JPH0859331A - 硬化性無機質組成物 - Google Patents
硬化性無機質組成物Info
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- JPH0859331A JPH0859331A JP19314594A JP19314594A JPH0859331A JP H0859331 A JPH0859331 A JP H0859331A JP 19314594 A JP19314594 A JP 19314594A JP 19314594 A JP19314594 A JP 19314594A JP H0859331 A JPH0859331 A JP H0859331A
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B28/00—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
- C04B28/24—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
- C04B28/26—Silicates of the alkali metals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/20—Resistance against chemical, physical or biological attack
- C04B2111/27—Water resistance, i.e. waterproof or water-repellent materials
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 (a)溶融された粘土を気体中に噴霧して得
られる粉体であって、その化学成分としてSiO2 5〜
85重量%とAl2 O3 10〜90重量%を含有する無
機質粉体、(b)アルカリ金属珪酸塩、(c)水および
(d)ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシルセス
キオキサン、シリカ微粒子又はこれらの混合物を主原料
とする撥水剤からなり、(a):(b):(c):
(d)の重量比が、100:0.2〜450:35〜1
500:0.5〜100である混合物を主成分とするこ
とを特徴とする硬化性無機質組成物。 【効果】 硬化反応性がよく、強度、耐久性に優れ、撥
水性を有することにより、吸湿・吸水に由来する種々の
欠点をも防ぎ得る無機質硬化体を製造する原料として好
適な硬化性無機質組成物を提供する。
られる粉体であって、その化学成分としてSiO2 5〜
85重量%とAl2 O3 10〜90重量%を含有する無
機質粉体、(b)アルカリ金属珪酸塩、(c)水および
(d)ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシルセス
キオキサン、シリカ微粒子又はこれらの混合物を主原料
とする撥水剤からなり、(a):(b):(c):
(d)の重量比が、100:0.2〜450:35〜1
500:0.5〜100である混合物を主成分とするこ
とを特徴とする硬化性無機質組成物。 【効果】 硬化反応性がよく、強度、耐久性に優れ、撥
水性を有することにより、吸湿・吸水に由来する種々の
欠点をも防ぎ得る無機質硬化体を製造する原料として好
適な硬化性無機質組成物を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築材料等に用いられ
る無機質硬化体の製造原料等として好適な硬化性無機質
組成物に関する。
る無機質硬化体の製造原料等として好適な硬化性無機質
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、土木用ブロック、建築用パネ
ル、瓦、タイル、断熱材、その他の内外壁用材料とし
て、無機質組成物の硬化体が広く使用されている。それ
らの多くは石灰質原料のみ、または石灰質原料と珪酸質
原料を主成分とし、これらに水を加えた水硬性の組成物
が硬化されたものである。
ル、瓦、タイル、断熱材、その他の内外壁用材料とし
て、無機質組成物の硬化体が広く使用されている。それ
らの多くは石灰質原料のみ、または石灰質原料と珪酸質
原料を主成分とし、これらに水を加えた水硬性の組成物
が硬化されたものである。
【0003】これらの水硬性の組成物に対し、近年、ア
ルカリの存在下で熱により硬化する硬化性無機質組成物
が提案されてきた。例えば、特開平4−6138号公報
には、フライアッシュをアルカリ金属珪酸塩水溶液と混
合した組成物を加熱硬化させることにより無機質硬化体
を製造する方法が提案されている。また、特開平4−5
9648号公報には、アルカリ金属珪酸塩水溶液と、メ
タカオリン,コランダムあるいはムライトの製造時に発
生する集塵装置の灰やフライアッシュ等の無機固体成分
と充填剤と有機ベントナイトとを混合した組成物より、
建築資材に有用な無機質硬化体を製造することが提案さ
れている。
ルカリの存在下で熱により硬化する硬化性無機質組成物
が提案されてきた。例えば、特開平4−6138号公報
には、フライアッシュをアルカリ金属珪酸塩水溶液と混
合した組成物を加熱硬化させることにより無機質硬化体
を製造する方法が提案されている。また、特開平4−5
9648号公報には、アルカリ金属珪酸塩水溶液と、メ
タカオリン,コランダムあるいはムライトの製造時に発
生する集塵装置の灰やフライアッシュ等の無機固体成分
と充填剤と有機ベントナイトとを混合した組成物より、
建築資材に有用な無機質硬化体を製造することが提案さ
れている。
【0004】これらの公報に記載された無機質硬化体
は、一般に若干の吸湿性を有するため吸水時に色調の変
化、断熱性の低下、ひび割れや裏面崩壊の発生という問
題を生じ易いが、この問題を解決するために、特開平4
−292482号公報に、上記の組成物にシリコーンオ
イルを添加した組成物を用いて、硬化体を製造すること
により、硬化体に撥水性を付与する方法が提案されてい
る。
は、一般に若干の吸湿性を有するため吸水時に色調の変
化、断熱性の低下、ひび割れや裏面崩壊の発生という問
題を生じ易いが、この問題を解決するために、特開平4
−292482号公報に、上記の組成物にシリコーンオ
イルを添加した組成物を用いて、硬化体を製造すること
により、硬化体に撥水性を付与する方法が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな硬化性無機質組成物は、アルカリ金属珪酸塩水溶液
と、上記のメタカオリン等の製造時に発生する集塵装置
の灰やフライアッシュ等の無機固体成分との反応性が低
く、そのため、成形しやすい粘度にするために多量のア
ルカリ金属珪酸塩を加える必要があったり、強度や耐久
性の面で十分な無機質硬化体が得られないという問題が
あった。本発明は、上記の従来の問題点を解決するもの
であり、その目的は、硬化反応性、強度、耐久性に優
れ、しかも撥水性を有することにより、吸湿・吸水に由
来する種々の欠陥をも防ぎ得る無機質硬化体を成形する
原料として好適な硬化性無機質組成物を提供することに
ある。
うな硬化性無機質組成物は、アルカリ金属珪酸塩水溶液
と、上記のメタカオリン等の製造時に発生する集塵装置
の灰やフライアッシュ等の無機固体成分との反応性が低
く、そのため、成形しやすい粘度にするために多量のア
ルカリ金属珪酸塩を加える必要があったり、強度や耐久
性の面で十分な無機質硬化体が得られないという問題が
あった。本発明は、上記の従来の問題点を解決するもの
であり、その目的は、硬化反応性、強度、耐久性に優
れ、しかも撥水性を有することにより、吸湿・吸水に由
来する種々の欠陥をも防ぎ得る無機質硬化体を成形する
原料として好適な硬化性無機質組成物を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
(a)溶融された粘土を気体中に噴霧して得られる粉体
であって、その化学成分としてSiO2 5〜85重量%
とAl2 O3 10〜90重量%を含有する無機質粉体、
(b)アルカリ金属珪酸塩、(c)水および(d)ポリ
オルガノシロキサン、ポリオルガノシルセスキオキサ
ン、シリカ微粒子又はこれらの混合物を主原料とする撥
水剤からなり、(a):(b):(c):(d)の重量
比が、100:0.2〜450:35〜1500:0.
5〜100である混合物を主成分とすることを特徴とす
る硬化性無機質組成物であり、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明における無機質粉体(a)が、溶融
されたカオリンを気体中に噴霧して得られる粉体である
ものであり、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明における撥水剤(d)の主原料が、下記一般式
(1)で表され、数平均分子量が5000〜50000
のポリオルガノシルセスキオキサンであるものであり、
(a)溶融された粘土を気体中に噴霧して得られる粉体
であって、その化学成分としてSiO2 5〜85重量%
とAl2 O3 10〜90重量%を含有する無機質粉体、
(b)アルカリ金属珪酸塩、(c)水および(d)ポリ
オルガノシロキサン、ポリオルガノシルセスキオキサ
ン、シリカ微粒子又はこれらの混合物を主原料とする撥
水剤からなり、(a):(b):(c):(d)の重量
比が、100:0.2〜450:35〜1500:0.
