JP3458545B2 - ポリアミドの製造方法およびポリアミド重合用2軸押出機 - Google Patents

ポリアミドの製造方法およびポリアミド重合用2軸押出機

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JP3458545B2 JP19231595A JP19231595A JP3458545B2 JP 3458545 B2 JP3458545 B2 JP 3458545B2 JP 19231595 A JP19231595 A JP 19231595A JP 19231595 A JP19231595 A JP 19231595A JP 3458545 B2 JP3458545 B2 JP 3458545B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアミドの製造方
法およびポリアミド重合用2軸押出機に関するものであ
り、特に、効率的にポリアミドの重合度を上げる製造方
法およびポリアミド重合用2軸押出機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドはエンジニアリングプラスチ
ックとしての優れた特性を利用して、自動車分野、電気
・電子分野等で幅広く使用されている。
【0003】従来、ポリアミドの重合は、加圧重合槽に
よるバッチ重合、多段の反応槽による連続重合、また、
これらの方法と固相重合とを組み合せた重合などが行わ
れてきた。しかしながら、ポリアミドの高性能化に伴う
重合技術の開発、また、既存ポリアミドの生産性向上の
点から、さらに効率的にポリアミドの重合度を上げる製
造方法の開発が望まれていた。
【0004】最近、テレフタル酸を含有する高融点のポ
リアミドの重合方法として、一次縮合物を形成したのち
高重合度化する方法などが提案されている(特開昭60
−206827号公報など)。高重合度化工程として
は、長時間固相重合を行う方法(特開平2−41318
号公報)や押出機を用いて高温で高重合度化する方法
(特開平3−43417号公報、特開平3−17156
号公報、特開昭59−155433号公報、特開平5−
43681号公報)などが提案されている。
【0005】特に押出機を用いる方法では重合を高温で
行っており、熱劣化を抑える方法の開発が望まれてい
た。特開平3−43417号公報では、高重合度化時に
耐熱安定剤であるテトラキス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)−4,4’−ビフェニレンフォスホナイトが
用いられている。しかし、340〜345℃の条件で行
っていることから熱履歴の改善は不十分なものであっ
た。
【0006】特開平3−17156号公報および特開昭
59−155433号公報では、連続重合の高重合度化
に押出機を用いているが、押出時に「ガス抜きから出て
行くようにした」と記載されている他には、スクリュー
や強制脱気による熱履歴の低減策は示されていない。
【0007】特開平5−43681号公報では、リン酸
系化合物を高重合度化触媒として用い、重合速度を上げ
ているが、大気開放ベントを用いているため縮合水の脱
気などの本質的解決策は講じられていない。また反応の
滞留時間は長く、熱劣化の抑制は不十分である。
【0008】上記に示すとおり、効率的にポリアミドの
重合度を上げる製造方法の開発は種々試みられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の重合方法は重合時の熱履歴を低下させる本質的解決策
は取られておらず、効率的にポリアミドの重合度を上げ
る製造方法とはなっていない。したがって、本発明では
高重合度化過程の熱劣化を軽減し、効率的にポリアミド
の重合度を上げることによりポリマー本来の性能である
色調、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、耐
薬品性などを十分に発揮できるポリアミド樹脂の製造方
法およびポリアミド重合用2軸押出機を提供することを
課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の状況に鑑み本発明
者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した
結果、一次縮合物を高重合度化する過程において、剪断
や撹拌に有利なスクリューセグメントを用い、あるい
は、十分な真空脱気下で短時間で重合を行うことによ
り、高重合度化過程の熱履歴を軽減できるだけでなく、
ポリマー本来の性能を引き出せることを見出し本発明に
到達した。
【0011】すなわち、本発明は、押出機を用いた高重
合度化工程を有するポリアミドの製造方法において、高
重合度化工程が、 (1)「{スクリューの長さL}/{スクリューの最外
径D}が2以下のスクリューセグメントを含む2軸スク
リュー押出機を用いて、1%濃硫酸溶液の25℃におけ
る相対粘度を0.2以上上げる工程を含むことを特徴と
するポリアミドの製造方法。」 (2)「2軸スクリュー押出機を用いて、真空脱気を行
いながら式(I) の関係を満足する条件で、1%濃硫酸溶
液の25℃における相対粘度を0.2以上上げる工程で
あることを特徴とするポリアミドの製造方法。 t≦5000×Δηr/(T−280)--- (I) (t:滞留時間(秒),Δηr:高重合度化による相対
粘度の変化量)」、および (3)「{スクリューの長さL}/{スクリューの最外
径D}が2以下のスクリューセグメントを含む2軸スク
リュー押出機を用いて、真空脱気を行いながら式(I) の
関係を満足する条件で、1%濃硫酸溶液の25℃におけ
る相対粘度を0.2以上上げる高重合度化工程を含むこ
とを特徴とするポリアミドの製造方法。 t≦5000×Δηr/(T−280)--- (I) (t:滞留時間(秒),Δηr:高重合度化による相対
粘度の変化量)」である、ならびに、上記方法に使用さ
れる(4)「セグメントスクリューを有する2軸押出機
であって、{スクリューの長さL}/{スクリューの最
外径D}が2.0以下のスクリューセグメントを、押出
機のスクリュー全体のL/Dに対して10%以上含み、
かつ、順フルフライト以外のセグメントの合計のL/D
が3〜70%であることを特徴とするポリアミド重合用
2軸押出機。」からなる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のポリアミドは、アミド結
合を有するものであれば結晶性ポリアミドまたは非晶性
ポリアミドのいずれであってもよい。非晶性ポリアミド
としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸/脂肪族ジアミ
