JPH08662A - ポケット構造を持つ使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ポケットギャザー部の補強と排泄物の逆戻り
を少なく肌への不快感を軽減した排泄物を収容するポケ
ット及びポケットギャザーを形成するおむつの提供。 【構成】 表面シート１の上に親水性表面シートをおむ
つの幅方向中央領域に配置しかつその幅方向両側に折立
て部を設け、さらに幅方向フリー側を折り返し、その中
に伸縮弾性体７を伸長状態に接着固定する一方、疎水性
表面シートは２枚の、山部と谷部を備えたシートを向き
合わせ、端部において山部同士を一部重ね合せ、谷部同
士を対面させ、中央部にポケット６を形成し、折立て部
の上に疎水性表面シートのポケット部側端縁部とを重ね
合わせ接着して一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は子供用あるいは大人用の
使い捨ておむつに関し、更に詳しく述べると、排泄物収
納のためのポケットをおむつ中央部に有した使い捨てお
むつに関する。

【０００２】

【従来の技術】ポケット構造を持つ使い捨ておむつにつ
いては、本発明者らが開発した特開平３−２１８７５１
号公報、特開平４−１５０８５３号公報等に開示されて
いる。

【０００３】例えば、特開平４−１５０８５３号に開示
されているおむつにおいては、表面シ―トと裏面シ―ト
との間に吸収性芯体が配置されている。前記表面シ―ト
は３枚のシートで構成されているが、そのうちの一枚は
親水性シ―トで構成されていて、吸収性芯体とほぼ同じ
長さで該芯体上面に取りつけれられている。他の２枚は
疎水性シ―ト（ポケット表面材とその裏打ち材）で構成
されていて、前記親水性シ―トの上に取り付けられて前
記吸収性芯体上面を被覆して親水性シートからの尿の逆
戻りを防ぎながら前記疎水性シ―トの中央領域に排泄物
を落とし込みむためのポケットを孔ぐりして設けると共
に、前記ポケットの両側にポケットを起立開口させるよ
うに収縮力を付与する伸縮弾性体が取り付けられてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のおむつは、疎水
性シ―トの中央領域に排泄物の落とし込みのためのポケ
ットを設けることを特徴とするものであるが、これを製
造する場合にはポケット表面材の中央を孔ぐり（切り抜
き）してポケットを形成しなければならない。この孔ぐ
りはかなりの量のポケット形成用表面材を無駄にするう
えに、切り抜いた材料の処理に煩雑な手間を要する。

【０００５】また、この種のポケット構造を有するおむ
つは、ポケットの開口を大きくし、またポケットギャザ
ーを取り付けてポケット両端を立ち上げるように立体構
造を付与すれば、排泄物がポケットギャザーから外側へ
漏れ出す危険を少なくすることができる。すなわちポケ
ット開口を大きくしてあれば、排泄位置がずれたときで
も排泄物をポケット孔に収容することができ、換言すれ
ば排泄物が外に漏れるトラブルを防ぐことができる。

【０００６】しかしポケット孔を大きくすれば、ポケッ
ト開口を通して尿等を含んだ親水性シ―トが肌に直に接
するのでその湿潤感は一般に肌に不快に感ずることが多
い。よって、肌への不快感の減少と云う意味合いから
は、ポケット開口は狭い方がよい。

【０００７】ところで、ポケット両側に取り付けるポケ
ットギャザーはポケット表面材と裏打ち材との間に伸縮
弾性体を伸長状態を保ちつつ接着して構成しているの
で、その収縮により表面材を起立させる。その結果とし
て収縮力が表面材に作用してポケットが形成される。ま
た前記ポケット表面材の端部に取り付ける両ポケットギ
ャザーの取付位置によって着用者の身体側に起立する表
面材の立ち（ポケットの深さ）が決まってくる。一般的
には、両ギャザーの間の距離を狭くするとポケットは深
くなり、立体的に大きなポケットが形成されるが、反対
に両ギャザーの間の距離を広くするとポケット深さは小
さくなるが、該距離は当然のことながら制限があり、表
面材の使用量やおむつの大きさに応じてそのギャザーの
取付位置は広いものから狭いものまで自由に設定しうる
自由度がある必要がある。

【０００８】さらに上記のおむつは、疎水性のポケット
表面材と裏打ち材との間に、伸縮弾性体を挟み込んだう
えで接着しポケットギャザーを形成しているが、伸縮弾
性体を挟み込み接着するには、ホットメルト接着剤を使
用するのでポケット表面材に裏打ち材を貼付する必要が
ある。この裏打ち材は、従来のものは、ポケット表面材
とは別の素材から形成されていた。そしておむつを連続
生産する際に、この裏打ち材をポケット表面材とは別の
巻き取りから繰り出して、ポケット表面材と裏打ち材と
の間に伸縮弾性体を伸長状態を保ちつつ接着している
が、裏打ち材を別素材とすると素材数、巻き取りスタン
ド数が増し、従ってポケットギャザーの接着工程がかな
り複雑となる。

