JPH085898Y2 - 跳ね上げ機構付チルト式ステアリング装置 - Google Patents

跳ね上げ機構付チルト式ステアリング装置

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JPH085898Y2
JPH085898Y2 JP1989049490U JP4949089U JPH085898Y2 JP H085898 Y2 JPH085898 Y2 JP H085898Y2 JP 1989049490 U JP1989049490 U JP 1989049490U JP 4949089 U JP4949089 U JP 4949089U JP H085898 Y2 JPH085898 Y2 JP H085898Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案に係る跳ね上げ機構付チルト式ステアリング
装置は、自動車用操舵装置を構成するステアリングコラ
ムを、車体に対して揺動自在に支持する部分の改良に関
し、衝突時に於ける運転者の傷害防止を、より確実に図
れる様にするものである。
(従来の技術) 運転者の体格や運転姿勢等に応じてステアリングホイ
ールの高さを変えられる様にした、所謂チルト式ステア
リング装置と呼ばれる、ステアリングホイールの高さ調
節装置が、従来から知られている。
又、ステアリングホイールが乗降の妨げとならない様
にする為、レバーの操作によりステアリングホイールを
跳ね上げ、このステアリングホイールを十分に高い位置
に迄上昇させた状態で、乗降を行なえる様にする装置
も、従来から使用されている。
この様なステアリングホイールの跳ね上げ装置と上記
チルト式ステアリング装置とを組み合わせる場合、ステ
アリングホイールを跳ね上げた状態で乗降した後、再び
自動車を運転する場合に、ステアリングホイールの高さ
位置を、迅速且つ容易に、所望の高さ位置(運転者の体
格等に応じてチルト調節した位置)に復帰させられる事
が好ましい。
この為従来から、例えば特開昭63−134369号公報、実
開昭64−18976号公報等に開示されている様に、運転者
の体格等に応じてチルト調節した位置を記憶しておき、
跳ね上げた状態のステアリングホイールを下降させた場
合に、自動的に上記所望高さ位置に復帰させる事の出来
る、所謂メモリー機能を具えた跳ね上げ機構付チルト式
ステアリング装置が考えられ、実際に使用もされてい
る。
この様な跳ね上げ機構付チルト式ステアリング装置の
場合、運転者の体格等に応じてステアリングホイールの
高さを微調節する作業は、チルト調節レバーを操作しつ
つ行なう。これに対して、乗降の為にステアリングホイ
ールを跳ね上げる操作は、別に設けた跳ね上げレバーを
操作する事で行なう。
ステアリングコラムを跳ね上げた状態のまま乗降を行
なった後、このステアリングコラムを下降させれば、メ
モリー機能に基づきステアリングホイールが、予めチル
ト調節された高さ位置に固定される。
(考案が解決しようとする課題) ところが、上述の様に使用される、従来の跳ね上げ機
構付チルト式ステアリング装置の場合、メモリー機能を
有するか否かに関係なく、次に述べる様な、解決すべき
問題が生じる。
即ち、従来の跳ね上げ機構付チルト式ステアリング装
置の場合、チルト調節レバーを操作する事に伴なってス
テアリングホイールが、チルト調節可能な範囲を超え
て、乗降を行なう為の跳ね上げ位置に迄上昇してしま
う。
運転者の体格等に応じてステアリングホイールの高さ
位置を微調節する、所謂チルト調節作業時には、ステア
リングホイールを手で抑え、このステアリングホイール
が跳ね上げ用ばねの弾力により上昇しない様にする為、