5〜100である混合物を主成分とすることを特徴とす
る硬化性無機質組成物であり、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明における無機質粉体(a)が、溶融
されたカオリンを気体中に噴霧して得られる粉体である
ものであり、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明における撥水剤(d)の主原料が、下記一般式
(1)で表され、数平均分子量が5000〜50000
のポリオルガノシルセスキオキサンであるものであり、
【化3】 (式中、R1 〜R6 は、水素原子、炭素数1〜5のアル
キル基またはフェニル基であり、R1 とR2 のうち、少
なくとも一方は炭素数1〜5のアルキル基、nは正の
数)請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明
における撥水剤(d)の主原料が、SiO2 含有率90
重量%以上、平均粒径5nm〜20μmのシリカ微粒子
表面に、下記一般式(2)で表される基が導入された微
粒子であるものである。
キル基またはフェニル基であり、R1 とR2 のうち、少
なくとも一方は炭素数1〜5のアルキル基、nは正の
数)請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明
における撥水剤(d)の主原料が、SiO2 含有率90
重量%以上、平均粒径5nm〜20μmのシリカ微粒子
表面に、下記一般式(2)で表される基が導入された微
粒子であるものである。
【化4】 (式中、R7 〜R9 は、炭素数5以下のアルキレン基で
あり、R7 〜R9 のいずれか、または全ては存在せずと
もよく、また、R8 とR9 の間の酸素原子は存在しなく
てもよい)
あり、R7 〜R9 のいずれか、または全ては存在せずと
もよく、また、R8 とR9 の間の酸素原子は存在しなく
てもよい)
【0007】本発明で用いられる無機質粉体(a)は、
溶融された粘土を気体中に噴霧して得られる粉体であっ
て、その化学成分としてSiO2 5〜85重量%とAl
2 O 3 10〜90重量%を含有するものである。この無
機質粉体(a)を得るための原料としては、化学成分と
してSiO2 5〜85重量%とAl2 O3 10〜90重
量%を含有する粘土が使用される。この範囲を外れた組
成の粘土を溶融して気体中に噴霧して得られる粉体は、
アルカリとの反応性が低く、高強度の無機質硬化体を得
ることができない。
溶融された粘土を気体中に噴霧して得られる粉体であっ
て、その化学成分としてSiO2 5〜85重量%とAl
2 O 3 10〜90重量%を含有するものである。この無
機質粉体(a)を得るための原料としては、化学成分と
してSiO2 5〜85重量%とAl2 O3 10〜90重
量%を含有する粘土が使用される。この範囲を外れた組
成の粘土を溶融して気体中に噴霧して得られる粉体は、
アルカリとの反応性が低く、高強度の無機質硬化体を得
ることができない。
【0008】このような粘土の具体例としては、カオリ
ナイト、ディッカナイト、ナクライト、ハロイサイト等
のカオリン鉱物;白雲母、イライト、フェンジャイト、
海緑石、セラドナイト、パラゴナイト、ブランマライト
等の雲母粘土鉱物;モンモリナイト、バイデライト、ノ
ントロナイト、サボナイト、ソーコナイト等のスメクタ
イト;緑泥岩;パイロフィライト;タルク;バーミキュ
ライト;ろう石;ばん土頁岩等が挙げられる。これらの
粘土のうち、カオリンが特に好ましい。
ナイト、ディッカナイト、ナクライト、ハロイサイト等
のカオリン鉱物;白雲母、イライト、フェンジャイト、
海緑石、セラドナイト、パラゴナイト、ブランマライト
等の雲母粘土鉱物;モンモリナイト、バイデライト、ノ
ントロナイト、サボナイト、ソーコナイト等のスメクタ
イト;緑泥岩;パイロフィライト;タルク;バーミキュ
ライト;ろう石;ばん土頁岩等が挙げられる。これらの
粘土のうち、カオリンが特に好ましい。
【0009】これら原料の粘土はそのままではアルカリ
金属珪酸塩水溶液と混合しても、反応性がないかもしく
は反応性が低く、また、注型法等による成形時の流動性
が悪いものであるが、その原因はこれらの粘土の結晶性
の高さ及び板状の粉体形状にあるものと判断される。
金属珪酸塩水溶液と混合しても、反応性がないかもしく
は反応性が低く、また、注型法等による成形時の流動性
が悪いものであるが、その原因はこれらの粘土の結晶性
の高さ及び板状の粉体形状にあるものと判断される。
【0010】本発明で用いられる無機質粉体(a)は、
これらの粘土が加熱溶融され、液体微粒子として、常温
の大気や不活性ガス中に噴霧されて得られたものであ
る。上記の原料粘土の処理の具体的手段としては、金
属、セラミックス、プラスチック等の表面被覆に使用さ
れる熔射技術が適用される。その加熱溶融温度は、50
0〜16000℃が好ましい。加熱溶融温度が500℃
未満の場合には、粉体の結晶化度が依然として高いた
め、アルカリとの反応性が低くなる。逆に、16000
℃を超える場合には、熔射法での変性は実現困難であ
る。また、熔射速度は30〜800m/秒が好ましい。
熔射時の熱源としてはプラズマ、ガス、爆発、アーク
等、表面被覆等で一般に使用されている手段が適宜採用
できる。
これらの粘土が加熱溶融され、液体微粒子として、常温
の大気や不活性ガス中に噴霧されて得られたものであ
る。上記の原料粘土の処理の具体的手段としては、金
属、セラミックス、プラスチック等の表面被覆に使用さ
れる熔射技術が適用される。その加熱溶融温度は、50
0〜16000℃が好ましい。加熱溶融温度が500℃
未満の場合には、粉体の結晶化度が依然として高いた
め、アルカリとの反応性が低くなる。逆に、16000
℃を超える場合には、熔射法での変性は実現困難であ
る。また、熔射速度は30〜800m/秒が好ましい。
熔射時の熱源としてはプラズマ、ガス、爆発、アーク
等、表面被覆等で一般に使用されている手段が適宜採用
できる。
【0011】本発明で用いられる無機質粉体(a)の比
表面積は、小さくなると、粉体の反応性が低下し、大き
くなると、他の原料との混合が困難となるため、0.0
5〜100m2 /gが好ましく、更に好ましくは、0.
1〜60m2 /gである。
表面積は、小さくなると、粉体の反応性が低下し、大き
くなると、他の原料との混合が困難となるため、0.0
5〜100m2 /gが好ましく、更に好ましくは、0.
