JPH0859845A - 繊維強化プラスチック用補強材及び繊維強化プラスチック - Google Patents

繊維強化プラスチック用補強材及び繊維強化プラスチック

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JPH0859845A
JPH0859845A JP6193051A JP19305194A JPH0859845A JP H0859845 A JPH0859845 A JP H0859845A JP 6193051 A JP6193051 A JP 6193051A JP 19305194 A JP19305194 A JP 19305194A JP H0859845 A JPH0859845 A JP H0859845A
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JP
Japan
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fiber
reinforced
reinforced plastic
resin layer
fibers
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JP6193051A
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Katsuya Tani
勝也 谷
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は高強力・高弾性率で吸水による物
性低下が少なく且つ耐熱性や耐衝撃性および耐層間剥離
に優れた繊維強化プラスチック用の補強材とその補強材
を用いた繊維強化プラスチックの提供を目的とするもの
である。 【構成】 炭素繊維と強度が4.0GPa以上で初期引
張弾性率が140GPa以上であるポリベンザゾール繊
維で構成される布帛であって、該布帛の片面Aに現れる
ポリベンザゾール繊維の面積比率が10〜35%である
ように交編織されマトリックス樹脂として熱可塑性重合
体を用いた繊維強化プラスチック用補強材および上記補
強材で強化された第1プリプレグ層の片面Aを無機繊維
層に積層された繊維強化プラスチック。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維強化プラスチック及
びその補強材に関する。さらに詳しくは衝撃吸収特性に
優れ、各種機械構造部品や圧力容器及び管状構造物等の
補強材に使用される繊維強化プラスチックおよびその補
強材に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチックは優れた特性、例
えば高い強度と引張弾性率及び耐疲労性等のため広い用
途が期待され、重要な産業用資材として開発が進められ
ている。就中、炭素繊維を補強材に用いた繊維強化プラ
スチックは引張特性、曲げ特性に優れ且つ軽量であるこ
とから例えば航空機やロケット等の構造材として既に広
く用いられている。しかし、炭素繊維とエポキシ系樹脂
からなる繊維強化プラスチックは、(1)脆い、(1)
破損時に破片が飛散る、(2)耐衝撃性が低い等の欠点
を有することが知られている。一方、合成繊維を補強材
に用いた繊維強化プラスチックは炭素繊維を用いた繊維
強化プラスチックとの比較において、(1)引張強度が
高い、(2)耐衝撃性に優れる、(3)曲げ荷重負荷時
に殆ど分裂破壊を生じない、(4)軽量である等の特性
を有しており炭素繊維を補強材とした樹脂強化層に合成
繊維例えばアラミド繊維または高強度ポリエチレン繊維
や全芳香族ポリエステル繊維等を補強材とした樹脂強化
層を複合した繊維強化プラスチックの開発が試みられて
いる。たとえば本出願人は特開平2−173044号公
報で高強力・高弾性率の超高分子量ポリエチレン系繊維
を補強材に用いた繊維強化プラスチック用補強材及び該
補強材と炭素繊維を補強材とした樹脂強化層を複合積層
した繊維強化プラスチックを提案した。最近、次世代ス
ーパー繊維の一つと言われる高強力・高弾性率で、耐衝
撃性及び耐摩耗性に優れ、且つ有機合成繊維の中では最
も高い耐熱性・難燃性を示すポリベンザゾール繊維(P
BZ)の工業的な生産技術が開発された。この工業的な
製糸技術を背景にして該PBZ繊維と無機繊維、特に炭
素繊維とを複合した繊維強化プラスチックの開発が活発
化してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】炭素繊維を補強材とし
た樹脂強化層と他の繊維、例えばアラミド繊維を補強材
とした樹脂強化層を複合した繊維強化プラスチックは炭
素繊維のみを用いた繊維強化プラスチックに比べて耐衝
撃性が向上することは公知である。しかし、アラミド繊
維は標準状態で吸水率が3.5%と高く、繊維強化プラ
スチックとして使用する環境条件によっては水分の影響
を受けて物性が低下するという問題があった。一方、高
