JPH0865098A - 弾性表面波装置 - Google Patents
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Abstract
型に関わらず、平衡−不平衡変換回路を必要とせず、小
型、高性能の弾性表面波装置を提供する。 【構成】 一方の端子が接地された送波側櫛形電極1
と、前記送波側櫛形電極1で励振された弾性表面波を電
気信号に変換する受波側櫛形電極2と、前記受波側櫛形
電極2の出力端子5に接続された平衡型弾性表面波フィ
ルタ3とを備えた構成とする。送波側櫛形電極1は、入
力端子4の一方の端子が接地されており、不平衡信号が
入力される。受波側櫛形電極2で受信された前記弾性表
面波は、平衡信号として電気信号に変換され、前記受波
側櫛形電極2の出力端子5に接続された前記平衡型弾性
表面波フィルタ3の入力端子8に入力される。
Description
る弾性表面波装置に関する。さらに詳しくは、ある特定
の周波数の電気信号のみを通すフィルターなどに使用す
ることができる弾性表面波装置に関する。
信機器等に使用される弾性表面波装置の特性に対する要
求がますます高くなってきている。従来、移動体通信機
器等のバンドパスフィルタとして使用されている弾性表
面波装置は、その全てがいわゆる不平衡型フィルタであ
った。一般に、増幅器やミキサなどの高周波回路部品
は、その特性上、平衡型の方が好ましいが、周辺回路と
の整合の問題などから主として不平衡型デバイスが使用
されている。
波数帯で現在広く用いられている、共振器型フィルタ
(特開昭52−19044号公報または特開平5−18
3380号公報)や、いわゆる多電極型フィルタ(特開
昭58−154917号公報)などは、その全てが不平
衡型デバイスであった。しかし、原理的には平衡型デバ
イスの実現が十分可能であり、平衡型弾性表面波フィル
タの移動体通信機器等への使用が期待されている。
通信機器等で使用される高周波回路部品は、そのほとん
どが不平衡型デバイスであり、平衡型デバイスと混在さ
せて使用する場合には、平衡−不平衡の変換回路が必要
となる。その結果、各種高周波部品の特性が向上する一
方で、部品点数が増大し、その結果、機器の小型化、低
コスト化が困難となるという課題を有していた。
であり、弾性表面波装置の周辺回路が平衡型、不平衡型
に関わらず、平衡−不平衡変換回路を必要とせず、小
型、高性能の弾性表面波装置を提供することを目的とす
る。
め、本発明の第1番目の弾性表面波装置は、一方の端子
が接地された送波側櫛形電極と、前記送波側櫛形電極で
励振された弾性表面波を電気信号に変換する受波側櫛形
電極と、前記受波側櫛形電極に接続された平衡型弾性表
面波フィルタとを備えたことを特徴とする。
は、平衡型弾性表面波フィルタと、前記平衡型弾性表面
波フィルタに接続された送波側櫛形電極と、前記送波側
櫛形電極で励振された弾性表面波を電気信号に変換する
ための一方の端子が接地された受波側櫛形電極とを備え
たことを特徴とする。
は、一方の端子が接地された第1の送波側櫛形電極と、
前記第1の送波側櫛形電極で励振された弾性表面波を電
気信号に変換する第1の受波側櫛形電極と、前記第1の
受波側櫛形電極に接続された平衡型弾性表面波フィルタ
と、前記平衡型弾性表面波フィルタに接続された第2の
送波側櫛形電極と、前記第2の送波側櫛形電極で励振さ
れた弾性表面波を電気信号に変換するための一方の端子
が接地された第2の受波側櫛形電極とを備えたことを特
徴とする。
においては、少なくとも3個以上の櫛形電極を弾性表面
波の伝搬方向に配置し、それぞれの櫛形電極を交互に、
送波側櫛形電極及び受波側櫛形電極としたことが好まし
い。
発明においては、送波側櫛形電極および受波側櫛形電極
の両外側に、反射器を設けたことが好ましい。次に本発
明の第4番目の弾性表面波装置は、一方の端子が接地さ
れた送波側櫛形電極と、一方の端子が接地され、前記送
波側櫛形電極で励振された弾性表面波を、互いに位相が
異なる弾性表面波として受信するように、前記送波側櫛
形電極の両側に配置された、第1及び第2の受波側櫛形
電極と、前記第1及び第2の受波側櫛形電極に接続され
た平衡型弾性表面波フィルタとを備えたことを特徴とす
る。
は、平衡型弾性表面波フィルタと、前記平衡型弾性表面
波フィルタに接続され、一方の端子が接地された第1及
び第2の送波側櫛形電極と、前記第1及び第2の送波側
櫛形電極で励振された弾性表面波を電気信号に変換する
ための一方の端子が接地された受波側櫛形電極とを備え
たことを特徴とする。
は、一方の端子が接地された第1の送波側櫛形電極と、
一方の端子が接地され、前記第1の送波側櫛形電極で励
振された弾性表面波を、互いに位相が異なる弾性表面波
として受信するように、前記第1の送波側櫛形電極の両
側に配置された、第1及び第2の受波側櫛形電極と、前
記第1及び第2の受波側櫛形電極に接続された平衡型弾
性表面波フィルタと、前記平衡型弾性表面波フィルタに
接続され、一方の端子が接地された第2及び第3の送波
側櫛形電極と、前記第2及び第3の送波側櫛形電極で励
振された弾性表面波を電気信号に変換するための一方の
端子が接地された第3の受波側櫛形電極とを備えたこと
を特徴とする。
においては、少なくとも4個以上の櫛形電極を弾性表面
波の伝搬方向に配置し、それぞれの櫛形電極を交互に、
送波側櫛形電極及び受波側櫛形電極としたことが好まし
い。
発明においては、送波側櫛形電極及び受波側櫛形電極の
両外側に、反射器を設けたことが好ましい。また前記第
1〜6番目の弾性表面波装置の発明においては、平衡型
弾性表面波フィルタが、4個の弾性表面波共振子を対称
格子型に接続したものを基本単位として、少なくとも1
段以上接続することにより構成したことが好ましい。
発明においては、送波側櫛形電極と、受波側櫛形電極と
によって現出する周波数特性において、挿入損失が最小
となる周波数と、平衡型弾性表面波フィルタの中心周波
数とがほぼ一致することが好ましい。
表面波装置の発明においては、受波側櫛形電極の出力端
子と、平衡型弾性表面波フィルタの入力端子との間に、
