JPH0857850A - ポリカーボネート樹脂ペレットまたはシートの製造法 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂ペレットまたはシートの製造法Info
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Abstract
シート等の成形品を提供し得る。 【構成】 細孔径4nm以上の細孔の比表面積が20.
0m2/g 以下で、残存有機溶媒が0.4%以下である粒
状物を使用する。 【効果】 焼異物等の混入がなく、色相、耐熱性等にす
ぐれた溶融押出しペレットあるいはシート等を得ること
ができる。
Description
ペレットまたはシートの製造法に係り、さらに詳細に
は、ポリカーボネート樹脂粒状物を溶融押出し、ペレッ
トまたはシートに加工するに際して、ポリカーボネート
樹脂粒状物として、細孔径4nm以上の細孔の比表面積
が20. 0m2 /g以下である粒状物を使用することを
特徴とするものであり、特に焼け異物の混入がなく、色
相、耐熱性に優れたポリカーボネート樹脂ペレットまた
はシートに関する。本発明のポリカーボネート樹脂ペレ
ットは、光学用成形材料として、また自動車等の透明部
材用成形材料などとして有用なものである。
寸法安定性などが優れていることから、例えば、光ディ
スク、レンズ、プリズムなどの光学用材料、自動車のヘ
ッドランプレンズ、建材用シート材料として使用するこ
とが知られている。これらのようなポリカーボネートの
透明性を生かした用途に用いる際には、一般的に、着色
がなく透明性が高い上、異物や内部欠陥の少ないものが
要求される。
スフェノールAなどの二価フェノール化合物とホスゲン
とをアルカリの存在下、水及びハロゲン化炭化水素から
なる混合溶媒中で反応させる、いわゆる界面重合法によ
り反応、重合され、種々の方法によって一旦ポリカーボ
ネートの粒状物を得、この粒状物を溶融押出してペレッ
トあるいはシートに加工される。透明あるいは淡色化着
色ポリカーボネートの製造の場合には、外部からの異物
の混入を避け、また、生成ポリマーを十分精製すること
によって、ポリマー中へのモノマーや副生物、溶媒の混
入をできるだけ低く抑えることが必要である。
カーボネート樹脂を用いて、例えば、射出成形法により
光ディスクを成形した場合、ディスクの色相が黄色く着
色するほか、押出機や成形機内で焼け異物が発生し、こ
の異物により光ディスクとした場合の記録情報の信頼性
に影響(例えば、信号の読み取りエラーなど)を与える
ので、できる限り異物の発生量を抑えなければならな
い。ここでいう「焼け異物」とは、溶融押出工程中など
粉末が高温熱履歴を受けた際に、ポリマーの分解や再配
列などが発生して生成する異物(いわゆる樹脂焼け、焼
けゴミなど)に由来するものであり、短径0. 5μm以
上である物質を指し、通常市販されている光学顕微鏡や
微粒子カウンターなどの測定機器を用いることによっ
て、定量することができるものをいう。
状物を、染料や安定剤とコンパウンド化し淡色の着色ポ
リカーボネート樹脂成形材料やシートに加工した場合、
染顔料の色相が十分には発色せず、黄色味を帯びたり黒
ずんだりするという問題があった。こうした、押出、成
形加工時における色相や耐熱性の問題を解決する方法が
種々報告されている。
定剤として、フェノール系安定剤、フォスファイト系安
定剤を添加して押出す方法や、ポリプロピレングリコー
ルの誘導体を添加する方法(特開平4−120164)
などが多数報告されているが、十分な色相改善は望むこ
とができず、その効果が安定的に得られない。
および/または混練中に、水を添加し押出す方法(特開
昭61−221225、特開昭62−294528)、
水分と溶媒を含む湿潤粉末を、高理論表面更新頻度を有
する押出機に投入して直接ペレット化する方法(特開平
1−149827)などでは、水を多量に含んだ状態で
押出を行うために、高温度下での押出機材質の腐食を防
ぐことを目的として、スクリューやバレルに、高価な耐
腐食性の金属材質を使用せねばならない上に、L/D値
が大きな押出機を用いるためコストアップにつながるた
め工業的には十分出ない。
るとともに、水を添加して樹脂の含水量を500〜50
00ppmに調節した後、ペレット化する方法(特開平4
−81457)では、亜リン酸を添加したことによっ
て、耐加水分解性低下、光学用ディスクの長期信頼性低
