JPH0860062A - 水性印刷インキ組成物およびフッ素鋼板 - Google Patents
水性印刷インキ組成物およびフッ素鋼板Info
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- JPH0860062A JPH0860062A JP20179894A JP20179894A JPH0860062A JP H0860062 A JPH0860062 A JP H0860062A JP 20179894 A JP20179894 A JP 20179894A JP 20179894 A JP20179894 A JP 20179894A JP H0860062 A JPH0860062 A JP H0860062A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】耐熱性に優れ、フッ素樹脂フィルムに対する接
着性の良い水性印刷インキ組成物の提供。 【構成】フッ素樹脂と、アクリル系樹脂、ポリウレタン
系樹脂及びポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも
１種類の水性樹脂を含む水性印刷インキ組成物、および
該水性印刷インキ組成物をフッ素樹脂フィルムに塗工し
た後、鋼板と該フッ素樹脂フィルムとを貼り合わせてな
るフッ素鋼板。
着性の良い水性印刷インキ組成物の提供。 【構成】フッ素樹脂と、アクリル系樹脂、ポリウレタン
系樹脂及びポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも
１種類の水性樹脂を含む水性印刷インキ組成物、および
該水性印刷インキ組成物をフッ素樹脂フィルムに塗工し
た後、鋼板と該フッ素樹脂フィルムとを貼り合わせてな
るフッ素鋼板。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素樹脂フィルムに
対して優れた接着性，印刷効果，耐熱性を示す水性印刷
インキ組成物に関する。
対して優れた接着性，印刷効果，耐熱性を示す水性印刷
インキ組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】フッ素樹脂は、ポリマー中の炭素原子が
フッ素原子に保護されている為、耐薬品性，耐熱性，耐
侯性，耐汚染性，電気特性，非粘着性，低摩擦係数等に
優れており、食品工業，家電製品，家庭用品，機械工
業，化学工業等多岐にわたり利用されている。しかし、
フッ素樹脂は安定性が良い反面，水や有機溶剤に溶け
ず、加工性に難がある。その為、フッ素樹脂を含む塗料
の形態は、水や有機溶剤の分散体及び粉体となってい
る。
フッ素原子に保護されている為、耐薬品性，耐熱性，耐
侯性，耐汚染性，電気特性，非粘着性，低摩擦係数等に
優れており、食品工業，家電製品，家庭用品，機械工
業，化学工業等多岐にわたり利用されている。しかし、
フッ素樹脂は安定性が良い反面，水や有機溶剤に溶け
ず、加工性に難がある。その為、フッ素樹脂を含む塗料
の形態は、水や有機溶剤の分散体及び粉体となってい
る。
【０００３】鋼板にフッ素樹脂の皮膜を設ける方法とし
ては、スプレー法や浸漬法によりフッ素樹脂を含む塗料
を塗工する方法や、フッ素樹脂フィルムを熱融着する方
法が知られている。しかし，鋼板にフッ素樹脂を含む塗
料を塗工する方法はコストが高い，生産性が低い等の問
題点がある。一方、フッ素樹脂フィルムを熱融着する方
法はコストが低く，生産性は良いが、フッ素フィルムに
美粧効果を与える目的で、従来からあるポリエステル，
ポリウレタン，アクリル，硝化綿をバインダーとする水
性印刷インキを印刷してもフッ素樹脂フィルムに対し接
着しなかった。また、鋼板にフッ素樹脂フィルムを熱融
着する場合，フィルム表面には 300〜400 ℃の熱がかか
るため、従来の印刷インキでは耐熱性に貧しく、黒色し
たり、燃焼してしまう問題があった。
ては、スプレー法や浸漬法によりフッ素樹脂を含む塗料
