JPH07292137A - 合成樹脂強化複合繊維布帛及び不織布 - Google Patents
合成樹脂強化複合繊維布帛及び不織布Info
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- JPH07292137A JPH07292137A JP6107900A JP10790094A JPH07292137A JP H07292137 A JPH07292137 A JP H07292137A JP 6107900 A JP6107900 A JP 6107900A JP 10790094 A JP10790094 A JP 10790094A JP H07292137 A JPH07292137 A JP H07292137A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ヘルメツトや防弾板等の用途に使用して高レ
ベルの初期耐衝撃性と耐デラミネ−シヨン性とを兼ね備
え、耐衝撃耐久性に優れた高機能の合成樹脂強化複合繊
維布帛を提供する。 【構成】 ポリベンザゾ−ル繊維に特定の比率で全芳香
族系ポリアミド繊維を複合し、該複合繊維又は複合直交
不織布に熱硬化性樹脂を含侵硬化させてなる合成樹脂強
化複合繊維布帛及び直交不織布。
ベルの初期耐衝撃性と耐デラミネ−シヨン性とを兼ね備
え、耐衝撃耐久性に優れた高機能の合成樹脂強化複合繊
維布帛を提供する。 【構成】 ポリベンザゾ−ル繊維に特定の比率で全芳香
族系ポリアミド繊維を複合し、該複合繊維又は複合直交
不織布に熱硬化性樹脂を含侵硬化させてなる合成樹脂強
化複合繊維布帛及び直交不織布。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂強化複合繊維布
帛及び不織布に関し、高強力、高弾性率で、かつ剪断、
曲げ、衝撃破壊時における繊維と樹脂界面との耐デラミ
ネ−シヨン性が良好で、しかも軽量で耐光性及び耐摩耗
性に優れ、主としてヘルメツト分野、各種防弾板分野に
使用されるものである。ここに耐デラミネ−シヨン性と
は合成樹脂強化複合繊維布帛又は不織布が剪断、曲げ、
衝撃破壊力等の外力を受けたときに、該合成樹脂強化複
合繊維布帛又は不織布を構成する繊維と熱硬化性マトリ
ツクス樹脂との界面での層間剥離現象所謂白化現象に対
する抵抗を意味するもので、ライダ−用ヘルメツトや防
弾ヘルメツト或は各種防弾板等の分野における初期使用
並びに耐久性の観点から重要な性質とされている。
帛及び不織布に関し、高強力、高弾性率で、かつ剪断、
曲げ、衝撃破壊時における繊維と樹脂界面との耐デラミ
ネ−シヨン性が良好で、しかも軽量で耐光性及び耐摩耗
性に優れ、主としてヘルメツト分野、各種防弾板分野に
使用されるものである。ここに耐デラミネ−シヨン性と
は合成樹脂強化複合繊維布帛又は不織布が剪断、曲げ、
衝撃破壊力等の外力を受けたときに、該合成樹脂強化複
合繊維布帛又は不織布を構成する繊維と熱硬化性マトリ
ツクス樹脂との界面での層間剥離現象所謂白化現象に対
する抵抗を意味するもので、ライダ−用ヘルメツトや防
弾ヘルメツト或は各種防弾板等の分野における初期使用
並びに耐久性の観点から重要な性質とされている。
【0002】
【従来の技術】近年、ス−パ−繊維と称される全芳香族
系ポリアミド繊維、全芳香族系ポリエステル繊維、超高
分子量ポリエチレン系繊維等はその優れた特性、即ち高
強力、高弾性率、耐薬品性、耐摩耗性及び耐熱性等を有
しており、この特性を生かしてライダ−用ヘルメツト、
防弾ヘルメツト等のヘルメツト分野或は自動車、船舶、
航空機等の内張り防弾板等における耐衝撃材としての使
用が検討されている。しかしながら上記の何れの用途に
おいても、従来公知のス−パ−繊維を単独で使用しただ
けでは軽量性や力学特性、耐デラミネ−シヨン性及び経
済性を同時に満足させることは不可能である。例えば全
芳香族系ポリアミド繊維或は全芳香族系ポリエステル繊
維は耐衝撃性が不充分であるという欠点を有している。
また超高分子量ポリエチレン系繊維は軽量で且つ耐衝撃
性、耐薬品性に優れているものの剪断、曲げ、衝撃破壊
時における繊維と樹脂との界面の耐デラミネ−シヨン性
が小さく性能的に充分とは言えない。
系ポリアミド繊維、全芳香族系ポリエステル繊維、超高
分子量ポリエチレン系繊維等はその優れた特性、即ち高
強力、高弾性率、耐薬品性、耐摩耗性及び耐熱性等を有
しており、この特性を生かしてライダ−用ヘルメツト、
防弾ヘルメツト等のヘルメツト分野或は自動車、船舶、
航空機等の内張り防弾板等における耐衝撃材としての使
用が検討されている。しかしながら上記の何れの用途に
おいても、従来公知のス−パ−繊維を単独で使用しただ
けでは軽量性や力学特性、耐デラミネ−シヨン性及び経
済性を同時に満足させることは不可能である。例えば全
芳香族系ポリアミド繊維或は全芳香族系ポリエステル繊
維は耐衝撃性が不充分であるという欠点を有している。
また超高分子量ポリエチレン系繊維は軽量で且つ耐衝撃
性、耐薬品性に優れているものの剪断、曲げ、衝撃破壊
時における繊維と樹脂との界面の耐デラミネ−シヨン性
が小さく性能的に充分とは言えない。
【0003】上記の問題点を解決する方法として、高強
力、高弾性率の超高分子量ポリエチレン繊維に全芳香族
系ポリアミド繊維及び/又は全芳香族系ポリエステル繊
維を配合してなる布帛に合成樹脂を含浸硬化させた合成
樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布に関する本出願人