1〜60m2 /gである。
【0012】本発明で用いられるアルカリ金属珪酸塩
(b)は、一般式M2 O・nSiO2(Mは、Li、N
a、Kまたはこれらの混合物を示す)で表されるもので
ある。nは小さくなると、緻密な無機質硬化体が得られ
ず、大きくなると、硬化性無機質組成物の粘度が急激に
上昇して混合が困難になるため、0.05〜8が好まし
く、0.5〜2.5が特に好ましい。
(b)は、一般式M2 O・nSiO2(Mは、Li、N
a、Kまたはこれらの混合物を示す)で表されるもので
ある。nは小さくなると、緻密な無機質硬化体が得られ
ず、大きくなると、硬化性無機質組成物の粘度が急激に
上昇して混合が困難になるため、0.05〜8が好まし
く、0.5〜2.5が特に好ましい。
【0013】アルカリ金属珪酸塩(b)は水溶液で添加
されるのが好ましく、水溶液濃度は特に限定されない
が、薄くなると無機質粉体(a)との反応性が低下し、
濃くなると、固形分が生じ易くなるので、10〜60重
量%が好ましい。
されるのが好ましく、水溶液濃度は特に限定されない
が、薄くなると無機質粉体(a)との反応性が低下し、
濃くなると、固形分が生じ易くなるので、10〜60重
量%が好ましい。
【0014】上記アルカリ金属珪酸塩(b)水溶液は、
アルカリ金属珪酸塩をそのまま加圧、加熱下で水に溶解
してもよいが、アルカリ金属水酸化物水溶液に珪砂、珪
石粉などSiO2 成分をnが所定の量となるように加
圧、加熱下で水に溶解して得てもよい。
アルカリ金属珪酸塩をそのまま加圧、加熱下で水に溶解
してもよいが、アルカリ金属水酸化物水溶液に珪砂、珪
石粉などSiO2 成分をnが所定の量となるように加
圧、加熱下で水に溶解して得てもよい。
【0015】アルカリ金属珪酸塩(b)の添加量は、少
なくなると、硬化が十分になされず、多くなると、得ら
れる無機質硬化体の耐水性が低下するので、上記無機質
粉体(a)100重量部に対して、0.2〜450重量
部に限定され、好ましくは10〜350重量部、特に好
ましくは20〜250重量部である。
なくなると、硬化が十分になされず、多くなると、得ら
れる無機質硬化体の耐水性が低下するので、上記無機質
粉体(a)100重量部に対して、0.2〜450重量
部に限定され、好ましくは10〜350重量部、特に好
ましくは20〜250重量部である。
【0016】本発明で用いられる水(C)は、上記アル
カリ金属珪酸塩水溶液として添加されてもよいし、独立
して添加されてもよい。水の量は少なくなると、十分に
硬化せず、多くなると、無機質硬化体の強度が低下する
ので、上記無機質粉体(a)100重量部に対して、3
5〜1500重量部に限定され、好ましくは45〜10
00重量部、特に好ましくは50〜500重量部であ
る。
カリ金属珪酸塩水溶液として添加されてもよいし、独立
して添加されてもよい。水の量は少なくなると、十分に
硬化せず、多くなると、無機質硬化体の強度が低下する
ので、上記無機質粉体(a)100重量部に対して、3
5〜1500重量部に限定され、好ましくは45〜10
00重量部、特に好ましくは50〜500重量部であ
る。
【0017】本発明で用いられる撥水剤(d)として
は、ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシルセスキ
オキサン、シリカ微粒子又はこれらの混合物を主原料と
するものである。
は、ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシルセスキ
オキサン、シリカ微粒子又はこれらの混合物を主原料と
するものである。
【0018】上記のポリオルガノシロキサンとしては、
一般式(3)で示されるものが、好ましく用いられる。
一般式(3)で示されるものが、好ましく用いられる。
【化5】 一般式(3)中のR10〜R13は、水素原子、炭素数1〜
5のアルキル基またはフェニル基であり、R10とR11の
うち、少なくとも一方は炭素数1〜5のアルキル基であ
り、nは正の数である。また、ポリオルガノシロキサン
としては、撥水剤(d)が架橋構造を形成して無機硬化
体の強度によい影響を与えるよう、炭素数1〜5のアル
キレン基;フェニレン基;酸素原子;炭素数1〜5のア
ルキレン基とフェニレン基;炭素数1〜5のアルキレン
基とフェニレン基を含むエーテル結合;などを介して、
または主鎖の珪素原子に直接に、ビニル基、(メタ)ア
クリロイル基、エポキシ基、シラノール基等の反応性基
が部分的に導入されていてもよい。この場合、R10とR
11に関しては、良好な撥水性を維持するために、全体の
30モル%以上が炭素数1〜5のアルキル基である必要
がある。
5のアルキル基またはフェニル基であり、R10とR11の
うち、少なくとも一方は炭素数1〜5のアルキル基であ
り、nは正の数である。また、ポリオルガノシロキサン
としては、撥水剤(d)が架橋構造を形成して無機硬化
体の強度によい影響を与えるよう、炭素数1〜5のアル
キレン基;フェニレン基;酸素原子;炭素数1〜5のア
ルキレン基とフェニレン基;炭素数1〜5のアルキレン
基とフェニレン基を含むエーテル結合;などを介して、
または主鎖の珪素原子に直接に、ビニル基、(メタ)ア
クリロイル基、エポキシ基、シラノール基等の反応性基
が部分的に導入されていてもよい。この場合、R10とR
11に関しては、良好な撥水性を維持するために、全体の
30モル%以上が炭素数1〜5のアルキル基である必要
がある。
【0019】本発明で用いられるポリオルガノシロキサ
ンの数平均分子量は、小さくなると無機質硬化体の強度
を低下させる傾向があるので1000〜100000が
好ましく、より好ましくは5000〜50000であ
る。
ンの数平均分子量は、小さくなると無機質硬化体の強度
を低下させる傾向があるので1000〜100000が
好ましく、より好ましくは5000〜50000であ
る。
【0020】本発明で用いられるポリオルガノシルセス
キオキサンとしては、一般式(1)で示されるものが、
好ましく用いられる。一般式(1)中のR1 〜R6 は、
水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基
であり、R1 とR2 のうち、少なくとも一方は炭素数1
〜5のアルキル基であり、nは正の数である。また、ポ
リオルガノシルセスキオキサンとしては、撥水剤(d)
が架橋構造を形成して無機硬化体の強度によい影響を与
えるよう、炭素数1〜5のアルキレン基;フェニレン
基;酸素原子;炭素数1〜5のアルキレン基とフェニレ
ン基;炭素数1〜5のアルキレン基とフェニレン基を含
むエーテル結合;などを介して、または主鎖の珪素原子
に直接に、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキ
シ基、シラノール基等の反応性基が部分的に導入されて
いてもよい。この場合、R1 とR2に関しては、良好な
撥水性を維持するために、全体の30モル%以上が炭素
数1〜5のアルキル基である必要がある。
キオキサンとしては、一般式(1)で示されるものが、
好ましく用いられる。一般式(1)中のR1 〜R6 は、
水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基
であり、R1 とR2 のうち、少なくとも一方は炭素数1
〜5のアルキル基であり、nは正の数である。また、ポ
リオルガノシルセスキオキサンとしては、撥水剤(d)
が架橋構造を形成して無機硬化体の強度によい影響を与
えるよう、炭素数1〜5のアルキレン基;フェニレン
基;酸素原子;炭素数1〜5のアルキレン基とフェニレ
ン基;炭素数1〜5のアルキレン基とフェニレン基を含
むエーテル結合;などを介して、または主鎖の珪素原子
に直接に、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキ
シ基、シラノール基等の反応性基が部分的に導入されて
いてもよい。この場合、R1 とR2に関しては、良好な
撥水性を維持するために、全体の30モル%以上が炭素
数1〜5のアルキル基である必要がある。
【0021】本発明で用いられるポリオルガノシルセス
キオキサンの数平均分子量は、小さくなると無機質硬化
体の強度を低下させる傾向があるので1000〜100
000が好ましく、より好ましくは5000〜5000
0である。
キオキサンの数平均分子量は、小さくなると無機質硬化
体の強度を低下させる傾向があるので1000〜100
000が好ましく、より好ましくは5000〜5000
0である。
【0022】本発明で用いられるシリカ微粒子は、十分
な撥水性能を得るために、SiO2含有率90重量%以
上であることが好ましく、また、その平均粒径は、小さ
くなると、入手が困難かまたは入手できても高価でコス
ト上問題であり、逆に大きくなると撥水効果を得るのに
多量に添加する必要が生じて無機質硬化体の物性に悪影
響を与えるため、5nm〜20μmが好ましい。