を塗工する方法や、フッ素樹脂フィルムを熱融着する方
法が知られている。しかし，鋼板にフッ素樹脂を含む塗
料を塗工する方法はコストが高い，生産性が低い等の問
題点がある。一方、フッ素樹脂フィルムを熱融着する方
法はコストが低く，生産性は良いが、フッ素フィルムに
美粧効果を与える目的で、従来からあるポリエステル，
ポリウレタン，アクリル，硝化綿をバインダーとする水
性印刷インキを印刷してもフッ素樹脂フィルムに対し接
着しなかった。また、鋼板にフッ素樹脂フィルムを熱融
着する場合，フィルム表面には 300〜400 ℃の熱がかか
るため、従来の印刷インキでは耐熱性に貧しく、黒色し
たり、燃焼してしまう問題があった。
【０００４】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的は、
耐熱性に優れ、フッ素樹脂フィルムに対する接着性の良
い水性印刷インキ組成物を提供することにある。
耐熱性に優れ、フッ素樹脂フィルムに対する接着性の良
い水性印刷インキ組成物を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、フッ素樹脂
と、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリエス
テル系樹脂から選ばれる少なくとも１種類の水性樹脂を
含む水性印刷インキ組成物を提供する。
と、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリエス
テル系樹脂から選ばれる少なくとも１種類の水性樹脂を
含む水性印刷インキ組成物を提供する。
【０００６】本発明の水性印刷インキ組成物は、鋼板と
フッ素フィルムを熱融着する時の温度(300〜400 ℃) に
耐えうる耐熱性とフッ素樹脂フィルムへの接着性を得る
ために、フッ素樹脂を含む。また、着色剤（顔料）を分
散させるために、フッ素樹脂と比較的相溶性の良いアク
リル系樹脂，ポリウレタン系樹脂及びポリエステル系樹
脂から選ばれる少なくとも１種類の水性樹脂を含む。フ
ッ素樹脂の水分散体で着色剤（顔料）を分散しても、顔
料分散体が劣り、インキ化ができない。
フッ素フィルムを熱融着する時の温度(300〜400 ℃) に
耐えうる耐熱性とフッ素樹脂フィルムへの接着性を得る
ために、フッ素樹脂を含む。また、着色剤（顔料）を分
散させるために、フッ素樹脂と比較的相溶性の良いアク
リル系樹脂，ポリウレタン系樹脂及びポリエステル系樹
脂から選ばれる少なくとも１種類の水性樹脂を含む。フ
ッ素樹脂の水分散体で着色剤（顔料）を分散しても、顔
料分散体が劣り、インキ化ができない。
【０００７】フッ素樹脂と、アクリル系樹脂，ポリウレ
タン系樹脂及びポリエステル系樹脂から選ばれる少なく
とも１種類の水性樹脂とは、フッ素樹脂８０〜９９重量
部に対して水性樹脂１〜２０重量部の割合で含まれる
と、インキ安定性，耐熱性，接着性のバランスが図れ
る。即ち、フッ素系樹脂の含有量が８０重量部未満の場
合は、水性印刷インキ組成物をフッ素樹脂フィルムに塗
工した後、鋼板に該フッ素樹脂フィルムを熱融着で貼合
すると、鋼板／プライマー／印刷インキ／フッ素樹脂フ
ィルムの層間接着力や耐熱性が劣り、貼合時や耐煮沸性
にてブリスターが発生する。一方、フッ素樹脂の含有量
が９９重量部を越えると、着色剤（顔料）の分散不良に
よる濃度不足や耐摩擦性不良によるグラビア印刷時での
ガイドロールとられが発生する。
タン系樹脂及びポリエステル系樹脂から選ばれる少なく
とも１種類の水性樹脂とは、フッ素樹脂８０〜９９重量
部に対して水性樹脂１〜２０重量部の割合で含まれる
と、インキ安定性，耐熱性，接着性のバランスが図れ
る。即ち、フッ素系樹脂の含有量が８０重量部未満の場
合は、水性印刷インキ組成物をフッ素樹脂フィルムに塗
工した後、鋼板に該フッ素樹脂フィルムを熱融着で貼合
すると、鋼板／プライマー／印刷インキ／フッ素樹脂フ
ィルムの層間接着力や耐熱性が劣り、貼合時や耐煮沸性
