JP3175478B2 - ポリアミド樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂の製造方法

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JP3175478B2
JP3175478B2 JP09202494A JP9202494A JP3175478B2 JP 3175478 B2 JP3175478 B2 JP 3175478B2 JP 09202494 A JP09202494 A JP 09202494A JP 9202494 A JP9202494 A JP 9202494A JP 3175478 B2 JP3175478 B2 JP 3175478B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は構成成分単位のモノマ−
または塩の水溶液から一次縮合物をつくり、これを高重
合度化するポリアミド樹脂の製造方法に関し、特に自動
車部品、電気・電子部品として適したポリアミド樹脂の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドはエンジニアリングプラスチ
ックとしての優れた特性を利用して、自動車分野、電気
・電子分野等で幅広く使用されてきている。
【0003】従来、これらの成形品はガラス繊維で強化
したナイロン6、ナイロン66が使用されてきたが(特
開昭59−161461号公報)、近年の技術革新によ
る自動車のエンジンル−ムの温度上昇やマイクロエレク
トロニクスの進展に伴い、さらに高温雰囲気下での使用
に耐え得る極薄肉成形品の材料が要求されてきた。しか
しながら、ナイロン6やナイロン66の融点(Tm)は
それぞれ220℃、260℃でありガラス繊維で強化し
た場合でも熱変形温度の限界はそれぞれ融点どまりであ
る。
【0004】最近、これらの高温雰囲気下での使用に耐
え得るコポリアミド樹脂組成物として、テレフタル酸お
よびイソフタル酸含有コポリアミド樹脂組成物、または
それらのガラス繊維強化品が数多く提案されている(特
開昭59−161428号公報、特開昭59−1554
26号公報、特開昭59−53536号公報、特開昭6
2−156130号公報)。製造法としては、ナイロン
塩より重合物に至るまで固体状態で重合反応させる方法
などが提案されている(特開昭62−20527号公
報)。また特開平4−50231号公報や特開平4−5
3835号公報などには、コポリアミドの一次縮合物を
合成した後、さらに高重合度化する方法が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のテレフタル酸、イソフタル酸含有のコポリアミド樹脂
組成物はテレフタル酸成分単位が多くなると溶融粘度が
高くなり通常の溶融重合法では吐出不可能だったり、ポ
リマ融点がポリマの熱分解温度に近いため溶融重合時に
分解や劣化を起こしたりしていた。また、ナイロン塩よ
り重合物に至るまで固体状態で重合反応させる方法は、
重合物の組成が安定しないなどの問題がある。またコポ
リアミドの一次縮合物を合成した後、さらに高重合度化
する方法では、しばしば一次縮合物が吐出不可能となっ
たり、また得られるコポリアミドの品質が若干不安定で
あるという問題を有していた。
【0006】よって本発明は、高温雰囲気下での使用に
充分耐え得る高い剛性と高い熱変形温度を有し、安価な
ポリアミド樹脂組成物を安定して製造することを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の状況に鑑み本発明
者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した
結果、一次縮合物を作り、該一次縮合物を水蒸気加圧下
重合槽内に水または水蒸気を供給しながら吐出し、次い
で高重合度化することによって効率よく、安定した高重
合度化ポリマを得ることを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、テレフタル酸アミド構
