JPH0860637A - 人工海浜の海岸法面保護工法および法面保護用マット - Google Patents

人工海浜の海岸法面保護工法および法面保護用マット

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JPH0860637A
JPH0860637A JP6222565A JP22256594A JPH0860637A JP H0860637 A JPH0860637 A JP H0860637A JP 6222565 A JP6222565 A JP 6222565A JP 22256594 A JP22256594 A JP 22256594A JP H0860637 A JPH0860637 A JP H0860637A
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mat
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 養浜の海側の端部に潜堤を配置し、前記潜堤
の表面と養浜の海側に対して透水性アスファルトマット
を配置して人工海浜を造成する際に、養浜の砂が波浪に
より流されることを防止するとともに、養浜の中に入り
込んだ水の圧力を減衰させる状態で、海側に向けて排出
させ得るようにする。 【構成】 人工海浜1を造成するに際して、養浜4の海
側の端部に潜堤15を配置し、養浜4に目の粗い砂を所
定の傾斜角度で充満させるようにする。前記潜堤の表面
と海側の海底の部分、および、養浜4の表面部の海側の
所定の範囲を覆うようにして透水性アスファルトマット
20を配置し、養浜4の上に流れ込んだ海水が直接潜堤
20を通って排出されないようにする。また、マットの
陸側の部分の対応する砂が洗掘されると、その凹み部に
対してマットの端部が潜り込む状態となり、砂が流され
ることを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工海浜の法面保護に
対して適用する砂地の洗掘防止工法と、法面保護用透水
性アスファルトマットに関し、特に、人工海浜の海側先
端部に配置する養浜に対して、法面保護用マットとして
の透水性アスファルトマットによる保護手段を構築し、
前記透水性アスファルトマットの海側と陸側の両端部に
透水性を持たせることにより、潜堤の海側の海底地盤と
養浜とが波浪による洗掘の影響を受けないように保護す
る工法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、入射波高の小さい海浜における
人工海浜を造成する際には、まず、造成しようとする海
浜区域の両側に対応させて、突堤を陸から海に向けて所
定の長さで建設し、人工海浜の造成区間で養浜砂の沿岸
方向の移動を防止する工事を行う。次いで、養浜の沖合
限界に捨石マウンドによる潜堤を配置して、養浜砂の沖
合方向への流出を防ぐ工事を行い、前記突堤と潜堤によ
り囲まれた区域に対して、在来の海浜砂よりもやや大き
い粒径の砂を用いて、在来の海浜と同じ勾配を持つよう
に埋め立てを行うようにしている。
【0003】前述したような海浜とは別に、外海に面し
た海浜や、砂浜が波浪で浸蝕された海岸では、入射波高
が高いのであるから、図5に示されるように、海岸部に
は護岸2を構築してあり、その護岸2の海側に人工海浜
を造成することが行われる。そして、前記人工海浜を造
成する場所の沖合で、海底地盤3の上に石積みにより第
一の潜堤10を築いて、波浪を第一の潜堤により打ち消
すような方法を用いることが考えられている。前記図5
に示される人工海浜1では、第一の潜堤10の海岸側
に、人工海浜の先端部に対応させて第二の潜堤15を構
築し、人工海浜を構成する養浜4の砂に対する保護を行
うようにしており、前記第二の潜堤15は、捨石マウン
ド16の表面を被覆石17により覆って構成する。前記
第一の潜堤10は、捨石マウンド11を海底から所定の
高さまで構築し、その捨石マウンドの表面に被覆石12
の層で覆うもので、大きな波を第一の潜堤10により減
衰させて、人工海浜に対して直接大きな波が打ち寄せる
ことを防止できる。
【0004】しかしながら、前記図5に示されるよう
に、第一の潜堤10を人工海浜の沖合に構築する方法を
用いる場合に、地方条例や、景観上の理由により、前記
第一の潜堤や第二の潜堤の高さが平均干潮面LWLまで
制限されることが多くある。したがって、第一の潜堤の
高さが制限されることにより、第一の潜堤による波の減
衰効果が限られることになり、養浜4が第一の潜堤を越
えた波により洗い流されてしまうという問題が発生す
