JPH0860633A - 土 嚢 - Google Patents

土 嚢

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JPH0860633A
JPH0860633A JP6194344A JP19434494A JPH0860633A JP H0860633 A JPH0860633 A JP H0860633A JP 6194344 A JP6194344 A JP 6194344A JP 19434494 A JP19434494 A JP 19434494A JP H0860633 A JPH0860633 A JP H0860633A
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water
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bag
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JP6194344A
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Akira Hashimoto
昭 橋本
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無機塩を含んだ水であっても高度に吸水でき
る吸水性樹脂を含む充填材を封入した土嚢を開発する。 【構成】 N−ビニルアセトアミド単独またはN−ビニ
ルアセトアミドと共重合し得るコモノマーとの(共)重
合体架橋物を含む充填材を、所定の強度、透水性を有す
る袋内に封入してなる土嚢。 【効果】 本発明による土嚢は、従来知られていた吸水
性樹脂を封入した土嚢と比較して、河川水、海水、土砂
を通過した水など無機塩を含有する水であっても高度に
吸水するため、経済的効果が大きく、使用前の重量が従
来の土砂のみを封入した土嚢と比較して軽く、緊急時の
運搬が容易である。また、保存の際には場所をとらず、
収納に便利である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水性を有するN−ビ
ニルカルボン酸アミド(共)重合体架橋物を含む充填材
を、所定の強度、透水性を有する袋内に封入してなる土
嚢に関する。
【0002】
【従来の技術】洪水時における河川湖沼の堤防決壊、大
雨における家屋の浸水、津波による海水の陸地への流
入、トンネル工事における突発的な湧水、洪水時におけ
る地下施設入り口からの水の流入などは、大きな人的、
経済的災害をもたらす。それを防止するため、応急的な
止水対策として、大量の土嚢が従来使用されている。土
嚢は、透水性の袋の中に土砂を詰め、これを水の流入域
から水が溢れ出る部分に投入し、水をせき止めるのに使
われる。しかし、災害の発生や突発的な事故の発生時に
は大型の機械が使用できないため、袋への土砂の封入作
業はもっぱら人力に頼らざるを得ず、過酷な作業である
ことはもちろん、作業性の悪さから災害の防止が完全に
防止できないという問題があった。
【0003】近年、この土砂を詰めた土嚢にかわり、取
扱い、保存等の簡便な、吸水性樹脂を含む充填材を封入
した土嚢が考案されている(特公平3-4686、特公平4-23
926)。しかし、これらに従来利用されている吸水性樹脂
は、ポリアクリル酸塩、ポリアクリロニトリルのケン化
物、アクリル酸塩/ビニルアルコール共重合体、デンプ
ン/アクリル酸グラフト共重合体、デンプン/アクリロ
ニトリルグラフト共重合体のケン化物、セルロース/ア
クリル酸グラフト共重合体、ポリアクリルアミドおよび
その部分加水分解物、ポリビニルアルコール、ポリエチ
レンオキシドなどの架橋物であり、種々の問題を有して
いる。すなわち、上記の内ポリマー構造にアクリル酸を
含有するポリマーは、脱イオン水は非常によく吸水する
が、少しでも被吸水液に無機塩が含まれると極端に吸水
性能が低下するという問題があり、上記の内非イオン系