にてブリスターが発生する。一方、フッ素樹脂の含有量
が９９重量部を越えると、着色剤（顔料）の分散不良に
よる濃度不足や耐摩擦性不良によるグラビア印刷時での
ガイドロールとられが発生する。
【０００８】フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニル，
ポリフッ化ビニリデン，ポリ塩化三フッ化エチレン，ポ
リ四フッ化エチレン，四フッ化エチレン−六フッ化ポリ
プロピレン共重合体，エチレン−四フッ化エチレン共重
合体，エチレン−塩化三フッ化エチレン共重合体，四フ
ッ化エチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル
共重合体が挙げられる。フッ素樹脂の中でも、四フッ化
エチレン系フッ素樹脂は融点が高く、耐熱性に優れるた
め好適に用いられる。四フッ化エチレン系フッ素樹脂と
しては、ポリ四フッ化エチレン，四フッ化エチレン−六
フッ化ポリプロピレン共重合体，エチレン−四フッ化エ
チレン共重合体，四フッ化エチレン−パーフルオロアル
コキシビニルエーテル共重合体が挙げられる。
ポリフッ化ビニリデン，ポリ塩化三フッ化エチレン，ポ
リ四フッ化エチレン，四フッ化エチレン−六フッ化ポリ
プロピレン共重合体，エチレン−四フッ化エチレン共重
合体，エチレン−塩化三フッ化エチレン共重合体，四フ
ッ化エチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル
共重合体が挙げられる。フッ素樹脂の中でも、四フッ化
エチレン系フッ素樹脂は融点が高く、耐熱性に優れるた
め好適に用いられる。四フッ化エチレン系フッ素樹脂と
しては、ポリ四フッ化エチレン，四フッ化エチレン−六
フッ化ポリプロピレン共重合体，エチレン−四フッ化エ
チレン共重合体，四フッ化エチレン−パーフルオロアル
コキシビニルエーテル共重合体が挙げられる。
【０００９】アクリル系樹脂としては、アクリル酸，メ
タアクリル酸，アクリル酸エステル，メタクリル酸エス
テル等のアクリル系モノマーの重合体もしくは共重合
体、及び上記アクリル系モノマーとスチレン，無水マレ
イン等のモノマーとの共重合体が挙げられる。また、ア
クリル系樹脂は、アミン類により中和して水溶化した溶
解型樹脂，該樹脂を水中へ乳化した乳化型樹脂，及び上
記溶解型樹脂と乳化型樹脂の混合型樹脂のいずれの形態
であってもよい。
タアクリル酸，アクリル酸エステル，メタクリル酸エス
テル等のアクリル系モノマーの重合体もしくは共重合
体、及び上記アクリル系モノマーとスチレン，無水マレ
イン等のモノマーとの共重合体が挙げられる。また、ア
クリル系樹脂は、アミン類により中和して水溶化した溶
解型樹脂，該樹脂を水中へ乳化した乳化型樹脂，及び上
記溶解型樹脂と乳化型樹脂の混合型樹脂のいずれの形態
であってもよい。
【００１０】ポリエステル系樹脂としては、ジオールと
酸無水物との付加開環重合によって得られる分子中にカ
ルボキシル基を有するポリエステル樹脂が挙げられる。
ジオールとしては、ポリエステルジオール，ポリカーボ
ネートジオール等が挙げられる。ポリエステルジオール
は二塩基酸と二価アルコールから合成されるものであっ
ても良い。酸無水物としては、ポリエステル分子末端の
ヒドロキシル基に無水トリメット酸を反応させたもの、
或いはピロメリット酸二無水物，1,4,5,8-ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物，3,3',4,4'-ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物などの芳香族酸二無水物等が挙
げられる。
酸無水物との付加開環重合によって得られる分子中にカ
ルボキシル基を有するポリエステル樹脂が挙げられる。
ジオールとしては、ポリエステルジオール，ポリカーボ
ネートジオール等が挙げられる。ポリエステルジオール
は二塩基酸と二価アルコールから合成されるものであっ