る。前述したような問題を解消するために、第二の潜堤
15から陸側の部分に対して、養浜4を覆うように被覆
工7を施工することが考えられる。前記被覆工7は、透
水性のシート8の上に押え石を何層かに敷き詰めた押え
石の層9を構築し、波浪により養浜4の砂が浸蝕される
ことを防止する手段を構成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記図5に
示されるように、波の荒い海域では、人工海浜1の沖側
に第一の潜堤10を構築し、さらに、養浜4の先端部に
第二の潜堤15を構築した上に、養浜4の海側の所定の
範囲に被覆工7を施工したとしても、潜堤を越えた波が
被覆工7を越えて養浜の上にまで這い上がってしまう状
態となる。そして、図6に示すように、その引き波が、
養浜の斜面を洗掘して被覆工7の下面を洗掘し、押え石
の層9を崩落させたりするという問題が発生する。つま
り、潜堤を乗り越えて波浪Wが襲来し、その波が養浜4
の斜面部の上の方まで砂を押し上げて、護岸2の近くに
新たな砂山6を形成する。また、引き波が養浜の砂を持
ち去る状態となるので、養浜4の斜面に洗掘された部分
5が形成される。
【0006】例えば、養浜の斜面の変形がシート8によ
る被覆部分にまで達すると、引き波による浸蝕により被
覆工7の陸側の先端部から次第に潜堤の近傍にまで、掘
り込まれる状態となる。そして、被覆工7による養浜の
保護が良好な状態で効果を発揮できないことから、被覆
工7の押え石の層9が崩壊し、養浜4の陸側の斜面が大
きく浸蝕されるという問題が生じる。そこで、高波が来
襲する都度、人工海浜の養浜4が浸蝕されるので、養浜
に新たな砂を補給する必要があり、人工海浜の維持費が
非常に高くなるという問題がある。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前述したような波の荒い海域
での人工海浜の保護の問題を解消するもので、養浜を区
画する潜堤と、養浜の海側の所定の範囲に亘って、透水
性アスファルトマットを用いた保護部材を敷き込んで、
荒波による養浜の洗掘を防止できる工法を提供すること
を目的とし、さらに、砂の洗掘の防止のために用い得る
透水性アスファルトマットを提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、海岸の地盤の
上に砂を盛土して造成する養浜に対して、その斜面の先
端部に対応させて潜堤を配置し、前記潜堤の高さを干潮
時の潮位に対応させて構築し、養浜工区内に蓄積される
打ち上げ波による圧力水頭を緩和する手段を設けてなる
人工海浜に関する。本発明の工法においては、前記潜堤
の表面全体と海側の所定の範囲、および、養浜工区の法
面の所定の範囲を覆う透水性アスファルトマットを配置
し、前記透水性アスファルトマットは、海側の先端部分
と陸側の先端部分、および、潜堤の斜面部に対応させて
透水性を持たせる処理を施し、前記透水性アスファルト
マットに設ける透水部では、水の通過は許容するが、砂
を通過させない処理を施している。また、本発明の工法
において、前記潜堤の表面全体と海側の所定の範囲、お
よび、養浜工区の法面の所定の範囲を覆う状態で配置す
る透水性アスファルトマットは、その両側端部に形成す
る端部透水部が、敷設直後の波浪の作用によって先端部
が砂地に潜り込む状態で安定し、陸側の端部透水部が養
浜工区の法面の砂地に潜り込む状態で、透水性アスファ
ルトマット自体の透水性により洗掘を防止する作用を発
揮することができる。
【0009】さらに、本発明においては、前記透水性ア
スファルトマットに対して、海側の先端部分と陸側の先
端部分、および、潜堤の斜面部等に対応させて透水性を
持たせる処理を施し、他の部分を不透水性のものとして
構成するとともに、前記透水性を持たせる部分では、透
水性アスファルトマット本体を上下に貫通する孔に透水
性のシート部材を配置し、前記透水性のシート部材は、
水の通過は許容するが、砂を通過させない性質を持たせ
るようにしている。
【0010】
【作用】前述したように、本発明の人工海浜の保護工法
では、人工海浜を造成する海岸の沖合に水面下に隠れる
高さの第一の潜堤を構築し、さらに、養浜を造成する海
側の先端部に第二の潜堤を構築して、前記第二の潜堤と
養浜の海側の所定の区間に亘って、透水性アスファルト
マットによる被覆工を施すようにする。前記透水性アス
ファルトマットを、潜堤の表面全体と、海側の所定の範
囲、および、養浜の潜堤側の所定の範囲に亘って施工す
るとともに、透水性アスファルトマットを貫通するよう