ンの共重合体、脂環族ジカルボン酸または/および脂環
族ジアミンを含む共重合体、イソフタル酸、メタキシレ
ンジアミンなどの芳香族基を含む共重合体などが挙げら
れる。結晶性ポリアミドとしては、たとえば、脂肪族結
晶性ポリアミド、半芳香族結晶性ポリアミドなどが挙げ
られる。なかでも半芳香族ポリアミドが本発明の効果が
顕著に発言するため好ましく用いられる。
【0013】脂肪族結晶性ポリアミドとしては、ε−カ
プロラクタム、ζ−エナントラクタム、η−カプリルラ
クタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム類などから
なるポリアミド、ナイロン66、ナイロン46などの脂
肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンからなるポリアミド
などが挙げられる。特に好ましくはヘキサメチレンアジ
パミド構造、または/および、カプロアミド構造を含有
する結晶性ポリアミドである。
【0014】また、半芳香族結晶性ポリアミドとして
は、脂肪族ジアミンとテレフタル酸とからなる構造を含
有するポリアミドが好ましく用いられる。また、半芳香
族結晶性ポリアミドの融点としては好ましくは230〜
340℃、さらに好ましくは270〜340℃であるも
のが用いられる。この範囲が好ましく利用されるのは、
融点が低い場合には、耐熱性を得ることができず、ま
た、融点が高すぎると、樹脂の加工の際に高温を要する
ため熱劣化などの問題があるためである。
【0015】半芳香族結晶性ポリアミドの脂肪族ジアミ
ンとしてはいずれであってもよいが、ポリアミドの融点
および吸水性などのバランスの点から炭素数4〜14の
脂肪族ジアミンが好ましい。その具体例としては、1,
4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,
6−ジアミノヘキサン,1,5−ジアミノ−2−メチル
ペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミ
ノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジア
ミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12
−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、
1,14−ジアミノテトラデカンなどの脂肪族アルキレ
ンジアミンである。その中では、炭素数6のものおよび
12のものが好ましく、炭素数6のもの、すなわち1,
6−ジアミノヘキサンがさらに好ましく用いられる。そ
の他、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジ
アミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカ
ン、1,18−ジアミノオクタデカン、ダイマー酸など
の炭素数15〜40の脂肪族ジアミンも用いることがで
きる。これらのジアミンは単独または2種以上用いるこ
ともできる。また、メタキシレンジアミン、パラキシレ
ンジアミン、フェニレンジアミンなどの芳香族ジアミン
類も併用することができる。
【0016】半芳香族結晶性ポリアミドの酸成分として
はテレフタル酸を含有するものが好ましく、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデ
カン二酸、ドデカン二酸、プラシリン酸、テトラデカン
二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸などの炭素
数2〜18の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸などと併用してもよい。特に好まし
くは、アジピン酸、イソフタル酸との併用である。ま
た、ラクタム類と併用することもできる。例えばε−カ
プロラクタム、ζ−エナントラクタム、η−カプリルラ
クタム、ω−ラウロラクタムなどであり、好ましくはε
−カプロラクタムである。
【0017】半芳香族結晶性ポリアミドに炭素数6の脂
肪族ジアミン成分を用いる場合には、構造単位(I)
【化9】 (ヘキサメチレンテレフタルアミド単位(以下6Tと示
す))、および構造単位(II)〜(IV)から選ばれる少
なくとも1種類の構造単位、
【化10】 (ヘキサメチレンアジパミド単位(以下66と示
す))、
【化11】 (ヘキサメチレンイソフタルアミド単位(以下6Iと示
す))、
【化12】 (カプロアミド単位(以下6と示す))からなる反復単
位を有している6T含有コポリアミドが好ましく用いら
れる。
【0018】上記6T含有コポリアミドにおいて、例え
ば2成分においては、6T/6Iでは共重合比率が重量
比で45/55〜80/20、好ましくは55/45〜
80/20、より好ましくは60/40〜75/25の
範囲で用いられる。また、6T/66では共重合比率が
重量比で20/80〜80/20、好ましくは30/7
0〜70/30、より好ましくは30/70〜60/4
0の範囲で用いられる。また、6T/6では共重合比率
が重量比で40/60〜90/10、好ましくは55/
45〜85/15、より好ましくは60/40〜80/
20の範囲で用いられる。これらの6T含有コポリアミ
ドの共重合比率はポリマ融点が、おおよそ230℃〜3
40℃の範囲にある結晶性コポリアミドに関するもので
ある。6T/6I、6T/66および6T/6の重量に
よる共重合比率がそれぞれ45/55、20/80、4
0/60よりも6T量が少ないと、耐熱性や吸水性の点
でポリアミドの特性が十分発揮されない。また、6T/
6I、6T/66および6T/6の共重合比率がそれぞ
れ80/20、80/20、90/10よりも6T量が
多いとポリマ融点が高くなり耐熱性は向上するが、加工
温度が高くなりポリマーが熱分解を起こしやすくなる。
66/6T/6Iなどの3成分以上の系も必要に応じて
選択して良い。
【0019】半芳香族結晶性ポリアミドに炭素数12の
ジアミンを用いる場合(以下、テレフタル酸との結合単
位を12Tと称する)には、テレフタル酸とのホモポリ
マや、ヘキサメチレンアジパミド単位、ドデカメチレン
アジパミド単位、ヘキサメチレンイソフタルアミド単
位、ドデカメチレンイソフタルアミド単位、ドデカメチ
レンイソフタルアミド単位、カプロアミド単位などの反
復単位が共重合された12T含有ポリアミドが好ましく
用いられる。
【0020】本発明の製造方法の目的物であるポリアミ
ドの重合度については特に制限がなく、通常1%濃硫酸
溶液の25℃における相対粘度(ηr)が1.8〜8.
