JPH086038B2 - 貯蔵安定性に優れたオルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

貯蔵安定性に優れたオルガノポリシロキサン組成物

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JPH086038B2
JPH086038B2 JP14859887A JP14859887A JPH086038B2 JP H086038 B2 JPH086038 B2 JP H086038B2 JP 14859887 A JP14859887 A JP 14859887A JP 14859887 A JP14859887 A JP 14859887A JP H086038 B2 JPH086038 B2 JP H086038B2
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俊夫 猿山
敦 冨樫
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東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、貯蔵安定性に優れたオルガノポリシロキサ
ン組成物に関する。
[従来技術] ケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサン
を主成分とし、これに微粒子状親水性シリカを配合して
なるオルガノポリシロキサン組成物は、撥水剤、繊維処
理剤、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を架橋させ
るための硬化剤組成物として広く使用されている。とこ
ろが、ケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキ
サンと微粒子状親水性シリカが共存するこれらの組成物
においては、ケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリ
シロキサンは製造時及び保存中に徐々に化学変化して、
その化学組成が変化すると同時にその特性が失われると
いう問題点があった。この問題点は安価で経済的に有利
な湿式シリカを用いる場合に特に顕著であった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、ケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサ
ンと微粒子状親水性シリカを主成分とする組成物に特定
の金属化合物を配合するとケイ素原子結合水素原子含有
オルガノポリシロキサンの化学変化が抑制され、その化
学組成も変化しないことを見出し本発明に到達した。
本発明の目的は製造時および長期間保存中にケイ素原
子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンの化学組成
が変化せず、貯蔵安定性に優れたオルガノポリシロキサ
ン組成物を提供するにある。
[問題点を解決するための手段および作用] すなわち、本発明の第1の発明は、 (A) 1分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくと
も2個含有するオルガノポリシロキサン 100重量部、 (B) 微粒子状親水性シリカ 任意量、 および (C) アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属シラ
ノレート、アルカリ土類金属アルコラート、アルカリ土
類金属シラノレートおよびアルカリ土類金属水酸化物か
ら成る群から選択された化合物 (B)成分100重量部に
対して0.1〜50重量部 から成る貯蔵安定性に優れたオルガノポリシロキサン組
成物に関する。
これを説明すると(A)成分は本発明の組成物の主体
となる成分である。すなわち、本発明の組成物を撥水剤
や繊維処理剤などに使用する場合には、適用する材料に
目的の特性を付与する主成分となり、また、本発明の組
成物を硬化剤組成物として使用する場合には架橋剤とし
ての作用する成分である。
かかるケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロ
キサンは、従来公知のオルガノポリシロキサンであり、
1分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくとも2個含
有するならば、その分子形状は、鎖状シロキサン骨格が
ある限り、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。ケイ素
原子に結合する水素原子とシロキサン結合の酸素原子以
外の基としては、ヒドロキシル基、有機基、加水分解性
基がある。有機基としては、メチル基、エチル基、プロ
ペニル基、n−オクチル基などのアルキル基;フェニル
基、ナフチル基などのアリール基;シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基などのシクロアルキル基;3−クロルプ
ロピル基、3,3,3−トリフルオロアリキル基などのハロ