のポリマーの場合には、脱イオン水と無機塩含有の液体
の吸水性能が同じであるが、その吸水性能が低いといっ
た問題がある。実際の土嚢の使用状況を考えれば、河川
水、海水、土砂を通過した水などは必ず無機塩を含んだ
水であり、これらの水を高度に吸水する吸水性樹脂を含
む充填材を封入した土嚢が無いというのが、従来の技術
の現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記現状
に鑑み、無機塩を含んだ水であっても高度に吸水できる
吸水性樹脂を含む充填材を封入した土嚢を開発すること
について鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、1)下記一般
式〔I〕で表される単量体を用いて得られる重合体架橋
物を含む充填材を、所定の強度、透水性を有する袋内に
封入してなる土嚢に関し、
【化2】 [式中R1 およびR2 は、互いに独立して水素またはメ
チル基を表す。] 2)単量体がN−ビニルアセトアミドである1)記載の
土嚢に関し、3)重合体架橋物が、N−ビニルカルボン
酸アミド単独重合体架橋物またはN−ビニルカルボン酸
アミドと共重合し得るコモノマーとの共重合体架橋物で
あり、該(共)重合体架橋物を含む充填材を、所定の強
度、透水性を有する袋内に封入してなる1)記載の土嚢
に関し、4)単量体と共重合し得るコモノマーがアクリ
ル酸(塩)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸(塩)、またはビニルスルホン酸(塩)である
1)記載の土嚢に関し、5)(共)重合体架橋物を含む
充填材を必要により土砂等と共に所定の強度、透水性を
有する袋内に封入してなる1)記載の土嚢に関し、6)
(共)重合体架橋物を含む充填材を、該架橋物の吸水を
阻害しない性質を持つ被覆材料にて包み込み、この被覆
材料に包まれた充填材を必要により土砂等と共に所定の
強度、透水性を有する袋内に封入してなる1)記載の土
嚢に関し、
【0006】7)粒体、シート、ペレット、ブロック、
不織布状に成形された(共)重合体架橋物を含む充填材
を、必要により土砂等と共に所定の強度、透水性を有す
る袋内に封入してなる1)記載の土嚢に関し、8)粒
体、シート、ペレット、ブロック、不織布状に成形され
た(共)重合体架橋物を含む充填材を、該架橋物の吸水
を阻害しない性質を持つ被覆材料にて包み込み、この被
覆材料に包まれた充填材を必要により土砂等と共に所定
の強度、透水性を有する袋内に封入してなる1)記載の
土嚢に関し、9)(共)重合体架橋物を繊維素材に重合
固着させた充填材を、必要により土砂等と共に所定の強
度、透水性を有する袋内に封入してなる1)記載の土嚢
に関し、10)(共)重合体架橋物を含む充填材を、所
定の強度、透水性を有する袋内に封入してなる土嚢と、
重量の大きい土嚢を組み合わせて土嚢層を形成する土嚢
の使用方法に関し、11)(共)重合体架橋物を含む充
填材を、所定の強度、透水性を有する袋内に封入してな
る土嚢を、該土嚢に設けた固定手段または別の固定手段
により、隣接する該土嚢を固定して積載する土嚢の使用
方法に関し、12)1.0%CaCl2 水溶液を自重の
18倍以上吸水する重合体架橋物を含む充填材を、所定
の強度、透水性を有する袋内に封入してなる土嚢に関す
る。
【0007】以下更に詳しく本発明を説明する。本発明
において使用される(共)重合体架橋物は、N−ビニル
カルボン酸アミドの単独重合体架橋物または共重合体架
橋物であり、N−ビニルカルボン酸アミドとしては、N
−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−
メチル−N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビ
ニルアセトアミドが挙げられるが、この中で好ましいの
はN−ビニルアセトアミドである。N−ビニルカルボン
酸アミドと共重合し得るコモノマーとしては、(メタ)