の発明がある(特開昭63−319535号)。一方最
近になつて次世代ス−パ−繊維の一つと言われる高強
度、高弾性率で、剪断、曲げ、衝撃等の特性及び耐摩耗
性に優れ且つ耐熱性、難撚性を有するポリベンザゾ−ル
繊維(PBZ繊維と略称)の工業的生産技術が開発され
た。この製糸技術の開発に伴つて該繊維を使用した構造
材としての用途の展開が活発化して来た。
力、高弾性率の超高分子量ポリエチレン繊維に全芳香族
系ポリアミド繊維及び/又は全芳香族系ポリエステル繊
維を配合してなる布帛に合成樹脂を含浸硬化させた合成
樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布に関する本出願人
の発明がある(特開昭63−319535号)。一方最
近になつて次世代ス−パ−繊維の一つと言われる高強
度、高弾性率で、剪断、曲げ、衝撃等の特性及び耐摩耗
性に優れ且つ耐熱性、難撚性を有するポリベンザゾ−ル
繊維(PBZ繊維と略称)の工業的生産技術が開発され
た。この製糸技術の開発に伴つて該繊維を使用した構造
材としての用途の展開が活発化して来た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高強力、高弾性率の超
高分子量ポリエチレン繊維に全芳香族系ポリアミド繊維
及び/又は全芳香族系ポリエステル繊維を配合した布帛
に合成樹脂を含浸硬化させることで耐デラミネ−シヨン
性はかなりの程度まで改善される。しかしながら超高分
子量ポリエチレン繊維を主成分とする限り、(1) 該繊維
は熱硬化性の合成樹脂との接着性が低く、耐デラミネ−
シヨン性の改善には限界がある。(2) 該繊維は耐熱性が
低く、また難燃性がないことから例えば自動車、船舶、
航空機等の内張り防弾板等に用いることは好ましくない
等の問題がある。また前記した如く全芳香族系ポリアミ
ド繊維や全芳香族系ポリエステル繊維には耐衝撃性や耐
摩耗性が低いという問題がある。
高分子量ポリエチレン繊維に全芳香族系ポリアミド繊維
及び/又は全芳香族系ポリエステル繊維を配合した布帛
に合成樹脂を含浸硬化させることで耐デラミネ−シヨン
性はかなりの程度まで改善される。しかしながら超高分
子量ポリエチレン繊維を主成分とする限り、(1) 該繊維
は熱硬化性の合成樹脂との接着性が低く、耐デラミネ−
シヨン性の改善には限界がある。(2) 該繊維は耐熱性が
低く、また難燃性がないことから例えば自動車、船舶、
航空機等の内張り防弾板等に用いることは好ましくない
等の問題がある。また前記した如く全芳香族系ポリアミ
ド繊維や全芳香族系ポリエステル繊維には耐衝撃性や耐
摩耗性が低いという問題がある。
【0005】PBZ繊維は高強力、高弾性率で耐衝撃
性、耐摩耗性及び高耐熱性を有する繊維材料として知ら
れている。同時にPBZ繊維単独で合成樹脂強化複合繊
維布帛又は不織布とした場合には耐デラミネ−シヨン性
に改善の余地がある。従つて高強力、高弾性率で高耐熱
性、耐摩耗性、耐衝撃性を有し、かつ剪断、曲げ、衝撃
破壊時における耐デラミネ−シヨン性に優れた合成樹脂
強化繊維布帛及び不織布が要望されていた。本発明はこ
の要望に応えて、PBZ繊維に全芳香族族系ポリアミド
繊維を配合してなる布帛及び直交不織布に合成樹脂を含
浸硬化した合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布を
提供することを目的とするものである。ここに直交不織
布とは特公昭55−42175号に使用されている長手
方向(MD)と横手方向(XD)のフイラメント数の比
率MD/XDが一定の範囲にある不織布である。ここに
長手方向(MD)とは不織布の連続長手方向に対して2
5°以内にある方向であり、横手方向(XD)とは該連
続長手方向に対して垂直な方向の15°以内にある方向
である。
性、耐摩耗性及び高耐熱性を有する繊維材料として知ら
れている。同時にPBZ繊維単独で合成樹脂強化複合繊
維布帛又は不織布とした場合には耐デラミネ−シヨン性
に改善の余地がある。従つて高強力、高弾性率で高耐熱
性、耐摩耗性、耐衝撃性を有し、かつ剪断、曲げ、衝撃
破壊時における耐デラミネ−シヨン性に優れた合成樹脂
強化繊維布帛及び不織布が要望されていた。本発明はこ
の要望に応えて、PBZ繊維に全芳香族族系ポリアミド
繊維を配合してなる布帛及び直交不織布に合成樹脂を含
浸硬化した合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布を
提供することを目的とするものである。ここに直交不織
布とは特公昭55−42175号に使用されている長手
方向(MD)と横手方向(XD)のフイラメント数の比
率MD/XDが一定の範囲にある不織布である。ここに
長手方向(MD)とは不織布の連続長手方向に対して2
5°以内にある方向であり、横手方向(XD)とは該連
続長手方向に対して垂直な方向の15°以内にある方向
である。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者はPBZ繊維を
補強材とした合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布
の耐デラミネ−シヨン性の改善について検討した結果、
樹脂との接着性が比較的良好な全芳香族系ポリアミド繊
維を上記PBZ繊維に配合することによつて高強力、高