【０００９】本発明の目的は、上記した従来のポケット
構造を持つ使い捨ておむつの欠点を除去するものであっ
て、ポケット表面材の開口部の開口面積を大きくしなが
ら、ポケットギャザーの間隔を狭くも広くもできるよう
になし、また表面材を多層構造にすることによりポケッ
トギャザー部の補強と排泄物の肌への逆戻りを軽減しよ
うとするものものである。すなわち本発明は、吸収性芯
体上面に取りつける中央の親水性シ―ト（センター表面
材）の両端部を折り返し、ポケットギャザーを形成する
際にポケット表面材の裏打ち材として利用するものであ
る。

【００１０】また本発明は、おむつ製造時、表面材の中
央部を長手方向にほぼＳ字状または階段状をなす切断線
により切断して形成された２つの切断片を展開し、その
一方を１／２波長ずらしてその山部を一部重ね合わせる
のみで、表面材の中央を孔ぐり（切り抜き）してポケッ
トを形成する従来のものに較べて、使用材料を少なくで
きる使い捨ておむつを提案することを目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明たるおむつは、液体不透過性の裏面シートと
親水性の表面シートとの間に液体吸収体が固定されてい
るおむつにおいて、前記表面シートの上に更に疎水性表
面シートが固定され、前記親水性表面シートはおむつの
幅方向中央領域に配置されているとともに、該親水性表
面シートはその幅方向両側に折立て部を設けたうえで該
折立て部の幅方向フリー側を折り返し、その折り返しの
中に伸縮弾性体を伸長状態に接着固定する一方、前記疎
水性表面シートはおむつの幅方向の両側領域に配置され
ているとともに、該疎水性表面シートは２枚の、山部と
谷部を備えたシートを向き合わせ、かつ端部において山
部同士を一部重ね合せるように配置し、谷部同士を対面
させて中央部にポケットが形成され、また前記折立て部
の上に前記疎水性表面シートのポケット部側端縁部とを
重ね合わせ接着して一体化したことを特徴とする。

【００１２】

【作用】本発明のおむつは、親水性表面シートの上に更
に疎水性表面シートが固定され、前記親水性表面シート
はおむつの幅方向中央領域に配置され、また前記疎水性
表面シートはおむつの幅方向の両側領域に配置され、か
つ前記疎水性表面シートは２枚の、山部と谷部を備えた
シートを向き合わせ、かつ端部において山部同士を一部
重ね合せるように配置し、中央部にポケット部を形成し
ているから、排泄物はポケット内に落とし込まれ、ポケ
ット開口両側外層の疎水性表面シートにより逆戻りが阻
止されるので、排泄物が直接肌に接触することがない。
折立て部の幅方向フリー側を折り返し、その折り返しの
中に伸縮弾性体を伸長状態に接着固定してポケットギャ
ザーを形成しているので、排泄物がポケットを乗り越え
て漏れ出すのを防ぐ作用がある。 疎水性のポケット表面材の開口を大きくとりながら、親
水性のセンター表面材に設けたポケットギャザーにより
開口幅を狭く設定できる。湿り感の大きい吸収体上での
センター表面材の折立て部は、各表面材が３層になるか
ら排泄物の肌への逆戻りを軽減する。また前記ポケット
ギャザーは、センター表面材の連続した折立て部の幅方
向フリー側の折り返し構造で補強される。

【００１３】

【実施例】本発明のおむつの実施態様を図面に基づいて
説明する。図１は本発明によるおむつの一実施例を示し
た展開平面図、図２は図１におけるＡ−Ａ線に沿った断
面図を示している。

【００１４】以下、図１及び図２に基づいて説明する。
図において、符号１は液体不透過性の裏面シート、２は
親水性の表面シートであり、３は両シートの間に固定す
る吸収体を示す。前記裏面シートは平面から見ると中央
部が内側にくびれた砂時計形をなし、その中央部に裏面
シートより小面積の砂時計形をした吸収体３が載置さ
れ、またその両側縁に股ギャザー形成用伸縮弾性体４が
配置され、これらは後記のように表面シートと一体に接
着されている。

【００１５】符号５は前記親水性表面シート２の上に固
定する疎水性表面シートである。図示のように親水性表
面シート２はおむつの幅方向中央領域に配置し、またこ
の親水性表面シートはその幅方向両側に折立て部２ａを
設けたうえで該折立て部の幅方向フリー側を折り返し、
その折り返し２ｂの中に伸縮弾性体７を伸長状態に接着
固定する。