下をもたらす問題がある。
に水を添加したり、押出混練中に水を添加する方法で
は、水の分散状態にばらつきが生じ、局部的に水の存在
量が高くなり押出機中で加水分解を起こし、成形品の色
調が悪化するという問題があった。
形時における色相悪化や耐熱性の劣化をもたらす要因と
して、押出機あるいは成形機中にポリマー粒状物を投入
する際、粒状物とともに空気中の酸素が取り込まれ、ポ
リマー溶融時に熱酸化劣化を引き起こすことに着目し、
ポリマー粒状物内部に含まれる空気の量を極力抑え、溶
融樹脂に取り込まれる酸素ガスの量を低減することによ
って、異物の混入がなく、色相、耐熱性等にすぐれたペ
レットあるいはシート等の成形品を提供するものであ
る。
多角的に鋭意検討を行った結果、押出機あるいは成形機
中に投入されるポリカーボネート樹脂粒状物の比表面積
が小さく、その粒状物中に残存する有機溶媒等の不純物
の含有量が特定量以下である粒状物を使用することにに
より目的が達成されることを見出した。
粒状物を溶融押出し、ペレットまたはシートに加工する
に際して、ポリカーボネート樹脂粒状物として細孔径4
nm以上の細孔の比表面積が20. 0m2 /g以下であ
る粒状物を使用することを特徴とするポリカーボネート
樹脂ペレットまたはシートの製造法に関する。
は、ポリカーボネート樹脂粒状物として細孔径4nm以
上の細孔の比表面積が20. 0m2 /g以下であり、該
粒状物中の残存有機溶媒量が0. 4%以下で、かつ燐酸
イオン、亜燐酸陰イオンあるいは硫酸陰イオン濃度また
は残存塩酸濃度が0. 05〜50. 0ppm であるポリカ
ーボネート樹脂粒状物を使用することにある。
ポリカーボネート樹脂の製法と同様の製法、すなわち界
面重合法、ピリジン法、クロロホーメート法等の溶液法
により、二価フェノール系化合物を主成分とし、少量の
分子量調節剤および所望により分岐化剤を用いてホスゲ
ンと反応させることにより製造され、所望に応じて分岐
化された、あるいは分子末端に一官能性化合物、たとえ
ば一価のフェノール性水酸基を有する化合物や長鎖アル
キル化合物などが導入されたホモ−或いはコーポリカー
ボネート樹脂で、粘度平均分子量が5,000〜10
0,000、好ましくは、13,000〜90,00
0、特に7,000〜35,000のものである。
いて、末端停止剤や炭素−炭素二重結合その他のグラフ
ト反応可能な活性点を有するコモノマーを使用して末端
不飽和基を有するポリカーボネート樹脂を製造し、これ
にスチレンなどの重合性モノマーをグラフト重合させた
ポリカーボネート樹脂、またはポリスチレン等にフェノ
ール系水酸基その他のポリカーボネート樹脂の末端不飽
和基とグラフト重合可能な化合物を共重合した重合体を
用い、これをポリカーボネート樹脂にグラフト重合した
ポリカーボネート樹脂とすることもでき、このようなグ
ラフト化ポリカーボネート樹脂も本発明のポリカーボネ
ート樹脂に包含される。
用される二化フェノール系化合物として好ましいもの
は、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(ビスフェノ−ルA;BPA)、2,2−ビス
(3, 5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(TBA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン(ビスフェノ−ルZ;BPZ)、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ジフェニルメタン、α,ω−ビス[3
−(O−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチル
シロキサン(PDS)、ビフェノールなどが例示され
る。これらは、2種類以上併用して用いてもよい。中で
もビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルZ、TBA、PD
Sから選ばれるものが望ましい。
一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、
通常のフェノール、P-t-ブチルフェノール、トリブロモ
フェノール等の他、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カ
ルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボ
ン酸、芳香族酸クロライド、ヒドロキシ安息香酸アルキ
ルエステル、アルキルエーテルフェノールなどが挙げら
れる。
有する化合物を使用することもできる。このような化合
物の例としては、たとえば、アクリル酸、ビニル酢酸、
2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、9
−ウンデセン酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸ク
ロライド、ソルビン酸クロライド、アリルアルコ−ルク
ロロホーメート、イソプロペニルフェノールクロロホル
メートまたはヒドロキシスチレンクロロホーメート等の
酸クロライドまたはクロロホーメート;イソプロペニル
フェノール、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシフェニル
マレイミド、ヒドロキシ安息香酸アリルエステルまたは
ヒドロキシ安息香酸メチルアリルエステルなどの不飽和
基を有するフェノール類等が挙げられる。これらの化合
物は従来の末端停止剤と併用してもよい。このような末
端停止剤あるいは分子量調節剤は、上記した二価フェノ
ール系化合物1モルに対して、通常、1〜25モル%、
好ましくは1.5〜10モル%の範囲で使用される。
タン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタ
ン、クロロホルム、1,1,1-トリクロロエタン、四塩化炭
素、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化
炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル等のエー
テル系化合物を挙げることができ、これは二種以上を混
合して使用することもできる。また、所望により上記以
外の、エーテル類、ケトン類、エステル類、ニトリル類
などの水と親和性のある溶媒を、混合溶媒系が水と完全
に相溶しない限度内で使用することもできる。
合物に対して、0.01〜3モル%、特に0.1〜1.
0モル%の範囲で併用して分岐化ポリカーボネート樹脂
とすることができる。分岐化剤としては、たとえば、フ
ロログルシン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、4,6−ジ
メチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)
ヘプテン−2、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシフェ
ニル)ベンゾール、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5
−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、α,
α′,α″−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼンなどで例示されるポ
リヒドロキシ化合物、及び3,3−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)オキシインドール(=イサチンビスフェノ
ール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−
ジクロルイサチンビスフェノール、5ーブロムイサチン
ビスフェノールなどが例示される。
に、ビスフェノールAを主原料とするポリカーボネート
が挙げられ、これに例えばビスフェノールZやテトラブ
ロムビスフェノールA(TBA)などを併用して得られ
るポリカーボネート共重合体、さらにはこれらの分岐化
物や長鎖アルキル化合物のような一官能性化合物で末端
停止したポリカーボネート樹脂が好ましい。
重合反応終了後、反応液から溶媒を分離し、触媒の除
去、中和、水洗、濃縮等を行い、さらに遠心分離法又は
精密濾過を行うことにより精製されたポリカーボネート
樹脂溶液とし、該精製ポリカーボネート樹脂溶液から溶
媒を留去して濃縮し乾燥する方法、あるいはポリカーボ
ネート樹脂溶液に貧溶媒を添加し、加熱下の温水中に該
樹脂溶液を添加し温水中に懸濁させて溶媒及び貧溶媒を
留去して固形化して水スラリ−液を生成させつつ固形化
