JPH086106B2 - 脱灰炭−水スラリの製造方法 - Google Patents

脱灰炭−水スラリの製造方法

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JPH086106B2
JPH086106B2 JP23441187A JP23441187A JPH086106B2 JP H086106 B2 JPH086106 B2 JP H086106B2 JP 23441187 A JP23441187 A JP 23441187A JP 23441187 A JP23441187 A JP 23441187A JP H086106 B2 JPH086106 B2 JP H086106B2
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博文 吉川
博 武崎
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は脱灰炭−水スラリの製造方法に係り、特に流
動性が良く安定性に優れたスラリを製造する方法に関す
る。
(従来の技術) 近年、石油価格の高騰に伴い、安価で安定に供給可能
な石炭の利用が見直されてきた。しかし、石炭は固体燃
料であるため、ハンドリングが困難で、また石炭中に3
〜30%程度含まれる灰分は燃焼時にボイラ内での摩耗や
腐食の要因となるだけでなく、燃焼後の灰処理も発電所
の立場条件によっては大きな問題となる。このような問
題を解決するため、石炭中の灰分の一部をあらかじめ除
去し、さらに流体化することにより、ハンドリングを容
易にする技術の開発が進められている。流体化技術とし
ては、油を用いてCOM(Coal and Oil Mixture)にす
る方法と、水を用いてCWM(Coal and Water Mixtur
e)にする方法が主なものである。しかし、経済性等の
点からCWMの方が有利であり、COMからCWMへの転換が進
められつつある。
このCWMに組合せるに好ましい脱灰法としては、湿式
サイクロン重液分離および浮遊選鉱等が考えられるが、
脱灰率の点から浮遊選鉱法が優れている。
浮遊選鉱法とCWM製造とを組み合わせた脱灰炭−水ス
ラリの製造方法に関する特許としては、例えば、特開昭
58−80389号、特開昭59−115392号等がある。これら従
来技術の典型的装置フローを第6図に示す。
石炭Aは、ミル3により湿式粉砕され、次いで浮選装
置10により脱灰されて精製炭フロスEとなり、これは脱
水装置12により所定の水分まで脱水された後、界面活性
剤Fが添加され、混練装置13により混練されて脱灰炭−
水スラリIとなる。
しかし、このような装置を用いて脱灰炭−水スラリを
製造した場合、脱灰しないで石炭をCWM化した場合と比
べ、灰分含有率は低くなるが、スラリ粘度(同一石炭濃
度での)が増加したり、石炭粒子が沈降しやすく、安定
性が悪くなる場合がある。特に、安定性が低下するとス
ラリのハンドリングが困難になり、例えば貯蔵タンクに
撹拌装置を設ける必要が生じたりして不経済である。
ところで石炭を水中に浸漬するとCaやMg等のイオンが
溶出してくる。石炭の種類および粒度によっても異なる
が、石炭重量の数10〜数1000ppm程度である。このよう
な金属イオンが存在すると、界面活性剤(特にアニオン
系界面活性剤)の分散力は著しく低下する傾向がある。
その結果、石炭粒子同志が凝集し、安定性が悪くなり
(石炭粒子が沈降し)、スラリ粘度も増加する。
同様の現象は、凝集剤をスラリに混入した場合にも生
じる。このため、第6図に示したような従来技術の装置
で脱灰炭−水スラリを製造した場合、石炭から溶出した
金属イオンや凝集剤が最終製品である脱灰炭−水スラリ
I中に混入し、その安定性や流動性を悪化させる結果と
なる。第3図は、A炭スラリ(石炭濃度71.5%、粘度11
00cp)にNaCl、CaCl2、AlCl3をそれぞれ添加した時の添
加量とスラリ粘度の関係を示したものである。ただし、
横軸は水中の金属塩モル濃度で示している。第3図に示
すように、金属イオン、特に電荷数の大きいイオンによ
りスラリ粘度が著しく増加しているのがわかる。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、製
造した脱灰炭−水スラリ中の石炭粒子が容易に沈降せ
ず、安定性に優れた脱灰炭−水スラリを製造することに
ある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、石炭を湿式または乾式粉砕した後、浮遊選
鉱法で石炭中の灰分、硫黄分等を除去し、得られた精製
炭フロスを脱水し、界面活性剤の存在下で湿式紛砕また
は混練して脱灰炭−水スラリを製造する方法において、
精製炭フロスおよびテールを脱水して得られた水中に存
在する金属イオンおよび/または凝集剤を除去するとと
もに、該除去した水を再利用することを特徴とする。
本発明において、金属イオンおよび/または凝集剤を
