JPH0862200A - イオン源及びこれを用いる質量分析装置 - Google Patents

イオン源及びこれを用いる質量分析装置

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JPH0862200A
JPH0862200A JP6201767A JP20176794A JPH0862200A JP H0862200 A JPH0862200 A JP H0862200A JP 6201767 A JP6201767 A JP 6201767A JP 20176794 A JP20176794 A JP 20176794A JP H0862200 A JPH0862200 A JP H0862200A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャピラリーに電圧が印加されることなく、
イオン化効率の高いイオン源、およびこれを使用する質
量分析計を提供する。 【構成】 溶液試料は試料溶液供給部1からイオン源2
の中のキャピラリーに導入される。ガス供給部3から供
給されるガスは流量計4により流量が調節され、キャピ
ラリーの外周部に沿って流され、キャピラリー先端で噴
出するように構成されたガスガイド管に導入される。試
料溶液はキャピラリー先端部で噴出ガスの作用効果によ
りイオン化され、質量分析計11で分析される。 【効果】 従来のイオン化法の10倍以上のイオン強度
が得られ、操作が安全にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン源およびこれを
用いる質量分析装置に関し、特に液体中に存在する試料
をイオン化して質量分析計に導入するのに適したイオン
源およびこれを用いる質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】キャピラリー電気泳動(CE)又は液体
クロマトグラフ(LC)は、溶液中に存在する試料の分
離ができるが、分離された試料の種類の同定が困難であ
る。一方、質量分析計(MS)は試料を高感度で同定す
ることができるが、混合試料の分離ができない。このた
め、水等の溶媒に溶解した複数の生体関連物質を分離分
析する場合、質量分析計にキャピラリー電気泳動又は液
体クロマトグラフを結合させたキャピラリー電気泳動/
質量分析計(CE/MS)又は液体クロマトグラフ/質
量分析計(LC/MS)が一般には使用される。
【0003】キャピラリー電気泳動又は液体クロマトグ
ラフにより分離された試料を質量分析計で分析するため
には、溶液中の試料分子を気体状のイオンに変換するこ
とが必要である。このようなイオンを得る従来技術とし
て、イオンスプレー法(アナリティカル・ケミストリー
(Analytical Chemistry)、第5
9巻(1987年)第2642項から第2646項)等
が知られている。このイオンスプレー法では、キャピラ
リの外周部に沿ってガスが流され、試料溶液が導入され
るキャピラリーと、質量分析計にイオン取り込むための
細孔(サンプリングオリフィス)との間に、高電圧(3
〜6kV)が印加され、キャピラリー先端では強電界が
発生している。このような構成のもとで生成する静電噴
霧現象により、小さな帯電液滴が生じ、上記のガスによ
り帯電液滴の中の溶液が気化し、気体状のイオンが生成
される。このように生成したイオンはサンプリングオリ
フィスを介し質量分析計に導入され、質量分析される。
上記のガスは、帯電液滴の気化を促進させる他に、キャ
ピラリーの先端で放電が起こるのを抑圧する。
【0004】キャピラリーに供給される溶液の流量が1
0μL(マイクロリットル)/分以下で、ガスを流さず
にイオン化する方法である、エレクトロスプレー法(ジ
ャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー(Joun
al of PhycalChemistry)、第8
8巻(1984年)第4451頁から第4459頁)
は、イオンスプレー法と区別されているが、イオン生成
の原理はイオンスプレー法と同じである。また、大気圧
化学イオン化法(アナリティカル・ケミストリー(An
alytical Chemistry)、第54巻
(1982年)第143頁から第146頁)では、キャ
ピラリーの先端の近くに放電を行なう電極を設け、大気
圧下に噴霧された液滴を放電によりイオンさせる方式が
用いられている。これらの従来の各種のスプレーイオン
化法では、高いイオン生成効率を得るためには、直径が
約10nm以下の微細な帯電液滴の生成が必要と考えら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、キ
ャピラリーとサンプリングオリフィスの間には高電圧が
印加される。そのため、感電防止策が必要であり、装置
の構造は複雑になるという問題がある。キャピラリー電
気泳動/質量分析計では、キャピラリー先端に高電圧が
印加されるため、キャピラリー電気泳動装置で試料を泳
動させるためにさらに高電圧を印加する必要がある。
【0006】また、静電噴霧現象はキャピラリーの先端
やサンプリングオリフィスの表面の汚れに大きく影響さ
れ、エレクトロスプレー法やイオンスプレー法では、試
料溶液の噴霧を一旦停止すると、同一条件で噴霧を再開
しても検出されるイオン強度は異なり、再現性が低い。
そのため、検出されるイオン強度が最大となるように、
キャピラリー位置を微調整したり、キャピラリー先端や
サンプリングオリフィス表面をクリーニングする等の煩
雑な作業が、噴霧を再開する毎に必要である。そのた
め、感電防止のために装置の構造が複雑になり、操作上
の障害となる。
【0007】また、上記従来技術では、試料溶液に、溶
媒としてアルコールやアンモニア等の揮発性物質を混合
する必要がある。電気伝導度が低い溶媒を用いた場合に
は、静電噴霧現象が起こらず、静電噴霧現象を生じさせ
るためには、試料溶液の電気伝導度が10-13〜10-5
Ω-1cm-1の範囲とする必要があることが経験的に知ら
れている。これらの条件が満たされない限り、静電噴霧
現象が安定に起こらず、溶媒の選択が制限される点で問
題がある。