特に問題は生じないが、衝突時に運転者の安全を確保す
る場合に於いて、問題を生じる場合がある。
即ち、跳ね上げ機構付チルト式ステアリング装置の場
合、チルト調節レバーが、ステアリングコラム(ステア
リングシャフトを挿通した筒)の下側に突出した状態で
設けられる為、衝突に伴なって運転者の膝が上記チルト
調節レバーにぶつかり、ステアリングホイールが跳ね上
げ用ばねの弾力により上昇する可能性がある。
自動車が衝突事故を起こした場合、自動車が他の自動
車等と衝突する、所謂一次衝突に続いて、運転者等がス
テアリングホイールに衝突する、所謂二次衝突が発生す
るが、この二次衝突時に於ける運転者の傷害が軽く済む
様にする為には、ステアリングホイールの高さ位置が低
いままの方が好ましい。
即ち、ステアリングホイールが高い位置に存在する
と、上記二次衝突時に、ステアリングホイールと運転者
の頭部とが衝突し易く、重大な傷害に結び付き易くな
る。
特に、衝突時に風船を膨らませる事により運転者を保
護する、所謂エアバックは、ステアリングホイールの中
央部に組み込まれる為、一次衝突に伴なう衝撃により運
転者の膝がチルト調節レバーに当たり、ステアリングホ
イールが跳ね上がった場合、エアバックが作動しても、
二次衝突に伴なう運転者の保護を十分に図れない可能性
が生じる。
本考案の跳ね上げ機構付チルト式ステアリング装置
は、チルト調節レバーの操作によっては、ステアリング
ホイールが跳ね上げ位置に迄上昇しない様にする事で、
上述の様な不都合を解消するものである。
(課題を解決する為の手段) 本考案の跳ね上げ機構付チルト式ステアリング装置
は、従来から知られた跳ね上げ機構付チルト式ステアリ
ング装置と同様に、一端部にステアリングホイールを固
定する第一のステアリングシャフトを挿通した第一のス
テアリングコラムと、この第一のステアリングコラムの
他端部にその一端を、第一の横軸を中心とする揺動自在
に結合し、内部に第二のステアリングシャフトを挿通し
た、第二のステアリングコラムと、上記第一のステアリ
ングコラムの一端部を上方に跳ね上げる為のばねと、上
記第一の横軸の延長線上に存在し、上記第一のステアリ
ングシャフトの他端と第二のステアリングシャフトの他
端とを互いに結合した自在継手と、上記第一のステアリ
ングコラムの下面に固定され、上記横軸を中心とする円
弧状凸面に第一の噛合歯を形成した固定ギヤと、車体に
固定され、且つ上記第二のステアリングコラムの一端部
が固定される支持ブラケットに設けた第二の横軸に基端
部を枢支し、先端部上縁に上記第一の噛合歯と噛合する
第二の噛合歯を形成した可動ギヤと、上記第二の横軸に
基端部を遊合させ、先端部上縁に上記第一の噛合歯と噛
合する第三の噛合歯を形成したメモリーギヤと、上記第
一の横軸を中心とする揺動に伴なって、上記第二、第三
の噛合歯と上記第一の噛合歯との噛合を外すチルト調節
レバーと、上記第一の横軸を中心とする揺動に伴なっ
て、上記第二の噛合歯と上記第一の噛合歯との噛合を外
す跳ね上げレバーとから構成される。
特に、本考案の跳ね上げ機構付チルト式ステアリング
装置に於いては、係合時に上記跳ね上げの為のばねによ
る第一のステアリングコラムの跳ね上げ量を、チルト調
節される範囲内に制限する制限機構を設け、この制限機
構と上記跳ね上げレバーとの間にのみ、上記跳ね上げレ
バーの揺動に伴なって上記制限機構の係合を解除する、
解除機構を設けている。
このうちの制限機構は、上記第一のステアリングコラ
ムと支持ブラケットとの間に、上記固定ギヤの側面に突
設した突部と、上記支持ブラケットに設けた横軸に基端
部を枢支し、先端部に上記突部に対して係脱自在な鉤部
を設けた係止レバーとにより構成される。又、解除機構
は、上記跳ね上げレバーの一部に固設され、この跳ね上
