JPH06287300A - ポリアミド樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂の製造方法

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JPH06287300A
JPH06287300A JP7358093A JP7358093A JPH06287300A JP H06287300 A JPH06287300 A JP H06287300A JP 7358093 A JP7358093 A JP 7358093A JP 7358093 A JP7358093 A JP 7358093A JP H06287300 A JPH06287300 A JP H06287300A
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JP
Japan
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unit
polymerization
primary condensate
hexamethylene
iii
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Application number
JP7358093A
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English (en)
Inventor
Koji Onishi
功治 大西
Masaaki Iwamoto
正聰 岩元
Kazuhiko Kominami
一彦 小南
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ヘキサメチレンテレフタラミド単位と(1)ヘ
キサメチレンイソフタラミド単位、(2)ヘキサメチレ
ンアジパミド単位および(3)カプロアミド単位から選
ばれたいずれかの単位からなる結晶性コポリアミドを製
造するに当たって、ジカルボン酸成分またはジアミン成
分を構成成分モノマーのモル数と塩のジカルボン酸成分
単位およびジアミン成分単位のトータルモル数に対し
0.3〜10モル%過剰に仕込み、1%硫酸溶液の25
℃における相対粘度(ηr)が1.6を越え2.5以下
の一次縮合物を造り、次いで該一次縮合物を高重合度化
することを特徴とするポリアミド樹脂の製造方法。 【効果】本発明の製造方法を用いることにより、耐熱性
のよい結晶性コポリアミド樹脂を容易に製造することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は構成成分単位のモノマー
または塩の水溶液から一次縮合物をつくり、これを高重
合度化するポリアミド樹脂の製造方法に関し、特に自動
車部品、電気・電子部品として適したポリアミド樹脂の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドはエンジニアリングプラスチ
ックとしての優れた特性を利用して、自動車分野、電気
・電子分野等で幅広く使用されてきている。
【0003】従来、これらの成形品はガラス繊維で強化
したナイロン6、ナイロン66が使用されてきたが(特
開昭59−161461号公報)、近年の技術革新によ
る自動車のエンジンルームの温度上昇やマイクロエレク
トロニクスの進展に伴い、さらに高温雰囲気下での使用
に耐え得る極薄肉成形品の材料が要求されてきた。しか
しながら、ナイロン6やナイロン66の融点(Tm)は
それぞれ220℃、260℃でありガラス繊維で強化し
た場合でも熱変形温度の限界はそれぞれ融点どまりであ
る。
【0004】最近、これらの高温雰囲気下での使用に耐
え得るコポリアミド樹脂組成物として、テレフタル酸お
よびイソフタル酸含有コポリアミド樹脂組成物、または
それらのガラス繊維強化品が数多く提案されている(特
開昭59−161428号公報、特開昭59−1554
26号公報、特開昭59−53536号公報、特開昭6
2−156130号公報) 。製造法としては、ナイロン
塩より重合物に至るまで固体状態で重合反応させる方法
などが提案されている(特開昭62−20527号公
報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のテレフタル酸、イソフタル酸含有のコポリアミド樹脂