弾性率で高耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性を損なうことな
く耐デラミネ−シヨン性の改善可能なことを見出したも
ので、本発明は引張強度4.0 GPa以上、初期引張弾性
率140 GPa以上のポリベンザゾ−ル繊維に全芳香族族
系ポリアミド繊維を0.15〜0.75重量比の割合で配合して
なる布帛及び直交不織布に合成樹脂を含浸させたことを
特徴とする合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布に
関するものである。
補強材とした合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布
の耐デラミネ−シヨン性の改善について検討した結果、
樹脂との接着性が比較的良好な全芳香族系ポリアミド繊
維を上記PBZ繊維に配合することによつて高強力、高
弾性率で高耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性を損なうことな
く耐デラミネ−シヨン性の改善可能なことを見出したも
ので、本発明は引張強度4.0 GPa以上、初期引張弾性
率140 GPa以上のポリベンザゾ−ル繊維に全芳香族族
系ポリアミド繊維を0.15〜0.75重量比の割合で配合して
なる布帛及び直交不織布に合成樹脂を含浸させたことを
特徴とする合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布に
関するものである。
【0007】本発明の合成樹脂強化複合繊維布帛及び不
織布を構成するPBZ繊維とは下記PBZポリマ−から
なるド−プを紡糸して得られたものである。即ちポリベ
ンザゾ−ル(PBZ)とは、ポリベンズオキサゾ−ル
(PBO)ホモポリマ−、ポリベンゾチアゾ−ル(PB
T)ホモポリマ−及びそれらPBO、PBTのランダ
ム、シ−ケンシヤル或はブロツク共重合ポリマ−をい
う。ここでポリベンザズオキサゾ−ル、ポリベンゾチア
ゾ−ル及びそれらのランダム、シ−ケンシヤル或はブロ
ツク共重合ポリマ−は、例えば米国特許第4,703,103 号
〔10月27日(1987)〕、米国特許第4,533,692 号〔8
月6日(1985)〕、米国特許第4,533,724 号〔8月6日(1
985)〕、米国特許第4,533,693 号〔8月6日(1985)〕、
米国特許第4,359,567 号〔11月16日(1982)〕、米国
特許第4,578,432 号〔3月25日(1986)〕等に記載され
ている。PBZポリマ−に含まれる構造単位としては、
好ましくはリオトロビツク液晶ポリマ−から選択され
る。モノマ−単位は構造式(a) −(h) に記載されている
モノマ−単位からなり、更に好ましくは本質的に構造式
(a)−(c) から選択されたモノマ−単位からなる。PB
Zポリマ−のド−プを形成するための好適な溶媒として
は、クレゾ−ルやそのポリマ−を溶解し得る非酸化性の
酸が含まれる。好適な酸溶媒の例としては、ポリリン
酸、メタンスルホン酸及び高濃度の硫酸或はそれらの混
合物が挙げられる。更に適する溶媒はポリリン酸及びメ
タンスルホン酸である。また最も適する溶媒はポリリン
酸である。溶媒中のポリマ−濃度は好ましくは少なくと
も約7重量%であり、更に好ましくは少なくとも10重
量%、最も好ましくは少なくとも14重量%である。最
大濃度は、例えばポリマ−の溶解性やド−プ粘度といつ
た実際上の取扱い性により限定される。それらの限界要
因のためにポリマ−濃度は通常では20重量%を超える
ことはない。好適なポリマ−やコポリマ−或はド−プは
公知の手法により合成される。例えば米国特許第4,533,
693 号〔8月6日(1985)〕、米国特許第4,772,678 号
〔9月20日(1988)〕、米国特許第4,847,350 号〔7月
11日(1989)〕に見られる。PBZポリマ−は、グレゴ
リ−(GREGORY)、米国特許第5,089,591号〔2
月18日(1992)〕によると、脱水性の酸溶媒中での比較
的高温、高剪断条件下において高い反応速度での高分子
量化が可能である。
織布を構成するPBZ繊維とは下記PBZポリマ−から
なるド−プを紡糸して得られたものである。即ちポリベ
ンザゾ−ル(PBZ)とは、ポリベンズオキサゾ−ル
(PBO)ホモポリマ−、ポリベンゾチアゾ−ル(PB
T)ホモポリマ−及びそれらPBO、PBTのランダ
ム、シ−ケンシヤル或はブロツク共重合ポリマ−をい
う。ここでポリベンザズオキサゾ−ル、ポリベンゾチア
ゾ−ル及びそれらのランダム、シ−ケンシヤル或はブロ
ツク共重合ポリマ−は、例えば米国特許第4,703,103 号
〔10月27日(1987)〕、米国特許第4,533,692 号〔8
月6日(1985)〕、米国特許第4,533,724 号〔8月6日(1
985)〕、米国特許第4,533,693 号〔8月6日(1985)〕、
米国特許第4,359,567 号〔11月16日(1982)〕、米国
特許第4,578,432 号〔3月25日(1986)〕等に記載され
ている。PBZポリマ−に含まれる構造単位としては、
好ましくはリオトロビツク液晶ポリマ−から選択され
る。モノマ−単位は構造式(a) −(h) に記載されている
モノマ−単位からなり、更に好ましくは本質的に構造式
(a)−(c) から選択されたモノマ−単位からなる。PB
Zポリマ−のド−プを形成するための好適な溶媒として
は、クレゾ−ルやそのポリマ−を溶解し得る非酸化性の
酸が含まれる。好適な酸溶媒の例としては、ポリリン
