JPH0858752A - クランプ受け治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クランプを簡単に取付けることができるクラ
ンプ受け治具の提供。 【構成】 クランプ本体（３）とクリップ（７）と結束
バンド（５）とを備え結束バンド（５）の端部（５ａ）
を挿通部（１１）に挿通し結束バンド（５）の係合部
（１７）に係止片（１３）を係合させることによりワイ
ヤハーネス（Ｗ）を結束するクランプ（１）を、治具本
体（３）で受けるクランプ受け治具（４１）の治具本体
（３）に、挿通部（１１）のバンド出口（１１ｂ）側を
開口した状態でクランプ本体（３）を収容保持するクラ
ンプ収容部（４７）と、挿通部（１１）のバンド入口
（１１ａ）側で結束バンド（５）の端部（５ａ）を挿通
部（１１）に案内するガイド部（４９）を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤハーネスを他部
品へ取付けるクランプの受け治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のクランプ１を図４に示
す。

【０００３】このクランプ１は、図４のように、クラン
プ本体３と結束バンド５とクリップ７とから構成され、
これらは樹脂によって一体成形されている。クランプ本
体３には、貫通する矩形穴状の挿通部１１が形成され、
挿通部１１には、可撓性の係止片１３が設けられてい
る。結束バンド５はクランプ本体３の上面１５の後端１
５ａから延設され、結束バンド５の表面には連続する多
段状の係合部１７が設けられている。かかる結束バンド
５をワイヤハーネスＷの外周に上方から下方に回して巻
き付け、結束バンド５の端部５ａを挿通部１１のバンド
入口１１ａ側からバンド出口側１１ｂに挿通して、結束
バンド５の係合部１７に係止片１３を係合させることに
より、ワイヤハーネスＷが結束されると共に、クランプ
本体３がワイヤハーネスＷの外周に固定される。クリッ
プ７は、他部品である車体パネル等に形成された取付穴
（図示外）に嵌合されるアンカー突起２１と、車体パネ
ル等とクランプ本体３との間で弾性変形する一対の羽部
２３とを備え、クランプ本体３の下面１９に突設されて
いる。クリップ７は、アンカー突起２１を取付穴に嵌合
することにより車体パネル等に接続された状態となり、
これにより、クランプ１を介してワイヤハーネスＷが車
体パネル等に取付けられる。

【０００４】また、図５のように、挿通部１１のバンド
入口１１ａは結束バンド５の延出された後端１５ａの直
ぐ下方に設けられ、結束バンド５はクランプ本体３から
離れる方向に延出されている。このため、ワイヤハーネ
スＷはクリップ７の突設位置から該突設方向と交叉する
方向に図中Ｌだけずれた位置で結束される。従って、図
５（ａ）のようにワイヤハーネスＷに対してクランプ１
を一方向に向けて結束バンド５を一側（図中左側）から
回して巻き付けた場合と、図５（ｂ）のようにクランプ
１を反対方向に向けて結束バンド５を反対側（図中右
側）から回して巻き付けた場合では、ワイヤハーネスＷ
に対するクリップの位置が２Ｌだけずれてしまう。すな
わち、このクランプ１はいわゆる取付方向性を有してお
り、ワイヤハーネスＷに対して同一姿勢で取付ける必要
がある。

【０００５】クランプ１のワイヤハーネスへの取付け
は、図４のように、ワイヤハーネスＷの製造時におい
て、布線板２５上に固定したクランプ受け治具３１にク
ランプ１を載置した状態で、結束バンド５によってワイ
ヤハーネスＷを結束して行っている。このクランプ受け
治具３１は治具本体３３の上面３５に穴部３７を有し、
穴部３７にアンカー突起２１を挿入して治具本体３３上
にクランプ１を載置している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のクラ
ンプ受け治具３１では、結束バンド５の端部５ａを挿通
部１１のバンド入口１１ａ側に挿入する際に、バンド入
口１１ａ側がワイヤハーネスＷの下方に隠れて見えにく
い場合があり、かかる挿入作業が煩雑であった。

【０００７】また、このクランプ受け治具３１では、ク
ランプ１を一方向と他方向の双方に向けて載置すること
が可能であるため、結束バンド５を誤って反対方向から
ワイヤハーネスＷに巻き付けてしまう恐れがあり、いわ
ゆる取付方向性を有するクランプ１に対しては不向きで
あった。