アクリル酸(塩)、(メタ)アクリルアミド−2−メチ
ルスルホン酸(塩)、ビニルスルホン酸(塩)、ジメチ
ルアミノ基により置換された低級アルキルの(メタ)ア
クリル酸エステル、ヒドロキシル基により置換された低
級アルキルの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられ
るが、この中で性能、及びコスト的に有利なのはアクリ
ル酸(塩)、アクリルアミド−2−メチルスルホン酸
(塩)、ビニルスルホン酸(塩)である。これらの塩と
しては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等
が挙げられるが、この他の塩も使用可能である。
【0008】N−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体
架橋物は、1分子中に重合可能な不飽和基を少なくとも
2個以上有する化合物(「架橋剤」という)とN−ビニ
ルカルボン酸アミド、必要によりコモノマーを酸素の存
在しない条件下でラジカル重合開始剤を用いて製造する
ことができる。また、N−ビニルカルボン酸アミド
(共)重合体を上記の方法で製造した後に、官能基を2
個以上有する各種のエポキシ化合物、アルコール、アミ
ン、イソシアネート、2価以上の金属イオン等により後
架橋することにより製造してもよい。重合プロセスにつ
いては必ずしも限定されないが、ポリアクリル酸ソーダ
架橋物の製造方法として従来採用されている水溶液重
合、逆相懸濁重合等を採用することができ、その具体例
は、特開平3-223304、特開平4-230250、および特開平4-
346833に記載されている。上記(共)重合体架橋物の製
造において使用される架橋剤の具体例としては、N,
N’−メチレンビスアクリルアミド、トリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート等の複数個の(メタ)アクリル
基を有する化合物、N,N’−ブチレンビス(N−ビニ
ルアセトアミド)等のN,N’−アルキレンビス(N−
ビニルカルボン酸アミド)化合物、ジエチレングリコー
ルジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリ
ルエーテル、テトラアリルオキシエタン、ペンタエリス
リトールトリアリルエーテル、アジピン酸ジアリル、テ
レフタル酸ジアリル等のアリル基を2個以上有する化合
物、シュウ酸ジビニル、コハク酸ジビニル、マロン酸ジ
ビニル、アジピン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、ク
エン酸トリビニル、ピロメリット酸テトラビニル等のビ
ニルエステル構造を2個以上有する化合物などが挙げら
れ、これらは一種または必要により二種以上用いること
ができる。これらの架橋剤の使用量は(共)重合成分を
基準として2×10-4〜10モル%、好ましくは5×1
-4〜2モル%の範囲である。上記(共)重合体架橋物
の製造において使用される重合開始剤は従来知られてい
る過酸化物、有機、無機過酸もしくはその塩、アゾビス
系化合物の単独、あるいは還元剤との組み合わせによる
レドックス系のものが用いられ、これらの中で特に好ま
しいものはアゾビスイソブチロニトリルやアゾビス(2
−アミジノプロパン)二塩酸塩などのアゾビス系開始剤
である。また、重合開始剤の使用量は(共)重合成分を
基準として5×10-4〜5モル%が適当である。重合開
始温度は通常−10〜80℃程度であり、反応時間は
0.5〜30時間程度である。
【0009】当該(共)重合体架橋物中のN−ビニルカ
ルボン酸アミド単位とコモノマー(例えばアクリル酸ソ
ーダ)単位との比率(重量比)は特に限定されないが、
好ましくは100:0〜40:60であり、これよりコ
モノマー単位が多くなると耐塩性能が低下するため好ま
しくない。例えば、N−ビニルカルボン酸アミドとアク
リル酸ソーダの比率が100:0〜40:60であれ