0にあるものを任意に用いることができる。
【0021】本発明のリン系触媒は、重合反応の触媒機
能を有するものであり、たとえば、次亜リン酸塩、リン
酸塩、次亜リン酸、リン酸、リン酸エステル、ポリメタ
リン酸類、ポリリン酸類、ホスフィンオキサイド類、ホ
スホニウムハロゲン化合物などが好ましく、次亜リン酸
塩、リン酸塩、次亜リン酸、リン酸が特に好ましく用い
られる。次亜リン酸塩としては、たとえば、次亜リン酸
ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウ
ム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸アルミニウ
ム、次亜リン酸バナジウム、次亜リン酸マンガン、次亜
リン酸亜鉛、次亜リン酸鉛、次亜リン酸ニッケル、次亜
リン酸コバルト、次亜リン酸アンモニウムなどが好まし
く、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜
リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウムが特に好ま
しい。リン酸塩としては、たとえば、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カ
ルシウム、リン酸バナジウム、リン酸マグネシウム、リ
ン酸マンガン、リン酸鉛、リン酸ニッケル、リン酸コバ
ルト、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム
などが好ましい。リン酸エステルとしては、たとえば、
リン酸エチルオクタデシルなどが挙げられる。ポリメタ
リン酸類としては、たとえば、トリメタリン酸ナトリウ
ム、ペンタメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナ
トリウム、ポリメタリン酸などが挙げられる。ポリリン
酸類としては、たとえば、テトラポリリン酸ナトリウム
などが挙げられる。ホスフィンオキサイド類としては、
たとえば、ヘキサメチルホスホルアミドなどが挙げられ
る。
【0022】リン系触媒の添加量としては、該ポリアミ
ド100重量部に対して0.0001〜5重量部が好ま
しく、0.001〜1重量部がさらに好ましい。また、
添加時期は高重合度化までであればいつでもよいが、モ
ノマ仕込み時から、後述の一次縮合物合成工程の完了ま
での間であることが好ましい。また、たとえば、原料仕
込み時と濃縮工程完了時との両方で添加するような多数
回の添加をしてもよい。さらには、高重合度化時にさら
に追添加してもよい。
【0023】本発明の、押出機に供給される原料として
は、ポリアミドの一次縮合物が好ましく用いられる。こ
の1%濃硫酸溶液の25℃における相対粘度は、1.0
4〜2.5であることが好ましく、さらに好ましくは
1.08〜2.3、特に好ましくは1.08〜2.1の
範囲である。相対粘度が1.04未満の場合、溶融高重
合度化の重合時間が長くなり、また、相対粘度が2.5
を越えると一次縮合物の溶融粘度が高くなり、吐出不良
を起こすことがある。また、一次縮合物の水分率は0重
量%以上、20重量%以下、好ましくは10重量%以
下、さらに好ましくは5重量%以下である。20重量%
を越えると高重合度化の安定性が低下する。
【0024】一次縮合物を造る装置については特に制限
がなく、バッチ反応釜または、1〜3槽式の連続反応装
置など公知のものを使用できる。
【0025】一次縮合物重合工程は、撹拌条件下で15
0℃〜350℃の範囲の温度に加熱することによって行
われる。反応温度は150℃〜350℃にする必要があ
り、好ましくは180℃〜340℃、さらに好ましくは
190℃〜330℃である。反応温度が150℃よりも
低いと反応時間が長くなり好ましくない。また、反応温
度が350℃よりも高いとポリアミドの熱分解による発
泡が起きるため好ましくない。
【0026】次に、本発明の特徴である押出機およびそ
れを用いて高重合度化する方法について示す。
【0027】本発明における押出機は、L/Dが2以下
のスクリューセグメントを含む2軸スクリュー押出機で
あればいずれであってもよい。ここでLはスクリューセ
グメントの長さを表わし、Dは外径すなわちスクリュー
セグメントを回転させたときの最外径を表わしている。
L/Dが2以下のスクリューセグメントを用いることに
よって、短いL/Dのスクリューによって、シリンダ内
のポリマの状態を細かく制御することができ、高品質の
ポリアミドを得ることができる。
【0028】スクリューセグメントとしては樹脂送り用
のセグメントとミキシングセグメントなどがあり、樹脂
送り用のセグメントとしては順フルフライトセグメント
が好ましく用いられ、ミキシングセグメントとしてはロ
ータ、切欠きロータ、順ニーディング、直交ニーディン
グ、逆ニーディング、ニーディングニュートラル、ギア
ニーディング、パイナップルニーディング、ツイストニ
ーディング、逆フルフライト、切欠きフライトなどがあ
り、これらを1種あるいは2種以上組合わせて用いるの
が好ましい。また、その他のセグメントとしては、シー
ルリング、トーピードリングなどがあり、適宜用いるこ
とが有効である。順フルフライトセグメントとしては順
フルフライト構造のもの全てを含み、たとえばフライト
ピッチの異なるもの、フライトがシャープカットなもの