【０００８】本発明は、上記事情を考慮し、ワイヤハー
ネスにクランプを簡単に取付けることができるクランプ
受け治具の提供を目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
係止片を有する挿通部が形成されたクランプ本体と、ク
ランプ本体から突設され他部品に接続されるクリップ
と、クランプ本体から延設され連続する係合部を有する
結束バンドとを備え、結束バンドの端部を挿通部に挿通
し結束バンドの係合部に係止片を係合させることによ
り、結束バンドでワイヤハーネスを結束するクランプ
を、治具本体で受けるクランプ受け治具であって、前記
治具本体に、前記挿通部の少なくともバンド出口側を開
口した状態で前記クランプ本体を収容保持するクランプ
収容部と、前記挿通部のバンド入口側で前記結束バンド
の端部を前記挿通部に案内するガイド部とを設けたこと
を特徴とする。

【００１０】請求項２記載の発明は、請求項１記載のク
ランプ受け治具であって、前記結束バンドは、前記クリ
ップの突設位置から該突設方向と交叉する方向にずれた
位置でワイヤハーネスを結束し、前記クランプ収容部
は、前記クランプ本体を同一姿勢でのみ収容可能である
ことを特徴とする。

【００１１】請求項３記載の発明は、請求項１又は請求
項２記載のクランプ受け治具であって、前記治具本体
は、ワイヤハーネス製造用の布線板上に固定したことを
特徴とする。

【００１２】

【作用】請求項１記載の発明では、ワイヤハーネスにク
ランプを取付ける場合、治具本体のクランプ収容部にク
ランプ本体を収容保持させ、結束バンドをワイヤハーネ
スの外周に沿って巻き付け、結束バンドの端部を挿通部
のバンド入口側からバンド出口側に挿通して、結束バン
ドの係合部に係止片を係合させる。この際、バンド入口
側には結束バンドの端部を挿通部に案内するガイド部が
設けられているので、このガイド部によって結束バンド
の端部を容易に挿通部に挿入させることができ、クラン
プをワイヤハーネスに簡単に取付けることができる。

【００１３】請求項２記載の発明では、請求項１記載の
発明の作用に加えて、結束バンドはクリップの突設位置
から該突設方向と交叉する方向にずれた位置でワイヤハ
ーネスを結束するため、クランプはいわゆる取付方向性
を有するが、スランプ収容部はクランプ本体を同一姿勢
でのみ収容可能であるため、ワイヤハーネスに対するク
ランプの取付け方向を常に同じ方向とすることができ
る。

【００１４】請求項３記載の発明では、請求項１又は請
求項２記載の発明の作用に加えて、治具本体をワイヤハ
ーネス製造用の布線板上に固定したので、ワイヤハーネ
スに対して所望の位置に確実にクランプを取付けること
ができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１６】図１は本実施例のクランプ受け治具を示す
斜視図、図２は図１のクランプ受け治具の使用状態を示
す斜視図、図３は図２の側断面図である。なお、従来と
同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略す
る。

【００１７】クランプ受け治具４１は、クランプ１を受
ける治具本体４３と、治具本体４３を布線板２５上の所
定の位置に固定する固定部４５とを有している。

【００１８】治具本体４５には、クランプ収容部４７と
ガイド部４９が設けられている。クランプ収容部４７は
治具本体４３の前側面５１と上面５３で開口し、前側面
５１側からクランプ本体３及びクリップ７が挿入され
る。クランプ収容部４７は羽部収容溝５５を有し、この
羽部収容溝５５にクランプ１の羽部２３が嵌合される。
クランプ収容部４７は、クランプ本体３を、結束バンド
５の延設された後端１５ａ側から挿入した場合のみ収容
可能で、クランプ本体３を常に同じ姿勢で保持するよう
に形成されている。前側面５１で開口するクランプ収容
部４７は、挿通部１１のバンド出口１１ｂ側を開口した
状態でクランプ本体３を収容保持し、羽部２３と羽部収
容溝５５との嵌合によってクランプ１の上方への抜けが
阻止されている。

【００１９】ガイド部４９は治具本体４３の上面５３に
溝状に形成され、その前端４９ａがクランプ収容部４７
に連通している。図３のように、ガイド部４９の底面５
７は、後端４９ｂ側から前端４９ａ側に向かって下方に
傾斜し、前端４９ａにおいて、クランプ収容部４７に収
容保持されたクランプ１の挿通部１１のバンド入口１１
ａ側の下面２９よりも僅かに上方に位置している。すな
わち、ガイド部４９の後端４９ｂから前端４９ａに向か
って結束バンド５の端部５ａを移動させることにより、
結束バンド５の端部５ａが挿通部１１のバンド入口１１
ａ側に案内されるようになっている。

【００２０】図１のように、固定部４５は断面略コ字状
に形成されている。固定部４５の上部４５ａにはクラン
プ本体４３が固定され、固定部４５の下部４５ｂはワイ
ヤハーネスＷ製造用の布線板２５上にボルト５９によっ
て締結固定されている。