組成物はテレフタル酸成分単位が多くなると溶融粘度が
高くなり通常の溶融重合法では吐出不可能だったり、ポ
リマ融点がポリマの熱分解温度に近いため溶融重合時に
分解や劣化を起こしたりしていた。また、ナイロン塩よ
り重合物に至るまで固体状態で重合反応させる方法は、
重合物の組成が安定しないなどの問題がある。よって本
発明は、高温雰囲気下での使用に充分耐え得る高い剛性
と高い熱変形温度を有し、安価でかつ流動性の良いポリ
アミド樹脂を安定して製造することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の状況に鑑み本発明
者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した
結果、末端カルボキシル基量または末端アミノ基量の多
い一次縮合物を作り、該一次縮合物を高重合度化するこ
とによって効率よく、安定した高重合度化ポリマを得る
ことを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明
は、 (1)反復単位 (I)下記構造単位で表わされるヘキサメチレンテレフ
タルアミド単位、
【化5】 および下記反復単位(II)〜(IV)から選ばれるいずれ
かの単位、(II)下記構で表わされるヘキサメチレンイ
ソフタルアミド単位、
【化6】 (III )下記構造単位で表わされるヘキサメチレンアジ
パミド単位、
【化7】 (IV)下記構造単位で表わされるカプロアミド単位、
【化8】 からなり、共重合比率が重量比で(I)/(II)=55
/45〜80/20または(I)/(III )=20/8
0〜80/20または(I)/(IV)=55/45〜9
0/10の範囲にある結晶性コポリアミドを製造するに
当たって、(I)〜(IV)のモノマ−とジカルボン酸成
分、ジアミン成分のト−タルモル数に対して0〜10モ
ル%のジカルボン酸成分またはジアミン成分を過剰に仕
込み、150℃〜350℃の条件下で、1%硫酸溶液の
25℃における相対粘度(ηr)が1.6を越え2.5
以下の一次縮合物をつくり、次いで該一次縮合物を高重
合度化することを特徴とするポリアミド樹脂の製造方法
である。
【0007】本発明の結晶性コポリアミドとは(I)ヘ
キサメチレンテレフタルアミド単位と(II)ヘキサメチ
レンイソフタルアミド単位、(III )ヘキサメチレンア
ジパミド単位および(IV)カプロアミド単位から選ばれ
るいずれかの単位とから形成される共重合ポリアミドで
あり、(I)/(II)の共重合比率が重量比で55/4
5〜80/20、(以下、6T/6Iコポリアミドとい
う)または(I)/(III )の共重合比率が重量比で2
0/80〜80/20(以下、6T/66コポリアミド
という)。または(I)/(IV)の共重合比率が重量比
で55/45〜90/10(以下、6T/6コポリアミ
ドという)の範囲のものをいう。
【0008】本発明によれば、6T/6Iの共重合比率
が55/45〜80/20、好ましくは60/40〜8
0/20、より好ましくは60/40〜70/30の範
囲にあることが必要である。また、6T/66の共重合
比率が20/80〜80/20、好ましくは35/65
〜70/30、より好ましくは40/60〜60/40
の範囲にあることが必要である。また、6T/6の共重
合比率が55/45〜90/10、好ましくは60/4
0〜85/15、より好ましくは60/40〜80/2
0の範囲にあることが必要である。ここでいう6T/6
I、6T/66および6T/6コポリアミドの共重合比
率はポリマ融点が、おおよそ270℃〜340℃の範囲
にある結晶性コポリアミドに関するものである。6T/
6I、6T/66および6T/6の共重合比率がそれぞ
れ40/60、20/80、55/45よりも少ないと
ポリマ融点が低下するために、熱変形温度などの耐熱性
が低下するので好ましくない。また、6T/6I、6T
/66および6T/6の共重合比率がそれぞれ80/2
0、80/20、90/10よりも多いとポリマ融点が
高くなり耐熱性は向上するが、加工温度が高くなりポリ
マが熱分解を起こすので好ましくない。結晶性コポリア
ミドの重合度については特に制限がなく、通常1%硫酸
溶液の25℃における相対粘度(ηr)が2.0〜5.