または巾広なものなどを用いることもできる。順フルフ
ライトセグメントのL/Dは特に制限されないが、好ま
しくは0.2以上18以下であり、さらに好ましくは
0.2以上5以下であり、特に好ましくは0.3以上4
以下である。順フルフライト以外のセグメントのL/D
は0.15以上5以下が好ましく、さらに0.2以上
2.5以下、特に0.2以上2以下が好ましい。スクリ
ューセグメントは自在に組合わせるのが有効であり、L
/Dが2以下、好ましくは0.2以上2以下、特にL/
Dが0.2以上1.8以下のスクリューセグメントを含
んでいるのが好ましい。L/Dが2以下のスクリューセ
グメントを5%以上好ましくは10%以上、100%以
下用いるのが好ましい。順フルフライト以外のセグメン
トの合計のL/Dはスクリュー全体に対して、0%以
上、好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上、
70%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは
45%以下である。順フルフライト以外のセグメントは
一部に集中させてもいくつかに分けて配置してもよい。
順フルフライト以外のセグメントを用いることにより有
効に重合反応を促進することができる。さらに、重合反
応の制御の点からは逆フルフライトセグメントを1個以
上、好ましくは2個以上用いるのが有効である。スクリ
ューの条数はいずれであってもよいが、1、2、3条が
好ましく、2条が特に好ましい。溝のタイプは浅溝ある
いは深溝のいずれであってもよいが深溝がより好まし
い。
【0029】本発明における2軸スクリュー押出機の回
転方向はいずれであってもよいが、重合条件制御の点で
同方向回転のものが好ましい。回転数は50rpm以
上、好ましくは70rpm以上、800rpm以下、好
ましくは500rpm以下である。剪断および撹拌、さ
らには、縮合水の脱気のための樹脂表面の更新には回転
数は大きい方がよいが、大きすぎると剪断発熱が大きく
なりすぎ樹脂の劣化を招く可能性があるので上記範囲で
適切な回転数を選択するのが好ましい。
【0030】本発明における2軸スクリュー押出機のス
クリュー全体のL/Dは公知の範囲のものであればいず
れであってもよいが、10以上、好ましくは15以上、
100以下、好ましくは70以下である。10より小さ
いかまたは100より大きいと安定に重合を進めること
が難しくなる。また、重合を効率的に進めるため2台以
上の押出機を用いることも有用である。
【0031】次に、本発明における押出機による高重合
度化条件を示す。
【0032】本発明における押出機による高重合度化条
件は、真空脱気を行いながら式I およびIIを満足する滞
留時間の範囲内で高重合度化することが好ましい。 Δηr≧0.2 (II) t≦5000×Δηr/(T−280) (I) (t:滞留時間(秒)) (Δηr:高重合度化による相対粘度の変化量) (T:高重合度化時の樹脂の最高到達温度(℃)) さらに好ましくは式III およびIVを満足する滞留時間の
範囲内である。 Δηr≧0.5 (III) 20≦t≦4000×Δηr/(T−280) (IV) ただし、滞留時間には分布があるが、本発明では一般的
に用いられている最短の滞留時間で示す。高重合度化時
に必要以上に熱を加えると熱劣化により物性が低下し、
短すぎると重合度が上がらないことから、該滞留時間の
範囲内であることが好ましい。
【0033】高重合度化時の樹脂の最高到達温度は、融
点以上、好ましくは融点+10℃以上、370℃以下、
好ましくは340℃以下である。温度が高すぎると滞留
時間が短くても熱的負荷が大きく好ましくない。ポリマ
の熱分解や熱劣化を防ぐため温度を370℃以下にする
必要がある。樹脂の温度は、バレル温度と剪断発熱によ
ってコントロールされるものであり、バレル温度は融点
以上、好ましくは融点+10℃以上、370℃以下、好
ましくは340℃以下である。
【0034】本発明における押出機による高重合度化時
の真空脱気は1個以上のベントから行うものであれば、
ベントの形状はいずれであってもよい。真空脱気は重合
によって発生する水分を除去することにより化学平衡を
ずらすためのものであり、効率的に行うことが一定の滞
留時間内で高重合度化することにとって重要である。し
たがって、ベントの真空度は,−500mmHg以下、
好ましくは−600mmHg以下である。また、本発明
の真空度をもつベントの他に、低真空度のベントや大気
開放ベントを併用してもよい。
【0035】ここで、本発明の押出機を用いて高重合度
化する方法に加え、固相重合する方法と併用することも
できる。固相重合装置については特に制限がなく、公知
のいずれの方法も使用することができる。固相重合装置
の具体例としてはニ−ダ−、二軸パドル式、塔式、回転
ドラム式およびダブルコ−ン型の固相重合装置などが挙
げられる。
【0036】通常のポリアミドの重合ではモノマー、お
よびジカルボン酸/ジアミン塩中に含まれるトータルカ
ルボキシ基量とトータルアミノ基量が等量になるように
原料仕込みするのが一般的であるが、本発明では原料仕
込み時にジカルボン酸成分またはジアミン成分を過剰に
して、末端カルボキシル基量または末端アミノ基量の多
いポリアミドを作ることもできる。過剰のジカルボン酸
またはジアミンの添加量は0モル%以上、好ましく0.
