JPH08655A - レ−ザ治療装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スリットランプ顕微鏡の観察光路内の所定の
位置にレ−ザ導光光学系が配置されないときは、レ−ザ
誤照射を防止する安全機構を備えたレ−ザ治療装置を提
供する。 【構成】 患者眼を観察するための細隙灯顕微鏡を備え
るレ−ザ治療装置において、治療用レ−ザ光を患者眼に
向けて反射するとともに患者眼からの治療用レ−ザ光の
反射光をほぼ遮断する光学部材を備え前記細隙灯顕微鏡
の観察光路に治療用レ−ザ光を導光する導光光学系と、
該導光光学系を前記細隙灯顕微鏡に取り付けるための取
り付け手段と、前記導光光学系が前記細隙灯顕微鏡の観
察光路上の所定の位置に配置されたか否かを検知する検
知手段と、該検知手段の検知結果に基づき治療用レ−ザ
光の照射を制限する照射制限手段とを有することを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はレ−ザ治療装置に係り、
さらに詳しく述べればレ−ザ誤照射防止のための安全機
構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、スリットランプ顕微鏡を観察
系として使用し、治療用レ−ザ光を患者眼の治療部位に
照射して凝固等を行うレ−ザ治療装置が知られている。
この種の装置においては、レ−ザ光源からの治療用レ−
ザ光を観察光路に導光する光学系の他に、照射した治療
用レ−ザ光の患者眼等からの反射光から術者の眼を保護
するための保護装置を備えている。この保護装置には術
者保護フィルタを設け、術者保護フィルタは観察時には
光量等を確保するために観察系の光路外に離脱させてお
き、レ−ザ照射のトリガ信号により観察系の光路上に挿
入される機構になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、スリットラン
プ顕微鏡がレ−ザ治療装置用の専用装置として設計され
る場合はともかく、既存のスリットランプ顕微鏡に大幅
な改造なしにレ−ザを導光する反射ミラ−や脱着自在の
術者保護フィルタを装着するのは困難である。

【０００４】また、反射ミラ−や脱着自在の術者保護フ
ィルタを装着すると、スリットランプ顕微鏡と患者眼と
の十分な作動距離を確保できなくなる。逆に、作動距離
を十分確保しようとすれば、術者保護フィルタを固定的
に光路内に配置する他なく、この様にすると観察光の一
部がカットされ、患者眼の観察が十分にできないという
問題があった。

【０００５】また、術者保護フィルタを設けなければ、
誤ってレ−ザ照射スイッチが入ってしまうと、そのまま
レ−ザ光が出射され安全性に欠けるという問題があっ
た。

【０００６】本発明の目的は、上記従来装置の欠点に鑑
み、スリットランプ顕微鏡の観察光路内の所定の位置に
レ−ザ導光光学系が配置されないときは、レ−ザ誤照射
を防止する安全機構を備えたレ−ザ治療装置を提供する
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、次のような構成を有することを特徴とす
る。

【０００８】（１） 患者眼を観察するための細隙灯顕
微鏡を備えるレ−ザ治療装置において、治療用レ−ザ光
を患者眼に向けて反射するとともに患者眼からの治療用
レ−ザ光の反射光をほぼ遮断する光学部材を備え前記細
隙灯顕微鏡の観察光路に治療用レ−ザ光を導光する導光
光学系と、該導光光学系を前記細隙灯顕微鏡に取り付け
るための取り付け手段と、前記導光光学系が前記細隙灯
顕微鏡の観察光路上の所定の位置に配置されたか否かを
検知する検知手段と、該検知手段の検知結果に基づき治
療用レ−ザ光の照射を制限する照射制限手段とを有する
ことを特徴とする。

【０００９】（２） （１）の検知手段は、前記取り付
け手段が所定の位置関係にあるか否かを検知するマイク
ロスイッチであることを特徴とする。

【００１０】（３） （１）の照射制限手段は、前記検
知手段の検知結果により前記導光光学系が前記細隙灯顕
微鏡の観察光路上の所定の位置に無いと判断されたとき
は、前記導光光学系にレ−ザ光が導かれないようにレ−
ザ光を遮断する遮断手段を備えることを特徴とする。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１は本実施例の装置の要部を側方から見た外
観図であり、図２はその一部を上方から見た図である。
１は治療光として使用するアルゴンレ−ザおよびエ−ミ
ング用の可視半導体レ−ザを内蔵するレ−ザ装置本体で
ある。レ−ザ装置本体１では、アルゴンレ−ザおよび可
視半導体レ−ザは同軸に合成された後、両レ−ザ光は光
ファイバケ−ブル２に入射する。