分子量ポリエチレン系繊維で強化した樹脂層と炭素繊維
で強化した樹脂層とを複合した繊維強化プラスチックは
耐衝撃性に優れ、また吸水による物性低下はないもの
の、(1)耐摩耗性が低い、(2)マトリックス樹脂と
の接着性が弱く衝撃時に炭素繊維で補強された樹脂層と
高分子量ポリエチレン系繊維で補強された樹脂層との境
界で剥離を生じやすい、(3)耐熱性・難燃性に欠け
る、(4)クリープが大きい等の問題があった。さらに
構造材用繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂とし
て汎用されているエポキシ系樹脂が極めて脆いことも繊
維強化プラスチックが脆い原因のひとっでもあった。従
って高強力・高弾性率で吸水による物性低下がなく耐衝
撃性に優れ、層間剥離しにくい繊維強化プラスチック及
びその補強材の出現が強くが望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は無機繊維、
主として炭素繊維を補強材とした繊維強化プラスチック
用補強材と有機合成繊維を補強材に用いた繊維強化プラ
スチック用補強材及び繊維強化プラスチックの物性なら
びに耐久性の改善につき鋭意検討した。その結果、無機
繊維、特に炭素繊維とポリベンザゾール繊維とで交編織
した布帛を補強材とし、マトリックス樹脂に熱可塑性重
合体を用いることで前記欠点が改善できることを見い出
した。即ち、4.0GPa以上の引張強度と140GP
a以上の初期引張弾性率を有するポリベンザゾール繊維
が布帛の片面Aに面積比率で10〜35%形成されてな
る布帛を強化材とすることを特徴とする繊維強化プラス
チック用補強材および該繊維強化プラスチック用強化材
で補強された第1強化樹脂層と無機繊維で補強された第
2強化樹脂層よりなる積層複合材であって、前記第1強
化樹脂層の片面Aが前記第2強化樹脂層層との接合面と
なる様に積層されてなることを特徴とする繊維強化プラ
スチックを主旨とするものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係る繊維強化プラスチック用補強材及び繊維強化プラス
チックを構成する二種類の繊維糸条の一つであるポリベ
ンザゾール繊維とは下記ポリベンザゾール重合体を含む
ドープを紡糸して得られるものである。即ちポリベンザ
ゾール(PBZ)とは、ポリベンゾオキサゾール(PB
O)ホモポリマー、ポリベンゾチアゾール(PBT)ホ
モポリマー及びそれらPBO、PBTのランダム、シー
ケンシャルあるいはブロック共重合ポリマーをいう。こ
こでポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール及
びそれらのランダム、シーケンシャルあるいはブロック
共重合ポリマーは、例えば Wolfe等の「Liquid Crystal
line Polymer Compositions , Process and Products」
米国特許第4703103号(1987年10月27
日)、「Liquid Crystall-ine Polymer Compositions ,
Process and Products 」米国特許4533692号
(1985年8月6日)、「Liquid Crystalline Poly
(2,6-Benzothiazole) Composition, Process and Produ
cts」米国特許第4533724号(1985年8月6
日)、「Liquid Crystalline Polymer Compositions ,
Process and Products」米国特許第4533693号
(1985年8月6日)、Eversの「Thermooxidative-l
y Stable Articulated p-Benzobisoxazole and p-Benzo
bisthiazole Polymres」米国特許第4539567号
(1982年11月16日)、Tasi等の「Method for m
aking Heterocyclic Block Copolymer」米国特許第45
78432号(1986年3月25日)、等に記載され
ている。PBZポリマーに含まれる構造単位としては、
好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択され
る。モノマー単位は構造式(a)〜(h)に記載されて
いるモノマー単位からなり、さらに好ましくは、本質的
に構造式(a)〜(c)から選択されたモノマー単位か
らなる。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】PBZポリマーのドープを形成するための
好適な溶媒としては、クレゾールやそのポリマーを溶解
し得る非酸化性の酸が含まれる。好適な酸溶媒の例とし
ては、ポリリン酸、メタンスルホン酸および高濃度の硫
酸あるいはそれらの混合物が挙げられる。さらに適する
溶媒はポリリン酸及びメタンスルホン酸である。また最
