JPH0857186A - 洗濯機並びにその運転方法及びその駆動装置 - Google Patents

洗濯機並びにその運転方法及びその駆動装置

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JPH0857186A
JPH0857186A JP6195413A JP19541394A JPH0857186A JP H0857186 A JPH0857186 A JP H0857186A JP 6195413 A JP6195413 A JP 6195413A JP 19541394 A JP19541394 A JP 19541394A JP H0857186 A JPH0857186 A JP H0857186A
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新一 中村
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秀生 圷
Shinsuke Ise
伸介 伊勢
Masaji Kukino
政次 久木野
Yoshio Yoshida
義雄 吉田
Norihiko Ishikawa
則彦 石川
Takeshi Sugino
武嗣 杉野
Takeshi Saito
猛 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗いやすすぎ行程はもちろんのこと、脱水行
程でも刻々変化する洗濯内容に従ってパルセータや洗濯
兼脱水槽の回転モードを自由に設定でき、洗濯物に適し
た洗濯ができ、洗浄性やすすぎ性能が向上し、また、リ
ントの捕集効率もアップし、減速機構としての遊星ギヤ
の特性を充分に活用できる。 【構成】 上部洗濯軸5aを遊星ギヤによる減速機構7
を介して下部洗濯軸5bに結合し、下部洗濯軸5bをモ
ーター10に連結し、クラッチ装置を介して下部脱水軸
6bを下部洗濯軸5bに連結し、ブレーキドラム12を
介して下部脱水軸6bを上部脱水軸6aに結合する洗濯
機において、洗いとすすぎ行程において、ブレーキドラ
ム12を固定することで洗濯兼脱水槽3を固定するモー
ドと、ブレーキドラム12を固定せずにクラッチを切り
離した状態で遊星ギヤの特性により洗濯兼脱水槽3をフ
リーの状態として回転自在とするモードとを適宜組み合
わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一槽式の全自動洗濯機
のクラッチ装置及びクラッチ制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】かかる一槽式の全自動洗濯機は、周知の
ごとく例えば図1に示すように外箱1内に水受け槽2を
吊支し、この水受け槽2内に洗濯兼脱水槽3を回転自在
に配設し、この洗濯兼脱水槽3内に回転翼であるパルセ
ータ4を設けている。
【0003】そして、パルセータ4に直結する上部洗濯
軸5aを遊星ギヤによる減速機構7を介して下部洗濯軸
5bに結合し、下部洗濯軸5bをドラム8を介してプー
リー9に結合し、該プーリー9をVベルト、プーリーを
介してモーター10に接続している。
【0004】また、下部洗濯軸5bの同軸上に下部脱水
軸6bを設け、クラッチ装置を介して下部脱水軸6bを
下部洗濯軸5bに連結し、前記減速機構7の周囲に配設
するブレーキドラム12を介して下部脱水軸6bを上部
脱水軸6aに結合する。
【0005】そして、洗いとすすぎ運転時にはパルセー
タ4のみを減速機構によって低速回転して、洗濯兼脱水
槽3内に渦流を発生させて洗い、すすぎを行い、脱水時
には上部洗濯軸5aと下部洗濯軸5bとを直結するとと
もに、下部洗濯軸5bの回転をクラッチ機構によりその
まま下部脱水軸6bに伝達し、パルセータ4と洗濯兼脱
水槽3とを同時に高速回転して、洗濯兼脱水槽3内の洗
濯物の水分を遠心力で飛ばす。
【0006】また、脱水時に高速回転している洗濯兼脱
水槽3とパルセータ4とを短時間で停止するためのブレ
ーキ装置として、上部脱水軸6aと下部脱水軸6bとを
結合するブレーキドラム12の外周にブレーキバンドを
巻回し、該ブレーキバンドによる制動力をブレーキドラ
ム12を介して上部と下部の脱水軸6a,6bに、減速
機構7である遊星ギヤを介して上部と下部の洗濯軸5
a,5bに伝達する。
【0007】ところで、洗いやすすぎ運転時に、パルセ
ータだけでなく、洗濯兼脱水槽も回転させて洗浄効果を
上げるようにした洗濯機があり、例えば、実公平5−1
3350号公報や特開昭62−240095号公報に記
載のものはパルセータと洗濯兼脱水槽とを交互にかつ逆
方向に回転させており、また、特公平2−54116号
公報のものはパルセータと洗濯兼脱水槽を各々同時に逆
方向に回転させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】洗いやすすぎ行程の中
の各段階の洗濯内容は、刻々と変化するものであり、例
えば初期の段階では洗剤を早く溶かして洗剤や水を洗濯
物になじませる必要があり、終了間際には洗濯によって
絡んだ洗濯物をほぐす必要がある。しかし、これら従来
の洗濯機は、洗いやすすぎ行程でパルセータと洗濯兼脱
水槽の回転のモードが画一的であるため、1つの洗いや
すすぎ行程の中でも刻々変化していく洗濯内容に充分に
対処できるものではなかった。
【0009】一方、減速機構として遊星ギヤを使用する
場合、洗いやすすぎ時には、下部洗濯軸5bに直結の太
陽ギヤが回転し、太陽ギヤに結合する遊星ギヤが回転し
て上部洗濯軸5aに直結の公転軸が回転して、パルセー
タ4が低速回転するが、遊星ギヤは上部脱水軸6a、下
部脱水軸6bに直結する外輪ギヤと噛み合っているた