【0008】また、キャピラリーとサンプリングオリフ
ィスの間に高電圧が印加されるため、イオン源の周辺で
放電が起こる可能性があり、引火性溶媒の使用は困難で
ある。このように使用できる溶媒の種類が制限される
と、キャピラリー電気泳動又は液体クロマトグラフによ
り、測定対象物質の分離ができない場合が生じる。
【0009】本発明の目的は、安全で操作性の高いイオ
ン源を提供し、このイオン源を使用して、安定にイオン
を生成し高感度に再現性よく試料の分析ができる質量分
析装置を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、キャピラリー電気泳
動又は液体クロマトグラフ等で使用される広範囲の溶媒
が使用できるイオン源およびこれを使用した質量分析装
置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、試料溶液が導
入される細管の端部の外周部にガス流を形成するガス流
形成手段を有し、この端部の外周部にガスを大気中に噴
出させて、試料溶液をイオン化させるイオン源に特徴が
ある。また、ガスの流速とガスの中を伝わる音波の速度
から定まるマッハ数が少なくとも1から2の範囲である
ことに特徴がある。さらにガス流形成手段は、ガスが導
入されるガス導入口と、ガスが噴出される開口部を有
し、開口部には細管の端部が挿入配置され、前記の外周
部と開口部の内周面との間に形成される微小空間からガ
スが噴出される構成とする。また、本発明は以上の特徴
を有するイオン源を使用する質量分析装置に特徴があ
る。
【0012】以下、より詳細に本発明の特徴を説明する
と、試料溶液を大気中に送出するキャピラリーと、キャ
ピラリーの外周面に沿ってキャピラリーの先端部までガ
ス流を形成するために上記の先端部が挿入されるガスガ
イド管とを具備し、ガスの標準状態(20℃、1気圧)
に換算した流量Fと、上記先端部の外周面とガスガイド
管との間の空間の、上記先端部の近傍でのキャピラリー
中心軸に直交する断面の最小面積Sとから定まるガス流
に関する特性値F/Sが所定の範囲にあり、大気中に送
出された試料溶液がガス流により先端部近傍においてイ
オン化されることに特徴があり、上記特性値F/Sの所
定の範囲は200m/s〜1000m/sであることが
望ましい。試料を効率良くイオン化する点からは、好ま
しくは350m/s〜700m/s、更に好ましくは5
00m/s〜600m/sの範囲に上記特性値F/Sを
設定する。ここで、F/Sの次元は速度と同じとなる
が、実際の噴出ガスの流速とは異なる。流量Fは噴出ガ
スの流量を標準状態に換算した値である。実際の噴出ガ
スは1気圧よりも高圧である。
【0013】なお、試料溶液の流量は1μL(マイクロ
リットル)/分〜200μL(マイクロリットル)/分
とする。
【0014】
【作用】キャピラリー先端部での微小空間から噴出され
たガスにより、キャピラリー先端において試料溶液の細
かな帯電液滴が生成される。ガス流のマッハ数が1に近
づくと、より小さな帯電液滴が生成する。噴出されたガ
スにより、生成した帯電液滴から溶媒が気化して、気体
状のイオンが生成する。生成したイオンを質量分析計に
導入して分析することができる。
【0015】キャピラリー先端部での噴出ガス流の特性
値F/Sがある値以上になると、キャピラリー先端にお
いて、キャピラリーに導入された試料溶液が細分化さ
れ、種々の大きさの帯電液滴が生成する。そして少なく
とも100nm以下の極めて細かな帯電液滴は容易に、
脱溶媒(乾燥)される。溶液中では、中性の試料分子も
極めて細かな液滴中ではプロトンやナトリウムイオン等
と結合することにより、擬似分子イオンが生成すること
があり、質量分析装置で分析可能なイオンが得られると
考えられる。
【0016】キャピラリー先端において生成する液滴の
大きさを決める条件は、噴出されるガス流の特性値F/
S又はマッハ数が本質的な役割を果たすが、極めて細か
な液滴の生成効率においては、考慮すべき他の要素も存
在する。即ち、キャピラリー先端において溶液表面と周
囲との圧力差がある程度以上大きい必要がある。キャピ
ラリーの肉厚を100μm以下の厚さにして極めて細か
な液滴の生成効率を高めることができる。
【0017】さらに、キャピラリーの中心軸とガスガイ
ド管の中心軸とを一致させて、キャピラリー先端部にお
けるガスの流速を均一にして、試料溶液の液滴を含む噴
出ガスの流れを軸対称に形成し、イオン化の条件の再現
性も高めることができる。
【0018】ガス流の特性値F/Sが一定ならば、試料
溶液の液滴の大きさはほぼ一定であり、ガス流量F、ガ
スの噴出する微小空間の面積Sにはほとんど関係しな
い。経験的には、ガス流量Fは0.5リットル/分以上
であれば充分である。キャピラリーの材質や、キャピラ
リーに印加する電位は、溶液から生成する液滴の大きさ
にはほとんど影響しない。
【0019】
【実施例】以下、図を参照して本発明を詳細に説明す
る。
【0020】図1は、本発明の装置構成を示すブロック
図である。試料溶液供給部1に溶液試料が供給され、溶
液試料は、イオン源2の内部に設けたキャピラリー(細
管)(図示せず)に導入される。ガス供給部3から供給
されるガスは流量調節計4によりガス流量が調節され、
イオン源2に導入されキャピラリーの外周部に沿って流
され、キャピラリーの先端部から大気中に、特性値F/
Sが約200m/s以上の値のガス流として噴出する。
キャピラリーに導入された試料溶液は、キャピラリーの
先端部に噴出されたガスにより、微小液滴の他に試料分
子の気体状の擬似分子イオンが試料溶液から生成する
(以下、このイオン化方法を、新しいスプレーイオン化
法である、ソニックスプレー(Sonic Spra
y)法と呼ぶ)。生成したイオンは、キャピラリーの先
端部から質量分析計11に上記のガスにより導入され、
質量分析計11で分析される。以下、本発明によるイオ
ン源の構成、およびこのイオン源を使用した分析例をも
とにして、本発明によるイオン源の特徴に関して説明す
る。
【0021】(第1の実施例)本実施例では、イオン源
は、液体クロマトグラフに結合され、液体クロマトグラ
フ/質量分析計(LC/MS)を構成する。液体クロマ
トグラフにより分離された試料溶液は、図1において、
