JPH0861132A - 乗物の振動低減装置 - Google Patents

乗物の振動低減装置

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JPH0861132A
JPH0861132A JP21042694A JP21042694A JPH0861132A JP H0861132 A JPH0861132 A JP H0861132A JP 21042694 A JP21042694 A JP 21042694A JP 21042694 A JP21042694 A JP 21042694A JP H0861132 A JPH0861132 A JP H0861132A
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JP
Japan
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engine
vibration
combustion
exhaust
control device
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Application number
JP21042694A
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English (en)
Inventor
Takeshi Motoyama
雄 本山
Yoshihiko Moriya
美彦 守屋
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気象条件が変化したり、エンジン生産におい
て精度にばらつきが生じたとしても、また、点火時期の
設定が不十分であるとしても、不整燃焼や、不安定な燃
焼の発生を防止して、乗物に不快な振動が発生しないよ
うにし、かつ、このようにするための装置が十分の寿命
を確保できるようにする。 【構成】 車体3に支持されるエンジン23と、上記車
体3の振動を検出する振動検出手段と、上記エンジン2
3の燃焼状態を変更させるエンジン燃焼状態変更手段7
0と、上記振動検出手段の検出信号に基づき、上記エン
ジン燃焼状態変更手段70をフィードバック制御する制
御装置71とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動二輪車等の乗物
の振動低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンでは特に低速域にお
いて、掃排気後の既燃残留ガス量の増加による失火や、
この失火後の未燃焼残留ガスによる着火等が不規則に発
生し、いわゆる不整燃焼状態となる。
【0003】そして、この不整燃焼状態のときには、エ
ンジン出力が不規則となって負荷に悪影響を与えたり、
エンジン出力の反力に起因してエンジン自身が不規則に
振動し、これにより、エンジンを搭載する乗物に不快な
振動(例えばピッチング)を発生させたりする。
【0004】一方、4サイクルエンジンでは、上記した
2サイクルエンジンのような掃排気に伴う不整燃焼は生
じないが、点火時期の設定不良によって燃焼が不安定と
なることがあり、この場合、上記2サイクルエンジンと
同じく、乗物に不快な振動を発生させることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、乗物に搭載
されるエンジンが上記2サイクルエンジンである場合に
は、上記不整燃焼を防止するため、従来、次のような対
策がとられることがある。
【0006】即ち、スロットル開度もしくは吸気管の負
圧と、点火時期もしくは排気通路の途中の排気通路断面
積の大きさとの関係において、不整燃焼が起こりにくい
と考えられる相関関係を予め定めておき、これに基づい
て、点火時期を調整する点火制御装置に対し制御を行
い、もしくは排気通路断面積の大きさを調整する排気バ
ルブに対し制御を行っている。
【0007】しかし、上記した不整燃焼が起こりにくい
と考えられる相関関係は、これが一旦定められてしまう
と固定的なものとなるため、雰囲気温度や天候など気象
