JPH0856974A - 失禁用パンツ - Google Patents

失禁用パンツ

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JPH0856974A
JPH0856974A JP6216670A JP21667094A JPH0856974A JP H0856974 A JPH0856974 A JP H0856974A JP 6216670 A JP6216670 A JP 6216670A JP 21667094 A JP21667094 A JP 21667094A JP H0856974 A JPH0856974 A JP H0856974A
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water
cloth
incontinence pants
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一度吸収された水分が吸水パッドの何処から
も漏れることなく、また、使用者の皮膚との接触部分で
の水分残留や濡れを防止して濡れによる不快感を無く
し、安心して使用できると共に、繰り返して何度も使用
可能である失禁用パンツを提供する。 【構成】 股間部に、繰り返し使用可能な多層構成の吸
水部67を有する吸水パッド4を設けた失禁用パンツで
あって、この吸水パッド4の最上層に水性の繊維また
水加工を施した繊維による網体5を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、失禁者、特に尿失禁者
が着用する失禁用パンツに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、図12、図13に示す失禁用
パンツが使用されている。図12は女性用のショーツ型
の失禁用パンツを示す斜視図であり、図13はこの失禁
用パンツに用いられている吸水性パッドの一部断面拡大
斜視図である。
【0003】図12、13において10は失禁用パン
ツ、2は綿などの肌触りのよい生地で構成された前布、
3は同じく綿の後布、40は股布を構成する吸水性パッ
ドである。また、この失禁用パンツ10は外観はごく一
般的なショーツと変わりないように構成されている。そ
して、この吸水性パッド40は図12に明示しているよ
うに、その表面の最上層から親水性の表生地41、吸水
性生地42、防水性生地43の順に重ねられ、多層構造
をなしている。また、この吸水性パッド40は、前布2
の上に重ねられ、その吸水性パッド40の端部によって
前布2に接続されている。
【0004】したがって、この失禁用パンツ10を着用
した利用者は、たとえ不意に失禁を起こしてしまったと
しても、尿などの水分9は親水性の表生地41によって
素早く吸収されると共に、これを通過して吸水性生地4
2に吸収される。また、前記表生地41としては肌触り
を考慮してトリコットパイルを用いたり、メリヤス生地
を用いたりするなど様々なものが使用されるが、何れに
しても、表生地41は水分9を素早く吸収できるように
非常に濡れやすい生地で構成し、先に表生地41によっ
て水分9を吸収した後に、この水分9を吸収水性生地4
2に伝えるようにしている。
【0005】そして、この吸水性パッド40は、前記前
布2と縫い合わされるのであるが、その吸水性生地42
の端部には、前布2と重ね合わせた状態で端部ほつれ防
止布21が当てがわれ、これらを縫い合わせることによ
りこの吸水性パッド40を前布2に接続している。
【0006】なお、この吸水性生地42に吸収された水
分9は防水性生地43によって遮断されるので、これが
裏面に漏れることがないように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
失禁用パンツにおいては、水分の拡散吸収を行うために
吸水性パッド40のすべての材料を水に濡れやすいもの
で形成しており、前記表生地41を親水性としているの
で、前記吸水性生地42に一度吸収された水分9が、図
13の矢印Aに示すように、再び表生地41を通過して
肌に戻ることがある。このため、利用者は濡れた不快感
を感じるという欠点がある。また、前記吸水性生地42
に対する水分9の吸水量が多くなればなるほど表生地4
1に戻る水分9の量は多くなって、不快感は大きくなる
一方であった。
【0008】さらに、吸水性生地42に対する水分9の
吸水量が多くなると、図13の矢印Bが示すように、吸
水性生地42内に吸収された水分9が、この吸水性生地
42の端部から溢れ出て、前布2に染み出し、次第に失
禁用パンツ10のその他の部分および外衣を濡らしてし
まうことがあった。
【0009】そして、これを防ぐために、前記防水性生
地43を折り返し、吸水性生地42の端部をこの防水性
生地43によって包み込むようにすることも考えられる
が、たとえこのように構成したとしても、矢印Cが示す
ように、吸水性生地42に吸収された水分が縫い目44
等を介して吸水パッド40の端部から前布2などに染み
だすことがあった。
【0010】従って、繰り返し使用可能な吸水性パッド
40を縫い合わせた従来の失禁用パンツ10において、