連結管(図示せず)を経て試料溶液供給部1に供給され
るか、又は液体クロマトグラフの分離管が試料溶液供給
部1に直結されている。
【0022】図2は、本実施例で使用するイオン源を示
す断面図である。試料溶液は100μL(マイクロリッ
トル)/分の流量で、キャピラリー5(ステンレス製、
内径100μm、外径300μm)に、図2の左方に配
置された試料溶液供給部1から導入される。キャピラリ
ー5はその肉厚が薄い場合、強度的に弱く、湾曲しやす
いので、キャピラリー5はキャピラリー保持管(ステン
レス製)6により保持固定する。キャピラリー5の先端
部の約4mmに部分が、キャピラリー保持管6から露出
する。キャピラリー5の外周部に沿ってガスが流され、
キャピラリーの先端部で大気中に所定のガス流速をもつ
ガスを噴出させるためのガスガイド管は、ガスガイド管
先端部7と、ガスガイド管先端部保持部10とから構成
される。
【0023】キャピラリー5の先端のおけるキャピラリ
ーの中心軸と、ガスガイド管先端部7に形成され、ガス
が噴出する出口を形成するための開口部(ガスガイド管
の内径の中で最小の内径を有する部分であり、内径は4
00μmである)の中心軸とが一致するように、キャピ
ラリー5はキャピラリー保持管6を介してガスガイド管
先端部保持部10に固定され、ガスガイド管先端部7は
直接ガスガイド管先端部保持部10に固定される。ガス
ガイド管の外側は大気である。キャピラリー5の先端
は、図2に示すように寸法Lだけ、上記の開口部の大気
側の面へ突出している。
【0024】ガスガイド管には、ガスボンベ又はコンプ
レッサーから窒素ガス又は空気が、流量調節計4(図
1)とガス導入管8を介して導入され、ガスガイド管先
端部7の先端において、上記の開口部内周面とキャピラ
リー5の外周面で形成される微小空間を通って、ガスは
噴出する。この微小空間のキャピラリー5もしくは開口
部の中心軸に直交する面での断面積Sとガスガイド管内
を流れる流量Fより、上記の微小空間でのガス流の特性
値F/Sは求められる。上記の開口部の形が円(内径
D)、およびキャピラリー5の長手方向に直交する面で
の断面の外形が円(外径d)である場合、断面積Sは
(数1)で求められる。
【0025】
【数1】 S=π(D2−d2)/4 …(数1) ガスの流量Fはマスフローメータの他、パージメータ等
の流量計を用いて決定することができる。本発明の実施
例では、N2ガスの最大流量が10L(リットル)/分
(標準状態、20℃、1気圧)、メータの上流側圧力が
7気圧の仕様であり、ガス流量が標準状態(20℃、1
気圧)での値に1%の精度で較正されて得られるマスフ
ローメータ(ブルックス社製、5850E)を使用し
た。
【0026】ガスガイド管先端部7のガス出口ではガス
の断熱膨張がおこり、ガスガイド管先端部7とキャピラ
リー5が冷却される。従って、噴出ガスの温度を室温以
上に保ち、生成される液滴の気化を促進するために、ガ
スガイド管先端部7にヒーター9を設置し、導入される
ガスを、50℃から約90℃の間の温度で加熱するのが
望ましい。
【0027】キャピラリー5の先端がガスガイド管先端
部7から露出する長さ(露出長L)が2mm以上である
場合には、キャピラリー5の先端におけるガスの圧力勾
配が低下するためイオン生成効率は低い。このため、キ
ャピラリー5の先端とガスガイド管先端部7の先端との
距離を調節するために、ガスガイド管先端部7はガスガ
イド管先端部保持部10にネジ込まれて固定される。ガ
スガイド管先端部7のねじ込み位置を調節することによ
り、イオン、又は極めて細かな帯電液滴の生成効率を最
大にすることができる。
【0028】以上の説明では、ガスガイド管先端部7か
ら、窒素ガス又は空気を噴出させた場合を説明したが、
アルゴン等の希ガス又は二酸化炭素を噴出させてもよ
い。また、ガスを購入するコスト面から、窒素、空気又
は二酸化炭素を使用するのが好ましい。さらに好ましく
は、水蒸気の含有が少ない乾燥窒素の使用がよい。
【0029】本実施例では、ガスガイド管先端部7の先
端の最も内径の小さい部位の軸方向の厚さを、2mmと
した。この厚さは、薄い方がガスガイド管先端部7とキ
ャピラリー5との軸合わせが容易になり、厚さ0.5m
m程度が実際の作業操作から好ましい。
【0030】(第2の実施例)本実施例では、イオン源
は、キャピラリー電気泳動装置に連結され、キャピラリ
ー電気泳動/質量分析計結合装置(CE/MS)を構成
する。キャピラリー電気泳動装置により分離された試料
溶液は、図1において、連結管(図示せず)を経て試料
溶液供給部1に供給されるか、又はキャピラリー電気泳
動装置の分離管であるキャピラリーが試料溶液供給部1
に直結されている。
【0031】図3は、本実施例で使用するイオン源を示
す断面図である。第1の実施例に示すイオン源と同様
に、図3に示すようにガスガイド管は、ガスガイド管先
端部7と、ガスガイド管先端部保持部10とから構成さ
れる。キャピラリー電気泳動装置では、試料溶液の流量
が少なく0.1μL(マイクロリットル)/分以下であ
り、電気泳動キャピラリーの末端に泳動してくる分離さ
れた試料溶液を希釈する。この試料溶液を希釈により、
連続的にキャピラリー5に希釈された試料溶液を連続的
に流すことができる。希釈用溶媒を加える時に、試料溶
液のイオン濃度やpH等を最適化して、測定試料のイオ
ン化の効率を増大させることができる。
【0032】キャピラリー電気泳動装置により、分離さ
れた溶液試料は電気泳動用キャピラリー12から混合ジ
ョイント14に導入され、配管13から20μL(マイ
クロリットル)/分の流量で導入される希釈用溶媒と混
合され、キャピラリー5に導入される。次に、試料はキ
ャピラリー5の先端部でガス導入管8から導入されたガ
スにより、第1の実施例と同様に、液滴の他に、気体状
の試料分子の擬似分子イオンに変換される。
【0033】キャピラリー5は金属のキャピラリー保持
管6を介して混合ジョイント14とガスガイド管先端部
保持部10に固定される。キャピラリー電気泳動装置の
電気泳動用の電極としてキャピラリー保持管6又は混合
ジョイント14が使用される。ガスガイド管先端部7を
固定する位置調節用治具15は、ガスガイド管先端部保