条件(例えば、雨水が燃焼室を構成している壁の外周に
かかり、気化熱を奪うこととなる雨天であったり、そう
でない晴天であったり等)が変化したり、エンジン生産
において精度にばらつきが生じたときには、これらに対
応することができず、よって、予め定められた上記相関
関係に基づいては、不整燃焼の防止は十分にはできない
という問題がある。
【0008】そこで、2サイクルエンジンにおける不整
燃焼の発生や、4サイクルエンジンにおいて燃焼が不安
定になることを防止するため、エンジンの燃焼室におけ
る燃焼圧を検出する燃焼圧検出手段を設け、この燃焼圧
検出手段の検出信号により、不整燃焼や、不安定な燃焼
を検出して、これらの発生を防止するようフィードバッ
ク制御することが考えられる。
【0009】しかし、上記燃焼圧検出手段は、燃焼爆発
による高温高圧のガスに晒されることから寿命上の問題
がある。
【0010】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、気象条件が変化したり、エンジン生
産において精度にばらつきが生じたとしても、また、点
火時期の設定が不十分であるとしても、不整燃焼や、不
安定な燃焼の発生を防止して、乗物に不快な振動が発生
しないようにし、かつ、このようにするための装置が十
分の寿命を確保できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明は、次の如くである。
【0012】なお、この「課題を解決するための手段」
の項において、下記した( )内の用語は、特許請求の
範囲の用語に対応するものである。
【0013】この発明の乗物の振動低減装置は、車体
(乗物本体)3に支持されるエンジン23と、上記車体
(乗物本体)3の振動を検出する振動検出手段69と、
上記エンジン23の燃焼状態を変更させるエンジン燃焼
状態変更手段70と、上記振動検出手段69の検出信号
に基づき、上記エンジン燃焼状態変更手段70をフィー
ドバック制御する制御装置71とを備えたものである。
【0014】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0015】なお、この「作用」の項において、下記し
た( )内の用語は、特許請求の範囲の用語に対応する
ものである。
【0016】車体(乗物本体)3に振動が生じると、こ
れが振動検出手段69によって直ちに検出されると共
に、この検出信号が制御装置71に入力される。そし
て、上記振動があるレベルを越えれば、エンジン23に
不整燃焼や、不安定な燃焼が生じていると判断されて、
上記制御装置71によりフィードバック制御されるエン
ジン燃焼状態変更手段70によりエンジン23の燃焼状
態が変更させられ、これによって、上記エンジン23の
不整燃焼や、不安定な燃焼が防止される。
【0017】よって、気象条件が変化したり、エンジン
23生産において精度にばらつきが生じたとしても、ま
た、点火時期の設定が不十分であるとしても、これにか
かわらずに、直接的にエンジン23の不整燃焼や、不安
定な燃焼が防止されて、上記振動の低減が達成される。
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0019】図2において、図中符号1は、乗物の一例
であって鞍乗型車両たる自動二輪車であり、矢印Frは
その進行方向の前方を示している。また、下記する左右
とは、上記前方に向っての方向をいうものとする。ま
た、2は上記自動二輪車1が走行可能な路面である。
【0020】上記自動二輪車1は乗物本体である車体3
を有している。また、この車体3は車体静止側である車
体フレーム4を有している。この車体フレーム4は、そ
の前端にヘッドパイプ5を有し、このヘッドパイプ5か
ら後下方に向って左右一対の主フレーム6が延出し、こ
れら各主フレーム6の各延出端から更に後下方に向って
それぞれシートピラーチューブ7が延出している。一
方、上記各主フレーム6の前部下面からそれぞれ後下方
に向ってダウンチューブ8が延出し、これらダウンチュ
ーブ8の延出端と上記シートピラーチューブ7の延出端
とが互いに結合させられている。
【0021】上記各主フレーム6の後部から後上方に向