め、遊星ギヤの自転の反力で、遊星ギヤの公転方向と反
対の方向に外輪ギヤが回転しようとする。
【0010】しかし、ワンウェイ構造のバネクラッチ装
置では、クラッチバネの一端が駆動軸に固定されている
ため、遊星ギヤの自転の反力で、遊星ギヤの公転方向と
反対の方向に外輪ギヤが回転しようとしても、その回転
が洗濯兼脱水槽3へ伝達されなかった。このため、かか
る遊星ギヤの特性を生かした反対方向の回転力を有効に
利用できず、洗いやすすぎの洗浄性がよくなく、また、
布傷みや洗いムラなどもあった。
【0011】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、第1に、洗いやすすぎ行程はもちろんのこと、脱水
行程でも刻々変化する洗濯内容に従ってパルセータや洗
濯兼脱水槽の回転モードを自由に設定でき、洗濯物に適
した洗濯ができ、洗浄性やすすぎ性能が向上し、また、
リントの捕集効率もアップし、第2に減速機構としての
遊星ギヤの特性を充分に活用できる洗濯機並びにその運
転方法及びその駆動装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、洗濯兼脱水槽内のパルセータに接続
する上部洗濯軸を遊星ギヤによる減速機構を介して下部
洗濯軸に結合し、下部洗濯軸をモーターに連結し、下部
洗濯軸の同軸上に下部脱水軸を設け、クラッチ装置を介
して下部脱水軸を下部洗濯軸に連結し、前記遊星ギヤの
周囲に配設するブレーキドラムを介して下部脱水軸を上
部脱水軸に結合する洗濯機において、洗いとすすぎ行程
において、ブレーキドラムを固定することで洗濯兼脱水
槽を固定するモードと、ブレーキドラムを固定せずにク
ラッチを切り離した状態で遊星ギヤの特性により洗濯兼
脱水槽をフリーの状態として回転自在とするモードとを
適宜組み合わせることを要旨とするものである。
【0013】第2に、洗濯兼脱水槽を固定するモードと
回転自在とするモードとは、洗濯物の種類等の洗濯内容
によって適宜切り換え可能であることを要旨とするもの
である。
【0014】第3に、洗濯兼脱水槽を回転自在とするモ
ードのときの洗濯兼脱水槽の回転角度は、これが回転し
すぎない一定角度になるようにモーターの回転を制御す
ることを要旨とするものである。
【0015】第4に、洗濯とすすぎ行程において、適正
水位よりも一段上の水位まで給水し、パルセータの回転
角度が360度以下のリント除去行程を設けることを要
旨とするものである。
【0016】第5に、洗濯兼脱水槽内の洗濯水を該槽の
底部から上部にポンプアップして循環させる循環水路を
槽外に設け、洗濯兼脱水槽を固定するモードと回転自在
とするモードのときに、ポンプアップを行うことを要旨
とするものである。
【0017】第6に、洗濯兼脱水槽を固定するモードと
回転自在とするモードとの切り換えは、使用者による洗
濯スイッチ操作で行うことを要旨とするものである。
【0018】第7に、洗濯兼脱水槽内のパルセータに接
続する上部洗濯軸を遊星ギヤによる減速機構を介して下
部洗濯軸に結合し、下部洗濯軸をモーターに連結し、下
部洗濯軸の同軸上に下部脱水軸を設け、クラッチ装置を
介して下部脱水軸を下部洗濯軸に連結し、前記遊星ギヤ
の周囲に配設するブレーキドラムを介して下部脱水軸を
上部脱水軸に結合する洗濯機において、脱水行程終了
後、洗濯兼脱水槽をフリーの状態として回転自在とする
モードで運転することを要旨とするものである。
【0019】第8に、洗濯兼脱水槽のフリーの状態とし
ての回転は、槽を小刻みに反転させることを要旨とする
ものである。
【0020】第9に、洗濯兼脱水槽内のパルセータに接
続する上部洗濯軸を遊星ギヤによる減速機構を介して下
部洗濯軸に結合し、下部洗濯軸をモーターに連結し、下
部洗濯軸の同軸上に下部脱水軸を設け、クラッチ装置を
介して下部脱水軸を下部洗濯軸に連結し、前記遊星ギヤ
の周囲に配設するブレーキドラムを介して下部脱水軸を
上部脱水軸に結合する洗濯機において、脱水行程終了
後、慣性回転中に洗濯兼脱水槽をフリーの状態として回
転自在とするモードで運転すると同時に給水することを
要旨とするものである。
【0021】第10に、洗濯兼脱水槽を固定するモード
と回転自在とするモードとの組合せにより、通常の洗濯
行程時間よりも短時間の洗濯行程を設定することを要旨
とするものである。
【0022】第11に、洗濯兼脱水槽を回転自在とする
モードでの運転中に洗濯兼脱水槽のフタを開けた場合
は、槽固定モードに自動的に切り換えることを要旨とす
るものである。
【0023】第12に、モーター回転の制御は、通電の
オンオフ時間、回転角度により行うことを要旨とするも
のである。
【0024】第13に、洗濯兼脱水槽内のパルセータに
接続する上部洗濯軸を遊星ギヤによる減速機構を介して
下部洗濯軸に結合し、下部洗濯軸をモーターに連結し、
下部洗濯軸の同軸上に下部脱水軸を設け、クラッチ装置
を介して下部脱水軸を下部洗濯軸に連結し、前記遊星ギ
ヤの周囲に配設するブレーキドラムを介して下部脱水軸
を上部脱水軸に結合する洗濯機において、クラッチ装置
は、下部脱水軸と下部洗濯軸の周囲にクラッチバネを一
体的に巻回し、下部脱水軸側に巻回したクラッチバネと
下部洗濯軸側に巻回したクラッチバネとをそれぞれ覆う
別体のクラッチギヤケースにクラッチバネの上下端をそ
れぞれ固定し、該クラッチギヤケースの外周にそれぞれ
設けたクラッチギヤにそれぞれクラッチ片を係脱自在に
係合したことを要旨とするものである。
【0025】第14に、洗濯兼脱水槽を固定するモード
は、上下2つのクラッチ片をそれぞれクラッチギヤに係
止すると同時にブレーキバンドをブレーキドラムに締め
つけ、また、洗濯兼脱水槽をフリーの状態として回転自