0にあるものを任意に用いることができる。
【0009】本発明の150℃〜350℃の条件下でつ
くる一次縮合物は、ヘキサメチレンジアミン、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、アジピン酸、ε−カプロラクタム
などのモノマー、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル
酸またはイソフタル酸、アジピン酸との塩の水溶液、水
溶液の濃縮物および塩の一種以上を、ナイロン66など
の重合に通常用いられる加圧重合釜に仕込み、撹拌条件
下で150℃〜350℃に加熱する。反応温度は150
℃〜350℃にする必要があり、好ましくは180℃〜
340℃、さらに好ましくは190℃〜330℃であ
る。反応温度が150℃よりも低いと反応時間が長くな
り好ましくない、また、反応温度が350℃よりも高い
と一次縮合物の熱分解による発泡が起きるため好ましく
ない。
【0010】本発明の低次縮合物をつくるときの圧力
は、通常0〜100kg/cm2−G、好ましくは2〜
70kg/cm2−G、より好ましくは5〜60kg/
cm2−Gに保つように操作される。一次縮合物は少量
の水の存在により、顕著な凝固点降下を与えるために、
150℃〜350℃の温度で溶融状態のまま重合釜から
吐出する事ができる。
【0011】本発明の末端カルボキシル基量または末端
アミノ基量の多い一次縮合物とは通常のポリアミド重合
ではモノマ−および塩中に含まれているトータルCOO
H基量とトータルNH2 基量が等量になるように原料仕
込みするのが一般的であるが、本発明では原料仕込時に
ジカルボン酸成分またはジアミン成分を過剰にして、末
端カルボキシル基量または末端アミノ基量の多い一次縮
合物を積極的に作ることに主眼を置いたものであり、構
成成分モノマーのモル数と塩のジカルボン酸成分単位お
よびジアミン成分単位のトータルモル数に対して0〜1
0モル%過剰にジカルボン酸成分またはジアミン成分を
仕込むことを意味する。過剰のジカルボン酸成分として
は特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸等の脂
肪族ジカルボン酸またはテレフタル酸、イソフタル酸等
の芳香族ジカルボン酸等を挙げることができる。好まし
くはイソフタル酸、テレフタル酸であり、特に好ましく
はテレフタル酸である。過剰のジアミン成分としては、
特に限定されないが、例えばテトラメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンなどを挙
げる事ができる。過剰のジカルボン酸またはジアミンの
添加量は0〜10モル%、好ましくは0.3〜10モル
%、より好ましくは0.5〜8モル%、さらに好ましく
は0.5〜7モル%の範囲にあることが必要である。添
加量が、10モル%よりも多くなると高重合度化が難し
くなるので好ましくない。一次縮合物の重合度調節、高
重合度化での重合度調節を容易にするため、重合度調節
剤の添加が有効である。重合度調節剤としては、通常モ
ノアミン化合物、モノカルボン酸化合物が用いられる
が、好ましくは安息香酸、ステアリン酸であり、特に好
ましくは安息香酸である。重合度調節剤は、構成成分モ
ノマーのモル数と塩のジカルボン酸成分単位およびジア
ミン成分単位のトータルモル数に対し0〜0.1倍モ
ル、好ましくは0.0001〜0.05倍モル用いられ
る。
【0012】本発明の一次縮合物の相対粘度(ηr)は
1.6を越えて2.5以下であることが必要であり、好
ましくは1.6を越えて2.3以下、より好ましくは
1.6を越えて2.1以下の範囲であることが必要であ
る。相対粘度(ηr)が1.6以下の場合、溶融高重合
度化の重合時間が長くなり、また、相対粘度が2.5よ
りも大きいと一次縮合物の溶融粘度が高くなりすぎ吐出
不良を引き起こすので好ましくない。
【0013】本発明の一次縮合物を造る装置については
特に制限がなく、バッチ反応釜または、1〜3槽式の連
続反応装置など公知のものを使用できる。
【0014】本発明の一次縮合物を高重合度化する方法
としては、溶融機を用いる方法、固相重合する方法、溶
融機、固相重合機を併用する方法などを用いることがで
きる。溶融機を用いる場合、溶融温度は一次縮合物の融
点よりも10〜70℃高い範囲が好ましい。また6T含
有量が多く融点の高い一次縮合物を用いる場合、ポリマ
の熱分解や熱劣化を防ぐため上限温度を370℃以下に
する必要がある。溶融押出機としては、押出機、ニーダ
ーを用いることができるが二軸スクリュー押出機、二軸
ニーダーが好ましい。
【0015】溶融機での滞留時間は特に定めないが、好
ましくは20秒以上、特に好ましくは30秒以上であ
る。滞留時間が短いと有効に高重合度化が進まないため