造を含有する結晶性コポリアミドを製造するに当たっ
て、150℃〜350℃の条件下で一次縮合物を合成
し、次いで、水または水蒸気を供給しながら該一次縮合
物を水蒸気加圧下で吐出し、1%硫酸溶液の25℃にお
ける相対粘度(ηr)が1.04〜2.5の一次縮合物
を得た後、さらに高重合度化することを特徴とするポリ
アミド樹脂の製造方法である。
【0009】本発明の特徴である結晶性のポリアミド
は、テレフタル酸アミド構造単位を含有するするもので
ある。この構造は得られるポリアミド樹脂の、剛性、耐
熱性を付与する機能を有しているものである。なかでも
構造単位(I)すなわちヘキサメチレンテレフタルアミ
ド単位(以下6Tと略称する)を含有するものが好まし
い。
【化5】 この量としては、少ない場合には、熱変形温度などの耐
熱性の低下、吸水性上昇、多い場合には、耐熱性は向上
するが、成形温度が高くなりポリマーが熱分解を起こし
やすいことから、ポリアミド樹脂における構造単位
(I)の含有量の下限としては20重量%、さらに30
重量%が好ましく、また含有量の上限としては90重量
%、さらに80重量%、70重量%、またさらに60重
量%が好ましい。 また耐熱性の観点から、得られるポ
リアミド樹脂の融点としては230℃〜340℃である
ことが好ましく、さらに270〜340℃であることが
好ましい。これは融点が低いと得られる樹脂の耐熱性が
低くなり、また融点が高すぎると、成形時にポリアミド
が熱分解、劣化しやすいという問題を有しているからで
ある。
【0010】ここで、得られるポリアミド樹脂として
は、6T成分の他に、下記構造(II)〜(IV)から選ば
れる1種類以上の反復単位を有するポリアミドであるこ
とが好ましい。
【化6】 で示されるヘキサメチレンイソフタルアミド単位(以下
6Iと示す)。
【化7】 で示される、ヘキサメチレンアジパミド単位(以下66
と示す)。
【化8】 で示されるカプロアミド単位(以下6と示す)。
【0011】これらの共重合ポリアミドにおいて、例え
ば、6T/6Iの組合せに注目した場合、共重合比率が
重量比で55/45以上、さらに60/40以上、また
80/20以下、さらに75/25以下の範囲で好まし
く用いられる。また、6T/66の組合せに注目した場
合、共重合比率が重量比で20/80以上、さらに30
/70以上、また80/20以下、さらに70/30以
下、またさらに60/40以下の範囲が好ましく用いら
れる。また、6T/6の組合せに注目した場合、共重合
比率が重量比で45/55以上、さらに55/45以
上、またさらに60/40以上、また90/10以下、
さらに80/20以下の範囲で好ましく用いられる。こ
こでいう6T/6I、6T/66および6T/6ポリア
ミドの共重合比率はポリマ融点が、おおよそ230℃〜
340℃の範囲にあるポリアミドに関するものである。
6T/6I、6T/66および6T/6の重量による共
重合比率がそれぞれ55/45、20/80、45/5
5よりも少ないと、ポリマ融点の低下によって、熱変形
温度などの耐熱性の低下、及び6T含有量減少による吸
水性上昇の点で好ましくない。また、6T/6I、6T
/66および6T/6の共重合比率がそれぞれ80/2
0、80/20、90/10よりも多いとポリマ融点が
高くなり耐熱性は向上するが、加工温度が高くなりポリ
マーが熱分解を起こすので好ましくない。
【0012】また、構造単位が3成分以上であっても良
く、上記(I)〜(IV)のなかから選ばれる組合せの他
に、公知のポリアミド単位を含有していても良い。例え
ば、テトラメチレンアジパミド単位、ヘキサメチレンセ
バシアミド単位、ヘキサメチレンドデカアミド単位、ラ
ウロアミド単位、パラキシリレンアジパミド単位、メタ
キシリレンアジパミド単位などが挙げられる。
【0013】結晶性コポリアミドの重合度については特
に制限がなく、通常1%硫酸溶液の25℃における相対
粘度(ηr)が1.8〜5.0にあるものを任意に用い
ることができる。
【0014】本発明の150℃〜350℃の条件下でつ