げレバーの揺動に伴なって上記係止レバーを揺動させる
押圧片により構成される。
(作用) 上述の様に構成される、本考案の跳ね上げ機構付チル
ト式ステアリング装置により、運転者の体格等に応じて
ステアリングホイールの高さ位置を調整したり、乗降す
る為にステアリングホイールを跳ね上げたりする際の作
用自体は、前記各公報等に記載された、従来の跳ね上げ
機構付チルト式ステアリング装置とほぼ同様である。
特に、本考案の跳ね上げ機構付チルト式ステアリング
装置に於いては、チルト調節レバーを操作した場合に
は、制限機構が係合したままの状態に保持される為、ス
テアリングホイールが、チルト調節可能な範囲でしか上
昇しない。
従って、衝突時に運転者の膝がチルト調節レバーにぶ
つかり、このチルト調節レバーが揺動した場合でも、ス
テアリングホイールが跳ね上がる事がなく、運転者が大
きな傷害を受ける可能性を低く抑える事が可能となる。
乗降時には、跳ね上げレバーを操作する事により、制
限機構が解除される為、ステアリングホイールがチルト
調節範囲を超えて十分に上昇し、運転者の乗降が容易に
行なわれる様になる。
跳ね上げレバーは、一般的にステアリングコラムの側
方に設けられ、自動車の衝突時にも運転者の膝がぶつか
る可能性は低い。従って、衝突時に跳ね上げレバーが揺
動し、ステアリングホイールが跳ね上がる危険性は、チ
ルト調節レバーの場合に比較して低い。
(実施例) 次に、図示の実施例を説明しつつ、本考案を更に詳し
く説明する。第1〜7図は本考案の実施例を示してい
る。筒状に形成された第一のステアリングコラム1の内
側には、第一のステアリングシャフト3を挿通してい
る。そして、この第一のステアリングシャフト3の一端
部(第1図の右端部)に、ステアリングホイール(図示
省略)の中央部を装着する為のセレーション部2を形成
している。
上記第一のステアリングコラム1の他端部(第1図の
左端部)は、第二のステアリングコラム4の一端部(第
1図の右端部)が固定される支持ブラケット6に、第一
の横軸5、5を中心として揺動自在に、結合されてい
る。即ち、金属板をコ字形に曲げ形成する事により造ら
れ、自動車のダッシュボードの下面等に固定される支持
ブラケット6に第二のステアリングコラム4の一端部を
固定している。これと共に、支持ブラケット6に、互い
に同心に支持された1対の第一の横軸5、5により、上
記第一のステアリングコラム1の他端部を枢支してい
る。この様に第一のステアリングコラム1を支持する事
により、この第一のステアリングコラム1が第一の横軸
5、5を中心として揺動自在となる。そして、揺動する
事に伴ない、上記第一のステアリングシャフト3の一端
に固定されたステアリングホイールの高さ位置が変化す
る。
又、上記第二のステアリングコラム4の内部には、第
二のステアリングシャフト(図示せず)を挿通し、この
第二のステアリングシャフトの一端と上記第一のステア
リングシャフト3の他端とを、図示しない自在継手によ
り、互いに結合している。この場合に於いて、上記自在
継手の変位中心は、上記1対の第一の横軸5、5の中心
線上に位置させている。
この結果、第一のステアリングシャフト3と第二のス
テアリングシャフトとの間での回転力伝達は、横軸5、
5を中心とする第一のステアリングコラム1の揺動に関
係なく、常に円滑に行なわれる。
支持ブラケット6の中間部側面には、第1〜2図に示
す様に引っ張りレバー36の中間部を、枢軸10、10により
枢支している。そして、この引っ張りレバー36の上端部
にその一端(第1図の左端)を係止したケーブル7の他
端を、第3図に示す様に、第一のステアリングコラム1
の他端部(第1図の左端部)上縁に係止している。又、