好ましくない。滞留時間を長くし高重合度化を進めるに
は、溶融機を2台以上直列でつなぐのも有効である。リ
ン系触媒は高重合度化に有効であり、必要に応じて添加
しても良い。
【0016】高重合度化したポリマは必要に応じ固相重
合してさらに重合度を上げることもできる。
【0017】本発明の一次縮合物を固相重合する方法と
しては不活性ガス存在下で加圧または常圧でする方法、
または、減圧下でする方法、あるいはこれらを任意に組
み合わせることもできる。固相重合温度は150℃〜融
点以下であることが必要であり、好ましくは200℃〜
融点−10℃、さらに好ましくは220℃〜融点−15
℃である。固相重合温度が150℃よりも低いと反応速
度が遅くなり好ましくない。固相重合時間は通常の成形
品に使用されるコポリアミドの相対粘度になるまで任意
の時間を選ぶことができる。本発明の固相重合装置につ
いては特に制限がなく、公知のいずれの方法も使用する
ことができる。固相重合装置の具体例としてはニーダ
ー、二軸パドル式、塔式、回転ドラム式およびダブルコ
ーン型の固相重合装置などが挙げられる。
【0018】本発明で得られるポリアミド樹脂には充填
剤を添加することができる。充填剤とは、ガラス製の繊
維あるいはビーズ、タルク、カオリン、ウオラストナイ
ト、マイカ、シリカ、アルミナ、ケイソウ土、クレー、
セッコウ、ベンガラ、グラファイト、二酸化チタン、酸
化亜鉛、銅、ステンレスなどの粉状または板状の無機系
化合物、他のポリマー繊維(炭素繊維)などであり、好
ましくはガラス繊維である。ガラス繊維としては熱可塑
性樹脂や熱硬化性樹脂などの補強剤として一般にガラス
繊維が用いられるが、特に好ましいのは直径3〜20μ
m程度の連続長繊維のストランドから作られたガラスロ
−ビング、ガラスチョップドストランド、ガラス糸など
である。かかる充填剤の配合割合は該ポリアミド100
重量部に対して0〜200重量部の範囲にあることが必
要であり、好ましくは0を越えて150重量部の範囲、
とくに好ましくは10〜100重量部である。充填剤の
配合割合が200重量部を越えると、溶融時の流動性が
悪くなり、薄肉成形品を射出成形する事が困難となるば
かりでなく、成形品外観が悪くなるので好ましくない。
【0019】本発明の結晶性コポリアミドに充填剤を配
合する方法については特に制限がなく、公知のいずれの
方法も使用することができる。配合方法の具体例として
は結晶性コポリアミドのペレットに充填剤をドライブレ
ンドし、これを単軸スクリューまたは二軸スクリュー押
出機で溶融混練する方法などが挙げられる。溶融機で高
重合度化する場合、溶融機の途中から充填剤を添加する
方法が生産効率が高く好ましい。
【0020】本発明において、一次縮合物を作るとき、
溶融高重合度化、コンパウンドあるいは成形工程など、
必要に応じて触媒、耐熱安定剤、耐候性安定剤、可塑
剤、離形剤、滑剤、結晶核剤、顔料、染料、他の重合体
などを添加することができる。これらの添加剤として
は、耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノ
ン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ヨウ化
銅、ヨウ化カリウムなど)、耐候性安定剤(レゾルシノ
ール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベン
ゾフェノン系、ヒンダードアミン系など)、離型剤およ
び滑剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、その
ハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド
およびポリエチレンワックスなど)、顔料(硫化カドミ
ウム、フタロシアニン、カーボンブラックなど)、およ
び染料(ニグロシンなど)、他の重合体(他のポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレン
エーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、
ポリエーテルスルフォン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポ
リスチレン、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン・α−オレエフィン共重合体、アイオノ
マー樹脂、SBS,SEBSなど)を挙げる事ができ
る。
【0021】添加剤のコンパウンドは、生産性の点か
ら、溶融機において高重合度化と同時あるいは連続で行
うのがより好ましい。
【0022】ポリアミド樹脂の色調改善には、酸化防止
