JPH0854798A - 定着器用加圧ローラ - Google Patents

定着器用加圧ローラ

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JPH0854798A
JPH0854798A JP19037994A JP19037994A JPH0854798A JP H0854798 A JPH0854798 A JP H0854798A JP 19037994 A JP19037994 A JP 19037994A JP 19037994 A JP19037994 A JP 19037994A JP H0854798 A JPH0854798 A JP H0854798A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、連続的な部分通紙においても通紙
部と非通紙部の温度差が大きくならず、紙シワの発生を
抑制できることを目的とする。 【構成】芯金の周面にシリコーンゴムスポンジ層を介し
てフッ素樹脂層を設けた定着器用加圧ローラにおいて、
前記シリコーンゴムスポンジ層とフッ素樹脂層の間に厚
み2mm以下で熱伝導率が1×10-3cal/cm・s・
℃以上である高熱伝導弾性層を有することを特徴とする
定着器用加圧ローラ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は定着器用加圧ローラに
関し、特に複写機,レーザービームプリンター等におけ
る未定着画像を紙等の記録材に熱定着するための定着器
用加圧ロールの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機,レーザービームプリンタ
ーなどの未定着画像を定着する方法として、一方のロー
ラが加熱された一対のローラを用いて定着する熱定着方
式が広く用いられている。
【0003】図1は定着装置の一例を示し、この装置は
加熱定着ローラ1と、該ローラ1と対をなす加圧ローラ
2から構成されている。前記加熱定着ローラ1は、内部
にヒーター3を有するアルミニウム又は鉄等からなる中
空芯金4の外周に表面離型層5を設けた構成となってい
る。ここで、前記表面離型層5は、未定着画像との離型
性に優れたシリコーンゴム又はフッ素樹脂などからな
る。一方、前記加圧ローラ2は、芯金6の外周にシリコ
ーンゴムなどからなる耐熱弾性体層7を設けた構成とな
っている。
【0004】ところで、近年、複写機等の小型化,軽量
化,省エネルギー化に伴い、図2に示すような定着装置
が実用化されている。この定着装置において、加熱定着
ローラ21は、中空芯金4の厚みを強度的に支障のない範
囲で可能なかぎり薄くし、熱容量を小さくした構成とな
っている。また、加圧ローラ22は、芯金6の外周にシリ
コーンスポンジ層23を介して薄肉のフッ素樹脂製チュー
ブ24を被覆した構成となっている。ここで、シリコーン
スポンジ層23を用いるのは、軽量でかつニップ幅を充分
にとるためであり、さらに断熱体として機能させるため
である。また、フッ素樹脂製チューブ24を被覆するの
は、フッ素樹脂が未定着画像との離型性に優れているか
らである。
【0005】前記加圧ローラは、例えば次のようにして
製作される。 1.第一の方法 (1) まず、熱加硫型シリコーンゴム(HTVシリコーン
ゴム)と呼ばれるオルガノポリシロキサン,補強用充填
剤,増量剤,耐熱剤などからなるシリコーンゴム組成物
に、加硫剤として各種パーオキサイドと各種発泡剤を加
えた原料未加硫ゴムを押し出し機を用いてチューブ状に
押し出し、加熱炉を通して加硫,発泡させてシリコーン
ゴムスポンジチューブを作る。 (2) 次に、このシリコーンゴムスポンジチューブ内に接
着剤を塗布した芯金6を挿入して接着させた後、スポン
ジ表面を研磨してスポンジロールとする。つづいて、こ
のスポンジロール表面に接着剤を塗布し、薄肉のフッ素
