JP2003129439A - 水のう - Google Patents

水のう

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JP2003129439A JP2001326439A JP2001326439A JP2003129439A JP 2003129439 A JP2003129439 A JP 2003129439A JP 2001326439 A JP2001326439 A JP 2001326439A JP 2001326439 A JP2001326439 A JP 2001326439A JP 2003129439 A JP2003129439 A JP 2003129439A
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Yoshinori Karato
義伯 唐渡
Yoshifumi Moriguchi
芳文 森口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で内包物の漏れ出しがなく、均一
かつ速やかに吸水して使用に供することができる水のう
を提供する。 【解決手段】 吸水性樹脂粉粒体を内包する透水性の内
袋と、この内袋を少なくとも2つ以上内包する外袋とか
らなる水のうであって、外袋は1000〜1600のカ
バーファクター値を有する合成繊維布帛からなる袋体で
あり、吸水性樹脂粉粒体が吸水膨張した際に、その膨張
力により内袋の封止部の少なくとも一部が開放されるこ
とを特徴とする水のう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水災現場等で浸水防
止等に用いられる水のうに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、洪水による河川堤防の決壊や越流
あるいは土砂の侵入、雨水による盛土、切り土斜面の崩
壊等の災害を防止するために土のうが使用されている。
従来の土のうとしては、所定の強度と大きさを有する繊
維製の袋体に土砂を充填し、その投入口を固く結びつけ
るなどして閉じたものが多く用いられている。このよう
な土のうは、平常時は袋体のみを用意しておき、災害の
発生が予想されもしくは発生した場合には袋体を被災地
に輸送して、現場で袋体に土砂を充填し、投入口を閉じ
て土のうを作った後、積み上げ工法等に用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、洪水等の際
に、被災地の悪天候な条件下で上記のように土のうを作
る労力や時間の問題、さらには多量の土砂を調達せねば
ならない問題があり、被災地で短時間に多量の土のうを
作ることは困難であった。このような問題のある土のう
に代わるものとして、吸水性樹脂を利用した水のうが各
種提案されている(例えば実公平6−49605号)。
しかしながら水のうにも、吸水して膨張するまでに時間
がかかったり、内包物である吸水性樹脂粉粒体その他の
充填物が輸送中や使用時に漏れ出し易いといった問題が
あった。本発明はこのような現状に鑑みて行われたもの
で、簡単な構造で内包物の漏れ出しがなく、均一かつ速
やかに吸水して使用に供することができる水のうを提供
することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、吸水性樹脂粉粒体を内包する透
水性の内袋と、この内袋を少なくとも2つ以上内包する
外袋とからなる水のうであって、外袋は1000〜16
00のカバーファクター値を有する合成繊維布帛からな
る袋体であり、吸水性樹脂粉粒体が吸水膨張した際に、
その膨張力により内袋の封止部の少なくとも一部が開放
されることを特徴とする水のうを要旨とするものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の水のうは、吸水性樹脂粉粒体を内包した
内袋と、この内袋を複数個内包した外袋とより構成され
ている。吸水性樹脂粉粒体としては、特に限定されるも
のではないが、通常は自重の10倍以上の吸水・保水能
力を有する吸水性樹脂からなる、平均粒子径が好ましく
は50〜1500μm、さらに好ましくは150〜80
0μmの粉体もしくは粒子が用いられる。平均粒径が5
0μm未満であると、吸水時に樹脂が凝集して「だま
状」になり、その中心部は十分に吸水できないため、吸
水効率が低下する傾向にあるので好ましくない。また1