在とするモードは、上下2つのクラッチ片をそれぞれク
ラッチギヤに係止すると同時にブレーキバンドをゆるめ
ることを要旨とするものである。
【0026】第15に洗濯兼脱水槽を回転自在とするモ
ードでの運転中、 差動率=洗濯兼脱水槽を回転自在としたときの脱水槽回
転数÷脱水時の脱水槽回転数×100 が概ね30%以下となるように運転することを要旨とす
るものである。
【0027】
【作用】請求項1記載の本発明によれば、洗いやすすぎ
行程で、パルセータの回転に加えて、洗濯兼脱水槽を固
定するモードと、洗濯兼脱水槽をフリーの状態として回
転自在とするモードとを適宜組み合わせることで、該行
程の進行に従い刻々変化する洗濯内容に柔軟に対応で
き、洗濯水が洗濯物によくなじみ、洗浄力やすすぎ能力
が向上し、衣類がほぐれて布からみも低減する。
【0028】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、洗濯兼脱水槽の回転と固定とを切り換え自在
としたから、洗濯物の種類に適したモードを自由に選択
でき、布質に適した水流が得られる。
【0029】請求項3記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、洗濯兼脱水槽を回転自在のモードに設定した
とき、洗濯兼脱水槽が回転しすぎることを防止できるか
ら、パルセータの回転力の低下を防止でき、洗浄力の低
下を防げる。
【0030】請求項4記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、水位を高くして水量を増すと同時にパルセー
タの回転角を少なくすることで、衣類がよりほぐれやす
くなり、衣類に付着したリントが離れやすくなる。
【0031】請求項5記載の本発明によれば、洗濯兼脱
水槽を固定するモードと、洗濯兼脱水槽をフリーの状態
として回転自在とするモードとの組合せによる運転で、
さらにポンプアップすることで、洗濯水が循環するか
ら、洗浄力、すすぎ能力がさらにアップし、布からみも
さらに低減する。
【0032】請求項6記載の本発明によれば、洗濯兼脱
水槽を固定するモードと、洗濯兼脱水槽をフリーの状態
として回転自在とするモードとの切り換えは、使用者の
判断で選択スイッチにより行えるから、希望のモードで
洗濯でき、使い勝手がよく、洗濯物に適した洗濯内容を
自由に設定できる。
【0033】請求項7記載の本発明によれば、脱水行程
の終了後に洗濯兼脱水槽をフリーの状態にして回転させ
るモードで運転することで、脱水時に洗濯兼脱水槽の内
壁面にへばりついた衣類が容易にはがれて、次のすすぎ
行程でのすすぎ性能が向上する。
【0034】請求項8記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、前記行程で洗濯兼脱水槽を小刻みに回転する
ことで、脱水時に洗濯兼脱水槽の内壁面にへばりついた
衣類がさらに容易にはがれる。
【0035】請求項9記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、給水を同時に行うことで脱水行程後のすすぎ
行程で衣類に初期の段階から水を当てることができ、す
すぎ性能がさらにアップする。
【0036】請求項10記載の本発明によれば、通常に
自動設定してあるコースによる洗濯時間よりもさらに短
時間のコースの設定が自由にでき、外出前など洗濯時間
の少ない場合に便利である。
【0037】請求項11記載の本発明によれば、洗濯兼
脱水槽をフリーの状態にして回転させるモードで運転し
ていた場合に、洗濯兼脱水槽のフタを開けたときは、洗
濯兼脱水槽の回転が停止し固定のモードに切り換わるか
ら、回転している槽に手が触れるようなこともなく安全
である。
【0038】請求項12記載の本発明によれば、モータ
ー回転の制御は、通電のオンオフ時間、回転角度により
行うから、洗濯兼脱水槽の回転角を確実に一定にでき
る。
【0039】請求項13記載の本発明によれば、減速機
構に遊星ギヤを、クラッチ装置にバネクラッチを使用す
るから、コンパクトで簡単な構造で洗濯兼脱水槽のフリ
ー状態による回転と固定のモードをつくれる。
【0040】請求項14記載の本発明によれば、洗濯兼
脱水槽のフリー状態による回転と固定のモードは、ブレ
ーキバンドの締めつけ解除と、クラッチ片のクラッチギ
ヤへの係止解除とにより行えるから、動作が確実であ
る。
【0041】請求項15記載の本発明によれば、差動率
を概ね30%以下とすることで、汚れ除去効率がよく、
洗いむらが少なく、かつ布からみも少ない高品質な洗浄
が得られる。
【0042】
【実施例】以下、図面について本発明の実施例を詳細に
説明する。図1は本発明の洗濯機の実施例を示す説明
図、図2は同上要部であるクラッチ装置の縦断正面図、
図3は同上要部の底面図、図4は同上一部切欠いた側面
図で、洗濯機の全体構成は既に説明した通りであるか
ら、ここでの詳細な説明は省略するが、従来と同様、外
箱1内に水受け槽2を吊支し、この水受け槽2内に洗濯
兼脱水槽3を回転自在に配設し、この洗濯兼脱水槽3内
に回転翼であるパルセータ4を設けている。
【0043】そして、パルセータ4の下方で洗濯兼脱水
槽3の底部と上部との間に循環水路40を形成し、該循
環水路40の上部の吐出口41をバランサ42の下方位
置に開口する。この循環水路40は洗濯兼脱水槽3を槽
内へ膨出させて形成するもので、循環水路40の槽側の
表面にバッフル43を一体的に突設した。
【0044】また、水受け槽2の下方に配設したモータ
ー10の回転軸にプーリー、Vベルト、プーリー9を介
して下部洗濯軸5bに固定したドラム8に連結し、下部
洗濯軸5bの上部を遊星ギヤによる減速機構7を介して