も適する溶媒は、ポリリン酸である。
【0009】溶媒中のポリマー濃度は好ましくは少なく
とも約7重量%であり、さらに好ましくは少なくとも1
0重量%、最も好ましくは少なくとも14重量%であ
る。最大濃度は、例えばポリノーの溶解性やドープ粘度
といった実際上の取扱い性により限定される。それらの
限界要因のために、ポリマー濃度は通常では20重量%
を超えることはない。
【0010】好適なポリマーやコポリマーあるいはドー
プは公知の手法により合成される。例えば Wolfe等の米
国特許第4533693号(1985年8月6日)、Sy
bert等の米国特許4772678号(1988年9月2
0日)、Harrisの米国特許第4847350号(198
9年7月11日)に記載される方法で合成される。PB
Zポリマーは、Gregory 等の米国特許第5089591
号(1992年2月18日)によると、脱水性の酸溶媒
中での比較的高温、高剪断条件下において高い反応速度
での高分子量化が可能である。
【0011】ここでポリベンザゾール繊維は引張強度が
4.0GPa以上で且つ初期引張弾性率が140GPa
以上を有することが必要である。引張強度が4.0GP
a未満、または初期引張弾性率が140GPa未満のポ
リベンザゾール繊維を補強材に用いたものでは、例えば
金属に代わる構造材の分野に適用したとき強力や耐衝撃
性が充分でなく従来の素材に比べて物性面での利点が少
ない。なお、ポリベンザゾール繊維はマトリックス樹脂
との接着性改善の点から表面改質、例えばコロナ放電処
理されたものを用いることが好ましい。また、PBZ繊
維糸条と組み合わせて交編織する他の繊維糸条としては
マトリックス樹脂との接着性、耐熱性、引張特性、軽量
性等を考慮すると炭素繊維が最も好ましい。
【0012】強化複合繊維布を構成するポリベンザゾー
ル繊維糸条と他の繊維糸条との複合比率は本発明の要点
の一つである。本発明においてポリベンザゾール繊維の
優れた特性を損なうことなく接着性が充分に改善された
繊維強化プラスチック用補強材を得るには上記2種類の
繊維糸条を用いて交編織する際に布帛の片面Aに現われ
るポリベンザゾール繊維糸条の面積比率が10〜35%
である様に組織構造が選択される。第1図はその一例を
示したものであり経糸1に前記ポリベンザゾー繊維糸条
を用い、緯糸2に炭素繊維糸条を用いて製織した8枚朱
子である。この織物構造において、ポリベンザゾー繊維
糸条からなる緯糸2が比較的多く表面に現われ、一方、
他面には炭素繊維糸条からなる経糸1が比較的多く現わ
れる。布帛の片面Aに現われるポリベンザゾール繊維糸
条の面積比率が10%未満の場合には得られる繊維強化
プラスチックにおいてポリベンザゾール繊維の優れた耐
衝撃性が発揮されない。一方、布帛の片面Aに現われる
ポリベンザゾール繊維糸条の面積比率が35%を越える
とマトリックス樹脂との接着性が低下し、無機繊維で構
成される第2強化樹脂層との境界面で衝撃破壊及び剥離
を生じ易くなる。
【0013】本発明に使用するマトリックス樹脂は溶融
可能で接着性に優れた熱可塑性樹脂または溶媒に溶解可
能な熱可塑性樹脂であれば任意のものを使用することが
できる。例えば、ポリエステル系重合体、ポリアミド系
重合体、ポリウレタン系重合体等が挙げられる。上記マ
トリックス樹脂は前記のポリベンザゾール繊維糸条と他
の繊維糸条とからなる交編織布帛に含浸または熱接着さ
れて第1プリプレグシートが形成される。また無機繊維
糸条からなる布帛に上記マトリックス樹脂を含浸または
熱接着されて第2プリプレグシートが形成される。この
第1プリプレグシートと第2プリプレグシートとを積層
して加熱圧着することで繊維強化プラスチックが得られ
る。
【0014】ここで積層方法について説明する。図2に
示す様に第2プリプレグシートBを重ねて第2樹脂強化
層を成形し、該強化層の少なくとも片面Aに前記第1プ
リプレグシートのポリベンザゾール繊維の面積比率が小
さい面、即ち他の繊維、即ち無機繊維が多く現われた布
帛面を前記第2樹脂強化層に重ねて成形する。無機繊維
を含む脆い第2樹脂強化層は靭性に優れたポリベンゾオ
キサゾール繊維糸条を補強材とした第1樹脂強化層で被
覆されるので耐衝撃性が改善される。また第1樹脂強化
層の片面(A面)はポリベンゾオキサゾール繊維が比較
的多く現われる編織構造であり耐水性、例えばアラミド
繊維を第1樹脂強化層に用いた繊維強化プラスチックに
比べて水分による物性の低下は大幅に抑制できる。また
高強度ポリエチレン系繊維を第1樹脂強化層に用いた場
合に比べて繊維強化プラスチック表面の耐熱性は極めて
高くなる。
【0015】以下に本発明において評価に用いた特性の
測定法は下記の通りである。 [繊度]試料を標準状態(温度22+2度、相対湿度6
5+2%の状態)の試験室で24時間静置した後、ラッ
プリールを用いて試料90mを採取し、その重量を測定
して9000mの重量に換算して繊度(デニール)とし
た。 [強伸度特性]JISL1013(1981)の7.