ゲン化アルキル基;2−フェニルエチル基、2−フェニル
プロピル基などのアラルキル基が例示される。加水分解
性基は、加水分解してシラノール基を発生しうる官能基
であり、具体的には、アルコキシ基、アシロキシ基、ア
ミド基、オキシム基、アルケノキシ基が挙げられる。こ
れらのヒドロキシル基、有機基、加水分解性基は、1分
子中に1種だけでも、2種以上が混在してもよい。これ
らの中で、メチル基のみ、または、メチル基と他の有機
基、ヒドロキシル基、加水分解性基が混在するのが一般
的である。
本発明の組成物を、硬化性組成物の架橋用に用いる場
合には、高い硬化活性を得るため、ケイ素原子結合水素
原子の結合したケイ素原子に結合したシロキサン結合の
酸素原子の数は、1個または2個であることが好まし
い。また、(A)成分の製造の容易さから、1個のケイ
素原子に結合した水素原子は1個を越えないのが一般的
である。かかるケイ素結合水素原子の結合したシロキサ
ン単位としては、 R2HSiO1/2、RHSiO (式中、Rは上記のような有機基を示す。)が例示され
る。
(A)成分の分子量は、特に制限されない。即ち、2
量体から分子量1,000,000を越えるものまで使用するこ
とができるが、3量体から分子量5,000までであること
が好ましい。2量体未満では揮発性が高く取り扱いが困
難になり、分子量5,000を越えると、他材料の処理剤組
成物や、架橋剤組成物としての機能が著しく低下するか
らである。かかるケイ素原子結合水素原子含有オルガノ
ポリシロキサンは、1種を単独で用いてもよいし、また
2種以上のケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシ
ロキサンを併用してもよい。
(B)成分は、本発明の組成物に適度な粘稠性もしく
はチクソトロピック性を付与して、懸濁液状、ペースト
状、塑性体状等とし、使用しやすい状態にするという作
用をする。また、本発明の組成物を非シロキサン成分の
多い組成物用架橋剤組成物として使用する場合には、混
合性向上剤としての作用をする。また、本発明の組成物
を硬化性組成物として使用する場合には、硬化後の機械
的物性を向上させる作用をする。
かかる微粒子状親水性シリカはよく知られているよう
に、製法から大きく二種に分類できる。第1は、テトラ
クロロシランなどを酸水素炎中で反応させて製造される
シリカで、フュームドシリカ、乾式シリカと呼ばれるも
の、第2は、水ガラスに酸を反応させた後、水分と塩を
除去して得られるシリカで、湿式シリカと呼ばれるもの
である。本発明では、乾式、湿式どちらのシリカも使用
することができるが、経済的に有利な組成物を得るため
には、湿式シリカを用いることが望ましい。
(B)成分の(A)成分に対する配合量は任意量であ
り特に制限されない。組成物の使用目的や全体の配合比
を考慮のうえで決定されるべきものである。
例えば、本発明の組成物が(A)、(B)、(C)の
3成分のみからなる場合には、(B)成分は、(A)成
分100重量部に対して、0.1〜100重量部が必要である。
0.1重量部未満になると本発明の組成物が懸濁液状、ペ
ースト状、塑性体状とならず、使用しやすい状態になら
ず、100重量部を越えると(A)成分と均一に混ざらな
くなるので好ましくないからである。
また、(A)〜(C)成分をジメチルポリシロキサ
ン、有機溶剤等の溶剤で希釈する場合もしくは(A)〜
(C)成分に加えて更に後記するような(D)成分もし
くは(E)成分を配合してオルガノポリシロキサン組成
物とする場合には、より多量の(B)成分を配合するこ
とが可能であり、かかる場合には(B)成分の(A)成
分に対する配合量は0.1〜10000重量部の範囲内である。
これらの配合量はあくまで例示であり、本発明組成物に
おける(B)成分の配合量を制限するものではない。
(C)成分は(A)成分と(B)成分が共存し、長期間
貯蔵されても、(A)成分の化学組成もしくは化学構造
を安定に保つための必須の成分である。
かかる(C)成分は、アルカリ金属アルコラート、ア
ルカリ金属シラノレート、アルカリ土類金属アルコラー
ト、アルカリ土類金属シラノレートおよびアルカリ土類
金属水酸化物から成る群から選択された化合物であり、
これらの中でもアルカリ金属アルコラート、アルカリ土
類金属アルコラートが好ましく、アルカリ金属シラノレ
ート、アルカリ土類金属シラノレートが特に好ましい。
ここで、アルコラート類およびシラノレート類に含まれ
るアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリ
ウムが例示され、アルカリ土類金属には、マグネシウ
ム、カルシウムが例示される。アルコラート類のアルコ
キシ基は、1価の炭化水素基から選ばれる基であり、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が例
示される。本願発明におけるシラノレート類はケイ素原
子が2個以上のシロキサン骨格を有するいわゆるシリコ
ネート類も含まれ、特に制限されないが、製造の容易さ
の点からα,ω−ジメチルシロキサンジオレートが好ま
しい。アルカリ金属アルコラートの具体例としては、リ
チウムメチラート、リチウムブチラート、ナトリウムメ