くる一次縮合物とは、上記モノマ−または塩の水溶液を
ナイロン66などの重合に通常用いられる加圧重合釜に
仕込み、撹拌条件下で150℃〜350℃に加熱する。
反応温度は150℃〜350℃にする必要があり、好ま
しくは180℃〜340℃、さらに好ましくは190℃
〜330℃である。反応温度が150℃よりも低いと反
応時間が長くなり好ましくない、また、反応温度が35
0℃よりも高いと一次縮合物の熱分解による発泡が起き
るため好ましくない。
【0015】本発明の一次縮合物を作るときの圧力は、
通常0〜100kg/cm2 −G、好ましくは2〜70
kg/cm2 −G、より好ましくは5〜60kg/cm
2 −Gに保つように操作される。
【0016】本発明の一次縮合物の吐出は、水蒸気加圧
下で行うことが必要である。水蒸気圧力は、特に定めな
いが、好ましくは0を越えて70kg/cm2 −Gの範
囲、より好ましくは2〜60kg/cm2 −G、さらに
好ましくは5〜60kg/cm2 −Gに保つように操作
される。水蒸気圧力は、吐出の間保持されることが必要
で、重合槽内に水または水蒸気を供給し、吐出の間一定
の水蒸気圧力に保つか、または増圧しながら吐出を行う
ことが好ましい。系外から、定量ポンプで重合槽熱して
供給することが好ましい。加熱温度は好ましくは100
℃以上、より好ましくは150℃以上である。加熱温度
は、重合槽内圧力の飽和水蒸気温度であることが、重合
状態の安定性を保つ上でさらに好ましい。また、重合槽
内に系外から水蒸気を供給する場合は水蒸気発生用のボ
イラ−は重合槽内の圧力よりも高くする必要がある。
【0017】水蒸気加圧を行わない場合、例えば窒素の
加圧による場合などでは、吐出中に重合が進行し、吐出
が不安定になるため好ましくない。通常のポリアミド重
合ではモノマ−および塩中に含まれているト−タルCO
OH基量とト−タルNH2 基量が等量になるように原料
仕込みするのが一般的であるが、本発明では原料仕込時
にジカルボン酸成分またはジアミン成分を過剰にして、
末端カルボキシル基量または末端アミノ基量の多い一次
縮合物を作ることもできる。すなわち、構成成分モノマ
−のモル数と塩のジカルボン酸成分単位およびジアミン
成分単位のト−タルモル数に対して0〜10モル%過剰
にジカルボン酸成分またはジアミン成分を仕込むことが
できる。過剰のジカルボン酸成分としては特に限定され
ないが、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン
酸またはテレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカル
ボン酸等を挙げることができる。好ましくはイソフタル
酸、テレフタル酸であり、特に好ましくはテレフタル酸
である。過剰のジアミン成分としては、特に限定されな
いが、例えばテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミンなどの脂肪族ジアミンなどを挙げる事ができ
る。過剰のジカルボン酸またはジアミンの添加量は0〜
10モル%、好ましくは0.3〜10モル%、より好ま
しくは0.5〜8モル%、さらに好ましくは0.5〜7
モル%の範囲にあることが必要である。添加量が10モ
ル%よりも多くなると高重合度化が難しくなるので好ま
しくない。一次縮合物の重合度調節、高重合度化での重
合度調節を容易にするため、重合度調節剤の添加が有効
である。重合度調節剤としては、通常モノアミン化合
物、モノカルボン酸化合物が用いられるが、好ましくは
安息香酸、ステアリン酸であり、特に好ましくは安息香
酸である。重合度調節剤は、構成成分モノマ−のモル数
と塩のジカルボン酸成分単位およびジアミン成分単位の
ト−タルモル数に対し0〜0.1倍モル、好ましくは
0.0001〜0.05倍モル用いられる。
【0018】本発明の一次縮合物の相対粘度(ηr)は
1.04〜2.5であることが必要であり、好ましくは
1.08〜2.3、より好ましくは1.08〜2.1の
範囲であることが必要である。相対粘度(ηr)が1.
