JPH0855713A - 複合磁性材料の製造方法 - Google Patents

複合磁性材料の製造方法

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JPH0855713A
JPH0855713A JP6192438A JP19243894A JPH0855713A JP H0855713 A JPH0855713 A JP H0855713A JP 6192438 A JP6192438 A JP 6192438A JP 19243894 A JP19243894 A JP 19243894A JP H0855713 A JPH0855713 A JP H0855713A
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JP
Japan
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magnetic material
ferrite
magnetic
temperature
parallelism
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JP6192438A
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English (en)
Inventor
Takashi Tamura
孝 田村
Makoto Watanabe
渡辺  誠
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 HIP材を適用できる温度で接合可能とな
し、且つ機械的強度を劣化させない複合磁性材料の製造
方法を提供する。 【構成】 厚みの平行度が8μm以下、且つ表面粗さが
0.1μm以下の常温において高透磁率を有するフェラ
イト磁性材料の基板と、キュリー温度が常温以下である
フェライト磁性材料の基板を用いて接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異なる性質を有する磁
性材料を接合してなる複合磁性材料の製造方法に関し、
特にVTR等の磁気ヘッドコアに用いて有用な複合磁性
材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、狭トラック及び高周波対応の磁気
ヘッドとして、構造材の基台に軟磁性合金薄膜と絶縁性
酸化物薄膜とを積層し磁気トラックとした磁気ヘッドが
提案されている。ここで、基台となる構造材は、ギャッ
プ面に現れており、しかも磁気テープ等の記録媒体と接
触するため、これを非磁性にする必要がある。
【0003】しかし、上記構造材の全体を非磁性材料で
構成すると、磁路断面積が小さく、しかも磁気ヘッドコ
アの巻線数に制限されることにより、充分なインダクタ
ンス値を得ることができない。
【0004】そこで、記録媒体と接触する磁気ヘッドコ
アのフロントギャプ側を非磁性材料、記録媒体と接触し
ないバックギャプ側を磁性材料とする必要が生じ、その
解決策として本願出願人により、特開平5−12912
4に開示した複合磁性材料が提案されている。
【0005】この複合磁性材料は、常温において高透磁
率を有するフェライト磁性材料(以下、フェライト磁性
材とする。)と、これと同組成系で、キュリー温度が常
温以下であるフェライト磁性材料、すなわち常温におい
て非磁性であるフェライト磁性材料(以下、フェライト
非磁性材とする。)を一体化させたものである。
【0006】上記複合磁性材料において、フェライト磁
性材とフェライト非磁性材は同組成系であるため、磁性
部分と非磁性部分の機械的及び化学的特性の相違がほと
んどなく、磁気ヘッド加工の際、研磨加工によって研磨
面に段差が生じることがない。また、この複合磁性材料
の機械的及び化学的強度は、フェライト磁性材料と同等
であり、その加工性及び信頼性は高い。
【0007】このような複合磁性材料は、フェライト磁
性材と、これと同組成系のフェライト非磁性材をそれぞ
れ作製し、続いて加圧しながら熱処理し接合する方法に
より製造されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
製造方法では、フェライト磁性材とフェライト非磁性材
の固相熱拡散を起こさせるため、フェライト磁性材とフ
ェライト非磁性材を直接接触させ、数MPaで加圧しな
がら1200℃以上の高温で処理する必要がある。
【0009】このため、フェライト磁性材またはフェラ
イト非磁性材として、加工性及び磁気特性に優れた熱間
等方圧プレス処理を施した多結晶(以下、HIP材とす
る。)を用いて従来の製造方法で複合磁性材料を作製し
た場合、HIP材の気孔が戻り、磁気ヘッド加工時にお
ける寸法精度、加工性及び磁気特性が劣化してしまう問
題があった。このように、従来の製造方法では、HIP
材を適用することはできない。
【0010】そこで本発明は、上述の課題に鑑みて提案
