JPH0859825A - ポリアミドの製造方法 - Google Patents

ポリアミドの製造方法

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JPH0859825A
JPH0859825A JP19333394A JP19333394A JPH0859825A JP H0859825 A JPH0859825 A JP H0859825A JP 19333394 A JP19333394 A JP 19333394A JP 19333394 A JP19333394 A JP 19333394A JP H0859825 A JPH0859825 A JP H0859825A
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修 富樫
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一彦 小南
Kozo Murata
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一次縮合物を形成したのち高重合度化する方法
であって、一次縮合物重合時の最高到達圧力が23kg
/cm2 −G未満であり、最高到達温度が260℃を超
え330℃以下であることを特徴とするポリアミドの製
造方法。 【効果】本発明の製造方法を採用することによって、種
々のポリアミドが効率よく製造できるだけでなく、色
調、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、耐薬
品性などが改善されたポリアミド樹脂を提供することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアミドの製造方法に
関するものであり、特に、高品質のポリアミドを得る製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドはエンジニアリングプラスチ
ックとしての優れた特性を利用して、自動車分野、電気
・電子分野等で幅広く使用されている。
【0003】従来、ポリアミドの重合は、加圧重合槽に
よるバッチ重合、多段の反応槽による連続重合、また、
これらの方法と固相重合とを組み合せた重合などが行わ
れてきた。しかしながら、ポリアミドの高性能化に伴う
重合技術の開発、また、既存ポリアミドの生産性向上の
点から、さらに効率的にポリアミドの重合度を上げる製
造方法の開発が望まれていた。
【0004】最近、高融点のポリアミドの重合方法とし
て、一次縮合物を合成したのち高重合度化する方法が提
案されている(特開昭60−206827号公報な
ど)。高重合度化工程は、長時間固相重合を行う方法
(特開平2−41318号公報)や押出機を用いて高温
で高重合度化する方法(特開平3−43417号公報、
特開平3−17156号公報、特開昭59−15543
3号公報、特開平5−43681号公報)などが提案さ
れている。
【0005】また、その一次縮合物の重合工程に関して
は、目的とするポリアミドの融点が高いため、重合温度
を高くする必要があり、その結果、熱の影響によって、
変色、機械強度の悪化などの問題が生じ易かった。その
ために短時間で行うなど熱履歴の少ない重合法の提案が
種々行われている。特開昭60−206827号公報で
は高圧、短時間で行う連続重合、特開平2−41318
号公報では特殊な装置による短時間での連続重合が提案
されているが、これらの方法は品種の切り換えなどが困
難であり汎用性のある重合方法の開発が望まれていた。
品種の切り換えの容易な方法はバッチ重合であり、いく
つかの検討例がある。特開平5−170895号公報や
特開平5−9381号公報では高圧、250℃の条件で
低重合度の一次縮合物を形成することによりポリアミド
を得ている。特開平5−170895号公報には、バッ
チ重合では重合槽中で反応系から固体が析出することが
問題として示されており、これを防ぐために250℃以
下の低温で重合するか、あるいは、23kg/cm2
G以上の高圧で重合する方法が開示されている。しかし
ながら、このようにして得られる一次縮合物の相対粘度
が低いため、高重合度化に負担がかかり、品質の良いポ
リアミドを得る方法としては不十分であった。
【0006】上記に示すとおり、熱履歴をなるべく与え
ない重合法は種々試みられていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の重合方法は、熱履歴の減少の点から未だ不十分なもの
であった。よって、本発明では効率的にポリアミドの重
合度を上げることにより重合中の熱履歴を軽減し、ポリ
マー本来の性能である色調、引張強度、引張伸び、曲げ
強度、曲げ弾性率、耐薬品性などを十分に発揮できるポ
リアミドの製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の状況に鑑み本発明