支持ブラケット6の下面に固定した係止ブラケット8
と、上記引っ張りレバー36の下端部との間には、第1図
及び第2図に示す様に、引っ張りばね9、9を設けてい
る。そして、この引っ張りばね9、9により上記引っ張
りレバー36に、中間の枢軸10、10を中心として、第1図
の反時計方向に回転しようとする弾力を付与している。
この結果、上記第一のステアリングコラム1には、常に
上方に揺動する方向(第一の横軸5、5を中心として、
第1図で反時計方向に揺動する方向)の弾力が付与され
た状態となる。
一方、上記第一のステアリングコラム1の他端部下面
には、第6図に示す様な固定ギヤ11が固定されている。
第4〜5図に示す様に、第一の横軸5、5の直下位置に
固定された、この固定ギヤ11の下面は、上記第一の横軸
5、5の中心線を中心とする円弧状凸面とされている。
そして、この円弧状凸面に、第一の噛合歯12を形成して
いる。
一方、上記支持ブラケット6の下面に、上記係止ブラ
ケット8と隣接した状態で固定されたコ字形の支持ブラ
ケット13には、第二の横軸14の両端部を支持している。
そして、この第二の横軸14には、可動ギヤ15の一端部を
枢支すると共に、メモリーギヤ16の一端部を遊合させて
いる。
このうちの可動ギヤ15は、第7図に示す様に、上記第
二の横軸14を挿通する為の円孔17を基端部(第7図の左
端部)に形成すると共に、先端部(第7図の右端部)上
縁には、上前記固定ギヤ11の下面に形成した第一の噛合
歯12と噛合する、第二の噛合歯18を形成している。又、
この可動ギヤ15の先端部側面には係合ピン19を固設し、
この係合ピン19と、後述する跳ね上げレバー35に固定の
部分に設けられた傾斜下面47(第3図)との係合によ
り、可動ギヤ15を下方に押し下げられる様にしている。
一方、上記可動ギヤ15に隣接した状態で、上記第二の
横軸14に支持されるメモリーギヤ16は、やはり第7図に
示す様に、基端部(第7図の左端部)に円弧形の切り欠
き22を形成し、先端部(第7図の右端部)上縁に上記可
動ギヤ15と同様に、上記固定ギヤ11の下面に形成した第
一の噛合歯12と噛合する、第三の噛合歯23を形成してい
る。
この様なメモリーギヤ16は、基端部に形成した円弧形
の切り欠き22を上記第二の横軸14の基端部を遊合させた
状態で、この第二の横軸14に支持される。又、このメモ
リーギヤ16の側面にも、上記可動ギヤ15の場合と同様の
係合ピン24を固設している。そして、この係合ピン24
は、チルト調節レバー20に固定の部分に設けた傾斜下縁
21との係合により、上記メモリーギヤ16を下方に押し下
げられる様にしている。
但し、メモリーギヤ16に固設した係合ピン24の先端部
には、第3図に示す様に、引っ張りばね25の下端を係止
して、このメモリーギヤ16の先端部に、常に上方に向か
う弾力を付与している。この為、メモリーギヤ16の先端
部上縁に形成した第三の噛合歯23と、上記固定ギヤ11の
下面に形成した第一の噛合歯12とは、メモリーギヤ16の
先端部を押し下げる方向の外力が加わらない限り、第一
のステアリングコラム1に固定された固定ギヤ11が上昇
した場合にも、噛合したままの状態に保持される。
又、このメモリーギヤ16の中間部上縁には、隣接して
設けられた可動ギヤ15に向けて、覆板部26が形成されて
いる。この覆板部26は、固定ギヤ11の下面に形成した第
一の噛合歯12の一部を覆い、この第一の噛合歯12と可動
ギヤ15上縁の第二の噛合歯18とが、チルト調節された所
定位置以外で噛合する事のない様にすると共に、メモリ
ーギヤ16が下方に揺動した場合に、可動ギヤ15もこれに
伴なって下方に揺動させる役目を有する。
一方、前記第一の横軸5、5には、第1〜3図に示す