3モル%、さらに好ましくは0.5モル%以上、10モ
ル%以下、好ましくは8モル%以下、さらに好ましくは
7モル%以下の範囲が用いられる。添加量が10モル%
を越えると高重合度化が困難になるので好ましくない。
また、本発明の重合反応では、ポリアミドの重合度調
節、高重合度化での重合度調節を容易にするため、重合
度調節剤の添加が有効である。重合度調節剤としては、
通常モノアミン化合物、モノカルボン酸化合物が用いら
れるが、好ましくは酢酸、安息香酸、ステアリン酸であ
り、特に好ましくは酢酸、安息香酸である。重合度調節
剤は、構成成分モノマ−のモル数、および塩のジカルボ
ン酸成分単位およびジアミン成分単位のト−タルモル数
に対し0倍モル以上、好ましくは0.0001倍モル以
上、0.1倍モル以下、好ましくは0.05倍モル以下
の範囲で用いられる。
【0037】本発明で得られるポリアミドにはさらに充
填剤を添加することができる。充填剤としては、ガラス
製の繊維あるいはビ−ズ、タルク、カオリン、ウオラス
トナイト、マイカ、シリカ、アルミナ、ケイソウ土、ク
レー、セッコウ、ベンガラ、グラファイト、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、銅、ステンレスなどの粉状または板状の
無機系化合物、他のポリマ−繊維(炭素繊維)などが例
示され、好ましくはガラス繊維である。ガラス繊維とし
て特に好ましいのは直径3〜20μm程度の連続長繊維
のストランドから作られたガラスロ−ビング、ガラスチ
ョップドストランド、ガラス糸などである。かかる充填
剤の配合割合は通常、該ポリアミド樹脂組成物100重
量部に対して0重量部以上、好ましくは1重量部以上、
さらに好ましくは10重量部以上、200重量部以下、
好ましくは150重量部以下、さらに好ましくは100
重量部以下の範囲である。充填剤の配合割合が200重
量部を越えると、溶融時の流動性が悪くなり、薄肉成形
品を射出成形する事が困難となるばかりでなく、成形品
外観が悪くなるので好ましくない。本発明で得られるポ
リアミド樹脂に充填剤を配合する方法については特に制
限がなく、公知のいずれの方法も使用することができ
る。配合方法の具体例としてはポリアミドのペレットに
充填剤をドライブレンドし、これを単軸スクリュ−また
は二軸スクリュ−押出機で溶融混練する方法などが挙げ
られる。また、溶融機で高重合度化する場合、溶融機の
途中から充填剤を添加する方法が生産効率が高く好まし
い。
【0038】本発明において、溶融重合、溶融高重合度
化、コンパウンドあるいは成形工程など、必要に応じて
触媒、耐熱安定剤、耐候性安定剤、可塑剤、離形剤、滑
剤、結晶核剤、顔料、染料、他の重合体などを添加する
ことができる。これらの添加剤としては、耐熱安定剤
(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファ
イト系およびこれらの置換体、ヨウ化銅、ヨウ化カリウ
ムなど)、耐候性安定剤(レゾルシノール系、サリシレ
ート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒ
ンダードアミン系など)、離型剤および滑剤(モンタン
酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、
ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミ
ド、ビス尿素およびポリエチレンワックスなど)、顔料
(硫化カドミウム、フタロシアニン、カ−ボンブラック
など)、および染料(ニグロシンなど)、他の重合体
(他のポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、
液晶ポリマ−、ポリエ−テルスルフォン、ABS樹脂、
SAN樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合
体、アイオノマ−樹脂、SBS,SEBSなど)を挙げ
る事ができる。
【0039】添加剤のコンパウンドは、生産性の点か
ら、溶融機において高重合度化と同時あるいは連続で行
うのがより好ましい。
【0040】本発明で得られるポリアミドは繊維、フィ
ルム、成形体などに有用であり、また、その組成物は、
スイッチ類、超小型スライドスイッチ、DIPスイッ
チ、スイッチのハウジング、ランプソケット、結束バン
ド、コネクタ、コネクタのハウジング、コネクタのシェ
ル、ICソケット類、コイルボビン、ボビンカバー、リ
レー、リレーボックス、コンデンサーケース、モータ−
の内部部品、小型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシ
ングプーリー、スペーサー、インシュレーター、ファス
ナー、バックル、ワイヤークリップ、自転車用ホイー
ル、キャスター、ヘルメット、端子台、電動工具のハウ
ジング、スターターの絶縁部分、スポイラー、キャニス
ター、ラジエタータンク、チャンバータンク、リザーバ
ータンク、フューズボックス、エアークリーナーケー
ス、エアコンファン、ターミナルのハウジング、ホイー
ルカバー、吸排気パイプ、ベアリングリテナー、シリン
ダーヘッドカバー、インテークマニホールド、ウオータ
ーパイプインペラ、エンジンロールダンパー、クラッチ
レリーズ、スピーカー振動板、耐熱容器、電子レンジ部
品、炊飯器部品、プリンターリボンガイド、ICチップ
間の両面接着テープ、ICとリードの両面接着テープな
どに代表される電気・電子関連部品、自動車・車両関連
部品、家庭・事務電気製品部品、コンピューター関連部
品、ファクシミリ・複写機関連部品、機械関連部品、そ
の他各種用途に有効である。
【0041】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例および比較例中の諸特性は次の方
法で測定した。 1)融点(Tm) DSC(PERKIN-ELMER7 型)を用い、サンプル8〜10
mgを昇温速度20℃/minで測定して得られた融解
曲線の最大値を示す温度を(T)とする。サンプル8〜
10mgを昇温速度20℃/minで加熱しT+20℃
で5分間保持し、次に20℃/minの降温速度で30
℃まで冷却し、30℃で5分間保持した後、再び20℃
/minの昇温速度でT+20℃まで加熱する。この時
の融解曲線の最大値を融点(Tm)とした。 2)相対粘度 JIS K6810に従って、サンプル1gを98%濃
硫酸100mlに溶解し、25℃の相対粘度を測定し
た。なお以下、相対粘度をηrと略称する。 3)滞留時間 押出機による高重合度化時にフィーダーから顔料を投入
し、溶融ポリマーが着色開始するまでの時間を測定し
た。 4)色調 スガ試験機(株)製のカラーコンピューターを用いてY
I値を測定した。 5)引張り強さおよび引張り伸び ASTM D638に準じて測定した。 6)曲げ強度および曲げ弾性率 ASTM D790に準じて測定した。 7)耐薬品性(耐LLC性) ASTM 1号ダンベルをLLC(トヨタ純正ロングラ