過程の液を湿式粉砕機に循環し粉砕する方法等により得
られる。上記の重合反応後の樹脂溶液の中和に使用され
る酸としては、燐酸、亜燐酸、硫酸、塩酸が好ましい。
得られた精製樹脂液濃度は5〜27重量%であり、好ま
しくは、樹脂濃度が7〜23重量%である。
精製されたポリカーボネート樹脂の良溶媒溶液にポリカ
ーボネート樹脂の非或いは貧溶媒を沈澱が生じない程度
添加してなる樹脂溶液を温水中に滴下し、適宜湿式粉砕
をしながら溶媒を留去するいわゆる「温水中滴下法」、
または通常の沈澱法で得た良溶媒或いは非或いは貧溶媒
を含む湿潤粉末を温水中で処理し、溶媒を留去しつつ適
宜湿式粉砕する「沈澱温水処理法」で製造されるものが
好適である。非或いは貧溶媒としては、n−ヘプタン、
n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、水が例示され、特に、n−ヘプタン、n−ヘ
キサン、水が好適である
或いは貧溶媒の添加量は、ポリカーボネート樹脂のSP値
と非溶媒のSP値の差、およびポリカーボネート樹脂溶液
の濃度により適宜選択されるものであり、上記に例示し
たものの中で例えば、ポリカーボネート樹脂溶液の濃度
が15〜25重量%の場合、SP値の差が約2. 3である
n−ヘプタンでは樹脂溶液の0. 15〜0. 5容量倍で
あり、SP値の差が約1. 55であるシクロヘキサンで
は、0. 3〜0. 6容量倍、SP値の差が0. 9であるト
ルエンでは0. 5〜0. 8容量倍の範囲より適宜選択さ
れる。上記により得た均一溶液を通常、45〜60℃の
比較的低温側に保った攪拌下の水中に滴下或いは噴霧し
てゲル化し、次いで80〜100℃の高温側に保って、
溶媒を留去してポリカーボネート樹脂の多孔質の粉粒体
の水スラリーとし、分離する。該方法により得られたポ
リカーボネート固形粒子の水スラリー液中の固形粒子の
形状は、通常、半結晶性もしくは不定形であり、大きさ
も不揃いであり、分離や乾燥に不適当な場合もある。そ
のような場合、乾燥に先だって、ゲル化粒子を適宜、攪
拌翼や湿式粉砕機によって粉砕しつつ行うことが、乾燥
機中での溶媒の揮散を促進させる上で好ましい方法であ
る。以上により得られた水スラリーより分離、水切りし
たポリカーボネートの粉粒体は、通常、溶媒として塩化
メチレンを用い、非或いは貧溶媒としてn−ヘプタンを
使用した場合には水の他に、塩化メチレン0. 1〜0.
3%、n−ヘプタン1〜3%程度を含有する。
ネート樹脂の良溶媒溶液を非或いは貧溶媒中に滴下する
か、又は精製されたポリカーボネート樹脂の良溶媒溶液
中に非或いは貧溶媒を滴下し沈澱を生成させてこれを分
離して湿潤粉末とし、この湿潤粉末に該湿潤粉末中の樹
脂分に対して5重量倍以上の水を配合してスラリー状態
にしたものを温水中に導入して煮沸し溶媒をより少なく
し、分離、水切りすることにより容易に製造されるもの
であり、この方法の場合も上記と同程度の有機溶媒を含
有した湿潤粉末が得られる。尚、上記の沈澱化によって
得られた湿潤粉末を温水処理して溶媒の留去及び粒度の
コントロール等を行うに際して、予めポリカーボネート
樹脂の非或いは貧溶媒で洗浄或いは加熱処理すること等
適宜適用できるものである。
た粒状化によって得られた湿潤粉末を乾燥することによ
り得られる。乾燥機としては気流乾燥機、パドル型乾燥
機あるいは螺旋状の攪拌翼が攪拌軸に接続され、かつ回
転によって粉末を鉛直上方向へ移動させることができる
攪拌機を有し、伝熱面を介して粉体を加熱することがで
きる構造を有する竪型乾燥機を用いて乾燥することが好
ましい。
用ガスとしては、フィルター濾過してなるクリーンな空
気、又は乾燥雰囲気中に発生する有機溶媒蒸気による爆
発限界を避けるために、あるいは乾燥機中での高温度下
におけるポリカーボネート固形粒子の熱劣化を防ぐため
に、窒素等の不活性ガスを加えることが好ましく、通
常、常圧乃至加圧下に、温度120〜160℃として導
入し、排出する。排出ガス中に有機溶媒成分が多い場合
や回収が必要な場合には当然に触媒接触燃焼や冷却、吸
着その他の手段による処理を適宜行う。
ト樹脂粒状物は、80メッシュ以下の大きさの粒子が5
重量%以下、10メッシュ以上の大きさの粒子が5重量
%以下と粒子の比較的揃ったものであり、有機溶媒の含
有量が0.4%以下であり、また残存酸濃度は0.05
〜50.0ppm である。本発明に使用されるポリカーボ
ネート樹脂粒状物において、有機溶媒含有量、および残