上述の漏れ防止の構成は何れも問題を完全に解決するも
のとはなっていなかった。
【0011】本発明は上記の点を考慮にいれてなされた
ものであって、一度吸収された水分が吸水パッドの何処
からも漏れることなく、また、使用者の皮膚との接触部
分での水分残留や濡れを防止して濡れによる不快感を無
くし、安心して使用できると共に、繰り返して何度も使
用可能である失禁用パンツを提供することを目的として
いる。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明で
は、吸水パッドの最上層に揆水性の繊維または揆水加工
を施した繊維による網体を形成したことを特徴としてい
る。
【0013】また、第2の発明では、前記吸水パッドの
前記吸水部より大きな外形を有する基布に熱可塑性樹脂
フィルムをラミネート加工した2枚の不透水性シートを
備え、この2枚の不透水性シートを前記ラミネート加工
面が向かい合うように重ね合わせ、その間に前記吸水部
および網体を介在させ、表面側の不透水性シートには窓
部を設けると共に、この両不透水性シートの縁部を熱融
着または接着し、この縁部を縫いしろにしたことを特徴
としている。
【0014】
【作用】上記第1の発明によれば、吸水パッドの最上層
に揆水性の繊維または揆水加工を施した繊維による網体
を形成することによって、ひとたび吸水部に吸収された
水分は、揆水性の高い網体を通過して肌に逆流すること
ができず、この水分が再び網体を介して使用者の肌に戻
ることを効果的に防止できる。このため、この失禁用パ
ンツの使用者は吸水部に多量の水分を含んでいる状態で
も濡れた感じを全く受けることなく、常にさわやかな気
分でいることができる。
【0015】また、第2の発明によれば、前記吸水パッ
ドの前記吸水部より大きな外形を有する基布に熱可塑性
樹脂フィルムをラミネート加工した2枚の不透水性シー
トを備え、この2枚の不透水性シートを前記ラミネート
加工面が向かい合うように重ね合わせ、その間に前記吸
水部および網体を介在させ、表面側の不透水性シートに
は窓部を設けると共に、この両不透水性シートの縁部を
熱融着または接着し、この縁部を縫いしろにすることに
より、この縫いしろを介して吸水パッドを失禁用パンツ
に縫い合わせることができ、吸水部に多量の水分が吸収
されたとしても吸収された水分は、熱融着によって閉ざ
された2枚の不透水性シートによって完全に外部と遮断
されているので、この水分が漏れて失禁用パンツや外衣
を濡らしてしまうようなことが完全になくなる。したが
って、利用者は、漏れる心配を全くする必要がなく、こ
の失禁用パンツを安心して使用できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1〜図8を参
照しながら説明する。図1は、本発明の失禁用パンツお
よびその内部に縫着される吸水パッドを示す斜視図であ
って、同図において、1は女性用のショーツ型の失禁用
パンツ、2はこの失禁用パンツ1の前布、3は後布、4
はこの失禁用パンツの股布を構成する吸水パッドであ
る。
【0017】図2は前記吸水パッド4の分解斜視図、図
3は前記吸水パッド4の縦断面図、図4はこの吸水パッ
ド4の一部断面斜視図であって、これらの図2〜4にお
いて5はこの吸水パッド4の最上層を形成する網体、6
はこの網体の直下に位置する吸水・拡散層、7はこの吸
水・拡散層6の下方に位置する2枚の吸水層であり、こ
れら吸水・拡散層6と吸水層7とによって吸水部67を
形成している。また、8a,8bはそれぞれ、例えば、
ナイロンの基布に熱可塑性樹脂フィルムの一例として、
ウレタン樹脂フィルムをラミネート加工した不透水性シ
ートである。
【0018】図5〜7はこの吸水パッド4の拡大断面図
であり、図5は、水玉90が吸収される前の状態、図6
は水滴91が吸収されていく状態、図7はその後の水分
92の吸収状態を示している。以下、これらの図5〜7
および図4を参照しながら、吸水パッド4の構成の詳細
な点を説明する。
【0019】前記網体5は、繊維そのものが高度の揆水
性を備えるものが好ましく、本実施例では、揆水性の繊
維の一例としてポリプロピレン(180デニール)から
なる繊維50を用いている。そして、この網体5の穴5
2の大きさおよび厚さは水分を液体の状態で素早く通過
させることのできるものであり、通常直径が0.5〜
2.5mm程度の穴を形成し、網体5の厚さは0.5〜
2.5mm程度が望ましい。
【0020】そして、本実施例では、前記ポリプロピレ
ンの繊維50を、丸編機で編成しており、その厚みは約
0.9mm、穴52の大きさは直径1.5mmである。
また、この穴52の数は1平方センチ当たり25個形成
している。
【0021】また、本実施例では、前記繊維50の表面
を起毛して起毛繊維51(起毛部分)を形成し、網体5
の厚さを1〜2mm程度厚くしている。そして、この起
毛繊維51は、網体5の肌触りを改善すると共に、その
揆水性を用いて網体5の水分の透過性を調節している。
つまり、前記穴52の直径、網体の厚さ、および起毛部
分の厚さは、この網体5の表面に水滴を静かに落とした
場合には、この水滴は最上層の揆水性の網体5によって
弾かれて図4、図5に示すように、水の表面張力によっ
て、水玉90を形成し、少し外力を加えて前記水玉90