インピーダンス整合回路を備えたことが好ましい。
表面波装置の発明においては、平衡型弾性表面波フィル
タの出力端子と、送波側櫛形電極の入力端子との間に、
インピーダンス整合回路を備えたことが好ましい。
発明においては、送波側櫛形電極と受波側櫛形電極とが
形成された基板の物理定数と、平衡型弾性表面波フィル
タが形成された基板の物理定数とが、互いに異なること
が好ましい。
と、受波側櫛形電極とが形成された基板の電気機械結合
係数が、平衡型弾性表面波フィルタが形成された基板の
電気機械結合係数よりも実質的に大きいことが好まし
い。
と、受波側櫛形電極とが形成された基板の周波数温度係
数と、平衡型弾性表面波フィルタが形成された基板の周
波数温度係数とがほぼ一致することが好ましい。
と、受波側櫛形電極とが形成された基板と、平衡型弾性
表面波フィルタが形成された基板とが、気密保持のため
の容器に一体に実装したことが好ましい。
の出力端子と、平衡型弾性表面波フィルタの入力端子と
の間、または平衡型弾性表面波フィルタの出力端子と、
送波側櫛形電極の入力端子との間に接続されるインピー
ダンス整合回路を、気密保持のための容器に内蔵したこ
とが好ましい。
の容器が誘電体多層基板からなることが好ましい。また
前記構成においては、送波側櫛形電極と、受波側櫛形電
極と、平衡型弾性表面波フィルタとが、同一の基板上に
一体に形成されたことが好ましい。
と、受波側櫛形電極とを形成する電極の膜厚が、平衡型
弾性表面波フィルタを形成する電極の膜厚よりも厚いこ
とが好ましい。
の出力端子と、平衡型弾性表面波フィルタの入力端子と
の間、または平衡型弾性表面波フィルタの出力端子と、
送波側櫛形電極の入力端子との間に接続されるインピー
ダンス整合回路を、気密保持のための容器に内蔵したこ
とが好ましい。
の容器が誘電体多層基板からなることが好ましい。
によれば、一方の端子が接地された送波側櫛形電極と、
前記送波側櫛形電極で励振された弾性表面波を電気信号
に変換する受波側櫛形電極と、前記受波側櫛形電極に接
続された平衡型弾性表面波フィルタとを備えたことによ
り、弾性表面波装置の周辺回路が平衡型、不平衡型に関
わらず、平衡−不平衡変換回路を必要とせず、小型、高
性能の弾性表面波装置を得ることができる。その結果、
各種高周波部品に平衡型デバイスが使用でき、高周波回
路部の特性向上を図ることができる。
構成によれば、平衡型弾性表面波フィルタと、前記平衡
型弾性表面波フィルタに接続された送波側櫛形電極と、
前記送波側櫛形電極で励振された弾性表面波を電気信号
に変換するための一方の端子が接地された受波側櫛形電
極とを備えたことにより、前記同様に小型、高性能の弾
性表面波装置を得ることができ、各種高周波部品に平衡
型デバイスが使用でき、高周波回路部の特性向上を図る
ことができる。
構成によれば、一方の端子が接地された第1の送波側櫛
形電極と、前記第1の送波側櫛形電極で励振された弾性
表面波を電気信号に変換する第1の受波側櫛形電極と、
前記第1の受波側櫛形電極に接続された平衡型弾性表面
波フィルタと、前記平衡型弾性表面波フィルタに接続さ
れた第2の送波側櫛形電極と、前記第2の送波側櫛形電
極で励振された弾性表面波を電気信号に変換するための
一方の端子が接地された第2の受波側櫛形電極とを備え
たことにより、前記同様に小型、高性能の弾性表面波装
置を得ることができ、各種高周波部品に平衡型デバイス
が使用でき、高周波回路部の特性向上を図ることができ
る。
電極を弾性表面波の伝搬方向に配置し、それぞれの櫛形
電極を交互に、送波側櫛形電極及び受波側櫛形電極とし
たという好ましい例によれば、弾性表面波の双方向損失
を低減でき、弾性表面波装置の挿入損失を低減すること
ができる。
受波側櫛形電極の両外側に、反射器を設けたという好ま
しい例によれば、弾性表面波装置の挿入損失を低減する
ことができる。
構成によれば、一方の端子が接地された送波側櫛形電極
と、一方の端子が接地され、前記送波側櫛形電極で励振
された弾性表面波を、互いに位相が異なる弾性表面波と
して受信するように、前記送波側櫛形電極の両側に配置
された、第1及び第2の受波側櫛形電極と、前記第1及
び第2の受波側櫛形電極に接続された平衡型弾性表面波
フィルタとを備えたことにより、弾性表面波装置の周辺
回路が平衡型、不平衡型に関わらず、平衡−不平衡変換
回路を必要とせず、小型、高性能の弾性表面波装置を得
ることができる。その結果、各種高周波部品に平衡型デ
バイスが使用でき、高周波回路部の特性向上を図ること
ができる。
構成によれば、平衡型弾性表面波フィルタと、前記平衡
型弾性表面波フィルタに接続され、一方の端子が接地さ
れた第1及び第2の送波側櫛形電極と、前記第1及び第
2の送波側櫛形電極で励振された弾性表面波を電気信号
に変換するための一方の端子が接地された受波側櫛形電
極とを備えたことにより、前記同様に小型、高性能の弾
性表面波装置を得ることができ、各種高周波部品に平衡
型デバイスが使用でき、高周波回路部の特性向上を図る
ことができる。
構成によれば、一方の端子が接地された第1の送波側櫛
形電極と、一方の端子が接地され、前記第1の送波側櫛
形電極で励振された弾性表面波を、互いに位相が異なる
弾性表面波として受信するように、前記第1の送波側櫛
形電極の両側に配置された、第1及び第2の受波側櫛形
電極と、前記第1及び第2の受波側櫛形電極に接続され
た平衡型弾性表面波フィルタと、前記平衡型弾性表面波
フィルタに接続され、一方の端子が接地された第2及び
第3の送波側櫛形電極と、前記第2及び第3の送波側櫛
形電極で励振された弾性表面波を電気信号に変換するた
めの一方の端子が接地された第3の受波側櫛形電極とを
備えたことにより、前記同様に小型、高性能の弾性表面
波装置を得ることができ、各種高周波部品に平衡型デバ
イスが使用でき、高周波回路部の特性向上を図ることが
できる。
電極を弾性表面波の伝搬方向に配置し、それぞれの櫛形
電極を交互に、送波側櫛形電極及び受波側櫛形電極とし
たという好ましい例によれば、弾性表面波の双方向損失
