JPH0864543A - 非晶質半導体薄膜の形成方法 - Google Patents

非晶質半導体薄膜の形成方法

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JPH0864543A
JPH0864543A JP6201914A JP20191494A JPH0864543A JP H0864543 A JPH0864543 A JP H0864543A JP 6201914 A JP6201914 A JP 6201914A JP 20191494 A JP20191494 A JP 20191494A JP H0864543 A JPH0864543 A JP H0864543A
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thin film
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semiconductor thin
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Kunimoto Ninomiya
国基 二宮
Hisaki Tarui
久樹 樽井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、デバイス特性に悪影響を与えな
い低い温度で、かつ量産に適した短い時間で低水素量の
非晶質半導体薄膜を形成する方法を提供する。 【構成】 この発明は、基板4上に気相成長法により非
晶質半導体薄膜を形成する際に、プラズマガン5から水
素イオンを単位膜厚形成時間当たり2×1010cm-2
上成長膜に照射することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、低水素量の非晶質シ
リコンなどの非晶質半導体の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質シリコン半導体の膜中水素量を低
減することにより、長時間の光照射により生じる特性の
低下を抑制でき、光照射後でも変換効率の高い太陽電池
を得ることができることが知られている。
【0003】非晶質シリコン半導体薄膜の作成に一般に
用いられるRFグロー放電法では、低水素量の膜を得る
ためには形成温度を高温にする必要があった。ところが
高温で膜を形成した場合には、下地層への熱ダメージに
より、デバイスを形成した場合に、その特性が低下して
しまうという問題があるとともに、基板として用いるこ
とができる材料が限定されるという問題もあった。
【0004】また、デバイス特性に影響を与えない低い
温度で、低水素量の非晶質シリコン半導体薄膜を形成す
る方法として、ケミカルアニーリング法が報告されてい
る(例えば、Appl.Phys.Lett.,59
(9)(1991)1096参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たケミカルアニーリング法は、膜形成と原子状水素によ
る膜の改質処理とを交互に繰り返すので、所定の膜厚を
堆積するためには長い時間を必要とし、量産には不向き
であるという問題があった。
【0006】この発明は、上述した問題点を解消するた
めになされたものにして、デバイス特性に悪影響を与え
ない低い温度で、かつ量産に適した短い時間で低水素量
の非晶質半導体薄膜を形成する方法を提供することをそ
の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明においては、基
板上に気相成長法により非晶質半導体薄膜を形成する際
に、水素イオンを単位膜厚形成時間当たり2×1010
-2以上成長膜に照射することを特徴とする。
【0008】
【作用】水素(H)イオンを照射しながら非晶質半導体
膜を形成することで、低温で成長膜の改質処理と同時に
膜成長が行えるので、低水素量の非晶質半導体膜を従来
法と同じ時間で得ることができる。
【0009】
【実施例】図1は、この発明に用いられる装置の実施例
を示す構成図である。
【0010】この実施例では、非晶質半導体薄膜とし
て、非晶質シリコン(以下、a−Siと略記する。)を
形成する場合について説明する。
【0011】図1に示す装置は、基本的にはイオン化ク
ラスタビーム蒸着装置(ICB装置)であり、これにH
イオン生成用のプラズマガン5を取り付けたものであ
る。
【0012】a−Si薄膜の形成は、高純度のシリコン
(Si)を蒸発源1にセットし、ボンバードパワーによ
り2000℃程度に加熱してSiを蒸発させる。この
時、蒸発したSi原子は蒸発源の出口で凝集され微小状
態になり、更にイオン化フィラメント2によりイオン化
され、加速電極3に印加される電圧により加速され、基
板4に堆積する。この時、同時に水素をプラズマガン5
により分解し、水素イオンを基板4上に膜堆積と同時に
照射する。
【0013】表1は、このa−Si薄膜形成の主な反応
条件を示す。
【0014】