にして多数の孔を設け、その孔に透水性のシートを配置
して、水の通過は許容するが、砂を通過させない性質を
持たせるようにする。
【0011】そして、前記透水性アスファルトマットの
陸側の先端部に対応する砂が洗掘作用を受けた際に、透
水性アスファルトマットの先端部が砂の中に潜り込む状
態となり、その後では、透水性アスファルトマットによ
り砂が流されることを防止する作用を発揮するので、養
浜の砂が波により洗掘されることを防止できるようにす
る。さらに、前記潜堤の表面を覆う状態に配置する透水
性アスファルトマットにも、所定の区域に透水性を持た
せることにより、潜堤を構成する石が荒波により浸蝕さ
れることを防止できる。前記構成に加えて、本発明にお
いては、第二の潜堤としての潜堤に対して、海側の海底
にも透水性アスファルトマットを延長させて配置するこ
とにより、潜堤を支持する海底地盤が荒波により浸蝕さ
れることを防止し、潜堤が崩壊することをマットにより
阻止できるので、人工海浜の保護の作用を良好な状態で
発揮できるものとなる。
【0012】
【実施例】図示される例にしたがって、本発明の人工海
浜の海岸法面保護工法を説明する。図1に示される人工
海浜1では、前記図5の場合と同様に、養浜4の施工部
分の海底地盤3の上の海側の位置に第二の潜堤15を構
築し、養浜4の砂に対する押え部分を構成している。ま
た、前記第二の潜堤15の海側の位置に、捨石等により
第一の潜堤を構築することも可能であり、第一の潜堤の
高さを干潮時の水面と同じに、または、低く設定し、海
岸の景観を維持するとともに、波浪の影響が人工海浜に
大きく作用しないような防護手段を構築することができ
る。前記図1に示される例においては、第二の潜堤15
の海側に所定の間隔をおいて第一の潜堤を構築するが、
その第一の潜堤の構成は、従来例の場合と同様にして行
われるので、その説明を省略している。
【0013】前記図1に示される例において、第二の潜
堤15の表面部分全体と、海側の地盤3の表面および、
養浜4の表面に対する所定の範囲に亘って透水性アスフ
ァルトマット20を施工する。前記透水性アスファルト
マットは後述するように、両側端部と中部分の任意の位
置に、透水性を持たせる処理を施しているものを用い、
特に、両端部に対して形成する透水部が、地盤3と養浜
4とに対応する位置で、支持地盤が波の影響により洗掘
される作用が付与されることに対応して、砂の中に潜り
込むような作用を行うようにする。例えば、養浜4の上
に位置する透水性アスファルトマットの先端部では、波
浪Wの影響により、養浜4の表面の砂が引き波により洗
掘される状態が発生し、透水性アスファルトマットの陸
側の先端部の下部の砂が洗い流されると、透水性アスフ
ァルトマットの先端部20aは砂の凹み部に向けて撓
み、砂の表面を覆うような形状になる。
【0014】そして、前記透水性アスファルトマットの
下部の地盤の変形に対応して、アスファルトマットが撓
むことにより、第二の潜堤15の陸側の部分に対して所
定の幅でマットが覆う状態で安定し、その後では、引き
波の影響を砂が直接受けることがないようにされる。ま
た、前記養浜4の表面では、砂が安定した傾斜になり、
打ち寄せる波により砂が大きく移動したりすることがな
い状態とされる。さらに、前記第二の潜堤15の海側の
部分では、海底地盤3の砂等がマットの端部側から次第
に洗掘されても、その洗掘の度合いに応じて、マットの
先端部が地盤の中に潜り込む状態で撓み、第二の潜堤を
支持する地盤が波浪により直接浸蝕されたりすることが
なくなる。したがって、透水性アスファルトマットの両
側端部に対して、透水性を付与することにより、マット
の海側と陸側の両端部が砂の中に潜り込んで、支持地盤
が波浪の影響を受けない状態で安定して保持される。
【0015】前述したようにして、養浜の海側の端部と
第二の潜堤とを保護するために配置する透水性アスファ
ルトマットは、図2に示されるような透水性能を持たせ
たマットとして構成することができる。前記図2に示さ
れる透水性アスファルトマット20は、長さLを15〜
30m、幅Hを6〜10m、厚さが5〜10cmのものと
して構成し、マットの長さ方向の両側先端部から所定の
範囲に、多くの孔26……を設けて端部透水部21、2
2を配置する。また、前記マット20の中央部には、マ
ットを貫通する孔の数が端部透水部よりも少ない中間透
水部23を形成し、端部透水部と中間透水部の間には所
定の幅で不透水部24、25を設けている。前記マット
に形成する透水部では、水は通過させるが、砂の通過を
阻止するための透水シートを配置しており、前記透水シ
ートを透水性の帆布やその他の透水性を有する織物等に