を低減でき、弾性表面波装置の挿入損失を低減すること
ができる。
波側櫛形電極の両外側に、反射器を設けたという好まし
い例によれば、弾性表面波装置の挿入損失を低減するこ
とができる。
ルタが、4個の弾性表面波共振子を対称格子型に接続し
たものを基本単位として、少なくとも1段以上接続する
という好ましい例によれば、周波数特性に優れた弾性表
面波装置を得ることができる。
波側櫛形電極とによって現出する周波数特性において、
挿入損失が最小となる周波数と、平衡型弾性表面波フィ
ルタの中心周波数とがほぼ一致するという好ましい例に
よれば、弾性表面波装置の挿入損失を極小化することが
できる。
端子と、平衡型弾性表面波フィルタの入力端子との間
に、インピーダンス整合回路を備えたという好ましい例
によれば、インピーダンス不整合損失のない、周波数特
性に優れた弾性表面波装置を得ることができる。
ルタの出力端子と、送波側櫛形電極の入力端子との間
に、インピーダンス整合回路を備えたという好ましい例
によれば、前記同様、周波数特性に優れた弾性表面波装
置を得ることができる。
側櫛形電極とが形成された基板の物理定数と、平衡型弾
性表面波フィルタが形成された基板の物理定数とが、互
いに異なるという好ましい例によれば、周波数特性に優
れた弾性表面波装置を得ることができる。
波側櫛形電極とが形成された基板の電気機械結合係数
が、平衡型弾性表面波フィルタが形成された基板の電気
機械結合係数よりも実質的に大きいという好ましい例に
よれば、周波数特性に優れた弾性表面波装置を得ること
ができる。
波側櫛形電極とが形成された基板の周波数温度係数と、
平衡型弾性表面波フィルタが形成された基板の周波数温
度係数とがほぼ一致するという好ましい例によれば、使
用温度に関わらず、周波数特性の安定した弾性表面波装
置を得ることができる。
波側櫛形電極とが形成された基板と、平衡型弾性表面波
フィルタが形成された基板とが、気密保持のための容器
に一体に実装したという好ましい例によれば、弾性表面
波装置の周辺回路が平衡型、不平衡型に関わらず、平衡
−不平衡変換回路を必要としない小型の弾性表面波装置
を得ることができる。
端子と、平衡型弾性表面波フィルタの入力端子との間、
または平衡型弾性表面波フィルタの出力端子と、送波側
櫛形電極の入力端子との間に接続されるインピーダンス
整合回路を、気密保持のための容器に内蔵したという好
ましい例によれば、前記同様、平衡−不平衡変換回路を
必要としない小型、高性能の弾性表面波装置を得ること
ができる。
が誘電体多層基板からなるという好ましい例によれば、
高周波特性に優れた、小型の弾性表面波装置が実現でき
る。また前記において、送波側櫛形電極と、受波側櫛形
電極と、平衡型弾性表面波フィルタとが、同一の基板上
に一体に形成されているという好ましい例によれば、小
型、低コストの弾性表面波装置が実現できる。
波側櫛形電極とを形成する電極の膜厚が、平衡型弾性表
面波フィルタを形成する電極の膜厚よりも厚いという好
ましい例によれば、周波数特性に優れた弾性表面波装置
を得ることができる。
端子と、平衡型弾性表面波フィルタの入力端子との間、
または平衡型弾性表面波フィルタの出力端子と、送波側
櫛形電極の入力端子との間に接続されるインピーダンス
整合回路を、気密保持のための容器に内蔵したという好
ましい例によれば、前記同様、平衡−不平衡変換回路を
必要としない小型、高性能の弾性表面波装置を得ること
ができる。
が誘電体多層基板からなるという好ましい例によれば、
高周波特性に優れた、小型の弾性表面波装置が実現でき
る。
説明する。 (実施例1)図1は、本発明の第1の実施例における弾
性表面波装置の構成の概略を示す図である。図1におい
て、1は送波側櫛形電極、2は受波側櫛形電極、3は平
衡型弾性表面波フィルタである。本実施例では、まず、
41°YカットX伝搬のニオブ酸リチウム基板上に、送
波側櫛形電極1と受波側櫛形電極2を、従来のフォトリ
ソグラフィ手法により形成した。電極材料には、約2重
量%の銅を不純物として含むアルミニウムを用いた。一
方、平衡型弾性表面波フィルタ3は、直列腕弾性表面波
共振子6と、並列腕弾性表面波共振子7とを、対称格子
型に接続することにより構成している。前記平衡型弾性
表面波フィルタ3は、直列腕弾性表面波共振子6の共振
周波数と、並列腕弾性表面波共振子7の反共振周波数と
を、ほぼ一致させることによりフィルタ特性を持たせ
た。圧電基板には、36゜YカットX伝搬のタンタル酸
リチウムを用いて、前記送・受波側櫛形電極1、2と同
様、アルミニウム−銅合金を電極として、従来のフォト
リソグラフィ手法により電極パターンを形成した。前記
送・受波側櫛形電極1、2が形成された基板と、平衡型
弾性表面波フィルタ3が形成された基板は、セラミック
パッケージに一体に実装し、前記両基板間の電気的接続
及び、基板とセラミックパッケージの端子との電気的接
続はアルミニウムワイヤにより行なった。
置の動作原理について説明する。送波側櫛形電極1は、
入力端子4の一方の端子が接地されており、不平衡信号
が入力される。前記送波側櫛形電極1で励振された弾性
表面波は、受波側櫛形電極2で受信されるが、前記受波
側櫛形電極2の出力端子5の両方の端子が接地されてい
ないため、それぞれの端子では、180°位相がずれた
弾性表面波を受信することになる。したがって、前記受
波側櫛形電極2で受信された前記弾性表面波は、平衡信
号として電気信号に変換され、前記受波側櫛形電極2の
出力端子5に接続された前記平衡型弾性表面波フィルタ
3の入力端子8に入力される。
で現出される周波数特性は、sin(x)/x型のフィ
ルタ特性を有しており、その損失が最小となる周波数
(以下、単に中心周波数という)と、平衡型弾性表面波
フィルタ3の中心周波数がほぼ一致するように電極設計
を行なうことにより、弾性表面波装置全体として、フィ
ルタ特性をもたせることができる。従って、弾性表面波
装置の通過帯域では、前記送・受波側櫛形電極1、2で
現出される周波数特性、及び、平衡型弾性表面波フィル
タ3の周波数特性において、ともに損失が小さく、逆