存酸濃度が上記よりも多い場合は得られるペッレット、
あるいはシート中に多くの有機溶媒が残存し製品の物性
に悪影響を与える。また残存酸濃度が多いと押出機など
の機器の腐食の問題があるなど好ましくない。
ーボネート樹脂の改質を目的とする添加剤類を添加して
もよい。例えば、難燃剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防
止剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、ガラス剤、発
泡剤、炭素繊維、セラミックウィスカー等の補強剤、充
填剤、染顔料、さらにはポリカーボネート以外の樹脂、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エ
チレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレート、ABS樹脂、ポリエステル、ポリフ
ェニレンオキシド、その他、エラスマー等を混合するこ
とができる。
説明するが、本発明の範囲を越えない限り、これに限定
されるものではない。
の測定、残存有機溶媒量の測定、残存酸濃度、焼け異物
の量の測定、色相の評価ならびに押出条件等は以下によ
り行った。
TERIAL社製、PMポロシメーター(水銀圧入法)
を用い、測定条件は、サンプル量2g、圧力55181
(PSI) 、測定最小細孔径:4nmで行った。
粒状物1gをジオキサンに溶解し、20mLにメスアッ
プした試料溶液を調製した。該サンプルを島津製作所製
ガスクロマトグラフ(FID式、7AG)を用い、32
℃〜240℃の条件で測定した。測定限界を下回るも
の、すなわち、1ppm 以下のものについては、NDと表
示した。
1gをジオキサンに溶解し、20mLにメスアップした
ものを、水200mLに滴下し、ポリマー樹脂を沈澱さ
せ、混合液を濾過した後、濾液をイオンクロマトグラフ
測定器によって、燐酸陰イオン、亜燐酸陰イオン、硫酸
陰イオンとして定量分析した。ただし、塩酸の場合は、
塩素イオンを定量分析し、塩酸に換算して分析値とし
た。
いようにした密閉系でベント付き押出機へ供給し、押出
とともに溶媒を留去した。押出機は、二軸、スクリュー
直径(D)65mm、全長 L/D=30、ベント部 Lv /D
=4であり、樹脂の最高温度300℃、ベント圧力9 T
orr とした。
ロイコ社製微粒子カウンター4100型を用いて測定
し、ペレットまたはシート1g当たりの焼け異物の個数
を示した。
成形機を用いて各ペレットを、射出成形機(住友重機械
工業(株)製:ネオマット350/120)で樹脂温度
320℃、金型温度80℃、保持圧1000 kg/cm2 で
50mm×60mm、厚さ3mmの成形片を連続的に5枚成形
し、成形片を日本電色(株)色差計で測色し、YI値
(黄色味を示す指標)を求めた。
し、これに二価フェノールとしてビスフェノールA(B
PA)7. 2kg、及びハイドロサルファイト(HD)
8gを溶解した。これにメチレンクロライド(MC)2
8リットルを加えて攪拌しつつ、p- t- ブチルフェノ
ール(PTBP)96gを加え、次いでホスゲン(P
G)3. 5kgを60分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹
き込み後、激しく攪拌して反応液を乳化させ、乳化後、
8gのトリエチルアミン(TEA)を加え約1時間攪拌
し重合させた。重合液と水相と有機相に分離し、有機相
をリン酸で中和した後、洗液のPHが中性になるまで水
洗を繰り返した後、固形化用溶媒としてn−ヘプタン
0. 1リットルを加えて攪拌し、ポリカーボネートの有
機溶媒溶液を調製した。該ポリカーボネート有機溶媒溶
液を、攪拌下45℃に維持された温水80リットルの上
部から60分かけて滴下して、ポリカーボネート樹脂粒
状体の水スラリー液を得た。水スラリー液を濾過してポ
リカーボネートの湿潤粉末を得、該湿潤粉末をパドル型
乾燥機を用い、140℃、6時間を要して乾燥し白色粉
末状のポリカーボネートの乾燥粒状物を得た。この乾燥
粒状物のGPCによる分子量は、粘度平均分子量215
00であった。この乾燥粒状物の比表面積は2. 5m2
/gであり、残存有機溶媒量0. 27%、残存燐酸濃度
が0.1ppm であった。
し、ペレット1g中の焼け異物の個数を測定した結果、
1〜10μmの大きさのものが215個、10〜100