酸、メタンスルホン酸及び高濃度の硫酸或はそれらの混
合物が挙げられる。更に適する溶媒はポリリン酸及びメ
タンスルホン酸である。また最も適する溶媒はポリリン
酸である。溶媒中のポリマ−濃度は好ましくは少なくと
も約7重量%であり、更に好ましくは少なくとも10重
量%、最も好ましくは少なくとも14重量%である。最
大濃度は、例えばポリマ−の溶解性やド−プ粘度といつ
た実際上の取扱い性により限定される。それらの限界要
因のためにポリマ−濃度は通常では20重量%を超える
ことはない。好適なポリマ−やコポリマ−或はド−プは
公知の手法により合成される。例えば米国特許第4,533,
693 号〔8月6日(1985)〕、米国特許第4,772,678 号
〔9月20日(1988)〕、米国特許第4,847,350 号〔7月
11日(1989)〕に見られる。PBZポリマ−は、グレゴ
リ−(GREGORY)、米国特許第5,089,591号〔2
月18日(1992)〕によると、脱水性の酸溶媒中での比較
的高温、高剪断条件下において高い反応速度での高分子
量化が可能である。
【0008】
【化1】 構造式(a) 〜(h)
【0009】本発明の合成樹脂強化複合繊維布帛及び直
交不織布を構成するPBZ繊維は引張強度が4.0 GPa
以上で且つ初期引張弾性率が140 GPa以上を有するこ
とが必要である。引張強度が4.0 GPa未満、或は初期
引張弾性率が140 GPa未満のPBZ繊維を補強材に用
いたものでは、例えばヘルメツト分野や防弾板分野に適
用したとき強力や耐衝撃性及び防弾性が充分でなく従来
の素材に比べて利点が少ない。単繊維繊度は特に制限は
なく、1〜7デニ−ルの範囲のものが好適である。なお
PBZ繊維は合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布
の耐デラミネ−シヨン性改善の点から表面改質、例えば
コロナ放電処理されたものを使用することが好ましい。
交不織布を構成するPBZ繊維は引張強度が4.0 GPa
以上で且つ初期引張弾性率が140 GPa以上を有するこ
とが必要である。引張強度が4.0 GPa未満、或は初期
引張弾性率が140 GPa未満のPBZ繊維を補強材に用
いたものでは、例えばヘルメツト分野や防弾板分野に適
用したとき強力や耐衝撃性及び防弾性が充分でなく従来
の素材に比べて利点が少ない。単繊維繊度は特に制限は
なく、1〜7デニ−ルの範囲のものが好適である。なお
PBZ繊維は合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布
の耐デラミネ−シヨン性改善の点から表面改質、例えば
コロナ放電処理されたものを使用することが好ましい。
【0010】本発明の合成樹脂強化複合繊維布帛及び直
交不織布を構成する全芳香族系ポリアミド繊維として
は、例えばポリ(p−フエニレンテレフタルアミド)或
はその共重合体からなる繊維等が代表的なものとして挙
げられる。全芳香族系ポリアミド繊維は引張強度1.3 G
Pa以上、初期引張弾性率45GPa以上のものが好適
に使用される。PBZ繊維に引張強度が1.3 GPa未満
或は初期引張弾性率が45GPa未満の全芳香族系ポリ
アミド繊維を複合した繊維布帛を補強材とした場合、例
えばヘルメツト分野や防弾板分野に適用したとき強力は
勿論、耐衝撃性や防弾性が充分でなく従来素材に比べて
利点が少ない。
交不織布を構成する全芳香族系ポリアミド繊維として
は、例えばポリ(p−フエニレンテレフタルアミド)或
はその共重合体からなる繊維等が代表的なものとして挙
げられる。全芳香族系ポリアミド繊維は引張強度1.3 G
Pa以上、初期引張弾性率45GPa以上のものが好適
に使用される。PBZ繊維に引張強度が1.3 GPa未満
或は初期引張弾性率が45GPa未満の全芳香族系ポリ
アミド繊維を複合した繊維布帛を補強材とした場合、例
えばヘルメツト分野や防弾板分野に適用したとき強力は
勿論、耐衝撃性や防弾性が充分でなく従来素材に比べて
利点が少ない。
【0011】次に合成樹脂強化複合繊維布帛におけるP
BZ繊維と全芳香族系ポリアミド繊維との複合比率につ
いては、本発明においてPBZ繊維の優れた特性を損な
うことなく、耐デラミネ−シヨン性が充分に改善された
合成樹脂強化複合繊維布帛を提供するには、PBZ繊維
に対する全芳香族系ポリアミド繊維の複合割合を0.15〜
0.75(重量比)の範囲とすることが好ましい。全芳香族
系ポリアミド繊維の複合割合が0.15(重量比)未満の場
合は、強力、高弾性率、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性等
の特性面では好ましいが、耐デラミネ−シヨン性改善に
関しては本発明の目的とする充分な効果が期待できな
い。他方、全芳香族系ポリアミド繊維の複合割合が0.75
(重量比)を超えると合成樹脂強化複合繊維布帛の耐デ
ラミネ−シヨン性はより改善される方向である。しかし
力学特性、特に耐衝撃性と耐摩耗性が低下傾向を示すよ
うになるという欠点がある。
BZ繊維と全芳香族系ポリアミド繊維との複合比率につ
いては、本発明においてPBZ繊維の優れた特性を損な
うことなく、耐デラミネ−シヨン性が充分に改善された
合成樹脂強化複合繊維布帛を提供するには、PBZ繊維
に対する全芳香族系ポリアミド繊維の複合割合を0.15〜
0.75(重量比)の範囲とすることが好ましい。全芳香族
系ポリアミド繊維の複合割合が0.15(重量比)未満の場