に、通過帯域外ではともに損失が大きくなるため、全体
として従来の平衡−不平衡変換回路を使用した場合に比
較して、ダイナミックレンジの大きい高選択度のフィル
タを得ることができる。このように、前記両基板に形成
されたフィルタ特性を有するデバイスの中心周波数をほ
ぼ一致させることで、全体として、不平衡入力−平衡出
力に対応した、良好なフィルタ特性を有する弾性表面波
装置が得られる。
と、平衡型弾性表面波フィルタ3とを、互いに物理定数
の異なる基板に形成した。すなわち、前記送・受波側櫛
形電極1、2を電気機械結合係数の大きい41°Yカッ
トX伝搬のニオブ酸リチウム基板に、また、前記平衡型
弾性表面波フィルタ3を比較的電気機械結合係数の小さ
い36°YカットX伝搬のタンタル酸リチウム基板に形
成した。平衡型弾性表面波フィルタ3の周波数特性は、
例えば、移動体通信機器等のシステムに適した基板を選
択する必要がある。一方、前記平衡型弾性表面波フィル
タ3の前段に配置され、プレフィルタとしての役割をも
有する送・受波側櫛形電極対1、2は、後段の平衡型弾
性表面波フィルタ3の周波数特性、特に帯域内特性に悪
影響を与えないようにする必要がある。従って、本実施
例では電気機械結合係数の大きい41°YカットX伝搬
のニオブ酸リチウム基板を用いて、損失が最小となる周
波数帯域幅(以下、単に帯域幅という)を広くとった。
また、両基板は互いに近い周波数温度係数を持ってお
り、環境温度の変化に対しても、弾性表面波装置の特性
に大きな変化をもたらすことはない。
でも、同様の効果が得られることは言うまでもない。ま
た、本実施例では送・受波側櫛形電極1、2と、平衡型
弾性表面波フィルタ3とを、互いに物理定数の異なる基
板上に形成したが、同一の基板上に一体に形成して弾性
表面波装置を構成してもよい。この場合には、送・受波
側櫛形電極1、2と、平衡型弾性表面波フィルタ3との
電気的接続は前記基板上で行なうことができ、弾性表面
波装置の小型化が可能となる。さらに、送・受波側櫛形
電極1、2と、平衡型弾性表面波フィルタ3とを、同一
の基板上に形成した場合には、両方の周波数特性の温度
変化が同等になるため、環境温度の変化に対しても一定
の周波数特性を維持することができる。
している電極の厚さを、平衡型弾性表面波フィルタ3を
形成している電極の厚さよりも厚くすることにより、前
記送・受波側櫛形電極1、2の実効的結合係数を大きく
することができ、本実施例のように、送・受波側櫛形電
極1、2で現出される周波数特性の帯域幅を大きくとる
ことができ、平衡型弾性表面波フィルタ3の帯域内特性
に及ぼす影響を軽減することができる。
波側櫛形電極1と、前記送波側櫛形電極1で励振された
弾性表面波を電気信号に変換する受波側櫛形電極2と、
前記受波側櫛形電極2に接続された平衡型弾性表面波フ
ィルタ3とを備えた構成により、前記弾性表面波装置の
入力側周辺回路が不平衡型であり、かつ、前記弾性表面
波装置の出力側周辺回路が平衡型であった場合に、平衡
−不平衡変換回路を必要としない、小型、高性能の弾性
表面波装置を得ることができる。
例における弾性表面波装置の構成の概略を示す図であ
る。図2において、1は送波側櫛形電極、2は受波側櫛
形電極、3は平衡型弾性表面波フィルタである。本実施
例では、送波側櫛形電極1と、受波側櫛形電極2と、平
衡型弾性表面波フィルタ3とを、36°YカットX伝搬
のタンタル酸リチウム基板上に、従来のフォトリソグラ
フィ手法を用いて一体に形成した。電極材料には、第1
の実施例と同様、約2重量%の銅を不純物として含有す
るアルミニウムを用いた。平衡型弾性表面波フィルタ3
は、第1の実施例と同様に、直列腕弾性表面波共振子6
と、並列腕弾性表面波共振子7とを、対称格子型に接続
することにより構成している。前記送・受波側櫛形電極
1、2と、平衡型弾性表面波フィルタ3とが一体に形成
された基板を、セラミックパッケージに実装し、セラミ
ックパッケージとの電気的接続をアルミニウムワイヤに
より行なった。
置の動作原理について説明する。平衡型弾性表面波フィ
ルタ3の入力端子8には、平衡信号が入力され、所定の
周波数特性を付与された後、前記平衡型弾性表面波フィ
ルタ3の出力端子9より、平衡信号として出力される。
前記周波数特性を有する平衡信号は、前記平衡型弾性表
面波フィルタ3の出力端子9に接続された送波側櫛形電
極1に入力され、弾性表面波が励振される。前記弾性表
面波を受信する受波側櫛形電極2は、その出力端子5の
一方の端子が接地されており、前記弾性表面波は不平衡
信号として電気信号に変換される。
と、平衡型弾性表面波フィルタ3とを同一の基板上に一
体に形成したが、互いに物理定数の異なる基板上に形成
してもよい。
3と、前記平衡型弾性表面波フィルタ3に接続された送
波側櫛形電極1と、前記送波側櫛形電極1で励振された
弾性表面波を電気信号に変換する、一方の端子が接地さ
れた受波側櫛形電極2とを備えた構成により、前記弾性
表面波装置の入力側周辺回路が平衡型であり、かつ、前
記弾性表面波装置の出力側周辺回路が不平衡型であった
場合に、平衡−不平衡変換回路を必要としない、小型、
高性能の弾性表面波装置を得ることができる。
例における弾性表面波装置の構成の概略を示す図であ
る。図3において、1及び10はそれぞれ第1及び第2
の送波側櫛形電極、2及び11はそれぞれ第1及び第2
の受波側櫛形電極、3は平衡型弾性表面波フィルタであ
る。本実施例では、まず、41°YカットX伝搬のニオ
ブ酸リチウム基板上に、第1及び第2の送波側櫛形電極
1、10と、第1及び第2の受波側櫛形電極2、11と
を、従来のフォトリソグラフィ手法により形成した。電
極材料には、約2重量%の銅を不純物として含むアルミ
ニウムを用いた。一方、平衡型弾性表面波フィルタ3
は、直列腕弾性表面波共振子6と、並列腕弾性表面波共
振子7とを、対称格子型に接続することにより構成して
いる。圧電基板には、36゜YカットX伝搬のタンタル
酸リチウムを用いて、前記第1及び第2の送・受波側櫛
形電極1、2、10、11と同様、アルミニウム−2%
銅合金を電極として、従来のフォトリソグラフィ手法に