持部10にネジ16を用いて固定される。位置調節用治
具15に設けられたネジ16が貫通する穴は、ネジ外形
より大きめに開けられている。このため、位置調節用治
具15に固定されたガスガイド管先端部7の位置を、キ
ャピラリー5の中心軸に垂直な平面内で調節して、キャ
ピラリー5とガスガイド管先端部7の中心軸を一致させ
ることができる。作業中に、キャピラリー5の破損を防
止するため、ガスガイド管先端部7の先端部分に円周を
形成する突起部が設けてある。第1の実施例と同様にし
て、ガスガイド管先端部7にヒーターを設け噴出ガスを
加熱してもよい。
【0034】質量分析計のサンプリングオリフィス17
は、例えば内径を0.3mm、オリフィスの奥行き長さ
を15mmとする。さらに、サンプリングオリフィス1
7は、セラミックヒーター18により100℃〜150
℃に加熱される。サンプリングオリフィス17の外側
(大気圧側)にはカバー19が設置され、サンプリング
オリフィス17が噴出ガス及び試料溶液の液滴により冷
却されるのを防止している。xyzステージ20により
キャピラリー5の中心軸とサンプリングオリフィス17
の中心軸の位置を微調整して一致させ、キャピラリー5
の先端部で生成したイオンが効率良く質量分析計に導入
される。本実施例のキャピラリー電気泳動/質量分析計
結合装置を用いて、溶液試料を効率良く高精度、高感度
で分析することができる。
【0035】質量分析計として四重極型質量分析計を用
い、サンプリングオリフィス17に最大数百Vの電圧が
印加される場合でも、キャピラリー5、キャピラリー保
持管6又はそれらの周囲部の全て、すなわちイオン源全
体の電位を接地状態にできる。キャピラリー電気泳動装
置で泳動電位は、この電位を接地電位を基準にして与え
られる。質量分析計として、イオンを磁場内において質
量分離するための加速電圧が4kV程度の磁場型質量分
析計を使用する場合、サンプリングオリフィス17に加
速電圧と同程度の電圧が印加されるため、キャピラリー
5の先端とサンプリングオリフィス17との間で、放電
が発生する可能性がある。しかし、カバー19に、接地
電位と加速電位の中間的な電圧(例えば、1〜2kV)
を印加し、キャピラリー5とサンプリングオリフィス1
7との間の距離を1cm程度にし、さらに噴出ガスにO
2やSF6等の電子親和力の高いガスを用いて、その結果
放電を回避して、キャピラリー5の先端周辺部の電位を
接地できる。
【0036】静電噴霧現象を用いずに全イオン量や多価
イオンの生成効率を増加させることができる。静電噴霧
現象により多価イオンの生成するには、2.5kV以上
の電圧をキャピラリーの先端に印加する必要があるが、
本発明では、2.5kV以下の低い電圧を利用して、全
イオン量や多価イオンの生成効率を増大できる。
【0037】本装置においてキャピラリー5の先端近傍
の内部に200V程度の電圧差を与えて、キャピラリー
5の先端部からでてくる試料溶液の表面に近い部分で、
正と負のイオンの分離を起こさせ、試料溶液の表面に近
い部分で、正又は負のイオンのいずれかが多い状態とす
ることができる。従って、本発明のソニックスプレー化
法において、ガスの噴出により生成される帯電液滴の電
荷密度は高くなり、静電噴霧現象を用いずに全イオン量
や多価イオンの生成効率を増大させることができる。
【0038】(第3の実施例)以上説明した第1、第2
の実施例において、液体クロマトグラフ、キャピラリー
電気泳動装置、その他の分析装置で分離された試料溶液
をシリンジ、又はシリンジポンプにより、図1に示す試
料溶液供給部1に供給して、試料溶液をイオン源2でイ
オン化させて、質量分析できることは言うまでもない。
【0039】(第4の実施例)本発明によるイオン源を
使用した測定例をもとにして、本イオン源の特徴に関し
て以下説明する。本実施例では、以下に記載する全ての
質量分析は、特に明記する以外は、以下に示す装置構
成、および測定条件で行なった。
【0040】装置構成として、図2に示したイオン源を
用い、サンプリングオリフィスのキャピラリー側に、図
3に示したカバー19を設置した。カバー19は直径2
mmの穴の開いた厚さ1mmのステンレス製のものを用
い、サンプリングオリフィスは内径0.3mmのものを
用た。キャピラリー5として石英製のキャピラリー(内
径0.1mm、外径0.2mm)を用いた。ガスガイド
管の先端部の開口部の内径は、400μmとした。キャ
ピラリー5の先端位置は、ガスガイド管の先端部の開口
部(400μm)の大気圧側の面から0.65mmだけ
突出させた。質量分析計として、二重収束型質量分析計
(日立、M−80)を使用した。開口部(400μ
m)、キャピラリー5、サンプリングオリフィスのそれ
ぞれの中心軸を、検出されるイオン強度が最大となるよ
うに同軸に調整してセットした。
【0041】測定条件として、キャピラリー先端部、サ
ンプリングオリフィス、カバー19のそれぞれの電位を
同電位に設定した。噴出ガスとしてN2ガスを用い、噴
出ガスの特性値F/Sを550m/sとした。試料溶液
(Gramicidin(グラミジン)−S)の流量を
40μL(マイクロリットル)/分とした。ガスガイド
管は室温に保持され、ヒーター9によりガスガイド管先
端部7を加熱せずにイオン強度の測定を行った。
【0042】(1)本イオン源を使用して得られる質量
スペクトル(図4)。
【0043】図4に、ペプチドの一種であるGrami
cidin−Sの溶液(濃度1μM、溶媒は50%メタ
ノール水溶液)を試料溶液として得られた質量スペクト
ルを示す。m/z=140のイオンは、試料溶液中又は
大気から混入した不純物に由来するものと考えられる。
メタノール由来のCH3OH2のプラスイオン(m/z=
33)はわずかに観測されるが、H3Oのプラスイオン
又はH3Oのプラスイオンに水分子が付加して形成され
るクラスターは観測されず、単純なスペクトルが得ら
れ、スペクトルの解析が容易になる。エレクトロスプレ
ー法、イオンスプレー法等の従来の方法では、希薄な試
料溶液を用いて質量スペクトルを測定する場合には、溶
媒に由来するイオンが強く観測される。本発明では、溶
媒に由来するCH3OH2のプラスイオン強度は、試料溶
液濃度を10倍変化させても殆ど変化せず、試料溶液濃