【００１２】３はレ−ザ光をスリットランプ顕微鏡４の
観察光路上に導光し、手術眼に向けるための光学系を具
備したレ−ザ凝固アタッチャブルデリバリであり、その
光学系は図３に示される。光ファイバケ−ブル２を出射
したレ−ザ光は、ミラ−２０でその光路を変えられ、コ
リメ−タレンズ２１で平行光束とされる。２２はズ−ム
レンズ群であり、眼底でのレ−ザ光のスポットサイズを
変化させる。２３は対物レンズ群であり、ファイバ端面
を眼底に結像する。

【００１３】２４はダイクロイックミラ−であり、ダイ
クロイックミラ−２４の素材は、アルゴンレ−ザ光を吸
収するオレンジ色のシャ−プカットフィルタを使用して
いる。その表面にはダイクロイックコ−トが施され、そ
のコ−ト膜の光学特性は次の通りである。アルゴンレ−
ザの波長域である波長５３０ｎｍ以下の光は９５％以上
反射し、可視半導体レ−ザ光（６５０ｎｍ）の波長域を
カバ−する波長５６０ｎｍ以上の可視光は６０％程透過
する。このようにダイクロイックミラ−２４はその表面
でレ−ザ光を反射するとともに、患者眼等から反射して
くるアルゴンレ−ザから術者眼を保護する保護フィルタ
の機能も兼ねている。

【００１４】２５はアッテネ−タであり、アッテネ−タ
２５はダイクロイックミラ−２４を透過したアルゴンレ
−ザ光や、ダイクロイックミラ−２４で一部反射される
スリットランプ顕微鏡４の照明系からの照明光を吸収す
る。

【００１５】以上のような光学系を持つアタッチャブル
デリバリ３は、次に説明する取付け機構によりスリット
ランプ顕微鏡４に回旋可能に取り付けられると共に、ダ
イクロイックミラ−２４がスリットランプ顕微鏡４の観
察光路上に位置しているか否かを検出するダイクロイッ
クミラ−検出機構を備えている。

【００１６】図４はこの取付け機構を説明するための、
一部断面図を含む部分側面図である。３０はアタッチャ
ブルデリバリ３をスリットランプ顕微鏡４に結合するた
めのホルダ部であり、ホルダ部３０は支基３１、支基３
１に植設された軸３２、同じく支基３１に植設されたピ
ン３３から構成され、ネジ３４にてスリットランプ顕微
鏡４の顕微鏡部４ａの頂部に固定される。

【００１７】４１は回転支基であり、回転支基４１は取
付けナット４２にてアタッチャブルデリバリ３のア−ム
部３ａに回旋可能に保持される。回転支基４１には軸３
２を嵌入する軸穴４１ａ及びピン３３を嵌入するピン穴
４１ｂが設けられており、それぞれを嵌入することによ
り回転支基４１はホルダ部３０に位置決めされて支持さ
れるとともに、固定ノブ４３（図２に図示）により固定
される。

【００１８】また、回転支基４１とア−ム部３ａの間に
は不図示のクリック機構が設けられており、このクリッ
ク機構により回旋が制限されるとともに、アタッチャブ
ルデリバリ３がスリットランプ顕微鏡４に取り付けられ
た状態では、図２に示したダイクロイックミラ−２４が
スリットランプ顕微鏡４の観察光路上に位置する位置と
図５に示す退避位置とでクリック固定される。

【００１９】ダイクロイックミラ−検出機構は図６を参
照して説明する。図６は図１のＡ−Ａ断面図を示したも
のである。回転支基４１の外周側面には前述のピン穴４
１ｂに対し所定の位置関係で面取り部４１ｃが形成され
ている。５０はマイクロスイッチであり、マイクロスイ
ッチ５０は、レ−ザ照射位置である図６の状態（ダイク
ロイックミラ−２４がスリットランプ顕微鏡４の観察光
路上に位置する位置でクリック固定されている状態）で
面取り部４１ｃに対向するように、ア−ム部３ａに取り
付け固定されている。レ−ザ凝固アタッチャブル３を図
６の状態から退避位置に回旋すると、マイクロスイッチ
５０の接触子は面取り部４１ｄの位置から回転支基４１
の周面に当接し、マイクロスイッチ５０は通電する。こ
れにより、ダイクロイックミラ−２４がスリットランプ
顕微鏡４の観察光路上から外れたことを検出する。