【００１６】前記疎水性表面シート５はおむつの幅方向
の両側領域に配置する。前記疎水性表面シート５、５は
２枚の、山部と谷部を備えたシートを向き合わせ、かつ
端部において山部同士を一部重ね合せるように配置し、
中央で谷部同士を対面させることによって排泄物収納の
ためのポケット６を形成する。またそのポケットの開口
の内側に、折立て部２ａの幅方向フリー側の折返し２ｂ
の中に伸縮弾性体７を狭持させせて構成したポケットギ
ャザーが一部露出している。図２のように、前記伸縮弾
性体７の収縮により、疎水性表面シート５と折立て部２
ａが起立して、ポケット６が形成される。

【００１７】本明細書では、おむつの幅方向中央部に設
ける親水性シート２を、センター表面材と称することが
あり、またポケット６を設けるためにおむつの幅方向の
両側領域に設ける疎水性シート５を、ポケット表面材と
称することがある。

【００１８】この実施例の場合、ポケットの開口部は、
表面材の中央に長手方向にほぼＳ字状をなす切断線によ
り切断して形成された２つの波形片を展開した上、その
一方を１／２波長をずらして山部を互いに重ね合わせ、
谷部同士を対面させるように配置してポケット６の開口
を形成している（図１、図２参照）。この例では、ポケ
ット開口幅は１００ｍｍ、ポケットギャザー開口間隔
は７０ｍｍ、ポケットギャザー形成に要するセンター
表面材折り幅は１０ｍｍ、センター表面材折立て位置
（幅）は１４０ｍｍ、センター表面材折立て幅３５
ｍｍ、ポケット表面材開口からポケットギャザーの露出
している幅１５ｍｍ、製品幅３１０ｍｍとしてい
る。ちなみに本例のポケット表面材の使用幅は２６５ｍ
ｍ，センター表面材の使用幅は、２３０ｍｍである。

【００１９】前述のように本発明のおむつは、親水性表
面シート（センター表面材）２の両側を上方に折り返し
て折立て部２ａを設けたうえで、その部分２ａと前記疎
水性表面シート（ポケット表面材）５のポケット部側端
縁部２ａとを重ね合わせている。また該折立て部の幅方
向フリー側を折り返し、そのその折り返しすなわち重合
部分に、ポケットギャザー形成用伸縮弾性体７を伸長状
態を保ちつつ、表面材長手方向に平行に挟み込んでホッ
トメルト接着剤で接着することにより、裏打ち材として
センター表面材を折り込んで利用している。従って別素
材の巻き取りや軸受けスタンドを用意する必要はない。

【００２０】本発明に用いる液体不透過性の裏面シート
１としては、例えばポリエチレンフィルム、撥水処理不
織布、ポリラミ不織布などが用いられ、親水性の表面シ
ート２としては、乾式不織布、有孔フィルム、疎水性繊
維の親水処理不織布などが用いられる。また前記両シー
トの間に配置される吸収体３は、フラッフパルプ、レー
ヨンなどの吸収性繊維層の２層またはそれ以上の多層か
らなり、通常は上下吸収体の上下にテイッシュペーパ
ー、乾式パルプ不織布などからなる透水性シートを配置
して使用される。各層間には高吸水性粒状物を配設する
こともできる。ここでいう高吸水性粒状物は、通常知ら
れる高吸収性ポリマ―粒子単独或いはこれに活性炭、カ
ルボキシメチルセルロ―ス、ゼオライト等を混合した粒
状物をいう。この実施例における吸収体の形状は、中央
が括れた砂時計状をしているが、平面形状が全体として
ほぼ長方形状に形成されていても良い。疎水性表面シー
ト５としては、疎水性繊維不織布例えば、ポリプロピレ
ンスパンボンド不織布素材が使用できる。

【００２１】股ギャザー形成用伸縮弾性体４及びポケッ
トギャザー形成用伸縮弾性体７としは、天然または合成
の糸状あるいは帯状ゴム、ウレタン不織布、ウレタンフ
ォームなどが使用できる。これらを前記シート間に、ホ
ットメルト接着剤、合成樹脂接着剤などの耐水性接着剤
を用いて接着する。ヒートシール、超音波シールを利用
することも可能である。

【００２２】図３は、疎水性表面シートを階段状の切断
線で切断して、２つの階段状切断片からなるポケット表
面材５ａ、５ａを形成し、これを展開し、その一方を１
／２波長をずらしてその一部を重ね合わせて開口幅の狭
い部分と広い部分を持つポケットを形成した表面構成材
の展開平面図であり、排泄位置の疎水性ポケット表面材
の開口幅を広く設定したものである。

