JPH086161Y2

JPH086161Y2 - 上下同時加熱型ガス器具

Info

Publication number: JPH086161Y2
Application number: JP7587890U
Authority: JP
Inventors: 隆広長嶋; 淳一望月; 裕一佐伯; 勘二浦
Original assignee: Tokyo Gas Co Ltd
Current assignee: Tokyo Gas Co Ltd
Priority date: 1990-07-17
Filing date: 1990-07-17
Publication date: 1996-02-21
Anticipated expiration: 2005-07-17
Also published as: JPH0436504U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は、焼物器など輻射熱を必要とする加熱調理機
器、または暖房、乾燥、消毒などを目的とする機械器具
の輻射熱発生装置等に利用されるガス器具に関するもの
である。

従来の技術従来、この種のガス器具においては、例えば、添付図
面の第４図の部分断面図に示すように、垂直方向に向い
た炎口４を有するガスバーナ３の上に放熱板１を配置し
た形式のものがある。この形式のガス器具では、炎口４
から上方に延びる火炎による主として対流熱により、そ
の上に配置された放熱板１が加熱されて、放熱板１は、
矢印にて示すように、上下に遠赤外線、赤外線等の輻射
熱を放射することになる。

また、別の従来のガス器具の形式としては、第５図の
部分概略図に示すように、多数の穴1Aを有する円筒状の
放熱板1Aの下に、熱源である多数の炎口4Aを有するガス
バーナ3Aを配置したものがある。この形式のガス器具
は、石油ストーブなどに採用されているものであり、こ
の形式のガス器具では、リング状に配置された各炎口4A
から上方に延びる火炎による主として対流熱により円筒
状放熱板1Aが加熱されて、矢印にて示すように、水平方
向に放射状に輻射熱を放射する。

考案が解決しようとする課題第４図に示したような従来のガス器具の形式では、ガ
スバーナ３の上方にある放熱板１からは下方にも輻射熱
が発生されるが、このような下方への輻射熱は、ガスバ
ーナ３の本体によって受けられてしまい、ガスバーナ３
の陰になった下方への輻射熱はこれによって遮られてし
まうことになり、実質的には下方への加熱を行うことが
できないものである。したがって、この従来のガス器具
の形式のものは、加熱方向が上方のみに限られてしまっ
ている。その上、このように輻射熱が直接的にバーナ本
体にあたるような燃焼室構造は、バーナの燃焼原理から
言えば、あまり好ましいものではない。すなわち、バー
ナ本体が高温になることにより、バックファイヤーの原
因となりやすい。また、雰囲気の温度が高温になりすぎ
ることによる２次空気不足になりがちである。

また、第５図に示したような従来のガス器具の形式で
も、加熱の方向が水平方向のみに限られている。

このように、これらの従来のガス器具の形式は、加熱
の方向が上方向のみか、水平方向のみかに限られてしま
っており、これまでは、１つの熱源から上下両方向に同
時に加熱できるようにしたものはなかった。

従来、上下両方向で加熱が可能な調理用ガス器具があ
るが、これはバーナ（赤外線バーナ）本体が回転する機
構を持ち、上方を加熱したい場合は炎口部が上方になる
ようにバーナ本体を回転させ、下方を加熱したい場合も
同様に回転させるという方式のものであり、これは、上
下両方向の加熱が可能であるが、上下両方向の同時加熱
を行えるものではない。

本考案の目的は、前述したような従来の技術に鑑み
て、上下方向の同時加熱を行えるような上下同時加熱型
ガス器具を提供することであり、また、このようなガス
器具に使用するのに適した放熱板を提供することであ
る。

課題を解決するための手段本考案による上下同時加熱型ガス器具は、水平方向に
向いた炎口を有するガスバーナと、該ガスバーナの前記
炎口に対向する位置に放熱部を有する放熱板とを備えて
おり、前記放熱部は、前記炎口から延びる火炎によって
加熱されて上下方向に輻射熱を放射しうる形状とされて
いることを特徴とする。

また、本考案による放熱板は、ガスバーナの保護カバ
ーとして作用する屋根型部と放熱部として作用する半円
筒状部とを交互に連接してなるような形状とされたこと
を特徴とする。

実施例次に、添付図面の第１図から第３図を参照して、本考
案の実施例について本考案をより詳細に説明する。

第１図は、本考案の一実施例としての焼物器の全体を
示す側面図であり、この第１図に示すように、この焼物
器は、調理台等の上に載置するための調節脚11を底部に
有したガステーブル状のハウジング本体10を備えてい
る。このハウジング本体10には、上部に上部焼あみ41、
下部に下部焼あみ42がそれぞれ配置されるようになって
おり、それら焼あみ41と42との間に、ガスバーナ20と、
放熱板30とが配置されており、下部焼あみ42の下には、
汁受け43が配置されている。この汁受け43には、その前
部に取手44が設けられており、この取手44を把持して、
汁受け43をハウジング本体10内から引き出すことができ
るようになっている。また、ハウジング本体10の下部の
全面には、器具栓つまみ45が設けられていて、ガスバー
ナ20の燃焼制御を行えるようになっている。

第２図は、第１図の焼物器における上部焼あみ41と、
下部焼あみ42と、それらの間に配置されているガスバー
ナ20および放熱板３との関係を詳細に示す部分拡大図で
ある。また、第３図は、さらにそのガスバーナ20と放熱
板30との関係をより詳細に示す部分拡大斜視図である。
これら第２図および第３図によく示されるように、放熱
板30は、加熱されるときに遠赤外線や赤外線等の輻射熱
を放出する材料で一体的にプレス加工や打ち抜き加工に
より形成されたものでよく、ガスバーナの保護カバーと
して作用する屋根型部32と放熱部31として作用する半円
筒状部31Aとを交互に連接してなるような形状とされて
いる。第３図によく示されるように、各半円筒状部31A
には、多数の排気および加熱促進用穴31Bが形成されて
いる。