上部洗濯軸5aに結合し、該上部洗濯軸5aをパルセー
タ4に直結する。
【0045】減速機構7は、下部洗濯軸5bを高速側で
ある太陽ギヤに直結し、該太陽ギヤの周囲に噛み合う遊
星ギヤの公転軸に上部洗濯軸5aを直結するもので、こ
の公転軸が低速側となり、遊星ギヤの外側に外輪ギヤを
さらに設ける。
【0046】また、下部洗濯軸5bの同軸上にメタルシ
ール11を介して下部脱水軸6bを組合せる。この下部
脱水軸6bは、ベアリング13を介して下部主軸受14
で支持され、前記外輪ギヤを内側に有するブレーキドラ
ム12を介して上部脱水軸6aに結合する。
【0047】この上部脱水軸6aはメタルシール16を
介して上部洗濯軸5aの同軸上に組み合わせるもので、
ベアリング17介して上部主軸受15で支持される。図
中18は上部脱水軸6aと上部主軸受15との間をシー
ルするダンパーシールを示す。
【0048】かかる構成の洗濯機において、クラッチ装
置として、下部脱水軸6bとその下方に突出する下部洗
濯軸5bの周囲にクラッチバネ19を一体的に巻回し、
下部脱水軸6b側に巻回したクラッチバネ19と下部洗
濯軸側5bに巻回したクラッチバネ19とをそれぞれ別
体の上部クラッチギヤケース20と下部クラッチギヤケ
ース21で上下2段に覆う。
【0049】そして、上下のクラッチギヤケース20,
21の外周にそれぞれクラッチギヤ22,23を設け、
上部クラッチギヤケース20の内壁にクラッチバネ19
の上端部を固定し、下部クラッチギヤケース21の内壁
にクラッチバネ19の下端部を固定し、前記上下2段の
クラッチギヤ22,23にそれぞれクラッチ片24,2
5を係脱自在に係合する。
【0050】この場合、クラッチギヤ22,23に対す
るクラッチ片24,25の係止方向は、互いに反対にな
るようにギヤの向きを決定する。図3に示した実施例で
は、クラッチ片24はクラッチギヤ22の図3において
右方向への回転を阻止し、クラッチ25はクラッチギヤ
23の左方向への回転を阻止するように設定してある。
【0051】このクラッチ片24,25はコ字形のアー
ム26の先端にバネ27により回動自在に取り付けら
れ、該コ字形のアーム26の一端に斜めアーム28の下
端を一体的に突設し、該斜めアーム28の上端に一体的
に突設した取り付け片29を下部主軸受け14のフラン
ジ部に回動自在に軸着する。この場合、取り付け片29
はバネ31により常時はクラッチ片24,25がクラッ
チギヤ22,23に係止するような方向に付勢されてい
る。
【0052】一方、アクチュエータ32にワイヤー33
で連結したレバー30の先端を下部主軸受け14のフラ
ンジ部に回動自在に軸着し、ブレーキドラム12の外周
に巻回したブレーキバンド34の両端を前記レバー30
の軸着部の近傍に固定する。
【0053】この場合、レバー30は、バネ35により
常時はブレーキバンド34を締めつける方向に付勢して
ある。
【0054】また、レバー30がアクチュエータ32の
作動により移動したときに、取り付け片29を回動させ
るための当接部材としてボルト状の棒状部材36を、レ
バー30による押圧可能な位置で取り付け片29に一体
に設ける。
【0055】さらに、レバー30の他端には、排水弁3
7を引き上げるための引上部材38を取り付ける。
【0056】次に運転方法について説明する。洗いやす
すぎ行程では、ブレーキドラムを固定することで洗濯兼
脱水槽を固定するモードと、ブレーキドラムを固定せず
に洗濯兼脱水槽をフリーの状態として回転自在とするモ
ードとを適宜組み合わせるが、洗濯兼脱水槽3をフリー
の状態して回転自在とするモードにするには、アクチュ
エータ32への通電をオフとすれば、図3のようにレバ
ー30はバネ35の弾力により図の位置にあり、ブレー
キドラム12に巻回してあるブレーキバンド34は締め
つけの状態にあり、また、取り付け片29もバネ31の
弾力により図の位置にあり、アーム26の先端の2つの
クラッチ片24,25はそれぞれクラッチギヤ22,2
3に係止している。
【0057】これにより、クラッチギヤ22,23は互
いに反対の方向に回動されてクラッチギヤケース20,
21に上下端を固定してあるクラッチバネ19は押し広
げられ、下部洗濯軸5bと下部脱水軸6bとにはクラッ
チバネ19の締めつけ力は加わらない。
【0058】よって、モーター10に通電すれば、その
回転力はプーリー9、ドラム8を介して下部洗濯軸5b
に伝達され、下部脱水軸6bには伝わらない。そして、
下部洗濯軸5bの高速回転は、遊星ギヤによる減速機構
7を介して上部洗濯軸5aに減速されて伝わり、パルセ
ータ4が低速で回転する。
【0059】このとき、バルセータ4は交互に反対方向
に回転するが、クラッチバネ19は両端がクラッチギヤ
ケース20,21に固定されているから、下部洗濯軸5
bが左右どちらの方向に回転しても、クラッチバネ19
が下部洗濯軸5bに締めつけられることはなく、パルセ
ータ4はスムーズに反転する。
【0060】また、この状態では、遊星ギヤの特性上、
外輪ギヤを有するブレーキドラム12に結合している上
部と下部の脱水軸6a,6bが反力でパルセータ4と反
対の方向に回転しようとするが、ブレーキドラム12の
外周にはブレーキバンド34が締めつけの状態にあるか
ら、脱水軸6a,6bの回転は阻止され、洗濯兼脱水槽
3は回転せず固定状態にある。
【0061】この洗濯兼脱水槽3の固定状態は前記のよ
うにアクチュエータ32への通電オフのモードで行われ
るから、途中で停電があったり、電気系統が故障しても
洗濯兼脱水槽3の固定は保持されるから、安全である。
【0062】前記のモードから、アクチュエータ32に
通電すると、図3においてワイヤー33が矢印の方向に
わずか引き上げられ、レバー30がバネ35による軸着