合は、強力、高弾性率、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性等
の特性面では好ましいが、耐デラミネ−シヨン性改善に
関しては本発明の目的とする充分な効果が期待できな
い。他方、全芳香族系ポリアミド繊維の複合割合が0.75
(重量比)を超えると合成樹脂強化複合繊維布帛の耐デ
ラミネ−シヨン性はより改善される方向である。しかし
力学特性、特に耐衝撃性と耐摩耗性が低下傾向を示すよ
うになるという欠点がある。
【0012】布帛に用いる繊維の形態は、長繊維、短繊
維或は長繊維と短繊維との混用品の何れであつてもよい
が、補強材としてより高い効果が得るには長繊維を使用
すると好適である。上記PBZ繊維と全芳香族系ポリア
ミド繊維からなる布帛を得る具体的な方法としては、長
繊維状のPBZ繊維と全芳香族系ポリアミド繊維を使用
した布帛においては、経糸、緯糸のそれぞれについて
(1) PBZ繊維と全芳香族系ポリアミド系繊維の各100
%素材を1本乃至数本を交互に複合する方法、(2) PB
Z繊維と全芳香族系ポリアミド繊維との引き揃えた糸を
1本乃至数本を交互に複合する方法、(3) 経糸又は緯糸
の何れか一方にPBZ繊維、全芳香族系ポリアミド繊維
の各100 %素材を使用し、他方に上記引き揃え糸を1本
乃至数本を交互に複合する方法、更には(4) PBZ繊維
と全芳香族系ポリアミド繊維との組合わせによつてフイ
ラメント混繊糸とした後に複合する方法等を採用するこ
とができる。このようにして得られる複合繊維織物は合
成樹脂を付与した後、普通2枚以上を積層して用いられ
る。
維或は長繊維と短繊維との混用品の何れであつてもよい
が、補強材としてより高い効果が得るには長繊維を使用
すると好適である。上記PBZ繊維と全芳香族系ポリア
ミド繊維からなる布帛を得る具体的な方法としては、長
繊維状のPBZ繊維と全芳香族系ポリアミド繊維を使用
した布帛においては、経糸、緯糸のそれぞれについて
(1) PBZ繊維と全芳香族系ポリアミド系繊維の各100
%素材を1本乃至数本を交互に複合する方法、(2) PB
Z繊維と全芳香族系ポリアミド繊維との引き揃えた糸を
1本乃至数本を交互に複合する方法、(3) 経糸又は緯糸
の何れか一方にPBZ繊維、全芳香族系ポリアミド繊維
の各100 %素材を使用し、他方に上記引き揃え糸を1本
乃至数本を交互に複合する方法、更には(4) PBZ繊維
と全芳香族系ポリアミド繊維との組合わせによつてフイ
ラメント混繊糸とした後に複合する方法等を採用するこ
とができる。このようにして得られる複合繊維織物は合
成樹脂を付与した後、普通2枚以上を積層して用いられ
る。
【0013】他方、直交不織布においては、(1) PBZ
長繊維と全芳香族系ポリアミド長繊維をそれぞれ100 %
使用して単層とした後、該異種単層シ−トを多層に積層
し、ついで直交不織布とする方法、(2) PBZ長繊維と
全芳香族系ポリアミド長繊維の引き揃え糸を使用して単
層とし、該単層シ−トを多層に積層し、ついで直交不織
布とする方法、(3) PBZ長繊維と全芳香族系ポリアミ
ド長繊維を1本乃至数本交互に組合わせて単層シ−トと
し、該単層シ−トを多層積層後、ついで直交不織布とす
る方法、(4) PBZ長繊維、全芳香族系ポリアミド長繊
維のフイラメント混繊糸を使用して単層とした後、つい
で該単層シ−トを多層積層後、直交不織布とする方法等
がある。なお布帛を構成する上記複合繊維材料の中に
は、本発明における最終目的物である合成樹脂強化複合
繊維布帛及び直交不織布の特性を損なわない範囲で、主
成分となる上記繊維以外のもの、例えば前記した超高分
子量ポリエチレン繊維及び/又は全芳香族系ポリエステ
ル繊維等を配合して複合繊維材料を構成してもよい。
長繊維と全芳香族系ポリアミド長繊維をそれぞれ100 %
使用して単層とした後、該異種単層シ−トを多層に積層
し、ついで直交不織布とする方法、(2) PBZ長繊維と
全芳香族系ポリアミド長繊維の引き揃え糸を使用して単
層とし、該単層シ−トを多層に積層し、ついで直交不織
布とする方法、(3) PBZ長繊維と全芳香族系ポリアミ
ド長繊維を1本乃至数本交互に組合わせて単層シ−トと
し、該単層シ−トを多層積層後、ついで直交不織布とす
る方法、(4) PBZ長繊維、全芳香族系ポリアミド長繊
維のフイラメント混繊糸を使用して単層とした後、つい
で該単層シ−トを多層積層後、直交不織布とする方法等
がある。なお布帛を構成する上記複合繊維材料の中に
は、本発明における最終目的物である合成樹脂強化複合
繊維布帛及び直交不織布の特性を損なわない範囲で、主
成分となる上記繊維以外のもの、例えば前記した超高分
子量ポリエチレン繊維及び/又は全芳香族系ポリエステ
ル繊維等を配合して複合繊維材料を構成してもよい。
【0014】本発明に使用される合成樹脂としては、熱
硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の全てが挙
げられるが、最も好ましいのは熱硬化性樹脂であり、そ
の中でも特に好ましいものとしては、飽和ポリエステル
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、例えばヘツト酸ポリエ
ステル樹脂、ビスフエノ−ルAポリエステル樹脂、ビニ
ルポリエステル樹脂(直鎖状樹脂)或はエポキシ樹脂、
例えばグリシジルエ−テル系、クリシジルエステル系、
グリシジルアミン系、線状脂肪族エポキサイド系、脂肪