樹脂製チューブ24を被覆して加圧ローラ22を製作する。
【0006】2.第二の方法 この方法は、上記の原料未加硫ゴムを押し出し機などを
用いて接着剤で塗布した芯金に巻き付け、芯金外周に未
加硫原料ゴム層を設けた後、加熱炉で加硫,発泡,接着
を行ない、その後スポンジ層表面を研磨しフッ素樹脂製
チューブと接着させて加圧ローラとする方法である。
【0007】3.第三の方法 この方法は、図3に示す通りである。まず、原料未加硫
ゴムを芯金31と一緒に押し出し機などを用いて押し出し
成型し、芯金31の外周に未加硫ゴム層32を設ける。次
に、内面がメッキ処理された加硫成型用中空パイプ33を
用意し、前記中空パイプ33の内壁面にフッ素樹脂製チュ
ーブ34を装着する。つづいて、このフッ素樹脂製チュー
ブ34の内側に前述した未加硫ゴムの付いた芯金31を装着
した後、中空パイプ33と共に加熱することで、加硫,発
泡と同時に芯金−スポンジ間の接着,スポンジ−フッ素
樹脂製チューブ間の接着を同時に行ない加圧ローラを製
造する。前記シリコーンゴムスポンジ層の原料として
は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン,オルガノハ
イドロジエンポリシロキサン,補強用充填剤,増量剤,
耐熱剤,白金化合物を加えた付加反応型シリコーンゴム
(ミラブルLTVシリコーンゴム)組成物に各種発泡剤
を加えた未加硫原料ゴムを使用して、前記熱加硫型シリ
コーンゴムと同じ方法で加圧ローラを製造する方法もあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した薄
肉芯金の加熱定着ローラと加圧ローラからなる定着装置
は、加熱定着ローラの熱容量が小さいこと、加圧ローラ
がスポンジによる断熱効果があることでローラ表面の温
度上昇が早く、電源投入から一枚目の定着が可能になる
までの時間(ウェイトタイム)が短縮され、省エネルギ
ーになるという利点をもっている。
【0009】一方、近年、葉書,封筒,名刺などを連続
的に定着することが増えており、このような定着器の一
部分だけを使った定着を連続的に行なうと、通紙部と非
通紙部との温度差が非常に大きくなり、熱膨脹による外
径差が発生する。その結果、定着圧力に段差ができてし
まい、通常の定着に戻したとき、紙シワが発生する問題
があった。
【0010】そこで、ウェイトタイムをほとんど変化さ
せずに通紙部と非通紙部の温度差を小さくする方法とし
て、フッ素樹脂に高熱伝導付与物質を加え高熱伝導体と
し、薄肉チューブにすることを試みた。しかし、高熱伝
導体とするには多量の高熱伝導付与物質を加えなければ
ならないため、フッ素樹脂の高離型性という利点が失な
われてしまうこと、また高熱伝導付与物質を加えること
で加工性が悪くなり、安定して薄肉チューブを成型でき
ないという問題があった。
【0011】また、シリコーンゴムスポンジに高熱伝導
付与物質を加え、熱伝導率を上げることも試みられた。
しかし、原料組成物への高熱伝導付与剤の混合によりシ
リコーンゴムスポンジの物性が低下してしまうため加圧
ローラとして長期の使用に耐えらえないこと、また加圧
ローラとしての熱伝導率も上がってしまい、スポンジ層
を使用する利点の一つであるウェイトタイムも長くなっ
てしまう問題があった。
【0012】この発明はこうした事情を考慮してなされ
たもので、芯金の周面のシリコーンゴムスポンジ層とこ
の外側のフッ素樹脂層の間に厚み2mm以下で熱伝導率
が1×10-3cal/cm・s・℃以上である高熱伝導弾
性層を設けることにより、連続的な部分通紙においても
通紙部と非通紙部の温度差が大きくならず、紙シワの発
生を抑制できる定着器用加圧ローラを提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、芯金の周面
にシリコーンゴムスポンジ層を介してフッ素樹脂層を設