様な、1対の吊り下げ腕27、27の上端部を枢支してお
り、係止ロッド28により、両吊り下げ腕27、27の下端部
同士を、互いに結合している。この係止ロッド28の上面
は、第4〜5図に示す様に、上記可動ギヤ15及びメモリ
ーギヤ16の先端部下縁に形成された、傾斜縁29、30と摺
接する。そして、この係止ロッド28が、第4図に示す様
に、各ギヤ15、16の下側に深く進入している場合には、
両ギヤ15、16の先端部上縁に形成した第二、第三の噛合
歯18、23と、上記固定ギヤ11の下面に形成した第一の噛
合歯12とが噛合したままの状態となる。これに対して、
第5図に示す様に、係止ロッド28が各ギヤ15、16の下側
から抜け出る方向に移動した場合には、上記第二、第三
の噛合歯18、23と上記第一の噛合歯12との噛合が外れ
る。そして、各吊り下げ腕27、27と上記係止ブラケット
8との間には、第1〜2図に示す様に、それぞれ引っ張
りばね31を設けている。そして、この引っ張りばね31に
より上記係止ロッド28に、上記可動ギヤ15及びメモリー
ギヤ16の先端部下縁に形成された、傾斜縁29、30の下側
に入り込もうとする方向の弾力を付与している。
更に、上記第一の横軸5、5には、それぞれこの第一
の横軸5、5を中心とする揺動に伴なって、上記第二、
第三の噛合歯18、23と上記第一の噛合歯12との噛合を外
す、チルト調節レバー20の上端部と跳ね上げレバー35上
端部とを枢支している。
このうちのチルト調節レバー20には、前述の様に、メ
モリーギヤ16に固設した係合ピン24の上面と摺接する傾
斜下縁21を有する部分を設けると共に、この傾斜下縁21
よりも下側に存在する下側縁32を、第4〜5図に示す様
に、上記係止ロッド28に対向させている。
一方の跳ね上げレバー35は、その基端部に形成した二
股部33と、上記支持ブラケット6の側面に形成した係止
突起34との係合に基づき、一定角度範囲のみ、第一の横
軸5を中心として摺動自在である。又、上記跳ね上げレ
バー35と、上記支持ブラケット6の側面に設けた係止部
37との間には、第1、4、5図に示す様に、引っ張りば
ね38を設けている。そして、この引っ張りばね38により
上記跳ね上げレバー35に、第1、4、5図で時計方向に
揺動しようとする方向の弾力を付与している。
上記吊り下げ腕27の中間部側縁には、第1図に示す様
に、外方に向けてほぼ直角に折れ曲がった受部39を形成
している。そして、上記跳ね上げレバー35の下端部側縁
をこの受部39に対向させ、跳ね上げレバー35の動きを吊
り下げ腕27を介して、上記係止ロッド28に伝達自在とし
ている。又、この跳ね上げレバー35の一部に設けた傾斜
下面47は、上記可動ギヤ15の側面に固設した係合ピン19
の上面に対向させている。そして、跳ね上げレバー35を
第一の横軸5、5を中心として、第1、4、5図で反時
計方向に揺動させた場合に、その揺動の途中からは(メ
モリーギヤ16とは独立させて)可動ギヤ15の先端部のみ
を、下方に押し下げられる様にしている。
更に、前記第一のステアリングコラム1と支持ブラケ
ット13との間には、係合時に前記跳ね上げ用の引っ張り
ばね9、9による、第一のステアリングコラム1の跳ね
上げ量を、チルト調節される範囲内に制限する制限機構
を設けている。そして、(チルト調節レバー20とは関係
なく)この制限機構と上記跳ね上げレバー35との間にの
み、この跳ね上げレバー35の回動に伴なって上記制限機
構の係合を解除する解除機構を設けている。
そして、この制限機構は、上記固定ギヤ11の側面に突
設した突部40(第4、5、6図)と、支持ブラケット13
に設けた前記第二の横軸14に基端部(第7図の左端部)
を枢支し、先端部(第7図の右端部)に上記突部40と係