【００２０】以上のような構成を持つ実施例の装置にお
いて、その動作を図７の制御系ブロック図を利用して説
明する。

【００２１】レ−ザ凝固を行う場合には、ホルダ部３０
を介して取り付けられているアタッチャブルデリバリ３
を回旋し、ダイクロイックミラ−２４がスリットランプ
顕微鏡４の観察光路上にくるように位置させる。このと
き、マイクロスイッチ５０は面取り部４１ｃに対向し通
電が遮断されると、レ−ザ照射可能となる。術者は、操
作部６１に配置される各種スイッチで凝固条件の設定等
その他必要な凝固準備を行い、可視半導体レ−ザ光源６
２から出射したエイミング光を患者眼の患部に合わせた
後、レ−ザ照射スイッチ６４を押す。レ−ザ照射スイッ
チ６４が押されるとトリガ信号が制御部６０に送られ、
制御部６０はアルゴンレ−ザ光源６３にレ−ザ光を発射
させる。アルゴンレ−ザ光源６３を出射したアルゴンレ
−ザ光は光ファイバケ−ブル２、レ−ザ凝固アタッチャ
ブル３の光学系を介して患者眼に照射され、患部の凝固
を行う。

【００２２】レ−ザ凝固を行わない場合は、アタッチャ
ブルデリバリ３を退避位置に回旋してダイクロイックミ
ラ−２４をスリットランプ顕微鏡４の観察光路外に脱出
させる。ダイクロイックミラ−２４がスリットランプ顕
微鏡４の観察光路外に脱出すると、マイクロスイッチ５
０はＯＮされ、その信号は制御部６０に入力される。マ
イクロスイッチ５０からの信号を受けた制御部６０は、
シャッタ装置６５を作動させレ−ザ光の光路を遮断す
る。したがって、この状態で誤ってレ−ザ照射スイッチ
６４が押されて、アルゴンレ−ザ光源６３及び可視半導
体レ−ザ光源６２からレ−ザ光が出射されても、レ−ザ
凝固アタッチャブル３まで導かれることはなく危険なレ
−ザ照射が回避される。

【００２３】また、マイクロスイッチ５０がＯＮの状態
でレ−ザ照射スイッチ６４が押されると、制御部６０は
ブザ−等の警告装置６６を作動させ、術者に誤操作され
ていることを報知する。

【００２４】以上の実施例では、検出器としてはマイク
ロスイッチ５０を使用したが、光電スイッチ等種々の検
出器が使用できることはいうまでもなく、また、レ−ザ
誤射を避けるにはレ−ザ自体の出力を停止するようにし
てもよい。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、スリットランプ顕微鏡
に付加されたレ−ザ導光光学系が所定位置にあるか否か
を自動的に検出し、所定位置を外れたときはレ−ザ光が
術眼に照射されないので、レ−ザ誤照射の危険を回避す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の装置の要部を側方から見た外観図であ
る。

【図２】図１の一部を上方から見た図である。

【図３】レ−ザ凝固アタッチャブル３の光学系を示す図
である。

【図４】レ−ザ凝固アタッチャブルをスリットランプ顕
微鏡み取り付けるための取付け機構を説明する図であ
る。

【図５】レ−ザ凝固アタッチャブルの退避位置状態を示
す図である。

【図６】図１のＡ−Ａ断面図を示す図である。

【図７】実施例の装置の制御系ブロック図を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ レ−ザ装置本体 ３ レ−ザ凝固アタッチャブル ４ スリットランプ顕微鏡 ２４ ダイクロイックミラ− ３０ ホルダ部 ５０ マイクロスイッチ ６０ 制御部 ６５ シャッタ装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 患者眼を観察するための細隙灯顕微鏡を
   備えるレ−ザ治療装置において、治療用レ−ザ光を患者
   眼に向けて反射するとともに患者眼からの治療用レ−ザ
   光の反射光をほぼ遮断する光学部材を備え前記細隙灯顕
   微鏡の観察光路に治療用レ−ザ光を導光する導光光学系
   と、該導光光学系を前記細隙灯顕微鏡に取り付けるため
   の取り付け手段と、前記導光光学系が前記細隙灯顕微鏡
   の観察光路上の所定の位置に配置されたか否かを検知す
   る検知手段と、該検知手段の検知結果に基づき治療用レ
   −ザ光の照射を制限する照射制限手段とを有することを
   特徴とするレ−ザ治療装置。
2. 【請求項２】 請求項１の検知手段は、前記取り付け手
   段が所定の位置関係にあるか否かを検知するマイクロス
   イッチであることを特徴とするレ−ザ治療装置。
3. 【請求項３】 請求項１の照射制限手段は、前記検知手
   段の検知結果により前記導光光学系が前記細隙灯顕微鏡
   の観察光路上の所定の位置に無いと判断されたときは、
   前記導光光学系にレ−ザ光が導かれないようにレ−ザ光
   を遮断する遮断手段を備えることを特徴とするレ−ザ治
   療装置。