けた定着器用加圧ローラにおいて、前記シリコーンゴム
スポンジ層とフッ素樹脂層の間に厚み2mm以下で熱伝
導率が1×10-3cal/cm・s・℃以上である高熱伝
導弾性層を有することを特徴とする定着器用加圧ローラ
である。
【0014】この発明において、シリコーンゴムスポン
ジは、オルガノポリシロキサン,補強用充填剤,パーオ
キサイド,発泡剤を主成分とする原料未加硫ゴムを加熱
することで、硬化,発泡させて作る熱加硫型シリコーン
ゴムスポンジやビニル基含有オルガノポリシロキサン,
オルガノハイドロジエンポリシロキサン,補強用充填
剤,白金化合物,発泡剤を主成分とする未加硫原料ゴム
を加熱することで硬化,発泡させて作る付加反応硬化型
シリコーンゴムスポンジ等が主に用いられている。しか
し、加圧ローラのスポンジ層として十分な強度,圧縮,
永久ひずみを有し、かつ安定して作れるのであれば問題
なく、例えばオルガノハイドロジエンポリシロキサン、
シラノール基含有オルガノポリシロキサン、補強用充填
剤,触媒を混合することで常温でも脱水素反応し、硬
化,発泡する脱水素縮合硬化型シリコーンゴムスポンジ
が挙げられる。
【0015】また、上記反応を併用することも行なわれ
ており、特に加圧ローラ表面の帯電を抑えるなどの目的
で、シリコーンゴムスポンジの原料に導電性付与剤とし
最も安価であるカーボンブラックを加えることが行なわ
れるが、熱加硫型シリコーンゴムスポンジ原料にカーボ
ンブラックを加えるとその硬化剤であるパーオキサイド
の反応が阻害され、加硫と発泡のバランスがくずれるた
め、良好なスポンジセルがえられない。この改良方法と
して、室温放置状態でも原料の硬化反応が早く、取扱に
問題のある付加反応を少量だけ併用することで、加硫と
発泡のバランスを安定させ、均一な低体積抵抗率のシリ
コーンスポンジが得られ、熱加硫反応と付加反応の併用
は有効である。
【0016】この発明において、フッ素樹脂層の厚みは
0.2mm以下の厚みに加工することが好ましい。その
ため、加工性に優れたPFAチューブが一般に用いられ
ているが、FEP,PTFE等のチューブでも問題はな
い。また、フッ素樹脂層について、ローラ表面の帯電を
抑えるなどの目的で離型性に支障のない範囲、例えば1
0%以下のカーボンブラック等の導電性付与剤を添加し
てもよい。前記フッ素樹脂層は他の物質との接着が非常
に困難なため、表面処理を行なって接着可能な状態にし
て使用されるのが一般で、この処理方法として例えばナ
フタレンとテトラヒドロフランの溶液に金属ナトリウム
を加えた溶液で処理する方法、液体アンモニア溶液に金
属ナトリウムを加えた溶液で処理する方法、あるいはス
パッタエッチングなどの物理的処理を行なう方法がある
が、いずれの処理方法でも加圧ローラとして充分な接着
力が得られるのであれば使用にさしつかえない。
【0017】この発明において、高熱伝導弾性層の材料
としては、加圧ローラの使用される180℃前後の温度
での長期の使用に耐える耐熱性を有すると共に、加圧ロ
ーラ表面の硬さをできるだけ上昇させないような低い硬
さの材料ほど好ましく、又充分な高熱伝導率を有してい
る必要がある。例えば、高熱伝導付加反応硬化型シリコ
ーンゴムや高熱伝導縮合反応硬化型シリコーンゴムがあ
るが、前記条件を満たしているのであれば、その主原
料,高熱伝導付与剤の種類に限定されない。
【0018】この発明において、高熱伝導弾性層の厚み
を2mm以下で、熱伝導率を1×10-3cal/cm・s・
℃以上であると限定した。ここで、厚みを2mm以下とし
たのは、厚みが2mmを越えると、加圧ローラ下層のシリ
コーンスポンジ層による断熱効果がうすれるため、ウェ
イトタイムが長くなってしまうことや加圧ローラ表面の
硬さも上昇するため充分なニップ幅が取れなくなるとい
う問題が発生するからである。また、熱伝導率が1×1
-3cal/cm・s・℃未満の場合、この発明の目的で
ある通紙部と非通紙部の温度差を小さくし、紙シワの発