ってそれぞれシートレール10が延出し、このシートレ
ール10は左右一対のバックステー11,11によって
上記シートピラーチューブ7に支持されている。上記各
バックステー11とシートピラーチューブ7とが結合し
た部分はリヤアームブラケット12とされている。
【0022】上記ヘッドパイプ5にはフロントフォーク
14が操向自在に支承されている。このフロントフォー
ク14の下端に前輪15が支承され、かつ、この前輪1
5を上方から覆うフロントフェンダ16が設けられ、こ
のフロントフェンダ16は同上フロントフォーク14の
上下方向の中途部に固着されている。一方、同上フロン
トフォーク14の上端にはハンドル17が取り付けられ
ている。
【0023】上記リヤアームブラケット12に枢支軸1
8によりリヤアーム19が上下揺動自在に枢支されてい
る。このリヤアーム19の揺動端に後輪20が支承さ
れ、上記シートレール10とリヤアーム19との間に緩
衝器21が架設されている。
【0024】上記主フレーム6、シートピラーチューブ
7、およびダウンチューブ8で囲まれた空間に、つま
り、車体フレーム4の枠内に内燃機関であるエンジン2
3が設けられている。このエンジン23は2サイクルエ
ンジンであって、クランクケース24と、このクランク
ケース24から前上方に突出するシリンダ25を有し、
上記車体フレーム4に締結具により着脱自在に支持され
ている。上記クランクケース24の後面に動力伝達装置
26が連設され、この動力伝達装置26の出力側に、上
記後輪20がチェーン伝動機構27により連結されてい
る。
【0025】上記シリンダ25の後面にはリード弁2
8、吸気管29、気化器30、およびエアクリーナ31
がこの順序で連設され、上記気化器30はスロットル弁
を備えている。一方、同上シリンダ25の前面には排気
管33の一端が連結され、この排気管33の他端側は上
記ダウンチューブ8の下側近傍を通って後方に延び、そ
の後端にサイレンサ34が連結されている。
【0026】上記主フレーム6には燃料タンク35が支
持され、この燃料タンク35から上記気化器30に燃料
が供給される。一方、上記シートレール10には、シー
ト36が支持されている。また、上記車体3の後部をそ
の各側方から覆うサイドカバー37が設けられている。
【0027】そして、上記エンジン23の駆動により、
その動力が動力伝達装置26とチェーン伝動機構27等
を介し、後輪20に伝達されれば、上記自動二輪車1が
路面2上を前方に向って走行可能とされる。
【0028】図1において、上記エンジン23のクラン
クケース24内のクランク室40にはクランク軸41が
収容され、このクランク軸41は上記クランクケース2
4にその軸心回りに回転自在に支承されている。
【0029】同上エンジン23のシリンダ25は、軸心
がほぼ縦向きのシリンダ孔42を有するシリンダ本体4
3と、このシリンダ本体43の突出端に取り付けられる
シリンダヘッド44とを有している。上記シリンダ孔4
2にピストン45が軸方向摺動自在に嵌入され、このピ
ストン45は上記クランク軸41に連接棒46により連
結されている。
【0030】上記ピストン45が上記シリンダヘッド4
4にある程度接近したとき、上記シリンダ孔42内でシ
リンダヘッド44とピストン45で囲まれた空間が燃焼
室48となる。上記シリンダヘッド44には、点火プラ
グ49が取り付けられ、この点火プラグ49の放電部が
上記燃焼室48に臨んでいる。
【0031】上記クランクケース24の後上部には吸気
ポート51が形成され、この吸気ポート51に前記リー
ド弁28が連通している。上記シリンダ孔42周りのシ
リンダ本体43にはクランク室40を燃焼室48に連通
させる掃気通路52が形成され、この掃気通路52の
内、上記燃焼室48に向って開口する部分が掃気ポート
52aとなっている。また、上記燃焼室48を前記排気
管33の前端である上流端内の排気通路53に連通させ
る排気通路である排気ポート54が上記シリンダ本体4
3の前部に形成されている。
【0032】上記点火プラグ49は電子的な点火回路5
6に電気的に接続され(以下、単に接続という)、この
点火回路56は電子的なエンジン制御装置57に接続さ
れている。また、上記クランク軸41のクランク角を検
