に浸漬し、該電解液内の他
    の電極との間に直流電圧を印加してピペット先端部外表
    面に防止膜用材料の微粒子を電着させ、該電着部をその
    後乾燥して形成されてなる請求項6記載の液体材料微量
    供給装置。
  10. 【請求項10】 前記ピペットに形成した防止膜が、減
    圧チャンバー内にてピペットの先端部外表面に形成され
    た表面張力が大きく、かつ表面活性の大きい金属材から
    なる中間層上に、前記減圧チャンバー内に導入された分
    子状の防止膜用材料を物理的または化学的に吸着させて
    形成されてなる請求項6記載の液体材料微量供給装置。
  11. 【請求項11】 前記ピペットに形成した防止膜が、ス
    パッタリングまたは蒸着のドライ成膜プロセスを介して
    形成されてなる請求項6記載の液体材料微量供給装置。
  12. 【請求項12】 先端部が細径に絞られ該先端より液体
    材料を吐出する中空状のピペットと、該ピペットを粗・
    微動させるピペット駆動機構と、ピペットにパルス状の
    ガス圧を印加する加圧機構と、前記液体材料の被供給部
    を監視する観察光学系とからなる液体材料のインジェク
    ション装置と、前記液体材料が供給される基板を載置す
    る試料ステージとを備えた液体材料微量供給装置におい
    て、前記ピペットを、前記液体材料が基板上に吐出され
    た際、該吐出された液体材料が前記ピペットにぬれ上が
    り付着するのを防止可能な前記液体材料より小さい表面
    張力を有する材料にて形成したことを特徴とする液体材
    料微量供給装置。
  13. 【請求項13】 先端部が細径に絞られ該先端より液体
    材料を吐出する中空状のピペットと、該ピペットを粗・
    微動させるピペット駆動機構と、ピペットにパルス状の
    ガス圧を印加する加圧機構と、前記液体材料の被供給部
    を監視する観察光学系とからなる液体材料のインジェク
    ション装置と、前記液体材料が供給される基板を載置す
    る試料ステージとを備えた液体材料微量供給装置におい
    て、前記ピペット駆動機構と観察光学系との間に、基板
    上への前記液体材料の吐出開始を検知して所定時間経過
    後、該吐出した液滴高さの頂部位置に常にピペットの先
    端部を位置させる制御装置を設けたことを特徴とする液
    体材料微量供給装置。
  14. 【請求項14】 先端部が細径に絞られ該先端より液体
    材料を吐出する中空状のピペットと、該ピペットを粗・
    微動させるピペット駆動機構と、ピペットにパルス状の
    ガス圧を印加する加圧機構と、前記液体材料の被供給部
    を監視する観察光学系とからなる液体材料のインジェク
    ション装置と、前記液体材料が供給される基板を載置す
    る試料ステージとを備えた液体材料微量供給装置におい
    て、前記基板上に吐出された液体材料を所定の温度に冷
    却する基板冷却機構を設けたことを特徴とする液体材料
    微量供給装置。
  15. 【請求項15】 先端部が細径に絞られ該先端より液体
    材料を吐出する中空状のピペットと、該ピペットを粗・
    微動させるピペット駆動機構と、ピペットにパルス状の
    ガス圧を印加する加圧機構と、前記液体材料の被供給部
    を監視する観察光学系とからなる液体材料のインジェク
    ション装置と、前記液体材料が供給される基板を載置す
    る試料ステージとを備えた液体材料微量供給装置におい
    て、前記試料ステージ上の基板近傍に、ピペット先端部
    に付着した前記液体材料を洗浄除去するピペット洗浄機
    構を設けたことを特徴とする液体材料微量供給装置。
  16. 【請求項16】 電子回路基板のレジストパターン、絶
    縁膜パターン、配線パターン等のパターン欠落欠陥の修
    正を行うパターン修正方法において、(i)パターン修
    正用の液体材料を充填したピペットを試料ステージに載
    置された基板上に位置させ、(ii)前記ピペット近傍の
    ガス雰囲気を、ガス雰囲気形成手段を介して前記液体材
    料に含まれる揮発性成分の飽和蒸気圧、または該飽和蒸
    気圧に近似の蒸気圧の蒸気を含む雰囲気に形成し、(ii
    i)試料ステージを介して基板位置を調整した後、ピペ
    ット先端部を液体材料を供給する基板位置に接触させ、
    (iv)パルスガス圧印加機構を介して予め設定されたイ
    ンジェクション条件によりピペットにパルス状のガス圧
    を印加し、(v)前記ピペットに充填された液体材料
    を、基板のパターン欠落欠陥部に微量供給して修正する
    ことを特徴とするパターン修正方法。
  17. 【請求項17】 電子回路基板のレジストパターン、絶
    縁膜パターン、配線パターン等のパターン欠落欠陥の修
    正を行うパターン修正方法において、(i)パターン修
    正用の液体材料がピペット先端より基板上に吐出された
    際、該吐出された液体材料の前記ピペットへのぬれ上が
    り付着防止可能な前記液体材料より小さい表面張力を有
    する材質の防止膜を、先端部およびその近傍に形成した
    ピペットを使用し、(ii)前記ピペットにパターン修正
    用の液体材料を充填して試料ステージに載置された基板
    上に位置させ、(iii)試料ステージを介して基板位置
    を調整した後、ピペット先端部を液体材料を供給する基
    板位置に接触させ、(iv)パルスガス圧印加機構を介し
    て予め設定されたインジェクション条件によりピペット
    にパルス状のガス圧を印加し、(v)前記ピペットに充
    填された液体材料を、基板のパターン欠落欠陥部に微量
    供給して修正することを特徴とするパターン修正方法。
  18. 【請求項18】 電子回路基板のレジストパターン、絶
    縁膜パターン、配線パターン等のパターン欠落欠陥の修
    正を行うパターン修正方法において、(i)パターン修
    正用の液体材料がピペット先端より基板上に吐出された
    際、該吐出された液体材料の前記ピペットへのぬれ上が
    り付着防止可能な前記液体材料より小さい表面張力を有
    する材質の防止膜を、先端部およびその近傍に形成した
    ピペットを使用し、(ii)前記ピペットにパターン修正
    用の液体材料を充填して試料ステージに載置された基板
    上に位置させ、(iii)前記ピペット近傍のガス雰囲気
    を、ガス雰囲気形成手段を介して前記液体材料に含まれ
    る揮発性成分の飽和蒸気圧、または該飽和蒸気圧に近似
    の蒸気圧の蒸気を含む雰囲気に形成し、(iv)試料ステ
    ージを介して基板位置を調整した後、ピペット先端部を
    液体材料を供給する基板位置に接触させ、(v)パルス
    ガス圧印加機構を介して予め設定されたインジェクショ
    ン条件によりピペットにパルス状のガス圧を印加し、
    (vi)前記ピペットに充填された液体材料を、基板のパ
    ターン欠落欠陥部に微量供給して修正することを特徴と
    するパターン修正方法。
  19. 【請求項19】 前記基板に対する液体材料の供給が、
    該基板への供給に先立ち、該基板と並列に試料ステージ
    上に配置され、かつ該基板のレジストパターンと表面状
    態が同じモニタ基板上に供給され、該供給された液体材
    料の供給形状・寸法が所定値になったことを確認した後
    行われる請求項16、17または18記載のパターン修
    正方法。
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