脱自在な鉤部41を設けた、係止レバー42とにより構成さ
れている。
即ち、第二の横軸14により、支持ブラケット6下面の
支持ブラケット13に枢支された係止レバー42には、第4
〜5図に示す様に、支持ブラケット6の下面との間に設
けた板ばね43により、第1、4、5図で反時計方向に揺
動しようとする方向の弾力が付与されている。そして、
係止レバー42に、板ばね43の弾力以外の外力が加わらな
い場合には、この係止レバー42が第4図に示した状態に
あり、上記引っ張りばね9、9の弾力により、第一のス
テアリングコラム1が上方に揺動しようとした場合に
も、係止レバー42の鉤部41と固定ギヤ11の突部40とが衝
合し、上記第一のステアリングコラム1の、上方への揺
動が制限される様にしている。
一方、上記解除機構は以下の様に構成されている。即
ち、上記跳ね上げレバー35の下端縁に押圧片44を設け、
この押圧片44の下面を、上記係止レバー42の上縁に近接
させている。そして、この跳ね上げレバー35を第1、
4、5図で反時計方向に揺動させる事に伴ない、係止レ
バー42を、第5図に示す様に、下方に押し下げられる様
にしている。
上述の様に構成される、本考案の跳ね上げ機構付チル
ト式ステアリング装置は、次の様に作用する。
先ず、運転者の体格等に応じてステアリングホイール
の高さ位置の調節を行なう場合、チルト調節レバー20の
下端部に設けた把手45を、第1、4図の右方に引っ張
り、上記チルト調節レバー20を、同図で反時計方向に揺
動させる。
この結果、チルト調節レバー20の下側縁32が、係止ロ
ッド28を第1、4図で右方に押圧すると同時に、上記チ
ルト調節レバー20に固定の部分に設けられた傾斜下縁21
が、メモリーギヤ16に固設した係合ピン24を下方に押圧
する。これと同時に、メモリーギヤ16の上縁に形成した
覆板部26が、可動ギヤ15を下方に押圧する。この結果、
両ギヤ15、16の先端部が共に下方に揺動し、上記両ギヤ
15、16の先端部上縁に形成した第二、第三の噛合歯18、
23と、第一のステアリングコラム1の下面に固定した固
定ギヤ11下面の第一の噛合歯12との噛合が解かれる。
この結果、上記第一のステアリングコラム1が、第一
の横軸5、5を中心として揺動自在な状態となり、ステ
アリングホイールの高さ位置を、任意に調節出来る様に
なる。ステアリングホイールを任意の高さ位置に保持し
た状態のまま、チルト調節レバー20の把手45を引っ張っ
ていた力を解除すれば、係止ロッド28が引っ張りばね3
1、31の弾力により、可動、メモリー、両ギヤ15、16の
傾斜縁29、30の下側に進入する。そして、両ギヤ15、16
に形成した第二、第三の噛合歯18、23と、固定ギヤ11に
形成した第一の噛合歯12とを噛合させる。この結果、ス
テアリングホイールが、上記任意の高さ位置に固定され
る。チルト調節レバー20は、係止ロッド28により元の位
置に引き戻される。
但し、上述の様にチルト調節を行なう際には、係止レ
バー42が第4図に示す様に、板ばね43の弾力によって上
方に揺動したままの状態にある。この為、前記引っ張り
ばね9、9の弾力により、第一のステアリングコラム1
が上方に揺動しても、この揺動量は係止レバー42先端の
鉤部41と、固定ギヤ11側面の突部40との衝合により、制
限される。
上記係止レバー42先端の鉤部41と固定ギヤ11側面の突
部40とが衝合した際に於けるステアリングホイールの高
さ位置は、チルト調節可能な最上位置としており、チル
ト調節レバー20を操作しただけでは、ステアリングホイ
ールの高さ位置が、(乗降の為にステアリングホイール
を跳ね上げる場合の様に)極端に高くなる事はない。
従って、衝突事故の際に、運転者の膝がチルト調節レ