より構成することができる。
【0016】前記透水性アスファルトマットに対して透
水部を形成するためには、図3、4に示されるようにし
て、孔26を形成するとともに、孔26に対して透水シ
ート37を取り付ける手段を用いることができる。前記
透水性アスファルトマットに形成する孔26は、例え
ば、マットのアスファルトマスチックを打設する際に、
紙管等で構成する紙型枠36を孔に対応する位置に配置
して作成することができる。なお、前記マットに円形断
面の孔を作成する際に、紙管を型枠として用いる場合に
は、型枠を取り除く必要がなく、紙型枠を取り付けたま
まで施工現場にマットを敷設することが可能であり、マ
ットの製造を容易に行うことが可能になるが、その他
に、型枠として鉄製のものやその他の管状のものを用い
ることができる。そして、前述したようにして、マット
に上下に貫通する孔を所定の間隔で配置する際に、孔2
6を塞ぐように透水シートを取り付け、砂を通過させな
いフィルターを設けるようにする。
【0017】前記透水性アスファルトマットに対して透
水シートを取り付ける際には、図4に示すようにして、
アスファルトマスチックの打設と透水シートの取り付け
の動作を同時に行うことができる。前記図4に示される
例において、透水性アスファルトマット20を作成する
際には、従来のアスファルトマットの場合と同様にし
て、マット作成地盤の上に下層31のアスファルトマス
チックを、マットの厚さの半分だけ打設する。その下層
のアスファルトマスチックを打設する際には、透水部に
対応する位置に所定の配置間隔で紙型枠35をおき、そ
の周囲にアスファルトマスチックを充填して一定の厚さ
に均すようにする。次いで、前記マットの下層31の上
に、吊り下げ用のワイヤ34(図3に示す)を所定の間
隔で長さ方向に配置し、前記ワイヤの端部をマットの幅
方向の両端部に露出させて設ける。さらに、下層の上部
分には、補強部材33としてのガラス繊維の網状のもの
や、その他の金網等の補強部材を一面に敷き込み、前記
補強部材に対しては、アスファルトを含浸させてアスフ
ァルトマスチックとの付着性を向上させたものを用い
る。
【0018】前述したようにして、下層のアスファルト
マスチックによる層に対して補強部材を取り付けた状態
で、下層に対して配置した紙型枠35の上に紙型枠36
をそれぞれ配置するが、図4の右側の孔26の場合に
は、上下のアスファルトマスチックの層の間に、補強部
材とともに透水シート37を取り付けてから上層32の
アスファルトマスチックを打設する。したがって、透水
シート37をアスファルトマスチックの層の間で固定す
る手段を用いる場合には、透水シートをアスファルトマ
スチックの層の間で固定保持することができるものとな
り、透水性アスファルトマットを取り扱う際に、透水シ
ートの部分に対して他のものが当ったりしないように、
特に注意を払わなくても良いものとなる。また、図4の
左側の孔26aに対する透水シートの取り付けの例で
は、下層のアスファルトマスチックを打設する際に、下
部透水シート37bを敷き込んだ上に紙型枠35を配置
し、その後で下層のアスファルトマスチックを打設す
る。さらに、下層のアスファルトマスチックの上にワイ
ヤや補強部材33を配置してから、上層に対応する紙型
枠36を配置し、アスファルトマスチックを所定の厚さ
で打設してマットを完成するが、上層のアスファルトマ
スチックを打設してから、透水シート37aをアスファ
ルトにより貼り付ける状態で配置して、上下2層の透水
シート37a、37bを構成する。
【0019】本発明の法面保護用マットとしての透水性
アスファルトマットにおいては、前述したような透水シ
ートを取り付ける手段を用いることの他に、他の任意の
手段を用いて透水シートを孔に対して離れないように取
り付けることができるもので、前記マットに形成する孔
に対して、透水シートの周囲の部分をアスファルトマス
チックにより一体に取り付けることにより、水流と砂の
圧力が加えられた状態で、透水シートがマット本体から
離れたりしないようにして一体に保持させることができ
る。さらに、本発明のマットに形成する透水シートとし
ては、ポリプロピレンやナイロン等の繊維で網状に形成
した織物を用いることができる。例えば、マットの上下
層の間に透水シートを配置する場合には、補強部材と重
ねる状態で透水シートの広いシート状のものを透水部全
体に敷き詰め、紙型枠により孔を規定することにより、
任意の透水部を設けた透水性アスファルトマットを作成
することができる。
【0020】前記図2に示されるように、透水性アスフ