剤の添加が有効であり、特に次亜リン酸ソーダおよびヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤の添加が好ましい。次
亜リン酸ソーダは、一次縮合物の高重合度化促進にも有
効である。
【0023】本発明のポリアミド樹脂は、スイッチ類、
超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッチの
ハウジング、ランプソケット、結束バンド、コネクタ、
コネクタのハウジング、コネクタのシェル、ICソケッ
ト類、コイルボビン、ボビンカバー、リレー、リレーボ
ックス、コンデンサーケース、モーターの内部部品、小
型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシングプーリー、
スペーサー、インシュレーター、ファスナー、バック
ル、ワイヤークリップ、自転車用ホイール、キャスタ
ー、ヘルメット、端子台、電動工具のハウジング、スタ
ーターの絶縁部分、スポイラー、キャニスター、ラジエ
タータンク、チャンバータンク、リザーバータンク、フ
ューズボックス、エアークリーナーケース、エアコンフ
ァン、ターミナルのハウジング、ホイールカバー、吸排
気パイプ、ベアリングリテナー、シリンダーヘッドカバ
ー、インテークマニホールド、ウオーターパイプインペ
ラ、クラッチレリーズ、スピーカー振動板、耐熱容器、
電子レンジ部品、炊飯器部品、プリンターリボンガイド
などに代表される電気・電子関連部品、自動車・車両関
連部品、家庭・事務電気製品部品、コンピューター関連
部品、ファクシミリ・複写機関連部品、機械関連部品、
その他各種用途に有効である。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例および比較例中の諸特性は次の方
法で測定した。
【0025】1)融点(Tm) DSC(PERKIN-ELMER7 型)を用い、サンプル8〜10
mgを昇温速度20℃/minで測定して得られた融解
曲線の最大値を示す温度を(T)とする。サンプル8〜
10mgを昇温速度20℃/minで加熱しT+20℃
で5分間保持し、次に、20℃/minの降温速度で3
0℃まで冷却し、30℃で5分間保持した後、再び20
℃/minの昇温速度でT+20℃まで加熱する。この
時の融解曲線の最大値を融点(Tm)とした。
【0026】2)コポリアミドの末端基濃度[NH2 ] コポリアミド1gを100mlのフェノール/エタノー
ル(50/50wt比)混合溶媒に溶かし、1/50N
の塩酸水溶液で滴定して求めた。
【0027】3)コポリアミドの末端基濃度[COOH] コポリアミド0.5gを50mlの熱ベンジルアルコー
ルに溶かし、1/50N−KOHのメタノール溶液で滴
定して求めた。
【0028】4)引張り強度 ASTM−D638に準じて測定した。
【0029】5)曲げ強度 ASTM−D790に準じて測定した。
【0030】6)曲げ弾性率 ASTM−D790に準じて測定した。
【0031】7)Izod衝撃強度 ASTM−D256に準じて測定した。 8)熱変形温度(HDT) ASTM−D648、荷重4.6kgf/cm2 と荷重
18.6kgf/cm2 に準じて測定した。
【0032】実施例1 ヘキサメチレンアンモニウムアジペート(66塩)9.
00kg,テレフタル酸6.72kg、ヘキサメチレン
ジアミンの64.5wt%水溶液7.02kgおよびイ
オン交換水6.40kgを0.10m3 のバッチ式加圧
重合釜に仕込み(ジアミン成分単位およびジカルボン酸
成分単位のトータルモル数に対して1モル%テレフタル
酸を過剰仕込み)、窒素置換を充分行った後、水蒸気圧
18kg/cm2 -Gの加圧下で加熱を続けた。撹拌下
3.5hrかけて295℃に昇温した後、さらに30m
in間295℃〜300℃で維持し反応を完結させた
後、重合釜底部から差圧18kg/cm2 -Gで一次縮合
物を水中に吐出した。この一次縮合物の粘度はηr=
1.7、融点は298℃の一次縮合物であった。得られ
た一次縮合物を100℃で24hr真空乾燥した後、酸
化防止剤イルガノックス1098(チバ・ガイギー社製
酸化防止剤)を0.2重量部配合し、30mmφのベン
ト式二軸押出機で滞留時間100秒、最高樹脂温度32
5℃で溶融高重合度化した。ポリマ粘度ηr=2.6
0、ポリマ融点300℃の白色ペレットを得た。
【0033】このペレット100重量部に対して長さ3
mm×直径13μmのガラス繊維チョップドストランド
が43重量部になるように押出機のサイドフィーダーか
ら供給し溶融混合した。この混合物を射出成形機により
成形し、テストピースを作製した。得られたテストピー
スを評価した結果を表1に示す。
【0034】実施例2 テレフタル酸8.76kg,ヘキサメチレンジアミンの
64.5wt%水溶液8.93kg、ε−カプロラクタ
ム6.00kgおよびイオン交換水6.66kgを0.