5.1に準じ、標準状態の試験室でオリエンテック
(株)製のテンシロン型試験機を使用して、把み間隔2
0cm、引張速度100%/分、n=10で強伸度を測
定し、初期引張弾性率、破断時の引張強度および伸度を
算出した。 [繊維含有率]熱可塑性マトリックス繊維のみを選択的
に溶解する溶媒を用いて繊維強化プラスチックの試験片
を溶解・除去した後に測定した。補強繊維の重量Dk
(g)と溶解前の繊維強化プラスチックの試験片の重量
Dt(g)から強化繊維の含有率Fk(wt%)を算出
した。 Fk=Dk/Dt ×100 (wt%) [耐衝撃性]板状繊維強化プラスチックから一辺の長さ
15cmの正方形の試験片を切り出し、落錘衝撃テスト
機(インサート先端は直径2インチの球面、荷重2.5
kg、落下高さ90cm、試験片開口寸法12cm×1
2cm角)による衝撃試験を行い、試験片の破壊及び剥
離状況を比較した。また剥離面積(cm2 )は超音波探
傷機で測定した。破壊の程度は無機繊維を含む第2強化
樹脂層の破壊の有無で定性的に判定した。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて説明するが勿
論本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】[実施例1〜2、比較例1]繊度500デ
ニール/333フィラメントのポリベンゾオキサゾール
長繊維(PBO繊維)を緯糸に、一方、市販の繊度60
0デニールの炭素繊維(東邦レーヨン社製、ベスファイ
トHTA−7W−1000)を経糸に使用して、経糸密
度13.5本/cm(34.3本/インチ)、緯糸密度
13.5本/cm(34.3本/インチ)、目付165
g/m2 、組織8枚朱子の交織布帛を得た。この布帛に
ポリエステル溶液を含浸して第1プリプレグシートに成
形した。一方、無機繊維として繊度600デニールの炭
素繊維糸条を経糸及び緯糸に用い、経糸密度及び緯糸密
度が共に7.1本/cm(18本/インチ)、目付量9
5g/m2 の平織物を製織し、これにポリエステル溶液
を含浸して第2プリプレグシートに成形した。この第2
プリプレグシート26枚を積層し、該シートの片面Aに
上記交織布帛を含む第1プリプレグシートにおいて緯
糸、即ちPBO繊維糸条が比較的少ない面、即ち片面A
とを合わせて積層しこの積層体をヒートプレス法にて圧
力15Kg/cm2 、温度220℃で45分間プレスし
て繊維強化プラスチックを得た。なお、実施例1と2で
用いたポリベンゾオキサゾール繊維のメタンスルホン酸
を溶媒に用いて25℃の温度で測定した固有粘度はそれ
ぞれ31.1dl/gと25.6dl/gであった。一
方、固有粘度が15.3dl/gのポリベンゾオキサゾ
ール繊維を用い、これを比較例1にした。得られた繊維
強化プラスチックの評価結果を第1表に示す。
【0018】
【表1】
【0019】第1表から明らかな様に本発明に属する実
施例1および2は共に剥離面積が7cm2 と極めて小さ
く炭素繊維を含む補強樹脂層の破壊は認められなかっ
た。一方、炭素繊維と本発明の範囲から強度が外れるポ
リベンゾオキサゾール繊維(PBO)を交織布帛を含む
第1強化樹脂層を前記第2強化樹脂層の最上層に積層し
た比較例1の場合、剥離面積は実施例1および実施例2
と同レベルであるものの第2強化樹脂層の炭素繊維に破
壊が認められた。
【0020】[実施例3、比較例2〜3]実施例1に記
載のポリベンゾオキサゾール長繊維と炭素繊維を用い
て、組織構造5枚朱子および平織の交織布帛をそれぞれ
得た。この布帛にポリエステル溶液を含浸してそれぞれ
第1プリプレグシートとした。次に実施例1に記載した
第2強化樹脂層の片面Aに上記5枚朱子交織布帛を含む
第1樹脂強化層の片面Aを積層してこれを実施例3とし
た。また上記平織構造の交織布帛を含む第1強化樹脂層
の片面Aと第2強化樹脂層を積層して比較例2とした。
これら積層体を実施例1と同様にプレス成形して繊維強
化プラスチックを得た。また上記ポリベンゾオキサゾー
ル繊維糸条を経糸および緯糸に用いて目付量167g/
2 の平織構造の布帛とし、該布帛にポリエステル溶液
を含浸して第1プリプレグに成形した。前記第2プリプ
レグシートの26枚積層体の片面に第1強化樹脂層を積
層して、これを比較例3にした。得られた繊維強化プラ
スチックの評価結果を第2表に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかな様に本発明に属する繊維