な撥水性能を得るために、SiO2含有率90重量%以
上であることが好ましく、また、その平均粒径は、小さ
くなると、入手が困難かまたは入手できても高価でコス
ト上問題であり、逆に大きくなると撥水効果を得るのに
多量に添加する必要が生じて無機質硬化体の物性に悪影
響を与えるため、5nm〜20μmが好ましい。
【0023】また、本発明においては、芯材の表面にシ
リカを被覆した微粒子も使用可能であり、この場合は、
被覆に用いるシリカの純度、被覆後の微粒子の粒径が上
記の範囲であればよい。
リカを被覆した微粒子も使用可能であり、この場合は、
被覆に用いるシリカの純度、被覆後の微粒子の粒径が上
記の範囲であればよい。
【0024】さらに、シリカ微粒子には以下に述べるよ
うな表面処理が施されてもよく、この場合も処理前の微
粒子が上記に述べたものであればよい。シリカ微粒子の
表面には、より高い機械的性質、撥水性を発現させるた
めに、炭素数1〜5のアルキル基;フェニル基;トリア
ルキルシリル基(アルキル基の炭素数は1〜5)等の疎
水性基が導入されていてもよい。また、炭素数1〜5の
アルキレン基;フェニレン基;酸素原子;炭素数1〜5
のアルキレン基とフェニレン基;炭素数1〜5のアルキ
レン基とフェニレン基を含むエーテル結合;などを介し
て、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基等
の反応性基が導入されていてもよい。また、シリカ微粒
子は前記の一般式(3)で示されるポリオルガノシロキ
サンで表面処理されていてもよい。また、国際出願特許
WO90/08168に開示されているように、末端に
エポキシ構造をもつ基が表面に導入されたシリカ微粒子
は、機械的強度、耐久性に優れるため、好適である。
うな表面処理が施されてもよく、この場合も処理前の微
粒子が上記に述べたものであればよい。シリカ微粒子の
表面には、より高い機械的性質、撥水性を発現させるた
めに、炭素数1〜5のアルキル基;フェニル基;トリア
ルキルシリル基(アルキル基の炭素数は1〜5)等の疎
水性基が導入されていてもよい。また、炭素数1〜5の
アルキレン基;フェニレン基;酸素原子;炭素数1〜5
のアルキレン基とフェニレン基;炭素数1〜5のアルキ
レン基とフェニレン基を含むエーテル結合;などを介し
て、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基等
の反応性基が導入されていてもよい。また、シリカ微粒
子は前記の一般式(3)で示されるポリオルガノシロキ
サンで表面処理されていてもよい。また、国際出願特許
WO90/08168に開示されているように、末端に
エポキシ構造をもつ基が表面に導入されたシリカ微粒子
は、機械的強度、耐久性に優れるため、好適である。
【0025】さらに、本発明においては、無機質硬化体
の強度保持という点に加え入手の容易さから、上記撥水
剤の中でも一般式(1)で表され、数平均分子量500
0〜50000のポリオルガノシルセスキオキサン、ま
たはSiO2 含有率90重量%以上、平均粒径5nm〜
20μmのシリカ微粒子表面に一般式(2)で示される
基が導入されたものが最も好ましい。一般式(2)中、
R7 〜R9 は、炭素数5以下のアルキレン基であり、R
7 〜R9 のいずれか、または全ては存在せずともよく、
また、R8 とR9 の間の酸素原子は存在しなくてもよ
い。
の強度保持という点に加え入手の容易さから、上記撥水
剤の中でも一般式(1)で表され、数平均分子量500
0〜50000のポリオルガノシルセスキオキサン、ま
たはSiO2 含有率90重量%以上、平均粒径5nm〜
20μmのシリカ微粒子表面に一般式(2)で示される
基が導入されたものが最も好ましい。一般式(2)中、
R7 〜R9 は、炭素数5以下のアルキレン基であり、R
7 〜R9 のいずれか、または全ては存在せずともよく、
また、R8 とR9 の間の酸素原子は存在しなくてもよ
い。
【0026】上記の、シリカ微粒子表面に一般式(2)
で示される基が導入されたものにおいては、シリカ微粒
子1粒子あたり導入される一般式(2)で示される基の
数が、小さくなると無機質硬化体の強度が低下し易くな
り、大きくなるとシリカ微粒子の表面が隠されて撥水性
を発現し難くなるので、2〜50個が好ましい。
で示される基が導入されたものにおいては、シリカ微粒
子1粒子あたり導入される一般式(2)で示される基の
数が、小さくなると無機質硬化体の強度が低下し易くな
り、大きくなるとシリカ微粒子の表面が隠されて撥水性
を発現し難くなるので、2〜50個が好ましい。
【0027】以上の撥水剤はそれぞれ単独で使用されて
も混合して使用されてもよい。
も混合して使用されてもよい。
【0028】また、撥水剤(d)は、上記の撥水剤を主
原料とし、必要に応じて、バインダー、重合性化合物、
硬化剤、硬化触媒、溶媒、その他の添加物等の成分が添
加されて塗料化されていてもよい。以下に例示する成分
は、主に施工性の向上、無機質硬化体の強度保持、耐候
性の付与、着色等のために撥水剤に加えられるものであ
り、これらの役割を果たすものであれば下記に限定され
るものではない。
原料とし、必要に応じて、バインダー、重合性化合物、
硬化剤、硬化触媒、溶媒、その他の添加物等の成分が添
加されて塗料化されていてもよい。以下に例示する成分
は、主に施工性の向上、無機質硬化体の強度保持、耐候
性の付与、着色等のために撥水剤に加えられるものであ
り、これらの役割を果たすものであれば下記に限定され
るものではない。
【0029】上記のバインダーとしては、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、
スチレン、ビニルエーテル、(メタ)アクリル酸エステ
ル、不飽和カルボン酸、ブタジエン、イソプレン等の単
独重合体、あるいはこれらの2種以上を原料とする共重
合体;ポリビニルアルコール;ポリビニルアセタールな
どが挙げられる。
塩化ビニリデン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、
スチレン、ビニルエーテル、(メタ)アクリル酸エステ
ル、不飽和カルボン酸、ブタジエン、イソプレン等の単
独重合体、あるいはこれらの2種以上を原料とする共重
合体;ポリビニルアルコール;ポリビニルアセタールな
どが挙げられる。
【0030】上記の重合性化合物としては、上記バイン
ダーの原料として記した各種重合性単量体;トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート等の各種多官能(メタ)アクリレ
ート化合物;ウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリエステルアクリレート等の各種アクリレート
系オリゴマー類;ビスフェノールA、その水素添加物、
またはそれらのエチレンオキサイド変性等の誘導体、ノ
ボラック樹脂、トリメチロールプロパン等の多価アルコ
ールとエピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリグ
リシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ系
化合物;不飽和ポリエステルなどが挙げられる。
ダーの原料として記した各種重合性単量体;トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート等の各種多官能(メタ)アクリレ
ート化合物;ウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリエステルアクリレート等の各種アクリレート
系オリゴマー類;ビスフェノールA、その水素添加物、
またはそれらのエチレンオキサイド変性等の誘導体、ノ
ボラック樹脂、トリメチロールプロパン等の多価アルコ
ールとエピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリグ
リシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ系
化合物;不飽和ポリエステルなどが挙げられる。
【0031】上記の硬化剤、硬化触媒としては、メチル
エチルケトンパーオキサイド、アゾビスイソブチルニト
リル等の熱ラジカル発生剤(これらには硬化促進剤とし
てナフテン酸コバルト等の金属石鹸類が添加されてもよ
い);コハク酸、グルタミン酸等のプロトン酸;ジエチ
レントリアミンその他の各種(多官能)アミン類;ルイ
ス酸;ルイス塩基;アミド化合物;尿素誘導体;メラミ
ン類;トリアジン誘導体;イミダゾール誘導体などが挙
げられる。
エチルケトンパーオキサイド、アゾビスイソブチルニト
リル等の熱ラジカル発生剤(これらには硬化促進剤とし
てナフテン酸コバルト等の金属石鹸類が添加されてもよ
い);コハク酸、グルタミン酸等のプロトン酸;ジエチ