10m3 のバッチ式加圧重合釜に仕込み(モノマーおよ
びジカルボン酸成分、ジアミン成分のトータルモル数に
対して2モル%テレフタル酸を過剰仕込み)、窒素置換
を充分行った後、水蒸気圧18kg/cm2 -Gの加圧下
で加熱を続けた。撹拌下5hrかけて295℃に昇温し
た後、さらに295℃〜300℃で30min間反応を
進行させた後、撹拌を止め重合缶底部から差圧18kg
/cm2 -Gで一次縮合物を抜きだした。得られた一次縮
合物の融点は301℃、ηrは1.7の一次縮合物であ
った。この一次縮合物を表1に示した条件の他は実施例
1の方法で溶融高重合度化し、コンパウンドおよび成形
をして評価した。結果を表1に示した。
【0035】実施例3〜5 実施例1の方法に従って原料仕込量、およびガラス繊維
添加量などを変えて評価した結果を表1に示す。
【0036】実施例1〜5の方法では、いずれも安定し
て高重合度のポリアミド樹脂が得られており、その成形
品物性も優れたものであった。
【0037】比較例1 テレフタル酸6.48kg、66塩9.00kg、ヘキ
サメチレンジアミンの64.5wt%水溶液7.02k
gおよびイオン交換水6.36kgを用いて、実施例1
の方法で一次縮合物を造った。この一次縮合物の粘度は
ηr=1.8、融点は301℃の一次縮合物であった。
得られた一次縮合物を100℃で24hr真空乾燥した
後、実施例1の方法で溶融高重合度化した。フィッシュ
アイが多く安定した重合度のものは得られなかった。
【0038】比較例2 テレフタル酸6.68kg、ヘキサメチレンジアミンの
64.5wt%水溶液6.38kg、ε−カプロラクタ
ム10.00kgおよびイオン交換水5.50kgを
0.10m3 のバッチ式加圧重合釜に仕込み(ジアミン
成分単位およびジカルボン酸成分単位のト−タルモル数
に対して3モル%テレフタル酸を過剰仕込み)、表1に
示した条件の他は実施例1の方法で一次縮合物を造っ
た。この一次縮合物の融点は251℃、ηr=1.7で
あった。この一次縮合物を100℃で24hr真空乾燥
した後、実施例1の方法に従って溶融高重合度化した。
得られたペレットの融点は252℃、ηr=2.8であ
った。
【0039】このペレットを用い実施例1の方法で評価
した結果を表1に示した。剛性および熱変形温度が低か
った。
【0040】比較例3〜4 一次縮合物の相対粘度が本願を外れたものにつき、表1
に示す条件の他は実施例1と同様の方法で行った。一次
縮合物のηrが低いもの(比較例3)は、十分な高重合
度化が達成されず、一方、ηrが高いもの(比較例4)
は、一次縮合物の吐出が安定しなかった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明で得られる結晶性コポリアミドは
剛性及び熱変形温度が高いばかりでなく、吸水性も低
く、成形性も良好であることから、特に自動車部品、電
気・電子部品用材料として適している。
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明によれば、6T/6Iの共重合比率
が55/45〜80/20、好ましくは60/40〜8
0/20、より好ましくは60/40〜70/30の範
囲にあることが必要である。また、6T/66の共重合
比率が20/80〜80/20、好ましくは35/65
〜70/30、より好ましくは40/60〜60/40
の範囲にあることが必要である。また、6T/6の共重
合比率が55/45〜90/10、好ましくは60/4
0〜85/15、より好ましくは60/40〜80/2
0の範囲にあることが必要である。ここでいう6T/6
I、6T/66および6T/6コポリアミドの共重合比
率はポリマ融点が、おおよそ270℃〜340℃の範囲
にある結晶性コポリアミドに関するものである。6T/
6I、6T/66および6T/6の共重合比率がそれぞ
55/45、20/80、55/45よりも少ないと
ポリマ融点が低下するために、熱変形温度などの耐熱性
が低下するので好ましくない。また、6T/6I、6T
/66および6T/6の共重合比率がそれぞれ80/2
0、80/20、90/10よりも多いとポリマ融点が
高くなり耐熱性は向上するが、加工温度が高くなりポリ
マが熱分解を起こすので好ましくない。結晶性コポリア
ミドの重合度については特に制限がなく、通常1%硫酸
溶液の25℃における相対粘度(ηr)が2.0〜5.