バー20にぶつかった場合でも、ステアリングホイールの
高さが極端に高くなる事はなく、ステアリングホイール
と運転者の頭部とが衝突する危険性を低く抑える事が可
能となる。
又、乗降の為にステアリングホイールを跳ね上げる場
合、跳ね上げレバー35の先端部に設けた把手46を上方に
引き上げ、この跳ね上げレバー35を、第一の横軸5を中
心として、第1、5図で反時計方向に揺動させる。
この揺動の結果、上記跳ね上げレバー35の下端部側縁
が、吊り下げ腕27の中間部側縁に設けた受部39を押し、
上記吊り下げ腕27の下端部に支持された係止ロッド28
を、第1、5図で右方に移動させる。これと同時に、跳
ね上げレバー35の下端部に設けた押圧片44が係止レバー
42を、板ばね43の弾力に抗して下方に押し下げ、この係
止レバー42先端の鉤部41と、上記固定ギヤ11側面の突部
40とが衝合しない様にする。
この状態から更に跳ね上げレバー35を揺動させると、
次いでこの跳ね上げレバー35に固定の部分に設けた傾斜
下面47が、可動ギヤ15に固設した係合ピン19を下方に押
圧する。そして、可動ギヤ15の先端部を下方に揺動さ
せ、この可動ギヤ15の先端部上縁に形成した第二の噛合
歯18と、第一のステアリングコラム1の下面に固定した
固定ギヤ11下面の第一の噛合歯12との噛合を解いて、第
一のステアリングコラム1が、自由に揺動可能な状態と
する。この際、可動ギヤ15に隣接して設けられたメモリ
ーギヤ16の覆板部26と可動ギヤ15とが係合する事はない
為、メモリーギヤ16が可動ギヤ15に伴なって、下方に揺
動する事はない。
上述の様に、第一のステアリングコラム1の揺動が自
由となった状態では既に、係止レバー42先端の鉤部41
と、上記固定ギヤ11側面の突部40とが衝合しない位置関
係となっている。この為、第一のステアリングコラム1
が、前記引っ張りばね9、9の弾力に基づいて、上方に
大きく跳ね上がる。
この様にしてステアリングホイールが上方に跳ね上が
った場合でも、メモリーギヤ16は引っ張りばね25の弾力
により上方に揺動し、固定ギヤ11下面の第一の噛合歯12
とメモリーギヤ16上縁の第三の噛合歯23とは、噛合した
ままの状態に保たれる。
この結果、乗降終了後、引っ張りばね9、9の弾力に
抗してステアリングホイールを下降させれば、可動ギヤ
15の第二の噛合歯18と固定ギヤ11の第一の噛合歯12と
が、上記メモリーギヤ16の覆板部26から外れた部分で噛
合し、このステアリングホイールが、予めチルト調節さ
れた位置に固定される。
この様に、ステアリングホイールを下降させる事で、
このステアリングホイールを、予めチルト調節された位
置に固定する、所謂メモリー機能に就いては、前述した
特開昭63−134369号公報等に記載された、従来のステア
リング装置の場合と同様である為、詳しい説明は省略す
る。
(考案の効果) 本考案の跳ね上げ機構付チルト式ステアリング装置
は、以上に述べた通り構成され作用するが、衝突時に運
転者の膝によりチルト調節レバーが揺動した場合に於い
ても、ステアリングホイールの上昇量は、チルト調節可
能な範囲に抑えられる。この為、所謂二次衝突の際に、
運転者が頭部に重大な傷害を受ける可能性を低くする事
が出来、ステアリングホイールにエアバックを装着した
場合にも、このエアバックの効果を最大限に発揮出来る
様になる。
【図面の簡単な説明】
第1〜7図は本考案の実施例を示しており、第1図は側
面図、第2図は第1図のA矢視図、第3図は第1図のB
−B断面図、第4図はチルト調節を行なう状態を、第5
図はステアリングホイールの跳ね上げを行なう状態を、
それぞれ一部の部品を省略して示す、第1図の中央部拡
大図、第6図は固定ギヤの斜視図、第7図は可動ギヤと