チラート、ナトリウムエチラート、ナトリウムプロピラ
ート、ナトリウムブチラート、カリウムメチラート、カ
リウムエチラート、カリウムブチラートなどが例示され
る。アルカリ土類金属アルコラートの具体例としては、
マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、マ
グネシウムプロポキシド、マグネシウムブトキシド、カ
ルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、カルシウ
ムプロポキシドが例示される。シラノレート類として
は、リチウムジメチルシラノレート、ナトリウムジメチ
ルシラノレート、カリウムジメチルシラノレートが例示
されるほか、アルカリ土類金属アルコラートとジメチル
ポリシロキサンからin-situで合成されたシラノレート
が例示される。アルカリ土類金属水酸化物としては、水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム
が例示される。
(C)成分の配合量は(B)成分100重量部に対して
0.1〜50重量部の範囲内であり、これは0.1重量部未満に
なると本発明の組成物が安定せず、貯蔵中に(A)成分
のケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサン
のシロキサン結合が切断して所定の性能が得られなくな
るからであり、一方、50重量部を越えると、ケイ素原子
結合水素原子が加水分解し、やはり初期の性能が得られ
ないからである。また、(C)成分の好ましい配合量は
アルカリ金属アルコラート及びアルカリ土類金属アルコ
ラートについては0.1〜5重量部の範囲内であり、アル
カリ金属シラノレート及びアルカリ土類金属シラノレー
トについては5〜25重量部の範囲内である。
本発明の第2の発明は上記(A)成分〜(C)成分に
加えて(D)成分として1分子中に少なくとも2個のケ
イ素原子結合アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
を配合してなる組成物であり、このものはヒドロシリル
化反応によって硬化可能な貯蔵安定性に優れたオルガノ
ポリシロキサン組成物となり得る。かかるケイ素原子結
合アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、従来公
知のオルガノポリシロキサンであり、1分子中にケイ素
原子結合アルケニル基を少なくとも2個含有するなら
ば、その分子形状は、鎖状シロキサン骨格がある限り、
直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。該オルガノポリシ
ロキサンのケイ素原子に結合するアルケニル基とシロキ
サン結合の酸素原子以外の基としては、ヒドロキシル
基、有機基、加水分解性基がある。有機基としては、メ
チル基、エチル基、プロペニル基、n−オクチル基など
のアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール
基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロ
アルキル基、3−クロルプロピル基、3,3,3−トリフル
オロアリキル基などのハロゲン化アルキル基、2−フェ
ニルエチル基、2−フェニルプロピル基などのアラルキ
ル基が例示される。加水分解性基は、加水分解してシラ
ノール基を発生しうる官能基であり、該官能基はヒドロ
シリル化硬化反応に悪影響を与えないものならば従来公
知にものがすべて適用できる。具体的には、アルコキシ
基、アシロキシ基、アミド基、アミノキシ基、オキシム
基、アルケノキシ基が挙げられる。これらのヒドロキシ
ル基、有機基、加水分解性基は、1分子中に1種だけで
も、2種以上が混在してもよい。これらの中で、メチル
基のみ、または、メチル基と他の有機基、ヒドロキシル
基、加水分解性基が混在するのが一般的である。
かかるオルガノポリシロキサンの粘度や分子量はは、
特に制限されないが、硬化後の組成物の使用目的によっ
て最適なものを選択することができる。例えば、硬化し
てエラストマー組成物となる液状組成物を得るために
は、25℃における粘度が500〜300,000センチストークス
の範囲内にあるものから選択するのが必要であり、ま
た、硬化して高物性のエラストマー組成物を得るために
は、重量平均分子量が500,000〜1,000,000の範囲内にあ
ることが望ましい。
(D)成分として1分子中にケイ素原子結合アルケニ
ル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン
を含む組成物は、ヒドロシリル化反応によって硬化させ
るのが一般的であり、その硬化触媒としてはヒドロシリ
ル化反応を起こす触媒として、当業者に知られたものを
すべて使用可能である。かかる硬化触媒は、遷移金属触
媒が一般的であり、特に均一系遷移金属触媒が好まし
く、それらの中でも均一系白金化合物系触媒が最も適し
た触媒である。
また、本発明の第3の発明は上記(A)〜(D)成分
に加えて(E)成分として1分子中にケイ素原子結合水
酸基を少なくとも2個含有し、25℃における粘度が500