強化プラスチック(実施例3)は剥離面積も相対的に小
さく破壊も発生しなかった。一方、平織構造で片面Aに
ポリベンゾオキサゾール繊維が比較的多く現れる交織布
帛を含む第1強化樹脂層を用いた比較例2およびポリベ
ンゾオキサゾール繊維布帛で構成された強化樹脂層を最
上層に用いた比較例3では破壊は認められないものの剥
離面積が大きかった。
【0023】[比較例4〜5]実施例1においてポリベ
ンゾオキサゾール繊維糸条を繊度500デニールのケブ
ラー29(デュポン社製)に代えて緯糸密度14.0本
/cm(35.6本/インチ)で実施例1に記載した方
法と条件を準用して目付量171g/m2 の複合布帛を
得て、これを第1プリプレグシートに成形した。また前
記実施例3においてホリベンゾオキサゾール繊維糸条を
超高分子量ポリエチレン繊維(ダイニーマSK60 東
洋紡績社製)に代えて実施例3と同様に第1プリプレグ
シートを作成した。次に実施例1に記載した第2プリプ
レグシートを26枚を積層し、該第2強化樹脂層の片面
に上記した第1強化樹脂層の片面Aを積層して繊維強化
プラスチックを得てそれぞれ比較例4および5とした。
得られた繊維強化プラスチックの評価結果を第3表に示
す。
【0024】
【表3】
【0025】第1プリプレグにケブラー29と炭素繊維
の交織布帛を用いた比較例4は破壊が認められた。超高
分子量ポリエチレン繊維と炭素繊維の交織布帛を用いた
比較例5は耐熱性に欠ける点を除けば破壊および剥離面
積は実用上は問題ないレベルであった。
【0026】
【発明の効果】本発明の繊維強化プラスチック用の補強
材およびそれを用いた繊維強化プラスチックは以上の様
に構成されており、ポリベンザゾール繊維の優れた力学
特性、即ち高強力・高弾性率で高耐熱性、耐摩耗性、耐
衝撃性等の特性を損なうことなくヘルメット分野や防弾
板分野に適用するに際して重要な要求特性である層間や
剥離の大巾に改善された繊維強化プラスチックを提供す
ることが可能になった。即ち、従来の全芳香族ポリアミ
ド系繊維または超高分子量ポリオリフィン系繊維と他の
繊維の交編織物と無機繊維の編織物を複合したまたはそ
れぞれを単独に用いた繊維強化プラスチックと比較した
場合、耐衝撃性と耐層間剥離性さらには耐熱性や耐水性
さらには耐摩耗性等が極めて高いレベルの繊維強化プラ
スチックである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における繊維強化プラスチック用補強
材(織物)の断面図
【図2】 本発明における繊維強化プラスチック用補強
材(織物)の織り組織図
【図3】 本発明の繊維強化プラスチックの積層断面図
【符号の説明】
1 緯糸 2 経糸 3 第1プレプレグシート 4 第2プレプレグシート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4.0GPa以上の引張強度と140G
    Pa以上の初期引張弾性率を有するポリベンザゾール繊
    維が布帛の片面Aに面積比率で10〜35%形成されて
    なる布帛を強化材とすることを特徴とする繊維強化プラ
    スチック用補強材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の繊維強化プラスチック用
    強化材で補強された第1強化樹脂層と無機繊維で補強さ
    れた第2強化樹脂層よりなる積層複合材であって、前記
    第1強化樹脂層の片面Aが前記第2強化樹脂層層との接
    合面となる様に積層されてなることを特徴とする繊維強
    化プラスチック。
JP6193051A 1994-08-17 1994-08-17 繊維強化プラスチック用補強材及び繊維強化プラスチック Pending JPH0859845A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010148890A (ja) * 1997-09-23 2010-07-08 United States Surgical Corp 外科用ステープル止め装置
CN113853296A (zh) * 2021-08-26 2021-12-28 远景能源有限公司 一种用于风机叶片的增强芯材及其制备方法

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