除去するには、循環使用する水を、(i)pH8以上に調
整する、(ii)イオン交換樹脂を通過させる、(iii)
活性炭層を通過させる操作のうち、1つ以上を行なうこ
とにより達成される。
(作用) 上記技術的手段により、循環水中に溶解もしくは分散
している金属イオンや凝集剤が除去または低減されてい
るため、石炭粒子の凝集が抑制され、スラリの流動性が
向上し(粘度が低下し)、石炭粒子が沈降するようなこ
とがなくなる。
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
第1図は本発明法の一実施例を示す脱灰炭−水スラリ
製造装置の構成を示す図である。図においてバンカ1に
貯えられた石炭Aはフィーダ2によりミル3に供給さ
れ、水供給管4からミル3内に送入された水Bの存在下
で所定の粘度に湿式粉砕される。粉砕された石炭スラリ
Cはミル出口から排出され、粗粒分離装置5により粗粒
が除去され、粗粒は管路6を通してミル3に戻される。
粗粒が除去された石炭スラリCは、サンプタンク7に貯
えられ、そこで脱灰に必要な浮選剤D(起泡剤、捕収
剤、条件剤等)が管路8より添加された後、管路9を通
じて浮選装置10に送られる。浮選装置10で脱灰された石
炭は精製炭フロスEとして管路11を通じて脱水機12に送
られ、所定の水分まで脱水される。脱水された精製炭フ
ロスEは混練装置13で、管路14より供給される界面活性
剤Fとともに混練されて脱灰炭−水スラリIとなる。一
方、浮選装置10により分離除去された灰分はテールGと
して管路15から沈降層16に送られ、管路17から供給され
る凝集剤Hにより凝集・沈降し、沈降槽16底部より抜き
出され、別途処理される。
本発明においては、脱水機12および沈降層16で分離さ
れた水が水処理装置18に送られ、水中の金属イオンや凝
集剤を除去した後、水供給管4からミル3へ送られ、再
使用される。
粗粒分離装置5としては、0.1〜10mm程度の粗粒を除
去できるものならばどのようなものでもよく、例えば、
シーブベント、振動フルイ、ストレーナ等が用いられ
る。また、脱水機12としては、精製炭フロスEの水分を
20〜40%程度にできるものであれば何でも良く、遠心
式、加圧式、真空式のいずれでも使用可能である。界面
活性剤Fおよび凝集剤Hは、イオン系及び非イオン系の
いずれでも使用可能である。
水処理装置18としては、(i)水のpHを8以上に調整
し、金属イオン等を不(難)溶性にして沈殿させる、
(ii)イオン交換樹脂により金属イオン等を除去する
(iii)活性炭により金属イオンや凝集剤を除去する、
以上の機能を備えている装置のうち、1つ以上を有する
ことが必要である。
第2図は、上記機能のうち(i)及び(iii)を備え
た装置例を示すものである。この装置においては、pH電
極21により水のpHを測定し、管路22からpH調整用アルカ
リ(例えば水酸化ナトリウム)を添加し、撹拌機23で撹
拌しながらpH調整槽24内の水のpHを8以上に制御する。
pHを調整した水は沈降槽25に導入され、ここで不(難)
溶性になった金属イオンの沈殿は管路26から排出され、
上澄水は活性炭槽27に送られ、凝集剤等が除去される。
なお、pH調整は第1図の脱水機12および/または沈降層
16内で行なうことにより、第2図のpH調整槽24を省略す
ることも可能である。
第1図および第2図に示す装置のうち、活性炭槽27を
除いた装置で脱灰炭−水スラリを製造し、pH調整槽にお
けるpHとスラリ粘度の関係を求めた。A〜C炭について
の結果を第4図に示す。炭種により差はあるが、pHを8
以上にすることにより粘度を低く抑えることができるこ
とがわかる。
第1図では、脱水した精製炭フロスを混練装置13で混
練しているが、混練装置の代わりに湿式ミルを用いるこ
とも可能である。湿式ミルとしては通常のボールミルで
もよいが、スラリ性状等の点から第5図に示すようにミ
ル内を複数の室に分離したミル20(特開昭59−81390号
公報)を用い、界面活性剤Fをミル入口側と出口側から
多段で添加することが好ましい。また、浮選装置10は通
常のものでもよいが、第5図に示すように捕収剤Jの蒸
発器19を設け、捕収剤をガス化して浮選装置10に供給す
る方法(特開昭57−200494号)の方がスラリ性状やユー
ティリティの点で有利である。
(実施例) 実施例1 脱灰炭−水スラリの製造装置としては第1図および第
2図に示した本発明法による装置、および比較として第
6図に示した従来法による装置を用いた。石炭は炭化度
や灰分含有率の異なる10炭種を用い、ミル3で200メッ
シュ(74μm)通過量80重量%まで粉砕した。ミル出口
の粗粒分離装置5としては48メッシュ(297μm)の振
動フルイを用いた。また、界面活性剤Fとしてはナフタ
レンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、凝集剤
Hとしてはポリ塩化アルミニウムを使用した。また、第