ば、1.0%のCaCl2 水溶液の吸水倍率が自重に対
して15〜100倍であるが、比率が上記の範囲外にな
るとカルシウムイオンによるイオン架橋が生成するた
め、1. 0%のCaCl2 水溶液の吸水倍率が自重に対
して数倍程度と極めて吸水性能が低下する傾向がある。
ここでいう吸水倍率の測定方法は、例えば、該(共)重
合体架橋物2.0gを液体(例えば1.0%のCaCl
2 水溶液)1L程度に投入して飽和まで吸水させ、20
0メッシュの金網で作製した箱にて濾過し、次式により
算出したものである。 吸水倍率=(膨潤した重合体架橋物の重量/2.0)−
1.0 本発明で用いる吸水性樹脂としては、上記の範囲の中か
ら選ばれる一種または二種以上の混合物を使用すること
も可能である。
【0010】本発明における土嚢に封入される(共)重
合体架橋物を含む充填材は、(共)重合体架橋物が含ま
れていれば特に限定されるものではないが、a)(共)
重合体架橋物単独、b)特願平5-310670に記載されてい
るような(共)重合体架橋物とセルロース粉末などの水
に不溶性で粉末状の有機高分子との混合物、およびその
混合物を含有するシートまたは不織布状成形物、c)更
にその混合物を加圧成形した粒体、シート、ペレット、
ブロック、およびこれらの混合物、d)該粒体、シー
ト、ペレット、ブロック、不織布状成形物と高比重物質
(例えば土砂や各種鉱物の鉱砕物、金属やこれらをプラ
スチックに練り込んだ物、パルプと抄き込んだ物など)
との組み合わせ、e)(共)重合体架橋物と高比重物質
との混合物、f)(共)重合体架橋物と高比重物質との
混合物からなる成形物、g)吸水性樹脂の吸水を阻害し
ない性質を持つ被覆材料(水溶性の材料、透水性があり
吸水性樹脂の膨潤圧力で容易に破壊される材料、あるい
は膨潤に応じて高度に変形される材料など)で包んだ
(共)重合体架橋物、h)その被覆材料で覆われた
(共)重合体架橋物と高比重物質との組み合わせ、i)
吸水性樹脂の吸水を阻害しない性質を持つ被覆材料で包
んだ(共)重合体架橋物、有機高分子、または繊維質の
混合物、j)その被覆材料で覆われた(共)重合体架橋
物組成物と高比重物質との組み合わせなどが挙げられ、
これらは単独で、あるいは必要により組み合わされて封
入される。また、この他に粉砕パルプ等の各種の補助材
料を封入することもできる。
【0011】本発明において用いる(共)重合体架橋物
の粒径は、通常2〜2000μm、好ましくは20〜1
000μmである。また、N−ビニルカルボン酸アミ
ド、架橋剤を水や有機溶媒に溶解した溶液、あるいはそ
れとコモノマーとの混合溶液を、不織布、織布などの支
持体に含浸、あるいはコーティングさせた後に重合開始
剤を用いて重合すれば、(共)重合体が固着した吸水性
を有する支持体を得ることができる。この支持体を土嚢
の充填材として使用する場合、そのまま、あるいは適当
な大きさに裁断、または粉砕などの処理を行った後に用
いることができる。また、この支持体と前述の充填材や
補助材料を組み合わせて使用することも可能である。
(共)重合体架橋物を含む充填材を封入する袋の材質
は、水を通し、土嚢として積載した場合でも上下方向お
よび周囲からの荷重に耐え得る強度を有し、内容物が洩
れないものであればどの様なものでも使用でき、例えば
天然繊維、合成繊維、金属繊維、鉱物繊維などでできた
織物、編物、不織布などが挙げられる。また、熱可塑性
樹脂のシート等をヒートシールして成形してもよいし、
延伸した熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートをスリッ
トしたスリットヤーンで織った織物なども使用可能であ
る。更に、充填材等を封入した後にこの袋の封入口を閉
じる必要があるが、この方法としては袋が熱可塑性樹脂
であるならばヒートシールにより閉じることができる。
その他の袋の閉じ方としては、縫い合わせる方法や、紐
やロープ等で封入口を縛る方法がある。また、予め袋に
ファスナーをつける方法もある。また、該袋に内容物が
流出しない程度の小さな穴をあけることや、内容物が流