および網体5を押圧すると、この水玉90はすぐ下の吸
水・拡散層6に接触するように調節して形成している。
【0022】次に、前記網体5の直下に形成されている
前記吸水・拡散層6は、例えば濡れ特性の優れた繊維で
あるレーヨンと、水分が広がりやすく濡れやすいアクリ
ルとを混合した不織布である。従って、前記網体5を通
過してこの吸水・拡散層6に接触した水滴91は、その
界面張力の差によって素早く吸水・拡散層6に吸収され
ると共に、その水滴91の表面張力によって水滴91全
量が網体の表面に残ることなく素早く吸水・拡散層6に
吸収され、図4,6に示すように、この吸水・拡散層6
において穴52の周りに拡散される。従って、網体5の
表面には水分が残留することがなく、たとえ残っていた
としても、ごく微量であるので、濡れた不快感を使用者
に与えることがない。なお、この水分の拡散をより効果
的に行うためには、多層構造にすればよく、また、その
ために例えば、この吸水・拡散層6を2層以上設けても
よい。勿論、この吸収・拡散層6は不織布に代えて水に
濡れやすい編織布であってもよい。
【0023】また、吸水層7は、濡れやすい繊維とし
て、例えばレーヨンのような水分を多量に吸収する繊維
で構成されており、前記拡散された水分は図4にも矢印
で示すように、吸収層7に吸収される。つまり、各層を
形成する繊維の濡れやすさと界面張力の差によって水分
は奥の層に吸収されるように構成している。なお、本実
施例では吸水層7を2層設けることにより、吸水量を多
くしているが、これを1層にしてもよく、逆に、この吸
水層7を3層以上設けて吸水量を多くしてもよい。な
お、この吸水層7は上述した不織布だけでなく、吸水性
の繊維からなる綿や編織生地を用いてもよい。
【0024】こうして、吸水・拡散層6と吸水層7で構
成される吸水部67に吸収された水分は、図7に示すよ
うに、濡れやすい繊維で構成される吸水部67に保持さ
れると共に、揆水性の網体5からは弾かれるので、この
水分92が液体のままで網体5を通過し、表面に逆流す
ることはない。従って、利用者は濡れた不快感を受ける
ことない。
【0025】なお、前記水分92が気化した場合は、こ
の網体5を容易に通過できるので、洗濯後の乾燥時に
は、前記吸水部67に含まれた水分92は容易に蒸発で
き、この網体5が乾燥を妨げることはない。
【0026】また、前記網体5を通過した水分が吸水・
拡散層6と吸水層7に素早く吸収されるため、本実施例
では、例えば図2に示すように、網体5を吸水部67と
密着できる程度に大まかに縫い合わされている。なお、
この縫い合わせに替えて、網体5と吸水部67との接触
面を適度に接着してもよいことは言うまでもない。
【0027】こうして、一体化された網体5、吸水・拡
散層6および吸水層7は、図2〜4に示すように、不透
水性シート8a,8bの間に挿入されて吸水パッド4を
構成するのである。
【0028】この不透水性シート8a,8bは、前記網
体5および吸水部67より大きな外形を有する基布に熱
可塑性樹脂フィルムの一例としてウレタン樹脂フィルム
をラミネート加工し、ウレタン樹脂フィルムのラミネー
ト面80を形成し、防水加工を施したものであり、表面
側の不透水性シート8aには、図2に示すように、前記
網体8より小さな面積の窓部81が形成されている。
【0029】また、前記一体化された網体5および吸水
部67を網体5の表面が前記不透水性シート8aのウレ
タン樹脂フィルムのラミネート面80に面すると共に窓
部81に対応するように沿わせた状態で、この窓部81
の縁において、これら不透水性シート8a、網体5、吸
水・拡散層6、吸水層7を縫着する。そしてその後、両
不透水性シート8a,8bは互いのウレタン樹脂フィル
ムのラミネート面80を向かい合わせて、図3,4に示
すように前記網体5と吸水部67の周囲の不透水性シー
ト8a,8bを熱融着し、こうして形成される吸水パッ
ド4はその縁に、前記不透水性シート8a,8bの熱融
着部分が形成され、これが縫いしろ8cとなる。
【0030】従って、図4に示すように、この吸水パッ
ド4を縫いしろ8cによって失禁用パンツ1の前布2に
縫着することによって、前記吸水パッド4の吸収部67
は不透水性シート8a,8bのウレタン樹脂フィルムの
ラミネート面80および網体5によって完全に囲まれる
ようになり、前記吸収部67に吸収された水分は液体の
ままでは何処からも漏れることがない。
【0031】なお、本実施例では起毛を用いているが、
本発明はこれに限られるものではなく、前記繊維50を
パイル状にして、同様の効果が得られるようにしてもよ
い。
【0032】次に、図8は本発明の第2実施例を示す一
部拡大斜視図であり、この図において、図1〜7に示す
第1実施と異なる点は、前記網体5の構成だけであるの
で、その外の構成に付いては、図1〜7と同様の符号を
付して、その詳細な説明を省略する。
【0033】同図において、網体53はポリエステルか
らなる100デニールの繊維と30デニールの繊維を用
いトリコット機で編成されたパイル状の網体である。ま
た、この網体53は、穴の大きさは直径が約2.5m
m、パイル54の長さは約1.3mm、穴の数は1平方
センチメートル当たり8個、見掛け上の総生地厚は1.