族エポキサイド系等の合成樹脂が挙げられる。最終製品
である合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布の耐層
間剥離性、耐衝撃性、接着、補強効果等の観点ら特に好
ましいのは不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂で
ある。本発明に係る合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交
不織布に占める前記繊維の好ましい含有率は接着、補強
効果及び耐層間剥離性等を考慮して35〜70重量%の
範囲である。合成樹脂の硬化方法は使用するマトリツク
ス樹脂の種類や成形方法等によつても異なるが、通常コ
−ルドプレス法やヒ−トプレス法などを使用して熱硬化
させる。
硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の全てが挙
げられるが、最も好ましいのは熱硬化性樹脂であり、そ
の中でも特に好ましいものとしては、飽和ポリエステル
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、例えばヘツト酸ポリエ
ステル樹脂、ビスフエノ−ルAポリエステル樹脂、ビニ
ルポリエステル樹脂(直鎖状樹脂)或はエポキシ樹脂、
例えばグリシジルエ−テル系、クリシジルエステル系、
グリシジルアミン系、線状脂肪族エポキサイド系、脂肪
族エポキサイド系等の合成樹脂が挙げられる。最終製品
である合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交不織布の耐層
間剥離性、耐衝撃性、接着、補強効果等の観点ら特に好
ましいのは不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂で
ある。本発明に係る合成樹脂強化複合繊維布帛及び直交
不織布に占める前記繊維の好ましい含有率は接着、補強
効果及び耐層間剥離性等を考慮して35〜70重量%の
範囲である。合成樹脂の硬化方法は使用するマトリツク
ス樹脂の種類や成形方法等によつても異なるが、通常コ
−ルドプレス法やヒ−トプレス法などを使用して熱硬化
させる。
【0015】本発明の合成樹脂強化複合繊維布帛及び直
交不織布を各種の防弾材料として使用する場合、より高
いレベルの耐摩耗性を得るためには該合成樹脂強化複合
繊維布帛及び直交不織布中の表面層を構成する複合繊維
布帛中のPBZ繊維の含有率を0.30〜0.60(重量比)の
範囲とするのがよく、この範囲は耐衝撃性や耐デラミネ
−シヨン性の点からも好ましい。
交不織布を各種の防弾材料として使用する場合、より高
いレベルの耐摩耗性を得るためには該合成樹脂強化複合
繊維布帛及び直交不織布中の表面層を構成する複合繊維
布帛中のPBZ繊維の含有率を0.30〜0.60(重量比)の
範囲とするのがよく、この範囲は耐衝撃性や耐デラミネ
−シヨン性の点からも好ましい。
【0016】本発明の評価に用いた特性の測定法は下記
の通りである。 <繊度>試料を標準状態(温度22±2度、相対湿度6
5±2%の状態)の試験室で24時間静置した後、ラツ
プリ−ルを用いて試料90mを採取し、その重量を測定
して9000mの重量に換算して繊度(デニ−ル)とした。 <強伸度特性の測定法>JISL1013(1981)の7.
5.1に準じ、標準状態の試験室でオリエンテツク株式
会社製のテンシロン型試験機を使用して、把み間隔20
cm、引張速度100 %/分、n=10で強伸度を測定し、
初期引張弾性率(GPa)、破断時の引張強度(GP
a)及び伸度(%)を算出した。 <剪断応力の測定法>厚さ3mm、幅15mm、長さ18mm
の試験片を使用し、支点間距離12mm(L/h=4),
クロスヘツド速度1mm/ 分の条件で剪断応力を測定し、
最大剪断応力P(Kg)と試験片断面積A(mm2 )から剪
断応力(ILLS値)=3×P/4×(Kg/mm2 )を算
出した。 <曲げ特性の測定法>厚さ3mm、幅15mm、長さ60mm
の試験片を使用し、3点式曲げ試験機を用いて、押さえ
バ−R=5mm、支点R=2mm、支点間距離46mm(L/
h=16)、クロスヘツド速度3mm/分の条件で測定
し、次式から最大曲げ強度と曲げ弾性率を算出した。 最大曲げ強度=(3*P*L)/(2*W*h2)(Kg
/mm2 ) 曲げ弾性率=(L2/4*W*h3)*(F/Y) P:最大剪断効力 L:支点間距離(mm) W:試料片幅(mm) h:試料片厚み(mm) F/Y:初期弾性領域における変位1mm当たりの応力
(Kg/mm2 ) <シヤルピ−応力強度の測定法>厚さ3mm、幅15mm、
長さ42mmの試験片を、シヤルピ−衝撃試験機に適用
し、次式によりシヤルピ−衝撃強度を算出した。 シヤルピ−衝撃強度=e/A(Kg−cm/cm2 ) e:シヤルピ−衝撃エネルギ−(Kg−cm) A:試料片断面積(cm2 ) <耐デラミネ−シヨン性の測定法>上記剪断、曲げ及び
衝撃性の測定に用いた合成樹脂強化複合繊維布帛の試験
片につき繊維布帛と樹脂との境界における白化部の幅か
ら〔表1〕に示す基準に従つてランク付けした。
の通りである。 <繊度>試料を標準状態(温度22±2度、相対湿度6
5±2%の状態)の試験室で24時間静置した後、ラツ
プリ−ルを用いて試料90mを採取し、その重量を測定
して9000mの重量に換算して繊度(デニ−ル)とした。 <強伸度特性の測定法>JISL1013(1981)の7.
