JPH0860781A - 建築物における床版およびその施工方法 - Google Patents

建築物における床版およびその施工方法

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JPH0860781A
JPH0860781A JP19167594A JP19167594A JPH0860781A JP H0860781 A JPH0860781 A JP H0860781A JP 19167594 A JP19167594 A JP 19167594A JP 19167594 A JP19167594 A JP 19167594A JP H0860781 A JPH0860781 A JP H0860781A
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JP
Japan
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floor slab
lattice
concrete
floor
formwork
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JP19167594A
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English (en)
Inventor
Kinichi Kimura
欽一 木村
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気配線や空調配管等の設備系を配設するの
に適した床版およびその施工方法を提供する。 【構成】 底型枠10上に底型枠10から浮かせた状態
で発泡スチロール製の格子状の内型枠9を配置し、これ
ら内型枠9を内部に埋め込むようにコンクリート17を
打設した後、内型枠9を溶剤で溶解して除去することに
より、格子状の空洞部8を形成した床版20を施工す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物における床版お
よびその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】床は建築物の基本的要件であり、躯体全
体に占める量と大きさにおいては柱梁と同様、支配的な
ものである。従来の床版の例として3つのタイプのもの
を図7に示すが、下面に小梁1が付設された小梁付きス
ラブ2(図7(a))、中央部に複数本の空洞部3、
3、…を有した中空スラブ4(図7(b))、縦横に格
子状のリブ5が付設されたワッフルスラブ6(図7
(c))等をはじめとして非常に多種の構造のものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来タ
イプの床版においては、例えば図7(a)に示す小梁付
きスラブ2や図7(b)に示す中空スラブ4の場合、小
梁1や空洞部3が1方向にのみ延在するものであるた
め、床版の方向性がほぼ1方向に偏っており、力の流れ
を直交する2方向で支持することが難しい構造になって
いた。一方、図7(c)に示すワッフルスラブ6の場合
は方向性が2方向であるが、リブ5が床版から下方に突
出した構造のため、この部分がデッドスペースとなり、
空間効率が悪いという問題があった。また、これらのタ
イプの床版は建築物の躯体としての機能、すなわち強度
や剛性といった点を重視したものであって、建築物に必
要な電気配線や空調配管等の設備系との調和が図りにく
いものであった。したがって、これらの問題点を解決し
得る床版およびこのような床版を容易に施工し得る方法
の提供が望まれていた。
【0004】本発明は、前記の事情に鑑みてなされたも
のであって、建築物の躯体としての強度や剛性といった
機能は勿論、電気配線や空調配管等の設備系を配設する
のにも適した床版およびその施工方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の床版は、建築物の床を構成する鉄
筋コンクリート造のものであって、内部に縦横方向に直
交して延在する格子状の空洞部が形成されていることを
特徴とするものである。
【0006】また、請求項2記載の床版の施工方法は、
底型枠上に格子状の内型枠を前記底型枠から浮かせた状
態で配置し、これら内型枠を埋め込むように前記底型枠
上にコンクリートを打設し、該コンクリートが硬化した
後、前記内型枠を除去することにより前記空洞部を形成
することを特徴とするものである。
【0007】また、請求項3記載の床版の施工方法は、
底型枠上に上部が開放された複数の溝形材を前記底型枠
から浮かせ、かつ格子状に組んだ状態で配置し、前記底
型枠上に前記溝形材の天端の高さまで1次コンクリート
を打設し、前記溝形材の上部に蓋板を装着することによ
りそれら溝形材と蓋板とにより前記空洞部を形成し、そ
の上部に2次コンクリートを打設することを特徴とする
ものである。
【0008】
【作用】請求項1記載の床版においては、内部に縦横方
向に直交して延在する格子状の空洞部が形成されている
ため、床版の方向性が縦横の2方向となり、床版に外力
が加わったときにこの外力を2方向で支持することがで
きる。また、高い強度が得られるため、リブ等が不要と
なる。
【0009】請求項2記載の床版の施工方法において