出しないように工夫した穴(例えば穴をメッシュで覆う
など)を備えることもできる。
【0012】本発明における(共)重合体架橋物を含む
充填材を封入する袋は、使用される状況によりあらゆる
形状をとることができる。通常土嚢は積み上げて使用す
ることが多いが、形状があまり大きな物であると使用前
後での持ち運びが不便であるので一辺が40〜70c
m、もう一辺が20〜40cm程度の長方形の袋が使用
しやすい。また、複数個の土嚢の袋を帯状につなげたも
のも使用できる。この様な帯状の袋を使用する場合、袋
と袋の連結部分を長くしておけば、この位置に他の土嚢
や重量物を置くこともできる。更に、地下施設への水の
流入防止に本発明の土嚢を使用する場合には、特殊な形
状をした袋も使用可能である。例えば、マンホールへの
水の流入防止には、内径がマンホールの穴よりも少し大
きなドーナツ型の立体的に成形された袋、地下施設への
階段口における水の流入防止には、一辺が階段口の幅よ
りも長い長方形の立体的に成形された袋などが使用可能
である。
【0013】流入する水をせき止める目的で土嚢を設置
する場合、その土嚢が流入する水に流されないことが重
要である。本発明において、充填材の構成要因として土
砂などの高比重物質が含まれており、水に流されること
がないほどに充分な重量を有しているときは何ら問題は
ないが、充填材として高比重物質が含まれない場合や、
含まれていても充分な重量を有していない場合には、土
嚢が水に流されない様に何らかの工夫が必要である。こ
の方法としては従来考案されている方法の全てを採用す
ることができるが、その具体例としては、土嚢に内容物
が流出しない様な穴をあけ、土嚢を積載した後にこの穴
に杭や金属製のピンを打ち込んで土嚢全体を地面に固定
する方法、土嚢に紐やリングなどを取り付け、土嚢を積
載した後にこの紐やリングなどで土嚢相互を固定し、更
に杭や金属製のピンを紐やリングに打ち込んで土嚢積載
物全体を地面に固定する方法、面ファスナーを両面に取
り付けた土嚢を積載した後に所定の強度を有するネッ
ト、複数本または網状のチェーン、ワイヤーなどをかぶ
せ、更にこのネット、チェーン、ワイヤーなどを杭や金
属製のピン、石などの重量物で固定する方法、土嚢を積
載した後、一番上に高比重物質の封入された土嚢や重り
となり得る物などを積載し、高比重物質の封入されてい
ない土嚢の流出を防止する方法などがある。
【0014】また、本発明による土嚢は、使用後に天日
干しなどすることにより、再利用が可能である。この天
日干しの際に、水の中に含まれていた無機塩は濃縮され
るため、従来の吸水性樹脂を使用した土嚢では次回使用
時に水の吸水量が更に減少するが、本発明による土嚢の
場合にはそのような致命的な問題を全く生じない。本発
明による土嚢は、洪水時における河川湖沼の堤防決壊、
大雨における家屋の浸水、津波による海水の陸地への流
入、トンネル工事における突発的な湧水、洪水時におけ
る地下施設入り口からの水の流入などを防止するため、
応急的な止水対策として使用できることはもちろん、コ
ンクリート製などの構築物の破壊現場における騒音防止
や破砕物の飛散防止用の囲いとしても使用できる。
【0015】
【実施例】以下本発明を更に詳しく説明するために実施
例をあげるが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 製造例1 窒素導入管と温度計、排気管を備えた四つ口の1Lセパ
ラブルフラスコ中に、N−ビニルアセトアミド250
g、N,N’−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミ
ド)120mg、ヒドロキシエチルセルロース2.4
g、脱イオン水180gを仕込み、1L/分で系内に窒
素を約1時間導入して脱気した。別に、予め脱気したシ
クロヘキサン300gにソルビタンモノステアレート
0.6gを分散させ、約40℃に加温して溶解した後、
先の水溶液が入ったセパラブルフラスコへ窒素下を保ち