2図のpH調整槽ではpHを9±1とした。
上記の方法により、10炭種について本発明法と従来法
で脱灰炭−水スラリを製造し、その安定性を比較した。
ただし、粘度はすべて1000±100cpに調整した。
安定性の評価方法は次の通りである。内径50mm、深さ
250mmのシリンダに、深さ200mmまでスラリを充填し、こ
れを静置する。所定時間経過後スラリにガラス棒(φ3
×300L)をゆっくり入れて、底に生成したハードパック
量を測定する。
本発明法および従来法により20炭種について脱灰処理
した後、1〜4週間後のハードパック量を第1表に示し
たが、本発明法によるスラリは4週間後のハードパック
量が極めて少なく、安定性に優れていることがわかっ
た。
実施例2 実施例1のスラリについて、粘度が1000cpを示す時の
石炭濃度を第2表に示す。ただし、粘度は内筒回転式の
粘度計(Haake社、Rotovisco RV−12)を用い、温度25
℃、せん断速度100sec-1で測定した。石炭濃度はスラリ
を107±3℃に2時間維持し、そ時の重量減少率から計
算した。
第2表に示すように、本発明法によれば同一粘度での
石炭濃度を高くできることがわかる。
(発明の効果) 本発明法によれば、脱灰炭−水スラリの安定性が著し
く向上し、さらにより高い石炭濃度でも流動性の良いス
ラリが製造可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明法の実施例を示す装置系統図、第2図
は、第1図の装置に用いる水処理装置18の一実施例を示
す説明図、第3図および第4図は、それぞれ本発明方に
関する実験データを示す図、第5図は、本発明法の他の
実施例を示す装置系統図、第6図は従来技術を示す装置
系統図である。 1……バンカ、2……フィーダ、3……ミル、4……水
供給管、5……粗粒分離装置、7……スラリタンク、10
……浮選装置、12……脱水機、13……混練装置、16……
沈降槽、18……水処理装置、A……石炭、B……水、C
……石炭スラリ、D……浮選剤、E……精製炭クロス、
F……界面活性剤、G……テール、H……凝集剤、21…
…pH電極、23……撹拌機、24……pH調整槽、25……沈降
槽、27……活性炭槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10L 1/32 CRN C 6958−4H CRR C 6958−4H (72)発明者 太田 博光 東京都調布市西つつじケ丘2丁目4番1号 東京電力株式会社技術研究所内 (72)発明者 吉川 博文 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 武崎 博 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 大谷 義則 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 正路 一紀 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭を湿式または乾式粉砕した後、浮遊選
    鉱法で石炭中の灰分、硫黄分等を除去し、得られた精製
    炭フロスを脱水し、界面活性材の存在下で湿式粉砕また
    は混練して脱灰炭−水スラリを製造する方法において、
    精製炭フロスおよびテールを脱水して得られた水中に存
    在する金属イオンおよび/または凝集剤を除去するとと
    もに、該除去した水を再利用することを特徴とする脱灰
    炭−水スラリの製造方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、水中の金
    属イオンおよび/または凝集剤を除去する方法として、
    (i)水のpHを8以上に調整する、(ii)イオン交換樹
    脂層を通過させる、(iii)活性炭層を通過させる操作
    のうち、1つ以上を行なうことを特徴とする脱灰炭−水
    スラリの製造方法。
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ITMI20071593A1 (it) * 2007-08-02 2009-02-03 Bruno Dalmino Metodo di lavorazione di un carbone ad alto contenuto di impurezze per l'ottenimento di una miscela combustibile purificata atta a sostituire gli oli pesanti nelle attuali centrali termiche
JP6454260B2 (ja) * 2015-11-25 2019-01-16 株式会社神戸製鋼所 無灰炭の製造方法

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