者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した
結果、従来提案されている圧力および温度条件の方向と
は異なり、一次縮合物の重合条件を、高温かつ低圧とす
ることにより、効率的に一次縮合物の重合度を上げるこ
とができ、重合過程の熱履歴を軽減できるだけでなく、
ポリマー本来の性能を引き出せることを見出し本発明に
到達した。
【0009】すなわち、本発明は、一次縮合物の合成工
程と高重合度化工程とからなるポリアミドの製造方法に
おいて、一次縮合物合成時の最高到達圧力が23kg/
cm2 −G未満であり、最高到達温度が260℃を超え
330℃以下であることを特徴とするポリアミドの製造
方法である。
【0010】以下に本発明の詳細を説明する。
【0011】本発明のポリアミドは、アミド結合を有す
るものであれば結晶性ポリアミド、非晶性ポリアミドの
いずれであってもよい。非晶性ポリアミドとしては、例
えば、脂肪族ジカルボン酸/脂肪族ジアミンの共重合
体、脂環族ジカルボン酸および/または脂環族ジアミン
を含む共重合体、イソフタル酸、メタキシレンジアミン
などの芳香族基を含む共重合体などが挙げられる。結晶
性ポリアミドとしては、たとえば、脂肪族結晶性ポリア
ミド、半芳香族結晶性ポリアミドなどが挙げられる。
脂肪族結晶性ポリアミドとしては、ε−カプロラクタ
ム、ζ−エナントラクタム、η−カプリルラクタム、ω
−ラウロラクタムなどのラクタム類などからなるポリア
ミド、ナイロン66、ナイロン46などの脂肪族ジカル
ボン酸と脂肪族ジアミンからなるポリアミドなどが挙げ
られる。特に好ましくはヘキサメチレンアジパミド構
造、カプロアミド構造から選ばれる少なくとも1つの構
造を含有する結晶性ポリアミドである。
【0012】また、本発明が効果を顕著に有するものと
して、半芳香族結晶性ポリアミドが好ましく用いられ
る。半芳香族結晶性ポリアミドとしては、脂肪族ジアミ
ンとテレフタル酸とからなる構造を含有するポリアミド
が好ましく用いられる。また、半芳香族結晶性ポリアミ
ドの融点としては好ましくは230〜340℃、さらに
好ましくは270〜340℃、特に好ましくは275〜
310℃であるものが用いられる。この範囲が好ましく
利用されるのは、融点が低い場合には、耐熱性を得るこ
とができず、また、融点が高すぎると、樹脂の加工の際
に高温を要するため熱劣化などの問題があるためであ
る。
【0013】半芳香族結晶性ポリアミドの構造を与える
脂肪族ジアミンとしてはいずれであってもよいが、ポリ
アミドの融点および吸水性などのバランスの点から炭素
数4〜14の脂肪族ジアミンが好ましい。その具体例と
しては、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペ
ンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,5−ジアミノ
−2−メチルペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、
1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、
1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデ
カン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミ
ノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカンなどの
脂肪族アルキレンジアミンである。その中では、炭素数
6のものおよび12のものが好ましく、さらに炭素数6
のものが好ましく用いられ、さらに1,6−ジアミノヘ
キサンがさらに好ましく用いられる。その他、1,15
−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデ
カン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジ
アミノオクタデカン、ダイマー酸などの炭素数15〜4
0の脂肪族ジアミンも用いることができる。これらのジ
アミンは単独または2種以上用いることもできる。ま
た、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、フ
ェニレンジアミンなどの芳香族ジアミン類も併用するこ
とができる。
【0014】半芳香族結晶性ポリアミドの酸成分として
はテレフタル酸を含有するものが好ましく、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデ
カン二酸、ドデカン二酸、プラシリン酸、テトラデカン
二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸などの炭素
数2〜18の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸などと併用してもよい。特に好まし