5.1に準じ、標準状態の試験室でオリエンテツク株式
会社製のテンシロン型試験機を使用して、把み間隔20
cm、引張速度100 %/分、n=10で強伸度を測定し、
初期引張弾性率(GPa)、破断時の引張強度(GP
a)及び伸度(%)を算出した。 <剪断応力の測定法>厚さ3mm、幅15mm、長さ18mm
の試験片を使用し、支点間距離12mm(L/h=4),
クロスヘツド速度1mm/ 分の条件で剪断応力を測定し、
最大剪断応力P(Kg)と試験片断面積A(mm2 )から剪
断応力(ILLS値)=3×P/4×(Kg/mm2 )を算
出した。 <曲げ特性の測定法>厚さ3mm、幅15mm、長さ60mm
の試験片を使用し、3点式曲げ試験機を用いて、押さえ
バ−R=5mm、支点R=2mm、支点間距離46mm(L/
h=16)、クロスヘツド速度3mm/分の条件で測定
し、次式から最大曲げ強度と曲げ弾性率を算出した。 最大曲げ強度=(3*P*L)/(2*W*h2)(Kg
/mm2 ) 曲げ弾性率=(L2/4*W*h3)*(F/Y) P:最大剪断効力 L:支点間距離(mm) W:試料片幅(mm) h:試料片厚み(mm) F/Y:初期弾性領域における変位1mm当たりの応力
(Kg/mm2 ) <シヤルピ−応力強度の測定法>厚さ3mm、幅15mm、
長さ42mmの試験片を、シヤルピ−衝撃試験機に適用
し、次式によりシヤルピ−衝撃強度を算出した。 シヤルピ−衝撃強度=e/A(Kg−cm/cm2 ) e:シヤルピ−衝撃エネルギ−(Kg−cm) A:試料片断面積(cm2 ) <耐デラミネ−シヨン性の測定法>上記剪断、曲げ及び
衝撃性の測定に用いた合成樹脂強化複合繊維布帛の試験
片につき繊維布帛と樹脂との境界における白化部の幅か
ら〔表1〕に示す基準に従つてランク付けした。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例1〜3、比較例1〜5】繊度1200デニ−ル/80
0 フイラメントのポリベンズオキサゾ−ル長繊維(PB
O繊維)と市販の繊度1420デニ−ル/1000フイラメント
のケブラ−49長繊維(デユポン社製全芳香族系ポリア
ミド繊維)を使用し、〔表2〕に示す複合割合で平織物
に製織した。該織物をリゴラツ508 X(昭和高分子社製
不飽和ポリエステル系樹脂)の100 重量部にベンゾイル
パ−オキサイドペ−スト50%液の2重量部を配合した
樹脂液に浸漬し、ついで同一生地方向に積層した。該積
層物をヒ−トプレス法にて圧力15Kg/cm2 、温度120
℃で45分の条件で熱硬化させて合成樹脂強化複合繊維
布帛を得た。なお実施例1においてPBO繊維をメタン
スルホン酸を溶媒に用いて25℃の温度で測定した固有
粘度が15dI/gのポリベンズオキサゾ−ル重合体を
紡糸して得た長繊維に代えて使用し、これを比較例5と
した。得られた合成樹脂強化複合繊維布帛の繊維含有
率、力学特性及び耐デラミネ−シヨン性等を〔表2〕に
纏めて示す。
0 フイラメントのポリベンズオキサゾ−ル長繊維(PB
O繊維)と市販の繊度1420デニ−ル/1000フイラメント
のケブラ−49長繊維(デユポン社製全芳香族系ポリア
ミド繊維)を使用し、〔表2〕に示す複合割合で平織物
に製織した。該織物をリゴラツ508 X(昭和高分子社製
不飽和ポリエステル系樹脂)の100 重量部にベンゾイル
パ−オキサイドペ−スト50%液の2重量部を配合した
樹脂液に浸漬し、ついで同一生地方向に積層した。該積
層物をヒ−トプレス法にて圧力15Kg/cm2 、温度120
℃で45分の条件で熱硬化させて合成樹脂強化複合繊維
布帛を得た。なお実施例1においてPBO繊維をメタン
スルホン酸を溶媒に用いて25℃の温度で測定した固有
粘度が15dI/gのポリベンズオキサゾ−ル重合体を
紡糸して得た長繊維に代えて使用し、これを比較例5と
した。得られた合成樹脂強化複合繊維布帛の繊維含有
率、力学特性及び耐デラミネ−シヨン性等を〔表2〕に
纏めて示す。
【0019】
【表2】
【0020】〔表2〕から明らかなように本発明に属す
る合成樹脂強化複合繊維布帛(実施例1〜3)はPBO
繊維100 %品(比較例1)、ケブラ−49,100 %品
(比較例4)及びPBO繊維とケブラ−49の複合割合
が本発明の範囲から外れる場合(比較例2〜3)に比べ
て剪断応力値、剪断強度、曲げ強度、衝撃強度及び耐デ
ラミネ−シヨン性に優れ且つ各特性が何れもバランスし
ていることが分かる。ポリベンズオキサゾ−ル繊維に代
えてポリパラフエニレンテレフタルアミド繊維を用いた
合成樹脂強化複合繊維布帛では力学特性に欠けるものが
あつた。
る合成樹脂強化複合繊維布帛(実施例1〜3)はPBO
繊維100 %品(比較例1)、ケブラ−49,100 %品
(比較例4)及びPBO繊維とケブラ−49の複合割合
が本発明の範囲から外れる場合(比較例2〜3)に比べ
て剪断応力値、剪断強度、曲げ強度、衝撃強度及び耐デ
ラミネ−シヨン性に優れ且つ各特性が何れもバランスし
ていることが分かる。ポリベンズオキサゾ−ル繊維に代
えてポリパラフエニレンテレフタルアミド繊維を用いた
合成樹脂強化複合繊維布帛では力学特性に欠けるものが
あつた。
【0021】
【実施例4〜5、比較例6〜7】繊度300 デニ−ル/20
0 フイラメントのPBO繊維と市販の繊度380 デニ−ル
/262 フイラメントのケブラ−49長繊維(デユポン社
製全芳香族系ポリアミド繊維)を使用し、〔表3〕に示
す複合割合で平織物を製織した。該織物をアラルダイト
GY260 (チバ・ガイギ−社製低粘度汎用エポキシ樹
脂)の10重量部とアラルダイトHY974 (チバ・ガイ
ギ−社製高粘度汎用エポキシ樹脂)の40重量部とエピ
コ−ト154 (シエル・エポキシ社製ノボラツク系エポキ
シ樹脂)の50重量部とジシアンジアミドの4重量部と
〔3−(3,4−ジクロロフエニル−1,1−ジメチル
尿素)〕の4重量部とメチルエチルケトン/メタノ−ル
(50/50重量比)の45重量部を配合して調整した
樹脂液をコ−テイングし、ついで温度100 ℃で30分、
乾燥してプリプレグを作成した。〔表3〕に記載したプ
リプレグシ−トの枚数を生地方向が直交するように積層
した後、該積層物をヒ−トプレス法にて圧力15Kg/cm
2 、温度120 ℃で2時間加熱して熱硬化させて合成樹脂
強化複合繊維布帛を得た。得られた合成樹脂強化複合繊
維布帛の諸特性を〔表3〕に示す。
0 フイラメントのPBO繊維と市販の繊度380 デニ−ル
/262 フイラメントのケブラ−49長繊維(デユポン社
製全芳香族系ポリアミド繊維)を使用し、〔表3〕に示
す複合割合で平織物を製織した。該織物をアラルダイト
GY260 (チバ・ガイギ−社製低粘度汎用エポキシ樹
脂)の10重量部とアラルダイトHY974 (チバ・ガイ
ギ−社製高粘度汎用エポキシ樹脂)の40重量部とエピ