レントリアミンその他の各種(多官能)アミン類;ルイ
ス酸;ルイス塩基;アミド化合物;尿素誘導体;メラミ
ン類;トリアジン誘導体;イミダゾール誘導体などが挙
げられる。
【0032】上記のその他の添加物としては、ビニルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン等のシランカップリング剤、アルミネートカ
ップリング剤、チタネートカップリング剤等の各種カッ
プリング剤;チタンホワイトその他の各種顔料、着色
剤;フェノール系、リン系、イオウ系その他の各種酸化
防止剤;ヒドロキノン、パラメトキシフェノール等の重
合禁止剤;揺変剤;紫外線吸収剤;脱泡剤などが挙げら
れる。
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン等のシランカップリング剤、アルミネートカ
ップリング剤、チタネートカップリング剤等の各種カッ
プリング剤;チタンホワイトその他の各種顔料、着色
剤;フェノール系、リン系、イオウ系その他の各種酸化
防止剤;ヒドロキノン、パラメトキシフェノール等の重
合禁止剤;揺変剤;紫外線吸収剤;脱泡剤などが挙げら
れる。
【0033】上記の溶媒としては、酢酸ブチル、酢酸エ
チル、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トルエ
ン、キシレンなどが挙げられるが、上記各成分を溶解し
得るものであれば特に限定されない。
チル、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トルエ
ン、キシレンなどが挙げられるが、上記各成分を溶解し
得るものであれば特に限定されない。
【0034】これらの成分は、撥水剤主原料や上記の重
合性化合物に応じて適宜選択され、その添加量は、多く
なると、得られる無機質硬化体に十分な撥水性能を付与
することができなくなるので、溶媒を除いた成分の全重
量が撥水剤主原料の重量の10倍以下の範囲で加えられ
る。
合性化合物に応じて適宜選択され、その添加量は、多く
なると、得られる無機質硬化体に十分な撥水性能を付与
することができなくなるので、溶媒を除いた成分の全重
量が撥水剤主原料の重量の10倍以下の範囲で加えられ
る。
【0035】これらの塗料化されている撥水剤の市販品
としては、数平均分子量5000〜50000のポリオ
ルガノシルセスキオキサンが撥水剤の主原料として構成
され、一般式(1)におけるR1 とR2 が、メチル基又
はエチル基、R3 〜R6 が、水素原子、メチル基又はエ
チル基であるものとして、関西ペイント社製、「カンペ
セラ400Fホワイト」がある。また、SiO2 含有率
90重量%以上、平均粒径5nm〜20μmのシリカ微
粒子表面に一般式(2)で示される基が導入されたもの
が撥水剤の主原料として構成され、一般式(2)におけ
るR7 とR8 がなく、R9 がCH2 であるもの(すなわ
ち、一般式(2)がp−グリシドキシフェニル基であ
る)として、東燃社製、「セラプロテックスC303
3」がある。
としては、数平均分子量5000〜50000のポリオ
ルガノシルセスキオキサンが撥水剤の主原料として構成
され、一般式(1)におけるR1 とR2 が、メチル基又
はエチル基、R3 〜R6 が、水素原子、メチル基又はエ
チル基であるものとして、関西ペイント社製、「カンペ
セラ400Fホワイト」がある。また、SiO2 含有率
90重量%以上、平均粒径5nm〜20μmのシリカ微
粒子表面に一般式(2)で示される基が導入されたもの
が撥水剤の主原料として構成され、一般式(2)におけ
るR7 とR8 がなく、R9 がCH2 であるもの(すなわ
ち、一般式(2)がp−グリシドキシフェニル基であ
る)として、東燃社製、「セラプロテックスC303
3」がある。
【0036】撥水剤(d)の量は、少なくなると、無機
質硬化体に撥水性が発現せず、多くなると、無機質硬化
体の機械的強度が低下するため、前述の各種添加成分
(溶媒を除く)を含め、無機質粉体(a)100重合部
に対して、0.5〜100重量部に限定される。
質硬化体に撥水性が発現せず、多くなると、無機質硬化
体の機械的強度が低下するため、前述の各種添加成分
(溶媒を除く)を含め、無機質粉体(a)100重合部
に対して、0.5〜100重量部に限定される。
【0037】本発明の硬化性無機質組成物には、必要に
応じて無機質充填剤が添加されてもよい。無機質充填剤
としては、例えば、珪砂、珪石粉、フライアッシュ、ア
ルミナ、タルク、マイカ、岩石粉末、玄武岩、長石、粘
土、ボーキサイト、繊維材料等、各種鉱物等が使用可能
である。これらの無機質充填剤は、無機質硬化体の用途
に応じて適宜選択され、単独で使用されてもよいし、併
用されてもよい。無機質充填剤の添加量は、多くなる
と、得られる無機質硬化体の機械的強度が低下する傾向
があるので、無機質粉体(a)100重合部に対して、
700重合部以下が好適であり、100〜500重量部
が特に好ましい。
応じて無機質充填剤が添加されてもよい。無機質充填剤
としては、例えば、珪砂、珪石粉、フライアッシュ、ア
ルミナ、タルク、マイカ、岩石粉末、玄武岩、長石、粘
土、ボーキサイト、繊維材料等、各種鉱物等が使用可能
である。これらの無機質充填剤は、無機質硬化体の用途
に応じて適宜選択され、単独で使用されてもよいし、併
用されてもよい。無機質充填剤の添加量は、多くなる
と、得られる無機質硬化体の機械的強度が低下する傾向
があるので、無機質粉体(a)100重合部に対して、
700重合部以下が好適であり、100〜500重量部
が特に好ましい。
【0038】本発明の硬化性無機質組成物には、必要に
応じて材料の軽量化を目的として、有機質発泡体や無機
質発泡体が添加されてもよい。有機質発泡体としては、
例えば、ポリ塩化ビニール、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン等の合
成樹脂の粒状発泡体等が挙げられる。無機質発泡体とし
ては、例えば、ガラスバルーン、シラスバルーン、フラ
イアッシュバルーン、シリカバルーン、パーライト、ヒ
ル石、粒状発泡シリカ等の粒状発泡体等が挙げられる。
これらの発泡体は単独で使用されてもよいし、また、併
用されてもよい。これらの発泡体の比重は、小さくなる
と、得られる無機質硬化体の機械的強度が低下する傾向
があり、大きくなると、無機質硬化体の軽量化の効果が
得られないので、0.01〜1が好適であり、0.03
〜0.7がさらに好ましい。これらの発泡体の添加量
は、少なくなると、得られる無機質硬化体に軽量化の効
果が現れず、多くなると、得られる無機質硬化体の機械
的強度が低下する傾向があるので、無機質粉体(a)1
00重合部に対して、10〜100重量部が好ましく、
30〜80重量部がさらに好ましい。
応じて材料の軽量化を目的として、有機質発泡体や無機
質発泡体が添加されてもよい。有機質発泡体としては、
例えば、ポリ塩化ビニール、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン等の合
成樹脂の粒状発泡体等が挙げられる。無機質発泡体とし
ては、例えば、ガラスバルーン、シラスバルーン、フラ
イアッシュバルーン、シリカバルーン、パーライト、ヒ
ル石、粒状発泡シリカ等の粒状発泡体等が挙げられる。
これらの発泡体は単独で使用されてもよいし、また、併
用されてもよい。これらの発泡体の比重は、小さくなる
と、得られる無機質硬化体の機械的強度が低下する傾向
があり、大きくなると、無機質硬化体の軽量化の効果が
得られないので、0.01〜1が好適であり、0.03
〜0.7がさらに好ましい。これらの発泡体の添加量
は、少なくなると、得られる無機質硬化体に軽量化の効
果が現れず、多くなると、得られる無機質硬化体の機械
的強度が低下する傾向があるので、無機質粉体(a)1
00重合部に対して、10〜100重量部が好ましく、
30〜80重量部がさらに好ましい。
【0039】本発明の硬化性無機質組成物には、必要に
応じて発泡剤や発泡助剤が添加され、発泡工程を経て、
無機質硬化体全体を発泡させるようにしてもよい。発泡
剤としては、例えば、Mg、Ca、Cr、Mn、Fe、
Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Sn、Si、フ
ェロシリコン等の金属粉末、過酸化水素、過酸化ナトリ
ウム、過酸化カリウム、過ほう酸ナトリウム等の過酸化
物等が挙げられる。このうち、コスト、安全性、入手の
容易さより、Alの金属粉末や過酸化水素が好適に使用
される。
応じて発泡剤や発泡助剤が添加され、発泡工程を経て、
無機質硬化体全体を発泡させるようにしてもよい。発泡
剤としては、例えば、Mg、Ca、Cr、Mn、Fe、
Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Sn、Si、フ
ェロシリコン等の金属粉末、過酸化水素、過酸化ナトリ