【表1】
【0015】図2は、基板温度を230℃、Si源のボ
ンバードパワーを1kW、加速電圧を3kVと一定にし
て、H源(プラズマガン5)のRFパワー、水素分圧を
表1の範囲で変化させ、基板に照射されるHイオンの量
を変えた時の導電率、水素量の変化量を示したものであ
る。この時、膜の形成速度は15Å/minで一定であ
った。
【0016】図2に示したように、導電率は基板に入射
するHイオンの量が代わっても殆ど変化しないが、水素
量は1010cm-2・sec-1以上まではほぼ一定で、そ
れ以上になると減少することがわかる。
【0017】図3は基板に入射するHイオンの量を1×
1010cm-2・sec-1と固定し、形成速度を変化させ
て膜を形成した場合の導電率、水素量の変化を示したも
のである。
【0018】図3に示したように、形成速度が30Å/
min以下では、導電率は変化しないが、形成速度が3
0Å/min以上になると、導電率は低下する。一方、
水素量は、形成速度が大きくなるにつれて増加するが、
形成速度が30Å/min以上になると水素量は変化し
ないことがわかる。
【0019】図2及び図3から膜表面にHイオンを照射
して膜中水素量の低減が期待できるのは、成膜表面にH
イオンが、単位膜厚形成時間当たり、すなわち、a−S
i膜が1Å基板上に堆積する時間当たりに2×1010
-2以上の割合で入射するときであることがわかる。
【0020】また、図4はこの発明の方法を用いて得ら
れたa−Si膜の水素の結合状態をFT−IRを用いて
測定した結果であり、波数と吸収係数との関係を示す。
この図4よりこの発明の方法を用いることにより、光劣
化に相関のある波数が2100cm-1付近のSi−H2
結合によるピークのない膜を得られることがわかる。
【0021】なお、この発明の方法を用いて得られた、
a−Si膜は水素量が7%以下かつSi−H2 /Si−
H結合比が0.1以下である。
【0022】図5は、この発明の方法で得られた低水素
量(7%)のa−Siと、従来法で形成したa−Si
(水素量15%)の光導電率の劣化を調べたものであ
り、初期の光導電率(σ初期)と光照射後の光導電率
(σph)との比をとり、規格化したものである。この図
5から明らかなように、この発明の方法で形成した方が
光劣化が少なく、安定なa−Siを得られた。
【0023】以上説明した実施例は、ICB装置にHイ
オン生成装置でなるプラズマガンを取り付けた例である
が、この発明においては、スパッタ装置或いは蒸着装置
にHイオン生成装置を取り付けてもよい。基本的には、
基板表面にHイオンを照射するために低圧(10-4To
rr以下)であることが必要である。
【0024】図6は、スパッタ装置にHイオン生成装置
を取り付けた例を示す構成図であり、この図において、
6は基板、7はSiターゲット、8は基板6表面にHイ
オンを照射するためのHイオン発生装置である。
【0025】図7は、蒸着装置にHイオン生成装置を取
り付けた例を示す構成図であり、この図において、10
は基板、11はSi蒸発源、12は、基板10表面にH
イオンを照射するためのHイオン発生装置である。
【0026】なお、上述した実施例では非晶質半導体膜
として、a−Si膜を例に挙げたがこれに限らず、非晶
質シリコンゲルマニウム膜、非晶質シリコンカーバイト
膜などにもこの発明を適用しても同様の効果が得られ
る。
【0027】
【発明の効果】この発明の方法を用いることにより、デ
バイス特性に悪影響を与えない低い温度で、かつ量産に
適した短い時間で低水素量の非晶質半導体薄膜を形成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のに用いられる加工装置を示し、IC
B装置にHイオン生成装置を取り付けた例を示す構成図
である。
【図2】導電率、水素量の入射イオン量依存性を示す特
性図である。
【図3】導電率、水素量の成膜速度依存性を示す特性図
である。
【図4】この発明により作成されたa−Si膜のFT−
IRによる解析結果であり、波数と吸収係数との関係を
示す特性図である。
【図5】この発明により作成されたa−Si膜と従来の
方法により作成されたa−Si膜の光導電率の光劣化特
性図である。
【図6】この発明のに用いられる加工装置を示し、スパ
ッタ装置にHイオン生成装置を取り付けた例を示す構成
図である。
【図7】この発明のに用いられる加工装置を示し、蒸着
装置にHイオン生成装置を取り付けた例を示す構成図で
ある。
【符号の説明】
1 Si蒸発源 2 イオン化フィラメント 3 加速電極 4 基板 5 プラズマガン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に気相成長法により非晶質半導体
    薄膜を形成する際に、水素イオンを単位膜厚形成時間当
    たり2×1010cm-2以上成長膜に照射することを特徴
    とする非晶質半導体薄膜の形成方法。
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