ても良い。酸無水物としては、ポリエステル分子末端の
ヒドロキシル基に無水トリメット酸を反応させたもの、
或いはピロメリット酸二無水物，1,4,5,8-ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物，3,3',4,4'-ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物などの芳香族酸二無水物等が挙
げられる。
【００１１】また、ウレタン系樹脂としては、スルホン
酸金属塩基を含有する分子量6000以上のポリエステルポ
リオールと有機ポリイソシアネートと必要に応じて鎖伸
長剤とを反応させて得られる樹脂が挙げられる。ポリエ
ステルポリオールとしては、スルホン酸金属塩基含有芳
香族ジカルボン酸を 2〜20モル％及びスルホン酸金属塩
基を含有していない芳香族ジカルボン酸を98〜50モル％
含有するカルボン酸成分と炭素数２〜８の脂肪族グリコ
ール及び／または脂環式グリコールとからなるものを用
いることができる。有機ポリイソシアネートとしては、
トリレンジイソシアネート，4,4'−ジフェニルメタンジ
イソシアネート，ヘキサメチレンジイソシアネート，キ
シリレンジイソシアネート等の芳香族，脂肪族及び脂環
族の従来公知の有機ポリイソシアネートを用いることが
できる。
酸金属塩基を含有する分子量6000以上のポリエステルポ
リオールと有機ポリイソシアネートと必要に応じて鎖伸
長剤とを反応させて得られる樹脂が挙げられる。ポリエ
ステルポリオールとしては、スルホン酸金属塩基含有芳
香族ジカルボン酸を 2〜20モル％及びスルホン酸金属塩
基を含有していない芳香族ジカルボン酸を98〜50モル％
含有するカルボン酸成分と炭素数２〜８の脂肪族グリコ
ール及び／または脂環式グリコールとからなるものを用
いることができる。有機ポリイソシアネートとしては、
トリレンジイソシアネート，4,4'−ジフェニルメタンジ
イソシアネート，ヘキサメチレンジイソシアネート，キ
シリレンジイソシアネート等の芳香族，脂肪族及び脂環
族の従来公知の有機ポリイソシアネートを用いることが
できる。
【００１２】本発明の水性印刷インキ組成物には、着色
剤として、カーボンブラック，チタンホワイト，チタン
イエロー，酸化鉄（ブラック，イエロー，ブラウン），
金属化合物（スピネル構造等），銅フタロシアニンブル
ー，銅フタロシアニングリーン，アントラキノン，キナ
クリドン，ポリアゾ等の比較的耐熱性の優れた顔料が好
適に用いられる。また、本発明の水性インキ組成物に
は、必要に応じて、消泡剤（シリコン・界面活性剤），
スリップ剤（シリコン・脂肪酸エステル），耐摩擦性付
与剤（シリコン・ワックス・脂肪エステル），増粘剤
（界面活性剤・セルロース），アルコール，グリコー
ル，多価アルコール誘導体等の添加剤を配合することが
できる。
剤として、カーボンブラック，チタンホワイト，チタン
イエロー，酸化鉄（ブラック，イエロー，ブラウン），
金属化合物（スピネル構造等），銅フタロシアニンブル
ー，銅フタロシアニングリーン，アントラキノン，キナ
クリドン，ポリアゾ等の比較的耐熱性の優れた顔料が好
適に用いられる。また、本発明の水性インキ組成物に
は、必要に応じて、消泡剤（シリコン・界面活性剤），
スリップ剤（シリコン・脂肪酸エステル），耐摩擦性付
与剤（シリコン・ワックス・脂肪エステル），増粘剤
（界面活性剤・セルロース），アルコール，グリコー
ル，多価アルコール誘導体等の添加剤を配合することが
できる。
【００１３】本発明の水性印刷インキ組成物は、着色剤
（顔料）とアクリル系樹脂，ポリウレタン系樹脂及びポ
リエステル系樹脂から選ばれる少なくとも１種類の水性
樹脂と水，あるいは水とメタノール調整液を混合し、サ
ンドミル，ボールミル，アトライター，３本ロールミル
等の既存の分散機を使用して着色剤を一微粒子まで分散
させた後、混合用のタンクで得られた分散液とフッ素樹
脂を混合して製造することができる。
（顔料）とアクリル系樹脂，ポリウレタン系樹脂及びポ