ウム、過酸化カリウム、過ほう酸ナトリウム等の過酸化
物等が挙げられる。このうち、コスト、安全性、入手の
容易さより、Alの金属粉末や過酸化水素が好適に使用
される。
【0040】金属粉末からなる発泡剤の平均粒径として
は、小さくなると、硬化性無機質組成物への分散性が低
下し反応性が高くなり発泡が速くなりすぎ、大きくなる
と、反応性が低下する傾向があるので、平均粒径1〜2
00μmのものが好適である。金属粉末からなる発泡剤
の添加量としては、多くなると、発泡ガスが過剰となり
破泡する傾向があるので、無機質粉体(a)100重合
部に対して、5重量部以下が好ましい。
は、小さくなると、硬化性無機質組成物への分散性が低
下し反応性が高くなり発泡が速くなりすぎ、大きくなる
と、反応性が低下する傾向があるので、平均粒径1〜2
00μmのものが好適である。金属粉末からなる発泡剤
の添加量としては、多くなると、発泡ガスが過剰となり
破泡する傾向があるので、無機質粉体(a)100重合
部に対して、5重量部以下が好ましい。
【0041】過酸化物からなる発泡剤としては、水溶液
濃度が0.1〜35重量%のものが好適に使用される。
水溶液濃度が薄くなると、粘度が低下して発泡が安定せ
ず、濃くなると、発泡が速くなりすぎ、安定して発泡で
きなくなる傾向がある。過酸化物からなる発泡剤の添加
量としては、多くなると、発泡ガスが過剰となり破泡す
る傾向があるので、無機質粉体(a)100重合部に対
して、4重量部以下が好ましい。
濃度が0.1〜35重量%のものが好適に使用される。
水溶液濃度が薄くなると、粘度が低下して発泡が安定せ
ず、濃くなると、発泡が速くなりすぎ、安定して発泡で
きなくなる傾向がある。過酸化物からなる発泡剤の添加
量としては、多くなると、発泡ガスが過剰となり破泡す
る傾向があるので、無機質粉体(a)100重合部に対
して、4重量部以下が好ましい。
【0042】発泡助剤は、発泡の安定化のために添加さ
れ、例えば、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミ
ナゲル等の多孔質粉体;ステアリン酸金属塩、パルミチ
ン酸金属塩等の金属石鹸等が挙げられる。
れ、例えば、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミ
ナゲル等の多孔質粉体;ステアリン酸金属塩、パルミチ
ン酸金属塩等の金属石鹸等が挙げられる。
【0043】発泡助剤の添加量は、多くなると、破泡等
発泡に悪影響を及ぼす傾向があるので、無機質粉体
(a)100重合部に対して、5重量部以下が好まし
い。
発泡に悪影響を及ぼす傾向があるので、無機質粉体
(a)100重合部に対して、5重量部以下が好まし
い。
【0044】本発明の硬化性無機質組成物には、必要に
応じて補強繊維が添加されてもよい。補強繊維は得られ
る無機質硬化体に付与したい性能に応じて任意のものが
使用でき、例えば、ビニロン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、カーボン、アラミド、アクリル、
レーヨン、ガラス、チタン酸カリウム、鋼等の材料から
成る補強繊維等が使用できる。補強繊維の繊維径は、細
くなると、混合時に再凝集し交絡によりファイバーボー
ルが形成され易く、得られる無機質硬化体の強度はそれ
以上改善されない傾向があり、太くなると、引っ張り強
度向上等の補強効果が小さい傾向があるので、1〜50
0μmが好ましい。補強繊維の繊維長は、短くなると、
引っ張り強度向上等の補強効果が小さい傾向があり、長
くなると、補強繊維の分散性及び配向性が低下する傾向
があるので、1〜15mmが好ましい。補強繊維の添加
量は、多くなると、補強繊維の分散性が低下する傾向が
あるので、無機質粉体(a)100重量部に対して、1
0重量部以下が好ましい。
応じて補強繊維が添加されてもよい。補強繊維は得られ
る無機質硬化体に付与したい性能に応じて任意のものが
使用でき、例えば、ビニロン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、カーボン、アラミド、アクリル、
レーヨン、ガラス、チタン酸カリウム、鋼等の材料から
成る補強繊維等が使用できる。補強繊維の繊維径は、細
くなると、混合時に再凝集し交絡によりファイバーボー
ルが形成され易く、得られる無機質硬化体の強度はそれ
以上改善されない傾向があり、太くなると、引っ張り強
度向上等の補強効果が小さい傾向があるので、1〜50
0μmが好ましい。補強繊維の繊維長は、短くなると、
引っ張り強度向上等の補強効果が小さい傾向があり、長
くなると、補強繊維の分散性及び配向性が低下する傾向
があるので、1〜15mmが好ましい。補強繊維の添加
量は、多くなると、補強繊維の分散性が低下する傾向が
あるので、無機質粉体(a)100重量部に対して、1
0重量部以下が好ましい。
【0045】本発明の硬化性無機質組成物から無機質硬
化体を成形する方法としては、無機質粉体(a)、アル
カリ金属珪酸塩(b)、水(C)、撥水剤(d)と、必
要に応じて無機質充填剤、有機質発泡体もしくは無機質
発泡体、補強繊維、その他の添加剤とを混練して硬化性
無機質組成物を得、得られた組成物を原料として、注型
法、プレス法、押出成形法等の従来公知の方法により成
形することにより行うことができる。上記の成形体を硬
化させるには、常温で硬化させてもよいが、50〜20
0℃の温度で加熱硬化させるのが好ましい。
化体を成形する方法としては、無機質粉体(a)、アル
カリ金属珪酸塩(b)、水(C)、撥水剤(d)と、必
要に応じて無機質充填剤、有機質発泡体もしくは無機質
発泡体、補強繊維、その他の添加剤とを混練して硬化性
無機質組成物を得、得られた組成物を原料として、注型
法、プレス法、押出成形法等の従来公知の方法により成
形することにより行うことができる。上記の成形体を硬
化させるには、常温で硬化させてもよいが、50〜20
0℃の温度で加熱硬化させるのが好ましい。
【0046】
【作用】本発明の硬化性無機質組成物は、(a)溶融さ
れた粘土を気体中に噴霧して得られる粉体であって、そ
の化学成分としてSiO2 5〜85重量%とAl2 O3
10〜90重量%を含有する無機質粉体、(b)アルカ
リ金属珪酸塩、(c)水および(d)ポリオルガノシロ
キサン、ポリオルガノシルセスキオキサン、シリカ微粒
子又はこれらの混合物を主原料とする撥水剤からなり、
(a):(b):(c):(d)の重量比が、100:
0.2〜450:35〜1500:0.5〜100であ
る混合物を主成分とするものであるが、ここで用いられ
る無機質粉体(a)が微細な粒径を有する粉体であっ
て、比表面積が増大されており、且つ、実質的に完全非
晶質化されているため、硬化性無機質組成物中のアルカ
リ金属珪酸塩水溶液との反応性が高く、硬化時間を著し
く短縮化することができ、無機質硬化体の強度も高くす
ることができる。さらに撥水剤が添加されていることに
より、吸湿・吸水に起因する種々の欠陥をも防ぐことが
できる。
れた粘土を気体中に噴霧して得られる粉体であって、そ
の化学成分としてSiO2 5〜85重量%とAl2 O3
10〜90重量%を含有する無機質粉体、(b)アルカ
リ金属珪酸塩、(c)水および(d)ポリオルガノシロ
キサン、ポリオルガノシルセスキオキサン、シリカ微粒
子又はこれらの混合物を主原料とする撥水剤からなり、
(a):(b):(c):(d)の重量比が、100:
0.2〜450:35〜1500:0.5〜100であ
る混合物を主成分とするものであるが、ここで用いられ
る無機質粉体(a)が微細な粒径を有する粉体であっ
て、比表面積が増大されており、且つ、実質的に完全非
晶質化されているため、硬化性無機質組成物中のアルカ
リ金属珪酸塩水溶液との反応性が高く、硬化時間を著し
く短縮化することができ、無機質硬化体の強度も高くす
ることができる。さらに撥水剤が添加されていることに
より、吸湿・吸水に起因する種々の欠陥をも防ぐことが
できる。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)無機質粉体(a)の製造 表1に「熔射前」として示した組成、平均粒径、BET
比表面積、結晶構造、粉体形状を持つカオリンを、燃焼
温度2500℃、噴霧粒子速度50m/秒で噴霧(熔
射)して無機質粉体(a)を得た。得られた無機質粉体
(a)の上記の各性質を表1に「熔射後」として示し
た。なお、BET比表面積については、窒素吸着装置を
用いて測定し、粉体の形状については、走査型電子顕微
鏡により観察した。また、結晶構造については粉体X線
回折による結果より判断した。
比表面積、結晶構造、粉体形状を持つカオリンを、燃焼
温度2500℃、噴霧粒子速度50m/秒で噴霧(熔
射)して無機質粉体(a)を得た。得られた無機質粉体
(a)の上記の各性質を表1に「熔射後」として示し
た。なお、BET比表面積については、窒素吸着装置を