生をおさえる効果がなくなってしまうためである。
【0019】
【作用】この発明においては、シリコーンゴムスポンジ
層とフッ素樹脂層の間に厚み2mm以下で熱伝導率が1
×10-3cal/cm・s・℃以上である高熱伝導弾性層
を有する構成になっているため、連続的な部分通紙にお
いても通紙部と非通紙部の温度差が大きくならず、紙シ
ワの発生を抑制できる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を比較例とともに説
明する。 (比較例1) ビニル基含有オルガノポリシロキサン組成物(商品名:KE904FU 、信越化学工 業株式会社製) …100重量部 パーオキサイド(商品名:C-1 、信越化学工業株式会社製) …1.0重量部 パーオキサイド(商品名:C-3 、信越化学工業株式会社製) …3.0重量部 アゾビスイソブチロニトリル(発泡剤) …1.8重量部 これらの組成物を加え混練加工し、熱加硫型シリコーン
ゴム原料を調整する。次に、このスポンジ原料を押し出
し機を用いて接着剤の塗布された外径10mmφの芯金と
共に押し出し成形を行ない、芯金外周にシリコーンゴム
原料を巻き付ける。つづいて、この芯金を250℃の連
続加熱炉で20分間加熱し、発泡,加硫,接着を行なっ
た後、200℃のオーブンで4時間の加熱処理を行なっ
た。
【0021】次に、スポンジ表面を研磨加工して約20
mmφとし、スポンジ表面に接着剤として縮合反応硬化型
シリコーンゴム(商品名:KE45、信越化学工業株式会社
製)を0.1〜0.2mm塗布し、内径が19.5mmφ,
肉厚50μmのPFAチューブ内に挿入した後、室温で
48時間放置し接着剤を硬化させ、20mmφの加圧ロー
ラとした。
【0022】このようにして製作される加圧ローラは、
図2に示すように外径10mmφの芯金6の外周に厚み5
mmφのシリコーンスポンジ層23を設け、さらにこの外周
に接着剤を介して肉厚0.05mmのPFAチューブ24を
設けた構成になっている。
【0023】こうした構成の加圧ローラを複写機の定着
装置に取り付け、葉書を使用して連続的な部分通紙、定
着を30分間行ない、その直後に通常の用紙での定着に
戻したところ、紙シワが発生した。このとき、通紙部と
非通紙部での加圧ローラ表面の温度差を測定したとこ
ろ、32〜37℃であった。また、室温での加圧ローラ
表面の熱伝導率を測定したところ、0.264×10-3
cal/cm・s・℃であった。なお、熱伝導率の測定
は、Shotherm QTM−DII迅速熱伝導率測定計(昭和
電工株式会社製)を使い測定した。
【0024】(実施例1,2,3)図4を参照する。比
較例1と同じ方法でシリコーンスポンジ層41を作り、こ
のスポンジ層41の研磨外径だけを19.4mmφとしてス
ポンジロールとした。つづいて、このスポンジ層41表面
に熱伝導率が約2×10-3cal/cm・s・℃である高
熱伝導縮合硬化型シリコーンゴム(商品名:KE4560、信
越化学工業株式会社製)を約3mmの厚さでコーティング
し、室温で72時間放置し硬化させた後、表面を20mm
φに研磨し、約0.3mm厚の高熱伝導弾性層42を作る。
ひきつづき、この高熱伝導弾性層42の表面に比較例1と
同じ方法で接着剤KE45を塗布後、PFAチューブ43内に
挿入し、加圧ローラを作り、実施例1とした。
【0025】このように、実施例1に係る加圧ローラ
は、図4に示すように外径10mmφの芯金6の外周に厚
み4.7mmφのシリコーンスポンジ層41を設け、この外
周に厚み約0.3mmの高熱伝導弾性層42を設け、更にこ
の外周に接着剤を介して肉厚0.05mmのPFAチュー
ブ43を設けた構成になっている。
【0026】また、実施例1の中でスポンジ層の研磨外
径を18.4mmφに変えて高熱伝導弾性層の厚みを約
0.8mmとした以外は、実施例1と同じ方法で製作した
加圧ローラを実施例2とした。