リエステル系樹脂から選ばれる少なくとも１種類の水性
樹脂と水，あるいは水とメタノール調整液を混合し、サ
ンドミル，ボールミル，アトライター，３本ロールミル
等の既存の分散機を使用して着色剤を一微粒子まで分散
させた後、混合用のタンクで得られた分散液とフッ素樹
脂を混合して製造することができる。
【００１４】本発明の水性印刷インキ組成物をフッ素樹
脂フィルムに塗工した後、該フッ素樹脂フィルムと予め
400℃に熱した鋼板とを貼合機により貼り合わせること
により、一体化されたフッ素鋼板ができる。フッ素樹脂
フィルムはペレットの溶融押し出し成形法で製造される
が、フィルムの表面張力は 32dyne/cm以下と低い。この
ため、フィルムをコロナ処理し、フィルムの表面張力を
38dyne/cm以上とすることで印刷インキの接着性を大き
く向上させることができる。フッ素樹脂フィルムの樹脂
としては、ポリフッ化ビニル，ポリフッ化ビニリデン，
ポリ塩化三フッ化エチレン，ポリ四フッ化エチレン，四
フッ化エチレン−六フッ化ポリプロピレン共重合体エチ
レン−四フッ化エチレン共重合体，エチレン−塩化三フ
ッ化エチレン共重合体，四フッ化エチレン−パーフルオ
ロアルコキシビニルエーテル共重合体が挙げられる。中
でも、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシビニ
ルエーテル共重合体は融点が高く、耐熱性に優れるため
好適に用いられる。
脂フィルムに塗工した後、該フッ素樹脂フィルムと予め
400℃に熱した鋼板とを貼合機により貼り合わせること
により、一体化されたフッ素鋼板ができる。フッ素樹脂
フィルムはペレットの溶融押し出し成形法で製造される
が、フィルムの表面張力は 32dyne/cm以下と低い。この
ため、フィルムをコロナ処理し、フィルムの表面張力を
38dyne/cm以上とすることで印刷インキの接着性を大き
く向上させることができる。フッ素樹脂フィルムの樹脂
としては、ポリフッ化ビニル，ポリフッ化ビニリデン，
ポリ塩化三フッ化エチレン，ポリ四フッ化エチレン，四
フッ化エチレン−六フッ化ポリプロピレン共重合体エチ
レン−四フッ化エチレン共重合体，エチレン−塩化三フ
ッ化エチレン共重合体，四フッ化エチレン−パーフルオ
ロアルコキシビニルエーテル共重合体が挙げられる。中
でも、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシビニ
ルエーテル共重合体は融点が高く、耐熱性に優れるため
好適に用いられる。
【００１５】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。実施例中、部は重量部を，％は重量％をそれぞれ表
す。 〔実施例１〕下記処方中、カーボンブラックとアクリル
系樹脂の水溶液をサンドミルにて分散し、グラインドメ
ーター30μ以下の分散体を得た。引き続き、４フッ化エ
チレン系フッ素樹脂の水分散体、水、メタノールおよび
水溶性シリコンオイルを配合し、粘度 60cpsのグラビア
インキを作成した。 アクリル系樹脂の水溶液 5.0部 （ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル 61J」、固型分31％） カーボンブラック（東海カーボン社製「シースト 116」） 5.0部 ４フッ化エチレン系フッ素樹脂の水分散体 75.0部 （ダイキン社製「ネオフロンAD-2CR」、固型分50％） 水 10.0部 メタノール 4.7部 水溶性シリコンオイル 0.3部 （東芝シリコン社製「TSF4446 」、固形分 100％） 得られたグラビアインキを用い、表面張力 38dyne/cmの
コロナ処理四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシ
ビニルエーテル重合体のフィルム（以下、ＰＦＡフィル
ムという）に 200線25μ版でグラビア印刷を行ない、優
れた接着性，印刷効果を有する印刷物を得た。この印刷