用いて測定し、粉体の形状については、走査型電子顕微
鏡により観察した。また、結晶構造については粉体X線
回折による結果より判断した。
【0048】
【表1】
【0049】硬化性無機質組成物の製造 上記の無機質粉体(a)100重量部、40重量%アル
カリ金属珪酸塩水溶液150重量部(K2 O1モルに対
してSiO2 0.8モル含有)、撥水剤として、東燃社
製、「セラプロテックスC3033」(p−グリシドキ
シフェニル基が表面に導入されたシリカ微粒子を塗料化
したもので、専用硬化剤を含有する。なお、後述の表2
及び表3において、撥水剤の種類欄には、この撥水剤の
ことをAと記した)10重量部、充填剤として珪砂(六
呂屋鉱業社製、8号珪砂)200重量部、珪石粉(住友
セメント社製、平均粒径9〜10μm )100重量
部、補強材としてビニロン繊維(太さ1.8デニール、
長さ6mm)4重量部をそれぞれ秤量し、アルカリ金属
珪酸塩水溶液以外のものをオムニミキサーにて5分間混
合後、アルカリ金属珪酸塩水溶液を加えてさらに5分間
混合して、本発明の硬化性無機質組成物を得た。
カリ金属珪酸塩水溶液150重量部(K2 O1モルに対
してSiO2 0.8モル含有)、撥水剤として、東燃社
製、「セラプロテックスC3033」(p−グリシドキ
シフェニル基が表面に導入されたシリカ微粒子を塗料化
したもので、専用硬化剤を含有する。なお、後述の表2
及び表3において、撥水剤の種類欄には、この撥水剤の
ことをAと記した)10重量部、充填剤として珪砂(六
呂屋鉱業社製、8号珪砂)200重量部、珪石粉(住友
セメント社製、平均粒径9〜10μm )100重量
部、補強材としてビニロン繊維(太さ1.8デニール、
長さ6mm)4重量部をそれぞれ秤量し、アルカリ金属
珪酸塩水溶液以外のものをオムニミキサーにて5分間混
合後、アルカリ金属珪酸塩水溶液を加えてさらに5分間
混合して、本発明の硬化性無機質組成物を得た。
【0050】無機質硬化体の製造 上記の硬化性無機質組成物を、幅40mm、長さ150
mm、厚さ15mmの型枠中に流し込み、これを80℃
のオーブン中に6時間放置した後、脱型して無機質硬化
体を得た。
mm、厚さ15mmの型枠中に流し込み、これを80℃
のオーブン中に6時間放置した後、脱型して無機質硬化
体を得た。
【0051】(実施例2、比較例1)実施例1におけ
る、アルカリ金属珪酸塩水溶液のK2 O:SiO2 モル
比、水溶液濃度、添加量などを表2及び表3に示したよ
うに変えたことの他は、実施例1と同様にして無機質硬
化体を製造した。
る、アルカリ金属珪酸塩水溶液のK2 O:SiO2 モル
比、水溶液濃度、添加量などを表2及び表3に示したよ
うに変えたことの他は、実施例1と同様にして無機質硬
化体を製造した。
【0052】(比較例2)無機質粉体(a)として、表
1に記載の「熔射前」のカオリンを用いたことの他は、
実施例1と同様にして無機質硬化体を製造した。
1に記載の「熔射前」のカオリンを用いたことの他は、
実施例1と同様にして無機質硬化体を製造した。
【0053】(実施例3〜5)撥水剤(d)として、ポ
リオルガノシルセスキオキサンを主原料とする撥水剤で
ある関西ペイント社製、「カンペセラ400Fホワイ
ト」(一般式(1)におけるR1 とR2 は、メチル基又
はエチル基、R3 〜R6 は、水素原子、メチル基又はエ
チル基であり、専用硬化剤を含有する)を使用し、その
添加量を表2に示したように変えたこと、及びアルカリ
金属珪酸塩水溶液のアルカリ金属種類、Na2 O:Si
O2 モル比、水溶液濃度を表2に示したように変えたこ
との他は、実施例1と同様にして無機質硬化体を製造し
た。なお、表2における撥水剤の種類欄には、上記の撥
水剤のことをBと記した。
リオルガノシルセスキオキサンを主原料とする撥水剤で
ある関西ペイント社製、「カンペセラ400Fホワイ
ト」(一般式(1)におけるR1 とR2 は、メチル基又
はエチル基、R3 〜R6 は、水素原子、メチル基又はエ
チル基であり、専用硬化剤を含有する)を使用し、その
添加量を表2に示したように変えたこと、及びアルカリ
金属珪酸塩水溶液のアルカリ金属種類、Na2 O:Si
O2 モル比、水溶液濃度を表2に示したように変えたこ
との他は、実施例1と同様にして無機質硬化体を製造し
た。なお、表2における撥水剤の種類欄には、上記の撥
水剤のことをBと記した。
【0054】(比較例3)撥水剤を加えない他は、実施
例1と同様にして無機質硬化体を作製した。
例1と同様にして無機質硬化体を作製した。
【0055】性能試験 実施例1〜5および比較例1〜3で得られた無機質硬化
体を、乾燥剤として5酸化リンを用いたデシケーター中
に入れて4時間乾燥させた。乾燥後の無機質硬化体につ
いて、外観、曲げ強度、熱水試験、水濡れの際の色調の
変化の観察、対水接触角測定を行った。なお、外観の評
価については、無機質硬化体を目視により、クラックや
チョーキングの有無を観察することにより評価した。曲
げ強度については、オートグラフ(島津製作所社製)を
用いて、荷重速度1mm/分、スパン距離120mmの
条件にて測定した。水濡れによる色調の変化について
は、無機質硬化体上に水滴を滴下し、5分放置後に拭き
取り、他の部位との色調の差を目視により評価した。ま
た、熱水試験については、無機質硬化体を100℃の沸
騰水に10時間浸漬後、重量変化及び形状保持状態、ク
ラックやチョーキングの有無等の外観変化を観察するこ
とにより評価した。以上の評価結果を表2及び表3に示
した。
体を、乾燥剤として5酸化リンを用いたデシケーター中
に入れて4時間乾燥させた。乾燥後の無機質硬化体につ
いて、外観、曲げ強度、熱水試験、水濡れの際の色調の
変化の観察、対水接触角測定を行った。なお、外観の評
価については、無機質硬化体を目視により、クラックや
チョーキングの有無を観察することにより評価した。曲
げ強度については、オートグラフ(島津製作所社製)を
用いて、荷重速度1mm/分、スパン距離120mmの
条件にて測定した。水濡れによる色調の変化について
は、無機質硬化体上に水滴を滴下し、5分放置後に拭き
取り、他の部位との色調の差を目視により評価した。ま
た、熱水試験については、無機質硬化体を100℃の沸
騰水に10時間浸漬後、重量変化及び形状保持状態、ク
ラックやチョーキングの有無等の外観変化を観察するこ
とにより評価した。以上の評価結果を表2及び表3に示
した。
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】表2及び表3から明らかなように、実施例
1〜5の場合には、いずれも得られた無機質硬化体の外
観が良好であり、曲げ強度が高く、熱水試験、及び対水
接触角の値も良好である。これに対して比較例1〜3の
場合には、未硬化の状態にあるか、または一応無機質硬
化体が得られても、クラックの発生、濡れによる色調の
変化が認められる。
1〜5の場合には、いずれも得られた無機質硬化体の外
観が良好であり、曲げ強度が高く、熱水試験、及び対水
接触角の値も良好である。これに対して比較例1〜3の
場合には、未硬化の状態にあるか、または一応無機質硬
化体が得られても、クラックの発生、濡れによる色調の
変化が認められる。
【0059】
【発明の効果】請求項1の発明の硬化性無機質組成物の
構成は、上記の通りであり、組成物中に含まれる無機質
粉体とアルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が高いた
め、硬化時間が短かく、強度が高く、耐久性に優れた無
機質硬化体を得ることができる。また、組成物中の撥水
剤の働きにより、吸湿・吸水に起因する変色、内部崩壊
などの種々の欠陥のない無機質硬化体を得ることができ
る。請求項2の発明の硬化性無機質組成物の構成は、上
記の通りであり、組成物中に含まれるカオリンとアルカ
リ金属珪酸塩水溶液との反応性が高いため、硬化時間が
短かく、強度が高く、耐久性に優れた無機質硬化体を得
ることができる。また、組成物中の撥水剤の働きによ
り、吸湿・吸水に起因する変色、内部崩壊などの種々の
欠陥のない無機質硬化体を得ることができる。
構成は、上記の通りであり、組成物中に含まれる無機質
粉体とアルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が高いた
め、硬化時間が短かく、強度が高く、耐久性に優れた無
機質硬化体を得ることができる。また、組成物中の撥水
剤の働きにより、吸湿・吸水に起因する変色、内部崩壊
などの種々の欠陥のない無機質硬化体を得ることができ
る。請求項2の発明の硬化性無機質組成物の構成は、上
記の通りであり、組成物中に含まれるカオリンとアルカ
リ金属珪酸塩水溶液との反応性が高いため、硬化時間が
短かく、強度が高く、耐久性に優れた無機質硬化体を得
ることができる。また、組成物中の撥水剤の働きによ
り、吸湿・吸水に起因する変色、内部崩壊などの種々の
欠陥のない無機質硬化体を得ることができる。