くは、アジピン酸、イソフタル酸との併用である。ま
た、ラクタム類と併用することもできる。例えばε−カ
プロラクタム、ζ−エナントラクタム、η−カプリルラ
クタム、ω−ラウロラクタムなどであり、特に好ましく
はε−カプロラクタムである。
【0015】半芳香族結晶性ポリアミドに炭素数6の脂
肪族ジアミン成分を用いる場合には、構造単位(I)
【化5】 (ヘキサメチレンテレフタルアミド単位(以下6Tと示
す))、および構造単位(II)〜(IV)から選ばれる少
なくとも1種類の構造単位、
【化6】 (ヘキサメチレンイソフタルアミド単位(以下6Iと示
す))、
【化7】 (ヘキサメチレンアジパミド単位(以下66と示
す))、
【化8】 (カプロアミド単位(以下6と示す))からなる反復単
位を有している6T含有コポリアミドが好ましく用いら
れる。
【0016】上記6T含有コポリアミドにおいて、例え
ば2成分においては、6T/6Iでは共重合比率が重量
比で45/55〜80/20、好ましくは55/45〜
80/20、より好ましくは60/40〜75/25の
範囲で用いられる。また、6T/66では共重合比率が
重量比で20/80〜80/20、好ましくは30/7
0〜70/30、より好ましくは30/70〜60/4
0の範囲で用いられる。また、6T/6では共重合比率
が重量比で40/60〜90/10、好ましくは55/
45〜85/15、より好ましくは60/40〜80/
20の範囲で用いられる。これらの6T含有コポリアミ
ドの共重合比率はポリマ融点が、おおよそ230℃〜3
40℃の範囲にある結晶性コポリアミドに関するもので
ある。6T/6I、6T/66および6T/6の重量に
よる共重合比率がそれぞれ45/55、20/80、4
0/60よりも6T量が少ないと耐熱性や吸水性が相対
的に低下し、また、6T/6I、6T/66および6T
/6の共重合比率がそれぞれ80/20、80/20、
90/10よりも6T量が多いとポリマ融点が高くなり
耐熱性は向上するが、加工温度が高くなりポリマーが熱
分解を起こしやすい。また、66/6T/6Iなどの3
成分以上の系も必要に応じて選択される。
【0017】また、半芳香族結晶性ポリアミドに炭素数
12のジアミンを用いる場合(以下、テレフタル酸との
結合単位を12Tと称する)には、テレフタル酸とのホ
モポリマや、ヘキサメチレンアジパミド単位、ドデカメ
チレンアジパミド単位、ヘキサメチレンイソフタルアミ
ド単位、ドデカメチレンイソフタルアミド単位、ドデカ
メチレンイソフタルアミド単位、カプロアミド単位など
の反復単位が共重合された12T含有ポリアミドが好ま
しく用いられる。
【0018】本発明の一次縮合物は、上記組成を与える
モノマーまたは塩の水溶液などを、たとえば、ナイロン
66などの重合に通常用いられる加圧重合槽に仕込み、
水などを溶媒とする溶液として、撹拌条件下で重合反応
することによって合成される。溶液での原料仕込み濃度
は5重量%以上、好ましくは15重量%以上、90重量
%以下、好ましくは85重量%である。
【0019】本発明の一次縮合物の合成は、通常は撹拌
条件下で、昇温および昇圧することによって行われる。
重合温度は、原料の仕込後、あるいは後に説明する濃縮
工程後の温度から最高到達温度までの範囲で昇温され、
コントロールされる。また、重合圧力は、最高到達圧力
以下に重合の進行に合せてコントロールされる。最高到
達温度および最高到達圧力は重合終了時にある必要はな
く、重合完了までのいつであってもよい。
【0020】一次縮合物の合成における最高到達圧力は
23kg/cm2 −G未満であればよいが、0kg/c
2 −G以上、好ましくは5kg/cm2 −G以上、さ
らに好ましくは10kg/cm2 −G以上、22kg/
cm2 −G以下、好ましくは20kg/cm2 −G以下
である。圧力が23kg/cm2 −G以上では、反応系
内の水分率が高くなるため、重合度の上がりが悪く、一
次縮合物への反応率が不足する問題がある。また、最高
到達圧力が低すぎると、重合槽内で固体が析出してしま
う可能性がある。
【0021】一次縮合物の合成における最高到達温度は
260℃を超え330℃以下であればよいが、目的とす
るポリアミドの融点が270℃未満の場合には260℃
を超え300℃以下、さらに290℃以下とすることが
好ましい。またポリアミドの融点が270〜320℃の
場合には、融点マイナス20℃以上、さらには融点マイ
ナス15℃以上、また融点プラス10℃以下、融点プラ
ス5℃以下とすることが好ましい。またポリアミドの融
点が320℃を超える場合には、280℃以上330℃
以下とすることが好ましい。最高到達温度が260℃以
下では一次縮合物の重合度を上げるのに不十分であり、
330℃を超えると熱履歴が大きくなりすぎ、得られる
ポリアミドの各種特性が低下することから好ましくな
い。
【0022】また、一次縮合物の合成の後に行う吐出
は、水蒸気による加圧下で行うことが好ましい。水蒸気
圧力は、一次縮合物の合成の最高到達圧力以下が好まし