度に影響されずに測定対象の試料の質量スペクトルを測
定することができる。
【0044】(2)試料溶液の流量とイオン強度の関係
(図5)。
【0045】図5に、試料溶液流量を変化させたとき
に、検出されたGramicidin−Sの2価イオン
の強度を示す。40μL(マイクロリットル)/分以下
の流量では、流量が増大するに従いイオン強度は直線的
に増加する。しかし、流量が増加するにつれて、微細な
帯電液滴(直径が10nm程度)よりも直径が大きい液
滴が優先的に生成され、サンプリングオリフィスの温度
が低下するため、40μL(マイクロリットル)/分以
上の流量では、流量が増大してもイオン強度の増加は少
なくなる。試料溶液流量が10〜60μL(マイクロリ
ットル)/分の範囲にあれば試料を効率良くイオン化す
ることができる。
【0046】なお、試料溶液流量がゼロの場合において
も、ガスガイド管先端部から噴出するガスによって生じ
る大気圧よりも圧力が低い減圧空間が生じるため、スプ
レーイオン化法では、試料がイオン化されてゼロでない
イオン強度(図5では、図示せず)が得られる。
【0047】(3)ガスガイド管先端でのガスが噴出す
る開口部の大きさと、キャピラリーの寸法と、イオン強
度との関係。
【0048】ガス流速とキャピラリーの外径を一定にし
て、ガスガイド管先端部7の先端部のガス出口の断面積
が最も小さい部位での内径を0.4mmから0.5mmに
変更しても検出されるイオン強度は変化しなかった。一
方、ガス流量を一定にして、ガスガイド管先端部7先端
のガス出口である、開口部の内径が0.5mmの場合に
は、開口部の内径が0.4mmの場合より著しくイオン
強度は低く、実質的にイオンは検出されなかった。従っ
て、イオンの生成はガスの流量ではなくガスの流速に依
存する。
【0049】ガスガイド管先端部7先端部の上記の開口
部の内径を0.5mmに固定し、肉厚50μmの石英キ
ャピラリー(内径0.1mm、外径0.2mm)と肉厚が
約3倍大きい肉厚137.5μmの石英キャピラリー
(内径0.1mm、外径0.375mm)とを比較した。
ガス流速を同一にしても検出されるイオン強度は肉厚5
0μmの石英キャピラリーの方が約1桁高く、キャピラ
リーの肉厚が薄いほどイオン生成効率が高く好ましい。
このことはキャピラリーの肉厚が厚くなるとキャピラリ
ーから流れ出る試料溶液に対して、キャピラリー外周部
を流れるガスが効果的に作用しなくなるため、イオン化
の効率が悪くなるためである。
【0050】キャピラリーとして石英キャピラリーを使
用したが、ステンレスのキャピラリーでもよく、キャピ
ラリーの肉厚が10〜150μmの範囲にあれば、強度
的に余裕があり、試料を効率良くイオン化することがで
きる。
【0051】(4)噴出ガスの特性値F/Sとイオン強
度の関係、マッハ数Mの計測(図6)。
【0052】図6に、Gramicidin−Sを試料
とし、溶媒としてメタノール濃度が50%であるメタノ
ール水溶液の試料溶液(試料濃度は1μM)を調整し
た。次に、試料溶液を40μL(マイクロリットル)/
分の流量でキャピラリー5に導入した。噴出ガスには、
2およびArを用いた。Gramicidin−S
は、二つのプロトンが付加した2価のプラスイオン(m
/z=571)として検出された。
【0053】図6の測定図は、ガス流の特性値F/Sに
対して、上記のGramicidin−Sの2価イオン
(m/z=571)のイオン強度をプロットしたのもで
ある。図6中、○はN2ガス、□はArガスを用いた場
合に観測された相対イオン強度を示す(相対イオン強度
の最大値をそれぞれの場合に10とした)。
【0054】図6に示す矢印C点の条件下では、イオン
源のガスガイド管を流れるガス流の上流側のガス圧力は
7気圧(P0=7気圧)である。また、イオン源の外部
の圧力は1気圧(P=1気圧)である。そこで、次に示
す等エントロピー流れに対する関係式を用いると、マッ
ハ数Mを求めることができる。
【0055】
【数2】 P0/P={1+0.5(γ−1)M2}**α …(数2) (数2)においてα={γ/(γ−1)}であり、**
はべき乗を示し、γはガスの比熱比であり、N2ガスの
場合は1.4である(参考文献:生井武文、松尾一泰;
圧縮性流体の力学(理工学社、1977)、H.W.L
iepmann,A.Roshko;Elements
of Gasdynamics(John Wile
y & Sons Inc. NY,1960)。(数
2)の関係式を用いてマッハ数Mを求めると、図6中の
矢印で示される点Cにおける特性値F/S=1040m
/sでは、M=1.93と見積もられる。このことか
ら、図6の実験結果はマッハ数Mが2以下の条件下で得
られたものと結論される。
【0056】気体のような圧縮性流体では、密度変化に
よる屈折率の変化が流体中に存在する。この性質を利用
すると、流れを可視化することができる。そこで、N2
ガスを用いて試料溶液は導入せず、図6中の矢印A、
B、Cで示す特性値F/S=345、691、1040
m/sの条件下でシュリーレン写真を撮影して、(数
2)に基づいてマッハ数Mを求めた。得られる噴出ガス
のシュリーレン写真を、図7に模式的に示す。図7
(a)は図6の点Aでの特性値F/S=345m/sで
得られた噴出ガスのシュリーレン写真の模式図であり、
図7(a)中の左方はイオン源の先端部におけるガス流
れの状態を模式的に示す側面図であり、キャピラリー先
端がイオン源から約0.3mmだけ露出している。噴出
ガスは図7(a)中に示されるキャピラリー先端の周囲
から右方へ流れる。このシュリーレン写真では、ガス流
の輪郭のみがえられる。図6の点B、点Cでの特性値F
/S=691、1040m/sで得られたシュリーレン
写真を図7(b)に模式的に示す。図7(a)と比較し
てガス流中に大きな密度変化に対応する縞模様が顕著に
現われている。これは超音速流で発生する膨張波である
と判断される。点Bでは、キャピラリー先端付近で、超
音速流が発生しマッハ数Mは1以上であると結論され
る。一方、点Aでの特性値F/S=345m/sでは、
縞模様が現われずマッハ数Mは1以下である。このこと
より、図6中の矢印で示されるA点とB点との間、即ち