されたものであり、HIP材を適用できる温度で接合で
き、且つ機械的強度を劣化させない複合磁性材料の製造
方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る複合磁性材
料の製造方法は、フェライト磁性材と、これと同組成系
のフェライト非磁性材とを接合して作製するに当たり、
該フェライト磁性材に厚みの平行度が8μm以下、且つ
表面粗さが0.1μm以下のものを用いることにより、
上述の課題を解決する。
【0012】
【作用】厚みの平行度が8μm以下、且つ表面粗さが
0.1μm以下のフェライト磁性材料及びフェライト非
磁性材料の基板を用いて接合することにより、従来の複
合磁性材料の製造方法の接合温度よりも低く、HIP材
の気孔が戻らない温度で接合することが可能となる。そ
のため、磁気ヘッド加工時における寸法精度、HIP材
の加工性及び磁気特性を劣化させることなく、フェライ
ト磁性材またはフェライト非磁性材としてHIP材を高
性能なまま適用することが可能となる。また、フェライ
ト非磁性材としてHIP材を使用しても、気孔が戻らな
いため、磁気記録媒体に損傷を与えない。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されるものではないこ
とは言うまでもない。
【0014】実施例1 先ず、フェライト磁性材を作製した。即ち、Fe
2 3 :52.0モル%、ZnO:25モル%、Mn
O:23.0モル%からなる原料粉末を湿式混合し、乾
燥させた後、所定のサイズにプレス成形し、続いて1%
2 を含むN2 雰囲気下で1280℃のもと2時間かけ
て焼結し多結晶を得た。その後、この多結晶をArによ
り100MPaで加圧しながら、1200℃で2時間熱
間等方圧プレス処理を行い、フェライト磁性材を作製し
た。
【0015】次に、フェライト非磁性材を作製した。即
ち、Fe2 3 :52.0モル%、ZnO:34.0モ
ル%、MnO:14.0モル%からなる原料粉末を湿式
混合し、乾燥させた後、所定のサイズにプレス成形し、
続いて1%O2 を含むN2 雰囲気下で1280℃のもと
2時間かけて焼結し多結晶を得た。その後、この多結晶
をArにより100MPaで加圧しながら、1200℃
で2時間熱間等方圧プレス処理を行い、フェライト非磁
性材を作製した。このフェライト非磁性材は、キュリー
温度が−35.0℃であるので、常温では非磁性であ
る。
【0016】続いて、得られたフェライト磁性材とフェ
ライト非磁性材より、おのおの30mm×10mm×3
mmの平板に加工し、30mm×10mmの接合面を鏡
面加工により、表面粗さRa(中心線平均粗さ)で0.
01μm、平行度が0〜15μmになるようにした。
【0017】そして、得られたフェライト磁性材とフェ
ライト非磁性材の基板を用いて、フェライト磁性材とフ
ェライト非磁性材の接合面を接触させ、接合面の法線方
向より基板全体に10MPaの圧力を加えながら、1体
積%O2 −99体積%N2 雰囲気のもと1000℃で2
時間熱処理を行い平行度と剥がれ率の関係を検討した。
【0018】この結果を図1に示す。ここで、剥がれ率
とは、測定した接合界面の長さに対する剥がれている部
分の長さの割合を示した。図1に示すように、表面粗さ
Raが0.01μmのフェライト磁性材とフェライト非
磁性材基板の平行度が8μm以下の場合、接合界面に剥
がれが無い複合磁性材料が得られることが判明した。こ
の一方、厚みの平行度が8μmを越えると、急激に剥が
れ率が増大する。
【0019】また、フェライト磁性材とフェライト非磁
性材の気孔率を調べた結果、0.01%以下と気孔がほ
とんど戻らないことが判明した。このように、表面粗さ
Raが0.01μm、且つ平行度が8μm以下のフェラ
イト磁性材とフェライト非磁性材基板を使用し接合する
ことにより、従来の接合方法の接合温度よりも200℃
以上低く、かつHIP材の気孔が戻らない温度で接合し
ても、剥がれの無い複合磁性材料が得られる。
【0020】実施例2 実施例1と同様な組成及び作製法で、フェライト磁性材
とフェライト非磁性材を作製した。続いて、得られたフ
ェライト磁性材とフェライト非磁性材よりおのおの30
mm×10mm×3mmの平板に加工し、30mm×1
0mmの接合面を鏡面加工により、平行度が8μm、表
面粗さRaが0.001μm〜1.0μmになるように
した。
【0021】そして、得られたフェライト磁性材とフェ
ライト非磁性材の基板を用いて、フェライト磁性材の接
合面とフェライト非磁性材の接合面を接触させ、接合面
の法線方向より基板全体に10MPaの圧力を加えなが
ら、1体積%O2 −99体積%N2 雰囲気のもと100
0℃で2時間熱処理を行い表面粗さRaと剥がれ率の関
係を検討した。この結果を図2に示す。
【0022】図2に示すように、平行度が8μmのフェ
ライト磁性材とフェライト非磁性材の表面粗さRaが
0.1μm以下の場合、接合界面に剥がれが無い複合磁
性材料が得られることが判明した。また、フェライト磁
性材とフェライト非磁性材の気孔率を調べた結果、0.