【００２１】次に作用を説明する。

【００２２】ワイヤハーネスＷにクランプ１を取付ける
場合、まず、布線板２５上の所定の位置に固定された治
具本体４３のクランプ収容部４７に、図２のように、前
側面５１側からクランプ本体３を挿入して収容保持させ
る。次に、治具本体４３の上面５３にワイヤハーネスＷ
を載置させ、結束バンド５をワイヤハーネスＷの外周に
沿って回し、図３のように、結束バンド５の端部５ａ
を、ガイド部４９の後端４９ｂから前端４９ａに向かっ
て移動させる。結束バンド５の端部５ａは、ガイド部４
９内を移動することによりワイヤハーネスＷの下方を通
り、バンド入口１１ａ側からクランプ本体３内に挿入さ
れ、挿通部１１を挿通して、バンド出口１１ｂ側から突
出する。そして、この突出した結束バンド５の端部５ａ
を引張り、結束バンド５の係合部１７に係止片１３の係
止突起１３ａを係合させて、ワイヤハーネスＷを結束す
る。この際、結束バンド５の端部５ａは、ガイド部４９
によって挿通部１１のバンド入口１１ａ側に案内される
ので、結束バンド５の端部５ａを容易に挿通部１１に挿
入させることができ、クランプ１をワイヤハーネスＷに
簡単に取付けることができる。

【００２３】また、結束バンド５はクリップ１の突設位
置から該突設方向と交叉する方向にずれた位置でワイヤ
ハーネスＷを結束するため、クランプ１はいわゆる取付
方向性を有するが、クランプ本体３は後端１５ａ側から
挿入した場合のみクランプ収容部４７に収容可能で、ク
ランプ本体３は常に同じ姿勢で保持されるので、ワイヤ
ハーネスＷに対するクランプ１の取付け方向を常に同じ
方向とすることができ、誤方向からのクランプ１の取付
けを確実に防止することができる。これにより、取付方
向性を有するクランプ１の取付品質の向上と取付作業性
の向上を図ることができる。

【００２４】また、治具本体４３をワイヤハーネスＷ製
造用の布線板２５上に固定したので、ワイヤハーネスＷ
に対して所望の位置にクランプ１を確実に取付けること
ができる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の発
明によれば、ガイド部によって結束バンドの端部を容易
に挿通部に挿入させることができ、クランプの取付作業
性を向上させることができる。

【００２６】請求項２記載の発明によれば、請求項１記
載の発明の効果に加えて、取付方向性を有するクランプ
のワイヤハーネスに対する取付け方向を常に同じ方向と
して誤方向からの取付を確実の防止することができ、取
付品質の向上と取付作業性の向上を図ることができる。

【００２７】請求項３記載の発明によれば、請求項１又
は請求項２記載の発明の効果に加えて、ワイヤハーネス
に対して所望の位置に確実にクランプを取付けることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のクランプ受け治具を示す斜
視図である。

【図２】図１のクランプ受け治具の使用状態を示す斜視
図である。

【図３】図２の側断面図である。

【図４】従来のクランプ受け治具の一部を断面で示す斜
視図である。

【図５】従来のクランプ受け治具の取付け状態を示す断
面図である。

【符号の説明】

１ クランプ ３ クランプ本体 ５ 結束バンド ７ クリップ １１ 挿通部 １３ 係止片 １７ 係合部 ２５ 布線板 ４１ クランプ受け治具 ４３ クランプ本体 ４７ クランプ収容部 ４９ ガイド部 ４９ａ バンド入口 ４９ｂ バンド出口 Ｗ ワイヤハーネス

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 係止片を有する挿通部が形成されたクラ
   ンプ本体と、クランプ本体から突設され他部品に接続さ
   れるクリップと、クランプ本体から延設され連続する係
   合部を有する結束バンドとを備え、結束バンドの端部を
   挿通部に挿通し結束バンドの係合部に係止片を係合させ
   ることにより、結束バンドでワイヤハーネスを結束する
   クランプを、治具本体で受けるクランプ受け治具であっ
   て、 前記治具本体に、前記挿通部の少なくともバンド出口側
   を開口した状態で前記クランプ本体を収容保持するクラ
   ンプ収容部と、前記挿通部のバンド入口側で前記結束バ
   ンドの端部を前記挿通部に案内するガイド部とを設けた
   ことを特徴とするクランプ受け治具。
2. 【請求項２】 請求項１記載のクランプ受け治具であっ
   て、 前記結束バンドは、前記クリップの突設位置から該突設
   方向と交叉する方向にずれた位置でワイヤハーネスを結
   束し、 前記クランプ収容部は、前記クランプ本体を同一姿勢で
   のみ収容可能であることを特徴とするクランプ受け治
   具。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２記載のクランプ受
   け治具であって、 前記治具本体は、ワイヤハーネス製造用の布線板上に固
   定したことを特徴とするクランプ受け治具。