より電極パターンを形成した。前記第1及び第2の送・
受波側櫛形電極1、2、10、11が形成された基板
と、平衡型弾性表面波フィルタ3が形成された基板は、
セラミックパッケージに一体に実装し、前記両基板間の
電気的接続及び、基板とセラミックパッケージの端子と
の電気的接続はアルミニウムワイヤにより行なった。
置の動作原理について説明する。第1の送波側櫛形電極
1は、入力端子4の一方の端子が接地されており、不平
衡信号が入力される。前記第1の送波側櫛形電極1で励
振された弾性表面波は、第1の受波側櫛形電極2で受信
されるが、前記受波側櫛形電極2の出力端子5の両方の
端子が接地されていないため、それぞれの端子では、1
80°位相がずれた弾性表面波を受信することになる。
したがって、前記第1の受波側櫛形電極2で受信された
弾性表面波は、平衡信号として電気信号に変換され、前
記第1の受波側櫛形電極2の出力端子5に接続された前
記平衡型弾性表面波フィルタ3の入力端子8に入力され
る。前記平衡型弾性表面波フィルタ3で、所定の周波数
特性を付与された後、平衡信号として出力された信号
は、前記平衡型弾性表面波フィルタ3の出力端子9に接
続された第2の送波側櫛形電極10に入力され、再度弾
性表面波が励振される。前記弾性表面波を受信する第2
の受波側櫛形電極11は、その出力端子13の一方の端
子が接地されており、前記弾性表面波は不平衡信号とし
て電気信号に変換される。
形電極1、2で現出される周波数特性の中心周波数と、
平衡型弾性表面波フィルタ3の中心周波数と、第2の送
・受波側櫛形電極10、11で現出される周波数特性の
中心周波数とがほぼ一致するように電極設計を行った。
また、第1及び第2の送・受波側櫛形電極1、2は、電
気機械結合係数の大きい基板を用いているため、平衡型
弾性表面波フィルタ3の周波数温度変化を考慮しても、
その通過帯域を十分カバーできる帯域幅を有している。
なお、本実施例で用いた基板の組合せ以外でも、同様の
効果が得られることは言うまでもない。
らに確保するために、平衡型弾性表面波フィルタ3の基
本構成である、4個の弾性表面波共振子6、7の対称格
子型回路を多段に接続してもよい。一方、第1の送・受
波櫛形電極1、2で現出される周波数特性におけるスト
ップバンド周波数と、第2の送・受波櫛形電極10、1
1で現出される周波数特性におけるストップバンド周波
数とを、互いに異なる周波数とすることでも、弾性表面
波装置の帯域外減衰量を十分確保することができる。
波側櫛形電極1、2、10、11と、平衡型弾性表面波
フィルタ3とを、互いに物理定数の異なる基板上に形成
したが、同一の基板上に一体に形成して弾性表面波装置
を構成してもよい。この場合には、送・受波側櫛形電極
1、2、10、11と、平衡型弾性表面波フィルタ3と
の電気的接続は前記基板上で行なうことができ、弾性表
面波装置の小型化が可能となる。さらに、送・受波側櫛
形電極1、2、10、11と、平衡型弾性表面波フィル
タ3とを、同一の基板上に形成した場合には、両方の周
波数特性の温度変化が同等になるため、環境温度の変化
に対しても一定の周波数特性を維持することができる。
さらに、送・受波側櫛形電極1、2、10、11を形成
している電極の厚さを、平衡型弾性表面波フィルタ3を
形成している電極の厚さよりも厚くすることにより、前
記第1及び第2の送・受波側櫛形電極1、2、10、1
1の実効的な結合係数を大きくすることができ、本実施
例と同様に、第1及び第2の送・受波側櫛形電極1、
2、10、11で現出される周波数特性の帯域幅を大き
くとることができ、平衡型弾性表面波フィルタ3の帯域
内特性に及ぼす影響を軽減することができる。
1の送波側櫛形電極1と、前記第1の送波側櫛形電極1
で励振された弾性表面波を電気信号に変換する第1の受
波側櫛形電極2と、前記第1の受波側櫛形電極2に接続
された平衡型弾性表面波フィルタ3と、前記平衡型弾性
表面波フィルタ3に接続された第2の送波側櫛形電極1
0と、前記第2の送波側櫛形電極10で励振された弾性
表面波を電気信号に変換する、一方の端子が接地された
第2の受波側櫛形電極11とを備えた構成により、前記
弾性表面波装置の入力側及び出力側周辺回路が不平衡型
である場合に、平衡−不平衡変換回路を必要としない、
小型、高性能の弾性表面波装置を得ることができる。
例における弾性表面波装置の構成の概略を示す図であ
る。図4において、1は送波側櫛形電極、2は受波側櫛
形電極、3は平衡型弾性表面波フィルタである。
櫛形電極2とを複数個設置し、さらに、その両外側に反
射器14を設けることで、先に示した実施例における、
1組の送・受波側櫛形電極1、2で現出される周波数特
性を改善している。すなわち、従来の多電極構成の弾性
表面波フィルタを、平衡−不平衡変換回路として用いて
いる。このように、平衡−不平衡変換回路の役割を担う
送・受波側櫛形電極1、2で現出される周波数特性を改
善することによって、より優れた弾性表面波装置を得る
ことができる。
受波側櫛形電極の両外側に反射器を設け、弾性表面波の
双方向損失を低減する方法、または、送波側櫛形電極の
構成を一方向性電極とする方法などがあり、いずれの場
合も弾性表面波装置の特性向上が図れる。
例における弾性表面波装置の構成の概略を示す図であ
る。図5において、1は送波側櫛形電極、2は第1の受
波側櫛形電極、11は第2の受波側櫛形電極、3は平衡
型弾性表面波フィルタである。本実施例では、第1の実
施例と同様、41°YカットX伝搬のニオブ酸リチウム
基板上に、送波側櫛形電極1と第1及び第2の受波側櫛
形電極2、11を形成し、平衡型弾性表面波フィルタ3
を、36゜YカットX伝搬のタンタル酸リチウム基板上
に形成した。前記送・受波側櫛形電極1、2、11が形
成された基板と、平衡型弾性表面波フィルタ3が形成さ
れた基板は、セラミックパッケージに一体に実装し、前
記両基板間の電気的接続及び、基板とセラミックパッケ
ージの端子との電気的接続はアルミニウムワイヤにより
行なった。
置の動作原理について説明する。送波側櫛形電極1は、