0にあるものを任意に用いることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】比較例 テレフタル酸6.68kg、ヘキサメチレンジアミンの
64.5wt%水溶液6.38kg、ε−カプロラクタ
ム10.00kgおよびイオン交換水5.50kgを
0.10m3 のバッチ式加圧重合釜に仕込み(ジアミン
成分単位およびジカルボン酸成分単位のト−タルモル数
に対して3モル%テレフタル酸を過剰仕込み)、表1に
示した条件の他は実施例1の方法で一次縮合物を造っ
た。この一次縮合物の融点は251℃、ηr=1.7で
あった。この一次縮合物を100℃で24hr真空乾燥
した後、実施例1の方法に従って溶融高重合度化した。
得られたペレットの融点は252℃、ηr=2.8であ
った。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】比較例2〜3 一次縮合物の相対粘度が本願を外れたものにつき、表1
に示す条件の他は実施例1と同様の方法で行った。一次
縮合物のηrが低いもの(比較例)は、十分な高重合
度化が達成されず、一方、ηrが高いもの(比較例
は、一次縮合物の吐出が安定しなかった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)反復単位 (I)下記構造単位で表わされるヘキサメチレンテレフ
    タルアミド単位、 【化1】 および下記反復単位(II)〜(IV)から選ばれるいずれ
    かの単位、 (II)下記構造単位で表わされるヘキサメチレンイソフ
    タルアミド単位、 【化2】 (III )下記構造単位で表わされるヘキサメチレンアジ
    パミド単位、 【化3】 (IV)下記構造単位で表わされるカプロアミド単位、 【化4】 からなり、共重合比率が重量比で(I)/(II)=55
    /45〜80/20または(I)/( III)=20/8
    0〜80/20または(I)/(IV)=55/45〜9
    0/10の範囲にある結晶性コポリアミドを製造するに
    当たって、(I)〜(IV)のモノマーとジカルボン酸成
    分、ジアミン成分のトータルモル数に対して0〜10モ
    ル%のジカルボン酸成分またはジアミン成分を過剰に仕
    込み、150℃〜350℃の条件下で、1%硫酸溶液の
    25℃における相対粘度(ηr)が1.6を越え2.5
    以下の一次縮合物をつくり、次いで、該一次縮合物を高
    重合度化することを特徴とするポリアミド樹脂の製造方
    法。
JP7358093A 1993-03-31 1993-03-31 ポリアミド樹脂の製造方法 Pending JPH06287300A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6107438A (en) * 1997-10-03 2000-08-22 M & S Research And Development Co., Ltd. Method of producing polyamide resin
JP2011012151A (ja) * 2009-07-01 2011-01-20 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリアミド樹脂の製造方法

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US6107438A (en) * 1997-10-03 2000-08-22 M & S Research And Development Co., Ltd. Method of producing polyamide resin
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