出するクランク角検出センサー58が設けられ、このク
ランク角検出センサー58も上記エンジン制御装置57
に接続されている。
【0033】同上図1において、エンジン23の駆動時
に、ピストン45がクランク軸41側の下死点位置(図
2中二点鎖線図示)から燃焼室48側に移動すると、上
記ピストン45によって掃気ポート52aと排気ポート
54とがこの順序で閉じられる。また、このように、ピ
ストン45が燃焼室48側に移動すると、クランク室4
0内が負圧にされる。すると、上記エアクリーナ31を
通って、空気である外気59が上記気化器30内に吸入
され、これが吸気60とされる。
【0034】次に、上記吸気60に対し気化器30にお
いて燃料が供給され、混合気61が生成される。そし
て、この混合気61が上記吸気管29とリード弁28と
を通ってクランク室40内に吸入される。これが「吸入
過程」である。
【0035】一方、上記のように掃気通路52と排気ポ
ート54とが閉じられた後、更に、同上ピストン45が
燃焼室48側へ移動すれば、この燃焼室48に既に吸入
されていた混合気61が圧縮される。これが「圧縮過
程」である。
【0036】上記ピストン45が上死点(図1中実線図
示)に達する直前で、前記クランク角検出センサー58
により検出される所望のクランク角のときに、つまり、
所望の点火時期に、エンジン制御装置57により制御さ
れた点火回路56からの出力信号で、点火プラグ49の
放電部が放電する。すると、上記混合気61が着火、燃
焼させられて気体が膨張し、これにより、上記ピストン
45が上記上死点を越えた後、クランク室40側に押し
戻される。これが「爆発過程」である。
【0037】上記ピストン45のクランク室40側への
移動により、前記クランク室40内に吸入されていた混
合気61が予圧縮される。前記リード弁28はこのとき
のクランク室40内の圧力で閉弁させられている。
【0038】上記ピストン45がクランク室40側へ移
動する途中で、まず、排気ポート54が開かれる。する
と、この排気ポート54を通し、混合気61の既燃ガス
が排気62として上記排気ポート54を通って燃焼室4
8から排出される。これが「排気過程」である。そし
て、上記排気62は排気管33内の排気通路53を通っ
て外部に排出される。
【0039】上記したように、ピストン45がクランク
室40側に移動して排気ポート54が開かれると、これ
に続いて掃気ポート52aが開かれる。すると、上記し
たようにクランク室40内で予圧縮されていた混合気6
1が上記掃気通路52を通って燃焼室48に流入させら
れ、この混合気61が上記燃焼室48に残留している上
記既燃ガスの一部を排気ポート54に押し出すと共に、
上記混合気61が上記燃焼室48に充満する。これが
「掃気過程」である。そして、この後、ピストン45は
前記下死点位置に戻る。
【0040】上記状態から、ピストン45が再び燃焼室
48側に移動し、以下、上記した各過程が繰り返され
て、クランク軸41が回転させられる。そして、このク
ランク軸41を通しエンジン23が動力を出力し、この
動力は、前記のように動力伝達装置26やチェーン伝動
機構27等を介して後輪20に伝えられる。
【0041】同上図1において、燃焼室48から排気ポ
ート54へ排気62を排出させるときの排気タイミング
を調整して、エンジン性能を向上させる排気タイミング
調整装置79が設けられている。
【0042】上記装置79は、上記排気ポート54の上
部側に設けられる排気タイミング調整弁64を有してい
る。この排気タイミング調整弁64の開、閉弁で、排気
ポート54の上部開口が開閉され、この排気ポート54
の上部開口縁の位置が上下方向で可変とされる。上記排
気タイミング調整弁64を作動させるのはサーボモータ
等のアクチュエータ65であって、このアクチュエータ
65は上記エンジン制御装置57に接続されている。
【0043】上記エンジン23の回転数、つまり、クラ
ンク軸41の回転数を検出するエンジン回転数センサー
67が設けられ、このエンジン回転数センサー67は上
記エンジン制御装置57に接続されている。
【0044】そして、上記エンジン回転数センサー67
の検出信号により、エンジン23が高速域であると判断