く、最高到達圧力マイナス10kg/cm2 −G以上、
最高到達圧力以下であることが好ましい。水蒸気圧力
は、吐出の間保持されることが好ましく、重合槽内に水
または水蒸気を供給し、吐出の間一定の水蒸気圧力に保
つか、または増圧しながら吐出を行うことが好ましい。
系外から、定量ポンプで重合槽内に水、好ましくはイオ
ン交換水を供給する場合、熱交換器を介して水を予め加
熱して供給することが好ましい。加熱温度は好ましくは
100℃以上、より好ましくは150℃以上である。加
熱温度は、重合槽内圧力の飽和水蒸気温度であること
が、重合状態の安定性を保つ上でさらに好ましい。ま
た、重合槽内に系外から水蒸気を供給する場合は水蒸気
発生用のボイラーの圧力は、重合槽内の圧力よりも高く
する必要がある。また、吐出時の温度は最高到達温度マ
イナス10℃以上最高到達温度以下に保たれることが好
ましい。
【0023】本発明の原料供給から一次縮合物の合成、
さらに一次縮合物の吐出は、最高到達温度以下、最高到
達圧力以下であればよい。特開平5−170895号公
報に示されるように、ポリアミドの重合では温度や圧力
によって、反応系に固形分が析出、固化しやすい状態が
存在する。例えば、比較的低圧の状態では、ある中間の
温度範囲において、析出しやすくなる。条件を高圧かつ
低温に設定することによって、析出、固化の領域を回避
する方法は、十分反応が進まず好ましくない。
【0024】本発明は、析出、固化しやすい温度条件を
一時的にとることがあっても、析出、固化がおきる前
に、さらに温度を上昇させて、析出の危険を回避して、
一次縮合物を合成する技術である。従来と異なり、高温
低圧の一次縮合物の合成条件を好ましく選択できるよう
になったものである。
【0025】析出固化領域は、ポリアミドの組成、温
度、圧力、時間によって決まる。たとえば、66/6T
=50/50重量%の重合の際、265℃、27kg/
cm2−Gの条件まで速やかに昇温昇圧し、その条件で
保持すると約5時間経過後析出固化し出す。また、26
5℃、22kg/cm2 −Gの条件まで速やかに昇温昇
圧し、その条件で保持すると約2時間経過後析出固化し
出す。一方、本発明のように66/6T=50/50重
量%を265℃、22kg/cm2−Gの条件まで速や
かに昇温昇圧し、その条件で保持する重合経路を採った
場合、保持してから2時間未満で重合を完了し吐出すれ
ば析出固化は問題とならない。通常の重合経路において
一定温度で保持されることは少なく、析出固化領域であ
っても析出に到る時間に満たない範囲であれば自由に通
過することができるが、析出固化領域の通過時間は、析
出に到る時間(析出時間)−0.01時間以下、好まし
くは析出時間−0.1時間以下、さらに好ましくは析出
時間−0.5時間以下である。さらに、トータルの重合
時間(重合および吐出)は、10時間以下、好ましくは
0.5時間以上7時間以下、さらに好ましくは5時間以
下、特に好ましくは4時間以下である。
【0026】また、一次縮合物の重合前に必要に応じて
塩調工程および/または濃縮工程を加えることもでき
る。塩調とは、ジカルボン酸成分とジアミン成分から塩
を生成する工程であり、塩の中和点のpH±0.5の範
囲に、さらには、塩の中和点のpH±0.3の範囲に調
節するのが好ましい。濃縮では、原料仕込み濃度の値+
2〜+90重量%、さらに好ましくは+5〜+80重量
%の濃度まで濃縮することが好ましい。濃縮工程は、9
0〜220℃の範囲が好ましく、さらに100〜210
℃が好ましく、130〜200℃が特に好ましい。濃縮
工程の圧力は0〜20kg/cm2 −G、好ましくは1
〜10kg/cm2 −Gである。通常、濃縮の圧力は重
合の圧力以下にコントロールされる。また、濃縮促進の
ため、たとえば、窒素気流などにより強制排出の操作を
行うこともできる。濃縮工程は重合時間の短縮に有効で
ある。
【0027】一次縮合物の1%硫酸溶液の25℃におけ
る相対粘度は、1.1〜2.5であることが好ましく、
さらには、1.2以上、好ましくは1.3以上、さらに
好ましくは1.4以上、2.3以下、好ましくは2.0
以下、さらに好ましくは1.8以下である。相対粘度が
1.1未満では高重合度化の重合時間を長くする必要が
あり、また、相対粘度が2.5を越えると一次縮合物の
溶融粘度が高くなり過ぎ、一次縮合物の合成の後、装置
からの吐出不良を起こすことがあるので好ましくない。
また、一次縮合物の水分率は0重量%以上、20重量%
以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5
重量%以下である。20重量%を越えると高重合度化し
にくくなる。水分率は、水中に一次縮合物を吐出後乾燥
する方法、あるいは、吐出された高温の一次縮合物に冷
却水をかけ一次縮合物の熱を利用して蒸発させ水分率を
コントロールする方法などで制御されることが好まし
い。また、一次縮合物は高重合度化前に適当なサイズに
粉砕されることが好ましい。
【0028】一次縮合物を造る装置については特に制限
がなく、バッチ反応槽、または、1〜3槽式の連続反応