イフクーラント、トヨタ自動車(株)製)の50重量%
水溶液に浸し、オートクレーブ中130℃で500時間
処理した後、ASTM D638に準じて引張り強さを
測定した。
【0042】以下に各実施例を説明する。なお表1、表
2に反応条件、特性などを示してあり、その中にモノカ
ルボン酸の添加量を示してある。この量は、構成成分の
モノマーのモル数、ならびに塩のジカルボン酸成分単位
およびジアミン成分単位のトータルモル数に対する量
(倍モル)を意味している。
【0043】実施例1 ヘキサメチレンアンモニウムアジペ−ト(66塩)、テ
レフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、酢酸,イオン交
換水および次亜リン酸ナトリウムの合計30kgを表1
の原料組成比かつ仕込み濃度で0.10m3 のバッチ式
加圧重合釜に仕込み、窒素置換を充分行った後、140
℃に昇温し、撹拌下圧力4.0kg/cm2 −Gで濃度
80重量%まで濃縮した。引き続いて撹拌下3.5hr
かけて230℃に昇温、重合圧力を15kg/cm2−
Gとした。さらに30min間230℃〜235℃で維
持し反応を完結させた。吐出はイオン交換水を定量ポン
プにより、3l/hr(単位はリットル/時間)の割合
で供給し、水蒸気圧を12kg/cm2 −Gに保持しな
がら、1時間かけて行った。この一次縮合物の粘度はη
r=1.2、融点は270℃の一次縮合物であった。
【0044】得られた一次縮合物を100℃で24hr
真空乾燥した後、押出機で高重合度化した。用いた押出
機は、30mmφのベント式二軸押出機(L/D=4
5.5)であり、同方向回転、深溝タイプである。ま
た、スクリューはL/Dが2以下の順フルフライトと順
フルフライト以外のセグメントの100%で構成され、
順フルフライト以外のセグメント(L/D=0.5〜1
の順ニーディング、逆ニーディング、逆フルフライト、
シールリングの組合せ)部分はその内30%であり、3
ヵ所に分けて配置したものを用いた。滞留時間95秒、
L/D=5のロングベントから真空度−700mmHg
で脱気し、スクリュー回転数150rpm、最高樹脂温
度300℃で溶融高重合度化した。ポリマの相対粘度η
r=2.5、ポリマ融点280℃の白色ペレットを得
た。重合条件および測定結果を表1に示す。
【0045】実施例2 テレフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、ε−カプロラ
クタムおよびイオン交換水を表1の原料組成比かつ仕込
み濃度で0.10m3 のバッチ式加圧重合釜に仕込み、
窒素置換を充分行った後、170℃に昇温し、撹拌下圧
力7.0kg/cm2 −G、濃度85重量%まで前濃縮
し、次亜リン酸ナトリウムを添加した。引き続いて撹拌
下5hrかけて270℃に昇温し重合圧力を40kg/
cm2 −Gとした後、さらに270℃〜275℃で30
min間反応を完結させた。吐出はイオン交換水を定量
ポンプにより、2l/hrの割合で供給し、水蒸気圧を
45kg/cm2−Gに保持しながら1時間かけて行っ
た。得られた一次縮合物の融点は300℃、ηrは1.
5の一次縮合物であった。
【0046】得られた一次縮合物を100℃で24hr
真空乾燥した後、押出機で高重合度化した。用いた押出
機は、30mmφのベント式二軸押出機(L/D=4
5.5)であり、同方向回転、深溝タイプである。ま
た、スクリューはL/Dが2以下の順フルフライトと順
フルフライト以外のセグメントの100%で構成され、
順フルフライト以外のセグメント(L/D=0.5〜1
の順ニーディング、逆ニーディング、直交ニーディン
グ、逆フルフライト、シールリングの組合せ)部分はそ
の内30%であり、3ヵ所に分けて配置したものを用い
た。滞留時間75秒、L/D=5のロングベントから真
空度−700mmHgとL/D=1.8のショートベン
トから真空度−650mmHgで脱気し、スクリュー回
転数150rpm、最高樹脂温度318℃で溶融高重合
度化した。ポリマの相対粘度ηr=2.6、ポリマ融点
302℃の白色ペレットを得た。重合条件および測定結
果を表1に示す。
【0047】実施例3 実施例1の方法に従って一次縮合物を重合し、30mm
φのベント式二軸押出機(L/D=45.5)を用いて
高重合度化した。同方向回転、浅溝タイプであり、スク
リューはL/Dが2以下のスクリューセグメント100
%で構成され、順フルフライト以外のセグメント(L/
D=1.5の順ニーディングおよびL/D=0.5の逆
ニーディング、逆フルフライトからなり、逆フルフライ
トを2個含む)部分はその内13%であり、2ヵ所に分
けて配置したものを用いた。重合条件および測定結果を
表1に示す。
【0048】実施例4 実施例1の方法に従って一次縮合物を重合し、20mm
φのベント式二軸押出機(L/D=25)を用いて高重
合度化した。同方向回転、深溝タイプであり、スクリュ
ーはL/Dが2を越えるスクリューセグメント40%、
2以下のスクリューセグメント60%で構成され、順フ
ルフライト以外のセグメント(L/D=0.5〜1の順
ニーディング、逆ニーディング、直交ニーディング、逆
フルフライト、シールリング、ニーディングニートラ
ル)部分はその内15%であり、3ヵ所に分けて配置し
たものを用いた。重合条件および測定結果を表1に示
す。
【0049】実施例5 実施例1の方法に従って一次縮合物を重合し、20mm
φのベント式二軸押出機(L/D=25)を用いて高重
合度化した。同方向回転、深溝タイプであり、スクリュ
ーはL/Dが2以下のスクリューセグメント100%で
構成され、順フルフライト以外のセグメント(L/D=
0.5〜1の順ニーディング、逆ニーディング、直交ニ
ーディング、逆フルフライト、シールリング、ニーディ
ングニートラル)はその内22%であり、3ヵ所に分け
て配置したものを用いた。重合条件および測定結果を表
1に示す。
【0050】実施例6 実施例1の方法に従ってηr =1.03の一次縮合物を
重合し、実施例1と同様のベント式二軸押出機を用いて
高重合度化した。重合条件および測定結果を表1に示
す。
【0051】実施例7 実施例1の方法に従ってηr =2.6の一次縮合物を重
合し、実施例1と同様のベント式二軸押出機を用いて高
重合度化した。重合条件および測定結果を表1に示す。
【0052】実施例8 リン系触媒を用いず、実施例1の方法に従って一次縮合
物を重合し、実施例1と同様のベント式二軸押出機を用
いて高重合度化した。重合条件および測定結果を表1に
示す。
【0053】実施例9 1,12−ジアミノドデカンとテレフタル酸とを等モル
(両者を合わせて12Tと称する)、さらに酢酸、次亜
リン酸ナトリウムおよびイオン交換水の合計30kgを
表1の原料組成比かつ固形分濃度60%で、0.10m
3 のバッチ式加圧重合釜に仕込み、窒素置換を十分に行
った後、150℃に昇温し、圧力5.0kg/cm2
濃度80重量%まで前濃縮した。引き続いて攪拌下3.