部を中心にして左方向に回動する。その結果、ブレーキ
バンド34がゆるみ、洗濯兼脱水槽3がフリーの状態で
回転自在のモードになる。
【0063】この回転自在のモードでは、遊星ギヤの自
転の反力による、これとは反対方向への外輪ギヤの回転
力が脱水軸6a,6bに伝わり、洗濯兼脱水槽3をパル
セータ4とは反対の方向に回転させようとする。この場
合、洗濯兼脱水槽3には、パルセータ4の回転によって
生じる洗濯物(負荷)の動きによって洗濯兼脱水槽3を
連れ回りさせる力が同時に発生する。よって、洗濯兼脱
水槽3の動きは、遊星ギヤの反力による回転力と、洗濯
物によるこれとは反対の回転力との双方の合力によって
決定されるが、実際には遊星ギヤの反力による回転力の
方が洗濯物による回転力よりもはるかに大きいから、洗
濯兼脱水槽3はパルセータ4とは反対方向に回転する。
【0064】この洗濯兼脱水槽3の回転状態は、洗濯兼
脱水槽3等の回転部の慣性、回転部分の抵抗、洗濯兼脱
水槽3が布あるいは水から受ける抵抗によって異なり、
また、パルセータ4の回転状態もパルセータ4等のパル
セータ軸回りの慣性、布あるいは水から受ける抵抗によ
って異なるが、両者の回転状態は図6に示すように一義
的に決定する。
【0065】図6において、洗濯兼脱水槽3の回転数の
大きさを示す値を差動率とすると、例えば負荷量Bのと
き、差動率は約13%で、パルセータ4の平均回転数約
120rpm、洗濯兼脱水槽3の回転数約20rpmと
なり、パルセータ4の回転数が減少すれば、洗濯兼脱水
槽3の回転数が増加する。
【0066】図7は、実際の負荷量におけるモーター1
0、バルセータ4、洗濯兼脱水槽3の回転数特性及び差
動率の関係を示すもので、洗い、すすぎ行程のパルセー
タ4、洗濯兼脱水槽3の回転駆動において、パルセータ
4及び洗濯兼脱水槽3に加わる負荷条件によってパルセ
ータ4、洗濯兼脱水槽3の回転状態は自動的に決定す
る。すなわち、自然界の物理法則のエネルギー最少原理
によって、自然の成り行きで最も負荷の軽い状態で双方
の動きが決定され、この状態では機構に無理がかから
ず、モーター10に加わる負担も少なくなる。
【0067】そして、本発明では、洗濯兼脱水槽3を回
転自在とするモードでは、槽回転角が一定になるよう
に、モーター10への通電のオンオフ時間や回転角度を
制御し、洗濯兼脱水槽3の回りすぎによるパルセータ4
の回転力の低下、すなわち洗浄力の低下を防いで、適正
な回転状態が得られるようにした。
【0068】かかる洗濯兼脱水槽3の固定モードと槽フ
リーによる回転自在モードとを、洗い行程やすすぎ行程
の中で適宜組み合わせる。図8の行程図は洗い行程の一
例を示し、まず、行程全体にわたって、パルセータ4の
回転力によって洗濯兼脱水槽3内の洗濯水を循環水路4
0に汲み上げ、上部の吐出口41から槽内に再び吐出す
るポンプアップを行う。この場合、吐出口41には、リ
ントフィルター(図示せず)を取り付けておく。
【0069】そして、洗い行程の最初の内容であるなじ
ませと洗剤溶かしでは、洗濯兼脱水槽3の回転をフリー
状態とする。この状態では、洗濯兼脱水槽3はパルセー
タ4と反対方向にゆっくりと回転するから、水面に浮い
ている洗濯物はバッフル43により攪拌されて早く水に
なじみ、洗濯を効果的に開始できる。
【0070】また、一般に洗剤は洗濯物の上に振りかけ
て洗濯を開始するが、洗濯兼脱水槽3がフリーの状態で
あると、前記のように洗濯物が早く水になじむので、洗
濯物の上の洗剤は早く水中に没して攪拌され、早く溶け
る。また、洗濯兼脱水槽3と水受け槽2との間にこぼれ
出た洗剤も、洗濯兼脱水槽3の回転により洗濯兼脱水槽
3と水受け槽2の間の水が攪拌されるので、溶けやすく
なる。
【0071】次の汚れ落としの前半では、このまま槽フ
リーとし、洗濯物を洗濯兼脱水槽3のバッフル43とパ
ルセータ4とによりまんべんなく攪拌し、洗いむらの少
ない運転とする。このとき、パレセータ4の近傍の洗濯
物は、パルセータ4の回転によってバルセータ4の回転
方向と同じ方向に動きながら、その動きによって発生す
る遠心力によって逆方向に回転する洗濯兼脱水槽3の内
壁に向かって振られる。これにより、洗濯物には、洗濯
兼脱水槽3の内壁との接触が発生し、表面でのこすれに
よる汚れ除去が効果的に行われる。
【0072】また、バルセータ4からの回転の影響が少
ない洗濯兼脱水槽3の上方にある洗濯物は、槽回転によ
りパルセータ4の回転と逆方向に搖動されるため、洗濯
物にし上下方向の捩じれが生じ、繊維に揉み効果を与え
るから、効率よく汚れを除去できる。
【0073】なお、洗濯兼脱水槽3の回転角度が1回3
60度以内であれば、洗濯物にほどよく上下の捩じれが
発生し、汚れ除去が効率よく行われる。これに対して、
回転角度がこれ以上大きくなると、洗濯物が中央に集ま
る傾向がある。また、差動率が大きくなると、洗濯兼脱
水槽3の回転数(速度)が大きく、逆にパルセータ4の
回転数が低くなると洗濯兼脱水槽3の回転角度が必然的
に大きくなり、前記と同様の傾向が発生し、汚れ除去の
効率が悪くなる。
【0074】図8は、汚れ除去効率、洗いむら、布から
みの関係を示す特性曲線図で、実験の結果、汚れ除去効
率、洗いむら、布からみの値は、差動率の値によって異
なり、最適範囲のあることが判明した。すなわち、差動
率が概ね30%以下であれば、汚れ除去効率がよく、洗
いむらが少なく、かつ、布からみも少なく、高品質な洗
浄が得られる。
【0075】次に布まわりの内容では、槽固定のモード
にして、パルセータ4を大きな回転角で運転する。この
状態では、パルセータ4が洗濯物を下から大きく回転さ
せようとしている一方で、バッフル43がこの動きの抵
抗として作用するので、洗濯物の上下方向の回転が促進
されて洗いむらが少なくなる。