イオン強度が最大となる特性値F/Sを含む領域にM=
1となる条件が存在することになる。
【0057】図6において、噴出ガスの流速のマッハ数
Mが1以上の超音速の場合には、キャピラリー先端付近
で衝撃波や膨張波が発生し、キャピラリー先端近傍での
圧力が変動する。このため、大きい液滴が生成され易く
なり、イオンの生成に必要な細かな帯電液滴は生成され
にくくなり、観測されるイオン強度が低下すると考えら
れ、さらに、超音速領域では噴出ガスは断熱膨張により
著しく冷却されるため(図6を得る実験では冷却防止の
ためガスガイド管の加熱はしていない)、帯電液滴の気
化が抑制されると考えられるので、図6中の矢印で示さ
れるA点とB点との間、即ちイオン強度が最大となる特
性値F/Sを与える約550m/sがマッハ数M=1と
なる点であると想定される。
【0058】図6に示した測定結果を得たさいの測定、
装置条件は、キャピラリー先端とサンプリングオリフィ
スの電位を同電位に設定し、ガスガイド管、キャピラリ
ーの温度は、加熱せず、室温である。また、噴出ガスの
特性値F/Sが約550m/sの場合に検出されるイオ
ン強度は、キャピラリー先端とサンプリングオリフィス
間に3kVの高電圧を印加しても変化しない。従って、
図6に示されるイオン強度は、キャピラリーの加熱、キ
ャピラリーに印加され電圧により生成したイオンに基づ
くものではなく、観測されたイオンの生成は、噴出ガス
のみの作用効果によるものであって、本発明のスプレー
イオン化法では、キャピラリー先端に印加された電圧、
加熱の作用効果は必要としていない。さらに、図6の結
果のように、キャピラリーを加熱しない場合でも、以下
に説明するように、従来法に比較して十分なイオン強度
が得られている。即ち、従来のイオン化法では、直径が
10nm以下の帯電液滴の生成は、強電場や加熱を利用
する以外に手段がないと考えられていたが、本発明のソ
ニックスプレー法では、噴出ガスと共に試料溶液を大気
中に噴出させるだけで、直径が10nm以下の帯電液滴
の生成を実現している。
【0059】一方、ガス流の特性値F/Sを、ガスの噴
出により生成されるイオンの量が無視できる5m/sに
設定し、キャピラリーとサンプリングオリフィスとの間
に3kV程度の高電圧を印加し、静電噴霧現象によりイ
オンを生成するイオンスプレー法の場合に検出されるイ
オン強度は、図6に示すイオン強度の最大値の約1/1
0以下の低い値である。
【0060】噴出ガスの特性値F/Sを350〜700
m/sの範囲に設定して、従来のイオンスプレー法によ
るイオン強度の約3倍以上のイオン強度が得ることがで
きる。噴出ガスの特性値F/Sを400〜800m/s
の範囲に設定することが好ましく、従来のイオンスプレ
ー法によるイオン強度の約6倍以上のイオン強度が得ら
れる。さらに、噴出ガスの特性値F/Sを500〜60
0m/sの範囲に設定すれば、従来のイオンスプレー法
の10倍以上のイオン強度を得ることができ、最も好ま
しい結果を得ることができる。
【0061】(5)キャピラリー先端位置に対するサン
プリングオリフイス位置ずれと、イオン強度の関係(図
8)。
【0062】キャピラリー5とサンプリングオリフィス
17との間の距離を5mmに保持して、第4の実施例に
おいて説明したように、イオン源の、ガスガイド管の開
口部、キャピラリー5、サンプリングオリフィス17の
それぞれの中心軸を、検出されるイオン強度が最大とな
るように同軸に調整してセットして(この位置を以下の
移動変化の基準の位置(=0)とする)、試料溶液から
のイオン強度を測定する。次いで、イオン源全体の位置
を水平方向に移動変化させて、それぞれの移動位置にお
いて、Gramicidin−Sの2価イオンのイオン
強度(試料溶液は、溶媒が50%メタノール水溶液のG
ramicidin−S溶液(濃度10μM)である)
を検出した結果を図8に示す。図8の中央部の相対イオ
ン強度約2.8の鋭いピークは、この鋭いピークを得た
時のガス流の特性値F/S(550m/s)をさらに大
きくした場合には消失してしまい、かわりに相対イオン
強度が約1.6である、幅の広い鈍ったピークとなって
しまう。イオン源の移動距離が、−1mmおよび0.5
mm付近に小さいピークが出現するが、これらのピーク
は、サンプリングオリフィス17の前のカバー19の穴
(直径2mm)による、噴出ガス流の乱れにより生じた
ものと考えられる。図8に示す結果は、イオン源全体の
位置を垂直方向に移動変化させても同様である。
【0063】上記の移動距離、1mmの位置は、キャピ
ラリー5の先端部の中心を頂点とし、キャピラリーの中
心軸を軸とする、頂角、約22.5度を有する直円錐の
底面の円周上にある。即ち、サンプリングオリフィス1
7の中心位置(1mm)は、この円周上にある。同様に
して、移動距離、0.2mmの位置は、キャピラリー5
の先端部の中心を頂点とし、キャピラリーの中心軸を軸
とする、頂角、約4.5度を有する直円錐の底面の円周
上にある。即ち、サンプリングオリフィス17の中心位
置(0.2mm)は、この円周上にある。好ましくは上
記の頂角22.5度を有する、直円錐の底面の円周内部
にサンプリングオリフィスの中心位置を配置することに
より、従来のイオンスプレー法により得られるイオン強
度の約2.5倍以上のイオン強度が得られる。さらに好
ましくは上記の頂角4.5度を有する、直円錐の底面の
円周内部にサンプリングオリフィスの中心位置を配置す
ることにより、従来のイオンスプレー法により得られる
イオン強度の約6倍以上のイオン強度が得られる。
【0064】さらに、噴出ガスの特性値F/Sを550
m/sから、さらに大きくした超音速の場合でも、従来
のイオンスプレー法により得られるイオン強度の約6倍
以上のイオン強度が得られる。
【0065】(6)ガスガイド管の先端からキャピラリ
ーの先端が露出する長さとイオン強度の関係(図9)。
【0066】図9に、ガスガイド管先端部7の先端の最
小内径を有する開口部の大気圧面から、キャピラリー5
の最先端が露出する露出長(図2及び図3に示すL)を
変化させたときに検出されるイオン強度を示す。露出長
Lが1.2mm以上では、イオン強度は低下している。
露出長Lが大きくなると、キャピラリーの先端における