入力端子4の一方の端子が接地されており、不平衡信号
が入力される。前記送波側櫛形電極1で励振された弾性
表面波は、前記送波側櫛形電極1の両側に配置された第
1及び第2の受波側櫛形電極2、11で受信される。前
記第1及び第2の受波側櫛形電極2、11は、共に一方
の端子が接地されており、かつ、互いに位相の異なる弾
性表面波が受信されるように配置されている。例えば、
本実施例では、送波側櫛形電極1と第1の受波側櫛形電
極2との弾性表面波伝搬距離と、送波側櫛形電極1と第
2の受波側櫛形電極11との弾性表面波伝搬距離とを、
互いに弾性表面波の1/2波長だけ異ならせてある。こ
のような構成とすることで、前記第1及び第2の受波側
櫛形電極2、11から出力される電気信号は、互いに位
相が180°異なっており、平衡型弾性表面波フィルタ
3の入力端子8に平衡信号として入力される。
波側櫛形電極1と、一方の端子が接地され、前記送波側
櫛形電極で励振された弾性表面波を、互いに位相が異な
る弾性表面波として受信するように、前記送波側櫛形電
極の両側に配置された、第1及び第2の受波側櫛形電極
2、11と、前記第1及び第2の受波側櫛形電極2、1
1に接続された平衡型弾性表面波フィルタ3とを備えた
構成により、前記弾性表面波装置の入力側周辺回路が不
平衡型であり、かつ、前記弾性表面波装置の出力側周辺
回路が平衡型であった場合に、平衡−不平衡変換回路を
必要としない、小型、高性能の弾性表面波装置を得るこ
とができる。
例における弾性表面波装置の構成の概略を示す図であ
る。図6において、1は第1の送波側櫛形電極、10は
第2の送波側櫛形電極、2は受波側櫛形電極、3は平衡
型弾性表面波フィルタである。
°YカットX伝搬のニオブ酸リチウム基板上に、第1及
び第2の送波側櫛形電極1、10、及び受波側櫛形電極
2を形成し、平衡型弾性表面波フィルタ3を、36゜Y
カットX伝搬のタンタル酸リチウム基板上に形成した。
前記送・受波側櫛形電極1、2、10が形成された基板
と、平衡型弾性表面波フィルタ3が形成された基板は、
セラミックパッケージに一体に実装し、前記両基板間の
電気的接続及び、基板とセラミックパッケージの端子と
の電気的接続はアルミニウムワイヤにより行なった。
置の動作原理について説明する。平衡型弾性表面波フィ
ルタ3の入力端子8には、平衡信号が入力され、所定の
周波数特性を付与された後、前記平衡型弾性表面波フィ
ルタ3の出力端子9より、平衡信号として出力される。
前記周波数特性を有する平衡信号は、前記平衡型弾性表
面波フィルタ3の出力端子9に接続され、一方の端子が
接地された第1及び第2の送波側櫛形電極1、10に入
力され、弾性表面波が励振される。前記弾性表面波を受
信する受波側櫛形電極2は、その出力端子5の一方の端
子が接地されており、前記第1及び第2の送波側櫛形電
極1、10で励振された弾性表面波が同位相で受信する
ように配置され、前記弾性表面波は不平衡信号として電
気信号に変換され、前記受波側櫛形電極2の出力端子5
より出力されることになる。例えば、本実施例では、第
1の送波側櫛形電極1と受波側櫛形電極2との弾性表面
波伝搬距離と、第2の送波側櫛形電極10と受波側櫛形
電極2との弾性表面波伝搬距離とを、互いに弾性表面波
の1/2波長だけ異ならせてある。このような構成とす
ることで、入力された電気信号が逆位相であるために、
前記受波側櫛形電極2で受信される弾性表面波は同位相
となる。
3と、前記平衡型弾性表面波フィルタ3に接続され、一
方の端子が接地された第1及び第2の送波側櫛形電極
1、10と、前記第1及び第2の送波側櫛形電極1、1
0で励振された弾性表面波を電気信号に変換する、一方
の端子が接地された受波側櫛形電極2とを備えた構成に
より、前記弾性表面波装置の入力側周辺回路が平衡型で
あり、かつ、前記弾性表面波装置の出力側周辺回路が不
平衡型であった場合に、平衡−不平衡変換回路を必要と
しない、小型、高性能の弾性表面波装置を得ることがで
きる。
例における弾性表面波装置の構成の概略を示す図であ
る。図7において、1は第1の送波側櫛形電極、2は第
1の受波側櫛形電極、11は第2の受波側櫛形電極、3
は平衡型弾性表面波フィルタ、10は第2の送波側櫛形
電極、15は第3の送波側櫛形電極、17は第3の受波
側櫛形電極である。
様、41°YカットX伝搬のニオブ酸リチウム基板上
に、第1の送波側櫛形電極1と第1及び第2の受波側櫛
形電極2、11、及び第2及び第3の送波側櫛形電極1
0、15と第3の受波側櫛形電極17を形成し、平衡型
弾性表面波フィルタ3を、36゜YカットX伝搬のタン
タル酸リチウム基板上に形成した。前記送・受波側櫛形
電極1、2、10、11、15、17が形成された基板
と、平衡型弾性表面波フィルタ3が形成された基板は、
セラミックパッケージに一体に実装し、前記両基板間の
電気的接続及び、基板とセラミックパッケージの端子と
の電気的接続はアルミニウムワイヤにより行った。
置の動作原理について説明する。第1の送波側櫛形電極
1は、入力端子4の一方の端子が接地されており、不平
衡信号が入力される。前記第1の送波側櫛形電極1で励
振された弾性表面波は、前記送波側櫛形電極の両側に配
置された第1及び第2の受波側櫛形電極2、11で受信
される。前記第1及び第2の受波側櫛形電極2、11
は、共に一方の端子が接地されており、かつ、互いに位
相の異なる弾性表面波が受信されるように配置されてい
る。例えば、本実施例では、送波側櫛形電極1と第1の
受波側櫛形電極2との弾性表面波伝搬距離と、送波側櫛
形電極1と第2の受波側櫛形電極11との弾性表面波伝
搬距離とを、互いに弾性表面波の1/2波長だけ異なら
せてある。このような構成とすることで、前記第1及び
第2の受波側櫛形電極2、11から出力される電気信号
は、互いに位相が180°異なっており、平衡型弾性表
面波フィルタ3の入力端子8に平衡信号として入力され
る。次に、前記平衡型弾性表面波フィルタ3の出力端子
9より出力される平衡信号は、前記平衡型弾性表面波フ
ィルタ3の出力端子9に接続され、一方の端子が接地さ
れた第2及び第3の送波側櫛形電極10、15に入力さ