8mmとなるように形成されている。
【0034】そして、前記網体53を着色した後に、網
体53の生地全体を、揆水加工剤〔例えば旭ガラス社製
の揆水加工剤(商品名:アサヒガードLS−317)な
ど〕によって揆水加工する。
【0035】従って、本実施例においては、網体53を
着色可能なポリエステルによって編成しているために、
網体53に揆水加工する前に着色をする事により、この
網体53の表面に下着の絵柄に合わせた絵柄を書き込む
ことも可能となり、このような着色を行うことによっ
て、失禁用パンツ1の外観がより自然で、一般的なパン
ツと見分けられないように構成することが可能となる。
【0036】なお、上記本実施例のように、網体をなす
繊維に揆水加工を施す場合おいては網体をなす繊維は上
記ポリエステルに限られるものではなく、その他の繊維
を適宜選択できることは言うまでもない。
【0037】次に、図9は本発明の第3実施例を示す一
部拡大斜視図であり、この図においても、図1〜7に示
す第1実施と異なる点は、前記網体5の構成だけである
ので、その外の構成に付いては、図1〜7と同様の符号
を付して、その詳細な説明を省略する。
【0038】同図において、網体55はポリプロピレン
からなる繊維を巻縮させた120デニールの繊維を丸編
機で編立てて形成している。また、この網体55は、穴
の大きさは直径が約1mm、穴の数は1平方センチメー
トル当たり50個、そして、生地厚を約1mmとなるよ
うに形成されている。
【0039】従って、上記のように巻縮した繊維を用い
ることにより、網体55の形成において繊維を起毛させ
る必要がなく、かつパイルを編成する特別な編機を用い
ることもなく、水分を適度に透過できる網体55を容易
に形成できるので、この網体55の形成に要する製作コ
ストを削減でき、ひいては、失禁用パンツ1を安価にて
提供できる。
【0040】また、図10、11に示すように、網体5
6の揆水性、厚み、穴57の数および大きさの調節によ
って、網体56による透過性を十分に適正なものとする
ことが可能であれば、上述のように、起毛を施したり、
巻縮した繊維を用いることなく網体56を形成でき、網
体56ひいては失禁用パンツ1の製作コストを最小限に
抑えることが可能となる。
【0041】なお、上述した各実施例において、網体5
を構成する材料として、ポリプロピレンを用いた例を挙
げているが、この網体を構成する材料はポリプロピレン
に限られるものではなく、例えばポリエチレンやふっ素
系繊維など揆水性を有する材料を用いてもよく、また、
上記ポリプロピレン、ポリエチレン、ふっ素系繊維など
の揆水性を有する材料を2つ以上の混合して用いてもよ
いことは言うまでもない。
【0042】さらに、上記各実施例では、不透水性シー
ト8a,8bの一例としてナイロンの基布にウレタン樹
脂フィルムをラミネート加工したものを実施例として用
いているが、この不透水性シート8a,8bの材料はこ
れに限られるものではない。例えば塩化ビニールなどの
熱可塑性樹脂フィルムをラミネート加工するために用い
てもよく、またそれらの混合物を用いてもよい。また、
基布としてポリエステルの布など前記熱可塑性樹脂フィ
ルムをラミネート加工できる繊維を用いてもよい。
【0043】また、上記各実施例において、失禁用パン
ツ1は女性用のショーツを例に挙げているが、本発明
が、これに限られるものではなく、男性用のブリーフに
も適用できることは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吸水パッドの最上層に揆水性の繊維または揆水加工を施
した繊維による網体を形成することによって、この網体
を構成する繊維の揆水性によりこの網体を通過する水分
を調節することができ、ひとたび吸水部に吸収された水
分が、揆水性の高い網体を通過して肌に逆流することを
防ぎ、この水分が再び網体を介して使用者の肌に戻るこ
とを効果的に防止できる。このため、この失禁用パンツ
の使用者は吸水部に多量の水分を含んでいる状態でも濡
れた感じを全く受けることなく、常にさわやかな気分で
いることができる。
【0045】また、前記吸水パッドの前記吸水部より大
きな外形を有する基布に熱可塑性樹脂フィルムをラミネ
ート加工した2枚の不透水性シートを備え、この2枚の
不透水性シートを前記ラミネート加工面が向かい合うよ
うに重ね合わせ、その間に前記吸水部および網体を介在
させ、表面側の不透水性シートには窓部を設けると共
に、この両不透水性シートの縁部を熱融着または接着
し、この縁部を縫いしろにすることにより、この縫いし
ろを介して吸水パッドを失禁用パンツに縫い合わせるこ
とができ、吸水部に多量の水分が吸収されたとしても吸
収された水分は、熱融着によって閉ざされた2枚の不透
水性シートによって完全に外部と遮断されているので、
この水分が漏れて失禁用パンツや外衣を濡らしてしまう
ようなことが完全になくなる。したがって、利用者は、
漏れる心配を全くする必要がなく、この失禁用パンツを
安心して使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる第1実施例の失禁用パンツお
よびその吸水パッドの全体斜視図である。
【図2】 前記失禁用パンツの吸水パッドの分解斜視図
である。
【図3】 前記吸水パッドの縦断面図である。
【図4】 前記吸水パッドの一部断面斜視図である。
【図5】 前記吸水パッドに水玉を載せた状態を示す一
部拡大縦断面図である。
【図6】 前記吸水パッドに水滴が吸収される状態を示
す一部拡大縦断面図である。
【図7】 前記吸水パッドに水分が吸収された状態を示
す一部拡大縦断面図である。