μmの大きさのものが2個であった。このペレットを用
いて色相測定用プレートに成形し、色相を測定した結
果、YI値1. 5であった。
て、固形化用溶媒であるn−ヘプタンの混合比率を変化
させて、種々の比表面積を有する粒状物を製造し、乾燥
時間を変化させることにより残存有機溶媒量の異なる粒
状体を製造し、さらに、中和用酸の種類、使用量を変化
させることによって、残存酸濃度の異なる粒状物を製造
し、押出機によってペレット化し、ペレット中の焼け異
物の個数を定量分析し、ペレットを色相測定用プレート
に成形して色相を測定した。その結果を表1に示した。
n−ヘプタン、燐酸、硫酸、塩酸の使用量を変化させ
て、種々の粒状物を製造した。これらを用いて、実施例
1と同様の試験を行い、その結果を表1に示した。
ュー型溶融押出シート製造機により押出温度310℃
で、幅200mm、厚さ3. 0mmのシートを製造し、焼け
異物の個数および色相を測定した。その評価結果を表2
に示した。
例14〜17と同様にしてシートを製造し、焼け異物の
個数および色相を測定した。その評価結果を表2に示し
た。
に際し、ポリカーボネート樹脂粒状物として細孔径4n
m以上の細孔の比表面積が20.0m2/g 以下であり、
粒子中残存有機溶媒が0.4%以下、残存酸濃度が0.
05〜50.0ppmである粒状物を使用することによ
り、光学用成形品とした場合にトラブルの原因となる焼
け異物が少なく、色相、耐熱性に優れたペレットあるい
はシート等の成形品を製造することができ、その工業的
効果は格別である。 (以下 余白)
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂粒状物を溶融押出
し、ペレットまたはシートを加工するに際して、ポリカ
ーボネート樹脂粒状物として細孔径4nm以上の細孔の
比表面積が20. 0m2 /g以下である粒状物を使用す
ることを特徴とするポリカーボネート樹脂ペレットまた
はシートの製造法 - 【請求項2】 ポリカーボネート樹脂粒状物中の残存有
機溶媒量が0. 4%以下である請求項1記載の製造法 - 【請求項3】 ポリカーボネート樹脂粒状物中の残存酸
濃度が0.05〜50.0ppm である請求項1記載の製
造法
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---|---|---|---|
JP19418894A JPH0857850A (ja) | 1994-08-18 | 1994-08-18 | ポリカーボネート樹脂ペレットまたはシートの製造法 |
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JP19418894A JPH0857850A (ja) | 1994-08-18 | 1994-08-18 | ポリカーボネート樹脂ペレットまたはシートの製造法 |
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JPH0857850A true JPH0857850A (ja) | 1996-03-05 |
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---|---|
JP (1) | JPH0857850A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6066398A (en) * | 1997-07-23 | 2000-05-23 | Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation | Polycarbonate moulding material for optical discs |
US6833427B2 (en) | 2001-05-18 | 2004-12-21 | Teijin Chemicals, Ltd. | Polycarbonate resin molding material for optical use |
-
1994
- 1994-08-18 JP JP19418894A patent/JPH0857850A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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