5時間かけて260℃に昇温、重合圧力を15kg/c
2 -Gとした。さらに、30分間260〜265℃で維
持し反応を完結させた。吐出はイオン交換水を定量ポン
プにより、3l/hrの割合で供給し、水蒸気圧を12
kg/cm2 -Gに保持しながら、1時間かけて行った。
この1次縮合物の粘度はηr=1.50、融点は296
℃の1次縮合物であった。得られた1次縮合物を100
℃で24時間真空乾燥した後、実施例1と同様のベント
式2軸スクリュー押出機を用いて高重合度化した。重合
条件および測定結果を表2に示す。
【0054】実施例10 実施例9の方法に従って表2の条件で12T/66の一
次縮合物を重合し、実施例1と同様のベント式二軸押出
機を用いて高重合度化した。重合条件および測定結果を
表2に示す。
【0055】実施例11 実施例9の方法に従って表2の条件で12T/6Iの一
次縮合物を重合し、実施例4と同様のベント式二軸押出
機を用いて高重合度化した。重合条件および測定結果を
表2に示す。
【0056】実施例12 実施例9の方法に従ってナイロン66の一次縮合物を重
合し、実施例1と同様のベント式二軸押出機を用いて高
重合度化した。重合条件および測定結果を表2に示す。
【0057】比較例1 実施例1と同様の仕込みを行い、同様の重合を行った。
得られた一次縮合物を100℃で24hr真空乾燥した
後、20mmφのベント式単軸押出機で、ミキシングゾ
ーンのない一体型のスクリューからなるものを用いて高
重合度化を行った。滞留時間95秒、L/D=1.8の
ショートベントから真空度−700mmHg、スクリュ
ー回転数150rpm、最高樹脂温度300℃で溶融高
重合度化したが、発泡して成形できるポリマが得られな
かった。重合条件および測定結果を表2に示す。
【0058】比較例2 実施例5と同様の仕込みを行い、同様の重合を行った。
得られた一次縮合物を100℃で24hr真空乾燥した
後、L/D=3.3のフルフライトのスクリューからな
る15mmφのベント式二軸押出機(L/D=27)
で、L/D=2のショートベントをオープンにし、滞留
時間95秒、スクリュー回転数150rpm、最高樹脂
温度325℃で高重合度化したが、発泡して成形できる
ポリマが得られなかった。重合条件および測定結果を表
2に示す。
【0059】比較例3 実施例1と同様の仕込みを行い、同様の重合を行った。
得られた一次縮合物を100℃で24hr真空乾燥した
後、一体型のフルフライトのスクリューからなる15m
mφのベント式二軸押出機(L/D=25)で、L/D
=2のショートベントをオープンにし、滞留時間470
秒、スクリュー回転数150rpm、最高樹脂温度34
0℃で高重合度化した。ポリマに不溶物が生成し、成形
できるポリマが得られなかった。重合条件および測定結
果を表2に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】実施例1〜12の方法では、いずれも色
調、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、耐薬品性が優れ
たポリアミド樹脂が得られた。また、単軸押出機を用い
た比較例1では高重合度化が進まず、また、一体型のス
クリューを用いた2軸押出機を用いた比較例2および3
では、滞留時間が短いと高重合度化が進行せず、滞留時
間が長いと不溶物が生成した。
【0063】
【発明の効果】本発明の製造方法を採用することによっ
て、ポリアミドが効率よく製造できるだけでなく、色
調、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、耐薬
品性などが改善される。その結果特に電気・電子部品用
材料、自動車部品として適している。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機を用いた高重合度化工程を有する
    ポリアミドの製造方法において、該高重合度化工程が
    {スクリューの長さL}/{スクリューの最外径D}が
    2以下のスクリューセグメントを含む2軸スクリュー押
    出機を用いて、1%濃硫酸溶液の25℃における相対粘
    度を0.2以上上げる工程であることを特徴とするポリ
    アミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 該2軸スクリュー押出機に供給される原
    料が、1%濃硫酸溶液の25℃における相対粘度が1.