【図8】 本発明の第2実施例の失禁用パンツにおける
吸水パッドの一部断面斜視図である。
【図9】 本発明の第3実施例の失禁用パンツにおける
吸水パッドの一部断面斜視図である。
【図10】 本発明の別実施例の失禁用パンツにおける
吸水パッドに水玉を載せた状態を示す一部拡大縦断面図
である。
【図11】 前記吸水パッドに水滴が吸収される状態を
示す一部拡大縦断面図である。
【図12】 従来の失禁用パンツを示す斜視図である。
【図13】 前記失禁用パンツの吸水性パッドを示す斜
視図である。
【符号の説明】
1…失禁用パンツ、4…吸水パッド、5,53,55,
56…網体、8a,8b…不透水性シート、8c…縫い
しろ、50…繊維、80…ラミネート加工面、67…吸
収部。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 失禁用パンツ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、失禁者、特に尿失禁者
が着用する失禁用パンツに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、図12、図13に示す失禁用
パンツが使用されている。図12は女性用のショーツ型
の失禁用パンツを示す斜視図であり、図13はこの失禁
用パンツに用いられている吸水性パッドの一部断面拡大
斜視図である。
【0003】図12、13において10は失禁用パン
ツ、2は綿などの肌触りのよい生地で構成された前布、
3は同じく綿の後布、40は股布を構成する吸水性パッ
ドである。また、この失禁用パンツ10は外観はごく一
般的なショーツと変わりないように構成されている。そ
して、この吸水性パッド40は図12に明示しているよ
うに、その表面の最上層から親水性の表生地41、吸水
性生地42、防水性生地43の順に重ねられ、多層構造
をなしている。また、この吸水性パッド40は、前布2
の上に重ねられ、その吸水性パッド40の端部によって
前布2に接続されている。
【0004】したがって、この失禁用パンツ10を着用
した利用者は、たとえ不意に失禁を起こしてしまったと
しても、尿などの水分9は親水性の表生地41によって
素早く吸収されると共に、これを通過して吸水性生地4
2に吸収される。また、前記表生地41としては肌触り
を考慮してトリコットパイルを用いたり、メリヤス生地
を用いたりするなど様々なものが使用されるが、何れに
しても、表生地41は水分9を素早く吸収できるように
非常に濡れやすい生地で構成し、先に表生地41によっ
て水分9を吸収した後に、この水分9を吸収水性生地4
2に伝えるようにしている。
【0005】そして、この吸水性パッド40は、前記前
布2と縫い合わされるのであるが、その吸水性生地42
の端部には、前布2と重ね合わせた状態で端部ほつれ防
止布21が当てがわれ、これらを縫い合わせることによ
りこの吸水性パッド40を前布2に接続している。
【0006】なお、この吸水性生地42に吸収された水
分9は防水性生地43によって遮断されるので、これが
裏面に漏れることがないように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
失禁用パンツにおいては、水分の拡散吸収を行うために
吸水性パッド40のすべての材料を水に濡れやすいもの
で形成しており、前記表生地41を親水性としているの
で、前記吸水性生地42に一度吸収された水分9が、図
13の矢印Aに示すように、再び表生地41を通過して
肌に戻ることがある。このため、利用者は濡れた不快感
を感じるという欠点がある。また、前記吸水性生地42
に対する水分9の吸水量が多くなればなるほど表生地4
1に戻る水分9の量は多くなって、不快感は大きくなる
一方であった。
【0008】さらに、吸水性生地42に対する水分9の
吸水量が多くなると、図13の矢印Bが示すように、吸
水性生地42内に吸収された水分9が、この吸水性生地
42の端部から溢れ出て、前布2に染み出し、次第に失
禁用パンツ10のその他の部分および外衣を濡らしてし
まうことがあった。
【0009】そして、これを防ぐために、前記防水性生
地43を折り返し、吸水性生地42の端部をこの防水性
生地43によって包み込むようにすることも考えられる
が、たとえこのように構成したとしても、矢印Cが示す
ように、吸水性生地42に吸収された水分が縫い目44
等を介して吸水パッド40の端部から前布2などに染み
だすことがあった。
【0010】従って、繰り返し使用可能な吸水性パッド
40を縫い合わせた従来の失禁用パンツ10において、
上述の漏れ防止の構成は何れも問題を完全に解決するも
のとはなっていなかった。
【0011】本発明は上記の点を考慮にいれてなされた
ものであって、一度吸収された水分が吸水パッドの何処
からも漏れることなく、また、使用者の皮膚との接触部
分での水分残留や濡れを防止して濡れによる不快感を無
くし、安心して使用できると共に、繰り返して何度も使
用可能である失禁用パンツを提供することを目的として
いる。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明で
は、吸水パッドの最上層に水性の繊維または水加工
を施した繊維による網体を形成したことを特徴としてい
る。
【0013】また、第2の発明では、前記吸水パッドの
前記吸水部より大きな外形を有する基布に熱可塑性樹脂
フィルムをラミネート加工した2枚の不透水性シートを
備え、この2枚の不透水性シートを前記ラミネート加工
面が向かい合うように重ね合わせ、その間に前記吸水部