【0076】これに続く汚れ落としの後半は、最初は槽
固定のモードとすることで、水流を槽フリーのときより
やや強くし、しつこい汚れを洗い落とす。その後、槽フ
リーとして、洗濯兼脱水槽3とパルセータ4とを反対方
向に回転し、洗濯物をまんべんなく攪拌し、布回りや槽
固定の汚れ落としで生じやすい洗濯物のからみをほぐし
ながら洗い上げる。
【0077】そして、最後のほぐしでは、槽固定モード
でパルセータ4を小さい回転角で運転する。これによ
り、洗濯物は小刻みに力強く攪拌され、からんだ洗濯物
が充分にときほぐれる。
【0078】図9の行程図はすすぎ行程の一例を示し、
まず、最初のかき落としでは、槽フリーのモードにし、
洗濯兼脱水槽3をパルセータ4の回転方向とは反対にゆ
っくりと回すことで、前の脱水行程で洗濯兼脱水槽3の
内壁にへばり付いている洗濯物を早く壁面からはがす。
そして、洗濯物は早く水中で攪拌される状態となるか
ら、洗濯物に含まれている洗剤が希釈され、すすぎ性能
が向上する。
【0079】次の攪拌(すすぎ)は、槽固定のモードと
し、槽フリーよりも強い水流として、強い攪拌により洗
濯物に含まれている洗剤を絞り出し、新たに給水した水
による希釈を効果的にする。
【0080】最後のほぐしでは、槽固定モードとし、洗
い行程のとき同様にパルセータ4を小さい回転角で運転
し、洗濯物を小刻みに力強く攪拌して、からんだ洗濯物
を充分にときほぐす。
【0081】かかる槽固定と槽フリーとの組合せは、予
め設定し、アクチュエータ32への通電のオンオフを自
動制御するものであるが、これに限定されるものではな
く、他の組合せも可能であり、また、洗濯物の布質や汚
れの程度により洗濯スイッチで使用者が任意に槽固定と
槽フリーのモードを設定することもできる。
【0082】例えば、ウールなどの洗濯物は、槽フリー
のモードにすれば、ソフト水流が得られ、また、ジーン
ズなどの厚手で汚れの大きい洗濯物は槽固定モードにす
れば、強い水流が得られる。
【0083】また、洗いとすすぎの行程の中に、前記内
容の他に、リント除去行程を設けることもできる。これ
は、適正な設定水位よりも一段上の水位まで給水し、水
量を多くした状態で、パルセータ4の回転角を360度
以下の小さいもので回転することで、衣類をほぐし、衣
類に付着したリントを衣類から離れ易くする。
【0084】脱水行程では、レバー30をさらにバネ3
5の弾力に抗して図3において上方に引くと、その側部
が棒状部材36の先端に当接し、これを押圧する。その
結果、該棒状部材36が一体に設けてある取り付け片2
9がバネ31の弾力に抗して図において左方向に回動
し、これと一体のアーム26も左方向に回動して先端の
クラッチ片24,25がバネ27の弾力で回動しながら
クラッチギヤ22,23から外れる。
【0085】これにより、クラッチバネ19はフリーの
状態となって下部洗濯軸5bと下部脱水軸6bとに密着
して巻きつき、下部洗濯軸5bの回転が下部脱水軸6b
に伝わり、また、同時に下部洗濯軸5bと上部洗濯軸5
aとが直結し、パルセータ4と洗濯兼脱水槽3は同時に
高速回転する。
【0086】このとき、レバー30が前のように図2に
おいて左上方向に回動することで、同時に該レバー30
に一端を係止した引上部材38が上方に引っ張られ、下
端の排水弁37が排水口から外れて、排水される。
【0087】かかる脱水行程の次にすすぎ行程があると
きは、脱水終了後に槽フリーのモードで運転する。これ
により、脱水時に遠心力で洗濯兼脱水槽3の内壁にへば
りついた洗濯物がはがれやすくなり、次のすすぎ行程で
ほぐれやすくなって、すすぎ性能が向上する。
【0088】なお、この行程で洗濯兼脱水槽3を小刻み
に回転させたり、同時に給水すれば、洗濯物のへばりつ
きがより剥がれ易くなるとともに、水に早く当たるから
すすぎ性能がより向上する。
【0089】また、槽固定と槽フリーのモードを自由に
組み合わせて設定し、効率よく汚れを除去し、すすぐこ
とで、通常設定されている洗濯コースのメニューより
も、さらに短時間で完了するコースの自由設定も可能と
なり、例えば、外出前に短時間で急いで洗濯する場合な
どに有効である。
【0090】さらに、槽フリーの状態で洗濯し、洗濯兼
脱水槽3が回転しているときに、フタを開けた場合は、
槽固定のモードに自動的に切り替わるよう、アクチュエ
ータ32への通電をフタの開に連動させてオフとすれ
ば、フタが開いたときは、洗濯兼脱水槽3が固定される
から、安全である。
【0091】
【発明の効果】以上述べたように本発明の洗濯機並びに
その運転方法及び駆動装置は、第1に、洗いやすすぎ行
程で、パルセータの回転に加えて、洗濯兼脱水槽を固定
するモードと、洗濯兼脱水槽をフリーの状態として回転
自在とするモードとを適宜組み合わせることで、該行程
の進行に従い刻々変化する洗濯内容に柔軟に対応でき、
洗濯水が洗濯物によくなじみ、洗浄力やすすぎ能力が向
上し、衣類がほぐれて布からみも低減する。
【0092】第2に、洗濯兼脱水槽の回転と固定とを切
り換え自在としたから、洗濯物の種類に適したモードを
自由に選択でき、布質に適した水流が得られる。
【0093】第3に、洗濯兼脱水槽を回転自在のモード
に設定したとき、洗濯兼脱水槽が回転しすぎることを防
止できるから、パルセータの回転力の低下を防止でき、
洗浄力の低下を防げる。
【0094】第4に、水位を高くして水量を増すと同時
にパルセータの回転角を少なくすることで、衣類がより
ほぐれやすくなり、衣類に付着したリントが離れやすく
なる。
【0095】第5に、洗濯兼脱水槽を固定するモード
と、洗濯兼脱水槽をフリーの状態として回転自在とする
モードとの組合せによる運転で、さらにポンプアップす
ることで、洗濯水が循環するから、洗浄力、すすぎ能力