されたときには、エンジン制御装置57により制御され
たアクチュエータ65の作動により排気タイミング調整
弁64が開動作させられて、排気ポート54の上部開口
縁が上方に位置させられる。すると、排気タイミングが
早くなり、これによって高速域でのエンジン性能が向上
する。
【0045】一方、エンジン23が中、低速域であると
判断されたときには、アクチュエータ65が閉動作させ
られて、排気ポート54の上部開口縁が下方に位置させ
られる。すると、排気タイミングが遅くなり、これによ
って中、低速域でのエンジン性能が向上する。
【0046】図1から図3において、上記エンジン23
の振動に基づく自動二輪車1の振動を防止するための振
動低減装置が設けられている。この装置は、車体3の振
動を検出する振動検出手段69と、同上エンジン23の
燃焼状態を変更させるエンジン燃焼状態変更手段70
と、上記振動検出手段69の検出信号に基づき、上記エ
ンジン燃焼状態変更手段70をフィードバック制御する
制御装置71とで構成され、この制御装置71は上記エ
ンジン制御装置57の一部を構成している。
【0047】図2において、上記振動検出手段69は、
複数(三つ)の第1〜第3加速度センサー72〜73を
備えている。上記第1加速度センサー72は、外観上、
見えないように左右主フレーム6,6の前部間で、車体
3の前部に支持されている。また、上記第2加速度セン
サー73はシートレール10とバックステー11の結合
部近傍において、外観上、見えないように左右サイドカ
バー37,37間で、車体3の前後方向の中間部に支持
されている。また、上記第3加速度センサー74は、外
観上、見えないように左右サイドカバー37,37間
で、車体3の後部に支持されている。これら各加速度セ
ンサー72〜74は、いずれもレートジャイロといわれ
るものであって、上記制御装置71に接続されている。
【0048】前記エンジン燃焼状態変更手段70は、後
述する点火時期制御装置76、排気タイミング調整装置
79、および排気弁開度調整装置80を備えている。
【0049】上記点火時期制御装置76は気化器30に
おけるスロットル開度を検出するスロットル開度センサ
ー77を有している。
【0050】図3において、この図は上記点火時期制御
装置76に関する制御装置71についてのフローチャー
トを示し、(P‐1)から(P‐10)はプログラムの
各ステップを示している。
【0051】(P‐2)で、上記スロットル開度センサ
ー77の検出信号により、気化器30におけるスロット
ル開度がほぼ一定であるか否かが判断される。このスロ
ットル開度がほぼ一定であれば、次に、(P‐3)で、
エンジン回転数センサー67の検出信号により、エンジ
ン回転数がほぼ一定か否かが判断される。つまり、(P
‐2)と(P‐3)において、自動二輪車1がほぼ一定
速度で走行しているか否かが判断される。
【0052】上記したように、自動二輪車1がほぼ一定
速度で走行していると判断されたときには、スロットル
開度センサー77の検出信号により、気化器30におけ
るスロットル開度がある開度以下(1/6〜1/8)で
あって低中負荷であるか否かが判断される(P‐4)。
【0053】上記(P‐4)で、スロットル開度がある
開度以下であると判断されれば、エンジン回転数センサ
ー67の検出信号により、エンジン23がある回転数以
下であって低中速であるか否かが判断される(P‐
5)。つまり、エンジン23は低中負荷で、低中速にな
ると、不整燃焼が生じて振動が生じ易くなるため、この
不整燃焼が生じ易い状態にあるか否かが判断される。
【0054】上記(P‐4)と(P‐5)とで、エンジ
ン23が不整燃焼を生じ易い状態にあると判断されれ
ば、車体3の振動が振動検出手段69によって検出され
る。つまり、不整燃焼レベルを振動の検出によって間接
的に検出しようとする。そして、振動検出手段69によ
り検出された振動レベルが許容値以下か否かが判断され
る(P‐6)。この場合、振動検出手段69によって検
出される振動は、上記第1〜第3加速度センサー71〜
74の複数のセンサーを用いることにより検出され、こ
れにより検出されるものは、振動の一例であるピッチン
グレベルである。
【0055】上記の場合、振動レベルが上記したある許