および網体を介在させ、表面側の不透水性シートには窓
部を設けると共に、この両不透水性シートの縁部を熱融
着または接着し、この縁部を縫いしろにしたことを特徴
としている。
【0014】
【作用】上記第1の発明によれば、吸水パッドの最上層
水性の繊維または水加工を施した繊維による網体
を形成することによって、ひとたび吸水部に吸収された
水分は、水性の高い網体を通過して肌に逆流すること
ができず、この水分が再び網体を介して使用者の肌に戻
ることを効果的に防止できる。このため、この失禁用パ
ンツの使用者は吸水部に多量の水分を含んでいる状態で
も濡れた感じを全く受けることなく、常にさわやかな気
分でいることができる。
【0015】また、第2の発明によれば、前記吸水パッ
ドの前記吸水部より大きな外形を有する基布に熱可塑性
樹脂フィルムをラミネート加工した2枚の不透水性シー
トを備え、この2枚の不透水性シートを前記ラミネート
加工面が向かい合うように重ね合わせ、その間に前記吸
水部および網体を介在させ、表面側の不透水性シートに
は窓部を設けると共に、この両不透水性シートの縁部を
熱融着または接着し、この縁部を縫いしろにすることに
より、この縫いしろを介して吸水パッドを失禁用パンツ
に縫い合わせることができ、吸水部に多量の水分が吸収
されたとしても吸収された水分は、熱融着によって閉ざ
された2枚の不透水性シートによって完全に外部と遮断
されているので、この水分が漏れて失禁用パンツや外衣
を濡らしてしまうようなことが完全になくなる。したが
って、利用者は、漏れる心配を全くする必要がなく、こ
の失禁用パンツを安心して使用できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1〜図8を参
照しながら説明する。図1は、本発明の失禁用パンツお
よびその内部に縫着される吸水パッドを示す斜視図であ
って、同図において、1は女性用のショーツ型の失禁用
パンツ、2はこの失禁用パンツ1の前布、3は後布、4
はこの失禁用パンツの股布を構成する吸水パッドであ
る。
【0017】図2は前記吸水パッド4の分解斜視図、図
3は前記吸水パッド4の縦断面図、図4はこの吸水パッ
ド4の一部断面斜視図であって、これらの図2〜4にお
いて5はこの吸水パッド4の最上層を形成する網体、6
はこの網体の直下に位置する吸水・拡散層、7はこの吸
水・拡散層6の下方に位置する2枚の吸水層であり、こ
れら吸水・拡散層6と吸水層7とによって吸水部67を
形成している。また、8a,8bはそれぞれ、例えば、
ナイロンの基布に熱可塑性樹脂フィルムの一例として、
ウレタン樹脂フィルムをラミネート加工した不透水性シ
ートである。
【0018】図5〜7はこの吸水パッド4の拡大断面図
であり、図5は、水玉90が吸収される前の状態、図6
は水滴91が吸収されていく状態、図7はその後の水分
92の吸収状態を示している。以下、これらの図5〜7
および図4を参照しながら、吸水パッド4の構成の詳細
な点を説明する。
【0019】前記網体5は、繊維そのものが高度の
性を備えるものが好ましく、本実施例では、水性の繊
維の一例としてポリプロピレン(180デニール)から
なる繊維50を用いている。そして、この網体5の穴5
2の大きさおよび厚さは水分を液体の状態で素早く通過
させることのできるものであり、通常直径が0.5〜
2.5mm程度の穴を形成し、網体5の厚さは0.5〜
2.5mm程度が望ましい。
【0020】そして、本実施例では、前記ポリプロピレ
ンの繊維50を、丸編機で編成しており、その厚みは約
0.9mm、穴52の大きさは直径1.5mmである。
また、この穴52の数は1平方センチ当たり25個形成
している。
【0021】また、本実施例では、前記繊維50の表面
を起毛して起毛繊維51(起毛部分)を形成し、網体5
の厚さを1〜2mm程度厚くしている。そして、この起
毛繊維51は、網体5の肌触りを改善すると共に、その
水性を用いて網体5の水分の透過性を調節している。
つまり、前記穴52の直径、網体の厚さ、および起毛部
分の厚さは、この網体5の表面に水滴を静かに落とした
場合には、この水滴は最上層の水性の網体5によって
弾かれて図4、図5に示すように、水の表面張力によっ
て、水玉90を形成し、少し外力を加えて前記水玉90
および網体5を押圧すると、この水玉90はすぐ下の吸
水・拡散層6に接触するように調節して形成している。
【0022】次に、前記網体5の直下に形成されている
前記吸水・拡散層6は、例えば濡れ特性の優れた繊維で
あるレーヨンと、水分が広がりやすく濡れやすいアクリ
ルとを混合した不織布である。従って、前記網体5を通
過してこの吸水・拡散層6に接触した水滴91は、その
界面張力の差によって素早く吸水・拡散層6に吸収され
ると共に、その水滴91の表面張力によって水滴91全
量が網体の表面に残ることなく素早く吸水・拡散層6に
吸収され、図4,6に示すように、この吸水・拡散層6
において穴52の周りに拡散される。従って、網体5の
表面には水分が残留することがなく、たとえ残っていた
としても、ごく微量であるので、濡れた不快感を使用者
に与えることがない。なお、この水分の拡散をより効果
的に行うためには、多層構造にすればよく、また、その
ために例えば、この吸水・拡散層6を2層以上設けても
よい。勿論、この吸収・拡散層6は不織布に代えて水に
濡れやすい編織布であってもよい。
【0023】また、吸水層7は、濡れやすい繊維とし
て、例えばレーヨンのような水分を多量に吸収する繊維
で構成されており、前記拡散された水分は図4にも矢印
で示すように、吸収層7に吸収される。つまり、各層を
形成する繊維の濡れやすさと界面張力の差によって水分