れ、弾性表面波が励振される。前記弾性表面波を受信す
る第3の受波側櫛形電極17は、その出力端子18の一
方の端子が接地されており、前記第2及び第3の送波側
櫛形電極10、15で励振された弾性表面波が同位相で
受信するように配置され、前記弾性表面波は不平衡信号
として電気信号に変換され、前記第3の受波側櫛形電極
17の出力端子18より出力されることになる。例え
ば、本実施例では、第1の送波側櫛形電極1と、第1及
び第2の受波側櫛形電極2、11との配置と同様に、第
2の送波側櫛形電極10と第3の受波側櫛形電極17と
の弾性表面波伝搬距離と、第3の送波側櫛形電極15と
第3の受波側櫛形電極17との弾性表面波伝搬距離と
を、互いに弾性表面波の1/2波長だけ異ならせてあ
る。このような構成とすることで、入力された電気信号
が逆位相であるために、前記受波側櫛形電極17で受信
される弾性表面波は同位相となる。
1の送波側櫛形電極1と、一方の端子が接地され、前記
第1の送波側櫛形電極1で励振された弾性表面波を、互
いに位相が異なる弾性表面波として受信するように、前
記第1の送波側櫛形電極1の両側に配置された、第1及
び第2の受波側櫛形電極2、11と、前記第1及び第2
の受波側櫛形電極2、11に接続された平衡型弾性表面
波フィルタ3と、前記平衡型弾性表面波フィルタ3に接
続され、一方の端子が接地された第2及び第3の送波側
櫛形電極10、15と、前記第2及び第3の送波側櫛形
電極10、15で励振された弾性表面波を電気信号に変
換する、一方の端子が接地された第3の受波側櫛形電極
17とを備えた構成により、前記弾性表面波装置の入力
及び出力側周辺回路が共に不平衡型である場合に、平衡
−不平衡変換回路を必要としない、小型、高性能の弾性
表面波装置を得ることができる。
例における弾性表面波装置の構成の概略を示す図であ
る。図8において、1は送波側櫛形電極、2は第1の受
波側櫛形電極、11は第2の受波側櫛形電極、3は平衡
型弾性表面波フィルタである。
櫛形電極2、11とを複数個設置し、さらに、その両外
側に反射器14を設けることで、先に示した実施例5、
6、7における、3個の送・受波側櫛形電極で現出され
る周波数特性を改善している。すなわち、従来の多電極
構成の弾性表面波フィルタを、平衡−不平衡変換回路と
して用いている。このように、平衡−不平衡変換回路の
役割を担う送・受波側櫛形電極で現出される周波数特性
を改善することによって、より優れた弾性表面波装置を
得ることができる。
の送波側櫛形電極または受波側櫛形電極の両外側に反射
器を設け、弾性表面波の双方向損失を低減する方法、ま
たは、送波側櫛形電極または受波側櫛形電極の構成を一
方向性電極とする方法などがあり、いずれの場合も弾性
表面波装置の特性向上が図れる。
例における弾性表面波装置の構成の概略を示す図であ
る。図9において、1は送波側櫛形電極、2は受波側櫛
形電極、3は平衡型弾性表面波フィルタ、19はインピ
ーダンス整合回路である。
波側櫛形電極2の出力端子5と、平衡型弾性表面波フィ
ルタ3の入力端子8との間に、入出力のインピーダンス
整合回路19を設けたものである。上記実施例に挙げた
構成の弾性表面波装置の場合、一般に、平衡−不平衡変
換回路の役割を担う送・受波側櫛形電極からなるデバイ
スは、その前段または後段に配置される平衡型弾性表面
波フィルタ3とのインピーダンス整合を電極設計のみで
行なうことが困難な場合がある。インピーダンス整合が
とれていない場合には、弾性表面波装置としての特性が
劣化するため、本実施例のように、インピーダンス整合
回路19を付加することが好ましい。
法としては、整合回路素子を弾性表面波装置が実装され
たセラミックパッケージに一体に実装する、または、前
記セラミックパッケージを多層構造とし、その内部にイ
ンピーダンス整合回路素子を実現してもよい。
装置の周辺回路の入出力端子とのインピーダンス整合を
図るためのインピーダンス整合回路を付加してもよい。
以上のように、平衡−不平衡変換回路の役割を担う送・
受波側櫛形電極からなるデバイスと、その前段または後
段に配置される平衡型弾性表面波フィルタと間にインピ
ーダンス整合を設けることにより、周波数特性に優れた
弾性表面波装置を得ることができる。
に、本発明の第1〜6番目の弾性表面波装置は、例え
ば、一方の端子が接地された送波側櫛形電極と、前記送
波側櫛形電極で励振された弾性表面波を電気信号に変換
する受波側櫛形電極と、前記受波側櫛形電極に接続され
た平衡型弾性表面波フィルタとを備えた構成とすること
により、弾性表面波装置の周辺回路が平衡型、不平衡型
に関わらず、平衡−不平衡変換回路を必要としない、小
型、高性能の弾性表面波装置を得ることができる。その
結果、各種高周波部品に平衡型デバイスが使用でき、高
周波回路部の特性向上を図ることができる。
の構成の概略を示す図。
の構成の概略を示す図。
の構成の概略を示す図。
の構成の概略を示す図。
の構成の概略を示す図。
の構成の概略を示す図。
の構成の概略を示す図。
の構成の概略を示す図。
の構成の概略を示す図。
Claims (24)
- 【請求項1】 一方の端子が接地された送波側櫛形電極
と、前記送波側櫛形電極で励振された弾性表面波を電気
信号に変換する受波側櫛形電極と、前記受波側櫛形電極
に接続された平衡型弾性表面波フィルタとを備えたこと
を特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項2】 平衡型弾性表面波フィルタと、前記平衡
型弾性表面波フィルタに接続された送波側櫛形電極と、
前記送波側櫛形電極で励振された弾性表面波を電気信号
に変換するための一方の端子が接地された受波側櫛形電
極とを備えたことを特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項3】 一方の端子が接地された第1の送波側櫛
形電極と、前記第1の送波側櫛形電極で励振された弾性
表面波を電気信号に変換する第1の受波側櫛形電極と、
前記第1の受波側櫛形電極に接続された平衡型弾性表面