コ−ト154 (シエル・エポキシ社製ノボラツク系エポキ
シ樹脂)の50重量部とジシアンジアミドの4重量部と
〔3−(3,4−ジクロロフエニル−1,1−ジメチル
尿素)〕の4重量部とメチルエチルケトン/メタノ−ル
(50/50重量比)の45重量部を配合して調整した
樹脂液をコ−テイングし、ついで温度100 ℃で30分、
乾燥してプリプレグを作成した。〔表3〕に記載したプ
リプレグシ−トの枚数を生地方向が直交するように積層
した後、該積層物をヒ−トプレス法にて圧力15Kg/cm
2 、温度120 ℃で2時間加熱して熱硬化させて合成樹脂
強化複合繊維布帛を得た。得られた合成樹脂強化複合繊
維布帛の諸特性を〔表3〕に示す。
【0022】
【表3】
【0023】〔表3〕から明らかなように本発明に属す
る合成樹脂強化複合繊維布帛(実施例4〜5)はPBO
繊維100 %品(比較例6)に比べて耐デラミネ−シヨン
性が改善されていることが判かる。一方ケブラ−49,
100 %品(比較例7)と比べると衝撃強度が改善されて
いることが判かる。
る合成樹脂強化複合繊維布帛(実施例4〜5)はPBO
繊維100 %品(比較例6)に比べて耐デラミネ−シヨン
性が改善されていることが判かる。一方ケブラ−49,
100 %品(比較例7)と比べると衝撃強度が改善されて
いることが判かる。
【0024】
【発明の効果】本発明の合成樹脂強化複合繊維布帛は以
上のように構成されており、ポリベンザゾ−ル繊維の優
れた力学特性、即ち高強力、高弾性率で高耐熱性、耐摩
耗性、耐衝撃性等の特性を損なうことなくヘルメツト分
野や防弾板分野に適用するに際して重要な要求特性であ
る耐デラミネ−シヨン性の大幅に改善された合成樹脂強
化複合繊維布帛を提供することが可能になつた。ポリベ
ンザゾ−ル繊維のみで構成した合成樹脂強化複合繊維布
帛と比較した場合、耐デラミネ−シヨン性に優れ、また
従来の全芳香族系ポリアミド繊維で構成された合成樹脂
強化複合繊維布帛と比較した場合、強力は勿論、耐摩耗
性に優れている。更に超高分子量ポリエチレン繊維で構
成された合成樹脂強化複合繊維布帛と比較した場合、高
耐熱性、高強力に加えて耐デラミネ−シヨン性が極めて
高い。
上のように構成されており、ポリベンザゾ−ル繊維の優
れた力学特性、即ち高強力、高弾性率で高耐熱性、耐摩
耗性、耐衝撃性等の特性を損なうことなくヘルメツト分
野や防弾板分野に適用するに際して重要な要求特性であ
る耐デラミネ−シヨン性の大幅に改善された合成樹脂強
化複合繊維布帛を提供することが可能になつた。ポリベ
ンザゾ−ル繊維のみで構成した合成樹脂強化複合繊維布
帛と比較した場合、耐デラミネ−シヨン性に優れ、また
従来の全芳香族系ポリアミド繊維で構成された合成樹脂
強化複合繊維布帛と比較した場合、強力は勿論、耐摩耗
性に優れている。更に超高分子量ポリエチレン繊維で構
成された合成樹脂強化複合繊維布帛と比較した場合、高
耐熱性、高強力に加えて耐デラミネ−シヨン性が極めて
高い。
【化1】
【化1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 3/04 Z
Claims (2)
- 【請求項1】 引張強度4.0 GPa以上、初期引張弾性
率140 GPa以上のポリベンザゾ−ル繊維に全芳香族系
ポリアミド繊維を0.15〜0.75重量比で配分してなる布帛
に合成樹脂を含浸硬化させてなることを特徴とする合成
樹脂強化複合繊維布帛。 - 【請求項2】 引張強度4.0 GPa以上、初期引張弾性
率140 GPa以上のポリベンザゾ−ル繊維に全芳香族系
ポリアミド繊維を0.15〜0.75重量比で配合してなる直交
不織布に合成樹脂を含浸硬化させてなることを特徴とす
る合成樹脂強化複合繊維不織布。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6107900A JPH07292137A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 合成樹脂強化複合繊維布帛及び不織布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6107900A JPH07292137A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 合成樹脂強化複合繊維布帛及び不織布 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07292137A true JPH07292137A (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=14470921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6107900A Pending JPH07292137A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 合成樹脂強化複合繊維布帛及び不織布 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07292137A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6147018A (en) * | 1998-09-29 | 2000-11-14 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Hybrid protective composite |
US6162746A (en) * | 1998-09-29 | 2000-12-19 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Hybrid protective composite |
-
1994
- 1994-04-22 JP JP6107900A patent/JPH07292137A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6147018A (en) * | 1998-09-29 | 2000-11-14 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Hybrid protective composite |
US6162746A (en) * | 1998-09-29 | 2000-12-19 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Hybrid protective composite |
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