【0027】更に、実施例1の中でスポンジ層の研磨外
径を16.0mmφに変えて高熱伝導弾性層の厚みを約
2.0mmとした以外は、実施例1と同じ方法で製作した
加圧ローラを実施例3とした。
【0028】上記実施例1〜3に係る加圧ローラを用い
て比較例1と同じ試験を行なったところ、実施例1〜3
のローラ通紙部と非通紙部での加圧ローラ表面の温度差
は比較例1より小さくなり、紙シワの発生はなかった。
また、加熱定着ローラとのニップ幅も充分にとれ、ウェ
イトタイムにも問題なかった。
【0029】(比較例2)実施例1の中でスポンジ層の
研磨外径を14.0mmφとし、高熱伝導弾性層の厚みを
約3.0mmとした以外は、実施例1と同じ方法で製作し
た加圧ローラを比較例2とした。この加圧ローラを用い
て比較例1と同じ試験を行なうため定着装置に組み込ん
だところ、加圧ローラの高熱伝導弾性層の厚みが厚すぎ
るため、ローラ表面が硬くなり、定着に必要な充分なニ
ップ幅を得られず、定着不良となってしまった。また、
ウェイトタイムが長くなってしまったため、加圧ローラ
としては不充分と判断し、試験をストップした。
【0030】(比較例3)実施例2と同じ方法で18.
4mmφのスポンジロールを用意し、このスポンジ表面に
通常の熱伝導率である縮合反応硬化型シリコーンゴムKE
45(熱伝導率:0.5×10-3cal/cm・s・℃)を
3mmの厚さでコーティング,室温で硬化させた後20mm
φに研磨し、実施例2と同じ方法でPFAチューブを被
覆し、加圧ローラを作り、これを比較例3とした。
【0031】(実施例4)実施例2と同じ方法で18.
4mmφのスポンジロールを用意し、このスポンジ表面に
縮合反応硬化型シリコーンゴムKE45,KE4560を混合して
熱伝導率を1×10-3cal/cm・s・℃に調整した縮
合反応硬化型シリコーンゴムをコーティング,同様にし
て作った加圧ローラを実施例4とした。
【0032】上記比較例3と実施例4に係る2つの加圧
ローラを用いて比較例1と同じ試験を行なったところ、
比較例3に係る加圧ローラでは紙シワが発生し、加圧ロ
ーラ表面の温度差も大きかったが、実施例4に係る加圧
ローラでは紙シワが発生せず、温度差も小さくなってい
た。
【0033】(実施例5) 導電性オルガノポリシロキサン組成物(商品名:TCM5406 、東芝シリコーン株 式会社製) …100重量部 オルガノハイドロジエンポリシロキサン(商品名:TC-23B、東芝シリコーン株 式会社製) …1.5重量部 白金触媒(商品名:TC-23A、東芝シリコーン株式会社製) …0.5重量部 パーオキサイド(商品名:TC-4、東芝シリコーン株式会社製)…2.0重量部 アゾビスイソブチロニトリル(発泡剤) …2.0重量部 これらの組成物を加え混練加工し、熱加硫反応と付加反
応を併用した導電性シリコーンゴム原料を調整する。
【0034】次に、このシリコーンゴム原料を押し出し
機を使ってチューブ状に押し出し、250℃の連続加熱
炉で30分間加熱,発泡,加硫させた後、200℃のオ
ーブンで4時間の加熱処理を行ない導電性シリコーンス
ポンジチューブとした。次いで、このスポンジチューブ
を接着剤の塗布された10mmφの芯金に挿入し接着させ
た後、表面を研磨加工して約18.0mmφのスポンジロ
ールとした。
【0035】一方、図3に示すような内径が約20.2
mmφの加硫成型用中空パイプ33を用意し、中空パイプ33
の内側に内径が約20.0mmφで肉厚50μmのPFA
チューブ34を装着する。このPFAチューブ34の内側に
前記約18.0mmφのスポンジロールをセットし、スポ
ンジローラ表面とPFAチューブ34内面の間に熱伝導率
約2.194×10-3cal/cm・s・℃である高熱伝
導付加反応硬化型シリコーンゴム(商品名:SE4410、東
レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)を注入した