ながら移送した。その後シクロヘキサン10mLに溶解
した2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メト
キシバレロニトリル)300mgを加え、系内の温度を
30℃に昇温し、300rpmで6時間撹拌した。放冷
後内容物をろ別し固形分を60℃、6時間真空乾燥し
た。得られた乾燥微粒子を篩にかけて、粒径250〜5
00μmのビーズ状単独重合体架橋物を得た。得られた
吸水性樹脂約2gを撹拌下で1Lの脱イオン水(25
℃)に2時間浸漬し、200メッシュの篩いで膨潤した
吸水性樹脂をろ別した。次式により飽和吸液倍率を算出
したところ、43重量倍であった。 吸液倍率=(膨潤した吸水性樹脂の重量/仕込んだ吸水
性樹脂重量)−1
【0016】製造例2 ガラス製反応容器にN−ビニルアセトアミド96g、2
0重量%のアクリル酸ソーダ水溶液520g、脱イオン
水370gを仕込んだ。これにN,N’−ジアセチル
N,N’−ジビニル−1,3−ビスアミノメチルシクロ
ヘキサン100mg、N,N’−メチレンビスアクリル
アミド100mgを添加し、窒素ガスにより系内を充分
に脱気した後、30℃に昇温した。次に水10mLに溶
かした2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二
塩酸塩0.4gを添加し、20時間反応させた。ゲル状
の生成物を取り出し、挽き肉機で細分した後、60℃、
6時間真空乾燥した。得られた吸水性樹脂約2gを撹拌
下で1Lの生理食塩水(25℃)に2時間浸漬し、20
0メッシュの篩いで膨潤した吸水性樹脂をろ別した。飽
和吸液倍率は50重量倍であった。
【0017】実施例1 製造例1で製造したN−ビニルアセトアミド単独重合体
架橋物を粉砕、分級し、粒径200〜500μmの吸水
性樹脂を得た。この吸水性樹脂100gと土砂10Kg
を充分に混合し、30cm×60cmのポリプロピレン
製不織布の袋に封入して土嚢を作製した。この土嚢を海
水中に投入し、30分後に引き上げた。吸水前後の土嚢
の物性を下記に示す。 吸水前 吸水後 見かけ比重 3.52(g/mL) 1.54 見かけ体積 4.72(L) 32.8 重 量 10.41(Kg) 39.5
【0018】実施例2 製造例1で製造したN−ビニルアセトアミド単独重合体
架橋物を粉砕、分級し、粒径500〜850μmの吸水
性樹脂を得た。この吸水性樹脂50gを水に可溶性の紙
に包んで、これを15Kgの土砂を入れた土嚢に対して
2個封入した。この土嚢を水中に投入し約1Kg/mL
の土圧になるように土をかぶせたところ、約6Lの体積
膨潤が確認された。
【0019】実施例3 製造例2で製造したN−ビニルアセトアミド共重合体架
橋物を粉砕、分級し、粒径250〜500μmの吸水性
樹脂を得た。この吸水性樹脂100gと粉砕パルプ10
0gを充分に混合し、200g/cm2 の圧力で粒体に
加圧成形した(粒体の嵩比重は0.8g/mL、粒体の
直径は約1cmであった)。この粒体200gと土砂1
0Kgを充分混合し、土嚢の中に封入した。この土嚢を
実施例2と同様にして吸水させたところ、約8Lの体積
膨潤が確認された。
【0020】実施例4 製造例2で製造したN−ビニルアセトアミド共重合体架
橋物を粉砕、分級し、粒径200〜400μmの吸水性
樹脂を得た。この吸水性樹脂45gと濾紙粉末5gをヘ
ンシェルミキサーを用いて充分混合し、ポリビニルアル
コール製の水溶性フィルム(大きさ10cm×10c
m)に封入した。この充填材2ケと土砂10Kg、およ
び粉砕パルプ1Kgを土嚢の袋に封入した。この土嚢を
海水中に投入し、30分後に引き上げた。吸水前後の土
嚢の物性を下記に示す。 吸水前 吸水後 見かけ比重 2.42(g/mL) 1.44 見かけ体積 4.89(L) 29.8 重 量 12.21(Kg) 40.4
【0021】比較例1 N−ビニルアセトアミド単独重合体架橋物を市販のポリ
アクリル酸ソーダ系吸水剤に変えた他は実施例1と同様