がさらにアップし、布からみもさらに低減する。
【0096】第6に、洗濯兼脱水槽を固定するモード
と、洗濯兼脱水槽をフリーの状態として回転自在とする
モードとの切り換えは、使用者の判断で選択スイッチに
より行えるから、希望のモードで洗濯でき、使い勝手が
よく、洗濯物に適した洗濯内容を自由に設定できる。
【0097】第7に、脱水行程の終了後に洗濯兼脱水槽
をフリーの状態にして回転させるモードで運転すること
で、脱水時に洗濯兼脱水槽の内壁面にへばりついた衣類
が容易にはがれて、次のすすぎ行程でのすすぎ性能が向
上する。
【0098】第8に、前記行程で洗濯兼脱水槽を小刻み
に回転することで、脱水時に洗濯兼脱水槽の内壁面にへ
ばりついた衣類がさらに容易にはがれる。
【0099】第9に、給水を同時に行うことで脱水行程
後のすすぎ行程で衣類に初期の段階から水を当てること
ができ、すすぎ性能がさらにアップする。
【0100】第10に、通常に自動設定してあるコース
による洗濯時間よりもさらに短時間のコースの設定が自
由にでき、外出前など洗濯時間の少ない場合に便利であ
る。
【0101】第11に、洗濯兼脱水槽をフリーの状態に
して回転させるモードで運転していた場合に、洗濯兼脱
水槽のフタを開けたときは、洗濯兼脱水槽の回転が停止
し固定のモードに切り換わるから、回転している槽に手
が触れるようなこともなく安全である。
【0102】第12に、モーター回転の制御は、通電の
オンオフ時間、回転角度により行うから、洗濯兼脱水槽
の回転角を確実に一定にできる。
【0103】第13に、減速機構に遊星ギヤを、クラッ
チ装置にバネクラッチを使用するから、コンパクトで簡
単な構造で洗濯兼脱水槽のフリー状態による回転と固定
のモードをつくれる。
【0104】第14に、洗濯兼脱水槽のフリー状態によ
る回転と固定のモードは、ブレーキバンドの締めつけ解
除と、クラッチ片のクラッチギヤへの係止解除とにより
行えるから、動作が確実である。
【0105】第15に、差動率を概ね30%以下とする
ことで、汚れ除去効率がよく、洗いむらが少なく、かつ
布からみも少ない高品質な洗浄が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗濯機の実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の洗濯機のクラッチ装置の実施例を示す
縦断正面図である。
【図3】本発明の洗濯機のクラッチ装置の実施例を示す
底面図である。
【図4】本発明の洗濯機のクラッチ装置の実施例を示す
一部切欠いた側面図てある。
【図5】本発明の洗濯機のクラッチ装置の実施例を示す
分解斜視図である。
【図6】本発明の洗濯機の運転方法による差動率を示す
特性曲線図である。
【図7】本発明の洗濯機の運転方法によるモーター、パ
ルセータ、洗濯兼脱水槽の回転数特性及び差動率の関係
を示す特性曲線図である。
【図8】本発明の洗濯機の運転方法による洗い行程であ
る。
【図9】本発明の洗濯機の運転方法によるすすぎ行程で
ある。
【図10】本発明の洗濯機の運転方法による汚れ除去効
率、洗いむら、布からみと差動率の関係を示す特性曲線
図である。
【符号の説明】
1…外箱 2…水受け槽 3…洗濯兼脱水槽 4…パルセータ 5a…上部洗濯軸 5b…下部洗濯軸 6a…上部脱水軸 6b…下部脱水軸 7…減速機構 8…ドラム 9…プーリー 10…モーター 11…メタルシール 12…ブレーキドラム 13…ベアリング 14…下部主軸受け 15…上部主軸受け 16…メタルシール 17…ベアリング 18…ダンパーシール 19…クラッチバネ 20…クラッチギヤケース 21…クラッチギヤケース 22…クラッチギヤ 23…クラッチギヤ 24…クラッチ片 25…クラッチ片 26…アーム 27…バネ 28…斜めアーム 29…取り付け片 30…レバー 31…バネ 32…アクチュエータ 33…ワイヤー 34…ブレーキバンド 35…バネ 36…棒状部材 37…排水弁 38…引上部材 40…循環水路 41…吐出口 42…バランサ 43…バッフル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊勢 伸介 神奈川県鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱 電機株式会社住環境研究開発センター内 (72)発明者 久木野 政次 神奈川県鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱 電機株式会社住環境研究開発センター内 (72)発明者 吉田 義雄 神奈川県鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱 電機株式会社住環境研究開発センター内 (72)発明者 石川 則彦 千葉県船橋市山手1丁目1番1号 日本建 鐵株式会社船橋製作所内 (72)発明者 杉野 武嗣 千葉県船橋市山手1丁目1番1号 日本建 鐵株式会社船橋製作所内 (72)発明者 斉藤 猛 千葉県船橋市山手1丁目1番1号 日本建 鐵株式会社船橋製作所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗濯兼脱水槽内のパルセータに接続する
    上部洗濯軸を遊星ギヤによる減速機構を介して下部洗濯
    軸に結合し、下部洗濯軸をモーターに連結し、下部洗濯
    軸の同軸上に下部脱水軸を設け、クラッチ装置を介して
    下部脱水軸を下部洗濯軸に連結し、前記遊星ギヤの周囲
    に配設するブレーキドラムを介して下部脱水軸を上部脱
    水軸に結合する洗濯機において、洗いとすすぎ行程にお
    いて、ブレーキドラムを固定することで洗濯兼脱水槽を