メモリーギヤと係止レバーとを示す斜視図である。 1:第一のステアリングコラム、2:セレーション部、3:第
一のステアリングシャフト、4:第二のステアリングコラ
ム、5:第一の横軸、6:支持ブラケット、7:ケーブル、8:
係止ブラケット、9:引っ張りばね、10:枢軸、11:固定ギ
ヤ、12:第一の噛合歯、13:支持ブラケット、14:第二の
横軸、15:可動ギヤ、16:メモリーギヤ、17:円孔、18:第
二の噛合歯、19:係合ピン、20:チルト調節レバー、21:
傾斜下縁、22:切り欠き、23:第三の噛合歯、24:係合ピ
ン、25:引っ張りばね、26:覆板部、27:吊り下げ腕、28:
係止ロッド、29、30:傾斜縁、31:引っ張りばね、32:下
側縁、33:二股部、34:係止突起、35:跳ね上げレバー、3
6:引っ張りレバー、37:係止部、38:引っ張りばね、39:
受部、40:突部、41:鉤部、42:係止レバー、43:板ばね、
44:押圧片、45、46:把手、47:傾斜下面。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端部にステアリングホイールを固定する
    第一のステアリングシャフトを挿通した第一のステアリ
    ングコラムと、この第一のステアリングコラムの他端部
    にその一端を、第一の横軸を中心とする揺動自在に結合
    し、内部に第二のステアリングシャフトを挿通した、第
    二のステアリングコラムと、上記第一のステアリングコ
    ラムの一端部を上方に跳ね上げる為のばねと、上記第一
    の横軸の延長線上に存在し、上記第一のステアリングシ
    ャフトの他端と第二のステアリングシャフトの他端とを
    互いに結合した自在継手と、上記第一のステアリングコ
    ラムの下面に固定され、上記横軸を中心とする円弧状凸
    面に第一の噛合歯を形成した固定ギヤと、車体に固定さ
    れ、且つ上記第二のステアリングコラムの一端部が固定
    される支持ブラケットに設けた第二の横軸に基端部を枢
    支し、先端部上縁に上記第一の噛合歯と噛合する第二の
    噛合歯を形成した可動ギヤと、上記第二の横軸に基端部
    を遊合させ、先端部上縁に上記第一の噛合歯と噛合する
    第三の噛合歯を形成したメモリーギヤと、上記第一の横
    軸を中心とする揺動に伴なって、上記第二、第三の噛合
    歯と上記第一の噛合歯との噛合を外すチルト調節レバー
    と、上記第一の横軸を中心とする揺動に伴なって、上記
    第二の噛合歯と上記第一の噛合歯との噛合を外す跳ね上
    げレバーとから成る跳ね上げ機構付チルト式ステアリン
    グ装置に於いて、上記第一のステアリングコラムと上記
    支持ブラケットとの間に、上記固定ギヤの側面に突設し
    た突部と、上記支持ブラケットに設けた横軸に基端部を
    枢支し、先端部に上記突部に対して係脱自在な鉤部を設
    けた係止レバーとにより構成され、係合時に上記跳ね上
    げの為のばねによる第一のステアリングコラムの跳ね上
    げ量を、チルト調節される範囲内に制限する制限機構を
    設け、この制限機構と上記跳ね上げレバーとの間にの
    み、この跳ね上げレバーの一部に固設され、この跳ね上
    げレバーの揺動に伴なって上記係止レバーを揺動させる
    押圧片により構成され、上記跳ね上げレバーの揺動に伴
    なって上記制限機構の係合を解除する、解除機構を設け
    た事を特徴とする跳ね上げ機構付チルト式ステアリング
    装置。
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