物をプライマー処理鋼板に 430℃で熱融着したところ、
貼合時や耐煮沸性にてブリスターが発生せず良好であっ
た。
る。実施例中、部は重量部を，％は重量％をそれぞれ表
す。 〔実施例１〕下記処方中、カーボンブラックとアクリル
系樹脂の水溶液をサンドミルにて分散し、グラインドメ
ーター30μ以下の分散体を得た。引き続き、４フッ化エ
チレン系フッ素樹脂の水分散体、水、メタノールおよび
水溶性シリコンオイルを配合し、粘度 60cpsのグラビア
インキを作成した。 アクリル系樹脂の水溶液 5.0部 （ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル 61J」、固型分31％） カーボンブラック（東海カーボン社製「シースト 116」） 5.0部 ４フッ化エチレン系フッ素樹脂の水分散体 75.0部 （ダイキン社製「ネオフロンAD-2CR」、固型分50％） 水 10.0部 メタノール 4.7部 水溶性シリコンオイル 0.3部 （東芝シリコン社製「TSF4446 」、固形分 100％） 得られたグラビアインキを用い、表面張力 38dyne/cmの
コロナ処理四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシ
ビニルエーテル重合体のフィルム（以下、ＰＦＡフィル
ムという）に 200線25μ版でグラビア印刷を行ない、優
れた接着性，印刷効果を有する印刷物を得た。この印刷
物をプライマー処理鋼板に 430℃で熱融着したところ、
貼合時や耐煮沸性にてブリスターが発生せず良好であっ
た。
【００１６】〔実施例２〕実施例１で得られたグラビア
インキにメチルセルロースを２部添加して増粘させ、粘
度30psのスクリーンインキを作成した。得られたスクリ
ーンインキを用い、表面張力 38dyne/cmのコロナ処理Ｐ
ＦＡフィルムに 350メッシュ版でスクリーン印刷を行な
った結果、実施例１と同様の優れた接着性，印刷効果を
有する印刷物が得られた。また、この印刷物を鋼板に 4
30℃で熱融着したところ、貼合時や耐煮沸性にてブリス
ターが発生せず良好であった。
インキにメチルセルロースを２部添加して増粘させ、粘
度30psのスクリーンインキを作成した。得られたスクリ
ーンインキを用い、表面張力 38dyne/cmのコロナ処理Ｐ
ＦＡフィルムに 350メッシュ版でスクリーン印刷を行な
った結果、実施例１と同様の優れた接着性，印刷効果を
有する印刷物が得られた。また、この印刷物を鋼板に 4
30℃で熱融着したところ、貼合時や耐煮沸性にてブリス
ターが発生せず良好であった。
【００１７】〔比較例１〕下記処方中、カーボンブラッ
クと硝化綿樹脂の水溶性をサンドミルにて分散し、グラ
インドメーター30μ以下の分散体を得た。引き続き、４
フッ化エチレン系フッ素樹脂の水分散体、水および水溶
性シリコンオイルを配合し、粘度 50cpsのグラビアイン
キを作成した。 硝化綿樹脂の水溶液（旭化成社製「試作品」、固形分10％） 10.0部 カーボンブラック（東海カーボン社製「シースト 116」） 5.0部 ４フッ化エチレン系フッ素樹脂の水分散体 70.0部 （ダイキン社製「ネオフロンAD-2CR」、固型分50％） 水 14.7部 水溶性シリコンオイル 0.3部 （東芝シリコン社製「TSF4446 」、固型分 100％） 得られたグラビアインキを用い、表面張力 38dyne/cmの
ＰＦＡフィルムに 200線25μ版でグラビア印刷を行な
い、優れた接着性，印刷効果を有する印刷物を得た。こ
の印刷物をプライマー処理鋼板に 430℃で熱融着したと
ころ、樹脂の黒化および貼合時のブリスターが発生し
た。
クと硝化綿樹脂の水溶性をサンドミルにて分散し、グラ
インドメーター30μ以下の分散体を得た。引き続き、４
フッ化エチレン系フッ素樹脂の水分散体、水および水溶
性シリコンオイルを配合し、粘度 50cpsのグラビアイン