装置など公知のものを使用できる。
【0029】次に、一次縮合物を高重合度化する方法と
しては、溶融状態における方法、固相重合による方法、
溶融状態と固相重合機とを併用する方法などを用いるこ
とができる。なかでも、溶融状態で高重合度化する方法
が好ましく用いられる。溶融状態における方法では、溶
融温度は一次縮合物の融点よりも10〜70℃高い範囲
が好ましい。また6T含有量が多いなどの理由によっ
て、融点の高い一次縮合物を用いる場合には、ポリマの
熱分解や熱劣化を防ぐため温度を370℃以下にする必
要がある。溶融状態の高重合度化としては、通常溶融押
出機が用いられ、溶融押出機としては、押出機、ニ−ダ
−を用いることができ、さらに二軸スクリュ−押出機、
二軸ニ−ダ−が好ましい。溶融機での滞留時間は特に定
めないが、好ましくは20秒以上、特に好ましくは30
秒以上である。滞留時間が短いと有効に高重合度化が進
まないため好ましくない。滞留時間を長くし高重合度化
を進めるには、溶融機を2台以上直列でつなぐのも有効
である。高重合度化したポリマは必要に応じてさらに固
相重合してさらに重合度を上げることもできる。
【0030】本発明の一次縮合物を固相重合によって、
高重合度化する方法としては、不活性ガス存在下で加圧
または常圧でする方法、または、減圧下でする方法、あ
るいはこれらを任意に組み合わせることもできる。固相
重合温度は150℃〜(一次縮合物の融点)であること
が必要であり、好ましくは200℃〜(一次縮合物の融
点−10℃)、さらに好ましくは220℃〜(一次縮合
物の融点−15℃)である。固相重合温度が150℃よ
りも低いと反応速度が遅くなり好ましくない。固相重合
時間は通常の成形品に使用されるコポリアミドの相対粘
度になるまで任意の時間を選ぶことができる。本発明の
固相重合装置については特に制限がなく、公知のいずれ
の方法も使用することができる。固相重合装置の具体例
としてはニ−ダ−、二軸パドル式、塔式、回転ドラム式
およびダブルコ−ン型の固相重合装置などが挙げられ
る。
【0031】本発明により得られるポリアミドの重合度
については特に制限がなく、通常1%硫酸溶液の25℃
における相対粘度(ηr)が1.8〜8.0にあるもの
を任意に用いることができる。
【0032】通常のポリアミド重合ではモノマー、およ
びジカルボン酸/ジアミン塩中に含まれるトータルカル
ボキシル基量とトータルアミノ基量が等量になるように
原料仕込みするのが一般的であるが、本発明では原料仕
込み時にジカルボン酸成分またはジアミン成分を過剰に
して、末端カルボキシル基量または末端アミノ基量の多
いポリアミドを作ることもできる。過剰のジカルボン酸
またはジアミンの添加量は0モル%以上、好ましく0.
3モル%、さらに好ましくは0.5モル%以上、10モ
ル%以下、好ましくは8モル%以下、さらに好ましくは
7モル%以下の範囲が用いられる。添加量が10モル%
を越えると高重合度化が困難になるので好ましくない。
また、本発明の重合反応では、ポリアミドの重合度調
節、高重合度化での重合度調節を容易にするため、重合
度調節剤の添加が有効である。重合度調節剤としては、
通常モノアミン化合物、モノカルボン酸化合物が用いら
れるが、好ましくは酢酸、安息香酸、ステアリン酸であ
り、特に好ましくは酢酸、安息香酸である。重合度調節
剤は、構成成分モノマ−のモル数、および塩のジカルボ
ン酸成分単位およびジアミン成分単位のト−タルモル数
に対し0倍モル以上、好ましくは0.0001倍モル以
上、0.1倍モル以下、好ましくは0.05倍モル以下
の範囲で用いられる。
【0033】本発明の重合にはリン系触媒を用いること
ができる。たとえば、次亜リン酸塩、リン酸塩、次亜リ
ン酸、リン酸、リン酸エステル、ポリメタリン酸類、ポ
リリン酸類、ホスフィンオキサイド類、ホスホニウムハ
ロゲン化合物などが好ましく、次亜リン酸塩、リン酸
塩、次亜リン酸、リン酸が特に好ましく用いられる。次
亜リン酸塩としては、たとえば、次亜リン酸ナトリウ
ム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜
リン酸マグネシウム、次亜リン酸アルミニウム、次亜リ
ン酸バナジウム、次亜リン酸マンガン、次亜リン酸亜
鉛、次亜リン酸鉛、次亜リン酸ニッケル、次亜リン酸コ
バルト、次亜リン酸アンモニウムなどが好ましく、次亜
リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カ
ルシウム、次亜リン酸マグネシウムが特に好ましい。リ
ン酸塩としては、たとえば、リン酸ナトリウム、リン酸
カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カルシウム、
リン酸バナジウム、リン酸マグネシウム、リン酸マンガ
ン、リン酸鉛、リン酸ニッケル、リン酸コバルト、リン
酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウムなどが好ま