ァルトマット20の両端部分に対して透水性の大きな端
部透水部を形成し、中央部に対して比較的孔の数の少な
い中間透水部を形成する際には、中間透水部を第二の潜
堤の斜面部や頂部に対応させる位置に配置すると、波の
影響を透水性アスファルトマットにより減衰し、第二の
潜堤の石と砂とが洗掘されたりすることを防止できるも
のとなる。前記図2の透水性アスファルトマットを、図
1に示すような状態で設置した場合には、透水性アスフ
ァルトマットの海側と陸側の先端部では透水性が良好で
あるために、波浪により砂が一定状態まで洗掘される
と、マットの端部が養浜と地盤の砂の中に潜り込む状態
となって、その後の砂等の洗掘が阻止される。また、第
二の潜堤に対応する位置に透水性を付与しているので、
打ち寄せた波は第二の潜堤を乗り越えて養浜4の上に達
するが、引き波となる水は、砂の中に入り込み、養浜の
内部から石積みによる第二の潜堤の中を通り、透水性ア
スファルトマットの孔から外海に向けて排出されるよう
になる。
【0021】前述したようにして、養浜や第二の潜堤を
通って排出される水は、マットに設けた孔から透水シー
トを介して排出される状態となるので、養浜の砂が第二
の潜堤の石の間を通って外海に向けて流されることがな
いようにされる。また、透水性アスファルトマットの陸
側で養浜の砂の中に潜り込んだ部分では、透水率が大き
く形成されているものであるから、水の圧力水頭を減衰
する状態で養浜にしみ込んだ水は、透水性アスファルト
マットの端部透水部でフィルターをかけられた状態で、
砂の中を第二の潜堤に向けて流れる。したがって、透水
性アスファルトマットの撓み込み部分の陸側の養浜の砂
は、透水性アスファルトマットの端部透水部の部分から
第二の潜堤に向けて流れることがなく、図1の養浜での
安定した傾斜部分は波を受けても大きく浸蝕されること
がなくなる。
【0022】なお、前述したように構成した本発明の透
水性アスファルトマットにおいて、図2に示される端部
透水部と中間透水部での孔の面積比率等は、任意に構成
することができるものであり、人工海浜を構築する海域
の波の粗さ等に対応させて、透水性アスファルトマット
を敷設する長さ等も、任意に設定することが可能であ
る。さらに、透水性アスファルトマットに配置する透水
シートとしても、任意の目の粗さの織物や、ネット状の
ものを使用することが可能であり、透水性アスファルト
マットが受ける水圧や、波の荒さ等の条件に応じて、波
の圧力を減衰させる状態で通過させ、フィルター効率を
良好に発揮させることができる。
【0023】また、養浜の先端部に配置する第二の潜堤
に関しても、景観上の規制が緩やかな場合には、その高
さを干潮時の海面の高さに限定せずに、平均水位に対応
させた高さまで構築すると、満潮時に養浜の斜面が受け
る波の影響を小さな値として考えることができ、養浜の
砂に対する保護作用を容易に発揮させることが可能にな
る。さらに、本発明の実施例においては、比較的波の粗
い海岸で人工海浜を造成する場合に対して、第二の潜堤
の先端部から所定の間隔を介して第一の潜堤を配置し、
第一の潜堤により波の圧力を減じた状態で、第二の潜堤
によりさらに波の力を減衰させる場合を説明している
が、本発明は、比較的波の静かな海岸での人工海浜の構
築にも適用が可能であり、透水性のアスファルトマット
により波の影響を減少させて、人工海浜の保護を良好に
行わせる手段を構成することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の人工海浜の海岸法面保護工法
は、前述したように、人工海浜を造成する海岸の沖合に
水面下に隠れる高さの潜堤を構築し、さらに、養浜を造
成する海側の先端部に第二の潜堤を構築して、前記第二
の潜堤と養浜の海側の所定の区間に亘って、透水性アス
ファルトマットによる被覆工を施す手段を用いることが
できる。前記透水性アスファルトマットを、潜堤の表面
全体と、海側の所定の範囲、および、養浜の潜堤側の所
定の範囲に亘って施工するとともに、透水性アスファル
トマットを貫通するようにして多数の孔を設け、その孔
に透水性のシートを配置して、水の通過は許容するが、
砂を通過させない性質を持たせるようにすることによ
り、養浜の砂が水流により浸蝕されることを防止でき
る。また、前記透水性アスファルトマットの先端部に対
応する砂が洗掘作用を受けた際に、透水性アスファルト
マットの先端部が砂の中に潜り込む状態となり、その後
では、透水性アスファルトマットにより砂が流されるこ
とを防止する作用を発揮するので、養浜の砂が波により
洗掘されることを防止できる。
【0025】さらに、前記潜堤の表面を覆う状態に配置