キを作成した。 硝化綿樹脂の水溶液（旭化成社製「試作品」、固形分10％） 10.0部 カーボンブラック（東海カーボン社製「シースト 116」） 5.0部 ４フッ化エチレン系フッ素樹脂の水分散体 70.0部 （ダイキン社製「ネオフロンAD-2CR」、固型分50％） 水 14.7部 水溶性シリコンオイル 0.3部 （東芝シリコン社製「TSF4446 」、固型分 100％） 得られたグラビアインキを用い、表面張力 38dyne/cmの
ＰＦＡフィルムに 200線25μ版でグラビア印刷を行な
い、優れた接着性，印刷効果を有する印刷物を得た。こ
の印刷物をプライマー処理鋼板に 430℃で熱融着したと
ころ、樹脂の黒化および貼合時のブリスターが発生し
た。
【００１８】〔実施例３〕下記処方の原料を用い、実施
例１と同様にしてグラビアインキを作成した。 アクリル系樹脂の水分散体 10.0部 （ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル 741」、固型分49％） 銅フタロシアニン顔料 10.0部 （東洋インキ製造社製「リオノールブルーFG7350」） ４フッ化エチレン系フッ素樹脂の水分散体 60.0部 （三井・デュポンフロロケミカル社製「テフロン120J」、固型分54％） 水 18.7部 プロピレングリコール 1.0部 水溶性シリコンオイル 0.3部 （東芝シリコン社製「TSF4446 」、固型分 100％） 実施例１と同様に印刷を行ない、プライマー処理鋼板に
430℃で熱融着したところ、貼合時や耐煮沸性にてブリ
スターが発生せず良好であった。
例１と同様にしてグラビアインキを作成した。 アクリル系樹脂の水分散体 10.0部 （ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル 741」、固型分49％） 銅フタロシアニン顔料 10.0部 （東洋インキ製造社製「リオノールブルーFG7350」） ４フッ化エチレン系フッ素樹脂の水分散体 60.0部 （三井・デュポンフロロケミカル社製「テフロン120J」、固型分54％） 水 18.7部 プロピレングリコール 1.0部 水溶性シリコンオイル 0.3部 （東芝シリコン社製「TSF4446 」、固型分 100％） 実施例１と同様に印刷を行ない、プライマー処理鋼板に
430℃で熱融着したところ、貼合時や耐煮沸性にてブリ
スターが発生せず良好であった。
【００１９】〔実施例４〕アクリル系樹脂の水溶液「ジ
ョンクリル 61J」をポリエステル系樹脂の水溶液（東洋
紡績社製「バイロナール MD-1200」、固型分34％）に代
えた以外は、実施例１と同様にしてグラビアインキを作
成した。得られたグラビアインキを用いて実施例１と同
様に印刷を行ない、プライマー処理鋼板に 430℃で熱融
着したところ、貼合時や耐煮沸性にてブリスターが発生
せず良好であった。
ョンクリル 61J」をポリエステル系樹脂の水溶液（東洋
紡績社製「バイロナール MD-1200」、固型分34％）に代
えた以外は、実施例１と同様にしてグラビアインキを作
成した。得られたグラビアインキを用いて実施例１と同
様に印刷を行ない、プライマー処理鋼板に 430℃で熱融
着したところ、貼合時や耐煮沸性にてブリスターが発生
せず良好であった。
【００２０】〔実施例５〕アクリル系樹脂の水溶液「ジ
ョンクリル 61J」をポリウレタン系樹脂の水分散体（第
一工業製薬社製「スーパーフレックス 100」、固型分30
％）に代えた以外は、実施例１と同様にしてグラビアイ
ンキを作成した。得られたグラビアインキを用いて実施
例１と同様に印刷を行ない、プライマー処理鋼板に 430
℃で熱融着したところ、貼合時や耐煮沸性にてブリスタ
ーが発生せず良好であった。
ョンクリル 61J」をポリウレタン系樹脂の水分散体（第
一工業製薬社製「スーパーフレックス 100」、固型分30
％）に代えた以外は、実施例１と同様にしてグラビアイ
ンキを作成した。得られたグラビアインキを用いて実施
例１と同様に印刷を行ない、プライマー処理鋼板に 430