しい。リン酸エステルとしては、たとえば、リン酸エチ
ルオクタデシルなどが挙げられる。ポリメタリン酸類と
しては、たとえば、トリメタリン酸ナトリウム、ペンタ
メタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、
ポリメタリン酸などが挙げられる。ポリリン酸類として
は、たとえば、テトラポリリン酸ナトリウムなどが挙げ
られる。ホスフィンオキサイド類としては、たとえば、
ヘキサメチルホスホルアミドなどが挙げられる。
【0034】リン系触媒の添加量としては、該ポリアミ
ド100重量部に対して0.0001〜5重量部が好ま
しく、0.001〜1重量部がさらに好ましい。また、
添加時期は高重合度化完了までであればいつでもよい
が、原料仕込み時から一次縮合物の重合完了までの間で
あることが好ましい。また、多数回の添加をしてもよ
い。さらには、異なるリン系触媒を組合わせて添加して
もよい。
【0035】本発明で得られるポリアミドには、さらに
種々のものを配合して、樹脂組成物とすることができ
る。例えば充填剤を添加することができる。充填剤とし
ては、ガラス製の繊維あるいはビ−ズ、タルク、カオリ
ン、ウオラストナイト、マイカ、シリカ、アルミナ、ケ
イソウ土、クレー、セッコウ、ベンガラ、グラファイ
ト、二酸化チタン、酸化亜鉛、銅、ステンレスなどの粉
状または板状の無機系化合物、他のポリマ−繊維(炭素
繊維)などが例示され、好ましくはガラス繊維である。
ガラス繊維として特に好ましいのは直径3〜20μm程
度の連続長繊維のストランドから作られたガラスロ−ビ
ング、ガラスチョプドストランド、ガラス糸などであ
る。かかる充填剤の配合割合は通常、該ポリアミド樹脂
組成物100重量部に対して0重量部以上、好ましくは
1重量部以上、さらに好ましくは10重量部以上、20
0重量部以下、好ましくは150重量部以下、さらに好
ましくは100重量部以下の範囲である。充填剤の配合
割合が200重量部を越えると、溶融時の流動性が悪く
なり、薄肉成形品を射出成形する事が困難となるばかり
でなく、成形品外観が悪くなるので好ましくない。本発
明のポリアミド樹脂組成物に充填剤を配合する方法につ
いては特に制限がなく、公知のいずれの方法も使用する
ことができる。配合方法の具体例としてはポリアミドの
ペレットに充填剤をドライブレンドし、これを単軸スク
リュ−または二軸スクリュ−押出機で溶融混練する方法
などが挙げられる。また、溶融機で高重合度化する場
合、溶融機の途中から充填剤を添加する方法が生産効率
が高く好ましい。
【0036】本発明において、溶融重合、溶融状態での
高重合度化、コンパウンドあるいは成形工程などの時点
で、必要に応じて触媒、耐熱安定剤、耐候性安定剤、可
塑剤、離形剤、滑剤、結晶核剤、顔料、染料、他の重合
体などを添加することができる。これらの添加剤として
は、耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノ
ン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ヨウ化
銅、ヨウ化カリウムなど)、耐候性安定剤(レゾルシノ
ール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベン
ゾフェノン系、ヒンダードアミン系など)、離型剤およ
び滑剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、その
ハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミ
ド、各種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワッ
クスなど)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、
カ−ボンブラックなど)、および染料(ニグロシンな
ど)、他の重合体(他のポリアミド、ポリエステル、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニ
レンスルフィド、液晶ポリマ−、ポリエ−テルスルフォ
ン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン、アクリル
樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−
オレフィン共重合体、アイオノマ−樹脂、SBS,SE
BSなど)を挙げることができる。
【0037】添加剤のコンパウンドは、生産性の点か
ら、溶融機において高重合度化と同時あるいは連続で行
うのがより好ましい。
【0038】本発明のポリアミドおよびその組成物は、
スイッチ類、超小型スライドスイッチ、DIPスイッ
チ、スイッチのハウジング、ランプソケット、結束バン
ド、コネクタ、コネクタのハウジング、コネクタのシェ
ル、ICソケット類、コイルボビン、ボビンカバー、リ
レー、リレーボックス、コンデンサーケース、モーター