04未満の場合、溶融高重合度化の重合時間が長くな
り、また相対粘度が2.5よりも大きいと一次縮合物の
溶融粘度が高くなりすぎ吐出不良を引き起こすので好ま
しくない。
【0019】本発明の一次縮合物を造る装置については
特に制限がなく、バッチ反応釜または、1〜3槽式の連
続反応装置など公知のものを使用できる。
【0020】本発明の一次縮合物を高重合度化する方法
としては、溶融機を用いる方法、固相重合する方法、溶
融機、固相重合機を併用する方法などを用いることがで
きる。溶融機を用いる場合、溶融温度は一次縮合物の融
点よりも10〜70℃高い範囲が好ましい。また6T含
有量が多く融点の高い一次縮合物を用いる場合、ポリマ
の熱分解や熱劣化を防ぐため上限温度を370℃以下に
する必要がある。溶融押出機としては、押出機、ニ−ダ
−を用いることができるが二軸スクリュ−押出機、二軸
ニ−ダ−が好ましい。
【0021】溶融機での滞留時間は特に定めないが、好
ましくは20秒以上、特に好ましくは30秒以上であ
る。滞留時間が短いと有効に高重合度化が進まないため
好ましくない。滞留時間を長くし高重合度化を進めるに
は、溶融機を2台以上直列でつなぐのも有効である。リ
ン系触媒は高重合度化に有効であり、必要に応じて添加
しても良い。
【0022】高重合度化したポリマは必要に応じ固相重
合してさらに重合度を上げることもできる。
【0023】本発明の一次縮合物を固相重合する方法と
しては不活性ガス存在下で加圧または常圧でする方法、
または、減圧下でする方法、あるいはこれらを任意に組
み合わせることもできる。固相重合温度は150℃〜融
点以下であることが必要であり、好ましくは200℃〜
融点−10℃、さらに好ましくは220℃〜融点−15
℃である。固相重合温度が150℃よりも低いと反応速
度が遅くなり好ましくない。固相重合時間は通常の成形
品に使用されるコポリアミドの相対粘度になるまで任意
の時間を選ぶことができる。本発明の固相重合装置につ
いては特に制限がなく、公知のいずれの方法も使用する
ことができる。固相重合装置の具体例としてはニ−ダ
−、二軸パドル式、塔式、回転ドラム式およびダブルコ
−ン型の固相重合装置などが挙げられる。
【0024】本発明で得られるポリアミド樹脂には充填
剤を添加することができる。充填剤とは、ガラス製の繊
維あるいはビ−ズ、タルク、カオリン、ウオラストナイ
ト、マイカ、シリカ、アルミナ、ケイソウ土、クレ−、
セッコウ、ベンガラ、グラファイト、二酸化チタン、酸
化亜鉛、銅、ステンレスなどの粉状または板状の無機系
化合物、他のポリマ−繊維(炭素繊維)などであり、好
ましくはガラス繊維である。ガラス繊維として特に好ま
しいのは直径3〜20μm程度の連続長繊維のストラン
ドから作られたガラスロ−ビング、ガラスチョプドスト
ランド、ガラス糸などである。かかる充填剤の配合割合
は通常、該ポリアミド100重量部に対して0〜200
重量部の範囲であり、好ましくは0を越えて150重量
部の範囲、とくに好ましくは10〜100重量部であ
る。充填剤の配合割合が200重量部を越えると、溶融
時の流動性が悪くなり、薄肉成形品を射出成形する事が
困難となるばかりでなく、成形品外観が悪くなるので好
ましくない。
【0025】本発明の結晶性コポリアミドに充填剤を配
合する方法については特に制限がなく、公知のいずれの
方法も使用することができる。配合方法の具体例として
は結晶性コポリアミドのペレットに充填剤をドライブレ
ンドし、これを単軸スクリュ−または二軸スクリュ−押
出機で溶融混練する方法などが挙げられる。溶融機で高
重合度化する場合、溶融機の途中から充填剤を添加する
方法が生産効率が高く好ましい。
【0026】本発明において、一次縮合物を作るとき、
溶融高重合度化、コンパウンドあるいは成形工程など、
必要に応じて触媒、耐熱安定剤、耐候性安定剤、可塑
剤、離形剤、滑剤、結晶核剤、顔料、染料、他の重合体
などを添加することができる。これらの添加剤として
は、耐熱安定剤(ヒダ−ドフェノ−ル系、ヒドロキノン
系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ヨウ化銅、
ヨウ化カリウムなど)、耐候性安定剤(レゾルシノ−ル
系、サリシレ−ト系、ベンゾトリアゾ−ル系、ベンゾフ
ェノン系、ヒンダ−ドアミン系など)、離型剤および滑
剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハ−
フエステル、ステアリルアルコ−ル、ステアラミド、各
種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックスな
ど)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カ−ボ