ガス流速が実質的に低下して、検出されるイオン強度は
低下する。従って、上記の露出長Lは、−0.25〜
1.0mmに設定することが好ましい。
【0067】(7)試料溶液濃度とイオン強度の関係
(図10)。
【0068】図10に、Gramicidin−Sの濃
度を変化させたときに検出されるイオン強度を示す。約
1μM以下の低濃度領域では、イオン強度は試料濃度に
対して直線的に変化して増大する。本発明のイオン化法
では、特に約1μM以下の試料溶液の濃度に対して好適
である。約2μM以上の試料濃度では、検出されるイオ
ン強度は、約1μM以下の低濃度領域における直線変化
とは異なる直線変化を示している。約2μM以上の高濃
度領域では試料濃度を変化させてもイオン強度の増加は
あまり変化しない理由は、溶液のpHは5程度であり、
高濃度領域では試料溶液中のほとんどのプロトンが、G
ramicidin−Sに結合しており、試料溶液中の
プロトンの枯渇によると考えられる。
【0069】(第5の実施例)次に、ガスガイド管の簡
単な製作方法を図11に基づいて説明する。図3に示す
ガスガイド管先端部保持部の変形例を図11に断面図に
より示す。
【0070】図11では、図3に示す7、15、16の
各部の詳細は図3と同じであり省略した。図11の断面
図から明らかなように、円柱材料を使用して単なる孔開
け加工のみによる簡単な製作方法でガスガイド管先端部
保持部を得ることができる。
【0071】なお、ガスガイド管を構成する各部の材質
は、以上の各実施例において説明した材質以外であって
もよく、各種の金属材料、ガラス材料、セラミックス材
料、さらには、フイラー充填の高分子樹脂材料を使用し
て作成してもよい。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、イオン源を構成するキ
ャピラリー等の各部の電位を接地させたまま、噴出ガス
により試料溶液から、効率よくイオンを生成できる。こ
の結果、従来のイオン化法に比較して、イオン源の構造
が単純化され、操作性、安全性が高くなる。また、本発
明のイオン源をキャピラリー電気泳動装置に適用し、キ
ャピラリー電気泳動/質量分析計を構成するさい、上記
のようにキャピラリーの先端を接地電位にできるため、
キャピラリー電気泳動装置では独自に電位を印加でき、
装置全体の構成が単純になり、装置の操作が単純とな
り、操作の安全性も格段に向上する。
【0073】さらに、従来のイオン化法では、イオンの
生成はキャピラリーやサンプリングオリフィスの周囲の
汚れの影響を大きく受けるが、本発明の、噴出ガスによ
リ試料溶液からイオンを生成する、本発明のソニックス
プレー法では、従来方法とは異なりキャピラリーやサン
プリングオリフィスの周囲の汚れの影響を受けない。
【0074】また、従来のイオン化法では、検出される
イオン強度はサンプリングオリフィスの周囲やキャピラ
リーでの汚れの影響を大きく受けるが、本発明の、ソニ
ックスプレー法では、従来方法とは異なり、検出される
イオン強度はキャピラリー周囲の汚れの影響を受けるこ
となく、サンプリングオリフィスの周囲の汚れにあまり
影響されず、試料の高感度検出が可能であり、再現性が
よい。即ち、キャピラリー先端やガスガイド管を最適な
位置に設定することにより、再現性よく試料溶液からイ
オンを高効率で生成し、検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明のイオン源の第1の実施例を示す断面
図。
【図3】本発明のイオン源の第2の実施例、およびサン
プリングオリフィスを示す断面図。
【図4】本発明のイオン源を使用して得られた質量スペ
クトル例を示す図。
【図5】試料溶液流量と検出されるイオン強度の関係を
示す図。
【図6】噴出ガスの特性値F/Sとイオン強度の関係を
示す図。
【図7】噴出ガスのシュリーレン写真を模式的に示す
図。
【図8】キャピラリー先端位置とサンプリングオリフイ
位置との位置ずれと、イオン強度の関係を示す図。
【図9】キャピラリー先端位置の露出長とイオン強度の
関係を示す図。
【図10】試料溶液濃度とイオン強度の関係を示す図。
【図11】ガスガイド管の簡単な製作方法を説明するた
めの断面図。
【符号の説明】
1…試料溶液供給部、2…イオン源、3…ガス供給部、
4…流量調節計、5…キャピラリー、6…管、7…ガス
ガイド管先端部、8…ガス導入管、9…ヒーター、10
…ガスガイド管先端部保持部、11…質量分析計、12
…電気泳動用キャピラリー、13…配管、14…混合ジ
ョイント、15…位置調節用治具、16…ネジ、17…
サンプリングオリフィス、18…セラミックヒーター、
19…カバー、20…xyzステージ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 49/04 49/10 (72)発明者 小泉 英明 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 梅村 馨 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料溶液を大気中に送出するキャピラリー
    と、該キャピラリーの外周面に沿って前記キャピラリー
    の先端部までガス流を形成するために前記先端部が挿入
    されるガスガイド管とを具備し、前記ガスの標準状態
    (20℃、1気圧)に換算した流量Fと、前記先端部の
    外周面と前記ガスガイド管との間の空間の、前記先端部
    の近傍でのキャピラリー中心軸に直交する断面の最小面
    積Sとから定まる前記ガス流に関する特性値F/Sが所
    定の範囲にあり、大気中に送出された前記試料溶液が前
    記ガス流により前記先端部近傍においてイオン化される
    ことを特徴とするイオン源。
  2. 【請求項2】前記特性値F/Sの所定の範囲が200m
    /s〜1000m/sであることを特徴とする請求項1
    に記載のイオン源。
  3. 【請求項3】前記特性値F/Sの所定の範囲が350m
    /s〜700m/sであることを特徴とする請求項1に
    記載のイオン源。
  4. 【請求項4】前記特性値F/Sの所定の範囲が500m