後、140℃で30分間加熱し高熱伝導シリコーンゴム
を硬化させ、室温まで冷却してシリンダーから抜き取り
20mmφの加圧ローラとし、これを実施例5とした。こ
の加圧ローラについても比較例1と同じ試験を行なった
ところ、紙シワの発生はみられなかった。
【0036】以上の結果をまとめて「表1」に示す。
「表1」は、比較例1〜3、実施例1〜5における加圧
ローラ表面の熱伝導率及び通紙部と非通紙部の温度差が
紙シワの発生に与える影響を、高熱伝導弾性層の熱伝導
率と高熱伝導弾性層の厚みの二因子に別けて記したもの
である。
【0037】
【表1】
【0038】上記したように、この発明は、芯金の周面
にシリコーンゴムスポンジ層を介してフッ素樹脂層を設
けた定着器用加圧ローラにおいて、前記シリコーンゴム
スポンジ層とフッ素樹脂層の間に厚み2mm以下で熱伝
導率が1×10-3cal/cm・s・℃以上である高熱伝
導弾性層を有することを特徴とする定着器用加圧ローラ
である。この発明によれば、連続的な部分通紙において
も通紙部と非通紙部の温度差が大きくならず、紙シワの
発生を抑制できる。
【0039】また、この発明は、芯金の周面にシリコー
ンゴムスポンジ層を介して厚さ0.2mm以下のフッ素樹
脂層を設けた定着器用加圧ローラにおいて、前記シリコ
ーンゴムスポンジ層とフッ素樹脂層の間に厚み2mm以
下で熱伝導率が1×10-3cal/cm・s・℃以上であ
る高熱伝導弾性層を有することを特徴とする定着器用加
圧ローラに限定される。つまり、フッ素樹脂層の厚みが
0.2mm以下の定着器用ローラにおいて特に有効であ
る。
【0040】更に、この発明は、芯金の周面にシリコー
ンゴムスポンジ層を介して厚さ0.2mm以下のフッ素樹
脂層を設けた定着器用加圧ローラにおいて、前記シリコ
ーンゴムスポンジ層とフッ素樹脂層の間に厚み0.3〜
2mmで熱伝導率が1×10-3cal/cm・s・℃以上で
ある高熱伝導弾性層を有することを特徴とする定着器用
加圧ローラに限定される。この場合の効果は、上記「表
1」から明らかのように紙シワの発生が全くないことが
確認できた。
【0041】
【発明の効果】以上詳述した如くこの発明によれば、芯
金の周面のシリコーンゴムスポンジ層とこの外側のフッ
素樹脂層の間に厚み2mm以下で熱伝導率が1×10-3
cal/cm・s・℃以上である高熱伝導弾性層を設ける
ことにより、連続的な部分通紙においても通紙部と非通
紙部の温度差が大きくならず、紙シワの発生を抑制でき
る定着器用加圧ローラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱定着ローラと加圧ローラからなる従来の定
着装置の説明図。
【図2】加熱定着ローラと加圧ローラからなる従来の他
の定着装置の説明図。
【図3】加硫成型用中空パイプを用いて加圧ローラを製
作する方法の説明図。
【図4】この発明の実施例1〜3に係る定着装置の説明
図。
【符号の説明】
6,31…芯金、 32…未加硫ゴム層、 33
…PFAチューブ、34…中空パイプ、 41…シリコ
ーンスポンジ層、42…高熱伝導弾性層、43…フッ素樹脂
製チューブ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯金の周面にシリコーンゴムスポンジ層
    を介してフッ素樹脂層を設けた定着器用加圧ローラにお
    いて、前記シリコーンゴムスポンジ層とフッ素樹脂層の
    間に厚み2mm以下で熱伝導率が1×10-3cal/cm
    ・s・℃以上である高熱伝導弾性層を有することを特徴
    とする定着器用加圧ローラ。
JP19037994A 1994-08-12 1994-08-12 定着器用加圧ローラ Expired - Lifetime JP3539767B2 (ja)

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