ンブラックなど)、および染料(ニグロシンなど)、他
の重合体(他のポリアミド、ポリエステル、ポリカ−ボ
ネ−ト、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレンスル
フィド、液晶ポリマ−、ポリエ−テルスルフォン、AB
S樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレエフ
ィン共重合体、アイオノマ−樹脂、SBS,SEBSな
ど)を挙げる事ができる。
【0027】添加剤のコンパウンドは、生産性の点か
ら、溶融機において高重合度化と同時あるいは連続で行
うのがより好ましい。
【0028】ポリアミド樹脂の色調改善には、酸化防止
剤の添加が有効であり、特に次亜リン酸ソ−ダおよびヒ
ンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤の添加が好ましい。次
亜リン酸ソ−ダは、一次縮合物の高重合度化促進にも有
効である。
【0029】本発明のポリアミド樹脂は、スイッチ類、
超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッチの
ハウジング、ランプソケット、結束バンド、コネクタ、
コネクタのハウジング、コネクタのシェル、ICソケッ
ト類、コイルボビン、ボビンカバ−、リレ−、リレ−ボ
ックス、コンデンサ−ケ−ス、モ−タ−の内部部品、小
型モ−タ−ケ−ス、ギヤ・カム、ダンシングプ−リ−、
スペ−サ−、インシュレ−タ−、ファスナ−、バック
ル、ワイヤ−クリップ、自転車用ホイ−ル、キャスタ
−、ヘルメット、端子台、電動工具のハウジング、スタ
−タ−の絶縁部分、スポイラ−、キャニスタ−、ラジエ
タ−タンク、チャンバ−タンク、リザ−バ−タンク、フ
ュ−ズボックス、エア−クリ−ナ−ケ−ス、エアコンフ
ァン、タ−ミナルのハウジング、ホイ−ルカバ−、吸排
気パイプ、ベアリングリテナ−、シリンダ−ヘッドカバ
−、インテ−クマニホ−ルド、ウオ−タ−パイプインペ
ラ、エンジンロ−ルダンパ−、クラッチレリ−ズ、スピ
−カ−振動板、耐熱容器、電子レンジ部品、炊飯器部
品、プリンタ−リボンガイドなどに代表される電気・電
子関連部品、自動車・車両関連部品、家庭・事務電気製
品部品、コンピュ−タ−関連部品、ファクシミリ・複写
機関連部品、機械関連部品、その他各種用途に有効であ
る。
【0030】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例および比較例中の諸特性は次の方
法で測定した。 1)融点(Tm) DSC(PERKIN-ELMER7 型)を用い、サンプル8〜10
mgを昇温速度20℃/minで測定して得られた融解
曲線の最大値を示す温度を(T)とする。サンプル8〜
10mgを昇温速度20℃/minで加熱しT+20℃
で5分間保持し、次に、20℃/minの降温速度で3
0℃まで冷却し、30℃で5分間保持した後、再び20
℃/minの昇温速度でT+20℃まで加熱する。この
時の融解曲線の最大値を融点(Tm)とした。 2)相対粘度(ηr) JIS K6810に従って、サンプル1gを98%濃
硫酸100mlに溶解し、25℃の相対粘度を測定し
た。
【0031】実施例1 ヘキサメチレンアンモニウムアジペ−ト(66塩)9.
00kg、テレフタル酸6.72kg、ヘキサメチレン
ジアミンの64.5wt%水溶液7.02kgおよびイ
オン交換水6.40kgを0.10m3 のバッチ式加圧
重合釜に仕込み(ジアミン成分単位およびジカルボン酸
成分単位のト−タルモル数に対して1モル%テレフタル
酸を過剰仕込み)、窒素置換を充分行った後、加熱を続
けた。撹拌下3.5hrかけて255℃に昇温、重合圧
力を40kg/cm2 −Gとした。さらに30min間
255℃〜260℃で維持し反応を完結させた。吐出は
イオン交換水を定量ポンプにより、3l/hの割合で供
給し、水蒸気圧を40kg/cm2 −Gに保持しなが
ら、1時間かけて行った。この一次縮合物の粘度はηr
=1.3、融点は287℃の一次縮合物であった。得ら
れた一次縮合物を100℃で24hr真空乾燥した後、
30mmφのベント式二軸押出機で滞留時間200秒、
最高樹脂温度325℃で溶融高重合度化した。ポリマ粘
度ηr=2.5、ポリマ融点298℃の白色ペレットを
得た。一次縮合物の吐出は安定しており、最終的に高分
子量(ηr)、高融点のポリアミドを得ることができ
た。結果を表1に示す。
【0032】実施例2 テレフタル酸8.76kg,ヘキサメチレンジアミンの
64.5wt%水溶液8.93kg、ε−カプロラクタ
ム6.00kgおよびイオン交換水6.66kgを0.