01%以下と気孔がほとんど戻らないことが判明した。
このように、平行度が8μm、且つ表面粗さRaが0.
1μm以下のフェライト磁性材とフェライト非磁性材を
使用し接合することにより、従来の接合方法の接合温度
よりも200℃以上低く、且つHIP材の気孔が戻らな
い温度で接合しても、剥がれの無い複合磁性材料が得ら
れる。一方、表面粗さRaが0.1μmを越えると急激
に剥がれ率が増大する。
【0023】以上述べてきたように、厚みの平行度が8
μm以下、且つ表面粗さRaが0.1μm以下のフェラ
イト磁性材とフェライト非磁性材の基板を用いて接合す
ることにより、従来の複合磁性材料の製造方法の接合温
度よりも低く、HIP材の気孔が戻らない温度で接合す
ることが可能となる。
【0024】なお、上述の実施例においては、フェライ
ト磁性材及びフェライト非磁性材をFe2 3 :52.
0モル%、ZnO:25モル%、MnO:23.0モル
%及びFe2 3 :52.0モル%、ZnO:34.0
モル%、MnO:14.0モル%の原料粉末より作製し
たMn−Zn系フェライトの場合について述べたが、フ
ェライト磁性材及びフェライト非磁性材として、前記以
外の組成であっても常温において高透磁率を有する組成
及びキュリー温度が常温以下となる組成であれば、上述
同様の作用効果を得ることができる。
【0025】また、フェライト磁性材及びフェライト非
磁性材として、Mn−Zn系フェライト以外に、例え
ば、Ni−Zn系フェライト及びLi−Zn系フェライ
ト等であっても、同組成系の組み合わせであれば、上述
同様の作用効果が得ることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、厚みの平行度が8μm
以下、且つ表面粗さRaが0.1μm以下のフェライト
磁性材とフェライト非磁性材の基板を用いて接合するこ
とにより、従来の複合磁性材料の製造方法の接合温度よ
りも低く、HIP材の気孔が戻らない温度で接合するこ
とが可能となる。そのため、磁気ヘッド加工時における
寸法精度、HIP材の加工性及び磁気特性を劣化させる
ことなく、フェライト磁性材またはフェライト非磁性材
としてHIP材を高性能なまま適用することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】平行度と剥がれ率の関係を示す特性図である。
【図2】表面粗さRaと剥がれ率の関係を示す特性図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/127 F 7303−5D

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温において高透磁率を有するフェライ
    ト磁性材料と、これと同組成系で、キュリー温度が常温
    以下であるフェライト磁性材料とを接合してなる複合磁
    性材料の製造方法において、 厚みの平行度が8μm以下、且つ表面粗さが0.1μm
    以下の常温において高透磁率を有するフェライト磁性材
    料の基板と、キュリー温度が常温以下であるフェライト
    磁性材料の基板を用いて接合することを特徴する複合磁
    性材料の製造方法。
JP6192438A 1994-08-16 1994-08-16 複合磁性材料の製造方法 Withdrawn JPH0855713A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006156433A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Hitachi Metals Ltd 磁心及びこれを用いた電子部品
JP2006278432A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Hitachi Metals Ltd 電子部品
CN103490122A (zh) * 2013-09-18 2014-01-01 清华大学 一种基于热敏铁氧体的温控负折射开关及其制备方法

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