の内部部品、小型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシ
ングプーリー、スペーサー、インシュレーター、ファス
ナー、バックル、ワイヤークリップ、自転車用ホイー
ル、キャスター、ヘルメット、端子台、電動工具のハウ
ジング、スターターの絶縁部分、スポイラー、キャニス
ター、ラジエタータンク、チャンバータンク、リザーバ
ータンク、フューズボックス、エアークリーナーケー
ス、エアコンファン、ターミナルのハウジング、ホイー
ルカバー、吸排気パイプ、ベアリングリテナー、シリン
ダーヘッドカバー、インテークマニホールド、ウオータ
ーパイプインペラ、エンジンロールダンパー、クラッチ
レリーズ、スピーカー振動板、耐熱容器、電子レンジ部
品、炊飯器部品、プリンターリボンガイドなどに代表さ
れる電気・電子関連部品、自動車・車両関連部品、家庭
・事務電気製品部品、コンピューター関連部品、ファク
シミリ・複写機関連部品、機械関連部品、その他各種用
途に有効である。
【0039】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例および比較例中の諸特性は次の方
法で測定した。 1)融点(Tm) DSC(PERKIN-ELMER7 型)を用い、サンプル8〜10
mgを昇温速度20℃/minで測定して得られた融解
曲線の最大値を示す温度を(T)とする。サンプル8〜
10mgを昇温速度20℃/minで加熱しT+20℃
で5分間保持し、次に20℃/minの降温速度で30
℃まで冷却し、30℃で5分間保持した後、再び20℃
/minの昇温速度でT+20℃まで加熱する。この時
の融解曲線の最大値を融点(Tm)とした。 2)相対粘度 JIS K6810に従って、サンプル1gを98%濃
硫酸100mlに溶解し、25℃の相対粘度を測定し
た。なお以下、相対粘度をηrと略称する。 3)滞留時間 押出機による高重合度化時にフィーダーから顔料を投入
し、溶融ポリマーが着色開始するまでの時間を測定し
た。 4)色調 スガ試験機(株)製のカラーコンピューターを用いてY
I値を測定した。
【0040】5)引張り強さおよび引張り伸び ASTM D638に準じて測定した。 6)曲げ強度および曲げ弾性率 ASTM D790に準じて測定した。 7)耐薬品性(耐LLC性)◎ ASTM 1号ダンベルをLLC(トヨタ純正ロングラ
イフクーラント、トヨタ自動車(株)製)の50重量%
水溶液に浸し、オートクレーブ中130℃で500時間
処理した後、ASTM D638に準じて引張り強さを
測定した。
【0041】以下に各実施例を説明する。なお表1に反
応条件、特性などを示してあり、その中にモノカルボン
酸の添加量を示してある。この量は、構成成分のモノマ
ーのモル数、および塩のジカルボン酸成分単位およびジ
アミン成分単位のトータルモル数に対する量(倍モル)
を意味している。
【0042】実施例1 ヘキサメチレンアンモニウムアジペ−ト(66塩)、テ
レフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、酢酸、イオン交
換水および次亜リン酸ナトリウムを表1に示す組成およ
び濃度で0.10m3のバッチ式加圧重合槽に仕込み、
窒素置換を充分行った後、140℃に昇温し、撹拌下圧
力4.0kg/cm2 −Gで濃度80重量%まで濃縮し
た。引き続いて撹拌下3.5hrかけて最高到達温度2
75℃に昇温、最高重合圧力を17kg/cm2 −Gと
した。。吐出はイオン交換水を定量ポンプにより、3l
/hrの割合で供給し、水蒸気圧を12kg/cm2
Gに保持しながら、0.5時間かけて行った。この一次
縮合物の粘度はηr=1.6、融点は279℃であっ
た。
【0043】得られた一次縮合物を100℃で24hr
真空乾燥した後、ベント式二軸押出機により、真空度−
700mmHg、樹脂温度300℃、滞留時間95秒の
条件で高重合度化した。ポリマの相対粘度ηr=2.
5、ポリマ融点280℃の白色ペレットからなるポリア
ミドを得た。重合条件および測定結果を表1に示す。
【0044】実施例2 テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンからなる塩、ε
−カプロラクタム、次亜リン酸ナトリウムおよびイオン
交換水を表1に示す組成および濃度で0.01m3 のバ
ッチ式加圧重合槽に仕込み、窒素置換を充分行った後、
撹拌下1.1hrかけて最高到達温度285℃に昇温
し、最高重合圧力を20kg/cm2 −Gとした。吐出
はイオン交換水を定量ポンプにより、0.2l/hrの
割合で供給し、水蒸気圧を20kg/cm2 −Gに保持
しながら0.1時間かけて行った。得られた一次縮合物
の融点は300℃、ηrは1.4であった。
【0045】得られた一次縮合物を100℃で24hr
真空乾燥した後、ベント式二軸押出機により、真空度−
700mmHg、樹脂温度322℃、滞留時間75秒の
条件で高重合度化した。ポリマの相対粘度ηr=2.