〜300,000センチストークスの範囲内にあるオルガノポ
リシロキサンを配合してなる組成物であり、このものは
脱水素反応によって硬化可能な貯蔵安定性に優れたオル
ガノポリシロキサン組成物となり得る。
かかるケイ素原子結合水酸基含有するオルガノポリシ
ロキサンは、従来公知のオルガノポリシロキサンであ
り、その分子形状は、鎖状シロキサン骨格がある限り、
直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。該オルガノポリシ
ロキサンのケイ素原子に結合する水酸基とシロキサン結
合の酸素原子以外の基としては、有機基、加水分解性基
がある。有機基としては、前述のアルキル基、アリール
基、シクロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アラル
キル基に加え、ビニル基、アリル基、1−ヘキセニル基
などのアルケニル基が例示される。加水分解性基は、加
水分解してシラノール基を発生しうる官能基であり、該
官能基は従来公知にものがすべて適用できる。具体的に
は、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノ基、アミド
基、アミノキシ基、オキシム基、アルケノキシ基が挙げ
られる。ヒドロキシル基、有機基、加水分解性基は、1
分子中に1種だけでも、2種以上が混在してもよい。こ
れらの中で、メチル基のみ、または、メチル基と他の有
機基、加水分解性基が混在するのが一般的である。
ケイ素原子結合水酸基含有オルガノポリシロキサンの
分子量は、25℃における粘度が500〜300,000センチスト
ークスの範囲内にあることが必要である。これより低い
粘度では硬化後に望ましい物性が得られず、また、これ
より高い粘度では組成物の扱いが困難となるばかりか、
硬化反応も完結しなくなる。かかるケイ素原子結合水酸
基含有オルガノポリシロキサンは、1種を単独で用いて
もよいし、また2種以上のケイ素原子結合水酸基含有オ
ルガノポリシロキサンを併用してもよい。
このように(E)成分として1分子中にケイ素原子結
合水酸基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキ
サンを含む組成物は、脱水素縮合触媒を添加することに
より硬化可能である。かかる触媒としては、脱水素縮合
触媒として当業者に知られたものがすべて使用可能であ
り、具体的には、スズ(ll)オクトエート、ジブチルス
ズジアセテート、テトラブチルチタネート、テトライソ
プロピルチタネートが挙げられる。
本発明の組成物は、(A)〜(C)成分、(A)〜
(D)成分または(A)〜(E)成分を均一に混合する
ことによって容易に得られる。この混合の方法や順序に
とくに制限はないが、(A)成分を除いた成分をあらか
じめ十分に混合した後、(A)成分を添加、混合するの
が好ましい方法である。特に、(A)成分添加前の組成
物を熱処理することは、ケイ素原子結合水素原子含有オ
ルガノポリシロキサンの貯蔵安定性を一層向上させ、初
期の性能を長く保持するためにより好ましい方法であ
る。
本発明の組成物には、必要に応じて、有機溶媒、架橋
反応抑制剤、酸化鉄、希土類化合物のような耐熱剤、炭
酸マンガン、煙霧状チタン、白金化合物のような難燃
剤、そのほか石英粉末、けいそう土、ガラス繊維、カー
ボンブラックなどを本発明の目的を損なわない限り添加
配合してもよい。
以上のようにして得られた(A)〜(C)成分から成
る本発明の組成物は、ペースト状、塑性体、またはディ
スパージョンなどの形態で使用でき、また、これに
(D)成分であるケイ素原子結合アルケニル基含有オル
ガノポリシロキサンを配合した組成物、またはさらに
(E)成分として水酸基含有オルガノポリシロキサンを
配合した組成物は、これらに硬化触媒を添加配合して硬
化しうるシリコーン・エラストマー組成物としても好適
に使用することができる。
[実施例] 次に本発明の実施例をあげて説明するが、実施例中、
粘度は25℃における値である。
実施例1 (B)成分として前もって120℃で2時間予備乾燥し
た湿式シリカ、[ニプシールLP(日本シリカ工業(株)
製)]10gと希釈剤として重合度10のジメチルポリシロ
キサン100gを混合し、次いで(C)成分として、表1に
示すようなアルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金
属アルコキシドを添加混合した。次いで(A)成分とし
て両末端トリメチルシロキシ封鎖メチルハイドロジェン
シロキサンテトラマー0.1gを添加混合してオルガノポリ
シロキサン組成物を得た。得られたオルガノポリシロキ
サン組成物を50℃にて1カ月間加熱エージングした。こ
の加熱エージング後のオルガノポリシロキサン組成物と
前記混合直後のオルガノポリシロキサン組成物を遠心分
離機にかけ、遠心分離によりオルガノポリシロキサン成
分を分離した。次いで、ガスクロマトグラフによりノル
マウンデカンを内部標準として各々のオルガノポリシロ
キサン組成物中のメチルハイドロジェンシロキサンテト
ラマーを定量した。
混合直後のオルガノポリシロキサン組成物中の測定値
を基準として加熱エージング後のオルガノポリシロキサ