    04〜2.5のポリアミドの一次縮合物であることを特
    徴とする請求項1記載のポリアミドの製造方法。
  3. 【請求項3】 該2軸スクリュー押出機においてL/D
    が2以下のスクリューセグメントを、長さにして5から
    100%含んでなることを特徴とする請求項1または2
    記載のポリアミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 L/Dが2以下のスクリューセグメント
    が、順フルフライト以外のセグメントを含むものである
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のポリア
    ミドの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリアミドがヘキサメチレンアジパミド
    構造、および/または、カプロアミド構造を含有する結
    晶性ポリアミドであることを特徴とする請求項1〜4い
    ずれかに記載のポリアミドの製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリアミドが、脂肪族ジアミンとテレフ
    タル酸とから形成されるアミド構造を含有する結晶性ポ
    リアミドであることを特徴とする請求項1〜5記載のポ
    リアミドの製造方法。
  7. 【請求項7】 該結晶性ポリアミドの融点が230℃〜
    340℃の範囲であることを特徴とする請求項6記載の
    ポリアミドの製造方法
  8. 【請求項8】 該脂肪族ジアミンの炭素数が4から14
    であることを特徴とする請求項6または7記載のポリア
    ミドの製造方法。
  9. 【請求項9】 結晶性ポリアミドがコポリアミドであっ
    て、構造単位(I) 【化1】 および構造単位(II)〜(IV)から選ばれる少なくとも
    1種類の構造単位、 【化2】 【化3】 【化4】 からなる反復単位を有するものであることを特徴とする
    請求項8記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  10. 【請求項10】 押出機を用いた高重合度化工程を有す
    るポリアミドの製造方法において、該高重合度化工程
    が、2軸スクリュー押出機を用いて、真空脱気を行いな
    がら式(I) の関係を満足する条件で、1%濃硫酸溶液の
    25℃における相対粘度を0.2以上上げる工程である
    ことを特徴とするポリアミドの製造方法。 t≦5000×Δηr/(T−280)--- (I) (t:滞留時間(秒),Δηr:高重合度化による相対
    粘度の変化量)
  11. 【請求項11】 真空脱気を1個以上のベントから真空
    度マイナス500mmHg以下で行うことを特徴とする
    請求項10記載のポリアミドの製造方法。
  12. 【請求項12】 該2軸スクリュー押出機に供給される
    原料が相対粘度1.04〜2.5のポリアミドの一次縮
    合物であることを特徴とする請求項10記載のポリアミ
    ドの製造方法。
  13. 【請求項13】 ポリアミドがヘキサメチレンアジパミ
    ド構造、および/またはカプロアミド構造を含有する結
    晶性ポリアミドであることを特徴とする請求項10記載
    のポリアミドの製造方法。
  14. 【請求項14】 ポリアミドが、脂肪族ジアミンとテレ
    フタル酸とから形成されるアミド構造を含有する結晶性
    ポリアミドであることを特徴とする請求項10記載のポ
    リアミドの製造方法。
  15. 【請求項15】 結晶性ポリアミドの融点が230℃〜
    340℃の範囲であることを特徴とする請求項14記載
    のポリアミドの製造方法
  16. 【請求項16】 該脂肪族ジアミンの炭素数が4から1
    4であることを特徴とする請求項14または15記載の
    ポリアミドの製造方法。
  17. 【請求項17】 結晶性ポリアミドがコポリアミドであ
    って、構造単位(I) 【化5】 および構造単位(II)〜(IV)から選ばれる少なくとも
    1種類の構造単位、 【化6】 【化7】 【化8】 からなる反復単位を有するものであることを特徴とする
    請求項16記載のポリアミドの製造方法。
  18. 【請求項18】押出機を用いた高重合度化工程を有する
    ポリアミドの製造方法において、該高重合度化工程が、
    {スクリューの長さL}/{スクリューの最外径D}が
    2以下のスクリューセグメントを含む2軸スクリュー押
    出機を用いて、真空脱気を行いながら式(I) の関係を満
    足する条件で、1%濃硫酸溶液の25℃における相対粘
    度を0.2以上上げる工程であることを特徴とするポリ
    アミドの製造方法。 t≦5000×Δηr/(T−280)--- (I) (t:滞留時間(秒),Δηr:高重合度化による相対
    粘度の変化量) T:高重合度化時の樹脂の最高到達温度(℃))
  19. 【請求項19】 セグメントスクリューを有する2軸押
    出機であって、{スクリューの長さL}/{スクリュー
    の最外径D}が2.0以下のスクリューセグメントを、
    押出機のスクリュー全体のL/Dに対して10%以上含
    み、かつ順フルフライト以外のセグメントの合計のL/
    Dが3〜70%であることを特徴とするポリアミド重合
    用2軸押出機。
  20. 【請求項20】 該順フルフライト以外のセグメント
    が、ロータ、切欠きロータ、順ニーディング、直交ニー
    ディング、逆ニーディング、ニーディングニュートラ
    ル、ギアニーディング、パイナップルニーディング、ツ
    イストニーディング、逆フルフライト、切欠きフライ
    ト、シールリング、トーピードリングから選ばれる2種
    以上を含むことを特徴とする請求項19記載のポリアミ
    ド重合用2軸押出機。
  21. 【請求項21】 スクリュー全体のL/Dが10以上1
    00以下であることを特徴とする請求項19または20
    記載のポリアミド重合用2軸押出機。
  22. 【請求項22】 ポリアミドが脂肪族ジアミンとテレフ
    タル酸とから形成されるアミド構造を含有する結晶性ポ
    リアミドであることを特徴とする請求項19〜21いず
    れかに記載のポリアミド重合用2軸押出機。
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