波フィルタと、前記平衡型弾性表面波フィルタに接続さ
れた第2の送波側櫛形電極と、前記第2の送波側櫛形電
極で励振された弾性表面波を電気信号に変換するための
一方の端子が接地された第2の受波側櫛形電極とを備え
たことを特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項4】 少なくとも3個以上の櫛形電極を弾性表
面波の伝搬方向に配置し、それぞれの櫛形電極を交互
に、送波側櫛形電極及び受波側櫛形電極とした請求項
1,2または3記載に弾性表面波装置。 - 【請求項5】 送波側櫛形電極および受波側櫛形電極の
両外側に、反射器を設けた請求項1,2,3または4に
記載の弾性表面波装置。 - 【請求項6】 一方の端子が接地された送波側櫛形電極
と、一方の端子が接地され、前記送波側櫛形電極で励振
された弾性表面波を、互いに位相が異なる弾性表面波と
して受信するように、前記送波側櫛形電極の両側に配置
された、第1及び第2の受波側櫛形電極と、前記第1及
び第2の受波側櫛形電極に接続された平衡型弾性表面波
フィルタとを備えたことを特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項7】 平衡型弾性表面波フィルタと、前記平衡
型弾性表面波フィルタに接続され、一方の端子が接地さ
れた第1及び第2の送波側櫛形電極と、前記第1及び第
2の送波側櫛形電極で励振された弾性表面波を電気信号
に変換するための一方の端子が接地された受波側櫛形電
極とを備えたことを特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項8】 一方の端子が接地された第1の送波側櫛
形電極と、一方の端子が接地され、前記第1の送波側櫛
形電極で励振された弾性表面波を、互いに位相が異なる
弾性表面波として受信するように、前記第1の送波側櫛
形電極の両側に配置された、第1及び第2の受波側櫛形
電極と、前記第1及び第2の受波側櫛形電極に接続され
た平衡型弾性表面波フィルタと、前記平衡型弾性表面波
フィルタに接続され、一方の端子が接地された第2及び
第3の送波側櫛形電極と、前記第2及び第3の送波側櫛
形電極で励振された弾性表面波を電気信号に変換するた
めの一方の端子が接地された第3の受波側櫛形電極とを
備えたことを特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項9】 少なくとも4個以上の櫛形電極を弾性表
面波の伝搬方向に配置し、それぞれの櫛形電極を交互
に、送波側櫛形電極及び受波側櫛形電極とした請求項
6,7または8に記載の弾性表面波装置。 - 【請求項10】 送波側櫛形電極及び受波側櫛形電極の
両外側に、反射器を設けた請求項6,7,8または9に
記載の弾性表面波装置。 - 【請求項11】 平衡型弾性表面波フィルタが、4個の
弾性表面波共振子を対称格子型に接続したものを基本単
位として、少なくとも1段以上接続することにより構成
した請求項1,2,3,6,7または8に記載の弾性表
面波装置。 - 【請求項12】 送波側櫛形電極と、受波側櫛形電極と
によって現出する周波数特性において、挿入損失が最小
となる周波数と、平衡型弾性表面波フィルタの中心周波
数とがほぼ一致する請求項1,2,3,6,7または8
に記載の弾性表面波装置。 - 【請求項13】 受波側櫛形電極の出力端子と、平衡型
弾性表面波フィルタの入力端子との間に、インピーダン
ス整合回路を備えた請求項1,3,6または8に記載の
弾性表面波装置。 - 【請求項14】 平衡型弾性表面波フィルタの出力端子
と、送波側櫛形電極の入力端子との間に、インピーダン
ス整合回路を備えた請求項2,3,7または8に記載の
弾性表面波装置。 - 【請求項15】 送波側櫛形電極と受波側櫛形電極とが
形成された基板の物理定数と、平衡型弾性表面波フィル
タが形成された基板の物理定数とが、互いに異なる1,
2,3,6,7または8に記載の弾性表面波装置。 - 【請求項16】 送波側櫛形電極と、受波側櫛形電極と
が形成された基板の電気機械結合係数が、平衡型弾性表
面波フィルタが形成された基板の電気機械結合係数より
も実質的に大きい請求項15に記載の弾性表面波装置。 - 【請求項17】 送波側櫛形電極と、受波側櫛形電極と
が形成された基板の周波数温度係数と、平衡型弾性表面
波フィルタが形成された基板の周波数温度係数とがほぼ
一致する請求項15に記載の弾性表面波装置。 - 【請求項18】 送波側櫛形電極と、受波側櫛形電極と
が形成された基板と、平衡型弾性表面波フィルタが形成
された基板とが、気密保持のための容器に一体に実装し
た請求項15に記載の弾性表面波装置。 - 【請求項19】 受波側櫛形電極の出力端子と、平衡型
弾性表面波フィルタの入力端子との間、または平衡型弾
性表面波フィルタの出力端子と、送波側櫛形電極の入力
端子との間に接続されるインピーダンス整合回路を、気
密保持のための容器に内蔵した請求項18に記載の弾性
表面波装置。 - 【請求項20】 気密保持のための容器が誘電体多層基
板からなる請求項19に記載の弾性表面波装置。 - 【請求項21】 送波側櫛形電極と、受波側櫛形電極
と、平衡型弾性表面波フィルタとが、同一の基板上に一
体に形成された請求項1,2,3,6,7または8に記
載の弾性表面波装置。 - 【請求項22】 送波側櫛形電極と、受波側櫛形電極と
を形成する電極の膜厚が、平衡型弾性表面波フィルタを
形成する電極の膜厚よりも厚い請求項21に記載の弾性
表面波装置。 - 【請求項23】 受波側櫛形電極の出力端子と、平衡型
弾性表面波フィルタの入力端子との間、または平衡型弾
性表面波フィルタの出力端子と、送波側櫛形電極の入力
端子との間に接続されるインピーダンス整合回路を、気
密保持のための容器に内蔵した請求項22記載の弾性表
面波装置。 - 【請求項24】 気密保持のための容器が誘電体多層基
板からなる請求項23に記載の弾性表面波装置。
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