ン組成物中のメチルハイドロジェンポリシロキサンテト
ラマーの測定値の比率を計算し、これをメチルハイドロ
ジェンテトラマーの残存率として表1に示した。
比較のため上記オルガノポリシロキサン組成物におい
て、アルカリ金属アルコキシドとアルカリ土類金属アル
コキシドを添加配合しない点を除いて上記と同じ方法に
よりオルガノポリシロキサン組成物を調製し、上記と同
様にしてメチルハイドロジェンシロキサンテトラマーを
定量した結果をメチルハイドロジェンテトラマーの残存
率として表1に示した。表1からアルカリ金属アルコキ
シド、アルカリ土類金属アルコキシドを添加配合したオ
ルガノポリシロキサン組成物は、加熱エージング後も両
末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシ
ロキサンテトラマーの減少量が著しく少ないことが判
る。
実施例2 式、Me3SiO[Me2SiO]m[MeHSiO]nSiMe3 (m+nは3〜13の数、Meはメチル基である)で示され
る分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された粘
度8センチストークスのメチルハイドロジェンシロキサ
ン・ジメチルシロキサン共重合体[ケイ素原子結合水素
原子の含有量0.75重量%]100g、実施例1で使用した湿
式シリカ10gとカリウム含有量2.8重量%のカリウムジメ
チルシラノレート(ジカリウムα−ω−ジメチルシロキ
サンジオレート)1gを均一に混合してオルガノポリシロ
キサン組成物を得た。このオルガノポリシロキサン組成
物を50℃にて6カ月間加熱エージングした。この加熱エ
ージング後のオルガノポリシロキサン組成物と前記混合
直後のオルガノポリシロキサン組成物中のメチルハイド
ロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の残
存率を実施例1と同様にして測定した(上式中、n=1
であり、m=3であるメチルハイドロジェンシロキサン
・ジメチルシロキサン共重合体と、n=2でありm=2
であるメチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロ
キサン共重合体と、m=3でありn=1であるメチルハ
イドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体
の合計量を定量した)ところ99.0%であった。
比較のため上記オルガノポリシロキサン組成物におい
て、カリウムジメチルシラノレートを添加配合しない点
を除いて上記と同じ方法によりオルガノポリシロキサン
組成物を調製し、上記と同様にしてメチルハイドロジェ
ンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の残存率を
測定したところ、その値は96.2%であった。
実施例3 分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され
たジメチルポリシロキサン200g、湿式シリカ[ニップシ
ールLP(日本シリカ工業(株)製]60gとカリウムジメ
チルシラノレート6.0gを加えて、減圧下、170℃で2時
間混合した。この混合物に1分子中にメチルハイドロジ
ェンシロキサン単位、ジメチルシロキサン単位、トリメ
チルシロキサン単位を各々平均5個、3個、2個含有す
るシロキサンオリゴマー2gを均一に混合しオルガノポリ
シロキサン組成物を得た。次いでこのオルガノポリシロ
キサン組成物20gおよびこのオルガノポリシロキサン組
成物を実施例1と同様50℃にて1か月間加熱エージング
後のオルガノポリシロキサン組成物20gに硬化触媒とし
て塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液を白金金属
として10ppm加え、さらに硬化遅延剤としてメチルブチ
ノール0.004gを添加配合し硬化性オルガノポリシロキサ
ン組成物を調製した。この硬化性オルガノポリシロキサ
ンの硬化特性をキユラストメータ3型[東洋ボードウィ
ン(株)製]を使用して調べた。得られた硬化特性の中
で130℃における最大トルク値を表2に示す。
比較のため上記においてカリウムジメチルシラノレー
ト6.0gを添加配合しない点を除いて、上記と同じ方法に
より硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製し、上
記と同じ方法によりその硬化特性を測定した結果を表2
に併記した。表2からカリウムジメチルシラノレートを
添加配合したオルガノポリシロキサン組成物からなる硬
化性オルガノポリシロキサンはその硬化が十分進行して
いるが、カリウムジメチルシラノレートを添加配合しな
いオルガノポリシロキサンからなる硬化性オルガノポリ
シロキサンはその硬化が著しく低下していることが判明
した。
実施例4 粘度12000センチストークスの両末端水酸基封鎖ジメ
チルポリシロキサン200gに湿式シリカ[ニプシールLP
(日本シリカ工業(株)製)]20gとカリウムt−ブト
キシド0.4gを加え、減圧下、170℃で2時間混合した。
この混合物に1分子中にメチルハイドロジェンシロキサ