    /s〜600m/sであることを特徴とする請求項1に
    記載のイオン源。
  5. 【請求項5】前記キャピラリーの先端近傍における前記
    ガス流のマッハ数が少なくとも1近傍にあることを特徴
    とする請求項1に記載のイオン源。
  6. 【請求項6】前記キャピラリーの外径をd、前記先端部
    が挿入される前記ガスガイド管の先端の内径の最小部位
    の内径をD、円周率をπとするとき、前記最小面積Sが
    (π(D2−d2))/4で決まる値であることを特徴と
    する請求項1に記載のイオン源。
  7. 【請求項7】前記ガスガイド管の先端から、前記先端部
    が露出する距離が−0.25mm〜1.0mmであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のイオン源。
  8. 【請求項8】前記先端部のキャピラリーの中心軸と、前
    記先端部の近傍での前記ガスガイド管の中心軸とを一致
    させる中心軸調節手段を備えることを特徴とする請求項
    1に記載のイオン源。
  9. 【請求項9】前記ガスガイド管の先端から、前記先端部
    が露出する距離を前記先端部のキャピラリーの中心軸に
    沿って変化させる先端距離調節手段を備えることを特徴
    とする請求項1記載のイオン源。
  10. 【請求項10】前記キャピラリーは、肉厚が10μm〜
    150μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記
    載のイオン源。
  11. 【請求項11】前記キャピラリーに供給される前記試料
    溶液の流量が1μL(マイクロリットル)/分〜200
    μL(マイクロリットル)/分であることを特徴とする
    請求項1に記載のイオン源。
  12. 【請求項12】前記ガスガイド管に加熱手段を設けるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のイオン源。
  13. 【請求項13】前記ガスガイド管と前記キャピラリーと
    の電位を接地することを特徴とする請求項1に記載のイ
    オン源。
  14. 【請求項14】前記キャピラリーの先端部近傍の内部の
    2点間に500V以下の電位差を与え、前記キャピラリ
    ーの先端部から大気圧中に出る前記試料溶液の表面近傍
    に正負いずれかの電荷を付与することを特徴とする請求
    項1に記載のイオン源。
  15. 【請求項15】前記ガスガイド管に前記試料溶液を希釈
    するための希釈溶媒を導入する導入口を有する結合ジョ
    イントをさらに有することを特徴とする請求項1に記載
    のイオン源。
  16. 【請求項16】前記ガスが、空気、窒素、二酸化炭素又
    はアルゴンのいずれかであることを特徴とする請求項1
    に記載のイオン源。
  17. 【請求項17】請求項1から請求項16のいずれかに記
    載の前記イオン源と、前記イオン源により生成したイオ
    ンを真空中に導入する細孔と、該細孔から導入された前
    記イオンを検出する質量分析計とを備えることを特徴と
    する質量分析装置。
  18. 【請求項18】前記イオン源と前記細孔との間に穴のあ
    いたカバーを備えることを特徴とする請求項17に記載
    の質量分析装置。
  19. 【請求項19】前記キャピラリーの先端と前記細孔との
    距離を調節する調節手段を備えることを特徴とする請求
    項17に記載の質量分析装置。
  20. 【請求項20】前記キャピラリーの中心軸と前記細孔の
    中心との距離を調節する調節手段を備えることを特徴と
    する請求項17に記載の質量分析装置。
  21. 【請求項21】前記キャピラリーの先端の中心を頂点と
    し、前記キャピラリーの先端部の中心軸を軸とし、頂角
    が22.5度を有する直円錐の底面の円周の内部に、前
    記細孔の中心が位置することを特徴とする請求項17に
    記載の質量分析装置。
  22. 【請求項22】前記キャピラリー先端の中心を頂点と
    し、前記キャピラリーの先端部の中心軸を軸とし、頂角
    が4.5度を有する直円錐の底面の円周の内部に、前記
    細孔の中心が位置することを特徴とする請求項17に記
    載の質量分析装置。
  23. 【請求項23】前記キャピラリーと前記細孔との間に電
    圧を印加する印加手段を備えることを特徴とするを特徴
    とする請求項17に記載の質量分析装置。
  24. 【請求項24】前記試料溶液がキャピラリー電気泳動装
    置により分離された試料溶液であり、前記試料溶液が前
    記キャピラリーに供給されることを特徴とする請求項1
    7に記載の質量分析装置。
  25. 【請求項25】前記試料溶液が液体クロマトグラフィー
    装置により分離された試料溶液であり、前記試料溶液が
    前記キャピラリーに供給されることを特徴とする請求項
    17に記載の質量分析装置。
  26. 【請求項26】試料溶液が導入される細管の端部の外周
    部にガス流を形成するガス流形成手段を有し、前記端部
    の外周部の空間から前記ガスを大気中に噴出させて、前
    記試料溶液をイオン化させるイオン源。
  27. 【請求項27】前記細管の先端近傍における前記ガス流
    のマッハ数が少なくとも1から2の範囲であることを特
    徴とする請求項26に記載のイオン源。
  28. 【請求項28】前記ガス流形成手段は、前記ガスが導入
    されるガス導入口と、前記ガスが噴出される開口部を有
    し、該開口部には前記細管の端部が挿入配置され、前記
    外周部と前記開口部の内周面との間に形成される空間か
    ら前記ガスが噴出されることを特徴とする請求項26又
    は請求項27に記載のいずれかのイオン源。
  29. 【請求項29】請求項26から請求項28のいずれかに
    記載のイオン源を用いる質量分析計。
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