は奥の層に吸収されるように構成している。なお、本実
施例では吸水層7を2層設けることにより、吸水量を多
くしているが、これを1層にしてもよく、逆に、この吸
水層7を3層以上設けて吸水量を多くしてもよい。な
お、この吸水層7は上述した不織布だけでなく、吸水性
の繊維からなる綿や編織生地を用いてもよい。
【0024】こうして、吸水・拡散層6と吸水層7で構
成される吸水部67に吸収された水分は、図7に示すよ
うに、濡れやすい繊維で構成される吸水部67に保持さ
れると共に、水性の網体5からは弾かれるので、この
水分92が液体のままで網体5を通過し、表面に逆流す
ることはない。従って、利用者は濡れた不快感を受ける
ことない。
【0025】なお、前記水分92が気化した場合は、こ
の網体5を容易に通過できるので、洗濯後の乾燥時に
は、前記吸水部67に含まれた水分92は容易に蒸発で
き、この網体5が乾燥を妨げることはない。
【0026】また、前記網体5を通過した水分が吸水・
拡散層6と吸水層7に素早く吸収されるため、本実施例
では、例えば図2に示すように、網体5を吸水部67と
密着できる程度に大まかに縫い合わされている。なお、
この縫い合わせに替えて、網体5と吸水部67との接触
面を適度に接着してもよいことは言うまでもない。
【0027】こうして、一体化された網体5、吸水・拡
散層6および吸水層7は、図2〜4に示すように、不透
水性シート8a,8bの間に挿入されて吸水パッド4を
構成するのである。
【0028】この不透水性シート8a,8bは、前記網
体5および吸水部67より大きな外形を有する基布に熱
可塑性樹脂フィルムの一例としてウレタン樹脂フィルム
をラミネート加工し、ウレタン樹脂フィルムのラミネー
ト面80を形成し、防水加工を施したものであり、表面
側の不透水性シート8aには、図2に示すように、前記
網体8より小さな面積の窓部81が形成されている。
【0029】また、前記一体化された網体5および吸水
部67を網体5の表面が前記不透水性シート8aのウレ
タン樹脂フィルムのラミネート面80に面すると共に窓
部81に対応するように沿わせた状態で、この窓部81
の縁において、これら不透水性シート8a、網体5、吸
水・拡散層6、吸水層7を縫着する。そしてその後、両
不透水性シート8a,8bは互いのウレタン樹脂フィル
ムのラミネート面80を向かい合わせて、図3,4に示
すように前記網体5と吸水部67の周囲の不透水性シー
ト8a,8bを熱融着し、こうして形成される吸水パッ
ド4はその縁に、前記不透水性シート8a,8bの熱融
着部分が形成され、これが縫いしろ8cとなる。
【0030】従って、図4に示すように、この吸水パッ
ド4を縫いしろ8cによって失禁用パンツ1の前布2に
縫着することによって、前記吸水パッド4の吸収部67
は不透水性シート8a,8bのウレタン樹脂フィルムの
ラミネート面80および網体5によって完全に囲まれる
ようになり、前記吸収部67に吸収された水分は液体の
ままでは何処からも漏れることがない。
【0031】なお、本実施例では起毛を用いているが、
本発明はこれに限られるものではなく、前記繊維50を
パイル状にして、同様の効果が得られるようにしてもよ
い。
【0032】次に、図8は本発明の第2実施例を示す一
部拡大斜視図であり、この図において、図1〜7に示す
第1実施と異なる点は、前記網体5の構成だけであるの
で、その外の構成に付いては、図1〜7と同様の符号を
付して、その詳細な説明を省略する。
【0033】同図において、網体53はポリエステルか
らなる100デニールの繊維と30デニールの繊維を用
いトリコット機で編成されたパイル状の網体である。ま
た、この網体53は、穴の大きさは直径が約2.5m
m、パイル54の長さは約1.3mm、穴の数は1平方
センチメートル当たり8個、見掛け上の総生地厚は1.
8mmとなるように形成されている。
【0034】そして、前記網体53を着色した後に、網
体53の生地全体を、水加工剤〔例えば旭ガラス社製
水加工剤(商品名:アサヒガードLS−317)な
ど〕によって水加工する。
【0035】従って、本実施例においては、網体53を
着色可能なポリエステルによって編成しているために、
網体53に水加工する前に着色をする事により、この
網体53の表面に下着の絵柄に合わせた絵柄を書き込む
ことも可能となり、このような着色を行うことによっ
て、失禁用パンツ1の外観がより自然で、一般的なパン
ツと見分けられないように構成することが可能となる。
【0036】なお、上記本実施例のように、網体をなす
繊維に水加工を施す場合おいては網体をなす繊維は上
記ポリエステルに限られるものではなく、その他の繊維
を適宜選択できることは言うまでもない。
【0037】次に、図9は本発明の第3実施例を示す一
部拡大斜視図であり、この図においても、図1〜7に示
す第1実施と異なる点は、前記網体5の構成だけである
ので、その外の構成に付いては、図1〜7と同様の符号
を付して、その詳細な説明を省略する。
【0038】同図において、網体55はポリプロピレン
からなる繊維を巻縮させた120デニールの繊維を丸編
機で編立てて形成している。また、この網体55は、穴
の大きさは直径が約1mm、穴の数は1平方センチメー
トル当たり50個、そして、生地厚を約1mmとなるよ
うに形成されている。
【0039】従って、上記のように巻縮した繊維を用い
ることにより、網体55の形成において繊維を起毛させ
る必要がなく、かつパイルを編成する特別な編機を用い
ることもなく、水分を適度に透過できる網体55を容易
に形成できるので、この網体55の形成に要する製作コ
ストを削減でき、ひいては、失禁用パンツ1を安価にて