容値を越えると、この振動はあるレート振動を示す。そ
して、上記したように(P‐2)と(P‐3)とで、ス
ロットル開度がほぼ一定で、エンジン回転数がほぼ一定
という条件を設けたことにより、走行等のノイズが入り
にくくなる分、上記振動レベルは、かなり精度よく検出
される。
【0056】なお、上記振動レベルは、ピッチングレベ
ルに限定されるものではなく、例えば、単一の加速度セ
ンサーで検出されるものであってもよい。
【0057】上記(P‐6)において、振動レベルが予
め定めてある許容値を越えたときには、点火時期が許容
遅角値(概ね5°BTDC、つまり、上死点の手前の概
ね5°)内か否かが判断される((P‐7)の符号
A)。
【0058】上記(P‐7)で、点火時期が許容遅角値
内であれば、点火時期が予め設定された量だけ少し遅角
させられる((P‐8)の符号B)。すると、燃焼時の
図示燃焼効率が低下するため、同一負荷で走行しようと
すれば、その分、気化器30のスロットル開度を開ける
必要がある。この結果、燃焼室48における既燃ガスの
残留割合が低下して、失火割合が減少し、つまり、不整
燃焼が防止されて、エンジン23の振動が低減する。こ
の後は、(P‐2)に戻る。
【0059】同上(P‐6)で、振動レベルが許容値以
下であるときには、点火時期が許容進角値(概ね35°
BTDC)内か否かが判断される((P‐9)の符号
C)。
【0060】上記(P‐9)で、点火時期が許容進角値
内であれば、点火時期が予め設定された量だけ少し進角
させられる((P‐10)の符号D)。この後は、(P
‐2)に戻る。
【0061】前記エンジン燃焼状態変更手段70を構成
する前記排気タイミング調整装置79は、前記排気タイ
ミング調整弁64、アクチュエータ65、および制御装
置71を構成要件としている。
【0062】上記排気タイミング調整装置79に関する
制御装置71は、前記(P‐1)〜(P‐6)と同じで
あるが、(P‐7)〜(P‐10)は相違しているた
め、この(P‐7)〜(P‐10)につき説明する。
【0063】(P‐6)において、振動レベルが許容値
を越えたときには、排気時期が最大許容遅れよりも早い
か否かが判断される((P‐7)の符号A)。
【0064】(P‐7)で、排気時期が最大許容遅れ以
内であれば、上記排気タイミング調整弁64が少し閉弁
させられて、排気時期が予め設定された量だけ少し遅れ
させられる((P‐8)の符号B)。
【0065】すると、前記「掃気過程」で、排気62が
排気通路53を通って外部に向うことが、上記排気タイ
ミング調整弁64によって規制される。このため、燃焼
室48内のガス圧が高くなり、かつ、高温のまま残るこ
ととなる。そして、これが混合気61の燃焼を促進する
方に作用し、失火率が低下し、エンジン23の振動が低
減する。この場合、吹き抜けの低減も相俟って、燃費も
向上する。
【0066】同上(P‐6)で、振動レベルが許容値以
下であるときには、排気時期が最小許容遅れよりも遅い
か否かが判断される((P‐9)の符号C)。
【0067】上記(P‐9)で、排気時期が最小許容遅
れよりも遅ければ、同上排気タイミング調整弁64が少
し開弁させられて、排気時期が予め設定された量だけ少
し早められる((P‐10)の符号D)。
【0068】前記エンジン燃焼状態変更手段70を構成
する前記排気弁開度調整装置80は、図1において、排
気通路53の開度を調整し、これを流れる排気62の流
量を抑制する排気弁81を有している。この排気弁81
を作動させるのはサーボモータ等のアクチュエータ82
であって、このアクチュエータ82は上記制御装置71
と接続されている。
【0069】上記排気弁開度調整装置80に関する制御
装置71は、前記(P‐1)〜(P‐6)と同じである
が、(P‐7)〜(P‐10)は相違しているため、こ
の(P‐7)〜(P‐10)につき説明する。
【0070】(P‐6)において、振動レベルが許容値
を越えたときには、排気弁開度は最小許容開度以上か否
かが判断される((P‐7)の符号A)。
【0071】上記(P‐7)で、排気弁開度が最小許容
開度以上であれば、上記排気弁81が予め設定された量
だけ少し閉弁させられ、上記排気通路53が少し閉じら
れる((P‐8)の符号B)。