6、ポリマ融点302℃の白色ペレットからなるポリア
ミドを得た。重合条件および測定結果を表1に示す。
【0046】実施例3 テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンからなる塩、イ
ソフタル酸とヘキサメチレンジアミンからなる塩、酢
酸、リン酸および蒸留水を表1にしめす組成および濃度
で仕込み、実施例2と同様に最高到達温度283℃、最
高重合圧力22kg/cm2 −G、吐出時水蒸気圧22
kg/cm2 −G、重合・吐出のトータル時間1.3時
間として一次縮合物を得た。さらに実施例2と同様に高
重合度化して、ポリアミドを得た。重合条件および測定
結果を表1に示す。
【0047】実施例4 ヘキサメチレンアンモニウムアジペ−ト(66塩)、テ
レフタル酸とヘキサメチレンジアミンからなる塩、安息
香酸およびイオン交換水を表1に示す組成および濃度で
0.01m3 のバッチ式加圧重合槽に仕込み、次亜リン
酸ナトリウムを濃縮後に添加して実施例1と同様に一次
縮合物の重合および高重合度化を行い、ポリアミドを得
た。重合条件および測定結果を表1に示す。
【0048】実施例5 0.01m3 のバッチ式加圧重合槽を用い、実施例1と
同様に一次縮合物の重合を行った。トータルの重合時間
1.7時間で重合し一次縮合物を良好に吐出することが
できた。さらに実施例1と同様に高重合度化を行った。
重合条件および測定結果を表1に示す。
【0049】実施例6 ヘキサメチレンアンモニウムアジペ−ト(66塩)を原
料とし、実施例1と同様に一次縮合物の重合および高重
合度化を行った。重合条件および測定結果を表1に示
す。
【0050】実施例7 ドデカメチレンジアミンとテレフタル酸を原料とし、実
施例1と同様に一次縮合物の重合および高重合度化を行
った。重合条件および測定結果を表1に示す。実施例1
〜7の方法では一次縮合物が良好に重合でき、高重合度
化後、いずれも色調、引張強度、引張伸び、曲げ強度、
曲げ弾性率、耐薬品性が優れたポリアミドが得られた。
【0051】比較例1 実施例5と同様の仕込みを行い、最高到達温度を235
℃、最高到達圧力を30kg/cm2 −G、吐出時水蒸
気圧30kg/cm2 −G、重合・吐出のトータル時間
1.5時間として一次縮合物を得た。得られた一次縮合
物の融点は286℃、ηrは1.07の一次縮合物であ
った。実施例5と同様、ポリマのηr が2.5になるよ
う滞留時間を280秒にして高重合度化して、ポリアミ
ドを得た。重合条件および測定結果を表1に示す。
【0052】比較例2 実施例5と同様の仕込みを行い、最高到達温度を335
℃、最高到達圧力を40kg/cm2 −G、吐出時、水
蒸気圧40kg/cm2 −G、重合・吐出のトータル時
間1.5時間として一次縮合物の合成を行った。一次縮
合物は、重合槽中で分解による発泡がおきており、また
着色していた。
【0053】比較例1では、最高到達温度が低く最高到
達圧力が高いため一次縮合物の重合度が上がらず適当な
重合度のポリマを得るには高重合度化時間を長くする必
要があり、ポリマ物性が劣っていた。また、比較例2で
は、最高到達温度が高いため一次縮合物が発泡、着色し
ており使用にたえないものであった。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の製造方法を採用することによっ
て、ポリアミドが効率よく製造できるだけでなく、色
調、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、耐薬
品性などが改善されることから、特に電気・電子部品用
材料、自動車部品として適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 耕三 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次縮合物の合成工程と高重合度化工程
    とからなるポリアミドの製造方法において、一次縮合物
    合成時の最高到達圧力が23kg/cm2 −G未満であ
    り、最高到達温度が260℃を超え330℃以下である
    ことを特徴とするポリアミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 一次縮合物合成時の最高到達圧力が5k
    g/cm2 −G以上20kg/cm2 −G以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリアミドの製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリアミドの融点が270〜320℃で
    あって、一次縮合物合成時の最高到達温度が、請求項1
    記載の範囲かつポリアミドの融点マイナス20℃以上、
    ポリアミドの融点プラス10℃以下の範囲であることを
    特徴とする請求項1記載のポリアミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 該一次縮合物の相対粘度が1.1〜2.
    5であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載
    のポリアミドの製造方法。
  5. 【請求項5】 該ポリアミドがヘキサメチレンアジパミ
    ド構造、および/または、カプロアミド構造を含有する
    結晶性ポリアミドであることを特徴とする請求項1〜4
    いずれかに記載のポリアミドの製造方法。
  6. 【請求項6】 該ポリアミドが、脂肪族ジアミンとテレ
    フタル酸とから形成されるアミド構造を含有する結晶性
    ポリアミドであることを特徴とする請求項1〜4いずれ
    かに記載のポリアミドの製造方法。
  7. 【請求項7】 該結晶性ポリアミドの融点が230℃〜
    340℃の範囲であることを特徴とする請求項6記載の
    ポリアミドの製造方法
  8. 【請求項8】 該脂肪族ジアミンの炭素数が4から14
    であることを特徴とする請求項6または7記載のポリア
    ミドの製造方法。
  9. 【請求項9】 結晶性ポリアミドがコポリアミドであっ
    て、構造単位(I) 【化1】 および構造単位(II)〜(IV)から選ばれる少なくとも
    1種類の構造単位、 【化2】 【化3】 【化4】 からなる反復単位を有するものであることを特徴とする
    請求項8記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  10. 【請求項10】 高重合度化工程が溶融状態で行われる
    ことを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載のポリア
    ミドの製造方法。
  11. 【請求項11】 リン系触媒を用いることを特徴とする
    請求項1記載のポリアミドの製造方法。
  12. 【請求項12】 該一次縮合物合成前に濃縮工程を有す
    ることを特徴とする請求項1記載のポリアミドの製造方
    法。
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