は、底型枠上に底型枠から浮かせた状態で格子状の内型
枠を配置したうえでこれら内型枠をコンクリートで埋め
込んだ後に内型枠を除去することにより、それまで内型
枠が存在していた部分が格子状の空洞部となった床版が
施工される。
【0010】また、請求項3記載の床版の施工方法にお
いては、底型枠上に底型枠から浮かせた状態で複数の溝
形材を格子状に配置し、これら溝形材の天端の高さまで
1次コンクリートを打設した後、溝形材の上部に蓋板を
装着するとともに、その上方に2次コンクリートを打設
することにより、溝形材と蓋板とで囲まれた空間が格子
状の空洞部となった床版が施工される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図6を参
照して説明する。図1は本実施例の床版7を示す図であ
って、縦横方向に複数列ずつ直交して延在する格子状の
空洞部8が内部に形成された鉄筋コンクリート造のもの
である。そして、床版7の上面7a、下面7bは双方と
もに平坦な面とされている。寸法は建築物に応じて適宜
設計されるものであるが、一例としては、床版7全体の
厚みが300mm、矩形の空洞部8断面が200×20
0mm程度のものである。
【0012】本発明の床版の施工方法の第1の実施例に
ついて図2および図3を用いて以下、説明する。本施工
方法は、発泡スチロール製の内型枠9を用いて格子状の
空洞部8が形成された床版20を施工するものである。
【0013】まず、図2に示すように、底型枠10上に
格子状の床鉄筋15を配筋し、その上方に発泡スチロー
ル製の格子状の内型枠9を配置する。この際には、図3
に示すように、内型枠9の任意寸法離間した箇所を逆U
字状のバンド11、11により底型枠10に固定する。
また、バンド11の両端部は内型枠9の下端9aから下
方に延び、その先端の垂直に折り曲げられた固定部11
a、11aを釘12、12で固定することにより内型枠
9を底型枠10から浮かせた状態で固定する。
【0014】ついで、図2に示すように、内型枠9の上
方に格子状の床鉄筋16を配筋するとともに、内型枠9
を埋め込むようにコンクリート17を打設する。
【0015】その後、コンクリート17が硬化したとこ
ろで内型枠9の部分にケトン(溶剤)の蒸気を接触させ
ると、発泡スチロール製の内型枠9は溶解し、蒸気とな
ってコンクリート17内から除去される。このようにし
て、それまで内型枠9が配置されていた部分を格子状の
空洞部8とした床版20を構築する。
【0016】また、建築物の配管等の設備系を床版20
の上下面から空洞部8の内部に挿入して設置する。
【0017】本実施例の施工方法においては、発泡スチ
ロール製の格子状の内型枠9をコンクリート17で埋め
込み、その後、内型枠9を溶解することにより格子状の
空洞部8を形成するようにしているので、少ない部材を
用いて格子状の空洞部8を有する床版20を容易に施工
することができる。
【0018】なお、本実施例においては、内型枠9とし
て発泡スチロール製のものを用い、これをケトンにより
溶解して除去することとしたが、内型枠の材質、内型枠
を除去する方法については適宜変更することができる。
【0019】つぎに、床版の施工方法の第2の実施例に
ついて図4ないし図6を用いて説明する。本実施例の施
工方法は溝形材22と蓋板33を用いて空洞部8を形成
するものである。
【0020】まず、図4に示すように、底型枠23上に
格子状の床鉄筋29を配筋し、その上方に図6(a)に
示すようなU字状の溝形材22を縦横方向に直交配置す
る。この際には、図5に示すように、溝形材22の下面
に取り付けた固定部材24と底型枠23とをボルト25
により固定するようにして、溝形材22を底型枠23か
ら浮かせた状態で固定する。また、溝形材22同士が縦
横に交差する部分には、図6(b)に示すようなU字状
の連結部26a、26a、…が四方に向けて設けられた
連結部材26を配置することにより、複数本の溝形材2
2を格子状に連結していく。
【0021】ついで、図4に示すように、溝形材22を
埋め込むように溝形材22の天端の高さまで1次コンク
リート31を打設し、上部が開放された格子状の溝32
を有する床版36を施工する。
【0022】そして、上記床版36の溝32内に配管3
0、30、…等の設備系を設置した後、溝形材22の上
部に蓋板33を装着し、その上方に格子状の床鉄筋34
を配置したうえで2次コンクリート35を打設すること
によって、溝形材22と蓋板33とで囲まれた格子状の
空洞部8を有する床版36を得ることができる。
【0023】本実施例の床版の施工方法においては、溝
形材22と蓋板33により格子状の空洞部8を形成する
ようにしているので、溝形材22に蓋板33を装着する
前の段階で溝32の内部に配管30、30、…等の設備
系の設置を上方から容易に行なうことができる。
【0024】なお、本実施例における溝形材22、連結
部材26等の形状については適宜変更してもよい。
【0025】上記第1、第2の実施例により施工される
床版20、36は、縦横方向に延在する格子状の空洞部
8が内部に形成されているため、2方向の方向性を有す
ることになり、力の流れ方はこれまでの平面薄板理論の
延長線上の立体的なものであり、床版20、36に外力
が加わったときにその外力を2方向で支持することがで
きる。
【0026】また、これらの床版20、36は、高い強