500μmを超えると、吸水に時間が長くかかる傾向に
あるので好ましくない。吸水性樹脂の例としては、デン
プン系、CMC系、ポリアクリル酸塩系、酢ビ−アクリ
ル酸エステル共重合体ケン化物系、酢ビ−マレイン酸エ
ステル共重合物ケン化物系、イソブチレン無水マレイン
酸共重合体、ポリアクリロニトリル系、ポリエチレンオ
キサイド架橋物系およびポリ−N−ビニルアセトアミド
系等が挙げられる。
【0006】内袋に内包させる内包物としては、吸水性
樹脂粉粒体が必須であるが、それ以外に、吸水性樹脂の
紫外線劣化を防ぐ紫外線吸収剤や、水のうの見かけ比重
を増すための比重調節材が含まれていてもよい。紫外線
吸収剤としては、特に限定されるものではないが、一般
的には連鎖開始阻害作用、ラジカル捕捉作用もしくは過
酸化物分解作用を有する物質が用いられ、具体的にはベ
ンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、
シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物、
フェノール系化合物およびイオウ・リン系化合物等が挙
げられる。また、比重調節材としては、特に限定される
ものではないが、比重が3〜4以上で毒性の少ない鉱物
質材料が好ましく用いられ、例えば重晶石、硫酸バリウ
ム等が挙げられる。
【0007】内袋を構成する素材としては、特に限定さ
れるものではなく、用途に応じて適宜選択すればよく、
後述する外袋と同様に、各種の合成繊維等を用いること
ができる。このとき、内袋の素材と外袋の素材を同種の
もの(例えばいずれもポリエステル繊維)とすれば、分
別廃棄が容易になるので好ましい。内袋としては、内袋
に内包された吸水性樹脂の吸水を妨げないよう、透水性
の内袋であることが必要である。もっとも、吸水前にお
ける水のうの運搬時等に、内袋から吸水性樹脂粉粒体が
漏れ出さないだけの目の細かさも要求される。その点を
考慮すれば、内袋の材料として布帛を用いる場合には、
そのカバーファクターとしては、1000〜1600が
好ましい。
【0008】内袋を形成する方法としては、布帛や不織
布等の透水性シート状材料を適宜裁断したものを縫製、
接着、溶着、圧着等の任意の方法で袋状にすればよい。
そして、内袋の中には、吸水性樹脂粉粒体を内包させ、
上記した縫製等の任意の方法で封止するのである。本発
明において重要なことは、吸水性樹脂粉粒体が吸水膨張
した際に、その膨張力により内袋の封止部の少なくとも
一部が開放されることである。このためには、例えば内
袋が縫製により形成されたものである場合、吸水性樹脂
が内袋の最大容積を満たす程度に吸水膨張した際に、さ
らなる膨張を妨げない程度の強さ、具体的には8N以
下、通常1〜8N 程度の強力を有する縫い糸を
用いるか、あるいは水解性もしくは水溶性の縫い糸を使
用すればよい。 また、例えば内袋が接着により形成さ
れたものである場合、水分により接着力が低下する接着
剤、具体的には例えばデンプンのり等を用いればよく、
吸水したときに接着部分が外れて膨張を妨げない。
【0009】本発明に好ましく使用される吸水性樹脂粉
粒体は、概ね自重の10倍以上の吸水・保水能力を有
し、その吸水の際には占有体積が著しく大きく、最大吸
水時には例えば50倍以上にまで膨張し得る。このこと
を考慮して、内袋に内包する吸水性樹脂粉粒体の量とし
ては、最大吸水時に内袋の体積よりも十分に大きく、好
ましくは数倍以上に膨張し得るような量とする。これに
より、上記したように内袋の封止部の少なくとも一部が
開放される時点においては、吸水性樹脂が吸水して膨張
してゆき、内袋全体に充満した時点ではまだ膨張する余
力があるので、この膨張力によって封止部の少なくとも
一部が開放されるのである。なお、吸水性樹脂粉粒体の
占有体積とは、吸水性樹脂粉粒体1つ1つの正味の体積
の総和ではなく、吸水性樹脂粉粒体の集合体が占有する
空間の体積のことであり、例えば計量カップ等を用いて
計り取られる体積のことである。また、上記の吸水性樹
脂が最大吸水時に膨張し得る体積(無負荷時)が外袋の
体積より大きくなるように設計することにより、吸水時
に張りのある水のうとすることができる。
【0010】本発明の水のうは、上記したごとく、吸水
性樹脂粉粒体が吸水膨張した際に、その膨張力により内
袋の封止部の少なくとも一部が開放されるような構造を
有していることにより、内袋が吸水性樹脂粉粒体の膨張
を妨げることはない。このため、吸水性樹脂粉粒体は十
分に吸水膨張することができ、かつ、水のう内での移動