【0072】すると、前記「掃気過程」で、排気62が
排気通路53を通って外部に向うことが、上記排気弁8
1によって規制される。このため、燃焼室48内のガス
圧が高くなり、かつ、高温のまま残ることとなる。そし
て、これが混合気61の燃焼を促進する方に作用し、失
火率が低下し、エンジン23の振動が低減する。この場
合、吹き抜けの低減も相俟って、燃費も向上する。
【0073】同上(P‐6)で、振動レベルが許容値以
下であるときには、排気弁開度が最大許容開度以下か否
かが判断される((P‐9)の符号C)。
【0074】上記(P‐9)で、排気弁開度が最大許容
開度以下であれば、同上排気弁81が予め設定された量
だけ開弁され、同上排気通路53が少し開かれる((P
‐10)の符号D)。
【0075】なお、上記エンジン燃焼状態変更手段70
を構成する点火時期制御装置76、排気タイミング調整
装置79、および排気弁開度調整装置80は、これらの
内いずれか1つだけ設けてもよく、種々組み合わせても
よい。
【0076】また、上記実施例では、2サイクルエンジ
ンのものにつき説明したが、これを4サイクルエンジン
に適用してもよい。この場合、特にエンジン燃焼状態変
更手段70を点火時期制御装置76とし、この点火時期
制御装置76を制御装置71によって制御すれば、エン
ジン23に所望の点火時期が得られ、よって、不安定な
燃焼が防止されて、このエンジン23の振動が低減さ
れ、つまり、自動二輪車1の振動が低減させられると共
に、エンジン性能も向上する。
【0077】
【発明の効果】この発明によれば、乗物本体に支持され
るエンジンと、上記乗物本体の振動を検出する振動検出
手段と、上記エンジンの燃焼状態を変更させるエンジン
燃焼状態変更手段と、上記振動検出手段の検出信号に基
づき、上記エンジン燃焼状態変更手段をフィードバック
制御する制御装置とを備えてある。
【0078】このため、乗物に振動が生じると、これが
振動検出手段によって直ちに検出されると共に、この検
出信号が制御装置に入力される。そして、上記振動があ
るレベルを越えれば、エンジンに不整燃焼や、不安定な
燃焼が生じていると判断されて、上記制御装置によりフ
ィードバック制御されるエンジン燃焼状態変更手段によ
りエンジンの燃焼状態が変更させられ、これによって、
上記エンジンの不整燃焼や、不安定な燃焼が防止され
る。
【0079】よって、気象条件が変化したり、エンジン
生産において精度にばらつきが生じたとしても、また、
点火時期の設定が不十分であるとしても、これにかかわ
らずに、直接的にエンジンの不整燃焼や、不安定な燃焼
が防止されて、これらに基づいて生じた上記振動が低減
させられ、このため、乗物に不快な振動の発生すること
が防止されて乗り心地が向上する。
【0080】また、上記振動検出手段は、乗物本体に設
けられるものであって、燃焼圧検出装置のように高温高
圧のガスに晒されることがない。このため、十分の寿命
が保たれ、よって、乗物の振動低減装置に十分の寿命が
確保されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の部分拡大断面図である。
【図2】自動二輪車の全体側面図である。
【図3】制御装置のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車(乗物) 3 車体(乗物本体) 23 エンジン 69 振動検出手段 70 エンジン燃焼状態変更手段 71 制御装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗物本体に支持されるエンジンと、上記
    乗物本体の振動を検出する振動検出手段と、上記エンジ
    ンの燃焼状態を変更させるエンジン燃焼状態変更手段
    と、上記振動検出手段の検出信号に基づき、上記エンジ
    ン燃焼状態変更手段をフィードバック制御する制御装置
    とを備えた乗物の振動低減装置。
JP21042694A 1994-08-10 1994-08-10 乗物の振動低減装置 Pending JPH0861132A (ja)

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