する法面保護用マットとしての透水性アスファルトマッ
トにも、所定の区域に透水性を持たせることにより、潜
堤を構成する石が荒波により浸蝕されることを防止でき
る。前記効果に加えて、本発明においては、第二の潜堤
としての潜堤に対して、海側の海底にも透水性アスファ
ルトマットを延長させて配置することにより、潜堤を支
持する海底地盤が荒波により浸蝕されることを防止し、
潜堤が崩壊することをもマットにより阻止できるので、
人工海浜の保護の作用を良好な状態で発揮できるものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の工法により構築する人工海浜の説明
図である。
【図2】 本発明に用いる透水性アスファルトマットの
平面図である。
【図3】 透水性アスファルトマットに配置する孔と透
水シートの説明図である。
【図4】 透水性アスファルトマットの断面図である。
【図5】 従来の人工海浜の保護工法の説明図である。
【図6】 人工海浜に配置する被覆工の状態を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 人工海浜、 4 養浜、 7 被覆工、 1
0 第一の潜堤、15 第二の潜堤、 16 捨
石マウンド、 17 被覆石、20 透水性アスフ
ァルトマット、 21・22 端部透水部、23
中間透水部、 33 補強部材、 35・36 紙
型枠、37 透水シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 榮一 東京都港区赤坂2丁目10番9号 日本海上 工事株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海岸の地盤の上に砂を盛土して造成する
    養浜に対して、その斜面の先端部に対応させて潜堤を配
    置し、 前記潜堤の高さを干潮時の潮位に対応させて構築し、養
    浜工区内に蓄積される打ち上げ波による圧力水頭を緩和
    する手段を設けてなる人工海浜において、 前記潜堤の表面全体と海側の所定の範囲、および、養浜
    工区の法面の所定の範囲を覆う透水性アスファルトマッ
    トを配置し、 前記透水性アスファルトマットは、海側の先端部分と陸
    側の先端部分、および、潜堤の斜面部に対応させて透水
    性を持たせる処理を施し、 前記透水性アスファルトマットに設ける透水部では、水
    の通過は許容するが、砂を通過させない処理を施すこと
    を特徴とする人工海浜の海岸法面保護工法。
  2. 【請求項2】 前記潜堤の表面全体と海側の所定の範
    囲、および、養浜工区の法面の所定の範囲を覆う状態で
    配置する透水性アスファルトマットは、その両側端部に
    形成する端部透水部が、敷設直後の波浪の作用によって
    先端部が砂地に潜り込む状態で安定し、 陸側の端部透水部が養浜工区の法面の砂地に潜り込む状
    態で、透水性アスファルトマット自体の透水性により洗
    掘を防止する作用を発揮することを特徴とする請求項1
    に記載の人工海浜の海岸法面保護工法。
  3. 【請求項3】 前記透水性アスファルトマットに対し
    て、海側の先端部分と陸側の先端部分、および、潜堤の
    斜面部等に対応させて透水性を持たせる処理を施し、他
    の部分を不透水性のものとして構成するとともに、 前記透水性を持たせる部分では、透水性アスファルトマ
    ット本体を上下に貫通する孔に透水性のシート部材を配
    置し、 前記透水性のシート部材は、水の通過は許容するが、砂
    を通過させない性質を持つことを特徴とする人工海浜の
    海岸法面保護に用いる法面保護用マット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100704172B1 (ko) * 2006-08-21 2007-04-09 주식회사 세일종합기술공사 항만 호안 및 방조제 축조시 사석백을 이용한 바닥보호사석의 필터 사석 시공방법 및 장치
JP2014029063A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Nippon Road Co Ltd:The 水中基礎および水中基礎の構築方法
CN113430989A (zh) * 2021-07-29 2021-09-24 中交水利水电建设有限公司 一种海塘的提升施工方法

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