が妨げられない。なお、内袋の封止部とは、吸水性樹脂
粉粒体を最後に封入することになる部分に限らず、透水
性シート材料を上記縫製等の方法により接合する部分の
全てをいう。すなわち、例えば長方形のシート材料1枚
を2つ折りに重ねて、折った部分以外の3辺に沿って縫
製した場合には、3辺に沿って縫製した3つの縫製線の
全てを封止部といい、例えば長方形のシート2枚を重ね
てその4辺に沿って帯状に接着剤を塗布して接着した場
合には、4辺に沿って接着した接着部分の全てを封止部
という。
【0011】外袋としては、合成繊維布帛からなる袋体
を使用する。合成繊維布帛を構成する合成繊維として
は、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選
択することができる。具体的には、ポリアミド系、ポリ
ビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化
ビニル系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、
ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリウレタン系、
ポリアラミド系、ポリフルオロエチレン系等の合成繊維
が挙げられ、自然分解性の合成繊維、例えばポリ乳酸等
の脂肪族ポリエステルからなる繊維を用いることもでき
る。これら合成繊維の長繊維もしくは短繊維を用いて形
成された合成繊維布帛を外袋の材料として用いればよい
が、強度、耐久性や価格の面から、ポリエステル系もし
くはポリアミド系の長繊維で形成された織物が特に好ま
しく用いられる。さらに、使用後の廃棄性の面も考慮す
れば、ポリ乳酸等の自然分解性繊維で形成された布帛を
外袋の材料として使用することも好ましく、それに加え
て、内袋の素材としても自然分解性繊維を使用し、吸水
性樹脂粉粒体としても自然分解性の樹脂からなるものを
選択して使用すれば、全体として自然分解性の水のうと
することができる。
【0012】また、合成繊維の全てまたは一部分に、原
着糸又は先染め糸を使用することもでき、これにより周
辺環境と調和する色が選択できるだけでなく、袋体の耐
候性も向上させることができる。なお、製織等して合成
繊維布帛を形成した後に染色してもよい。
【0013】本発明において、外袋を構成する布帛のカ
バーファクター値としては、1000〜1600である
ことが必要であり、1200〜1400がより好まし
い。ここで、本発明でいうカバーファクター値(CF)
とは、下記数式で示される値である。
【0014】
【数1】 ただし、CF:カバーファクター値 N1:経糸密度(本/2.54cm) N2:緯糸密度(本/2.54cm) D1:経糸の繊度(デシテックス) D2:緯糸の繊度(デシテックス) ρ1:経糸の素材の密度(g/cm3) ρ2:緯糸の素材の密度(g/cm3)
【0015】上記のカバーファクター値が1000未満
の場合、布帛の組織間に大きな隙間が生じるため、水の
うの吸水後に外袋から吸水性樹脂粉粒体等の内包物が漏
れ出し易くなる。一方、カバーファクター値が1600
を超えると、水が通りにくくなり、吸水に支障をきた
す。
【0016】本発明の水のうは、上記した内袋の中に吸
水性樹脂粉粒体及び必要に応じその他の内包物を投入し
てミシン縫いや接着等により封じたものを複数個作製
し、それらを上記の外袋の中に複数個投入後、通常はミ
シン縫いにより外袋を封じることにより製造され、複数
個の内袋と1個の外袋とからなる二重構造を有してい
る。内袋もしくは外袋を構成する袋体の形状としては、
特に限定されるものではなく、筒状、箱形およびマット
状などその用途に応じて任意に選択することができる
が、内袋の形状としては、内包する吸水性樹脂粉粒体の
吸水を速やかに、かつ均一にさせる点から、あまり厚く
ない形状とすることが望ましい。また、1個の外袋に内
包させる内袋の個数も適宜調節すればよいが、性能面、
生産性の面から、2〜8個、さらには4〜6個が好まし
い。内袋が複数個内包され、すなわち1個の水のうに用
いられる吸水性樹脂が分包されることにより、吸水性樹
脂粉粒体が吸水時に凝集して「だま状」になることを防
ぎ、吸水を速やかならしめることができるのである。し
たがって、特に水のうが大きい場合ほど、数多くの内袋
を有する構造とすることが有利となる。
【0017】本発明の水のうは、上記したような比較的
簡単な二重構造を有していることにより、吸水性樹脂粉
粒体を外袋に直接内包させる場合に生じる問題、例え