提供できる。
【0040】また、図10、11に示すように、網体5
6の水性、厚み、穴57の数および大きさの調節によ
って、網体56による透過性を十分に適正なものとする
ことが可能であれば、上述のように、起毛を施したり、
巻縮した繊維を用いることなく網体56を形成でき、網
体56ひいては失禁用パンツ1の製作コストを最小限に
抑えることが可能となる。
【0041】なお、上述した各実施例において、網体5
を構成する材料として、ポリプロピレンを用いた例を挙
げているが、この網体を構成する材料はポリプロピレン
に限られるものではなく、例えばポリエチレンやふっ素
系繊維など水性を有する材料を用いてもよく、また、
上記ポリプロピレン、ポリエチレン、ふっ素系繊維など
水性を有する材料を2つ以上の混合して用いてもよ
いことは言うまでもない。
【0042】さらに、上記各実施例では、不透水性シー
ト8a,8bの一例としてナイロンの基布にウレタン樹
脂フィルムをラミネート加工したものを実施例として用
いているが、この不透水性シート8a,8bの材料はこ
れに限られるものではない。例えば塩化ビニールなどの
熱可塑性樹脂フィルムをラミネート加工するために用い
てもよく、またそれらの混合物を用いてもよい。また、
基布としてポリエステルの布など前記熱可塑性樹脂フィ
ルムをラミネート加工できる繊維を用いてもよい。
【0043】また、上記各実施例において、失禁用パン
ツ1は女性用のショーツを例に挙げているが、本発明
が、これに限られるものではなく、男性用のブリーフに
も適用できることは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吸水パッドの最上層に水性の繊維または水加工を施
した繊維による網体を形成することによって、この網体
を構成する繊維の水性によりこの網体を通過する水分
を調節することができ、ひとたび吸水部に吸収された水
分が、水性の高い網体を通過して肌に逆流することを
防ぎ、この水分が再び網体を介して使用者の肌に戻るこ
とを効果的に防止できる。このため、この失禁用パンツ
の使用者は吸水部に多量の水分を含んでいる状態でも濡
れた感じを全く受けることなく、常にさわやかな気分で
いることができる。
【0045】また、前記吸水パッドの前記吸水部より大
きな外形を有する基布に熱可塑性樹脂フィルムをラミネ
ート加工した2枚の不透水性シートを備え、この2枚の
不透水性シートを前記ラミネート加工面が向かい合うよ
うに重ね合わせ、その間に前記吸水部および網体を介在
させ、表面側の不透水性シートには窓部を設けると共
に、この両不透水性シートの縁部を熱融着または接着
し、この縁部を縫いしろにすることにより、この縫いし
ろを介して吸水パッドを失禁用パンツに縫い合わせるこ
とができ、吸水部に多量の水分が吸収されたとしても吸
収された水分は、熱融着によって閉ざされた2枚の不透
水性シートによって完全に外部と遮断されているので、
この水分が漏れて失禁用パンツや外衣を濡らしてしまう
ようなことが完全になくなる。したがって、利用者は、
漏れる心配を全くする必要がなく、この失禁用パンツを
安心して使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる第1実施例の失禁用パンツお
よびその吸水パッドの全体斜視図である。
【図2】 前記失禁用パンツの吸水パッドの分解斜視図
である。
【図3】 前記吸水パッドの縦断面図である。
【図4】 前記吸水パッドの一部断面斜視図である。
【図5】 前記吸水パッドに水玉を載せた状態を示す一
部拡大縦断面図である。
【図6】 前記吸水パッドに水滴が吸収される状態を示
す一部拡大縦断面図である。
【図7】 前記吸水パッドに水分が吸収された状態を示
す一部拡大縦断面図である。
【図8】 本発明の第2実施例の失禁用パンツにおける
吸水パッドの一部断面斜視図である。
【図9】 本発明の第3実施例の失禁用パンツにおける
吸水パッドの一部断面斜視図である。
【図10】 本発明の別実施例の失禁用パンツにおける
吸水パッドに水玉を載せた状態を示す一部拡大縦断面図
である。
【図11】 前記吸水パッドに水滴が吸収される状態を
示す一部拡大縦断面図である。
【図12】 従来の失禁用パンツを示す斜視図である。
【図13】 前記失禁用パンツの吸水性パッドを示す斜
視図である。
【符号の説明】 1…失禁用パンツ、4…吸水パッド、5,53,55,
56…網体、8a,8b…不透水性シート、8c…縫い
しろ、50…繊維、80…ラミネート加工面、67…吸
収部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 股間部に、繰り返し使用可能な多層構成
    の吸水部を有する吸水パッドを設けた失禁用パンツであ
    って、この吸水パッドの最上層に揆水性の繊維または揆
    水加工を施した繊維による網体を形成したことを特徴と
    する失禁用パンツ。
  2. 【請求項2】 前記吸水部より大きな外形を有する基布
    に熱可塑性樹脂フィルムをラミネート加工した2枚の不
    透水性シートを備え、この2枚の不透水性シートを前記
    ラミネート加工面が向かい合うように重ね合わせ、その
    間に前記吸水部および網体を介在させ、表面側の不透水
    性シートには窓部を設けると共に、この両不透水性シー
    トの縁部を熱融着または接着し、この縁部を縫いしろに
    したことを特徴とする請求項1に記載の失禁用パンツ。
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