に試験を行った。吸水前後の土嚢の物性を下記に示す。 吸水前 吸水後 見かけ比重 2.47(g/mL) 1.42 見かけ体積 4.69(L) 21.8 重 量 11.81(Kg) 29.3
【0022】比較例2 N−ビニルアセトアミド共重合体架橋物を市販のアクリ
ル酸ソーダ/ビニルアルコール共重合体に変えた他は実
施例3と同様にして土嚢を作製した。吸水試験を行った
ところ、約7Lの体積膨潤が確認された。
【0023】
【発明の効果】本発明による土嚢は、使用前の重量が従
来の土砂のみを封入した土嚢と比較して軽く、緊急時の
運搬が容易である。また、保存の際には場所をとらず、
収納に便利である。更に、本発明による土嚢は、従来知
られていた吸水性樹脂を封入した土嚢と比較して、河川
水、海水、土砂を通過した水など無機塩を含有する水で
あっても高度に吸水するため、経済的効果が大きい。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔I〕で表される単量体を用
    いて得られる重合体架橋物を含む充填材を、所定の強
    度、透水性を有する袋内に封入してなる土嚢。 【化1】 [式中R1 およびR2 は、互いに独立して水素またはメ
    チル基を表す。]
  2. 【請求項2】 単量体がN−ビニルアセトアミドである
    請求項1記載の土嚢。
  3. 【請求項3】 重合体架橋物がN−ビニルカルボン酸ア
    ミド単独重合体架橋物またはN−ビニルカルボン酸アミ
    ドと共重合し得るコモノマーとの共重合体架橋物である
    請求項1記載の土嚢。
  4. 【請求項4】 単量体と共重合し得るコモノマーがアク
    リル酸(塩)、アクリルアミド−2−メチルプロパンス
    ルホン酸(塩)、またはビニルスルホン酸(塩)である
    請求項1記載の土嚢。
  5. 【請求項5】 (共)重合体架橋物を含む充填材を必要
    により土砂等と共に所定の強度、透水性を有する袋内に
    封入してなる請求項1記載の土嚢。
  6. 【請求項6】 (共)重合体架橋物を含む充填材を、該
    架橋物の吸水を阻害しない性質を持つ被覆材料にて包み
    込み、この被覆材料に包まれた充填材を必要により土砂
    等と共に所定の強度、透水性を有する袋内に封入してな
    る請求項1記載の土嚢。
  7. 【請求項7】 粒体、シート、ペレット、ブロック、不
    織布状に成形された(共)重合体架橋物を含む充填材
    を、必要により土砂と共に所定の強度、透水性を有する
    袋内に封入してなる請求項1記載の土嚢。
  8. 【請求項8】 粒体、シート、ペレット、ブロック、不
    織布状に成形された(共)重合体架橋物を含む充填材
    を、該架橋物の吸水を阻害しない性質を持つ被覆材料に
    て包み込み、この被覆材料に包まれた充填材を必要によ
    り土砂と共に所定の強度、透水性を有する袋内に封入し
    てなる請求項1記載の土嚢。
  9. 【請求項9】 (共)重合体架橋物を繊維素材に重合固
    着させた充填材を、必要により土砂と共に所定の強度、
    透水性を有する袋内に封入してなる請求項1記載の土
    嚢。
  10. 【請求項10】 (共)重合体架橋物を含む充填材を、
    所定の強度、透水性を有する袋内に封入してなる土嚢
    と、重量の大きい土嚢を組み合わせて土嚢層を形成する
    土嚢の使用方法。
  11. 【請求項11】 (共)重合体架橋物を含む充填材を、
    所定の強度、透水性を有する袋内に封入してなる土嚢
    を、該土嚢に設けた固定手段または別の固定手段によ
    り、隣接する該土嚢を固定して積載する土嚢の使用方
    法。
  12. 【請求項12】 1.0%CaCl2 水溶液を自重の1
    5倍以上吸水する(共)重合体架橋物を含む充填材を、
    所定の強度、透水性を有する袋内に封入してなる土嚢。
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