ば、製造時に所定量の吸水性樹脂粉粒体を袋体内に充填
しにくい等という生産面の問題や、輸送中に吸水性樹脂
粉粒体その他の内包物が外部に漏れ出すという問題も解
決される。特に、複数個の内袋を有する構造としたこと
により、吸水性樹脂粉粒体その他の内包物が小分けにさ
れて内包されているので、輸送時等における内包物の偏
りを最小限に抑えることができ、吸水時には非常に速や
かかつ均一に吸水が行われる。また、本発明の水のうに
おいては、上記したように吸水性樹脂粉粒体が吸水膨張
する際に内袋の封止部が開放されるので、吸水後の吸水
性樹脂粉粒体は、水のう内での流動を妨げられることな
く水のう全体に行き渡ることができる。さらに、外袋を
構成する布帛のカバーファクターが最適化されているの
で、吸水性を妨げない一方、吸水後において内包物が外
部に漏れ出すことはない。
【0018】また、吸水膨張後の水のうは丸みを帯びや
すい傾向にあるため、積み上げたときに滑りやすい場合
があるが、本発明においては、以下のような方法によっ
て、より滑りにくい水のうとすることもできる。そのよ
うな好ましい方法のひとつとしては、外袋の合成繊維布
帛を構成する合成繊維の全てもしくは一部分に、捲縮加
工糸もしくは交絡糸を用いることである。捲縮加工糸も
しくは交絡糸を用いることにより、外袋表面の摩擦抵抗
が増し、水のう同士が滑りにくくなる。また、外袋の表
面に滑り止め加工、例えばドットコーティングのような
樹脂加工等を施すことも、同様に好ましい方法である。
【0019】その他の好ましい方法としては、滑り止め
機能を有する布帛又はシート状物を外袋の表面に取り付
けることであり、これにより上記と同様に滑りが起こり
にくくなり安定して水のうを積み重ねることができる。
滑り止め機能を有する布帛又はシート状物としては、特
に限定される物ではなく、摩擦抵抗の大きい布帛やゴム
シート等を用いてもよいが、具体的には面ファスナーが
特に好ましい。滑り止め機能を有する布帛又はシート状
物を外袋に取り付ける際には、当該布帛又はシート状物
を、接着や縫い付け等の方法で、外袋表面に島状やスト
ライプ状に取り付ければよく、ストライプ状に取り付け
る場合、片方の表面(上面)ともう一方の表面(下面)
におけるストライプの方向は同じでもよく、直角等に角
度を変えてもよい。なお、面ファスナーを用いる場合に
は、片方の表面に面ファスナーのオス材を取り付けるだ
けでも滑り止めの効果は得られるが、加えてもう一方の
面にメス材を取り付ければより効果的である。この場
合、積み上げ作業時に水のうの上下面を確認しやすいよ
う、オス材とメス材の色を変えておけばよいが、さらに
作業時の手間を省くため、両方の面にオス材とメス材と
を混合して取り付けておいてもよい。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 ポリエステルマルチフィラメント糸条(560dtex/69f)を
経糸および緯糸に用いて、経糸密度、緯糸密度とも37
本/2.54cmで平組織の織物を製織した。この織物を10
cm×15cmに裁断し、開口部となる一辺を残して周辺部
分を水溶性ビニロン糸(株式会社ニチビ製、ソルブロ
ン、110dtex/30f)を用い縫製することにより内袋用の
袋体を得た。この袋体の中にアクリル酸共重合体からな
る平均粒径400μmの吸水性樹脂粉粉体(三洋化成株
式会社製、JT−2)を50g投入した後、開口部を上
記の水溶性ビニロン糸で縫製して封じることにより、吸
水性樹脂粉流体を内包した袋体を得た。上記内袋に用い
たのと同じ織物を用い、経84cm×緯61cmに裁断し、
次いで二つ折りにして、開口部となる一辺を残して周辺
部分を縫製することにより、経41cm×緯61cmの外袋
用の袋体を得た。このときの外袋の縫製には、ポリエス
テルミシン糸20番手を用いた。この外袋用袋体の中
に、上記の吸水性樹脂粉流体を内包した内袋を4個入れ
た後、外袋用の袋体の開口部を縫製して封じることによ
り、本発明の水のうを得た。
【0021】実施例2 内袋を製造及び封止する方法を縫製から接着に変更する
以外は、実施例1と同様にして本発明の水のうを得た。
なお、接着剤としては水溶性のデンプン糊(洗濯糊)を
巾約5mmの帯状に塗布して用いた。
【0022】比較例1 外袋に用いる平組織の織物の経糸密度と緯糸密度をいず
れも20本/2.54cmとする以外は、実施例1と同様にし
て、比較用の水のうを得た。
【0023】比較例2 内袋を用いることなく、外袋用の袋体の中に平均粒径4