℃で熱融着したところ、貼合時や耐煮沸性にてブリスタ
ーが発生せず良好であった。
【００２１】
【発明の効果】本発明により、フッ素樹脂フィルムに対
してグラビア印刷，フレキソ印刷，スクリーン印刷した
場合に、優れた接着性，印刷効果，耐熱性を示す水性印
刷インキ組成物を得ることができた。
してグラビア印刷，フレキソ印刷，スクリーン印刷した
場合に、優れた接着性，印刷効果，耐熱性を示す水性印
刷インキ組成物を得ることができた。
Claims (4)
- 【請求項１】フッ素樹脂と、アクリル系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂及びポリエステル系樹脂から選ばれる少なく
とも１種類の水性樹脂を含む水性印刷インキ組成物。 - 【請求項２】フッ素樹脂８０〜９９重量部と、水性樹脂
１〜２０部重量部とを含む請求項１記載の水性印刷イン
キ組成物。 - 【請求項３】フッ素樹脂が四フッ化エチレン系フッ素樹
脂である請求項１または２記載の水性印刷インキ組成
物。 - 【請求項４】請求項１ないし３いずれか１項に記載の水
性印刷インキ組成物をフッ素樹脂フィルムに塗工した
後、鋼板と該フッ素樹脂フィルムとを貼り合わせてなる
フッ素鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20179894A JP3006424B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 水性印刷インキ組成物およびフッ素鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20179894A JP3006424B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 水性印刷インキ組成物およびフッ素鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0860062A true JPH0860062A (ja) | 1996-03-05 |
| JP3006424B2 JP3006424B2 (ja) | 2000-02-07 |
Family
ID=16447112
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20179894A Expired - Lifetime JP3006424B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 水性印刷インキ組成物およびフッ素鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3006424B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103254685A (zh) * | 2013-04-25 | 2013-08-21 | 深圳市美丽华油墨涂料有限公司 | 一种用于面漆表面的油墨及其制备方法 |
-
1994
- 1994-08-26 JP JP20179894A patent/JP3006424B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103254685A (zh) * | 2013-04-25 | 2013-08-21 | 深圳市美丽华油墨涂料有限公司 | 一种用于面漆表面的油墨及其制备方法 |
| CN103254685B (zh) * | 2013-04-25 | 2015-06-17 | 深圳市美丽华油墨涂料有限公司 | 一种用于面漆表面的油墨及其制备方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3006424B2 (ja) | 2000-02-07 |
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