ン単位、ジメチルシロキサン単位、トリメチルシロキサ
ン単位を各々平均3個含有するシロキサンオリゴマー2g
加え、常温で十分に混合し、オルガノポリシロキサン組
成物を得た。次いで、この混合直後のオルガノポリシロ
キサン組成物、およびこのオルガノポリシロキサン組成
物を80℃で2時間加熱エージングした後のオルガノポリ
シロキサン組成物100gに対して触媒としてジブチルスズ
ジラウレート0.02gを添加し、混合、脱気の後、常温で
1時間プレス硬化させ、厚さ約0.5mmのゴムシートを得
た。ゴムの物性をJISK6301に従って測定した結果を表3
に示す。
比較のため、上記においてカリウムt−ブトキシドを
添加しない組成物を調製し、該組成物の硬化特性を測定
した結果を比較例として表3の併記する。
実施例5 実施例3においてカリウムジメチルシラノレートの代
わりに、水酸化カルシウム0.46gを使用した他は実施例
3と同様にしてオルガノポリシロキサン組成物を調製
し、その硬化特性を測定したところ混合直後のオルガノ
ポリシロキサン組成物の最大トルク値は21.3kg・cm、エ
ージング後のオルガノポリシロキサン組成物の最大トル
ク値は19.9kg・cmであった。
[発明の効果] 本発明は、(A)成分〜(C)成分、(A)成分〜
(E)成分または(A)成分〜(D)成分からなり、特
に(C)成分のアルカリ金属アルコラート、アルカリ金
属シラノレート、アルカリ土類金属アルコラート、アル
カリ土類金属シラノレートおよびアルカリ土類金属水酸
化物からなる群から選択された化合物所定量を含有した
貯蔵安定性に優れたオルガノポリシロキサン組成物なの
で、製造時および長時間保存中に(A)成分であるケイ
素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンの化学
組成が変化せず、極めて貯蔵安定性に優れるという特徴
を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 1分子中に、ケイ素原子結合水素
    原子を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン
    100重量部、 (B) 微粒子状親水性シリカ 任意量、 および (C) アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属シラ
    ノレート、アルカリ土類金属アルコラート、アルカリ土
    類金属シラノレートおよびアルカリ土類金属水酸化物か
    ら成る群から選択された化合物 (B)成分100重量部に
    対して0.1〜50重量部 から成る貯蔵安定性に優れたオルガノポリシロキサン組
    成物。
  2. 【請求項2】(A) 1分子中に、ケイ素原子結合水素
    原子を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン
    100重量部、 (B) 微粒子状親水性シリカ 任意量、 (C) アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属シラ
    ノレート、アルカリ土類金属アルコラート、アルカリ土
    類金属シラノレートおよびアルカリ土類金属水酸化物か
    ら成る群から選択された化合物 (B)成分100重量部に
    対して0.1〜50重量部、 および (D) 1分子中に、ケイ素原子結合アルケニル基を少
    なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン500〜100
    00重量部 から成る貯蔵安定性に優れたオルガノポリシロキサン組
    成物。
  3. 【請求項3】(A) 1分子中に、ケイ素原子結合水素
    原子を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン
    100重量部、 (B) 微粒子状親水性シリカ 任意量、 (C) アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属シラ
    ノレート、アルカリ土類金属アルコラート、アルカリ土
    類金属シラノレートおよびアルカリ土類金属水酸化物か
    ら成る群から選択された化合物 (B)成分100重量部に
    対して0.1〜50重量部、 (D) 1分子中に、ケイ素原子結合アルケニル基を少
    なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン500〜100
    00重量部、 および (E) 1分子中に、水酸基を少なくとも2個含有し、
    25℃における粘度が500〜300,000センチストークスであ
    るオルガノポリシロキサン 500〜10000重量部 から成る貯蔵安定性に優れたオルガノポリシロキサン組
    成物。
  4. 【請求項4】微粒子状親水性シリカが湿式シリカである
    特許請求の範囲第1項,第2項または第3項記載の貯蔵
    安定性に優れたオルガノポリシロキサン組成物。
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