10m3 のバッチ式加圧重合釜に仕込み(モノマ−およ
びジカルボン酸成分、ジアミン成分のト−タルモル数に
対して2モル%テレフタル酸を過剰仕込み)、窒素置換
を充分行った後、加熱を続けた。撹拌下5hrかけて2
70℃に昇温し重合圧力を40kg/cm2 −Gとした
後、さらに270℃〜275℃で30min間反応を完
結させた。吐出はイオン交換水を定量ポンプにより、2
l/hの割合で供給し、水蒸気圧を45kg/cm2
Gに保持しながら1時間かけて行った。得られた一次縮
合物の融点は300℃、ηrは1.5の一次縮合物であ
った。この一次縮合物を表1に示した条件の他は実施例
1の方法で溶融高重合度化した。一次縮合物の吐出は安
定しており、最終的に高分子量(ηr)、高融点のポリ
アミドを得ることができた。結果を表1に示す。
【0033】実施例3〜6 実施例1の方法に従って原料仕込量、および吐出時の水
蒸気圧などを変えて評価した結果を表1に示す。
【0034】実施例1〜6の方法では、いずれも吐出は
安定しており、高重合度、高融点のポリアミド樹脂が得
られた。
【0035】比較例1〜2 一次縮合物の相対粘度が本願を外れたものにつき、表1
に示す条件の他は実施例1と同様の方法で行った。一次
縮合物のηrが低いもの(比較例1)は、十分な高重合
度化が達成されず、一方、ηrが高いもの(比較例2)
は、一次縮合物の吐出が安定しなかった。
【0036】比較例3 一次縮合物の吐出時水蒸気圧を0kg/cm2 −Gとし
たものにつき、表1に示す条件の他は実施例1と同様の
方法で行った。一次縮合物の吐出は窒素圧で行ったが、
吐出開始直後から不安定となり約2分で一次縮合物が全
く吐出しなくなった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によって熱変形温度が高い
結晶性コポリアミドを、容易にかつ安定して製造するこ
とができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/36

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレフタル酸アミド構造を含有する結晶性
    コポリアミドを製造するに当たって、150℃〜350
    ℃の条件下で一次縮合物を合成し、次いで水または水蒸
    気を供給しながら該一次縮合物を水蒸気加圧下で吐出
    し、1%硫酸溶液の25℃における相対粘度(ηr)が
    1.04〜2.5の一次縮合物を得た後、さらに高重合
    度化することを特徴とするポリアミド樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】テレフタル酸アミド構造が下記反復単位
    (I)であることを特徴とする請求項1記載のポリアミ
    ド樹脂の製造方法。 【化1】
  3. 【請求項3】該ポリアミド樹脂が反復単位(I)の構造
    を20〜90重量%含有するものであることを特徴とす
    る請求項2記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】該ポリアミド樹脂の融点が230〜340
    ℃の範囲にあるものであることを特徴とする請求項1〜
    3いずれかに記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】該ポリアミド樹脂が、下記構造式(II)〜
    (IV)から選ばれる1種類以上の反復単位を有すること
    を特徴とする請求項2〜4いずれかに記載のポリアミド
    樹脂の製造方法。 【化2】 【化3】 【化4】
  6. 【請求項6】 該ポリアミド樹脂における反復単位の比
    率が、重量比で(I)/(II)=55/45〜80/2
    0または(I)/(III )=20/80〜80/20ま
    たは(I)/(IV)=45/55〜90/10であるこ
    とを特徴とする請求項5記載のポリアミド樹脂の製造方
    法。
  7. 【請求項7】一次縮合物の吐出における水蒸気加圧の圧
    力が0を超え、70kg/cm2 −G以下であることを特
    徴とする請求項1〜6記載のポリアミド樹脂の製造方
    法。
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