【0060】請求項3の発明の硬化性無機質組成物の構
成は、上記の通りであり、組成物中に含まれる無機質粉
体とアルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が高いため、
硬化時間が短かく、強度が高く、耐久性に優れた無機質
硬化体を得ることができる。また、組成物中の特定のポ
リオルガノシルセスキオキサンを主原料とする撥水剤の
働きにより、吸湿・吸水に起因する変色、内部崩壊など
の種々の欠陥のない無機質硬化体を得ることができる。
請求項4の発明の硬化性無機質組成物の構成は、上記の
通りであり、組成物中に含まれる無機質粉体とアルカリ
金属珪酸塩水溶液との反応性が高いため、硬化時間が短
かく、強度が高く、耐久性に優れた無機質硬化体を得る
ことができる。また、組成物中の特定の基が導入された
シリカ微粒子を主原料とする撥水剤の働きにより、吸湿
・吸水に起因する変色、内部崩壊などの種々の欠陥のな
い無機質硬化体を得ることができる。
成は、上記の通りであり、組成物中に含まれる無機質粉
体とアルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が高いため、
硬化時間が短かく、強度が高く、耐久性に優れた無機質
硬化体を得ることができる。また、組成物中の特定のポ
リオルガノシルセスキオキサンを主原料とする撥水剤の
働きにより、吸湿・吸水に起因する変色、内部崩壊など
の種々の欠陥のない無機質硬化体を得ることができる。
請求項4の発明の硬化性無機質組成物の構成は、上記の
通りであり、組成物中に含まれる無機質粉体とアルカリ
金属珪酸塩水溶液との反応性が高いため、硬化時間が短
かく、強度が高く、耐久性に優れた無機質硬化体を得る
ことができる。また、組成物中の特定の基が導入された
シリカ微粒子を主原料とする撥水剤の働きにより、吸湿
・吸水に起因する変色、内部崩壊などの種々の欠陥のな
い無機質硬化体を得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】(a)溶融された粘土を気体中に噴霧して
得られる粉体であって、その化学成分としてSiO2 5
〜85重量%とAl2 O3 10〜90重量%を含有する
無機質粉体、(b)アルカリ金属珪酸塩、(c)水およ
び(d)ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシルセ
スキオキサン、シリカ微粒子又はこれらの混合物を主原
料とする撥水剤からなり、(a):(b):(c):
(d)の重量比が、100:0.2〜450:35〜1
500:0.5〜100である混合物を主成分とするこ
とを特徴とする硬化性無機質組成物。 - 【請求項2】無機質粉体(a)が、溶融されたカオリン
を気体中に噴霧して得られる粉体である請求項1記載の
硬化性無機質組成物。 - 【請求項3】撥水剤(d)の主原料が、下記一般式
(1)で表され、数平均分子量が5000〜50000
のポリオルガノシルセスキオキサンである請求項1また
は2記載の硬化性無機質組成物。 【化1】 (式中、R1 〜R6 は、水素原子、炭素数1〜5のアル
キル基またはフェニル基であり、R1 とR2 のうち、少
なくとも一方は炭素数1〜5のアルキル基、nは正の
数) - 【請求項4】撥水剤(d)の主原料が、SiO2 含有率
90重量%以上、平均粒径5nm〜20μmのシリカ微
粒子表面に、下記一般式(2)で表される基が導入され
た微粒子である請求項1または2記載の硬化性無機質組
成物。 【化2】 (式中、R7 〜R9 は、炭素数5以下のアルキレン基で
あり、R7 〜R9 のいずれか、または全ては存在せずと
もよく、また、R8 とR9 の間の酸素原子は存在しなく
てもよい)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19314594A JPH0859331A (ja) | 1994-08-17 | 1994-08-17 | 硬化性無機質組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19314594A JPH0859331A (ja) | 1994-08-17 | 1994-08-17 | 硬化性無機質組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0859331A true JPH0859331A (ja) | 1996-03-05 |
Family
ID=16303038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19314594A Pending JPH0859331A (ja) | 1994-08-17 | 1994-08-17 | 硬化性無機質組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0859331A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1087361A (ja) * | 1996-06-06 | 1998-04-07 | Dow Corning Ltd | セメント材料 |
WO2001060880A3 (en) * | 2000-02-17 | 2001-12-27 | Lee Eung Chan | Polyorganosilsesquioxane and process for preparing the same |
JP2003129038A (ja) * | 2001-10-29 | 2003-05-08 | Kansai Paint Co Ltd | 無機建材木口用のシーラー組成物及び塗膜形成方法 |
JP2004035377A (ja) * | 2002-07-08 | 2004-02-05 | Kawaguchi Makku Kogyo:Kk | 断熱耐火材組成物とこれを用いた断熱耐火材 |
JP2008515750A (ja) * | 2004-10-04 | 2008-05-15 | ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット | 完全防水コンクリート |
JP2015165087A (ja) * | 2014-02-08 | 2015-09-17 | 吉野石膏株式会社 | 木造外壁の耐力壁構造及びその施工方法 |
JP2018528924A (ja) * | 2015-08-28 | 2018-10-04 | シンテフ ティーティーオー アクティーゼルスカブ | 表面処理された粒状無機材料の製造方法 |
-
1994
- 1994-08-17 JP JP19314594A patent/JPH0859331A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1087361A (ja) * | 1996-06-06 | 1998-04-07 | Dow Corning Ltd | セメント材料 |
WO2001060880A3 (en) * | 2000-02-17 | 2001-12-27 | Lee Eung Chan | Polyorganosilsesquioxane and process for preparing the same |
WO2001060881A3 (en) * | 2000-02-17 | 2002-01-17 | Lee Eung Chan | Polyorganosilsesquioxane and process for preparing the same |
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US6774202B2 (en) | 2000-02-17 | 2004-08-10 | Intersilicone, Ltd. | Polyorganosilsesquioxane and process for preparing the same |
US6787625B2 (en) | 2000-02-17 | 2004-09-07 | Intersilicone Ltd. | Polyorganosilsesquioxane and process for preparing the same |
JP2003129038A (ja) * | 2001-10-29 | 2003-05-08 | Kansai Paint Co Ltd | 無機建材木口用のシーラー組成物及び塗膜形成方法 |
JP2004035377A (ja) * | 2002-07-08 | 2004-02-05 | Kawaguchi Makku Kogyo:Kk | 断熱耐火材組成物とこれを用いた断熱耐火材 |
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