度を有しているため、リブ等が不要となることで下面が
平坦な面となり、床版20、36の下方空間にデッドス
ペースが生じることがなく、空間の有効利用を図ること
ができる。
【0027】さらに、床版20、36の内部に形成され
た空洞部8を電気配線や空調配管等の建築物の設備系を
設置することに利用できる。この際には、空洞部8が縦
横1方向のみではなく、縦横両方向に格子状に延在して
いるので、設備系の配設の自由度を向上させることが可
能である。したがって、例えば近年のオフィスビルでは
OA化が盛んに要求されているが、このような床版2
0、36を用いてOA配線を格子状の空洞部8内に配設
することによってOA化への対応を容易とすることもで
きる。
【0028】なお、双方の実施例においては、床版2
0、36全体を現場にて施工するものとしたが、任意の
寸法の床パネルを工場製作し、この床パネルを施工現場
に搬入して複数、接合することにより床版を施工する方
法を採ることもできる。例えば、第1実施例の場合で
は、発泡スチロール製の内型枠9を除去して格子状の空
洞部8を形成した床パネルを製作したり、第2実施例の
場合では、溝形材22の天端の高さまで1次コンクリー
トを打設して、格子状の溝を有する床パネルを製作した
後で複数の床パネルを接合するようにしてもよい。ま
た、空洞部8の形状としては、これら実施例に示した断
面矩形状の他にも断面円形状とする等、適宜選択するこ
とができる。
【0029】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
記載の床版は、その内部に縦横方向に直交して延在する
格子状の空洞部が形成されているので、2方向の方向性
を有することになり、床版に外力が加わったときにこの
外力を2方向で支持することができる。また、高い強度
を有することでリブ等が不要となるため、床版の下方空
間にデッドスペースが生じることがなく、空間の有効利
用を図ることができる。さらに、床版の内部に形成され
た空洞部を電気配線や空調配管等の建築物の設備系を設
置することに利用できる。この際には、空洞部が縦横1
方向のみではなく、縦横両方向に格子状に延在している
ので、設備系の配設の自由度を向上させることが可能で
ある。
【0030】また、請求項2記載の床版の施工方法にお
いては、格子状の内型枠をコンクリートで埋め込んだ
後、内型枠を除去することにより格子状の空洞部を形成
するようにしているので、少ない部材を用いて格子状の
空洞部を有する床版を容易に施工することができる。
【0031】また、請求項3記載の床版の施工方法にお
いては、溝形材と蓋板により格子状の空洞部を形成する
ようにしているので、溝形材に蓋板を装着する前の段階
で溝形材の内部に電気配線や空調配管等の設備系の配設
を上方から容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である床版を示す斜視図であ
る。
【図2】第1実施例の施工方法により施工される床版を
示す縦断面図である。
【図3】同施工方法において内型枠を支持した状態を示
す斜視図である。
【図4】第2実施例の施工方法により施工される床版を
示す縦断面図である。
【図5】同施工方法において溝形材を底型枠に固定した
状態を示す縦断面図である。
【図6】同施工方法に用いる(a)溝形材、(b)連結
部材を示す斜視図である。
【図7】従来一般の床の構造を示す縦断面図または斜視
図である。
【符号の説明】
7、20、36 床版 8 空洞部 9 内型枠 10、23 底型枠 17 コンクリート 22 溝形材 31 1次コンクリート 33 蓋板 35 2次コンクリート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の床を構成する鉄筋コンクリート
    造の床版であって、 内部に縦横方向に直交して延在する格子状の空洞部が形
    成されていることを特徴とする建築物における床版。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の床版を施工する方法であ
    って、 底型枠上に格子状の内型枠を前記底型枠から浮かせた状
    態で配置し、これら内型枠を埋め込むように前記底型枠
    上にコンクリートを打設し、該コンクリートが硬化した
    後、前記内型枠を除去することにより前記空洞部を形成
    することを特徴とする床版の施工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の床版を施工する方法であ
    って、 底型枠上に上部が開放された複数の溝形材を前記底型枠
    から浮かせ、かつ格子状に組んだ状態で配置し、前記底
    型枠上に前記溝形材の天端の高さまで1次コンクリート
    を打設し、前記溝形材の上部に蓋板を装着することによ
    りそれら溝形材と蓋板とにより前記空洞部を形成し、そ
    の上部に2次コンクリートを打設することを特徴とする
    床版の施工方法。
JP19167594A 1994-08-15 1994-08-15 建築物における床版およびその施工方法 Pending JPH0860781A (ja)

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