ガスバーナ20は、第２図および第３図によく示される
ように、両側面部に細長く延長する炎口21を形成した複
数のパイプ状体の配列からなり、各パイプ状体は、その
上に配置された放熱板30の各対応する屋根型部32の下に
来るように配置されており、この時、その両側面の炎口
21は、放熱板30の放熱部31である半円筒状部31Aの円弧
部に隣接して対向するようにされる。

このような焼物器の使用に際してガスバーナを点火す
ると、第２図に示されるように、各パイプ状体の炎口21
から火炎が延びて、隣接した放熱板30の放熱部31である
半円筒状部31Aの円弧部が、主として対流により加熱さ
れる。このようにして放熱板30の各半円筒状部31Aが主
として加熱されると、第２図に白抜き矢印にて示される
ように、上下方向に同時に輻射熱が放射される。したが
って、上部焼あみ41と下部焼あみ42との上に載せた魚等
の被調理物体を同時に加熱調理することができる。半円
筒状部31Aに形成された多数の穴31Bは、放熱板の加熱さ
れる速さを増加させる効果を持ち、また、ガスバーナの
燃焼排ガスの排出口としての役割も果たす。また、これ
らの穴31Bから排出された排気熱は、第２図に実線矢印
にて示すように、対流熱として上方の加熱を可能にして
いる。さらに、これら穴31Bは、上部あみ41に載せられ
た魚等の被調理物体が加熱されたことによりそれから出
る油分、水分等を下方の汁受け43へと落とし、放熱板30
にこれらの不純物が貯って放熱板の放熱能力を妨げない
ようにする役割も果たす。一方、放熱板30の保護カバー
として作用する屋根型部32は、ガスバーナ20の上を覆う
ように配置されていて、上から落ちてくる油分や水分等
の不純物がガスバーナ20の上に付着してしまうのを防止
すると同時に、これら不純物を穴31Bを設けた半円筒状
部31Aの方へと導くような作用も果たしている。

なお、前述した実施例は、本考案を魚等の焼物器に適
用した場合であったが、本考案は、これに限らず、暖
房、乾燥、消毒などを目的とする機械器具の輻射熱発生
装置等に同様に適用されて同様の効果を発揮するもので
ある。

考案の効果本考案のガス器具の構成によれば、１つの熱源で上下
両方向の同時加熱が可能となり、その上、熱源（バー
ナ）の上方（または下方）に配置された放熱板に比べ、
バーナの燃焼環境を大幅に良くすることができる。ま
た、上方加熱専用の熱源と下方加熱専用の熱源を用いれ
ば、上下両方向同時加熱は可能であるのであるが、この
ような方式に比べ、コストを半減することも可能となる
と同時に、器具の大きさもコンパクトにできるという効
果もある。

また、前述した実施例の如く、放熱板の放熱部に多数
の穴を形成する場合には、加熱される速さを増加させる
効果を持ち、バーナの燃焼排ガスの排出口としての役割
も果たすことができる。さらに、これらの穴から排出さ
れた排気熱は、対流熱として上方の加熱を可能にしてい
る。さらに、本考案を焼物などの調理機器に使用された
場合、加熱されたことにより食材から出る油分、水分等
を下方に落とし、放熱板にこれらの不純物が貯って放熱
板の放熱能力を妨げないという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例としての焼物器の全体を示
す側面図、第２図は、第１図の焼物器における上部焼あ
みと下部焼あみとの間に配置されているガスバーナおよ
び放熱板との関係を詳細に示す部分拡大図、第３図は、
第１図の焼物器のガスバーナと放熱板との関係をより詳
細に示す部分拡大斜視図、第４図は、従来のガス器具の
一例を示す部分概略断面図、第５図は、従来のガス器具
の別の例を示す部分概略図である。 10……ハウジング本体、11……調節脚、20……ガスバー
ナ、21……炎口、30……放熱板、31……放熱部、31A…
…半円筒状部、31B……排気および加熱促進用穴、32…
…屋根型部、41……上部焼あみ、42……下部焼あみ、43
……汁受け、44……取手、45……器具栓つまみ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】水平方向に向いた炎口を有するガスバーナ
と、該ガスバーナの前記炎口に対向する位置に放熱部を
有する放熱板とを備えており、前記放熱部は、前記炎口
から延びる火炎によって加熱されて上下方向に輻射熱を
放射しうる形状とされていることを特徴とする上下同時
加熱型ガス器具。
【請求項２】前記放熱板は、屋根型部と半円筒状部とを
交互に連接してなるような形状とされ、前記半円筒部
が、前記放熱部を構成し、前記屋根型部の下に前記ガス
バーナが配置されて、これら屋根型部が前記ガスバーナ
の保護カバーとして作用する請求項（１）記載の上下同
時加熱型ガス器具。
【請求項３】前記放熱板の前記半円筒状部には、多数の
排気および加熱促進用穴が形成されている請求項（２）
記載の上下同時加熱型ガス器具。
【請求項４】上下同時加熱型ガス器具において使用する
放熱板であって、ガスバーナの保護カバーとして作用す
る屋根型部と放熱部として作用する半円筒状部とを交互
に連接してなるような形状とされたことを特徴とする放
熱板。
【請求項５】前記半円筒状部には、多数の排気および加
熱促進用穴が形成されている請求項（４）記載の放熱
板。