00μmの吸水性樹脂粉粒体200gを直接投入する以
外は、実施例1と同様にして、比較用の水のうを得た。
【0024】比較例3 内袋の縫製に用いる糸を水溶性ビニロン糸からポリエス
テルミシン糸60番手に変更する以外は、実施例1と同
様にして比較用の水のうを得た。
【0025】上記の実施例および比較例で外袋用の袋体
に用いた織物のカバーファクター値を下記表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】また、上記の実施例および比較例で得られ
た水のうの性能を以下の方法で評価した結果を、下記表
2に示す。 (1)輸送性 吸水させていない水のうを軽トラックの荷台に載せ、一
般道路を二時間走行した後、内包物が外に漏れ出してい
ないものを○、内包物の漏れ出しが認められものを×と
した。 (2)吸水性および保水性 水のうを水槽の中に入れ10分間吸水させた後取り出し
て質量を測定した。さらにこの取り出した水のうを、屋
外で雨水の影響のない場所で3日間放置した後、再び質
量を測定した。 (3)吸水後の樹脂の漏れ出し 吸水膨張させた水のうから吸水性樹脂の漏れ出しについ
て、下記の基準で評価した。 ×:水のうを静置した状態で、吸水性樹脂の漏れ出しが
見られる。 ○:水のうに圧力をかけても、吸水性樹脂の漏れ出しは
見られない。
【0028】
【表2】
【0029】以上の結果から明らかなように、実施例1
および2で得られた本発明の水のうは、吸水開始後10
分間で約20kgになるという優れた吸水性能を示し、
吸水膨張後に吸水性樹脂が漏れ出すことがなく保水性に
も優れた水のうであった。また、吸水後の水のうを分解
して内部を観察してみると、実施例1では内袋の縫製に
使った水溶性ビニロン糸が切断しており、また実施例2
では内袋の接着部が外れており、吸水時の膨張を妨げて
いないことが分かった。これに対し比較例1では、外袋
用の袋体に用いた織物のカバーファクター値が小さすぎ
たため、吸水性には優れていたが、吸水膨張後に吸水樹
脂が漏れだしてしまい、さらに漏れ出した樹脂によって
滑りやすくなった。また、比較例2では、内袋を使用し
ない構造となっていたため、吸水性樹脂粉粒体が吸水時
に「だま状」になってしまい、十分に吸水性能を発揮す
ることができなかった。※また、比較例3では、内袋の
縫製に使用したポリエステルミシン糸が切断しておら
ず、吸水膨潤が内袋中でしか行われておらず、十分に吸
水膨張することができなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の水のうは、均一にかつ速やかな
優れた吸水性能を有し、短時間に大量の水を吸収し所定
の大きさに膨張するので、水災時等の浸水防止、排水目
的での吸水に使用する水のうとして好適である。また、
輸送時や吸水膨張後に吸水性樹脂粉粒体が外部に漏れ出
すこともない、内包物の封止性に優れた水のうである。
本発明の水のうは、上記の優れた性能を有しながら、構
造が簡単なため、生産性にも優れた水のうである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性樹脂粉粒体を内包する透水性の内
    袋と、この内袋を少なくとも2つ以上内包する外袋とか
    らなる水のうであって、外袋は1000〜1600のカ
    バーファクター値を有する合成繊維布帛からなる袋体で
    あり、吸水性樹脂粉粒体が吸水膨張した際に、その膨張
    力により内袋の封止部の少なくとも一部が開放されるこ
    とを特徴とする水のう。
  2. 【請求項2】 吸水性樹脂粉粒体の平均粒径が50〜1
    500μmであることを特徴とする請求項1に記載の水
    のう。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007269339A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 水硬性材料真空包装用容器、水硬性材料の包装方法及び水硬性材料包装物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007269339A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 水硬性材料真空包装用容器、水硬性材料の包装方法及び水硬性材料包装物

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