【００２３】ポケット表面材開口幅は、広いところａ
を１４０ｍｍ、狭いところｂは７０ｍｍとした。ポケ
ットギャザー開口間隔ａは１００ｍｍ、ポケットギャ
ザー形成に要するセンター表面材折り幅ａは１０ｍ
ｍ、センター表面材折立て位置（幅）ａは１７０ｍ
ｍ、センター表面材折立て幅ａ３５ｍｍ（ポケットギ
ャザー形成後）、ポケットギャザー露出幅ａ１５ｍ
ｍ、製品幅３１０ｍｍである。本例のポケット表面材
の使用幅は２４０ｍｍ，センター表面材の使用幅は、２
６０ｍｍである。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、ポケット表面材の開口部の開
口面積を大きくしながら、ポケットギャザーの間隔を狭
くも広くもできる。そのため排泄物がポケット開口を乗
り越えて外に漏れるトラブルを防ぐことができる。また
表面材を多層構造にしたので、排泄物の肌への逆戻りを
軽減することができ、かつポケットギャザーは、センタ
ー表面材の連続した折立て部の幅方向フリー側の折り返
し構造で補強できる。

【００２５】本発明は、吸収性芯体上面に取りつける中
央の親水性シ―ト（センター表面材）の両端部を折り返
し、ポケットギャザーを形成する際の裏打ち材として利
用するものであるから、従来のもの異なり素材使用量、
スタンド数を少なくできる。

【００２６】また本発明は、おむつ製造時、表面材の中
央部を長手方向にほぼＳ字状または階段状をなす切断線
により切断して形成された２つの切断片を展開し、その
一方を１／２波長をずらしてその山部を一部重ね合わせ
るのみで、表面材の中央を孔ぐり（切り抜き）してポケ
ットを形成するものに較べて、使用材料を少なくできる
等点で工業上優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるおむつの一実施例を示す展開平面
図である。

【図２】図１におけるＡ−Ａ線に沿った断面図である。

【図３】表面構成部材の展開平面図である。

【符号の説明】 １ 裏面シート ２ 親水性表面シート ３ 吸収体 ４ 股ギャザー形成用伸縮弾性体 ５ 疎水性表面シート ６ ポケット ７ ポケットギャザー形成用伸縮弾性体

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体不透過性の裏面シートと親水性の表
   面シートとの間に液体吸収体が固定されているおむつに
   おいて、前記表面シートの上に更に疎水性表面シートが
   固定され、前記親水性表面シートはおむつの幅方向中央
   領域に配置されているとともに、該親水性表面シートは
   その幅方向両側に折立て部を設けたうえで該折立て部の
   幅方向フリー側を折り返し、その折り返しの中に伸縮弾
   性体を伸長状態に接着固定する一方、 前記疎水性表面シートはおむつの幅方向の両側領域に配
   置されているとともに、該疎水性表面シートは２枚の、
   山部と谷部を備えたシートを向き合わせ、かつ端部にお
   いて山部同士を一部重ね合せるように配置し、谷部同士
   を対面させて中央部にポケットが形成され、 また前記折立て部の上に前記疎水性表面シートのポケッ
   ト部側端縁部とを重ね合わせ接着して一体化したことを
   特徴とするポケット構造を持つ使い捨ておむつ。
2. 【請求項２】 折立て部の幅方向フリー側の折り返しの
   中に伸縮弾性体を伸長状態に接着固定して構成したポケ
   ットギャザーが、疎水性表面シートの中央をＳ字状の切
   断線で切断して、形成された２つの切断片を展開し、そ
   の一方を１／２波長をずらして、その端部において、山
   部同士を一部重ね合わせるように配置して形成されたポ
   ケットの開口の内側に一部露出している請求項１記載の
   ポケット構造を持つ使い捨ておむつ。
3. 【請求項３】 疎水性表面シートを階段状の切断線で切
   断して、形成された２つの階段状切断片を展開し、その
   一方を１／２波長をずらしてその一部を重ね合わせて開
   口幅の狭い部分と広い部分を持つポケットを形成した請
   求項１記載のポケット構造を持つ使い捨ておむつ。
4. 【請求項４】 折立て部の幅方向フリー側の折り返しの
   中に伸縮弾性体を伸長状態に接着固定して構成したポケ
   ットギャザーが、疎水性表面シートを階段状の切断線で
   切断して、形成された２つの階段状切断片を展開し、そ
   の一方を１／２波長をずらしてその一部を重ね合わせて
   開口幅の狭い部分と広い部分を持つポケットの開口の内
   側に一部露出している請求項１記載のポケット構造を持
   つ使い捨ておむつ。