    固定するモードと、ブレーキドラムを固定せずにクラッ
    チを切り離した状態で遊星ギヤの特性により洗濯兼脱水
    槽をフリーの状態として回転自在とするモードとを適宜
    組み合わせることを特徴とする洗濯機の運転方法。
  2. 【請求項2】 洗濯兼脱水槽を固定するモードと回転自
    在とするモードとは、洗濯物の種類等の洗濯内容によっ
    て適宜切り換え可能であることを特徴とする請求項1記
    載の洗濯機の運転方法。
  3. 【請求項3】 洗濯兼脱水槽を回転自在とするモードの
    ときの洗濯兼脱水槽の回転角度は、これが回転しすぎな
    い一定角度になるようにモーターの回転を制御すること
    を特徴とする請求項1、請求項2記載の洗濯機の運転方
    法。
  4. 【請求項4】 洗濯とすすぎ行程において、適正水位よ
    りも一段上の水位まで給水し、パルセータの回転角度が
    360度以下のリント除去行程を設けることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3記載の洗濯機の運転方法。
  5. 【請求項5】 洗濯兼脱水槽内の洗濯水を該槽の底部か
    ら上部にポンプアップして循環させる循環水路を槽外に
    設け、洗濯兼脱水槽を固定するモードと回転自在とする
    モードのときに、ポンプアップを行うことを特徴とする
    請求項1〜請求項4記載の洗濯機の運転方法。
  6. 【請求項6】 洗濯兼脱水槽を固定するモードと回転自
    在とするモードとの切り換えは、使用者による洗濯スイ
    ッチ操作で行うことを特徴とする請求項2記載の洗濯機
    の運転方法。
  7. 【請求項7】 洗濯兼脱水槽内のパルセータに接続する
    上部洗濯軸を遊星ギヤによる減速機構を介して下部洗濯
    軸に結合し、下部洗濯軸をモーターに連結し、下部洗濯
    軸の同軸上に下部脱水軸を設け、クラッチ装置を介して
    下部脱水軸を下部洗濯軸に連結し、前記遊星ギヤの周囲
    に配設するブレーキドラムを介して下部脱水軸を上部脱
    水軸に結合する洗濯機において、脱水行程終了後、洗濯
    兼脱水槽をフリーの状態として回転自在とするモードで
    運転することを特徴とする洗濯機の運転方法。
  8. 【請求項8】 洗濯兼脱水槽のフリーの状態としての回
    転は、槽を小刻みに反転させることを特徴とする請求項
    7記載の洗濯機の運転方法。
  9. 【請求項9】 洗濯兼脱水槽内のパルセータに接続する
    上部洗濯軸を遊星ギヤによる減速機構を介して下部洗濯
    軸に結合し、下部洗濯軸をモーターに連結し、下部洗濯
    軸の同軸上に下部脱水軸を設け、クラッチ装置を介して
    下部脱水軸を下部洗濯軸に連結し、前記遊星ギヤの周囲
    に配設するブレーキドラムを介して下部脱水軸を上部脱
    水軸に結合する洗濯機において、脱水行程終了後、慣性
    回転中に洗濯兼脱水槽をフリーの状態として回転自在と
    するモードで運転すると同時に給水することを特徴とす
    る洗濯機の運転方法。
  10. 【請求項10】 洗濯兼脱水槽を固定するモードと回転
    自在とするモードとの組合せにより、通常の洗濯行程時
    間よりも短時間の洗濯行程を設定することを特徴とする
    請求項1記載の洗濯機の運転方法。
  11. 【請求項11】 洗濯兼脱水槽を回転自在とするモード
    での運転中に洗濯兼脱水槽のフタを開けた場合は、槽固
    定モードに自動的に切り換えることを特徴とする請求項
    1記載の洗濯機の運転方法。
  12. 【請求項12】 モーター回転の制御は、通電のオンオ
    フ時間、回転角度により行うことを特徴とする請求項3
    記載の洗濯機の運転方法。
  13. 【請求項13】 洗濯兼脱水槽内のパルセータに接続す
    る上部洗濯軸を遊星ギヤによる減速機構を介して下部洗
    濯軸に結合し、下部洗濯軸をモーターに連結し、下部洗
    濯軸の同軸上に下部脱水軸を設け、クラッチ装置を介し
    て下部脱水軸を下部洗濯軸に連結し、前記遊星ギヤの周
    囲に配設するブレーキドラムを介して下部脱水軸を上部
    脱水軸に結合する洗濯機において、クラッチ装置は、下
    部脱水軸と下部洗濯軸の周囲にクラッチバネを一体的に
    巻回し、下部脱水軸側に巻回したクラッチバネと下部洗
    濯軸側に巻回したクラッチバネとをそれぞれ覆う別体の
    クラッチギヤケースにクラッチバネの上下端をそれぞれ
    固定し、該クラッチギヤケースの外周にそれぞれ設けた
    クラッチギヤにそれぞれクラッチ片を係脱自在に係合し
    たことを特徴とする洗濯機の駆動装置。
  14. 【請求項14】 洗濯兼脱水槽を固定するモードは、上
    下2つのクラッチ片をそれぞれクラッチギヤに係止する
    と同時にブレーキバンドをブレーキドラムに締めつけ、
    また、洗濯兼脱水槽をフリーの状態として回転自在とす
    るモードは、上下2つのクラッチ片をそれぞれクラッチ
    ギヤに係止すると同時にブレーキバンドをゆるめること
    を特徴とする請求項13記載の洗濯機の駆動装置。
  15. 【請求項15】 洗濯兼脱水槽を回転自在とするモード
    での運転中、 差動率=洗濯兼脱水槽を回転自在としたときの脱水槽回
    転数÷脱水時の脱水槽回転数×100 が概ね30%以下となるように運転することを特徴とす
    る洗濯機の運転方法。
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